道東の学校現場ではどのような教育情報が求められているか
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(2) No.59. 道東の学校現場ではどのような教育情報が求められているか. 2004.12. 道東の学校現場ではどのような教育情報が求められているか 佐々木. 宰. (北海道教育大学釧路校美術教育研究室). WhatEducationalInformationIsNeededinSchooIsinEasternHokkaido? Tsukasa SASAKI. 回答方法は,質問ごとに選択肢から該当項目を選択す. 1.は じめに. るというものである。ただし,最後の質問は自由記述に. 本稿は,釧路管内と根室管内の公立小中学校を対象と. よる回答とした。. して行った「道東の学校現場で求められる教育情報につ. いてのアンケート」調査とその結果の分析を通して,道. 3.調査の内容. 東で必要とされている教育情報の傾向や,そのメディア. 調査の内容は,8つの質問から構成されている。それ. の形態などについて考察したものである。. この調査の目的は,道東(釧路・根室管内市町村)の. ぞれの質問内容は以下のように設定されている。. 学校における教育情報のニーズを明らかにすることであ. 質問1:教育情報として必要性を感じるものを4つま. る。ここでの「教育情報」とは学習指導や生徒指導,教. で選択(選択肢は13). 材研究や研修,学級経営や学校経営など,学校の仕事を. 質問2:学習指導に関する教育情報と」して必要性を感 じるものを4つまで選択(選択肢は13). 遂行する上で必要となる情報全般を指す。学校や地域に. よって必要とされる情報はさまざまであろうが,ある程. 質問3:教育課程や学校全体の教育活動に関する教育. 度まで全体としての傾向を把握できたならば,教育情報. \情報として必要性を感じるものを4つまで選択(選. の発借や交換ができる機会や場をつくりだすことも可能. 択肢は13). 質問4:児童・生徒指導に関する教育情報として必要. になる。. 調査結果からは,必要とされる教育情報のおおむねの. 性を感じるものを4つまで選択(選択肢は13). 傾向を読み取ることができた。また,教育情報の充足度. 質問5:学校の仕事をすすめるにあたって,教育情報. についてもある程度把握できた。. は十分で得られているか。得られる環境にあるか。. さらに,自由記述回答を通じて,現場の教貞の声を知. (選択肢は5). ることができた。こうした記述には,集計上の数値には. 質問6:(質問5で不十分とした回答者のみ)教育情. なかなか現れてこない,道東の教育現場における具体的. 報が十分に得られない原因を2つまで選択(選択肢. な問題に言及した指摘が多く含まれていた。. は7). 質問7:ふだんの教育情報を得る‘手段として身近なも のを3つまで選択(選択肢は10). 2.調査の対象と方法. 質問8:教育情報に関する具体的な意見(自由記述). 調査対象は,釧路管内市町村の公立小学校(85校),. 「教育情報」という言葉の意味するところはたいへん. 中学校(49校),根室管内市町の公立小学校(42校),中. 広範である。そのため,質問内容を設定するにあたって. 学校(33校)の,合計209校である1)。. は,「学習指導に関する教育情事軋「教育課程や学校全体. 上記の対象校すべてに調査用紙を郵送した。回答者に. の教育活動に関する教育情報」「児童・生徒指導に関す. る教育情報」という3つの区分を想定した。さらにこれ. ついては,学校長が適任者を指名するよう依頼した。調. 査用紙の郵送は平成16年3月22日,回収は4月∼5月上. ら以外のものを「その他の教育情報」として,合計4つ. 旬にかけて行われた。回収件数は114件で,約55%の回. の区分を設けた。. 質問1では,この4つの区分ごとに具体的な項目を設. 収率であった。. − 41−.
