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第83回麻布獣医学会 一般演題3

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第83回獣医学会講演抄録 39

第83回麻布獣医学会 一般演題3

悪性末梢神経鞘腫と診断されたM.ダックスフンドの1例

森下 佳1,森 淳和2・4,岩尾 @琢3,三品 美夏4,渡邊 俊文4

1DVMs動物二次診療センター,2日本動物遺伝病ネットワーク,

   3センターきた動物病院,4麻布大学附属動物病院

[はじめに]

 犬の末梢神経系の腫瘍は稀であるとされ,その多 くは高年齢の大型犬である。

 今回我々は二次診療センターにおいて中年齢のミ ニチュア・ダックスフンド(M.ダックス)の悪性末 梢神経鞘腫と診断した症例を経験したので報告する。

[症例と結果]

 症例は5歳避妊メスのM.ダックスで,半年前から 存在する進行性の左前野営上世破行の精査を目的に,

当センター整形外科に紹介された。

 当センター受診前にはLoose shoulder(肩関節不安 定症)と診断され治療経過中であったが,内科的治 療(運動制限,NSIADs)に反応なく進行性の経過を

とっていた。

 初診時左前肢の挙上とナックリング,左腋窩部に 2×2×3cm大の皮下腫瘤が触知され,神経疾患あ るいは腫瘤の増大による神経圧迫からの神経根症状 と考えられたため,同部位のFNA,超音波検査,全 身麻酔下でTru−cut biopsyならびにCT検査による精 査を行った。FNAでは,間葉系細胞が確認されたが,

Tru−cut biopsyの結果は,炎症性変化であったため,2

週間のステロイドによる消炎治療を行ったが症状の 改善や腫瘤の縮小化は認められなかったので,腫瘤 の切除生検を行った。

 手術時所見では,肉眼的に同部位の末梢神経との 連続性が認められたため,肉眼的に正常と思われる 神経を含み,かつ中枢方向に可能な限り最大に拡大 切除を行った。

 病理組織検査結果では悪性末梢神経鞘腫と診断さ れ,中枢側の神経断端にも腫瘍性変化が認められた。

[経過と考察]

 手術後74病日での所見では,局所腫瘍の再発や拡 大は見られず,症状は神経学的な改善こそみられな いものの,疹痛はなく急激に悪化することなく良好 に経過している。末梢神経腫瘍の平均診断期間は6 ヶ月といわれ,この症例においても確定診断までに 約半年の時間を要している。神経根症状を呈する小 型犬で腫瘤の確認ができない場合であっても神経鞘 腫は鑑別疾患の一つとして十分考慮すべきであり,

また飼い主への説明においても重要であると思われ

た。

参照

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