平成
25年
度
学位論文
グ レ ブ ナ ー 基 底 に つ い て
兵 庫 教 育 大 学 大 学 院 教育内容 ・方法開発専攻M12152H
学 校 教 育 研 究 科 認識形成系教育 コース 仲川
拓
哉
目 次
序 準備 整列集 合 環 4 50章
■章 1.1 1.2 1.32章
2.1 2.2 3章 3.1 3.2 3.3 多項式環 項順 序 とモ ノイデ アル 項‖贋序 モ ノイデアル グレブナー基底 単項簡約 グ レブナー基底 の定義 と存在 簡約 グ レブナー基底4章
ブッフバー ガー アル ゴ リズム
4.l S多
項式.…
… … … ・ … … ・ ― ・ … ・… … ・・ … …'…
・… … … ・ 4.2 ブ ッフバー ガーアル ゴ リズム.…
… … … ・… … ・… ・… ・… ・ ・… … ・ 参考文献 0 0 1 1 13 8 8 1 1 4 8 2 2 32 32 4 . 48序
土早
0
本論文では,グ レブナー基底 とブ ッフバーガーアル ゴ リズムについて述べ る。 グ レブナー基底 の概念 は,ブ ッフバーガー (B.Buchberger)に よ り,多項式環のイデ ア ル による乗1余類環 を計算す る問題 を研究す る過程 で発 見 され ,そ の計算方法で あるブ ッフ バーガーアル ゴ リズム と共 に,彼 のイ ンスブル ック大学(オース トリア)で の学位論文 (1965 年)の
中核 をな してぃ る. グ レブナー基底 とは,多項式環のイデアル の基底 で,“よい条件"を
みたす ものであ り, 多項式がイデアル に属す るか どうかの判定問題や連立代数方程式 の解法 な ど多方面に応用 されている.例
えば,複素数係数連立代数方程式ヽ A("1,・
・
・
メ
n)=0
ル
(″1,…,χπ
)=0
の解 を求める問題 は,■,… "ん で生成 されたCh,…
"″』 のイデアル 」=(A,…
っル)の零 ′点 を求 める問題 と一致 し,イ デアル 」の “よい"生
成系で あるグ レブナー基底 ク1,¨ "クmを
求 め,そ の共通零点 を求 める問題 に帰着す る. 筆者は学部 の卒業研究の過程で,グ レブナー基底 を利用 して対称式 の計算 を行つた。し か し,グ レブナー基底 の諸性質について十分 に理解 していたわけではな く,計 算機 を用いて 計算す るための道具 としていたにす ぎないことに気付いた。この ような理 由か ら,本 大学院 において,グ レブナー基底 の概念 とブ ッフバー ガーアル ゴリズムについてのよ り深い理解 と知識 を得 るための研 究を行 うことに した. なお,グレブナー基底 とい う名称 はブ ッフバーガーの指導教授W,Grё
bnerに
ちなん で名付 け られ た よ うである。また,ほ ぼ同時期 に 広 中平祐が代数幾何学 の研究 か らグレブ ナー基底 と同一 の概念 を発見 している. 以下,論文 の構成 について述べ る. r l l く ︱ l t0, F諄
1章
では,順序 と整列順序,環,多項式環 な ど,後 章 で用い る基本事項 について述べ る。2章
では,項 順序 とモ ノイデアル を定義 し,モ ノイデアル が有限生成 である とい うデ イ クソンの補題 を示す。また,ディクソンの補題 を用 いて,項 順序 が整列順序であることを導 く.これ らの結果 は3章
で有限回の単項簡約 で正規化 で きるこ との証 明や グL/ブナー基底 の存在証明な どで用 い られ る。 §2,1では,項のなす集合T=T(″
1,… ""れ)上
の項順序 と,指数のなす集合 Z。れ上の項 順序 を定義 し,2つ
の補題 を示す` §2.2では,Z。つのモ ノイデアルを定義 し,ディクソンの補題 を示す 。さらに,項 順序 が 整列順序であ ることを導 く.3章
では,与え られ た項順序 のもとに,先頭項,先頭単項式 ,先 頭指数,単 項簡約,正規 形,正 規化 な どの概念 を定義 し,す べての多項式が有限回の単項簡約で正規化で きることを 示す.次