(3) 佐々木. 定して選択肢をつくり,回答がどの区分の選択肢に集中. ⑨ 地域社会やPTAに関すること. するかをみることによって,必要とされる教育情報の全. ⑲ 課外活動・クラブ活動に関すること. 体的な傾向を把握しようとしている。. ⑪ 進路指導に関わること. 質問2は「学習指導に関する教育情報」,質問3は「教. ⑫ 現代的な教育課題に関すること. 育課程や学校全体の教育活動に関する教育情報」,質問. ⑬ その他. 4は「児童・生徒指導に関する教育情報」という区分に. ①∼③は学習指導に関する区分,④∼⑥は教育課程や. 対応してお. 学校全体の教育活動に関する区分,⑦∼⑨は児童・生徒. 選択肢を設けて回答を求めるものと_なっている。. 指導に関する区分⑬)∼⑫はその他の区分に該当する。⑬. 質問5は,教育情報が十分に得られているかどうか,. はどれにも該当しをいもので,この選択者には具体的記. 教育情報の充足度についての回答を求めるものであり,. 述を求めた。. 質問6は,教育情報が十分でない場合の原因についての. 質問である。. グラフ1 質問1の回答結果. 質問7では教育情報を得るための日常的な手段・メ. 回答件数(件). ①. ディアに関しての回答を求めるものである。. ②. 最後の質問8では,教育情報に関する意見を自由記述. 50. 形式で答えてもらうようにした。. ③ ④. 4.集計結果と分析. ⑥. 回答番号. 中学校」,「根室管内市町小・中学校」,「合計」の別に,. ⑦. 選択肢ごとの回答数を単純集計してグラフ化した。. ⑤. 質問1から質問7までの回答は,「釧路管内市町村小・. 「釧路管内市町村小・中学校」とは,釧路市立および. ⑧. 釧路管内町村立の小学枚,中学校の回答の合計である。. ⑨. 「根室管内市町小・中学校」とは,根室市立および根室. ⑩. 管内町立の小学校,中学校の回答の合計である。また,「合 計」とは,上記2者の総計である。. ⑪. 小学校−・中学校別の集計や,市内・町村別の集計・分. ロ釧路管内市町村小・中合計■根室管内市町小・中合計n合計. ⑫ ⑬. 析も可能だが,今回は,釧路・根室及びその合計ごとの. 単純集計結果によって,全体的な傾向を把握することと. 質問1の回答結果をみると,回答数の最多は⑥(総合. した。. 質問8の回答は,自由記述であるため,内容ごとにま. 的な時間や特別支援教育などの新しい取り組みに関する. とめ,引用および要旨として示すこととした。. こと)であり,次いで②(教材研究や教員研修に関わる こと),さらに③(授業に生かせるコンテンツや資料),. (1)質問1の集計結果と分析. ①(指導のノノウハウなど授業実践に関わること)の順と. 質問1では,教育情報として必要性を感じるものを13. なっている。その次は④(年間指導計画や授業計画に関. の選択月支の中から4つまで選択するよう求めた。それぞ. わること),⑫(現代的な教育課題に関すること)となっ. れの選択肢は,以下のようになっている。. ている。. 区分別にみると,学習指導に関する区分はおしなべて. ① 指導のノウハウなど授業実践に関わること. 回答数が多く,その必要度も高いと考えて良いだろう。. (∋ 教材研究や教員研修に関わること. ③ 授業に生かせるコンテンツや資料. さらに,最多回答数となった⑥を含む教育課程や学校全. (彰 年間指導計画や授業計画に関わること. 体の教育活動に関する区分も必要度が高いことがわか. ⑤ 時間割やカリキュラム編成に関わること. る。とくに⑥は,総合的な学習の時間,特別支援教育と. ⑥ 「総合的な学習」や「特別支援教育」などの新し. いった新しい教育活動に関するものであることから,回. い取り組みに関わること. 答が集中したと考えられる。対応が迫られセいることが. (D 学級作りや集団作りに関すること. らについて回答が集まるということからすれば,⑫(現. ⑧ 生活指導・生徒指導に関すること. 代的な教育課題に関すること)がある程度の回答数を得. ー 42 −. 100.
(4) No.59. 道東の学校現場ではどのような教育情報が求められているか. 2004.12. グラフ2 質問2の回答結果. ていることも理解できる。. 反対に,児童・生徒児童に関する区分への回答数は少 なかった。また,⑲(課外活動・クラブ活動に関するこ. 回答件数(件). ①. 0. ②. と)は全体を通してもっとも件数が少なかった。. 50. ③. これらのことから全体的な傾向として,求められてい る教育情報は,日々の授業実践に活用できる情報,新し. ④. く導入されつつある教育活動についての情報であるとい. ⑦. 質問2では,学習指導に関する教育情報として必要性. ⑥. 回答番号. (2)質問2の集計結果と分析. ⑤. うとこができよう。. を感じるものを13の選択肢の中から4つまで選択するよ. ⑧. う求めた。それぞれの選択肢は以下のようになっている。. ⑨. 中 一斉指導・個別指導の方法やアイデア. ⑩. ② 少人数や複式に対応した指導のしかた. ③ LDやADHDなどの子どもへの対応のしかた. ⑪. ④ 年間指導計画の立七方. ⑤ 単元(教材)の指導資料(指導案,. ⑫. ロ釧路管内市町村小ヰ合計■根室管内市町小・中合計田舎計. ⑥ 単元(教材)をより深く知るための資料や専門書. ⑬. ⑦ 道具や実験器具,実技の材用・用具,楽器などの. ⑨ 子どもたちに提示する図表や写真などの資料. 同程度の回答数となっている。子どもたちの学習活動を 促すリソースとなる情報も求められているようである。 