10/11回目(6月21日/28日)ノート
注意:
。このプリントは次回も持ってきてください.
引っ張ってある箇所は,かならずしも もよい内容です. 余力のある人,興味のある
!
人はチャレンジしてみてください.・自習用に,京大が公開しているビデオ教材も活用してください:
http://ocw・kyoto‑u.ac.jp/ja/ilas/01
・今日もK=Q,R,Cのいずれかとする.
概要
o置換の行列表現.
・置換を用いた行列式の表示.
・行列式の多重線形性,歪対称性.行列式の特徴づけ.
5‑2.置換と行列式(つづき)
自然数の集合{1,…,抑}からそれ自身への全単射写像 ぴ : {1,…,汎}→{1,…,"}を(n次の)置換という. 伽次 の置換全体の集合をSnまたはG"とあらわし, 沌次対称群という.
o,o′eamの合成ぴ′COをoとび'の積ともいい,単にo'ぴとも書 く. oEShに対し, OOT=TOO=Ojjとなる丁をぴの逆置換とい
い,記号γ=o−1で表す.定義から明らかなように, o(α )=6,な らばグ‑'(bi)=(m'であり,
。=(:│ : : : ::)
ならば
。‑,=(:│童::)
である.特に,任意の置換に対して逆置換が唯一つ存在する.各置換 ぴには符号sgn(o)E{1,‑1}が定まり,sgn(ぴぴ')=sgn(o)sgn(ぴ')が
(::x":w :i)‑"
成り立つ.巡回置換(Q,, . . . ,(zk)=
は(α,,…,。jc)=(Q,,Q2)(a2,(m3)・・・((IA‑,,QAs)と書けるので(下図 参照)sgn((a,,…,ak))=(‑1)k‑'である.
al
仇にl ←(ハ仁ーヘ, 仁) ↑皇 fl A仇
ヱ・1〃ノ
︑い︑肌3こ jj
例, 〃& ハレー、咋
補題5.,,. (1)任意の互換丁に対し9 T‑1=T.
(2)任意のび1,02ESnに対し, (o,d2)‑'=ぴす'or'
一 R 叩 叩 暉 如 叩 昭 和 咽 旧 肥
︑ 栂
■
■ 肥 伽 叩
■ 叩 叩
Ⅱ 恥
︑ 肥 川 岫 覗 l h 伽 d 甲
︲ M 7 9 1 0
︽ 由
︑ 巡 一
■
︑
■
■ ロ
■
■
■
■
■
■
■
■
■
■ p D U
Ⅱ
■
■
︒ U 9 G 個
︐ l 0 b q
▲
■
▼
■ 二
■ グ d p 0
■
■
■
■ ロ 日
■ 一 画 0
︑
︲ 1 1
■ 口 座 ロ ヨ
■
■
■ 且
■
■
■
■
□ 官
︒
▽
(c)任意の"ESに対し釘・"‑1="‑1 .〃=eとなるz−lESが ただ一つ存在する.露−1は範の逆元とよばれる.
対称群はoidを単位元に持つ群であり,"対称群一 の名称はこの性 質に基づく.
例. (1)0でない実数RI{0}は通常の掛け算によって群になる.
単位元は1である. 0を除いたのは, 0には 逆元 が存在し ないからである.
(2)集合ハム,"(R)に行列の掛け算によって演算を入れたものは群
にならない.なぜなら逆元(=逆行列)が存在しない行列があ るからである. しかし正則行列全体からなる部分集合は行列 の掛け算によって群となる.
(3)交代群A"は囚。を単位元にもつ群である.実際,偶置換の積 は再び偶置換であり,偶置換の逆元(逆置換)も偶置換である.
(4)平面内の正多面体Tに対しTをTに移す合同変換全体は群 である. 蝋位元は恒等変換(まったく動かさない変換).
1︐b 〃0︑qrDItB﹄01
I
AVil01■■■■■■■■■r0IIb901i1Ili00l︐bI0上f0l081j091011109︐01818ⅡBIILIIl8U09jⅡIⅡIⅡ11410Ⅱ1日ⅡlI0IH87hⅡ日1日もHB0I8■0■Ug048IH■■可G8■8日■1日邸最後の例が示唆するように,群は図形の対称性を量るのに用いら れることがある. この点をもう少し見てみる. まず,多角形や多面体 は頂点のみをその実体だと考えることにする.実際,相似変換や合 同変換は頂点の行き先を決めれば一意にきまるから,頂点のみの情
報で十分である. 3角形T={A11A2'A3}CR2の合同変換全体を D(T)と書くことにする.
