• 検索結果がありません。

わが国の社会資本投資の推移とその地域配分

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "わが国の社会資本投資の推移とその地域配分"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

わが国の社会資本投資の推移とその地域配分

著者 水田 健一

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

巻 39

号 1

ページ 21‑40

発行年 1990‑11‑26

その他のタイトル The Development and Regional Allocation of

Social Overhead Capital Investments in Japan

URL http://hdl.handle.net/10105/1819

(2)

わが国の社会資本投資の推移とその地域配分

水 田 健 一 (奈良教育大学経済学教室)

(平成2年4月28日受理)

I. は じ め に

戦後、わが国では特に1960年代以降の高度成長の過程を通じて、積極的な社会資本形成が展開 されてきた。社会資本は民間部門の生産活動の基盤としての機能を果たすとともに、生活環境の 維持や国民生活の質の向上のためにも、きわめて重要な役割を担っている。また社会資本投資の 地域配分のあり方は、地域間の所得分配や地域の発展可能性に対して大きな影響を及ぼす。

本稿では、高度成長期以降のわが国の社会資本形成の歴史を振り返り、その部門間の投資配分 の推移を概観するとともに、大都市圏対地方圏の所得格差の是正に及ぼす社会資本投資の地域配 分の役割について分析する。まず次のIIでは、高度成長期以降、わが国の社会資本投資総帝がど のように推移し、また各事業目的に対する投資の比重がどのように推移してきたかを振り返り、

わが国の社会資本形成の時系列的変化の理解に役立てる。さらに戦後の経済計画のなかで、社会 資本整備の問題がどのように取り扱われてきたかを考察することをつうじて、社会資本の整備理 念が、戦後どう推移してきたかを考察する。

社会資本は生産活動や国民生活の基盤を構成するストックとしての楼能を有するとともに、フ ローとしての公共投資を通じて、地域的な所得分配を調整する機能を有している。そこでIIIでは、

高度成長期以降、大都市圏と地方圏の間で社会資本投資の地域配分がどのように推移し、またそ の推移と地域間の所得分配との関係はどうであったかを、回帰モデルを用いて分析する。この分 析をつうじて、大都市圏と地方圏の一人当り所得水準の格差と、両圏域間の一人当り公共投資額 の格差の間には、有意の相関関係が存在することが確認される。

II. 高度成長期以降のわが国の社会資本投資の推移と整備理念 (1)高度成長期以降のわが国の社会資本投資規模とその事業目的別配分の推移

(社会資本投資規模の推移)

わが国の高度成長期以降の社会資本投資総額の推移を概観しよう。図1は、国民経済計算の Ig (公的固定資本形成)および自治省『行政投資』の行政投資額で捉えた、わが国の社会資本 投資の推移を示している(1)。 ともに昭和30年代、 40年代を通じて投資額の順調な増加がみら れるが、昭和50年代に入って投資額の増加テンポが鈍化し、 50年代後半にはマイナス成長となっ たが、 61年度以降再び上昇傾向が復活した。

また図2はI g、行政投資、および国民総生産(GNP)の対前年度成長率の推移をみたもの である。 I g並びに行政投資は、昭和50年代初頭まで平均して高い成長率がみられ、特に30年代 中期と40年代後半期には20‑30%の高い成長率を記録している。景気変動と公共投資の成長率と の関係をみると、昭和53年度までは一般に、 I gと行政投資はともに、不況期において成長率が

21

(3)

35

30

25

20

15

10

5

昭和33 35    40    45    50    55    60 62年度

資料 公的固定資本形成( I g ) :経済企画庁調査局編r経済要覧j (昭和59年版、 60年版、 61年版、 62年版、 63年版,平成元年版).

昭和39年度までは旧S NA、 40年度以降は新S NAによる数値である。

行政投資 :自治省大臣官房地域政最諌編r行政投資l (平成元年8月).

図1.公的固定資本形成(I g)と行政投資(名目砺)の推移

△‑‑1景気のLLF       ▲‑‑‑景気の谷

資料 公的Ea定資本形成( Ig)、国民総生産( GNP ) :経済企画庁調査局編r経済要覧」 (昭和59年版、 60年版、 61年版、 62年版、

63年版、平成元年版).昭和39年度までは旧S NA、 40年度以降は新S NAによる数値である。

行政投資      :自治省大臣官房地域政策課編r行政投資j (平成元年8月).

図2.景気の変動と公的固定資本形成(I g) 、行政投資および国民総生産(GNP) (‑名目額)の各成長率の推移

(4)

高められてきたことがわかる。例えば昭和34年度以降53年度までの間に、 36年度下期〜37年度下 期、 39年度下期〜40年度下期、 45年度上期〜46年度下期、 48年度下期〜49年度下期、 51年度下期

〜52年度下期の5回の不況期を経験したが、図2に示されるように行政投資についてもI gにつ いても、それらの期間はいずれも成長率の高い期にあたる。このように景気の変動にともなって、

年度による変動は存在するが、わが国の社会資本投資額は順調に引き上げられてきた。例えば昭 和33年度から53年度までの20年間のI gならびに行政投資額の対前年度成長率は、それぞれ平均 17.4%と19.7%で、これらはいずれも同期間における民間企業設備投資の平均成長率16.0%を上 回っている。

しかし政府の財政事情の悪化により、昭和54年度以降公共投資の抑制が行われ、その結果I g は58年度から60年度までの3年間、また行政投資も57年度から60年度までの4年間にわたりマイ ナス成長となった。 53年度から61年度までの8年間について、王gと行政投資の対前年度成長率 の平均はそれぞれ1.1%と1.8%で、この間の民間企業設備投資の対前年度成長率の平均8.0%を 大きく下回っている。この時期の景気変動と公共投資の成長率との関係についてみると、昭和54 年度以降62年度までに、 54年度下期〜57年度下期、 60年度上期〜61年度下期の2回の不況期を経 験したが、公共投資の抑制処置により、これらの不況期においても行政投資やI gの成長率は低

い水準に抑えられた。

%

14

1 L

1 0

8

6

4

2

0

r‑rコー:

、  ー̲ 行政投賛/GNP I g/GNP

ノーヽ      、

△▲ △▲     △▲ △▲  △▲ △ ▲  △ ▲

昭和33 35 T J40 不況期 不況期

45† †50 † 60† 62年度

不況期 不況期 不況期  不況期  不況期

∴ 一一‑景気(^U.1      ▲  ‑景気の谷

資料 公的固定資本形成( Ig)、国民総生産( GNP ) :経済企画庁調査局編r経済要覧j (昭和59年版、 60年版、 61年版、 62年版、

63年版、平成元年版).昭和39年度までは旧SNA、 40年度以降は新SNAによる数値である。

行政投資      :自治省大臣官房地域政策課篇r行政投資J (平成元年8月) ,

図3.公的固定資本形成(I g)と行政投資の対GNP比率の推移

図3は行政投資および公的固定資本形成(I g)の対GNP比率の推移をみたものである。行 政投資の対GN P比率は昭和30年代、 40年代の高度成長期を通じてはぼ一貫して上昇を続けたが、

昭和54年度以降の公共投資の抑制策により、同年度より下落に転じ、この下落傾向は60年度まで 続いた。その後、 61年度以降再び上昇傾向に復帰している。 I gについてもその対GNP比率は 昭和54年度以降60年度まで下落を続け、 61年度以降再び上昇に転じている。

(5)