このようにみると,②の少人数・複式指導に関する回 答数め多さは突出しており,道東地域の教育の特殊事情. ⑲ 手どもたちに与えるドリルやテスト問題. を背景にしたものとして注目される。. 知識. (沙 評価規準や評価のしかた. ⑪ 興味を引きつけるテーマやアイデア ⑫ 近隣地域の教育資源(教育に生かせるいろいろな. (3)質問3の集計結果と分析. 質問3では,教育課程や学校全体の教育活動に関する. 資源). 教育情報として必要性を感じるものを13の選択肢の中か. ⑬ その他. 選択肢を設定するにあたって,①∼④は指導のしかた や計画に関することがら,⑤∼⑧は教科や単元の専門性. ら4つまで選択するよう求めた。それぞれの選択肢は, 以下のようになっている。. に関することがら,⑨”⑫は教育用リソースとした。つ. ① 学習指導要領やその実施に関する通達など. まり,緒導のしかた,教材研究,教育資源という3つの. ② カリキュラム・時間割編成の方法ヤアイデア. 観点から具体例を想定して選択肢とした。. ③ ′総合的な学習の時間の方法や実践事例 ④ 特別支援教育などの新しい取り組みへの方法や事. 回答数の最多は,②(少人数や複式に対応した指導の しかた)・であり,釧路管内市町村・根室管内市町別にみ ても,それぞれ最多回答数である。へき地指定校,小規 模校が多い道東の現状を反映しているといえる。. 例. ⑤ 学校行事のノウハウやアイデア ⑥ 特色ある教育活動や学校づくりの事例やアイデア ⑦ 現代的な教育課題についての最新情報. 続いて③(LDやADHDなどの子どもへの対応のしか. ⑧ 地域社会と連携した教育活動の事例など. た),⑧(評価規準や評価のしかた)の回答数が多かった。. ⑨ 保護者との協力体制づくりに関する方法や事例. どちらも特別支援教育や評価規準の策定といった学校現. ⑲ 地域の社会教育施設の情報. 場にとっての緊要な課題であることから,回答が集中し. ⑪ 課外活動やクラブ活動の運営の方法や事例. たものと考えられる。. ⑲ 学校支援ボランティアなどの協力者情報. これらの次は,①(「斉指導・個別指導の方法ヤアイ デア),⑤(単元・教材の指導資如,⑨(子どもたちに 提示する図表や写真などの資料),⑪(興味を引きつけ. ⑬ その他. 回答数をみると③(総合的な学習の時間の方法や実践. 例),④(特別支援教育などの新しい取り組みへの方法. るテーマヤアイデア)⑫(近隣地域の教育資源)などが. − 43 −.
(5) 佐々木. グラフ3 質問3の回答結果. ⑦ 児童会・生徒会活動の実践事例など. 回答件数(件). ⑧ ボランティア活動などの取り組み方や事例. ①. 50. ⑨ 小規模校の利点を生かした指導の実践事例. ②. ⑲ ビデオやスライドなどの児童・生徒指導用資料や. ③. 教材. ⑪ 教職員の協力体制づくりの方法や事例など. ⑤. ⑬ その他. 選択肢の設定にあたっては,子ども理解,指導のしか. ⑥. 回答番号. ④. ⑫ 地域社会との協力体制づくりの方法や事例など. た,各種事例,教育リソース,体制づくりなどの観点か. ⑦. ら具体例を想定した。. ⑧. 回答数の最多は,①(カウンセリングなど,子どもの 心理に関すること)であり,突出している。次いで,⑤. ⑨. (いじめや不登校などへの対応やその事例),①(学級. ⑩. づくり,集団づくりのアイデアや方法),⑥(問題行動. ⑪. のある子どもへの対応やその事例),⑨(小規模校の利 点を生かした指導の実践事例)に同程度の回答数が集. ⑫. □釧路管内市町村小・中合計■牒室管内市町小ヰ合計B合計. まっている。これら以外のものについても,⑲を例外と. ⑬. してどの選択肢もおおむね同程度の回答数となってい. や事例),⑥(特色ある教育活動や学校づくりの事例ヤ アイデア),②(カリキュラム・時間割編成の方法やア. る。. イデア)が上位群をなしている。次いで,①(学習指導. ることが,指導を行う上での基本と位置づけられている. 要領やその実施に関する通達など),⑦(現代的な教育. からであろう。⑤④⑥などへの回答は,現代的な教育課. 課題についての最新情報),(紗(地域社会と連携した教. 題へ対処するための情報が求められていることを示唆し. 育活動の事例)が同程度の回答数を得ている。. ている。. ①に回答が集中したのは,児童・生徒の心理を理解す. 平成14年度から完全実施となった総合的な学習の時間 への対応や,昨今示された特別支援教育などへの取り組. グラフ4 質問4の回答結果. みの情報など,一連の教育改革の中で推進されている新. 回答件数(件). る。こうした傾向は,従来の教育活動において蓄積され たノウハウでは対応しきれないことがらに対して,情報 の必要度が高まってきたものと理解できる。見方を変え. れば,次々と導入・実施される教育施策の対応に追われ る教育現場の状況を反映していると考えることもでき 回答番号. る。. (4)質問4の集計と分析. 質問4では,児童・生徒指導に関する教育情報として 必要性を感じるものを13の選択肢の中から4つまで選択 するよう求めた。それぞれの選択肢は以下のようになっ ている。. 呼 カウンセリングなど,子どもの心理に関すること (多 地域における子どもの生活実態・生活環境 ③ しかり方やほめ方などの子どもへの接し方. ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫. しい教育活動に関する情報が求められているようであ. 50. □釧路管内市町村小・中合計■根室管内市町小一中合計日合計. ④ 学級づくり,集団づくりのアイデアや方法. ⑬. ⑤ いじめや不登校などへの対応やその事例など ⑥ 問題行動のある子どもへの対応やその事例など. − 44 −.
