1
論 文1
日本 建 築 学 会 構 造系 論 文 報 告集 第450号・
1993年8月Journal efStruct
、
Constr,
Engng,
AIJ,
Ne、
450,
Aug.
,
1993二
方 向水
平
力
を
受
け る
鉄 筋
コ ン’
ク
リ
rト
L
型
開
断面
耐 震
壁 め
弾
塑
性性状
に
関
す
る
実
験
的
研
究
ELASTO
−
PLASTIC
PROPERTIES
OF
REINFORCED
CONCRETE
L
−
SHAPED
SECTION
SHEAR
WALLS
SUBJECT
.
TO
BI
・
DIRECTIONAL
HORIZONTAL
FORCE
溝
口光 男
*,
荒 井 康 幸
* *
MitSuo
MJZOGUCHJ
and }「osuyz ‘ki
ARAI
This
paper reports experimentai results of reinforced concreteL ・
shaped section shear walls with varyinghorizental
loading direction.
The deforming directions of the walls subject toherizontal
forces
arefive
directions
dividing
the angle of the weak axisfrom
the strong axisinto
four
equal ang 】es.
The
results are asfollows
:(1)Initial
stiffness and crackingloads
remarkably change with varyingdeforming
direction
.
(2)Theflexural
strength can be calculated by the eq。
(3),
con−
sidering the projected position of steel after projectingL −
shaped section on aline
ofdeforming
.
direction
,
(3
)Each
shear strength of two waHs ofL ・
shaped secしion shear wallsdecreages
as the eut−
of−
planedeformatioll
becomes
larger
.
Keywords
:reinferced concrete,
Lshapad
section shear wall,
inldirectional
horixental
force
,
elasto−
Plastic
PrOPerty
,
fteXttrat
failure
,
shearfaiiure
’
鉄筋コ ンク リ
ー
ト,L
型 開断
面耐震壁,
二方向加 力,
弾 塑 性 性 状,
曲 げ破 壊,
せん 断 破 壊 1.
は じめ に 建 物に含ま れ る耐 震 壁は,
・
コ ア壁な どの よ うにL
型,
コ 型な ど のいわ ゆ る開断面の形状で建物に配置さ れ てい る 場合が少な く ない。
この よ う な 開 断 面 壁は,一
般に水 平力 を受ける と曲げ とせ ん断の ほ か に直交する壁か ら境 界 応 力 を受 ける。 また,
ねじりの影 響といっ た複 雑な要 素 も加わ っ て くる の で,
単一
平 面 壁と は大き く異な る性 状を示 ,U.
,
開 断 面 材と.
して
立体的 に考え る 必 要 が あ る。
鉄 筋ゴ シクリ
ー
ト開 断 面 壁の弾
塑性挙動に関す る実験 デー
タ は,
近年,
徐々 に蓄積さ れつ っ あ る が,
その 力学 的 挙 動の複 雑さ ゆ えに,
この種の耐震 壁 を含む建 物の構 造 解 析に応 用さ れ る まで には 至っ て いない。 弾性域にっ い て は,
第二 著者の荒井が開断面を形成す る各壁板を分 割し, 壁 縁に伸縮 力を考え た 「一
般 骨 組 内の開 断面立体 耐 震 壁の解 析 法 」1.
}(以 後,
分 害1亅法と呼ぶ)を考案し て い るが,
これ を塑性域にまで拡 張 する たφに は,
各 壁ご との応 力 と変形の関係を把 握することが重 要で ある。
ま た, 開 断面壁 は平面的な広 が りを もつ もので ある から,
入力 方向に関して の検討も 必要であ る。 開断面壁に関す る 既往の研究をみ る と,
主と し て直交 壁 付き耐震壁の一
方向 加 力 実 験2)−
lz)が 行 われ て お り,
平 面 壁の剛性や耐 力に及 ぼ す直 交 壁の影 響につ い て検 討さ れ てい るが,
塑 性 域 を 含め た各 壁ごとの応力 と変 形の関 係につ い て は明ら か で はない。 ま た,
』
加 力 方 向を変 化さ せ た研 究は文 献13>,
14)が あ る 程度で極めて少な く,
開 断 面 立 体 壁の力 学 的 性 状に はい ま だに不 明な点が多 い。
本 研究は, 鉄 筋コン ク リー
トL
型開 断 面 耐 震壁 が, 二 方 向 水平力 を受 けた時の弾 塑 性 性 状 を明ら かにする こと を 目的と して,
加 力 方 向 をパラ メー
タとし たL 型 開 断 面 壁 模型の繰 返し加 力 実 験 を行っ た。
こ の結 果か ら,
加 力 方 向が異なる場 合の L型 開 断面壁の初 期 剛性,
諸ひび割 れ強 度,
降 伏 荷 重お よび最 大 耐力につ い て検 討す る。 本論 文は.
既に発 表し た参 考 文ma18)
、
19}を再 整理 し た.
も の で あ る。
* 室 蘭工業 大 学工学 部 建 設システム工学科 助手
・
修 Research Assoc.
,
Dept.
of Civil Engineering and Architecture,
Facll且.
士 〔工学 }
’
ty of EngineeTin9,
Muroran Institute of Technolegy,
M.
Eng.
**
室蘭工業大学工学部建 設シ ス テ ム工学科 教 授
・
博 Prof.
,
Dept.
of Civil En’
gineering and Architecture,
Faculty of En一
士 (工学 )
.
.
.
gineerjng
,
M りroran I皿stitu甲of Technology,
Dr.
En 耳.
・
2.
実験 計画 2.
1 試 験 体 概要 試 験 体の壁 断面 は, 壁 板の周 囲に柱 型を有する等辺 のL
字 型 とし.