に望Lハ
′ 1T
タクーー
≧
A皇
ーD(T)={。:T→T│のはTの合同変換}
たとえば興じを図のような2等辺三角形とするとき,
A弓
n=A A』 残
r<
雌
23)D(Z")={伽,。(23)},
jid(Al)=Al,。id(A2)=A2,did(A3)=A3,
・(23)(A1)=A1'.(23)(A2)=(A3)'。(23)(A3)=A2・
となる.蛾)=ゅ(23)であり,D(Z")は伽を蛸位元とする群であ
る. ところで,上の表示をよく見ると,対称群を使って次のように書 くことができることがわかる.
D(T)={。。 │OES3S.t. 。(A') :=A。(i)は・Tの合同変換}.
111
鯛呼ⅡⅢⅢIⅢ心臓ⅡⅢⅢ冊114冊II9lI剛1101111111111111111刷過鼎川月刊11脚141川IIjj11ll1則1#叩1191i5.91日08■■IH9Jr■
ところでSSの元に対しては,それが正3角形を裏返すことと奇置 換であることが同値であった. S4ではどうだろうか?そもそも正4 面体の裏表とはなんなのか.実はこれを逆手に取って次のように定 義する.
定義5.18.正4面体の合同変換.ED(Z,)が向きを裏返すとは, .
に対応する置換が奇置換であるときをいう.
たとえば図の2つの正4面体は向きが反対になっている.
また
1A碁ソ
今
互換は奇置換であった. 称, すなわち
鏡に映すことに相当するから,上の定義は直観にもあうだろう.正4う.正4 面体が入っているR3に着目すると,互換による変換は右手系を左手 系に,あるいは左手系を右手系に変換しているのである.
注意.次の高次多面体を ‑単体という.
△'1={(韮,,…,""+,)ER"+' │",+…+Lrn+1=1,0≦zi≦1(vi)}.
"‑単体は +1個の頂点を持ち,その合同変換群はD(型)=sh+Ⅱ
となることがわかる.
叉ざ
イ
鯵
)ユユユ
エl
対称群の線形表現(行列表示)
対称群島はn!個の元からなる集合に合成という積を定めたもの であった.積の情報を表で書き下した表を乗積表という.
−
一
7[.
下の表は83の乗積表であるが, S3の積の構造はこの表によって すべて決定される.
たと
ら(12)(13)=(132)がわかり,同じく表の(132)行と(12)列から (12)(13)(12)=(132)(12)=(23)がわかる. (123)の逆元を知りた ければ(123)の行を見てoidがあるところの列(1列しかないはず! ) を探せば(132)とわかる. この表はSSのすべての情報を持ってい る.島の乗積表と全く同じ表になるように6=31個の元を行列から 探してくることを, SSの線形表現という.
定義5.19.適当な自然数mに対し,写像β:a,→Mn,m(K)が azの(m次)線形表現であるとは, βが単射*3で,任意のび,o'に対
して
β(ぴ)β(ぴ')=β(ぴぴ')
が成り立つときをいう.
線形表現を探すのは,行列の集合の乗積表の中にS"の乗積表を探 す作業に他ならない. (下図)
例・S2={oid,(12)}の乗積表は下の通り.
AIA
二一ーA1
p' :S2→M2,2(R)を
(;か,((")'=(
01 10)
p,(oid)=
で定めると,β'は線形表現のひとつになっている.同様にp2:S2‑>
.3表現の定義に単射性は不要である.今後表現の一般論を学んだ際には混乱しな いように.単射な表現は忠実表現と呼ばれる.
6
M@,2(R)を
〃(・ '=(; !)。,,((12))‑(,Ⅲ 』 )
で定めると, p2も線形表現になっているし' p3 : S2 ‑>
Mi,1(R), p3(Oid) := (1),p3((12)) := (‑1)も線形表現であ る.参考までに表現β,,p2にあらわれた行列たちの乗積表を書いて
おく.
11
間│(:
上の例でも分かるように線形表現は一意ではないが, ここでは1つ の探し方を示す.
定義5.20.グES"に対し,正方行列P(o)=(pij(o))fjEMm,"(R)
を次で定める:
pj、o)=6i。(j).
たとえばP((123))は次のようになる. ((123)ES3))
′側‑(州)
"… 小111…
例.