(6) No.59. 道東の学校現場ではどのような教育情報が求められているか. 2004.12. グラフ6 質問6の回答結果. (5)質問5の集計結果と分析. 質問5では,教育情報が十分得られているか,また得. 回答件数(件). ①. られる環境にあるかを,5つの選択肢の中から回答する. ②. よう求めた。それぞれの選択肢は以下のようになってい. ② まあまあ満たされている. ④. 回答番号. (D 十分である. ③. る。. ⑤. ③ やや不十分. ⑥. (彰 不十分. ⑤ かなり不十分. ⑦. ロ釧路管内市町村小・中合計■根室管内市町小・中合計臼合計. グラフ5 質問5の回答結果 いう地理的な理由)であり,次いで③(予算が少ないな. 回答件数(件). ①. 50. どの予算面での理由),⑥(研修機会が少ないなどの人. 質問6の回答者は,質問5で③(やや不十分),④(不. ③. 回答番号. ②. 的交流面での理由)となる。. ④⑤. 十分),⑤(かなり不十分)を選択した回答者に限定さ れる。釧路管内の質問5③∼⑤の回答(者)数は30,根 室管内のそれは26であり,ほぼ同程度である。したがっ て,質問6における釧路管内と根室管内の回答は,ほぼ. ロ釧路管内市町村小・中合計t根室管内市町小・中合計口合計. 同じ回答者数という条件下での結果とみることができ. る。. 回答数をみると,②(まあまあ満たされている)がもっ. こうした条件をふまえた上で,両者のピークの現れ方. とも多く,次いで③(やや不十分)となる。ただし,釧. をみると,大きな違いがあることがわかる。釧路管内で. 路管内市町村では②が最大数であるのに対し. は③が最多であるのにたいし,根室管内では①が最多で. 内市町では③が最大数であり,ピークの出方に違いがあ. ある。すなわち,釧路管内では予算面での理由が多いの. る。. にたいして,根室管内ではへき地であるという地理的な 理由が多い。質問5の回答傾向とあわせて考えるならば,. 集計方法が回答数の単純集計であるので両者の安直な 比較はできな). へき地であるという地理的な要因は,教育情報の充足を. 点からみれば,根室管内市町における教育情報の充足度 は,釧路管内とは違った状況にあるものと予想できる。. 妨げる主要因となっており,それは釧路管内よりもむし ろ根室管内でつよく意識されているということになる。. (6)質問6′の集計結果と分析. (7)質問7の集計結果と分析. \. 質問5での③④⑤の回答者に対しては,質問6を用意. 質問7では,ふだんの教育情報を得る手段として身近. し,「不十分」である原因として主なものを,7. なものを,10の選択肢の中から3つまで選択するよう求. 択肢の中から2つまで選択するよう求めた。それぞれの. めた。それぞれの選択肢は以下のようになっている。. 選択肢は以下のようになっている。. ① 図書・書籍などの出版物から. ① へき地(遠隔地)で距離的に離れているという地. ② 新聞・′テレビなどの報道から ③ インターネットのウェブヰィトなどから. 麺的な理由. ② 小規模校であるなどの学校規模の面での理由. ④ 文科省や教育委員会の行政機関から. (卦 予算が少ないなどの予算面での理由. ⑤ 教育研究所や大学などの研究機開から. ④ 図書館や博物館がないなどの施喪環境面での理由. ⑥ 図書館や博物館などの社会教育施設から. ⑤ インターネット未整備などの情報インフラ面での. ⑦ 校内外の研究会や公開研などから ⑧ 市販されている教材などから. 理由. ⑥ 研修機会が少ないなどの人的交流面での理由. ⑨ 個人的なつきあいを通して教員仲間やいろいろな. ⑦ その他. 人から. 回答数の最多は,①(へき鞄で距離的に離れていると. ⑲ その他. − 45 −.