壁 頂 部に は梁と断 面形 を保持する た め の天 井ス ラブを設けた。
こ れ ら を本 論で用い た各 部の 名称と ともに図一
1,
2に示す。 試 験 体の種類は,L
型 壁 を構 成・
す る 2枚の壁 板を曲げ破 壊 型 (以 後, 曲 げシ リー
ズと呼 ぶ)お よ びせん断 破 壊 型 (以 後,
せん断シ リー
ズと呼ぶ ) に設 計 した2種 とし た。
試 験 体 数は両シリー
ズと も5
体 で合 計10体とし た。 壁お よ び柱の寸 法は, 壁 内 法 幅92 cm,
柱 断 面 15cm ×15 cm が両シリー
ズに共通であ り,
曲 げ シ リー
ズ で は壁 内 法 高 さ181cm
, 壁 厚6cm
, せ ん 断シリー
ズで は壁 内法 高さ106cm,
壁 厚5.
5cm を 目標 とし たが,
作 製さ れ た壁 厚の寸 法は表一
ユ に併 記した値 図一
1 試験体形 状 (単 位 :mm ) 図一
2 変 形 方 向と試 験 体 名 と なっ た。
コ ン ク リー
トは,
豆砂 利 普通コ ンク リー
ト(砂 利の最 大 寸 法10mm )を使用 し, 鉛直打ち と し た。 壁 および天 井ス ラブに は 4φのなまし鉄 線 を 縦 横 @6cm
で 配 筋 し た。
柱に は,
主 筋 と し て曲 げシ リー
ズで は 4−DIO
を,
せ ん断シ リー
ズで は4−
D13 と4−
D10 の 合 計8
本を配 筋 し,
両シ リー
ズ ともにせ ん断 補 強 筋とし て 角スパ イラル 筋を巻い た。
梁の 配筋は両シ リー
ズとも主 筋 を4−D13 ,
せ ん 断 補 強 筋 を 4φ@ 6cm と し た。 壁の せ ん断 補強筋比 Ps,
柱の全 鉄筋比 Pg,
梁の 引 張 鉄 筋 比 ρ tお よび帯筋・
肋筋比 Pw は表一
1に示す と お り であ る。
表 中の各壁の Ps ば,
同 表に示 す実 際の壁厚に対す る せ ん断補強筋比であ る。 コ ンク リー
トと鉄 筋の力 学 的 性質は そ れ ぞ れ表一
1,
表一
2に示す。
壁頂 部 に強 制変形 を 与 え る 方向 (以後,
変 形 方 向と呼 ぶ )は, 図一
2に示す よ うにX
壁に対して +45°
か ら一
45°
の 間 を4等 分す る5
方 向と し た (以 後,
変形方 向と X壁との な す角 度 を 変 形 方 向 角 度 θと呼ぶ 〉。
同 図の口 内にそ れ ぞ れの 変 形 方 向に対する試 験 体 名 (記 号 L−
: 曲げ シ リー
ズ,
同LS −
:せ ん断シ リー
ズ 〉を示す。 また,
同 図に は変 形と荷 重に閧す る座標系も併せて示 した。
2.
2 加 力方法 基 礎ス ラブ を固定 し て,
図一3
に示す よ うにX ,Y
両 壁のそ れ ぞ れの中 心 線 上に配 置し た油圧 ジャ ッキ とア ク チュ エー
タ によっ て,
壁頂 部の変位 をそ れぞれの方 向 に強制す る よ う に 二方向か ら加 力し,
ア ク チュ エー
タ によっ て壁 頂部が ねじれな い よ うに制 御 し なが ら,
変 形 方向に対 して変位 漸 増正負 繰 返し加 力 を行っ た。
繰 返し 変 位 振 幅は, 変 形 方 向の部材 角で,
曲げ シ リー
ズで は 1,
2,
4,
6.
10,
15,
20,
30,
45XlO−
srad.
,
せ ん 断シ リー
ズで は 1,2,4, 6, 10, 15,20×10−
3rad,
を原 則と し た。 ア ク チュ エー
タ および油 圧 ジャ ッキは、
壁 頂 部の梁 内に 設け た穴にPC
鋼 棒を通して試 験 体と緊結 し た。
表一
2 鉄筋の力学 的性 状 リ プ門
、
ン一
槭 繍 o皿2 轗 kfc 国2 引 張強 度 k GO2 伸 び % D13 ! 丶 3鉚0 59&024 曲 げ D104 0125z 丶 37501680 52903 册 盟049 D13 z ) 3580 528028 せ ん D亘0 ’、 3930 56 α0 跼 表一1
試 験 体の壁 厚 と 配 筋お よびコ ンク リー
トの性 状 壁 嘩 囗囮 壁 配 ヤ ング係 数 シリー
ズ 試験体名 鉄 筋比 比 器 圧 縮 強 度 σ臼 引張 強 度 cσ鳬
X壁 Y壁 径・
間隔 XsY壁 s壁 径 本 数 日 径 本数 日 kfcm2kfcm2lo5kfcm2 L−
U 7155 o.
290,
32 34332.
12.
77 L−
UX5863 0,
36033 23028.
82.
71 曲 げ L−
X 78844 φ回60027O,
25 蜥 4−
D10 帯 筋 4φ03G P9=
L2ア P粐 0.
56 蠅 4−
D13 贓 4φ◎60 Pt=
0,
72P 孵 0.
28 pt=
0.
66P 匹 02831932.
82.
71 L−
VX7776 0.
留 o,
η 32429.
62、
65一
V 7168 〇 四 0.
31 332315278 LS−
U5359 0.
390.
35 22123.
92.
04 LS−
UX5457 0.
380.
36 25426,
02.
18 せ ん 断 LS−
X56534 φ@600,
370.
39 蜘〔
4−
D且0 4−
Dl3 贓 P9己
3.
52pw=
蜘 4−
D13 帯筋 4φ060 pt≡
0.
50P 脚=
pt;
0,
52Pr 21824.
62.
32 LS−
VX5954 0.
35o.
38 22324.
42.