図3から、昭和50年度あたりまでは、公共投資の対GNP比率は一般に、不況期において高く なる傾向があることがわかる。昭和34年度から53年度までの5回の不況期において、いずれも行 政投資並びに1 gの対GNP比率は上昇している。しかし54年度以降行政投資とI gの対GNP 比率は低下し続け、 54年度下期‑57年度下期、 60年度上期〜61年度下期の2回の不況期において もこれらの比率は下降し鹿けた。

(行政投資にみる事業目的別社会資本投資額の推移)

自治省『行政投資』においては、行政投資をその機能ないしは事業目的に応じて次のような分 類が行われている。

生活基盤投資    市町村道、街路、都市計画、住宅、環境衛生、厚生福祉(病院、国民健

産業基盤投資 農林水産投資 国土保全投資 その他の投資

康保健、公立大学付属病院の各事業を含む) 、文教施設、水道および下 水道の各投資

国県道、港湾(港湾整備事業を含む) 、空港および工業用水の各投資 農林水産業の投資

治山治水および海岸保全の投資

失業対策、災害復旧、官庁営繕、鉄道、地下鉄、電気、ガス等上記以外 の各事業の投資

ここでは上の分類にしたがって、行政投資の事業目的別構成がどのように推移してきたかをみ てみよう(2)。

昭和34 35    40    45    50    55    60 62年度 資料 自治省大臣官房地域政策課題r行政殴資J (昭和60年7月、平成元年8月).

図4.行政投資の事業目的別構成比の推移

図4および付表2は行政投資の事業目的別構成比の推移を示したものである。生活基盤投資の 比率は昭和30年代中期から漸増傾向を続け、特に40年代に入ってそれまで寮極的な整備が続けら れてきた産業基盤社会資本に比較してその整備水準の立ち後れが撫く認識されるようになったこ

(6)

ともあって(3'、 43年度以降のその構成比の増加は目覚ましく、 48年度には35年度の約1.5倍に当 たる46.6%まで上昇したOその後第1次オイル・ショックを契棟に下落に転じたが53年度以降再

び漸増傾向に戻り、昭和62年度には45.5%となっている。

産業基盤投資は昭和35年度には19.5%の比率であったが、産業基盤社会資本の「あい路打開投 資」の必要性が虫く認識されたこともあって、その比率は急速に高められ、 38年度には27.0%と なった。この値は40年代前半期は横ばいで推移し、その後漸減傾向となったが、昭和48年度の第 1次オイル・ショックを契棟に同年度の22.5%から51年度の14.3%へと急減した。その後56年度 以降漸増傾向をたどり、 62年度には20.1%となっている。農林水産投資および国土保全投資は、

それぞれ ‑10%および7‑9.で比較的安定した推移をたどっている。

昭和3435    40    45    50    55    60 62年度

資料 自治省大臣官房地域政策課題r行政投資j (昭和60年7月、平成元年8月).

図5.生活基盤対産業基盤投資比率の推移

なお「その他の投資」の比率は昭和48年度から50年度にかけて約2倍に上昇し、その後数年間 高い値を保っているが、これは48年度と54‑55年度の第1次および第2次オイル・ショックを契 機とする不況対策に関連する投資の比重が高められたことによるものと考えられる。また昭和49

‑50年度に生活基盤投資ならびに産業基盤投資の比率が大きく下落しているが、これも上の理由 で「その他の投資」の比重が増大したことの影響によるものと考えられる。

図5は産業基盤投資に対する生活基盤投資の投資額比率をみたものである。前述のように昭和 30年代を通じて「あい路打開投資」の戦略がとられ、産業基盤の整備が重視されたため、生活基 盤対産業基盤の投資額比率は昭和30年代後半まで低下した。しかし40年代に入って高度成長の歪 みの是正が認識され、生活の質の向上やシビル・ミニマムの拡充が政策課題として取り上げられ てきたこともあって、この比率は昭和43年度以降上昇に転じ、 46*47の両年度には若干下落した ものの、その後急激に上昇し、 51年度には38年度水準の約2.2倍の2.96となった。そして51年度 から56年度にかけてはぼ横ばいで推移したが、 57年度以降漸減し、 62年度には2.26の水準となっ

(7)

昭和3435 36373839 40 41424344 454647 4849 SO 51S253 54 55 5657585960 61 62年度 資料 自治省大臣官房地域政策珠編r行政投資実乱(昭和55年度版)、同r行政投資J (昭和60年7月、平成元年8月).

図6.事業別行政投資塀の推移(構成比)

図6は行政投資の事業別構成比の推移をみたものであるが、これより次のようなことが指摘で きる。 (1) 「道路」は経済の高度成長の波に乗り、 30年代中期から40年代初頭にかけてその構成比 を20%から28%台にまで大きく高めたが、 48年度から50年度にかけて第1次石油ショックの影響 で構成比を17%台にまで急減させた。その後、経済の安定成長の定着とともにその比率を回復し、

62年度には48年度の水準にまでその比率を高めている。 (2) 「その他」の行政投資は「道路」とは ほぼ逆相関の関係にある(4)。 すなわち昭和30年代中期から48年度にかけてその構成比を約29

%から約15%にまで下げるが、 48年度から50年度にかけて、第1次石油ショック後の経済構造の 変化とそれに対してとられた政策的対応に伴い、その比率を30年代中期の水準にまで急上昇させ た。そして51年度以降その構成比は次第に低下し、 62年度にははぼ48年度の水準にまで低下した。

(3)30年代から今日まで「下水道」や「都市計画」の比率は着実な上昇をたどった(4) 「環境衛生」

も30年代から40年代後半にかけて投資比率が上昇し、その後安定した水準にある。 (5) 「住宅」は 30年代終わりから45年度にかけてその構成比を約2倍に高めたが、その後漸減し、 62年度の水準

は30年代後半の水準まで低下した。 (6) 「港湾」は30年代後半から50年代初頭にかけて比率が低下 しつづけ、その後はぼ一定の水準を保っており、 「工業用水」についてもこれとほぼ同じ傾向に ある。

以上、本節ではわが国の高度成長期以降の行政投資(および公的固定資本形成I ど)の総塀や 成長率の推移、それらの対GNP比率の推移、事業目的別ならびに事業別構成比の推移を概観し てきたが、そこからわが国の社会資本投資の趨勢を次のように要約することができる。昭和30年 代後半から40年代初頭にかけては産業基盤投資が高い比率を占めていた。 40年代に入って生活基 盤投資の構成比が増大し、また40年代中期以降産業基盤投資の構成比が下落していった。このた

(8)

め生活基盤投資対産業基盤投資の比率は大きく上昇した。その後48年の第1次オイル・ショック を契機として生活基盤投資と産業基盤投資の構成比はともに下落するが、 50年代半ばに産業基盤 投資の構成比が先に上昇に転じたために、生活基盤対産業基盤の投資額比率は、 50年代後半から 低下していった。また昭和54年度以降、財政状況の悪化にともない公共投資が抑制された結果、

行政投資(およびI g)の成長率は大きく低下し、 50年代後半にはマイナス成長となった。そし て行政投資( I g)の対GNP比率も54年度から60年度まで低下を続けた。