(7) 佐々木. グラフ7 質問7の回答結果. 【インターネット利用に関して】. 自由記述の回答全体を通して,インターネット利用に. 回答件数(件). ①. 50. 100. 関する具体的な意見が特に多かった。総合的な学習の時. ②.③. 間の導入にともない,児童生徒の調べ学習に有効だとす. る意見,子ども向けのサイトが多くあれば,などの意見 があった。. ④ ⑤. 回答番号. 「総合学習で子どもがインターネットを使って調べ. ることが多くなっています。子ども向けの情報が多. ⑥. いとより調べやすく,活用しやすくなると思いま. ⑦. す。」 「子ども向けのサイトはあるが,内容が不十分。低. ⑧. 学年から高学年によって,必要とする内容がちがう. ⑨. のでそれに対応したものがあると便利です。理科や. ⑩. 社会科や総合的な学習の時間で活用することが非常. に多いです。」. 口釧路管内市町村小・中合計■根室管内市町小ヰ合計田合計. 「インターネットが全教室に入ってきたので,イン 回答数の最多は,(D(図書・書籍などの出版物から) であり,次いで③(インターネットのウェブサイトなど. ターネットを利用した,道東情報バンクを作って欲 しい。」. から)となり,他にくらべて突出している。これ以下は. また,児童生徒の利用ばかりではなく,教員が教材や. ②(新聞・テレビなどの報道から),④(文科省や教育. 実践事例などの情報を得る手段としても期待されてい. 委員会などの行政機関から),⑦(校内外の研究会や公 開研などから)がほぼ同程度の回答数となっている。. る。 「現在ほとんどのものがインターネット等の事例集. によって情報を得られることができ,子どもに対す. 図書・書籍の出版物が教育情報を得るための最も一般. 的な手段であり,最多回答数となったことは順当である. る問題,授業に対する悩みなども,それによって解. といえよう。注目すべきは,これに次ぐ③の回答数の多. 消しております(コピーして先生方へ配布)。」. さ,すなわちインターネットの利用度の高さである。イ. 「やはりインターネットが検索しやすく,手軽。教. ンターネット接続サービスに地域差はあるだろうが,新. 科別・学年別・内容・領域別の実践例,研究会・研. 聞やテレビなどのメディアよりもよく利用されているよ. 修会等の案内,人材,資料。」 「自分の得たい情報を簡単に確実に手に入れること. うである。. なお,回答数の少ないものは,⑥(図書館や博物館な. の出来る手法についての情報。インターネットです. どの社会教育機関から),(9(教育研究所や大学などの. ぐ調べられてすぐ実践できるホームページがあれば. 研究機関カミら)である。図書館や博物館などの施設その. 良いです(発間,指示等が書かれているもの)。」 「実践例は多く知りたい。インターネットに頼るこ. ものが少ないことに加えて,アクセスの難しさが背景に. あると思われる。教育研究所や大学についても,同様の. とが多い(が,なかなか必要な情報を得るのが難し. 背景があるといえるが,研究機関が提供できる情報と教. いときもある)(⊃」. 育現場のニーズが一致していないという側面も考えられ. 一方で,インターネット環境が十分に整備されていな いケースや,学校内の情報化や教職員のスキルアップを. る。. 必要とするケースなどの問題点を指摘する意見もあっ た。. (8)質問8の回答結果. 「最近の傾向として,インターネットを介しで情報. 質問8では,教育情報に関する具体的な意見を,自由 記述の形式で求めた。. を伝達されることが多くなっていると感じていま す。その際にへき地であるがゆえに通信環境が整備. 教育現場で求められている教育情報の具体的な内容や. 形式をはじめ,道東の教育現場や地域の実情など,さま. されておらず,ますます情報に乗り遅れるといった. ざまな回答が得られた。. 状況があるように思えてなりません。せっかくの情. 以下には,回答の要旨および回答文の引用を,内容の. 報を得るための環境整備にも力を入れるべきだと思. います。」. まとまりごとに紹介していく。. 「現在本校では,インターネット環境が不十分です。. − 46 −.
(8) No.59. 道東の学校現場ではどのような教育情報が求められているか. ISDN回線などで,調べ学習等で情報をDLすると. 映像),学校独自の教育活動情報(総合的な学習,. きに時間がかかりすぎます。また,職員室内によう. ふるさと学習など)。」. やくLANを導入しましたがその活用が十分にされ. 2004.12. さらに,指導のしかたに関しては,へき地・小規模校,. ていません。各教員のPCについての知識・技能が. 複式などの地域の実情を反映した意見が多くみられた。. まちまちで,PCを全く使えない教員もおります。. 「小規模の中学校では免許外教科を担当しなくては. 学習会などを開いて,知識・技術を共有化したいの. なちず,そのための教材研究は大変である。したがっ. ですが,とにかく多忙なので,そのような時間も取. て生徒の興味を引く教材や展開の仕方などに関する. れません。今後の情報化社会では,通用しないので. 情報が気軽に入手できると良い。」. はないかと危倶しております。・・・(中略)…特別支. 「やはり身近な情報が欲しい。本校では特殊学級が. 