18一
◎一
72
一
アナログコンヒ・
一
タ 距パスフ‘”一
アンプ アクチ証 汐 ユニパー
サル シ図
ント δ、 ピン ス書けf
(δ3」δ4) 多呷
ン 反 ご,
.F咋
f δ1 δ2 」呈:1
聖瓢
一
鬘
o 力 壁 ピ ン δ−
一
, 閃 ℃ 亠 ロロ甲
田 A/D コン兀一
タ bOAD・
ANP幽
1::羹
i
…三… 試 験 体iii
…≡i・
liL、
」
・
…
デー
タ ロガー
一一
ア好 ユエー
タ 制 御 装 置 制御 眉号 油 圧 ジャッキ どン ヒ、
1
打
一
【
o 1,鹽
¶”
1:i::亘1鰤 ii亘ll鰤 i≒脯
馳
ピン ロー
ド セ ∴ピ ン口
署
口
OLOAD・
醐P
ロー
ドセル δ1甲
冨 D/A コンバー
タ εP−
IH 1 アクチュエー
タ 制 御装 置1
GP−IB
2 噸卩一
1−
・
命令 信号 令 信号1
−
1一
命 令信 号F
制 御信 号 ビ ン 牽 ガ ルコ究ユー
タ 図一
3 二方 向 加 力の装 置と制 御システム (ニ パー
サの ∴ アクチュエー
タ z 反力フ レー
ム 加 力の制御シス テム は, 図一
3に示 す よ うに,
基 礎ス ラ ブを基 準 とした壁 頂の水 平 変 位 をア クチュ エー
タ制 御 部に フ ィー
ドバ ッ ク し,
同 時に パー
ソナル コ ンビュー
タ に取り込んで命 令 信 号を出 す ダ ブル クロー
ズ ドシス テム と し た。 フィー
ドバ ッ ク信 号に は,2
台の ア ク チュ エー
タ相互の影 響を極 力 避け る た めに,
2個の変 位 計の アナ ログ信 号を ア ナロ グコ ン ピュー
タに よっ てアクチュ エー
タ の加 力線上の変位に演算し た ア ナログ信号を用いた。
1
また,
標 点と変位計と は2
個の ユ ニバー
サル ジョイン ト を介 して長さ 60cm の.
V ッ ドで連結して い る が, 標点 は 二 方 向に変 位 する ため直 交 方 向の変 位が大き くな ると 測 定 誤 差が無 視で き な くな る。
前 記の命 令 信 号に は こ の 測 定 誤 差 も考 慮してい る。 2.
3 計 測 方 法・
変位の計測は,
試 験体頂部の 4 ヵ所の水平変位と柱 上 部の鉛直変位を基礎ス ラブを基 準と し て計測し た。 y 方 向変位の計 測では, 加 力 装置 を避け る た め標 点 を上 方に 移 動して計 測しだ が,
壁 両 側 柱の鉛 直 変 位 を用いて加 力 線 上の位 置に補 正し た。
先に記し たよ うに計 測の 直 交 方 向変位による計 測 誤 差は, 天 井ス ラ ブ が面 内に剛 体 変 位 す るもの として修 正し た。
また,
各 壁の曲 げ変 形 計 測の た め壁高を6分割し, 各 区間の回転 角 を計 測 し た。
荷 重 は すべてロー
ドセル によ り計 測し た。
二方 向に変 形す る こ と に伴っ て荷 重は 二方 向 成 分 を持つ た め,
ね じ れを防 ぐ た めの アクチュ エー
タ を含む各 加力装置の荷 重を x,y成分に分解 し, これ らを加え合わ せ て x, yそ れ ぞ れ の方 向の荷 重 とし た。
なお,
アクチュ エー
タ の荷 重 は, 油圧 ジャ ッ キの荷 重に比べ て最 終 時まで か な り小さ な値 を示 し て い る。 また,
・
柱と壁の脚 部では,
柱 主 筋 とX ,Y
両 壁の壁 筋の ひずみ度を計 測 し た。
3
.
実 験 結 果 3.
1 ひび割れ および破 壊 状 況 実 験 終了時の ひ び割れ状 況 を, 両 壁 を展 開して図一
4 , 5に示す。
両 壁の ひび割れ状 況は,
曲 げおよ びせん 断 両 シリー
ズ ともに変 形 方 向に対し て角 度の小さ いX壁よ り も角 度の大き いY壁の方に顕 著な差異が表れ て い る。 (1) 曲 げシ リー
ズ 終局時の破壊状況は,
全 試験体と も 正負両加 力時に は 柱主 筋 が 引 張 降 伏 す る 曲 げ破 壊 型 と なっ た。
X
壁の ひび割れ は, レU
で は壁 上 方のひ び割れが少 な く,
斜め ひび割れの角 度が負 加 力 時よ りも正 加 力 時の 方が小さい。
しか し,
他の 4体で は変 形 方 向に か か わ ら ず,.
E
負 両 加 力によっ て斜め ひび割れ が ほ ぼ全 面に交 錯 し て発 生し,L −X
では大 変 形 時に壁 板の面 外 変 形 が 顕 著と な り,L
−VX
とL −V
では終局時にX
壁 脚 部が壁面 内方 向ばか りで な く面 外 方 向に もずれ て破 壊し た。Y
壁の ひび 割れ は,L
−U
ではC
柱 を 中 心に し てX
壁 1 ;1 句 {一
一
一 〔+
)δ」 α町‘亞
肖4隹←31→ 【号〕δ翼 Y柱 Y壁 C柱X墨 X柱Y柱 Y壁 C柱X壁 X (a )L−
U (b )L − UX
丙・
0 − (+)on o.
41: 1 御毒 ω → (+レδ 鳳 / L :1 丙→ (り一
二幸 【+
,翫 〆 ア / 柱Y柱 Y壁C柱 X壁 X柱 Y柱 Y壁 C柱X壁 X柱Y柱 Y壁 C柱X壁 X柱(c )
L −
X(d)L
− VX
(e )L−
V’
一
正 加 力時・
一一…
負力旧力時 図一
4 ひび割れ状 況 (曲 げシリー
ズ)執 h 隔 Y柱 Y壁 C柱 X壁 X柱 (a)LS
− U
0.
