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第85回麻布獣医学会 一般演題13

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Academic year: 2021

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第 85 回獣医学会講演抄録

【はじめに】

輸血の免疫学的副反応で最も危険視される急性溶 血 反 応 を 回 避 す る た め , 輸 血 前 の 交 差 適 合 試 験

(XM)は不可欠である。現在,国内には動物血液バ ンクが存在しないため,輸血を行う診療機関自身が 何らかの方法でドナー動物を確保して輸血用血液を 採取しなければならず,XM 用血液も輸血実施の都 度,複数のドナー候補犬から採取することになる。

これはドナー犬やその飼い主,さらには輸血を実施 する診療機関にとって大きな負担である。そこで,

この問題を解決するために,犬の XM 用赤血球の長 期保存方法について検討した。

【方法及び結果】

犬の輸血で最も問題となる赤血球抗原は DEA1.1 であるが,この抗原に対する自然抗体は存在しない。

そのため,輸血歴や妊娠歴のない実験犬同士の血液 で XM を実施しても,DEA1.1 による陽性反応は得ら れない。そこで,XM 陽性の実験用サンプルを入手 するため,DEA1.1 陽性犬の全血を同抗原陰性の犬 2 頭に輸血して,2 種類の抗 DEA1.1 抗体を作製した。

次に,DEA1.1 陽性赤血球を長期保存するために,

低濃度グルタルアルデヒド(GA)を用いた赤血球の半

固定と,半固定赤血球の保存条件について検討した。

幾つか異なる濃度の GA で,室温にて 10 分間半固 定処理を行った DEA1.1 陽性赤血球について,抗 DEA1.1 抗体を持つ血漿との凝集反応を比較した。そ の 結 果 , 高 濃 度 G A で は 凝 集 反 応 が 消 失 し た が , 0.3 mM 以下の GA 半固定で非固定赤血球と同等の凝 集反応が得られた。この半固定赤血球を冷蔵保存し たところ,凝集性は 1–2 ヵ月間維持したが,4 カ月 後には高度に溶血し検査不能となった。

一方,1 mM  GA 半固定では凝集性がやや低下した が,犬クームス血清を利用すると顕著に反応感度が 増強して凝集反応が得られ,この凝集性は半固定赤 血球の冷蔵保存によって 4 カ月後まで維持した。し かしこの場合も 6 カ月後には高度に溶血し,検査不 能となった。

そこで,より長期の保存を目指して 0.3mM  GA に よる半固定赤血球の凍結保存も試みたが,解凍後の 洗浄の段階ですべてが溶血し,検査不能となった。

【考 察】

以上より,GA で半固定することで犬の XM 用ド ナー赤血球を長期保存できる可能性が示唆されたが,

実用化のためには更なる検討が必要と思われた。

49

小田 香織,瀬川 和仁,根尾 櫻子,久末 正晴,山田 隆紹,土屋  亮 麻布大学獣医学部内科学第二研究室

第 85 回麻布獣医学会 一般演題 13

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