援教育,メディアリテラシー教育(情報活用能力教. 今年度から開設され,担当教諭1名(しかも特学経. 育)などについての情報が欲しいところです。また,. 験なし)が手探り状態で進めてきました。次年度も. そういった情報を共有化したいのですが…。・‥(中l. 特学2学級となりますが,ほとんど周りからの少な. 略)‥・教育委貞会にはWEBサーバーがありません。. い情報しか得られない中で進めなければならない状. インターネットは民間プロバイダーに頼っていま. 況にあります。『特学の時間割は?』『その子の将来. す。ぜひともWEBサーバーを設置していただき,. を考慮した場合,普通学級でできるだけ受けた方が. コスト削減,インターネットの十分な活用,ホーム. 有利なのか? それとも特学で,その子に合った授. ページの開設等,情報化社会に対応した教育活動を. 業展開を進めるべきか?』など。そのような情報が. 実践したいところです。」. あればよいと思います。少子化による合併での留意. 事項などの情報など。」. 【指導のための事例,指導資料や教材に関して】. 「こんな情報が欲しいと考えたときはWEBサイト. 指導に生かすための実践事例,指導資料,教材に関し. で探すのが現状です。地理的な面からも簡単に書籍. ての意見も多く見られた。. を探すことが出来ませんし,小規模校では事務的な. 「指導方法・技術に関する情報」. 処理に行われどうしても研修に使える時間が不足が. 「確かな学力をつけるための具体的事例・個に応じ. ちです。教材という点でも予算面でリスクがあると 思います。とにかく,授業で簡単に使え,安価であ. る指導・繰り返し学習の事例」. る,こんな勝手な条件ですが,そんなコンテンツが. 上のように,指導や学習のノウハウー般を求める声も. あれば,次のようなより具体的・個別的な情報を求める. 増えること,またその情報が欲しいと思います。小. 声も. 学校ではそのようなものがないと時間的なゆとりを. 得ることが出来ません。特に,複式教育では情報が. 「歌や器楽の楽譜や劇のシナリオなどの情報」. 「保健学習。性の指導。薬物に関する指導。道徳の 指導資料。」. 不足していると考えています。」. 「へき地,複式学級の経嘩が不足している教貞のた. めに,授業の仕方や,カリキュラムの組み方などの. 「教育テレビ(NHK)の再放送の予定番組表がある. 具体的な資料が欲しい。学年別指導を進めていくた. と便利です。」 「このような情報は,こ・のようなメディアで得られ. めの手だてが欲しい。インターネット,書籍でも,. る,と言った検索やきる一覧表のようなものがある. このような情報がなかなか手に入りません。学校の. と便利」. 中でインターネットが自由に使えても,情報そのも. 地域の学習に関する教材や資料を求める意見もあっ. のが不足しています。」. た。地域社会の特色など,地域に密着した教育情報は,. 「本校は学級が減少し始め中規模校から小規模校へ. 社会科をはじめ幅広く教育活動全般に活用が期待でき. の移行期です。行事を運営していく上でも課題が多. る。. く,非常に厳しい状態が予想されます。同じような. 「小学校であれば,10市町村の特色など(産業,文. 規模の中学校での教育実践を参考にしたいところで. 化,自然など)が簡単にまとまっているビデオやD. すが,研究会を開催する学校は近隣では大規模校ば. VD,ダウンロードできるような教材があると社会. かりでなかなか機会に恵まれません。…(中略)…. の予習で使えると感じている。」. 生徒の人数が少ないにもかかわらず生徒の学力差が. 「地域産業に関わる具体的情報,自然,(川や海や山). 大きく選択教科などを使って少人数クラスをつくり. に関する情報,公共施設の利用法とその内部の解説,. 基礎の定着に努めていますが,教員数も減らされ,. 北方領土学習に関する資料(特に,地域の人の声や. その実施も難しくなりそうです。数学,英語の基礎. ー 47 −.
(9) 佐々木. の定着,国語力の定着が目下の課題です。授業にか. 言及した意見もみられた。へき地・小規模枚としての問. かわらず校内でのとりくみ,朝学括でのとりくみな. 題点も含まれている。. ど継続して意欲的に生徒が取り組めそうな実践例が. 「仕事の効率を上げるための方法や技術に関する情. 報。画期的な理論や教育実践は本やインターネット. あれぼ情報をいただきたいです。」. こうした意見からは,小規模校であるために免許外教. を調べれば,いくらでもでている。しかし,それを. 科を担当しなければならない事実や,周囲からの情報が. 取り入れるにはあまりにも多忙である。これを解消. 不足しがちであったり,煩雑な仕事に追われてゆとりが. するために,会読の効率化を図る方法や,無駄なく. ないなどの実態を読み取ることができる。とくに,複式. 確実に伝わる連絡方法,時間管理術なと仕事を進め. 教育の情報が不足しているという指摘には注目する必要. ていくために必要な基本的な能力に関する情報が教. がある。. 育の現場にも必要と考える. また,少ない経験と情報の中で対応を強いられる特殊. 。」. 「道東に限らずへき地の問題は交流する教師の絶対. 教育担当者の記述にあるように,未経験者に対するサ. 数が少ないことだと思います。