このよう′な社会資本投資の趨勢の変化の背後にはどのような整備理念の推移があるのだろうか。

戦後の経済計画のなかで社会資本の整備がどのように取り扱われてきたかを探ることによって、

整備理念の推移を明らかにすることができる。次にこの問題を考察しよう。

(2)戦後の経済計画にみる社会資本整備理念の変遷

戦後わが国で閣議決定された経済計画は昭和30年の「経済自立5カ年計画」から63年の「世界 とともに生きる日本一経済運営5ヶ年計画‑」まで合計11を数えるが、本格的な経済計画は昭和 35年12月に閣議決定された「国民所得倍増計画」に始まる。同計画では社会資本整備について

「戦後における急速な経済成長は、過去に蓄積されていた外部条件の上になされてきた.ところ が、 28年頃より経済規模が戦前水準をこえ、さらにその後も急速な上昇を続けていったため、こ れらの外部条件は次第に窮屈さと遅れを露呈していき、近年では道路、港湾、土地、水等の社会 施設の不十分さが、国民経済の基本的あい路として登場している。今後10年弱の間に、わが国の 経済規模が約2倍になるとすれば、これらの面におけるあい路の打開こそはその間における国民 経済上の最大の必要性とならねばならない。 」 ( 「投資配分小委員会報告」 、経済企画庁 (1961)に収録)と述べ、あい路打開投資の必要性が強調されている。特に産業基盤投資の必要 性が強調され、 「計画期間における社会資本充実の第一の方向としては、産業基盤強化のための 社会資本をまず必要最小限確保することが緊要である。なぜならば、この面における施設の劣弱 が経済成長のあい路となる可能性が相当憩いと考えられるからである。したがって、産業の基盤 をなす社会資本の拡充のために種々の努力を傾けることこそが、この計画がめざす高度成長を実 現していくための基本的課題でなければならない。 」 (経済企画庁, 1961)としている。なかで

も道路、港湾、鉄道、空港等の輸送施設や電信電話等の通信施設、さらに工業用地、用水等産業 の立地条件の整備を積極的に推進する方針を示している。

国民所得倍増計画では、公共投資をその機能に応じて、 (1)産業基盤(道路、港湾、農林水産) 、 (2)住宅および福祉環境(住宅、環境衛生、厚生福祉) 、 (3)国土保全(治山治水、災害復旧) 、 (4) その他(文教施設等)の4つに分類し、産業基盤尭化のための社会資本については計画の前半期 に重点的に投資し、住宅および生活環境施設等の生活基盤社会資本については、住宅環境衛生施 設等で産業発展の基盤として必要なものを除いて、計画期間の後半ないしそれに続く期間に投資 の比重をおく方針を示している。このように経済成長率を高めるために産業基盤のための社会資 本整備を最優先で実現し、その後に民政安定のための社会資本整備に次第に重点を移していくと いうのがこの計画の方針であった。

しかし次第に高度成長の「歪み」が顕在化していく中で、この方針は修正を余儀なくされるこ とになる。特に昭和40年代に入って人口の大都市圏への集中に伴う過密・過疎問務の深刻化や公 害問題が深刻化するなど、経済の高度成長の歪みが克く認識され(5) 、社会資本投資政策も従来 の産業基盤の整備を最優先する政策から、生活環境基盤の整備に比重をおいた政策へと改めてい

(9)

くことべきが次第に国民的な合意となってゆく。

こうしたことを背景として、経済計画の中での公共投資の配分の重点も、次第に産業基盤施設 の整備から生活環境施設の整備に移されてゆく。昭和40年1月に閣議決定された「中期経済計画」

では、公共投資の配分に当たっての重点項目として次の3点があげられている。 (D住宅生活環境 施設の整備、 ②農林漁業基盤の拡充、 ③交通・通信体系の整備。国民所得倍増計画では最重点項 目としてあげられていた産業基盤の整備のうちの交通・通信体系が3位に下がり、代わって住宅 生活環境基盤の整備が第1位に、また農林漁業基盤の拡充が第2位におかれている。昭和42年3 月に閣議決定された「経済社会発展計画」においても整備の優先順位は、 (り住宅、生活環境施設 の総合的整備、 ②合理的な交通通信体系の整備、 ③農業等関係社会資本の整備、とされ、 2位と

3位が入れ変わったものの、やはり住宅生活環境施設を最重点に整備すべきであるという方針が 示されている。

この方向は昭和45年5月に閣議決定された「新経済社会発展計画」に引き継がれた。同計画で は社会資本整備への要請として、 a.ナショナル・ミニマム拡充への要請、 b.あい路打開投資 への要請、 C.新たな社会建設のための戦略投資の要請の3つをあげ、このうちaを最重点とす べきであるとしている。そしてこのナショナル・ミニマムの具体的内容として、住宅、生活環境 施設、公害の予防などをあげている。

こうした生活環境社会資本を最優先に整備していくという考え方は、昭和51年5月に閣議決定 された「昭和50年代前期経済計画」において、より一層明確に打ち出されている。同計画では、

「限られた資源の中で、国民生活の充実の基盤となる社会資本等の整備を重点的にすすめるo大 規模な投資を要する交通通信体系の形成等については、長期にわたり着実に整備する」 (経済企 画庁, 1976)とし、生活環境社会資本施設の整備を最重点に進めていく一方で、高度成長期に策 定され、その後第1次石油危機後の公共投資抑制処置により工事の進展が遅れていた交通通信部 門を中心とする大規模プロジェクトについては、時間をかけてゆっくり整備していくという方針 が示された。

昭和54年8月に閣議決定された「新経済社会7カ年計画」においても社会資本整備の重点は生 活環境施設の整備におかれ、また昭和52年の「第三次全国総合開発計画」 (三全総計画、昭和52 年11月4日 閣議決定)で打ち出された「定住圏」構想を受け継いだ内容となっている。すなわ

ち「本計画期間中においては、定住構想等に沿いっつ国民生活に直接関係の深い分野への投資に 重点をおくこととし、次のように社会資本の整備を進めることとするが、この場合、社会資本相 互間あるいは社会資本と経済活動とのバランスに留意するものとする。まず、日常の生活環境を 改善し、国民生活の質的向上に資するため、生活環境施設の充実を図ることとし、住宅の質の向 上とともに、下水道、廃棄物処理施設、都市公園、厚生福祉施設、文教施設等相対的に整備の遅 れているものや国民の要望の重いものを整備することとし、さらに他の分野においても、生活道 路、都市高速鉄道、辺地、離島の港湾・空港、交通安全施設、都市河川、農山漁村環境施設等国 民生活に密接に関連するものについて重点をおく。 」 (経済企画庁, 1979)

一方、昭和54年度一般会計予算においては歳出に対する公債依存度が40%に達するなど、深刻 な財政状況を受けて、同計画では「財政の再建が急務である状況下では、安易な財政規模の拡大 は厳に戒めなければならない」と述べ、昭和40年代から次第に顕著になってきた財政の肥大化を 戒めている。そして社会資本整備にあたっても、 「国民ニーズの高度化、多様化へ効率的に対応 するためには、必要とされる社会資本の機能、地域の特性等に応じて民間部門の活力を引き出す

(10)

ことが重要である」として、 「条件が整えば民間部門による供給も可能であるような分野におい ては、効率的な財・サービスの供給を行うため、できるだけ民間部門による供給の促進を図」る ことが必要であると主張している(経済企画庁, 1979) 。こうして同計画では、行財政の合理化 や、社会資本建設に当たっての費用と負担の適正化、また可能なものについては民間部門による 供給の促進が唱えられるなど、昭和40年代後半以来のナショナル・ミニマムの発想に基づいて、