Iii
)(I) )(:)
)(1)
(:)
(1) (i)
010 001 100
P((123))e,= === =e27
010 001 100
P((123))e2= ==e37
一一
010 001 100
p((123))e3= | ==el・
行列の積と置換の合成は次のようにうまく対応している.
補題5.22.任意のび,ぴ'ES$に対し,
P(o)P(ぴ')=P(ooぴ').
P7℃qメ
P(o)P(。')=(E'#"(")pkj(。'))"
た
=(E4.(k)6偽。,(j))fj
上=1
=(E6'.(k)6o(h)o(。,(j)))jj
ル=1
祀
=(E !.(。'(j)))ij
!=1
=(6"。,(j))jj=P(oo。').
k雪・'(1)
) ③ 《ぃ
=、(。i(J))
□
この補題のもう少し見通しの良い別証明を与えるために1つ有用 な補題を示しておく.
補題5.23. {U,,…,U"}cK"をK'nの基底とする.A,BE M","(K)がAU1=BU1,AU2=BTJ2,. . . ,ATJn=BU,mを満たすなら
A=Bである.
P『℃q/:ひ,,…,U"の任意の線形結合Zi('i"'に対し,
(A‑B)(E"")=Z。i(A‑B)"i=Zqi(紬一BUi)=O.
{e,,. .. ,e"}をK"の標準基底とする.各ejはり,,…,U の線形 結合で書けるので, (A‑B)ei=0である. Ih=(e,, . . . ,e")E M","(K)をA−Bの右から掛けると,
(A‑B)=(A‑B)(e,, . . . ,e")=((A‑B)e,,…,(A‑B)e")=O.
よってA=B. □
補題5.22の別証明.行列の積は対応する線形写像の合成になるの だったから*4,補題5.21より,
P(o)P(o')ef=P(d)e°,(f)=e・・,(f)=P(ぴ。o')ef が任意のj=1, ・ ・ ・ ,"について成り立つ. el7 ・. ・ 7enは基底である から,補題5.23よりP(o)P(o')=P(OoO'). D
以上により,対称群恥の線形表現が求まった.
車4あるいはefたちをれ×1行列とみて積の結合法則を用いると (P(o)P(o'))ej=P(o)(P(。')ei)が分かる.
8
命題5.24.p:Sケ、→M2,"(R), p(o) :=P(o)は線形表現である.
この講義では, この線形表現を島の行列表示と呼ぶことにする.
例(s3の行列表示).
(I
P(pid)=
(i
P((23))=
)川''一(!
0 0 1
0
)川昨(
1 0
)川馴! (;
小仙'一(
)
010 001 010100 100
)
001 010 001 001 100 010
群を線形表現することの利点は,線形代数の知識を使って群を解 析できることにある.たとえばSizの線形表現である行列表示を利用 すると,符号を行列式で解釈することができる.
補題5.25.任意のびeamに対して, sgn(o)=IP(O)│が成り立つ.
P7Uqメ互換に対応する行列は基本行列であり,先週示した補 題5.3によりその行列式は−1であるから正しい・ T17…,恥 を任意の互換とするとき, sgn(T1…7XE)=sgn(T,)…Sgn(7Xs), IP(T,…承)│ = │P(T1)…P(77c)│ = IP(T')l ・ ・ ・ IP(TI:)│ より Sgn(T,・・・7'c)=│P(7i…γk)l.任意の置換は互換の積で書けるから
すべての置換について正しい. ロ
注意.上の補題を逆手にとり, sgn(d) :=IP(")│を置換の符号の定義 としてしまえば,符号のwell‑defined性(置換を互換の積で書いたと き, その偶奇は表示によらない)は証明不要である.
対称群を用いた行列式の記述
置換と符号を用いると行列式を直接書き下すことができる.
定理5.26.A=(α")ijEMm,"(K)に対し,
IAI=7 Jsgn(o)"」。(1)a2.(2)…α狐。(蝿ル
oESrn
定理の証明のために対称群に関する主張をひとつ示しておく.
補題5.27.任意のびE鴎に対し,た:ふ→S", /b(T) :=oTは 全敢射.
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Pmqメ任意の〃ES"に対して,た(o‑'")=〃なのでんは全射であ る. また,た(丁1)=た(危)とすると, 丁,=ぴ−1oγ,=グー'ん(γ,)=
o‑'/b(7z)=o‑'ぴ通=吃であるからたは敢射である. □
定理5.26の証明この式の右辺が帰納的定義を満たしていることを 確かめればよい. 九=1のときは明らか. oES"のうち, o(1)=j