また,ベテランの先. ポートの難しさは,教員数が少ないへき地・小規模校に. 生がどんどん他管へ洗出していくことも問題の1つ. おける問題として認識する必要がある。. でしょう。根本的に頭脳が足りないのだと思いま す。」 また,「道東の教育現場ではそれぞれの教育課題や研. 【教師間の交流や情報交換に関して】. 修に取り組む一方で,(いろいろな)地域課題を抱えて. 教育情報の交換をするネットワークや,そうしたネッ トワーク作りを促すコーディネーターを求める意見もみ. いることも是非知っていただきたいと」として,小規模. られた。. 校の統合化によって教貞の人員配置にアンバランスをき. たしていること,さらに利便地に異動希望者が集中する. 「各学校間のネットワークが必要と感じる。現状で は教師仲間や知り合いの関係で情報を得ることはあ. ために人材確保が難しくなっていることなどを述べた意. るが,それ以外の学校との情報交換はあまりされて. 見もみられた。ノト規模校では9教科の免許保持者を揃え. いない。市内や管内だけでもいいのでそういう体制. ることが難しく,5教科を中心とした人員配置となるた. が必要?」. めに,学校全体としての教科指導と生徒指導の力量のバ. 「学校が自主的にホームページを開いている場合は,. ランスが取れないなどの問題も指摘されている。人材確. その学校についての情報はとれますがやはり身近な. 保の難しさは,ベテランと新卒・期限付き採用者のバラ. 管内(根室とか釧路とかの近隣)のすべての学校で. ンスをいびつなものにしていくという。. 何をしているのか・‥といったものはない。一定の項. これらは教育情報という側面とは異なった間、題ではあ. 目ですべての学校から情報収集し学校ごとの教育情. るが,様々な教育情報が求められている背景を考えると,. 報としてまとめ,検索できるようなものがあるとよ. 無視することはできない。. い。日常的に参考になりそうな学校(それも近くの) と交流ができるように使えるのではないか。」. 【教育大学への期待に関して】. 「各種研究会や書籍,インターネットなど,ほしい. 自由記述の中には,本学に対しての期待や意見もみら. と思えばある程度の情報が入る時代です。入手した. れた。. 「教育大の研究紀要等を学疲に回覧してほしい。教. 情報が本人にとって有効な情報か,必要引育報なの. 育大図書館の新刊の案内。土日や長期休業日等の大 学や大学院の集中講義や公開講座の案内。公開講座。. かは本人が取捨選択すればよいのであるが,文科省,. 行政による情報が大変多いと感じている。民教(民 間教育研究団体)や教育職貞労働組合などの主催に. エルネット関係で文科省の教職員中央研修講座や他. よる,教育講演会や学習会は,実践や現場の実態を. 大学の公開講座等教育に関する内容について録画し. もとにした資料が多く,私にとっ. てビデオをストックしておき,自由にレンタルでき. のある情報だと思っています。」. るシステムがあるとありがたい。」. 「教員養成大学として,釧路地区,道東エリアの教. 教育に関する情報はインターネット上に多く流れてい. るが,具体的で身近な情報は少なく,さらにそれを交換・ 交流する場をもつことも難しいのであろう。. 育の中枢として,小,中,高校そして,教育関係機 関に対して,最高学府としての優れた,最新の情報 (教育に関ゎるあらゆる分野,方面において)を, インターネットのホームページ,あるいは刊行物等. 【道東における学校教育の課題に関して】. 現在の学校現場の多忙さ,道東の学校現場の問題点に. において,より積極的に発信していただきたい。そ. − 48 −.
(10) No.59. 道東の学校現場ではどのような教育情報が求められているか. れと同時に大学の先生方もより現場(教育の)に足. 2004.12. の必要度が高いことがわかった。. を運び,それを見て研究の方針や考えを再考するよ. こうしてみると,道東で求められている教育情報には,. うなことがより多くあってもいいのではないかと考. 全国的な教育施策として導入された新しい取り組みに関. える。」. する情報と,へき地・小規模という学校事情を背景とし た日常的な学習指導に関する情報の大きな2つの傾向を. 「文部省とも日教組とも法則化とも違う視点に立っ. た教育問題を話せる人。そういう人が作っている. 読み取ることができる。還元すれば,学習指導要領の実. ホームページ。教育大が中心となって,本当に子ど. 施に関わって必要となる情報と,学校の実態に即した教. もに必要な教育(授業)を研究するサークルのペー. 育活動のために必要になる情報といえる。⊥般的な教育. ヽ ヾ−. 情報であれば情報源は数多くあり,その入手も容易であ. こ/oJ. 「大学(教育大学・教育学部)には,教育に関する. ろうが,道東の地域的な教育事情をふまえた教育情報と. 研究と情報の発信基地という2つの側面があるとお. なると,量的にも十分とはいえず,入手も困難であると. もわれます。そのためにも,役所的なあるいはマス. いえよう。. コミ的な課題ではなく教育現場の声を直接知って,. 「どのような手段で教育情報を得ているか」という点. それに対応できる研究を推進しようとする姿勢に対. については,図書・書籍に次ぐ回答数となったインター. して,大変感謝するところであると同時に,期待も. ネット利用に注目しなければならい。