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解体コンクリートの合理的な処分・再利用計画立案の支援ツール開発

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Academic year: 2022

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解体コンクリートの合理的な処分・再利用計画立案の支援ツール開発

電力中央研究所 正会員 ○西内 達雄 同上 正会員 廣永 道彦 同上 正会員 尾崎 幸男 同上 正会員 坂田 英一

1.はじめに

電力各社においては、供用期間の満了や老朽化等により、火力、原子力発電所における各種コンクリート構 造物の解体撤去が計画されている。これらの実施において、一度に大量の解体コンクリート廃棄物が発生する ため、循環型社会に適合した再利用、再使用の促進が望まれている。このような状況を踏まえ、解体に伴い大 量に発生するコンクリート廃棄物については、合理的な処理・処分・再利用に関する検討が急務となる。

著者らは、原子力発電所の廃止措置・解体撤去事業を対象に、合理的な再利用方策の策定に資する計画立案 支援ツールとして、マルチエキスパートシステム「廃止措置・リサイクルシミュレータ」1)を開発した。本シ ステムは原子力発電所のみならず、火力・水力発電所および一般構造物の解体撤去においても対応できるよう に構成されている。そこで、本報では一般の解体コンクリートを対象とした評価コードの内容ならびに適用性 に関する検証結果について報告する。

2.廃止措置・リサイクルシミュレータの概要

解体廃棄物の合理的な処分・再利用技術を確立するには、解体工事から解体廃棄物の処分・再利用までの事 業全般に亘る段階毎の実施内容・手順の相関関係を把握した上で、各種事業施設および周辺地域の様々なニー ズに耐えられる幅広い再利用方法を整備する必要がある。そのためには、解体廃棄物が発生するまでの解体工 法や手順、あるいは関連法令等も考慮した上で、作業工程やコスト積算なども評価しながら合理的な再利用方 法を検討できる手法が必要である。

2.1 特徴

開発手法の基本構成と評 価フローを図-1 に示す。ま た、主な特徴を以下に記す。

① ユ ー ザ ー が 事 業 の 目 的

(コスト低減、ゼロエミ ッション等)に沿って再 利用方針(シナリオ)を 具現化していく上で、適 宜、必要な判断材料を提 供することが可能な基本 構成となっている。

②「各解体現場に共通/固有の制約条件(関連法令・条例、再生処理・処分場条件)」に従い、「再利用用途に 応じた適切な解体工法と処理方法の選択」を検討するために必要なデータベース群が構築され、格納データ 間には相互に適切な関連性が定義されている。

③現状の関連法令の枠内で、「解体工事費」および「発生解体物の処理費」が、輸送コストも含め汎用的な算 定式を用いて適切に評価される。

キーワード 解体廃棄物、コンクリート、再利用、シミュレータ

連絡先 〒270-1194 千葉県我孫子市我孫子 1646 電話 04-7182-1181、FAX 04-7183-2962

1.基本方針の選定 START

2.解体及び廃棄物処理   概略計画の作成

  概略計画の評価

3.1 解体計画 3.2 再利用計画 3.3 再生処理計画 3.4 最終処分計画 一般建設工事型

3.1 解体計画 3.2 最終処分計画

全量最終処分型

詳細計画作成評価へ OK

3.1 再利用計画 3.2 再生処理計画 3.3 解体計画 ゼロエミッション型

基本方針(基本シナリオ)の型により概略 計画作成の手順が異なる。

3.評価情報の算定・出力

再検討

物量バランス、コスト等の算定評価 情報は、概略計画作成時より随時モ ニターされる

図-1 「廃止措置・リサイクルシミュレータ」の基本構成と評価フロー 土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

‑421‑

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(2)

④システムインターフェースは、簡易でビジュアルな操作環境と、各種評価内容を必要な作業段階で参照する 機能を有する。

2.2 データベース群と相互関連性

手法に組み込まれるデータベースを図-2 に示す。

これらは、本体データベースとそれらに付属する サブデータベースから構成される。一例として、

関連法令データベースの内容を図-3 に示す。解体 工事及び解体に伴い発生する廃棄物処理に係わる 法令(条例含む)を格納したデータベースであり、

ユーザーが選択したシナリオに応じて、関連する 法令、条項等の内容が検索、抽出される。

2.3 コスト算定方法

コストは「解体工事費」と「解体廃棄物 処理費」の合計として算定した。解体工事 費は、①直接解体費、②仮設工事費、③共 通仮設費、④現場管理費、⑤一般管理費で 構成され、発生解体廃棄物処理費は、①有 価物売却費、②廃棄物再生処理費、③再生 廃棄物輸送費、④再生材売却費、⑤再生材 輸送費、⑥廃棄物最終処分費、⑦処分廃棄 物輸送費で構成され、それぞれの費用の算 定に当たっては、建設省「建築工事積算基