41:1 妨〔+}噸一
→ c+
)δx 丙く} → ‘+)δt ロ・
41: Σ 1 乙 1 防r
} 【亞
⊃→ ωδz → ω → 【+,di Y柱 Y墨 C柱X壁 X柱 Y柱 Y壁 C柱 X壁 X柱 Y柱 Y壁 C柱X躄 X柱 (b )LS−
UX (c )LS − X
(d)LS−
VX 図一
5 ひび割れ状 況 (せ ん断シ リー
ズ) Y柱 Y壁 C柱X壁 X柱 (e }LS−
V と ほ ぼ 対 称 に ひび 割 れ が発生 し た。
し か し,L −UX
で は 正負両加 力時とも 同じ方 向の傾 き を もつ 斜め ひび割れ が発 生す る傾向が あり,
正加 力 時の傾 斜はY
壁の変形方 向に対応 して い な い。 正加 力 時に は, 最 大 荷 重時付近で 図一
4 (b
)中▼ 印で示す斜 めひび割れ が発 生し,
ひび割 れの 幅も広がっ た。L −X
で は,
始めに ほぼ水 平な ひ び 割れが 発生し,
その後に斜めひび割れ が発 生し て, こ れ ら二種 類のひび 割れ が交差 す る よ う な状 況と なっ た。 こ の う ち 図一
4(c)中▼ 印で示す緩 傾 斜の ひ び割れ は,
正 負 両 加 力 時で共に大きく拡 幅 し た。L −VX
で は,
L−
X に比べ て水平な ひび割れ が少な く , 負加力時の斜め ひ び 割れ は大 変 形に至っ て か ら発 生 し た。L −V
で は,
Y
壁 の ひび割れ数はX
壁に比べ て少ない もの の,
正 負加 力で 発 生す る斜め ひび割れ はC
柱を 挟 んでX
壁 とほ ぼ逆対称 となっ てい る。
(2) せ ん断シ リー
ズ 終 局 時の破 壊 状 況は,LS −U
の正 加力 時で はC
柱 主 筋 が 引 張降伏す る曲 げ破 壊 型と なっ た が,
他の 4 体で は すべ て変 形 方 向との な す角 度が 45°
以内の壁板の対 角 線 上の ひび割れが拡 幅し, その周 囲の コ ン ク リー
トが圧 壊 する せ ん断 破 壊 型 と なっ た。X
壁の ひ び割れ は,
全試 験 体と も傾 斜 角がほ ぽ 45°
の 斜めひび割れ が 正負 加 力によっ て壁 板の全 面に交 錯して 発 生し, あ ま り差が み ら れ な かっ た。
Y
壁の ひ び割れは,LS −U
で はC
柱を中心に してX
壁と ほぼ対称に ひび割れ が発 生し た。 し か し,LS −UX
で は, 加 力の初期段 階で 図一5
(b
)中▽印で示す水平な ひび割 れ が発生して正負 両加 力で開口 し,
以後に発生す る斜め ひび割れ が分断さ れ る形と なっ た。 ま た,
各 種の 勾配を持つ 斜め ひ び割れ が発生し た が,
曲げ シ リー
ズのL −UX
で み ら れ た,
負加 力の ひ び割れの傾き が 正加力 荷9t
(ton) t51005
一
荷 重 〔t。1} 1510一
5
6010。
一
皇黠
0 変 形 〔Ml} {a}L − UX
と同 方向にな る傾 向はな く,
正負両 加 力と も変形方 向に 対応し た傾 斜と なっ ている。LS −X
で は,
対角を結ぶ上 側に正加 力 時で数 本の ひび割れ が発生 し たのみで,
ひび 割れの 発 生 数が少ない 。 LS−
VX とLS−
V で は,
正負 加 力で発生す る斜め ひ び割れ はC
柱を挟んでX
壁 と ほ ぼ 逆 対 称 と なっ てい る。
3.
2 荷重一
変形 曲線 x お よび y方 向に対す る荷 重一
変 形 曲 線 を,
曲 げと せ ん断の シ リー
ズ別に,
図一
6,
8に示す。
両図と も変 形 方 向とX壁の なす角 度は 22.
S°
,
Y 壁とは 67.
5°
の 2体の ものである。 図 示のよ うに,
両シ リー
ズ ともx,y
両 方 向の荷重一
変形曲線は変形方 向に よる違いがみ られ,
x お よ び y方 向によっ て大き く異なっ て いる。 (1
) 曲げ シ リー
ズ 図 示 し た 2体の X 方 向の曲線は,
正負両 加力と も柱 主 筋 降 伏 後に,
荷重 上昇が緩や かに な る 曲 げ破 壊型 と なっ て い る。 し か し,L −
UX
で は 正負 両 加 力とも,
最 大荷重以降に荷重が包絡線上で徐々 に低 下し て い る の に 対 して,
L−
VX で は 正 加 力 時 に は8
サ イ クル 目 か らX
柱柱脚 が破壊して急 激に荷 重が低 下す る まで, 負加力時 に は最 終 時 まで荷 重 がわずかに上 がっ てい る。
y方 向の 曲 線は,
L−
UX で は荷 重が 正負 両 加 力とも負 側の値と なっ て お り,
複 雑な荷 重一
変 形 関 係とな っ て い る。 ま た,
正加 力時のY
壁 の変位方向と荷 重の向き が一
致してお らず,
前 述のY
壁の斜め ひび割れの発生状況に 対 応し てい る。 レVX
で は,
正加 力 時には通 常の曲げ 破壊型と なっ てい る が,
負加力時に は4
サイクル目以 降 急 激に荷 重が低 下し,
8サ イク ル 目か ら再び荷 重が上 昇 し て お り, 繰 返し ピー
ク荷 重の変 化 が 激しい。
図一
7に,
各 試 験 体の変 形 方 向, x お よび y方 向の荷 重一
変 形 包 絡 線 を示す。
変 形 方 向の荷 重は, 二 方 向の 合 荷重 〔t。1} 1510一
5 荷 重〔ton} 151撫
.
2002060−
LgV
,−
60−
2。02 。 6。 1。0−
60 変wa
(mm) 変形 (圃 (b
)L − VX
図一
6 x および y方 向の荷重一
変形 曲線 (曲げ シリー
ズ )一
5
一
2D O 20 60 変 形 〔mm]一 74 一
荷重 〔ten〕
20
1
・・
o一
10一
20−
15D−1DO
−
50 0OO2L
一
10−
20−
30■
50 100 150 変ne
(m ) 図一
7評
重 圓 5.
