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図 1、 2 に混合率と乾燥密度、コーン指 数の関係を示す

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Academic year: 2022

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(1)

裁断紙や竹パウダーを混合して締固めた火山灰質粘性土の圧密・せん断特性

九州産業大学 正会員 ○林 泰弘 九州産業大学 正会員 松尾 雄治 九州産業大学大学院 学生会員 東 康平

1.はじめに

筆者らは軟弱な泥土や火山灰質粘性土を締固めて再利用する場合、裁断紙やバークなどのバイオマスの混合 がコーン指数や一軸圧縮強さの改善をもたらすことを明らかにしている1),2)。盛土などによる上載荷重の影響 を検討するために、本研究では裁断紙や竹パウダーを混合して締固めた火山灰質粘性土の圧密やせん断特性を 検討した。

2.試料及び混合土の作製

火山灰質粘性土は熊本県阿蘇郡西原村で採取した赤ぼく(wn=144%、wL=135%、wp=82%)であり、4.75mm ふ るいを通過するようにほぐした後、裁断紙や竹パウダーを混合した。裁断紙はコピー用紙をシュレッダーで裁 断したもので幅約 2mm、最大長約 10mm のものであり、含水比は 5.02%であった。竹パウダーは伐採された竹を 粉砕したもので、粉体状の中に長さ 5mm 程度のチップ状の混ざったものであり、含水比は 11.2%であった。混 合率は火山灰質粘性土の乾燥質量に対する各種材料の湿潤質量とした。混合土は締固めてコーン指数試験、圧 密試験、せん断試験に供した。従来の研究ではバークの改良効果が大きいことがわかっていたが、今回実施し た圧密試験やせん断試験に対しては寸法が大きいため除外した。

3.コーン指数

コーン指数試験は「締固めた土のコーン指数試験方法(JIS A 1228 : 2000)」に従って試験を行った。図 1、

2 に混合率と乾燥密度、コーン指 数の関係を示す。凡例は AK が赤 ぼく、PS が裁断紙を、BP が竹パ ウダーを示している。なお、参考 のために生石灰(L)を混合した 配合も併せて示している。混合率 の増加に従って乾燥密度はゆる やかに増加し、コーン指数も増加 した。未処理土では第 4 種建設発 生土相当であったものが、12%混

合すると第 2 種改良土相当のコーン指数となっている。裁断紙と竹チップの違いは明確でなく、生石灰混合と 同等の改良効果が得られている。

4.圧密特性

圧密試験は「段階載荷による土の圧密試験(JIS A 1218 : 2000)」に基づいて実施した。供試体はガイドリ ングをつけた圧密リングに直接混合土を入れ、供試体押込み円板を介して力を加えて、コーン指数試験で得ら れた供試体の湿潤密度と同様になるように締固めて作製した。裁断紙と竹チップの混合率は 0、6、12%とした。

図 3 に圧縮曲線を示す。凡例の数値は混合率を示している。バイオマスの混合量が増加するとともに初期間 隙比が小さくなり、曲線の変曲点付近の変化も緩やかになっている。この図より圧密降伏応力を求め、バイオ マス混合率との関係を示したものが図 4 である。バイオマスを混合することで圧密降伏応力は大きくなり、特

0 400 800 1200 1600

0 3 6 9 12 15

コー(kN/m2)

混合率(%)

AK+PS AK+BP AK+L

図 1 混合率と乾燥密度の関係

0.40 0.45 0.50 0.55 0.60 0.65 0.70

0 3 6 9 12 15

乾燥(g/cm3)

混合率(%)

AK+PS AK+BP AK+L

図 2 混合率とコーン指数の関係

キーワード 火山灰質粘性土,バイオマス,コーン指数,圧密特性,せん断特性

連絡先 〒813-8503 福岡市東区松香台 2-3-1 九州産業大学工学部都市基盤デザイン工学科 TEL092-673-5682 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑951‑

Ⅲ‑476

(2)

に竹チップにおいてその効果が大きいことがわかる。圧密係数を圧密降伏応力以下の範囲で平均し、バイオマ ス混合率との関係を示したものが図 5 であるが、圧密係数に変化は見られず、圧密促進効果は期待できないこ とがわかった。

5.せん断強さ

一軸圧縮試験ではバークの混合によって一軸圧縮強さや破壊ひずみが大きくなった。そこで大きなひずみレ ベルでのせん断強さが求められるリングせん断試験を実施した。供試体は内径 150mm、外径 200mm、厚さ 20mm であり、湿潤密度はコーン指数試験のものと一致するように容器内に直接締固めて作製した。圧密圧力を 50、

100、150、200kN/m2の 4 段階とし、24 時間圧密後、定圧条件でせん断速度 0.2°/min で 15°に達するまでせ ん断した。

図 6 にせん断応力最大時の垂直応力とせん断強さの関係を示している。垂直応力が小さい範囲では混合土に よるせん断強さの違いがみられるが、垂直応力が大きくなるにつれその違いが小さくなっている。この結果よ り粘着力と内部摩擦角を求めたものが図 7、8 である。粘着力はバイオマス混合率の増加につれ大きくなって おり、その効果は裁断紙よりも竹パウダーのほうが大きい。一方、内部摩擦角は緩やかに低下しているが、バ イオマスの違いが見られなかった。

6.まとめ

火山灰質粘性土を締固めて使用する場合に、裁断紙や竹チップを混合することで、コーン指数、圧密降伏応 力、粘着力の増加が得られた。裁断紙に比べ、竹チップのほうがその効果は大きいようである。

謝辞 本研究は平成 21 年度九州建設技術管理協会「建設分野における技術の研究開発助成」を受けて実施さ れた。また、九州産業大学の卒研生髙田朋宙氏には実験に協力をいただいた。ここに記して謝意を表す。

参考文献 1) 林泰弘:泥土の石灰安定処理におけるバイオマスの混合効果, 第 8 回地盤改良シンポジウム論 文集, , pp.27-32, 2008.11. 2) 林泰弘・東康平・松尾雄治:火山灰質粘性土の安定処理におけるバイオマ スの活用, 地盤環境における地域資源の活用に関するシンポジウム発表論文集, pp.19-24, 2010.1.

2.0  2.5  3.0  3.5  4.0  4.5 

1  10  100  1000  10000 

間隙

圧密圧力(kN/m2) AK AK+PS6 AK+PS12 AK+BP6 AK+BP12

図 3 混合率と乾燥密度の関係

0 100 200 300

0  5  10  15 

降伏応力(N/m2)

バイオマス混合率(%) AK AK+PS AK+BP

図 4 バイオマス混合率と圧密降 伏応力の関係

10 100 1,000 10,000

0  5  10  15 

圧密係数(cm2/d)

バイオマス混合率(%) AK AK+PS AK+BP

図 5 バイオマス混合率と平均圧密 係数の関係

0 50 100 150 200

0  50  100  150  200 

せん(kN/m2)

垂直応力(kN/m2) AK AK+PS6%

AK+PS12%

AK+BP6%

AK+BP12%

図 6 垂直応力とせん断強さの関係

0 10 20 30

0  5  10  15 

粘着(kN/m2)

バイオマス混合率(%) AK AK+PS AK+BP

図 7 バイオマス混合率と粘着力の 関係

20 25 30 35 40

0  5  10  15 

内部(°)

バイオマス混合率(%) AK AK+PS AK+BP

図 8 バイオマス混合率と内部摩擦 角の関係

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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