「大きな政府」を志向する方向とは明らかに異なった方向に立っものといえる。

こうした方向転換は、昭和58年3月に閣議決定された「1980年代経済社会の展望と指針」では、

「また、社会資本の整備に当たっては、公的部門の果たす役割は大きいものの、民間部門の社会 資本分野への進出意欲が高まりつつあること等にもかんがみ、この際、従来の制度、慣行にとら われず官民分担等について見直しを行い、社会資本分野への民間活力の活用を図る観点から検討

を進め、施設の性格に応じ民間部門の参加を求めることが必要であろう。 」 (経済企画庁, 1983)と述べられ、一層明確な形で打ち出されている。

以上、昭和35年の「国民所得倍増計画」から58年の「1980年代経済社会の展望と指針」まで、

わが国の経済計画の中で社会資本整備の問題がどのように論じられてきたかを概観したが、これ によりわが国の社会資本整備についての政策理念は次のように変化してきたことを認識すること ができる。 ①経済成長にとってのあい路打開のための産業基盤社会資本整備の追求(昭和30年代 後半) 、 ②高度成長の歪みを是正し、ナショナル・ミニマムの拡充を追求する生活環境社会資本 整備の重視(昭和40年代〜50年代前半) 、 ③ひきつづき生活環境社会資本整備を重視しつつも財 政制約を考慮した効率的な投資配の虫調、官民の役割分担の見直しと民間活力の活用(昭和50年 代中期以降) 。上の(1)でみた部門別の行政投資額の推移は、こうした整備理念の推移に符合した ものであるということができる(6)。

III. 社会資本投資の地域配分と地域間の所得分配

社会資本投資を地域間の所得分配という視点からみると、第1に投資された施設が生産活動の 基盤として地域の経済活動の生産性を高めるという点で、第2に投資活動そのものの持つ需要拡 大効果という点で、地域の所得水準に対してプラスの効果をもつ。本節では、 (1)において自治省

『行政投資』にもとづいて、わが国の社会資本投資が大都市圏と地方圏の間でどのように配分さ れてきたかを概観し、それをふまえて(2)において、社会資本投資の地域間配分と地域間の所得分 配との関係を考察しよう。

(1)社会資本投資の大都市圏と地方圏への地域配分の推移

図7および付表3は行政投資総額およびそれぞれの事業目的別投資額の大都市圏対地方圏への 配分比率の推移をみたものである(7)。行政投資総塀の大都市圏対地方圏の配分比率は、第1次 オイル・ショックの影響で昭和48 ‑ 49年度にわずかに上昇したことを除けば、 40年代初頭以来地 方圏への投資に比重がおかれ、一貫して低下しつづけ、昭和40年代前半には約1.5程度であった ものが54年度には1.07まで下落した。その後昭和61年度以降再び、大都市圏への投資比率の上昇 傾向がみられる。

生活基盤投資は大都市圏の比重が他の投資分野に比較して最も高く、 40年代前半には大都市圏 対地方圏の比率は約2.5であった。昭和45年度以降この比率は大きく下落し、 54年度には約1.6ま

(11)

で下がったが、その後再び上昇し、 62年度には1.79の水準にある。産業基盤投資については、こ の比率は昭和42年度を境に上昇から下落に転じ、その後はぼ一貫して低下を続け、 62年度には42 年度の水準(1.76)の半分以下の0.80となっている。

昭和40      45      50      55      60 62年度

資料 自治省大臣官房地壊政策課編丁行政投資実胤(昭和55年度版)、同r行政投暫l (昭和60年7月、平成元年8月),

図7.各事業目的についての大都市圏対地方圏投資額比率の推移

4

国土保全 EEEB田 昭和4・0       45 60 62年度

資料 自治省大臣官房地域政笈諌編r行政投資実績」 (昭和55年度版)、同r行政投資」 (昭和60年7月、平成元年8月)

図8.行政投資の事業目的別構成比の推移(大都市圏)

(12)

次に大都市圏と地方圏のそれぞれについて、行政投資の事業目的別構成比の推移をみてみよう。

図8は大都市圏の、また図9は地方圏における行政投資の事業目的別構成比の推移を示している。

概ね全国レベルの構成比の推移を示した図4と同じ推移がみられるが、大都市圏と地方圏で異なっ た推移がみられるのは次のような点である。

資料 自治省大臣官房城政策課題r行政投資実親」 (昭和55年度版)、同r行政投資j (昭和60年7月、平成元年8月).

図9.行政投資の事業目的別構成比の推移(地方圏)

先ず生活基盤投資については、大都市圏における構成比が地方圏におけるそれを大きく上回っ ていることがあげられる。

産業基盤投資については、その構成比は大都市圏の場合には、 43年度以降51年度まで下落をつ づけるが、地方圏の場合は、 43‑46年度にかけていくぶん上昇するものの、 48年度までは大きな 変動はなく、 49年度以降急減するといった点が異なっている。そしてこの産業基盤投資の構成比 は、 43年度までは大都市圏の方が地方圏よりも高く、大都市圏の産業基盤の整備に力が注がれて いたことがうかがわれるが、 44年度以降地方圏の値が大都市圏を上回っており、このことは図7 でみた結果とあわせて、産業基盤の整備は昭和40年代中期以降は、地方圏を中心に進められてき ていることを示しているO

(2)社会資本投資の地域配分と地域間の所得分配格差 (大都市圏対地方圏の一人当り県民所得水準の格差の動向)

上の(1)でみてきたように、わが国の社会資本投資は昭和40年代前半から50年代の中期までは地 方圏の比重が高められ、その後再び大都市圏の比重が高められつつあるが、このような大都市圏 対地方圏の社会資本投資の配分は、両圏域問の所得分配に対してどのような影響をもつのだろう か。大都市圏に対して地方麿への社会資本投資の比重を高めることによって、大都市圏対地方圏 の所得分配の格差はどの程度縮小するのであろうかo

(13)

Y   o D*

*"

‑  '

GNP成長率

loo署

DY(1人当り所得格差)

GNP成長皐

55 †

不洗期    不況期 不況期  不況期    不況期   不泥期

二‑一 千九(ILL       ▲ 一一一熊気LTl盲

資料 経済企画庁経済研究所編r県民所得統計年軌(昭和53年版)、同r県民経済計算年報J (平成元年版)・経済企画庁 調査局編r経済要覧」 (平成元年版)により作製。

図10.大都市圏対地方圏の所得格差指数(DY)の推移とGNP (名目)成長率の推移

こうした問題を考えるために先ず、大都市圏と地方圏の一人当り所得水準の格差がどのような 推移をたどってきたかを概観しよう。図10は昭和40年度以降の大都市圏対地方圏の1人当り所得 格差を表す指数の推移と名目GNPの成長率の推移をみたものである。ここでは大都市圏対地方

GNP成長串

*

昭和40†    45†  †

60 61年足 不況期 不泥期  不況期   不況期    不況期

△‑一一女気の山     ▲1‑‑景気の谷

資料 経済企画庁経済研究所編r県民所得統計年報」 (昭和53年版)、同r県民経済計算年報」 (平成元年版) 、経済企画庁 調査局賃r経済要覧」 (平成元年版)により作製。

図11.大都市簡対地方蘭の所得格差指数(DY)の変化率の推移とGNP (名目)成長率 の推移

(14)