教育現場における. 寄せています。」. インターネットは,情報収集のメディアとしてきわめて. このような意見は,大学として実勢に受け止めなけれ. 高く評価されているといえる。教員が指導や研修のため. ばなら′ない。質問7において,教育情報を得るためのメ. の情報を得る手段としてだけではなく,児童生徒の調べ. ディア′として大学などの研究機関の回答が低かったこと. 学習などの道具としても利用できるため,インターネッ. をふまえると,地域の教育の現状把握と,教育情報の提. トの利用価値はこれからも高まっていくことが予想され. 僕は急務である。. る。ほとんどの学校ではコンピュータ機器やインター ネットへの接続環境が整備されているようだが,地域的 な事情や予算面の問題から十分ではないという声もあっ. 5.ま と め. た。インターネットへが高く評価されている背景には,. 調査結果を概観すると,道東の学校教育現場における. 実際の行き来ができない地域的な事情,すなわちへき地. 教育情報の充足度は,全体としては,やや不足気味のき. という事情があることも予想される。利用度のたかいメ. らいがあるが,ある程度は満たされているといえる。た. ディアであるだけに,未整備の学校には早急に手だてを. だし,根室管内に限っていえば,教育情報が充足してい. する必要があろう。. るというよりはむしろ不足しているという意見が多い。. ただ,インターネット利用に関して気がかりなことは,. さて,「どのような教育情報が求められているか」と. 情報の発信よりも受信のためのメデイアとして強く意識. いうことにつヤーては,学習指導に関する教育情報,教育. されていることである。たしかに,文部科学省をはじめ. 課程や学校全体の教育活動に関する教育情報の必要度が. とする公的機関,民間団体など多くの教育関係ウェブサ. 高かった。具体的には,指導のノウハウや授業実践に関. イトがあるので,情報の発信源がインターネッ. わること,教材研究,●授業に生かせるコンテンツや資料,. 在していることを当然のように感じてしまう。しかし,. 総合的な学習や特別支援教育などの新しい取り組みに関. 考えてみれば当然のように,「どんな情報もインターネッ. ト上に存. トで入手できる」のではなく,入手できるのは発信され. することなどがあげられる。. 特に,学習指導に関する情報については,少人数・複. ている情報だけである。逆にいえば誰かが発信しなけれ. 式指導に関する情報の必要度がきわめて高いことがわ. ば,インタ「ネット上の情報は存在し得ず,受信もでき. かった。これはへき地・小規模校の設置数が多い釧路・. ない。では誰が情報を発信し提供するのかということに. 根室管内の学枚教育の実情を反映しているといえる。ま. なる。教育の一般的情報については,行政機関が公的サー. た,このほかLDやADHDなどの子どもへの対応のし. ビスとして発信したり,様々な団体・組織が発信したり. かた,評価規準や評価のしかたなどの情報も必要とされ. するだろう。反対に,地域の実情を伝える個別的な教育. ている度合いが高いことがわかった。. 情報は,当事者かその関係機関が情報を発信しなければ. さらに,教育課程や学校全体の教育活動に関する、情報. ならない。J誰もが伝えない情報は,誰かが伝えない限り. については,総合的な学習の時間の方法や実践事例,特. 伝わらないのである。相互に情報を提供・交換するとい. 別支援教育などの新しい取り組みの方法や事例,特色あ. う営みがインターネット上の情報を質的にも量的にも豊. る教育活動や学校づくりの事例やアイデアなどに対して. かなものにし,結果として多様な情報を享受できる状態. − 49 −.
(11) 佐々木. を作り出しているのである。. しかしながら,自由記述回答にみられたように,学校・ 現場の実態は,限られた人員配置のなかで多くの業務を こなしていかなくてはならない状況であり,独自に情報 を発信・交換する余裕を生み出すことは現実的には難し. い。したがって,地域の教育情報を収集したり,それを 再構成したりして共有化を図る役割をもった組織が必要. になってくるだろう。地域の教育の情報化と,教育情報 の地域化を果たす役割といえよう。自由記述の中には, 教育大学や教育委員会などにその役割を期待する意見も. 寄せられている。現段階において,教育大学はその機能 を実現するための可能性を有していると考えられる。そ のためのメディアは,その内容や提倶の仕方によって適 切なものが適宜選択されるべきであろうが,本調査結果 をふまえるとインターネットを利用した電子的なメディ. アに多くの期待が寄せられていることは確かである。. 注. 1)平成15年度の調査実施時点での学校数である。学校 の統合などを経た平成16年度の学校数とは異なって いる。. 付記. 本研究のアンケート調査にあたり,年度末・年度始め の多忙な時期であるにもかかわらず,本調査に協力して くださった釧路管内市町村・根室管内市町の各学校の先. 生方,また調査用紙の送付に協力いただいた釧路市教育 委員会,釧路教育局に深く感謝いたします。. − 50 −. 宰.
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