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パノラマX 線写真による総頚動脈の石灰化所見と骨粗鬆症既往歴および骨折との関係

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Academic year: 2021

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〔学位論文要旨〕

松本歯学 42:131~132,2016

パノラマ X 線写真による総頚動脈の石灰化所見と

骨粗鬆症既往歴および骨折との関係

岩本 弥恵

松本歯科大学 大学院歯学独立研究科 硬組織疾患制御再建学講座 (主指導教員:田口 明 教授) 松本歯科大学大学院歯学独立研究科博士(歯学)学位申請論文

Osteoporosis, osteoporotic fractures, and carotid artery calcification detected on panoramic radiographs

in Japanese men and women

Y

AE

IWAMOTO

Department of Hard Tissue Research, Graduate School of Oral Medicine, Matsumoto Dental University

(Chief Academic Advisor : Professor Akira Taguchi)

The thesis submitted to the Graduate School of Oral Medicine, Matsumoto Dental University, for the degree Ph. D. (in Dentistry)  現在日本人の約1,300万人は骨粗鬆症に罹患し ている.骨粗鬆症に起因する骨折は更なる骨折リ スクの増大,寝たきり,そして死亡率の増加に繋 がる.これにより医療費は増大する.一方,骨代 謝および血管の石灰化は共通の病因を有するとい う証拠に基づいて,骨粗鬆症と動脈硬化症との関 係が最近の研究で少しずつ解明されつつある.  本研究ではパノラマ X 線写真により,動脈硬 化症の最終段階である頚動脈石灰化と骨粗鬆症診 断歴(既存骨折なし)および骨粗鬆症性骨折歴と の関係について調査した.加えて,頚動脈石灰化 が骨粗鬆症診断や骨粗鬆症性骨折の予測因子にな りえるかについて検討した.  研究対象は松本歯科大学病院を受診し歯科疾患 の診断のためにパノラマ X 線写真を撮影した患 者のうち,研究に同意の得られた40歳以上1,021 名の日本人男女(男性3₇1名,女性650名)とした. これら被験者に対して,既往歴(骨粗鬆症を含む) と生活習慣についてアンケート調査を行った.パ ノラマ X 線写真上の頚動脈石灰化所見と骨粗鬆 症 診 断 歴 および 骨 折 歴 との 関 係 は 二 項 ロジス ティック回帰分析(stepwise forward selection) を用いて odds 比(95%信頼区間)にて評価した. 頚動脈石灰化所見による骨粗鬆症診断歴と骨折歴 の ス ク リ ー ニ ン グ 能 力 は Receiver Operating Characteristic(ROC)解析にて評価した.  その結果,パノラマ X 線写真上で認められる 頚動脈石灰化が,既存骨折のない骨粗鬆症診断歴 と 有 意 に 関 連 していることが 明 らかとなった (odds ratio : 1.82,95%信頼区間:1.02~3.24). しかしながら,骨 粗 鬆 症 性 骨 折 は,パノラマ X 線 写 真 上 の 頚 動 脈 石 灰 化 と 関 連 しなかった

(2)

松本歯学 42⑵ 2016 132 (odds ratio : 0.₇₇,95%信頼区間:0.33~1.₇₇). ROC 曲線下面積は,骨粗鬆症診断歴で0.54,骨 折歴で0.50であった.以上の結果から,頚動脈石 灰化所見は骨粗鬆症診断と関連は有するものの, 頚動脈石灰化所見により骨粗鬆症リスクおよび骨 粗鬆症性骨折リスク患者をスクリーニングするこ とは困難であることが示された.  本研究で得られた結果は,歯科の病院を受診し た患者に対してのみに限られた結果であるが,頚 動脈石灰化所見と既存骨折のない骨粗鬆症診断と の関連を示した世界で最初の研究である.日本人 は欧米人に比して無症候性椎体骨折が多いため, 一般住民集団において頚動脈石灰化所見が骨粗鬆 症および椎体骨折とどのような関連を有するのか を明らかにすることが今後の課題である.

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