牌の所得分配の格差を表す指数(以下、これをDYで表す)として、全国の値を1とした指数と しての両圏域の一人当り県民所得の差をとっている(8)。これにより、昭和40年度から54年度に かけて、特に昭和45年以降地方圏に対する大都市圏の所得分配面の優位性は次第に低下していっ たが、55年度以降再び大都市圏対地方圏の所得分配の格差が拡大しつつあることがわかる。しか もこうした変化は景気の変動にそれほど左右されることなく生じてきている(9)。

(大都市圏対地方圏の一人当り社会資本投資額の格差と所得水準の格差)

図10により、大都市圏と地方圏の所得分配格差の推移は景気の変動によってもたらされたもの ではないことが示された。それではこのような所得分配の傾向の変化‑昭和40年代から54年度 までの分配格差の縮小と55年度以降の格差の再拡大化傾向‑は何によって説明されるのだろう か。図12は上で定義した大都市圏対地方圏の一人当り所得分配の格差指数を表すグラフに加えて 両圏域間の一人当り社会資本投資額の格差を表す指数の推移をみたものであるOここでは大都市 圏対地方圏の社会資本投資額の格差を表す指数として、全国の値を1とした指数としての両圏域 間の一人当り行政投資塀の差をとっている(以下ではこの指数をDIで表す¥(10)

/。

昭和41    45     50      55     60  年度 資料 経済企画庁経済研究所編r県民所得統計年報」 (昭和53年版) 、同r県民経済計算年報j (平成元年版) ,経済企画庁

調査局編r経済要覧」 (平成元年版) 、自治省大臣官房地域政策課編r行政投賢実績j (昭和55年度版)、同r行政投 資l (昭和60年7月、平成元年8月)により作製。

図12.大都市圏対地方圏の1人当り行政投資格差指数(DI)と1人当り所得格差指数 (DY)の推移

大都市圏対地方圏の所得分配格差に影響を及ぼす大きな要因の一つに両圏域間の社会資本投資 配分の動向をあげることができる。図12に示されるように、昭和45年度から54年度にかけて大都 市圏対地方圏の一人当り行政投資額格差指数D Iは大きく下落し、社会資本投資の比重が大都市 圏から地方臥こ移動したことが示されるが、同時にこの時期において所得分配格差指数DYも下 落しており、大都市圏対地方圏の所得分配格差が縮小していることがわかる。しかし55年度以降

D Iは横ばいないし微増傾向にあり、以前よりも大都市圏に有利な投資配分となっているが、 D Yも55年度以降増加傾向に転じ、分配格差が拡大している。

(15)

大都市圏対地方圏の1人当り所得格差を決定する要因としては、一人当り社会資本投資塀の格 差とならんで経済全体に占める社会資本投資の規模、すなわち社会資本投資の対GNP比率を考 えることができる。経済全体の中で社会資本投資の相対的比重が高まることは、大都市圏に集中

しがちな民間部門の経済活動に対して相殺的な効果を及ぼし、所得格差を縮小する働きをもつも のと考えられるからである。ここでは行政投資額の対GNP比率をとることにしよう。

そこで所得分配格差指数DYを被説明変数として、行政投資額格差指数D Iと行政投資との対 GNP比率I.GNPを説明変数とする次のようなモデル式をたてた上で、昭和41‑61年度の期 間についての推計を行った(ll)。

DYt‑α+βDI t+γI.GNP.+∂DMt

ここで、各変数の右下におかれているtは年度を表す添え字であり、 DMtは昭和47年度の値 を1、それ以外の年度の値を0とするダミー変数である。これは、図12にみるように昭和47年度 仁はD Iを表す曲線は同年度において大きくキンクし、それまでの急減傾向から漸減傾向に変化 しているのに対して、 DYを表す曲線の傾きは同年度を中心に負の傾きを高めているために、 47 年度の値が異常値となっているからである。また、 αは定数項、 β、 γ、 ∂はそれぞれの変数の 推計すべき係数を表すパラメータである。推計の結果は次のようになった。

DYt‑0.52784 +0.31548 D I ,‑1.50652 I.GNP,十0.0599147 DM, (13.56) (9.95)    (‑3.43)       (2.98) R2‑0.94709, SE‑0.02, DW‑1.428

ただしR2は決定係数、 S Eは標準誤差、 DWはダービン・ワトソン比で、各係数の下の括弧内 の数値はt値を表す。

DI tの係数は正、 I.GNPtの係数は負で、ともに99.9%の有意水準で有意である。したがっ て、他を一定として、大都市圏対地方圏の行政投資額の格差指数が低下すればするほど、また行 政投資額の対GN P比率が高くなればなるほど大都市圏対地方圏の所得分配格差は縮小するとい

う有意の結論が得られた。これにより昭和54年度までの所得分配格差の縮小は大都市圏に対して 地方圏への積極的な社会資本投資配分が行われことと、社会資本投資塀のGN Pに対する相対規 模が拡大し続けたことによるものとみなすことができる。また昭和55年度以降の所得格差の増大 傾向は、それまでの地方圏をより一層優遇した方向への社会資本投資配分の変化傾向が、横ばい

あるいは幾分大都市圏に有利な方向への変化に転じたことと、社会資本投資額の対GN P比率が それまでの増加から減少に転じたことにその原因を求めることができる。

Ⅳ. 結

本稿では、高度成長期以降のわが国の社会資本への部門別投資水準の変化を分析し、戦後の経 済計画のなかで社会資本整備がどのように取り上げられてきたかの検討を通じて、社会資本投資 の部門別構成比の推移の背後において、わが国の社会資本の整備理念がどのように変化してきた のかを考察した。また大都市圏と地方圏の間の所得分配の格差と行政投資の地域配分格差ならび にGN Pに対する行政投資の相対規模の間の関係の回帰分析モデルを用いて分析し、前者と後二 者の間に有意の相関関係が存在することが確かめられた。

今後の課額としては、単に大都市圏と地方圏の間での行政投資額の格差と所得分配の格差との 関係を考慮するだけではなく、個別の地方別で分析を行うこと、すなわち各地方別の一人当り所

(16)

得額と当該地方の社会資本投資帝との間に何等かの有意な相関関係が存在するか否かを検討する ことや、前節で仮定した回帰分析モデルでは所得分配格差の説明変数として、単に行政投資総塀 の地域間格差を取り上げたが、行政投資を事業目的別に分けて、例えば生活基盤投資の地域間格 差と産業基盤投資の地域間格差のそれぞれが地域間の所得分配に及ぼす影響を検討してみること など、興味深い問題も多い。今後これらの方向を含めて分析を発展させていきたい。

付表1 ・わが国の社会資本投資額、成長率、および対GNP比率の推移

単位 ①, ②:10億円、③、④、⑤、⑥:%

年度 叫W M 3 4 3 5 3 6 3 7 3 8 3 9 4 0 4 1 4 2 4 3

(か な的固 定 資本形 成 ( I g ) 8 6 5 . 4 1 , 0 3 7 . 8 1 , 2 2 0 . 0 1 ,6 4 1 . 0 2 ,0 8 9 . 9 2 . 3 6 7 . 6 2 , 5 7 6 ー2 2 . 9 5 4 ー 1 3 , 4 8 8 . 7 3 , 9 4 2 . 3 4 ,5 1 6 . 0

②行政投資 6 8 7 . 2 8 1 5 ー6 9 9 5 ▼5 1 . 3 0 9 . 9 1 ,6 8 9 . 1 1 , 栄 )5 ー0 2 , 2 6 8 . 1 2 . 6 7 6 ー6 3 . 1 3 8 . 8 3 . 5 2 6 . 9 4 , 1 0 4 . 3