1
為
6・
プ o.
o驛
70−
5・
x方向−
4q30
,
2日 0o [0 20 30.
荷重〔重叩}40
鰐
鯉
.
荷重〔b皿〕2D
1
・ o一
10’
鎗
0。−
5005 。 1。。 変形 {nn) 荷 重一
変形 包絡 線 (曲 げシリー
ズ)鴛
肱
0 高
一
10−
20−
7−
5−
5−
30 6 了 y方向 OO21一
10−
20−
30 荷 重 {to
司 20 10 o一
1。一
20
−
100・
−
500
50
100
変形 〔an)一
20−
1D O 10 2D 変形 :副 変形 恤 } {a)LS − UX
’
〔b
)LS − VX
図一
8 x お よ びy方 向の荷重一
変形 曲線 (せん断シ リー
ズ)・
荷重〔tee}4D
〔t°ω
3
奮
重 〔圃1
濕
3 4.
5 6 了礁
_
5−
6_
7 00−
70 哨.
ヨー
5−
4 x方向 o−
lo,
−
20 755y 方向q3
σ モ狛.
t。 。「
l°巍
価露
゜ 3920.
10 。 10.
20 変 形1
皿ω20
o
一
20
ω楡
変 形方向 v一
40
−
40 VX X u・
ミ
ミ
災、了
UXノ’
・.
,
り1
s:
厂 V脚
炎
郵差
蟻.
,
\、
UV 丶ξUXVX・
{a}変形方向 200
一
20
uux 迷 v爻方 向 V ・磯
塑
・X了y 鯨びx
饗
吾
VX {b
)x 方 向.
2。40
−
4930−2
。−
10 。 1。2
。30.
変形 〔mm}変形 〔皿 } 図
一
9 荷重一
変 形 包 絡 線 (せん断シ リー
ズ ) 荷重 〔重o囗}40
2D
0一
20一
40 r30−
20一
且0.
0 置細
・ 厂ゾ匿
V !点一
VX 〃 丿ノ’
\ u卩
、 ,〜−
UX u’
VXv解
、 ux 〔c)y方向一
2D 0丶
IO 20 30 変 形 〔tum) 力の方 向 が変形方向に一
致し ないた め,.
x と y 両方向 荷重の合 力の変形 方 向成 分 を 用い てい る。
図示の よ うに 変 形 方 向の違い に よ り,
各 方 向の荷 重一
変形包 絡線は 大 きく異なっ でいる。 特に,
各方向と も直交壁が引張フラ ンジ と な る 正加 力で著 し く, g方 向のL −UX
で は逆せ ん 断 力 を生 じて.
い る。
しか し,
変 形 方 向 角 度 θ が O’
〜
− 45°
の 試 験 体 (L−
X,
LrVX,
L−
V >の 変 形 方 向の正 加 力 時と,
x 方 向の全 試 験 体の負 加 力 時では, そ れ ぞ れ ほ ぼ同じよ う な包絡 線を 描い ている。
(2
).
せ ん断シ リー
ズ図示の 2体は
X
壁が せ ん断 破填
しなた め,
x 方 向の曲 線は 急 激 に荷 重が 低 下 してい る。
y 方向の曲線は.
x 方向の最 大荷重よ り も小さ な荷 重 で降 伏現象 を 示してい る が,
曲 げシ リー
ズの複 雑さに比 べ れ ば比 較 的 単 純である。
図
一
9に,
各献
験 体 の 変 形 方 向,
x および y方 向の荷 重一
変 形包絡 線を 示 す。 各 方 向の 荷重一
変 形 包 絡 線は変 形 方向の違い に よっ て大き く異なっ てい る。
特に,
曲げシ リー
ズ と同様に,
各 方 向と も直交壁が引張フ ランジ と なる場 合で著 しく
,
変 形 方 向の正 加 力とx,
y両 方 向の第 1象限に描か れ る包 絡 線は,
曲げ破 壊 型か ら せん断 破 壊 型の もの まで変 形 方 向に よっ て大き く変 化 してい る。 し か し,
変 形 方 向 角 度 θ がO
“一一
45° の3
体 (LS −X ,
LS−VX ,
LS −V
)の変形 方向の正 加 力で は,
包絡 線は 最 大 荷 重 付 近まで ほと ん ど同じ曲線と なっ て お り, 変形 方向の 負加 力とx, y 方 向の第 3象 限に描か れ る包絡線 は,
全 試 験 体 と も比 較 的 類 似し た形 となっ てい る。
4.
実験 結果の検討 4.
1 初 期 剛 性 変形方 向の初期剛性実 験 値 、Kd を, 分 割 法に よ る計算 値と比較し て, 図一
]O
に示 す。
曲げ シ リー
ズの tKd は,
計 算 値よ り か な り小さ な値と Kd(ton〆 ) Kl (ton/皿) L−
u0 10 叙〕 300 10 2〔} 30 L−
UX 9・
げ L_
X 、 丶 計 算 値 実験値tKx’
計算値.
『 寄 値響 畫
L一
ΨxL−
v 変 形 方 向 x方 向 甫 LS曹
u (a)曲げ シ リー
ズ Kd (tonf皿 } 10 20 30 40 LS−
UX θ・
5’
LS−
.
cr,
5LS−
VXLS−
v 、 計 算 値 験 値 tKd‘
変形方向 lb}せ ん断シリー
ズ 図一
10 初 期剛 性 K4 (ton!皿 ) 20 鼬 40 5Q 瞭 のみ 値 実 験 値 tK工 x方 向 なっ て いる が,
変形方向の変化に伴う 剛 性の変化は計算 値と類 似して いる。
x 方向につ い ての剛性を み る と,
θ が0
°
以 下 (L−X ,L −VX
,L −V
)の 実 験 値 、K
. は,
X
壁の み を考え た計算値よ り も大き く な る はずで あ る が ほ ぼ同じ値 となっ ており, 試 験 体に は打 継 面の壁 脚 部に微 細な ひび割れ が入っ て い た こ とも考え られ る。
せ ん 断シ リー
ズの tKd は,
θが十45°
(LS−U
)か ら一
4se (LS −
V)に変 化 するの に伴っ て大き く な る傾 向 が あり, 計 算 値はsKd の ぱ らつ き を修正 す るか の よ うに プロ ッ トさ れて い る。 x 方 向につ い て の剛 性 をみ る と,
LS −X
で はX
壁のみの剛 性よ りも 小さ く な ること は考え ら れ ないが,
tKx はX
壁の み を考え た計算 値よ り も小さ く なっ てお り,
この試験体に は微細な ひび割れが入っ て い た ことも考え ら れ る。 4.
