346 (112) 氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
コ マツ タツ ジ小松達司(昭和3
博士(医学) 二二1359号平成5年3月19日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
、Trans¢atheter arteria1最njection of auto豆ogous lymphokine・activate“ k皿1er(LAK)ce11s into patients witれ1iver cancer(肝癌患者に対する自己リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞の経肝動脈
的投与療法) (主査)教授 小幡 裕 (副査)教授 浜野 恭一,相川 英三論 文 内 容 の 要 旨
目的 リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞を用いた養 子免疫療法は,新しい癌治療法の一つとして注目され, すでに肺癌等で有用性が報告されている。そこで著者 らは肝癌でも新たな治療法となり得るものと考え,ま ず肝癌患者LAK細胞のin vitroでの抗腫瘍効果について検討し,さらに同患者に自己LAK細胞と
Interleukin-2(IL2)を投与し,その臨床効果の検討を 行った. 方法 1.対象:原発性肝細胞癌(HCC)9例,転移性肝癌 4例,健常者10例. 2.LAK細胞の誘導:患者より採取した末梢血リ ンパ球を2×106/mlに調整,さらに1,000U/m1のIL・2 を添加し,4日間培養し,LAK細胞を誘導した.3.細胞障害活性の測定:末梢血リンパ球とLAK
細胞をeffector cell, K・562, Daudi細胞をtarget ce11 と.し,51Cr release assayぴこより測定:した.4.LAK細胞の投与日程:週1回の1ymphocyt-
apheresisによって患者リンパ球を大:量に採取し,LAK細胞を誘導.4日後にLAK細胞と106UのIL2
を,予め肝動脈に留置したカテーテルからone shotで 注入.さらに4日後に同量のIL・2を同様に注入し,こ れを1サイクルとした. 結果 1.LAK細胞の細胞障害性:健常老, HCC患者,転 移性肝癌患者で差異はみられなかった. ・2.LAK細胞投与療法の臨床的検討:腫瘍サイズ による効果判定では,HCC 9例中partial response 1 例,minor response 3例, no change(NC)3例, progressive disease(PD)2例であった.転移性肝癌 4例では,NC 3例, PD 1例であった.また治療の中 断を必要とする重篤な副作用はなかった. 考察LAK細胞を用いた養子免疫療法の一般的投与法
は,全身投与である.しかし,癌病巣が存在する局所 への投与が,より抗腫瘍効果は高いと思われる.そこ で著者らは,肝癌患者に対し経肝動脈血に投与を行い, HCC 9例中4例で腫瘍の縮小効果が認められた. しかも,重篤な副作用が認められないことは,重症 な肝機能障害を有し,また全身状態が不良であること が比較的多い肝癌患者の治療にあたり,本療法の大き な利点とみなされる. しかし有効例でも治療中止6ヵ月後より腫瘍の増大 傾向がみられ,再治療が無効であったことや,転移性 肝癌に対する効果が不十分であることなど,今後更に 検討が必要と考えられる. 結論 経肝動脈的にLAK細胞とIL・2の投与を行う養子免 疫療法は,一部のHCCに対して有効な治療法となる 一980一347 可能性が示唆された.しかし,なお問題点も残されて おり,肝癌集学的治療の位置づけの面からさらに詳細 な検討を行う必要がある.