③ 一 g 成 長 率 1 9 . 9 2 1 7 . 5 6 3 4 . 5 1 さ7 . .1 S 1 3 . 2 9 8.8 1 1 4 .6 7 1 8 ー 1 0 1 3 . 0 0 1 4 . 5 5

④行政投資 成 長率 1 8 . 6 8 2 2 . 0 6 3 1 . 5 8 2 8 . 9 5 1 2 . 7 8 1 9 .0 6 1 8 .0 1 1 7 . 2 7 1 2 . 3 6 1 6 . 3 7

⑤ I g ′/ G N P 7 ー3 7 . 6 7 . 5 8 . 3 9 t ; 9 . 3 8 . 7 8 . 8 8 . 8 8 . 5 8 . 2

(勤 行政 投 資/ G N P 5 . 8 6 . 0 6 . 1 t t . t > 7 . 8 7 . 4 7 ▼6 7 . 9 7 . 9 I t > 7 . 5

年 度 昭 和 4 4 4 5 4 6 4 7 4 8 49 so 5 1 5 2 53 5 4

(亘) 公 的 固 定 資 本 形 成 (Ig ) 5 , 10 8 .5 6 , 17 1 .7 7 ,8 25 .7 9 ,4 5 5 .6 10 ,5 5 1 .9 1 2 ,8 19 .4 1 3 .97 2 ー9 1 4 ,76 3 .4 1 7 .6 5 2 .0 2 0 ,8 17 .1 2 2 .0 6 9 ー9

② 行 政 投 資 4 .8 4 7 .0 5 ,9 1 1 .1 7 ,6 2 1 .2 9 ,3 2 0 .8 10 ,6 9 2 ー4 1 4 ,2 0 4 ー3 1 6 .5 13 .7 1 7 ▼5 9 8 .0 2 0 .8 6 8 ,4 24 ▼3 7 2 .5 26 .1 10 .4

(診 1 g 成 長 率 1 3 .1 2 2 0 .8 1 2 6 .8 0 2 0 .8 3 1 1 ー5 9 2 1 .4 9 9 .0 0 5 .6 6 19 .5 7 1 7 .9 3 6 .0 2

④ 行 政 投 資 成 長 率 1 8 .1 0 2 1 ー9 5 2 8 .9 3 2 2 .3 0 14 .7 2 3 2 .8 4 16 .2 6 6 .5 7 18 .5 8 16 .7 9 7 . 13

⑤ I b / G N P 7 ー9 8 .2 9 .5 ;).ォ 9 .0 9 .3 9 .2 8 .li 9 .3 10 .0 9 .8

⑥ 行 政 投 資 / G N P 7 ー5 7 .9 9 .2 9 .7 9 .2 1 0 .3 10 .8 1 0 .3 n .o 11 ▼7 ll .6

年 度 昭 和 5 5 5 6 5 7 5 8 5 9 6 0 6 1 】 6 2

(亘)公 的 固 定 資 本 形 成 cig : 2 3 ,4 2 5 .2 2 4 ,0 4 0 .9 24 ,0 4 6 ー9 23 ー3 7 5 .6 22 ,9 2 0 .2 2 1 .4 3 6 .3 2 2 ,4 9 9 .4 24 .5 9 2 .0

② 行 政 投 資 2 7 .8 7 6 .5 2 8 ,7 9 3 .4 3 ,7 6 2 .1 27 .9 8 7 .3 27 .6 4 0 .1 26 ,5 0 5 .5 2 7 ,8 6 0 ー8 30 ,4 1 1 .6

③ I g 成 長 率 t; m 2 .63 0 .0 2 △ 2 .7 9 A 1 .9 5 △ 6 .4 7 I 9 t> 9 .3 0

l⑤ 行 政 投 資 成 長 率 6 ▼76 3 ー29 △ 0 .l l △ 2 ▼6 9 △ 1 .2 4 △ 4 . 10 5 ▼1 1 9 .1 6

⑤ I e / G N P 9 h 9 .3 8 .8 8 .2 7 .6 6 .7 6 .7 7 .0

.串 )行 政 投 資 / G N P l l . 4 l l .1 10 .6 9 .9 9 .1 S " 8 .3 8 .7

資料 公的固定資本形成(I g) 、国民総生産(GNP) :経済企画庁調査局編『経済要覧』 (昭和59年版、 60年版、 61年版、 62年版、 63年版、平成 元年版) 、昭和39年度までは旧SNA、 4 0年度以降は新SNAによる数値である。

行政投資:自治省大臣官房地域軟策課題『行政投資』 (平成元年8月)

(17)

付表2.事業目的別投資額の推移(構成比)と生活基盤投資対産業基盤投資比率

単位①‑⑤こ%

事 業 日 軒 空 軍 昭 和 3 4 3 5 3 6 3 7 3 8 3 9 4 0 4 1 4 2 4 3

① 生 活 基 盤 3 3 . 4 3 2 . 8 3 5 . 3 3 6 ▼5 3 6 . 7 3 8 . 5 3 9 . 3 3 9 . 4 3 8 . 4 4 0 . 7

② 産 業 基 盤 1 8 . 9 1 9 . 5 2 5 ー4 2 6 . 2 2 7 . 0 2 6 . 4 2 6 . 2 2 6 . 0 2 6 . 9 2 4 . 7

③ 農 林 水 産 1 0 ▼4 1 0 . 5 8 . 0 7 . 8 8 . 5 8 ー6 8 . 7 9 . 1 9 . 4 9 . 5

④回 土 保 全 8 . 2 9 ▼2 8 . 5 8 L 0 8 . 5 8 ー2 8 . 1 7 . 4 7 . 3 7 . 7

( 9そ の 他 2 9 . 0 2 7 . 9 2 2 . 7 2 1 ▼4 1 9 . 3 1 8 . 3 1 7 ー8 1 8 ー2 1 7 . 9 1 7 . 5

⑥生 活 基 盤 投 資 /産 業 基 盤 投 費 1 . 7 7 l l ▼6 8 1 . 3 9 1 . 3 9 1 . 3 6 1 . 4 6 1 ー5 0 1 . 5 2 1 . 4 3 1 . 6 5

事 業 目 軒 、l 年 度 4 4 4 5 蝣H i 4 7 4 8 4 9 5 0 5 1 5 2 5 3

( 彰 生 活 基 盤 4 2 . e 4 5 . 1 4 5 . 0 4 3 . 9 4 6 . 6 4 5 . 0 4 1 ー8 4 2 . 3 4 1 . 0 4 2 . 4

(診 産 業 基 盤 2 3 . 3 2 2 . 9 2 3 . 6 2 3 . 5 2 2 . 5 1 7 . 2 1 5 . 1 1 4 . 3 1 5 . 0 1 5 . 0

③ 農 林 水 産 9 . 5 9 . 3 9 . 2 9 ー5 8 . 9 7 . 6 8 . 3 8 . 5 ' l . l 9 . 8

(彰 国 土 保 全 7 . 5 7 . 2 7 . 3 8 ー0 6 . 8 6 . 4 6 . 6 6 . 9 7 . 6 7 . 9

⑤ そ の 他 1 7 . 1 1 5 . 5 1 4 . 9 1 5 . 1 1 5 . 2 2 3 . 8 2 8 . 3 2 8 . 0 2 7 . 0 2 4 . 8