準(平成 11 年度版)」と建設物価調査会「建築コスト情報(1997 年 7 月)」の数値を引用した。

3.適用性検証

既往の解体撤去事業(当所のコンクリート造 6 施設;廃棄物総量 2700m3)を対象として、実ケースを含む複 数のシナリオを想定したシミュレーションを行った。その結果を図-3 に示す。開発したシミュレーション手 法の適用性について、以下の知見が得られた。

①総事業費を適切に評価できる。

②再利用方針・解体工法・工期などが、事業 全体に及ぼす影響を定量的に提示できる。

本検討ケースの範囲から、コスト面およびサ イト内敷地確保の点から、実際の事業で実施さ れたシナリオは総合的に適切な選択であった といえる。

4.おわりに

今後は、本システムを実際の各種事業に適用 することにより、様々な観点からの評価に基づ

き、解体から再利用・処分までバランスのとれた事業計画の立案支援を行っていく予定である。また、並行し て金属解体廃棄物へのシミュレータ適用範囲の拡張を図っていく予定である。

参考文献

1) 坂田ら:廃止措置・リサイクルシミュレータの開発状況(PhaseⅠ)、第 8 回動力・エネルギー技術シンポ ジウム講演論文集、2002.6

図-2 構成するデータベース群

廃止措置リサイクル・シミュレータ

サイトDB

サイト施設DB

基本シナリオ 解体工法DB

解体工事単価DB

関連法令DB 技術基準DB 関連課題DB

関連法令DB 技術基準DB 関連課題DB

中間処理施設DB 再利用用途DB 最終処分場DB

再生・受入単価DB

再生材DB 処分廃棄物DB

処分・受入単価DB 再生材需要DB

再生材単価DB

図-3 関連法令情報

サイト(解体工事)

解体コンクリート塊 埋め戻し材等 に再利用

微粉等 再生材料 再生処理施設

再利用工事

【資源法】

指定副産物に係 る再生資源の利 用の促進に関す る判断の基準

【建リ法】

特定建設資材の 分別解体等の実 施義務

【廃掃法】

運搬されるまでは

「産業廃棄物保管基 準」を遵守

【建リ法】

特定建設資材廃棄 物の再資源化等の 実施義務

【資源法】

再生資源の利用に 関する判断の基準

【資源法】

再生資源の利用に 関する判断の基準

【廃掃法】

有価物としての取 引であれば法的 に問題はない

【廃掃法】

有価物としての取引 であれば法的に問 題はない

【廃掃法】

・処理を他人に委託するの  で「委託基準」を遵守

・産業廃棄物管理票の交付

・最終処分終了までの確認

廃掃法 : 廃棄物の処理及び清掃       に関する法律 建リ法 : 建設工事に係る資材の       再資源化等に関する法律 資源法 : 資源の有効な利用の促進       に関する法律

図-4 解体撤去工事への適用性結果

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000

1 2 3 4 5 6

シナリオNo.

事業費内訳(万

0 200 400 600 800 1000 1200

ストック規模(m2

解体撤去費

再生処理費

再生処理場への輸送費 廃棄物処分費 処分場への輸送費

サイトに必要なストックヤード規模 実際の総事業費

11,432万円

ゼロエミッション 工期を1ヶ月短縮 6

ゼロエミッション 解体工法の変更

(作業能率の低下)

5

ゼロエミッション 遠方の処理施設を利用 4

全量処分 3

50%再利用 50%処分 2

ゼロエミッション

(実工事相当)

(基本シナリオ)

1

想定シナリオ  の概要 シナリオ  No.

ゼロエミッション 工期を1ヶ月短縮 6

ゼロエミッション 解体工法の変更

(作業能率の低下)

5

ゼロエミッション 遠方の処理施設を利用 4

全量処分 3

50%再利用 50%処分 2

ゼロエミッション

(実工事相当)

(基本シナリオ)

1

想定シナリオ  の概要 シナリオ  No.

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

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