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樋門樋管の点検調査データによるコンクリート劣化傾向の分析について

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Academic year: 2022

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キーワード 樋門樋管、点検、劣化、維持管理、鉄筋コンクリート、中性化、かぶり厚

連絡先 国土交通省東北技術事務所 〒985-0842 宮城県多賀城市桜木3-6-1 TEL022-365-8211(代)

樋門樋管の点検調査データによるコンクリート劣化傾向の分析について

国土交通省東北技術事務所 正会員 髙田 浩穂 法人会員 高橋 義孝 安倍 徹 東北学院大学工学部 正会員 石川 雅美

株式会社建設環境研究所東北支社 正会員 ○阿部 幸雄 法人会員 勝田 雄紀 同上 法人会員 青木 美樹 小野 節夫 作田 裕

1.はじめに

国土交通省東北地方整備局では、直轄管理する約 1200 の樋門樋管の約 1/3 が設置後 50 年以上を経過して おり(図-1)、増え続ける古い樋門樋管を予防保全型 管理として取り組むための調査・検討を進めている。

検討として全ての樋門樋管の鉄筋コンクリートの劣化 状況把握のため、劣化箇所の外観を調査し(一次点検)、

劣化の著しい箇所は鉄筋コンクリートのコア(かぶり 程度)を採取し内部調査を行った(二次点検)。本報告 はこれら点検調査で得られたデータをもとに、高い湿 度環境下にある樋門樋管の函体の鉄筋コンクリート劣 化の特徴や傾向等について分析したものである。

2.樋門樋管の鉄筋コンクリートの劣化状況 点検調査を行った 1,221 樋門樋管で見つかった劣化 箇所総数は 24,090 箇所もあり、1施設あたり 20 箇所/

施設の劣化が生じていたことがわかった。図-2に年

代別の平均劣化数を整理したが、特に昭和 30 年から昭 和 60 年までの期間では、劣化数は 23 箇所/施設と多く、

この時期はコンクリートポンプ車の導入開始や、工事 を国直営方式から民間委託方式へと切替えた時期にあ たっており、今後、原因検討を進めると共に点検頻度 を高めて管理する必要がある。

また、劣化種別の割合を図-3に示す。クラックそ してクラックから派生した漏水、錆汁、エフロレッセ ンスの計は 78%を

占めており、樋門 樋管の管理におい ては、クラック系 劣化の把握が重要 であることを示し ている。

3.クラック系劣化が及ぼす影響

クラック箇所のコンクリート内部の状態を把握する ため、図-4のようにクラックを中心にコアを採取し、

クラック割裂面及びコア外周面にフェノールフタレイ ン溶液を掛けて中性化を調べた。なお、中性化深さは JIS A 1152「コンクリートの中性化深さの測定方法」

に準じた。この調査から、クラックは中性化を進行さ せるものであることがわかった。

現在、設置後 50 年を経過した施設数 約1/3 20 年後、設置後 50 年を経過した施設数 約3/5 10 年後、設置後 50 年を経過した施設数 約1/2

図-1東北地方整備局が管理する設置年別樋門樋管数

図-2 樋門樋管の年代別の平均劣化状況数

図-3 樋門樋管の劣化種別割合

図-4 樋門樋管コンクリートから採取したコア 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑815‑

Ⅴ‑408

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コアを採取した 26 箇所について、クラック幅と中性 化進行との関係をグラフに整理した(図-5)。クラッ ク幅 0.2 ㎜以上はクラック沿いの中性化の進行が大き いことが判明した。これは、クラックはコンクリート 表面と同様に空気に触れる頻度が多いため、中性化が 進行したものと推察される。

また、クラック幅と採取したコアクラック深さを図

-6に示したが、コアクラックの深さはほとんどでコ ア全長に渡りクラックが貫通して

いること及びコア採取後の奥の壁 面にもクラックが確認されている こと(図-7)から、クラックは背面 まで貫通しているものと推定され る。なお、樋門樋管の壁厚は 40~

50cm 程度である。

4.かぶり厚と鉄筋腐食との関係

クラックや豆板、剥離欠損などの劣化箇所周辺のコ ンクリートをはつり調査を行い、建設年代別の鉄筋か ぶり厚と鉄筋腐食の関係について整理した(図-7)。

また併せて、樋門樋管の過去から現在までの設計マニ ュアル類も収集整理し、建設当時のかぶり厚の設計基 準についても調査を行った(表1)。その結果、昭和 60 年以前はかぶり厚が設計基準に満たないものが目立ち、

そのような箇所では鉄筋腐食が多いことが分かった。

5.樋門樋管コンクリートの中性化について クラック発生の無い箇所では中性化深さの進行は 図-8に示すとおり、中性化が特に進んでいるグル ープⅢ、比較的早いグループⅡ、70~80年経過して もほとんど進んでいないグループⅠに分類できるこ とがわかった。グループⅠの施設数割合は

76%を占

め、多くの樋門樋管は経年的にも中性化が進んでい ないことがわかった。なお、グループⅢは豆板など 表面の劣化を有する施設が多かった。

6.まとめ

点検調査によって、樋門樋管に生じている主な劣 化はクラック系であり、劣化によって鉄筋腐食が進 行することが明らかになった。

樋門樋管の劣化は、今まで詳しい調査が行われて こなかったが、予防保全型維持管理や長寿命化を検 討するにあたり、今回、劣化種類や内部状況を大よ そではあるが把握することができた。

0 50 100 150 200 250 300 350 400

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

クラorコア(mm)

クラック最大幅(mm)

クラック深さ(クラックがコア長 に達していない)

コア長(クラックがコア長に達 している)

クラック深さ(山福)

施設数=38 箇所数n=48

コア長(クラックがコア長に 達しており、かつ、漏水、錆 汁、エフロレッセンスを伴うこ とから、クラックが貫通してい ると考えられる)

図-7 コアの奥 まで到達している クラック

0 20 40 60 80 100 120 140

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

平均中性(mm)

経過年数

鉄筋腐食度Ⅰ 鉄筋腐食度Ⅱ 鉄筋腐食度Ⅲ 鉄筋腐食度Ⅳ 鉄筋なし箇所

H17 H7 S60 S50 S40 S30 S20 S10

建設年

施設数=75 データ数=120箇所 注:( )内は施設数の割合 (グループ施設数/75施設)

グループⅢ:中性化が特に進 行している5施設(7%) 鉄筋腐食有り8箇所・無し0箇所

グループⅡ:中性化の進行が比較 的多い施設(17%)

鉄筋腐食有り7箇所・無し1箇所 グループⅠ:中性化の進行が比較 的少ない施設(76%) 鉄筋腐食有り40箇所・無し50箇所 0.00

0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00

0 0.5 1 1.5 2

平均中/コア長

最大クラック幅(mm)

鉄筋腐食度Ⅰ 鉄筋腐食度Ⅱ 鉄筋腐食度Ⅲ 鉄筋腐食度Ⅳ クラック幅0.2mm

N=26

クラック幅が0.2mm以上にな るとクラック面に沿った中性化 が進行

クラック幅 鉄筋腐食有り 鉄筋腐食無し 0.2mm未満 0箇所 3箇所 0.2mm以上 13箇所 10箇所

図-5 クラック幅とクラック割裂面の中性化深度

図-6 クラック幅とコアクラック深さの関係

図-7 樋門樋管の建設年別鉄筋かぶり厚と鉄筋腐食

表-1 樋門樋管の設計基準におけるかぶり厚の変遷

図-8 建設年と中性化深さとの関係 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

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参照

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