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ベントナイトを含む継手管充填材を用いた鋼管矢板基礎工の施工

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Academic year: 2022

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ベントナイトを含む継手管充填材を用いた鋼管矢板基礎工の施工

岩田地崎建設 土木部 正会員 ○石井 康則 岩田地崎建設 技術部 正会員 八木 一善 アークアジア 正会員 玉田 健一 テクノパウダルトン 開発部 正会員 門馬 恒視

1.はじめに

鋼管矢板工法では,鋼管打設の際に継手管内へ土砂が侵入し,鋼管の鉛直性や止水性を損なう原因となる.

この問題を解決するために開発された木粉とベントナイトを混合した継手管充填材は,検証のために行った試 験1)や実際の施工で有効性が認められているものである.本論では,この充填材の基本的な性質を示し,鋼管 矢板基礎工の継手管に用いた場合の施工結果について述べる.

2.継手管充填材の性質

充填材は,速やかに吸水しやすい 250μm以下の木粉とベン トナイトを70%:30%の割合で混合したペレット状(直径2~

3mm,長軸 3~5mm)である.自然含水比Wnは 5%と低く,

浸水後直ちに吸水膨張し,細粒化および軟質化する.膨潤量は

浸水 24hr で約 40%であり,継手管内に袋詰めで設置する際の

乾燥密度は0.31g/cm3程度となる.

図-1 に鋼管矢板の継手管における充 填材の設置条件を示す.先行する継手内 に袋詰めの充填材を設置し,所定の深度 まで鋼管の打ち込みを行う.次に後行の 鋼管を設置するが,図中の①室と継手管 の結合部②室に充填材が充填される.

浸水前の充填材(袋詰め時の密度)は,ある程度のせ ん断強さを有して継手管への土砂の侵入を防ぐ.例えば,

拘束圧 49kPa 以上の条件下で充填材の内部摩擦角φは

32°以上である1).一方,浸水後は細粒化して強度は著

しく低下し,その一軸圧縮強さは 13kN/m2以下(水深 10m以内)となる1).これにより,充填材は鋼管の貫入 を阻害しないことが明らかとなっている.

図-2 は浸水後の充填材の透水係数 k である.変水位 透水試験(JIS A 1218)に用いた供試体は,空中落下法 によって袋詰め時の密度で再構成している.供試体を作 成後,水深0.2m,5.0m,10mに相当する鉛直荷重を与 えた条件下で1日間あるいは30日間の浸水養生(余圧

密)を行い,6日間の飽和を行った後に試験に供している.透水係数は水深や浸水養生期間が増加するほど低 い値になる傾向を示す.また,どの条件でもk ≦2.0×10-9m/sとなり,浸水後に細粒化した充填材は難透水 性を示す遮水材料になることがわかる.

キーワード 鋼管矢板,継手管充填材,ベントナイト,木粉,遮水性

連絡先 〒060-8630 札幌市中央区北2条東17丁目2番地 岩田地崎建設株式会社 TEL011-221-8831 表-1 充填材の性質

土 粒 子 の 密 度ρs 1.864 g/cm3 自 然 含 水 比Wn 4.6%~5.1%

膨 潤 量(容 積 法) 37~40mℓ 浸 水 崩 壊 時 間 5 min 乾燥密度ρd(袋詰め時) 0.31 g/cm3

写真-1 継手管充填材 図-1 充填材の設置条件

0 3 6 9 12

水 深 (余圧密時の鉛直荷重) (m)

透水係数 k (m/s)

2.0×10-9 1.0×10-9

1.0×10-10 2.0×10-10 3.0×10-10 5.0×10-10

浸水養生 1日+飽和6日 浸水養生30日+飽和6日

図-2 充填材の透水係数 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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3.施工結果と考察

図-3 に鋼管矢板基礎工の断面図を示す.鋼管の根入れ部分 にN値50以上の砂礫が堆積し,近隣の施工結果で鋼管の鉛直 性や継手の止水性に問題が生じやすいことが判っていた.被圧 地下水もあり,鋼管先端側に薬液注入による改良を施した.改 良部分の上も継手の止水性を確実にする必要があり,著しい漏 水は底版の盤ぶくれを引き起こし,鉄筋の溶接を困難にする.

このことから,鋼管打設の精度向上,継手のスリットからの砂 礫の侵入防止,継手の止水性確保を目的とし,鋼管先端から 25mの高さまで袋詰めした継手管充填材を設置した(写真-2).

鋼管設置は中堀り工法(TAIP工法)で行った.先行設置し た鋼管に充填材を入れたことで鋼管の打設速度は安定し,47m の鋼管(3本継ぎ)を1本/日のペースで設置した(写真-3).

鋼管設置後は,継手管内を掘削・洗浄してモルタルに置き換えている.ボーリングマシンで図-1 の①~③室 を削孔し,ウォータージェットによって排土と洗浄を行った.浸水後の充填材は低強度であることからこの作 業が容易となり,3.4hr/箇所の施工速度で外周杭の継手 56 箇所の洗浄とモルタル置換を完了した.写真-4 は鋼管井筒の掘削完了後である.掘削底面(深さ 25m)までの継手箇所の漏水はごく少量であり,良好な状 態で完成した.後工程の鉄筋スタッド溶接(6000本)は,ドライな条件下にて短期間で終了した.

4.ま と め

新しい継手管充填材について,室内試験による透水性の評価と現地施工によって有効性を検証した.砂礫地 盤でも,鋼管の施工精度と継手の止水性,モルタル置換の確実性に貢献することが明らかとなった.

参考文献 1)八木一善・石井康則・門馬恒視・玉田健一:ベントナイトを含む鋼管矢板の継手充填材に関する 強度と透水特性,地盤工学会 第45回地盤工学研究発表会,2010.(投稿中)

写真-2 充填材の設置

写真-3 鋼管の中堀り・圧入状況

写真-4 鋼管矢板 掘削完了状況 図-3 鋼管矢板基礎工 断面図

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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