2 曲げひび割れ荷 重 表一3
に曲げ ひび 割れ 発生 時の変 形 方 向の 荷 重 tPBC と部材角 tRBC を示す。
正 加 力 時で は, 曲げシ リー
ズの tPsc は変 形方向とX 壁の なす 角 度が大き なもの ほ ど小さ く なっ て い る が,
L −X ,L −
VX,
L−
V の 差が小さい。 せ ん断シ リー
ズの tPsc はLS−
V が最大で,
そ れ 以 外の 4体 で はLS −X
を 最 大と してX
壁との な す角 度が大きい ほ ど小さ く なっ て い る が,LS −UX ,
LS −X
の差が小さい。
これ に対 し て,
負 加 力で は !PBC は両シ リー
ズ と も変形方 向 角 度 θが + 45Q (L−
U,
LS−
U )を除き,
θ が一
45°
(L −V
,LS −V
) に近い ほど大き く な る傾向が あ る。 同 表の計 算 値 cPBCI は分 割 法に より求め た最大垂 直応 力 度が コン ク リー
トの 引 張 強 度cσtに等し く な る荷重で あ る。 tPHC はcPsc1 よ り も か な り小さ く,
その比 率は,
曲 げ シ リー
ズで は平 均 0.
56,
せ ん断シ リー
ズで は平 均 表一
3 諸ひび割れ荷重 } ひび響 口 ひび留 口 X 才 り一
、
ン 試験 体名 方同 tPBCOtRBC−
3cP 10cP 2 凱 cP隣1 豊 cPBC2tQ otRsc−,
tτSC 2 戦 σ tQsctotRSC唱
tτSC2 皿 σ L
−
U±
2.
.
794650 0.
.
困426,
.
618σ15 6.
.
η160.
.
580420.
,
75530 : : : : : : : :L−
UX土
4.
.
76347o 』60.
346.
825.
385.
.
454480.
.
700640.
.
B70779.
98 0.
一
B1 15一
,
9 0.
一
55 : : : : L−
X 十一
8.
.
334630.
,
4602215.
.
9512657.
.
417370.
.
530580.
.
6312670}
.
63 0.
冖
81 14一
.
9 0.
一
45 : : : : 曲 げ L−
VX土
7.
.
885190.
.
3201217.
.
538田 14.
.
528110.
.
450580.
,
5406413一
.
62 1一
.
18 16一
.
4 0.
一
55 : : : : L−
Vt7,
お 5.
500.
.
42015ll.
871L67且0.
,
4210400.
.
610550.
.
7006313.
α7一
1.
一
oo 17一
.
〇 0,
}
54 12一
,
86一
1.
00}
17.
5一
〇,
56 平 均 0.
560.
67 0.
95 0.
52 1.
GO 0.
56 LS−
U土
4.
.
837go0.
.
240287.
.
008685.
.
586610.
.
6909正 0,
8712D6.
.
32856o.
.
390521Lll5.
D0.
.
636460.
.
688210.
.
5707610.
.
51290.
.
44054 LS−
UX土
7.
.
016450.
.
360128.
.
767706.
.
986310.
.
800841 』Dl 』28.
oo9.
78O.
280.
7413.
816.
90.
530.
653 』28.
850.
490.
574.
914.
50.
190.
56 LS−
X 十}
77.
.
”130.
370.
0111.
577.
739.
246.
630.
6巳 0.
92o.
791 』88.
948.
330.
480.
1514.
813.
80.
.
600564一
,
94 0.
一
11色
60。
一
35 せ ん 断 LS−
VX 十一
6.
.
287530,
.
0122170.
.
BO945 艮8.
338,
580.
.
280800340.
888.
.
707860.
.
3003913.
.
81250.
.
560515,
508.
31D.
250.
329.
414.
20.
390,
58 LS−
V土
9.
.
55928o.
220 」012.
8913.
661L341Lglo,
740.
680.
840.
7B7.
166.
94D o.
.
加2412,
812.
40.
510.
507.
099.
310.
250.
4611.
314.
80.
450.
59 平 均 0.
730.
88 O.
37 0.
55 0.
42 0.
45一
76
一
O.
73とな
っ てい る。 分 割法で求め られ る応 力 度は, 壁 厚の中心線 上の値で あ る た め, 垂 直応 力 度がL
型 断 面の あら ゆ る方 向に直線 変 化す るものとし て試 験 体 表 面での 値を求め, ひ び割れ荷 重を算 出する と計 算 値 cPBC2 とな る。
tPsc /cPBC2 は, 曲 げシ リー
ズで平 均o.
67,
.
せ ん断シ リー
ズで平 均 O.
88 と なっ て,
cPBCI よりも平 均で 10% 程 度 大き くなるが,
曲 げシ リー
ズで はま だか な り小さい。 4.
3 斜 めひび割れ荷 重 x お よ び x 方 向の荷 重一
変形包絡 線上で,
剛 性急変の 原因 とな る斜め大ひ び割れ 発 生 荷 重 tQ,
c と せ ん 断 変 形 角 tRsc を表一
3に示 す。 大ひび割れ は,一
般 的に対 角 を 結ぶよ うな斜めひび割れ と な.
る が,
LS−UX
のY
壁の 正加 力 時に は上記の ような斜め ひび割れに なっ てい.
