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GM1-ガングリオシドーシス臨床的ならびに化学的研究

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Academic year: 2021

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80 (4) 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位論文の題目

論文審査委員

ミゾベ タツコ

溝部達子(昭和30

医学博士 甲第158号 昭和61年3,月20日 学位規則第5条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程修了者) GM1・ガングリオシドーシス臨床的ならびに化学的研究 第1編:GM1一ガングリオシドーシス症例における臨床経過と酸性β一ガラク トシダーゼ活性の比較検討

第2編:合成開始部位欠損SV40DNA導入により確立されたGM1一ガング

リオシドーシスヒト線維芽細胞株における酸性β・ガラクトシダー ゼの検討 (主査)教授 福山 幸夫 (副査)教授 降矢 榮,教授 高尾 篤良

論文 内 容 の 要 旨

目的 GM1一ガソグリオシドーシスの病因・病態の解明のた め,第1編では,臨床像と酸性βガラクトシダーゼ活 性との比較研究を,第2編では,合成開始部位欠損

SV40DNA導入により確立された本疾患線維芽細胞

株における酸性β一ガラクトシダーゼの免疫生化学的 研究を行なった. 方法 13例のGM1一ガングリオシドーシスの臨床経過と白 血球,血漿,線維芽細胞における酸性β・ガラクトシ ダーゼ活性とを比較検討した.酸性β一ガラクトシダー ゼ活性は,合成基質(4一メチルウンベリフェリルーβ一D・ ガラクトサイド),及び天然基質(GM1)を基質として 測定された,GM1一ガソグリオシドーシス線維芽細胞の トランスフォーメーションは,合成開始部位欠損 SV40DNAをカルシウムーリン打法で導入する事によ り得られた,トランスフォームされた細胞及び親株の 酸性β・ガラクトシダーゼ活性の至適pH, ConA一セ ファロース及びHg一アガロースに対するアフィニ ティー,並びに抗酸性β一ガラクトシダーゼ抗体を用い た免疫沈降法により,正常蛋白分子の存在に関して検 討した. 結果 GM1一ガングリオシドーシス13例の臨床像を解析し, 乳児早期型,乳児後期一幼児型,若年慢性型,成人慢 性型の4型に分類した.いずれも進行性の中枢神経症 状を呈したが,発症が早く臨床経過の短い症例ほど一 般臓器症状が目立つ傾向が示された.すべての症例に おいて,白血球,血漿,線維芽細胞の酸性β一ガラクト シダーゼ活性は著しく低かったが,慢性型症例では細 胞内残存活性量が相対的に高い事が示された.ここで 検討された症例の線維芽細胞をトランスフォームして 得られた細胞株は親株に対し3~4倍の増殖率を示 し,その残在活性は正常値の2%以下であり,その至 適pH, ConA一匹ファローズ及びHg・アガロースに対 するアフィニティーは,全く親株の特性と一致した. また,免疫沈降法により,正常線維芽細胞に存在する 64Kの酸性β一ガラクトシダーゼ蛋白分子が,親株及び トランスフォームされた細胞株にはほとんど存在しな い事が示された. 考察 本疾患の臨床像の相違は,残存酵素活性の差が臨床 像の差となって現われたものと推測される.増殖率が 高く永久継代可能な,しかもGM1一ガングリオシドーシ スの遺伝性酵素欠損を保持する線維芽細胞株が,本研 一702一

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81 究により初めて樹立された.これらの細胞株の酸性β一 ガラクトシダーーゼの特性は,免疫生化学的に親株と・一 致し,今後これらの細胞を利用する事により,本疾患 の分子遺伝子レベルにおける病因・病態の究明の進展 が期待される. 結論 GM1・ガングリオシドーシスの臨床像と細胞内残存 活性との相関性を示すとともに,今後本疾患の分子遺 伝学的研究に利用されうる,遺伝性酵素欠損を保持し つつ永久継代可能なGM1一ガングリオシドーシス線維 芽細胞株の樹立に成功した.

論 文 審 査 の 要 旨

本研究は,GM1一ガングリナシドーシス13例の臨床像を解析し,乳児早期型,幼児型,若年慢性型, 成人慢性型に分類されること,病像の相違は,細胞内残余酸性β一ガラクトシダーゼ活性の差と密接な

関連が有ることを示した.またGM1一ガングリオシドーシス線維芽細胞にsv40(ori⇒DNAを導入し

て樹立されたGM1-SV細胞の,継代増殖性,細胞内残存酸性β一ガラクトシダーゼの至適pH,64K酵素 蛋白の発現性などの諸性質が親株のそれと完全に同一であり,これらの細胞がGM1一ガングリオシドー シスの分子遺伝学的研究の材料として,充分利用されうる細胞であることを示した.学術的価値の高 い研究である. 主論文公表誌 GM1・ガングリオシドーシスの臨床的ならびに生化 学的研究 第1編:GM1一ガングリオシドーシス症例における 臨床経過と酸性β一ガラクトシダーゼ活性 の比較検討 東京女子医科大学雑誌 第56巻 第5号 361~366頁(昭和61年5月25日発行) 第2編:合成開始部位欠損SV40 DNA導入により 確立されたGM1一ガングリオシドーシスヒ ト線維芽細胞株における酸性β一ガラクト シダーゼの検討 東京女子医科大学雑誌 第56巻 第5号 367~373頁(昭和61年5月25日発行) 三論.文公表誌

1)Acidβ・galactosidase from human fibroblasts。 Amicroscale puri且cation method monitor- ed by a highly sensitive enzyme assay(ヒト 線維芽細胞酸性β・ガラクトシダーゼ:高感 度酵素測定法でモニターされた微量精製法の 確立)

JBiochem 99437~443(1986)

2)GM1-Gangliosidosis:Amolecular abnor・ mality of acidβ一galactosidase in fibroblast- s(GM1一ガングリオシドーシス:線維芽細胞 酸性β一ガラクトシダーゼの分子異常) JInherited Metab Dis 7145~146(1984) 3)Establishment of human fibroblast cell lines with lysosomal enzyme deficiency by trans- formation with origin・minus SV40 DNA(合 成開始部位欠損SV40 DNAの導入によるり

ソゾーム酵素欠損ヒト線維芽細胞株の樹立) JInherited Metab Dis 8143~144(1985) 4)」勉縦箔oestablishment of human fibroblasts of lysosomal diseases, GM1-gangliosidosis and Sandhoff disease, by transformation with origin minus SV40 DNA(合成開始部位欠損

SV40 DNAの導入によるGM1一ガングリオシ

ドーシス及びSandhoff病ヒト線維芽細胞株 の樹立)

Bioscience Reports 5267~273(1985)

参照

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