⑥生 活 基 盤 投 棄 /産 業 基 盤 投 資 1 ー8 3 1 ー9 7 1 .9 1 1 . 8 7 2 . 0 8 2 . 6 2 2 . 7 8 2 . 9 6 2 . 7 3 2 . 8 3

書 義G B < ) 年 ヰ 5 4 5 5 5 6 5 7 5 8 5 9 α ) 6 1 6 2

(彰 生 活 基 盤 4 2 . 6 4 3 . 0 4 3 . 8 4 3 . 6 4 3 . 1 4 2 . 6 4 5 . 1 4 4 . 6 4 5 . 5

( 参 産 業 基 盤 1 5 . 2 1 5 ー4 1 4 . 9 1 5 . 4 1 6 . 2 1 6 . 6 1 8 . 5 1 8 . 9 2 0 . 1

③ 農 林 水 産 1 0 . 2 1 0 . 3 1 0 . 2 9 . 7 9 .8 1 0 . 0 1 0 . 4 1 0 . 1 1 0 . 5

④国 土 保 全 8 . 1 8 . 0 7 . 9 8 . 0 8 . 2 7 . 9 9 . 2 8 . 8 9 . 5

(9そ の 他 2 3 . 9 2 3 . 4 2 3 . 2 2 3 . 2 2 2 .6 2 2 .9 1 6 . 6 1 7 . 6 1 4 . 5

(む 生 活 基 l投 書 / 産 業 基 盤 投 書 2 . 8 0 2 . 8 0 2 . 9 5 2 . 8 3 2 . 6 5 2 . 5 8 2 . 4 4 2 . 3 6 2 . 2 6

賛料 自治省大臣官房地域政策課編『行政投資』 (昭和60年7月、平成元年8月)

(18)

付表3.事業目的別行政投資の大都市圏対地方圏比率

年 度 昭 和 4 0 4 1 4 2 43 E 44 4 5 4 6 4 7 4 8 4 9 i 5 0 5 1 5 2

行 政 投 資 ( 総 額 ) 1 .4 6 1 1 .5 30 1 ー5 4 0 1 ▼5 2 5 1 .5 19 「 .l規、 1 .4 4 0 1 .36 6 1 .3 6 7 1 ▼3 7 8 1 .2 9 0 1 . 2 10 1 .1 50 1 ri & 薗 2 . 4C施 2 .4 96 2 .3 9 6 2 .4 73 2 ▼5 43 2 .4 4 5 2 .4 2 5 2 .25 3 2 .1 9 4 2 . 17 5 2 ▼1Ⅸ ) 1 .99 9 1 .7 66 産 業 基 盤 1 . 5 17 1 .68 3 1 .7 6 0 1 .5 7 1 1 .3 54 1 ▼2 0 1 1 ▼0 9 4 1 .09 4 0 .9 7 5 0 .9 3 8 0 .8 6 6 0 .8 0 8 0 ▼80 2 農 林 水 産 0 . 52 2 0 .50 2 0 .5 1 7 0 .4 8 0 0 ▼4 79 0 .4 9 9 0 .5 13 0 .5 1 3 0 .4 9 9 0 ▼4 7 2 0 .4 6 1 0 .4 4 0 0 .4 28 国 土 保 全 0 .9 6 6 0 ー83 8 0 .7 9 3 0 . 7 70 0 .8 0 1 0 ▼7 8 5 0 .7 5 3 0 .7 38 0 .7 5 5 0 .8 0 0 o v;iT 0 ー7 18 0 .7 0 1

そ の 他 0 .9 9 6 1 .1 29 1 .2 3 9 1 3 15 1 .38 0 1 .3 56 1 ▼3 5 8 1 .26 4 1 .3 5 9 1 .3 1 1 1 . 14 7 1 .1 03 1 ▼1 9 2

年 度 5 3 5 4 5 5 56 5 7 5 8 5 9 6 0 6 1 6 2

行 政 投 資 ( 総 塀 ) 1 .09 7 i o tサ; 1 .0 8 5 1 .0 8 7 1 .1 2 3 1 .1 4 7 1 . 14 5 1 ー1 1 4 1 .1 2 8 1 . 16 9 生 活 基 盤 1 .6 1 2 1 .5 7 6 1 .6 3 4 1 .6 6 3 1 .6 96 1 .7 1 2 1 .7 2 9 1 ー7 5 3 1 .8 0 7 1 .7 8 6 産 業 基 盤 0 .76 2 0 .7 8 4 0 .7 9 3 0 .7 48 0 .7 33 0 .7 7 3 0 .7 5 4 0 .7 48 0 .7 5 3 0 .8 0 3 農 林 水 産 0 .4 20 0 10 6 0 .4 0 4 0 .4 06 0 .3 99 0 .3 9 9 0 .3 9 8 0 .4 0 4 0 .4 0 3 0 ー4 0 6 国 土 保 全 0 .6 78 O .tSW 0 .7 2 7 0 .7 20 0 .7 48 0 .7 6 0 0 .7 5 8 0 .8 3 6 0 ▼8 1 7 0 .7 9 9 そ の 他 1 .1 9 7 1 . 12 1 1 ー10 2 1 .09 0 1 .2 1 6 1 .3 0 0 1 ▼3 1 1 1 .1 1 8 1 . 12 6 】 1 .4 4 0

資料:自治省大臣官房地域政策課崩『行政投資実績』 (昭和55年版) 、同『行政投資』 (昭和60年7月、平成元年8月) 。

(1)図1‑図3で示されるI gと行政投資の名目衝と成長率、およびそれぞれの対GNP比率の推移の 詳細については付表1を参照。

(2)制度的な視点に立って、中央・地方の政府および政府関係機関によって投資された資本施設を「狭 義の」社会資本として定義すれば、以下のような範囲を考えることができる。 (経済企画庁総合計画 局, 1986) 。

①国民経済計算(新SNA)において「公的固定資本形成(I g) 」として整理されているもの。

②国の経済計画において「公共投資」として整理されているもの。

③自治省『行政投資』において「行政投資」として整理されているもの。

④国の財政において「公共事業費」 「公共事業関係費」 、地方の財政において「投資的経費」 「普 通建設事業費」として整理されているもの。

自治省「行政投資」の範囲については、事業主体は原則として国民経済計算における公的固定資本形 成のそれと同じであるが、政府関係機関のうち以下のものは公的固定資本形成に含められるが、行政 投資からは除外されている。 (経済企画庁総合計画局, 1986) 。

1.日本銀行等の特殊銀行、公庫等。

2.公社、公団、営団のうち農用地開発公臥 石油公団、地域振興整備公団、船舶整備公団。

3.各種事業団。

4.電源開発株式会社と日本原子力研究所を除く特殊会社、研究所。

5.地方公共団体関係のうち、財産区、地方開発事業団、土地開発公社、地方住宅供給公社、地方 道路公社。

(3)例えば政府の経済計画の中でのこうした認識は、昭和40年1月策定の「中期経済計画」や42年3月 の「経済社会発展計画」にみられる。経済審議会総合部会経済計画基本問額研究委員会(1969)参照。

(19)