な
い。
同 表の tRsc は,
壁 頂 部で計 測さ れ た水 平 変 位か ら,
壁の分 割 区 間ご との曲 率を一
定と して算 出し た曲げ変形 を差し引い て求め た。「
曲げ シ リー
ズでは,
各試験 体と も徐々 に伸展す る斜め ひび割れ は多 数 発 生 し たが,
上 記で定 義し た ような大ひ び割れ が発生 した壁 板は 同表に示し た壁 板の み で あ っ た。
大ひび割れ発 生 時の平 均せ ん断 応 力 度 t[sc は 14.
9〜
17.
5kgf
/cm2 で あり,
コ ン クリー
トの引 張 強 度 c σtの 約 50% 前 後の値で ある。
tRsc は,
約1×10”
3 rad.
で あ り, 平 面 壁に比べてか なり大きい。
せ ん断シ リー
ズで は,
’
大ひび割れ発 生 時の平 均せ ん断 応力 度t τsc は 4.
9一
ユ6.
9kgf/cm2 であり,
曲げ シ リー
ズ と同 様にコ ン ク リー
トの引 張 強 度 c σ tよりも か なり小さ い。 大ひび割れ発 生 以 前に小さ なひび割れ が発生 して い た こ とも一
因と考え ら れ る。.
また,
tτsc/。at は o.
19〜
O.
65と.
なっ て おり,
試験 体ご と,
壁 ご と お よ び 正 負 加 力に よ る変 化 が大きい。
そこ で,
X,
Y 両 壁の う ち一
方 の壁に注目し て主 壁と.
し,
他の一
:方の壁を直 交 壁とみ な・
φ 。。
。5 ヒ
τ
5c /哩.
卩
直 交 壁 昏45囗
環.
盟.
r i 主壁 ぴ 直 交壁が圧 縮 商 交 盤 が 引 張.
厂
一
22:5’
一
45’
♂ も7.
5’
図一
11 主 壁の t τsc/。
atと 変形 方 向の関 係1
毒
図一
12.
直 交 壁からの境 界 応 力 し て変 形 方 向と主 壁の t τseノ、σ tとの関 係につ い て示すと 図一
11の よ うに な る。 図に よると,
.
主 壁が直 交 壁の反 対 側に面 外変形す る場 合には,
変 形 方 向によらずほ ぼ一
定の値を示し,
,τscん
σ、は変形 方 向と主 壁の なす 角 度 φ が0°
の 値に ほ ぼ等 し く,.
0.
51rO.
65平 均 0.
58 となっ’
て いる。・
主壁 が直交壁 側に面外変形す る場 合に は,
φ が 大 きい ほ ど tTsc /、at は 小 さ く なり,
’
φ;・
22.
5°
,
45°
,
67,
5°
の場 合にそれぞれ平均
で.
0.
52,0.
46,0.
29と なっ てい る。 分割法に よ れば,
図一12
に示す よ うに直 交壁 によっ て主 壁の 壁 縁 に境 界応力 が 作 用 す るこ とにな る。
上 記の面外変
形に よ る大ひび割れ荷 重の変化は,
この境 界 応力 に よ る影響と考え ら れ,
壁が面外に変形す るζと 自 体によ る 影 響 は 現 れて、
いない。
tRst は,
変形方 向に.
よ る一
定の 傾 向が現れず 全 般的にば らつ い て お り,
0.
ll− O.76
×1073rad.,
平均O.39xlO
−
3rad.
と な.
っ ている。4
.
4 降伏 荷 重、
表一
4 に柱 主筋降 伏 時の 変形方 向の荷 重 実 験 値 tPy と 部 材 角tRv を示す。
せん断シ リー
ズで は引 張 側の柱 主 筋 が降 伏 後,
最 大 荷 重に達 し た LS−U ,
LS−
UX,
LS−
X につ い て示し た。 「司表の計 算 値は,
図一
13(a)に示す よ うに連 続す る壁を無 視して,
各 壁ご との降 伏 荷 重を下に 示す.
(1 )式の平面壁の曲げ降伏荷重 略算式1s} に より求 め,
荷重ベ ク トル の和の変形 方 向 成 分 をL
型断 面壁の降.
伏 荷 重と す る方 法 (cPyi ),
同 図.
(b
)に示す ように,
L
型 断 面を変形方 向の軸線一
ヒに投 影し て壁の全長’
D を決 め,
壁 板 部 分に投 影さ れ た 鉄筋を すべ て壁筋と み な して (1)式に より降 伏 荷 重を求 める方 法 (cPy21 の2
通 り の方 法で計算 し た値で ある。 表に は分 割 法に よ る初 期 剛 性 計 算 値に対す る降 伏 時剛性 低 下 率 鞠 も示し た。.
・My 一
陣
耐 ・.
2
・ ガ ・ wyナ
… N(
−
1v1
B・
D・
σu)
}
・一 ・
・
1 :・
一
(・) ただ し,
al:引 張 側 柱の主 筋 全 断 面 積 ay :引 張 側 柱の主 筋の降 伏 点 強 度 a. :壁の縦 筋の全 断 面 積 σurv :壁の縦 筋の降 伏 点 強 度「
N :軸 方 向 力で0とし た B ;圧 縮 側 柱の幅D
;壁の全 長 σB :コ ン ク リー
トの圧 縮 強 度 両シリー
ズ とも変 形 方 向の違い によ りtPy は明らかに 異なっ た値とな っ て い る。
・
曲げ シ リ
ー
ズで は,IE
加 力 時に は tPy /cPyi は L−
U で1よ り小さ く,
L −X
,L −VX
,L −V
で・
1
よ り か な り大きい
。
負 加 力 時に は tPyfcPyi はL −V
で ユよりか なり大き く
,
正負の平 均で 1.
25 と なっ て.
表
一
4 降伏荷 重お よび曲げ耐力 (変形方向) 巨 値 tP り tP り tP田 シリー
ズ 蹴 方向 tP り tR一
り 9 ユ リ cP り1cP 」2cP り1cP 陰 tP田 tR.
5cP即 臼」1cP 盟 cP剛3cPBU 頃 壘 cP副燈 豊 cP 翩3 十 6.
册 1.
540 」6 4.
400.
711.
4380362.
33 5.
475480821471.
47 L−
U一
7.
751.
530.
208.
踟 8 OS50.
9511.
訂 2a.
359.
749749.
65117L171.
18 十 7.
992.
150,
14 Lo5Ll49.
7515.
28 10.
85 且.
08 夏.
Ol0.
90 L−
UX一
7.
032270.
127.
586.
990931.
0110 』619.
759.
oo9.
638.
91U 且 104113 十 12.
391.
13o.
27 12聞 2 40.
961476.
77 14.
8314.
聞 2.
141.
OD101 曲 げL
−
X}
6,
30LllOl45.
805.
呂0LO91.
oe9 園 30036.
896.
B96.
82L40L401、
42十
一
1.
680.
17 1.
801.
3815,
9320.
55 16.
α71.
771 」70,
99L
−
VX 13.
.
687890.
77o.
27.
田 9。
8810408D128050.
749.
oo13,
肥 1187L42094LO8 十 1017082o.
あ 】.
240,
3515.
田 3LIO 164108Lo6L
−
V一
8.
勿 10.
69 9.
7414,
7415.
12 0 平 均 0.
19 L251.
08 1.
411.
13L12 十一
21.
895.
250.
15 17.
鉐 0.
641.
2424.
12 舘.
鴿 39.
3921.
Ol 加.
800.
56115Ll6 LS−
U 29 崖5572Ol834.
oo34.
000.
8亘 0.
81一
一
}
一
一
一
一
一
十一
24.
755.
09o.
16 0.
790.
87一
一
一
}
一
一
一
LS−
UX28.
926.
000.
153L4128.
400.
瓰 1.
能一
一
一
一
一
『
}
一
せ ん 断 十一
冖
一
一
一
一
一
『
一
一
一
一
一
一
LS−
X 251446o24.
04 05一
一
一
一
一
一
一
平 均 0。
16 o.
助 1.
oo 0.
56L151.
16 cPvt はL −U
の正 加 力 時 とL −VX
の正 負 両 加 力 時で tPy と差が み られ るが,
tPy /cPy 、は平 均で 1.
08 とな っ て い る。 また, ay は変 形 方 向に よる明 瞭な差 異は み ら れず,
平 均0.
19 と なっ て い る。 せん断シ リー
ズでは,
tPy は正 加 力よりも負加 力の方 が大きい値 を示し てい る。 tPy /cPyL は,
LS −X
の負加 力 での み1
よ りも大き く, 平 均で0.
84
と なっ てい る。
こ れに対して,
cPyr は曲 げ破壊 し たLS −U
の正 加 力で は tPy の方が大き く,
LS −UX
の 正加 力,
LS −U
の 負加力 では tPy の方が小さ く差が み ら れ る が,
tPy /cPy2 は平均 で LOO と なっ て いる。 ま た,
ay は曲げ シ リー
ズと同様 に,
変 形 方 向に よる差 異はみ ら れ ず,
平 均0.
16と なっ て いる。 4.
5 曲げ耐力 曲げ破壊し た試験体の, 変形 方向の 最大荷重 実 験 値 tPBV を, 終 局 曲 げ強 度 計 算 値と比 較して表一
4に示 す 。L −U
の正 加 力 とL −VX
の負 加 力で は,
計 測 装 置の 限 界 か ら最 大 耐 力 を確 認で きて いないが,
得ら れ た最 大 荷重 は極 めて大 変 形に至っ てか らの値で あ るの で,
こ こで は これ を最大耐 力と み な す こ と に し た。 計算値 cP ,m,
cPsva は,
それぞれ下に示す (2)式の 平 面 壁に関す る 終 局 曲 げ強 度 略 算 式16)を使 用し,
前 記の降 伏 荷重と同様 の 方 法で算 出し た値であ る。 cPeas は,
図一
13 (c)に示 す よ うに L型 断 面を変 形 方 向の軸 線 上に投 影 し,
鉄 筋の 投 影 され た位 置 も考 慮に いれて下に示 した (3 )式 を用 い て算 出した値であ る。
cMsv−
{
・.
9幅 + ・.
・・a.・
・。 。+ 。
・
・N
(
1−
8
号
砺ル
ー ・
…・
一
(2) cMBas=
Σ](a.
.
i・
σ sy.
t・
1
,)・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(3
) t ただし,
at, ay,
aw,
σ ws,
N .
B ,
D ,
σB は (1}式と同じ癌
索
叢
( (a ) b) (c ) 図一
13 降 伏 荷 重お よ び曲げ耐 力 計 算法 aal :投 影さ れ た柱お よび 壁の鉄 筋 断 面 積 σ。y,
i :投 影された柱お よび壁の鉄 筋の 降伏 点 強 度tt
:図一
ユ3(c)に示す鉄 筋間距 離 曲げ シ リー
ズで は, 表のよ う に最大荷重は変 形 方 向に よっ て大き く異なっ ている。
cPStn に対す る tPBV の比は, L−
U の 正加 力で 1 よ り小 さ く その 他は大きい。
特にL −X
,L −VX
,L −V
で は か な り大き な値 と なっ て い る。 これ は,
cPBUI で は 2枚の壁の連 続 性 を 全く無 視 して い る ためで あ り, L−
X , L−
VX , L−
V の よ う な変形 方向 の場 合に は,
直交 壁の境 界 効 果が大き く現れ ること を示 して いる。
し た がっ て,
開断面壁 を各方 向ご とに分 割し て計 算す る 方 法の誤 差 は大 きい といえる。
cPBvz と cPBua は,L −UX
とL −VX
以 外は ほとん ど 同 じ値で あり,L −UX
で は正 負 加 力の非 対 称 性に もか か わらず ,P
, . ci 正負ほ ぼ等し く,
cPHU !が よ く対 応 して いる が,
L−
VX で は正 負で 荷重が異な り cPem が よい対応を示 し て い る。
cPBU3 とtPBU を 比較す る と,
L −U
の正 加 力 とL −X
の負 加 力で大き く異なっ て いる が,
他は お お むね よ く対 応 し, 2者 を 除くtPBu /cPBus はO.