(4)昭和34年度から62年度までの期間について、 「道路」投資の構成比と「その他」の投資の構成比の 間の相関係数は‑0.88282となる。

(5)こうした高度成長の「歪み」は、民間投資と公共投資のアンバランスにもみることができる。昭和 41年度から45年度の5年間は民間企業の設備投資意欲がきわめて旺盛で、この5年間の民間企業設備 投資の年成長率は平均25.36%、またGNPの平均成長率も17.42%ときわめて高い水準にあった。こ れに対し公共投資もこの関I gレベルで平均15.92%、行政投資で平均17.21%と高い率で成長したが、

民間企業設備投資の成長率を下回っている。 (資料:経済企画庁調査局(1989) )

(6)ハーシュマンによれば経済発展の契機には、先ず社会資本の整備がなされ、それが民間企業にとっ ての生産費を低下させることを通じて、民間企業の投資を促進する「超過能力型発展」と、民間企業 の資本蓄肴が進み民間の生産活動が活発化するにつれて、社会資本の不足が認識され、社会資本投資 が誘発されるとする「不足型発展」の二つがあるとする。このうちハーシュマンは、社会資本の相対 的欠乏が、必要度の高い公共投資のみを実現するという意味で、後者の発展契棟を重視した (Hirschman, 1958)。奥野信宏氏は、産業基盤投資から生産基盤投資への戦後のわが国の社会資本 投資戦略の展開を、ハーシュマンの誘発的メカニズム概念を用いて興味深い解釈を行っている(奥野,

1984, 1988) 。

(7)本節の(1)では自治省『行政投資』の地域区分に従い、茨城、栃木、群馬、山梨、長野、埼玉、千葉、

東京、神奈川、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山の19都府県を大都 市圏、これら以外の28道県を地方圏として分類している。

(8)ここでは県民所得の格差に注目する観点から、自治省『行政投資』の地域区分とは異なるが、他の 道県に比較して相対的に一人当り所得水準の高い埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵 庫の8都府県を大都市圏、上の8都府県を除く39道県を地方圏とする地域区分を採用している。以下 の推計で用いられる大都市圏対地方圏の1人当り所得分配格差の指数DYは、全国水準を1として指 数化された大都市圏の1人当り県民所得Ycから、地方圏に属する39道県の1人当り県民所得(対全 国指数)の平均値をYrを差し引いた値として定義している。すなわち

DY‑Yc‑Yr‑Yc‑ (∑Yi/39)

ただし最右辺の括弧内のYiは第i県の1人当り県民所得(対全国指数)であり、 Ylについ ての総計は地方県の39道県について求められる。ただし昭和46年度までについては∑ Y.は沖 縄県を除く38道県についての総計であり、分母の39に代えて38がおかれる。

(9)所得分配の格差指数の値の変化は景気の変動とは直接の関係をもたないが、格差指数の変化率は不 況期において低下するという傾向がみられる。昭和41年度以降61年度までの間に45年度上期〜46年度 下期、 48年度下期〜49年度下期、 51年度下期〜52年度下期、 54年度下期〜57年度下期、 60年度上期〜

61年度下期の5回の不況期を経験したが、 51年度下期〜52年度下期のそれを除いて、不況期にはいず れも(ただし54年度下期〜57年度下期と60年度上期〜61年度下期の2つの不況期ではその後半の局面 において)所得格差指数の変化率が低下している。本文図11参照。

(10)大都市圏対地方圏の1人当り行政投資格差の指数D Iは、全国水準を1として指数化された大都市 圏の1人当り行政投資額I cから、地方圏に属する39道県(昭和46年度までについては沖縄県を除く 38道県)の同じく全国水準を1として指数化された行政投資額の平均値I rを差し引いた値として定 義する。すなわち

DI‑I c‑I r‑I c‑ (∑Ii/39)

ただし最右辺の括弧内のI lは第i県の1人当り行政投資額(対全国指数)であるが、昭和46 年度までについては分母の39に代えて38がおかれる。なお大都市圏と地方圏の地域区分につい

ては注(9)で示したDYの定義において採用した地域区分と同じである。

(ll)丸谷浩明氏は、ここで行っている分析とは逆に、地域間の公共投資配分を被説明変数として、その 決定要因の実証分析を行っているoそれによれば、一人当り生活基盤投資では人口増加率がプラス要

(20)

因として、また一人当り産業基盤投資では人口増加率がマイナス要因として、いずれも虫い有意性が 確認されるが、一人当り県民所得と一人当り公共投資衝との間には有意の関係は得られなかった。

(丸谷浩明(1989) 、経済企画庁(1989) ) 。

参 考 文 献

Hirschman, A. O. (1958), The Strategy of Economic Develo♪・merit, Yele Univ. Press, New

Haven. (麻田四郎訳『経済発展の戦略』厳松堂, 1969年) 経済企画庁編(1961) , 『国民所得倍増計画』大蔵省印刷局 経済企画庁編(1976), 『昭和50年代前期経済計画』大蔵省印刷局 経済企画庁編(1979), 『新経済社会7カ年計画』大蔵省印刷局

経済企画庁編(1983) , 『1980年代経済社会の展望と指針』大蔵省印刷局 経済企画庁鯖(1989), 『経済白書 平成元年版』大歳省印刷局

経済企画庁調査局編(1989), 『経済要覧 平成元年版』大蔵省印刷局

経済企画庁総合計画局編(1986), 『日本の社会資本 フローからストックへ』ぎょうせい

経済審議会総合部会経済計画基本問題研究委員全編(1969) , 『日本の経済計画‑経済計画基本問題研 究委員会報告書‑』大蔵省印刷局

丸谷浩明(1989), 「公共投資の地域配分と決定要因」 ( 『経済月報』 (経済企画庁) No.459 1989年 9月)

奥野信宏(1984), 「社会資本の形成過程‑生活環境投資と生活基盤投資‑」 (稲毛清春・木村吉男・

竹内借仁編, 『現代財政金融の基本問題』有斐閣 所収)

奥野信宏(1988) , 『公共経済‑社会資本の理論と政策‑』東洋経済新報社

(21)

The Development and Regional Allocation of Social Overhead Capital Investments

in Japan Kenichi Mizuta

(De如rtment of Economics, Nara University of Education, Nara 630, Japan) (Received April 28, 1990)

ln血pan social overhead capital investments were actively performed in postwar period. The fitst purpose of this paper is, surveying the development of social overhead capital investments, to characterize the respective phases of government investment policies for expansion of social overhead capital, and to investigate the dominant ideas sustaining such respective phases of goverment s investment policies since the high growth period of 1960 s.

The second purpose of this paper is to investigate the regional allocation of government investments and to study the correlation between that allocation and the regional income distribution. In血pan, the stress of public investment policies were

set on provincial areas relative to megalopolitan areas in the 1960 s and the first half of the 1970's. But that tendency was reversed in the second half of the 1970 s, and the regional income distributional pattern was changed advantageous to megaropohtan areas. In this paper, I demonstrate the positive correlation between the regional allocation of public investments and the regional income distribution.

参照

関連したドキュメント

(J ETRO )のデータによると,2017年における日本の中国および米国へのFDI はそれぞれ111億ドルと496億ドルにのぼり 1)

このように資本主義経済における競争の作用を二つに分けたうえで, 『資本

この調査は、健全な証券投資の促進と証券市場のさらなる発展のため、わが国における個人の証券

て当期の損金の額に算入することができるか否かなどが争われた事件におい

(2011)

関係会社の投融資の評価の際には、会社は業績が悪化

の主として労働制的な分配の手段となった。それは資本における財産権を弱め,ほとん

日本における社会的インパクト投資市場規模は、約718億円と推計された。2016年度の337億円か