にグ レブナー基底 を定義 し,モ ノイデアルが有限生成 であるこ とを基 に グレブナー 基底の存在 を示す。また,グ レブナー基底による正規化 が二意に定まることを導 く。最後に, グ レブナー基底 か ら極小 グレブナー基底が得 られ るこ と,極小 グ レブナー基底 か ら簡約 グ レブナー基底 が得 られ ることを示 した後,簡 約 グレブナー基底 の一意性 を証明す る. §3.1で は,項 順序か ら単項式の大小 を定め,多 項式の単項式 の中で最大であるものとし て先頭 単項式 を定義す る。さらに先頭単項式 の倍数 を消去す る操作である単項簡約 を定義 し,項 順序が整列順序であることを用いて,すべての多項式が有限回の単項簡約 で正規化 で きることを示す. §3,2で は,イデアル のグ レブナー基底 を定義 し,イデアル に含 まれ る多項式 の先頭指数 か らなるモ ノイデアル が有限生成であることを基 にグ レブナー基底 の存在 を示す.こ れ より
,多項式環
Ch,¨
"″』の任意のイデアルが有限生成であること
(ヒルベルトの基底定理
) が導かれ る.また,グレブナー基底に よる正規化が一意 に定ま ることを示す。 §3.3では,極 小 グ レブナー基底,簡 約 グ レブナー基底 を定義 し,グ レブナー基底か ら余 分な多項式 を取 り除いて極小 グ レブナー基底 が得 られ ること,極小 グ レブナー基底か ら正 規化 によ り簡約 グ レブナー基底が得 られ ることを示す.最
後 に,簡約 グ レブナー基底の一意 性 を証明す る。4章
では,0で
ない2つ
の多項式 に対 してS多
項式 を定義 し,イデ アルの有限生成系が グレブナー基底 であるか どうか判定す るブッフバーガー の判定条件 を導 く.こ れ より,グレ ブナー基底 を求 めるブ ッフバーガー アル ゴ リズムが得 られ る。 §4.1では,S多
項式 を定義 し,イデアルIの
有限生成系 θ がグレブナー基底であるこ0.序
とと「θ の任意の
2元
のS多
項式の正規化が0と
なる」 こととが同値である とい うブ ッ フバーガーの判定条件 を導 く.§4.2で は,イ デアルの有限生成系にブ ッフバーガーアル ゴ リズムを適用す ることによ
1章
準
この論文では
,参考文献
p]にあるような群・環・体についての基本事項は既
知とするが
,後章で必要となる順序
,環 ,多項式環等についての用語や定理をこ
こに挙げておく。なお
,この論文を通して次の記号を用いる。、
Z =
Z。=
Z3 =
C =
{0,±1,=2,■ 3,…} (整
数全体
) {0,1,2,3,…} (非
負整黎全体
)中
={し
…
α
励
lαL"α
れ∈
ZO} れ個 {α十づblα,bは実数},
ただし'2=_1 (複
素数全体)C上
の η変数 κl,… "χπの多項式環 η変数 χl,¨っ “ηの項"争 …・χ静 全体のなす集合 多項式 θl,¨りgmで
生成 されたCI"1,¨""』 のイデアル 多項式 ノが多項式 クを割 り切 る 集合4の
任意の元 αに対してAな
らばBで
ある ■ とBは
同値であるAを
条件で定義する 多項式 ノ≠0の
先頭単項式 多項式 ノ≠0の
先頭項 多項式 ノ≠0の
先頭係数 多項式 ノ≠0の
先頭項の指数 ノに θによる単項簡約を行って んを得ること ノにGの
元による単項簡約を行つて んを得ること ノに θ の元による単項簡約を有限回行って んを得ること グレブナー基底 θ による ノの正規化 tl,t2∈ T("1,¨ "“為)の最小公倍数であるT("1,¨""れ)の 元 CI"1,¨・,"れ] T(ωl,…・,″れ) 01,¨"%)
ノ
lθ ∀α∈ 五 ス →B
ス ⇔B
4撃
彗 条件
LM(ノ) LT(/1 LC(ノ) LE(ノ)ノー→ ん
g ノ瓦言 んノ÷ ん
NFさ(∫) [ιl,ι 2]1.準
備 1。1
整列集 合
集合スの任意の
2元
α
,bに対して
,α∼
bで
あるか
,そうでないか
(α≠
b),のいずれ
かが成 り立つ とき,∼ を ス 上 の関係 とい う, 定義 1。1集
合 ス 上 の関係 ≦ が次 の3条
件 をみ たす とき順 序 (関係)であ る とい う.た だ し,α,b,cは ■ の任意 の元 であ る。 (1)α ≦ α(2)a≦ b,b≦
α → α=b
(3)α ≦b,b≦
C→
α≦C・ α≦bを
b≧αと表すこともある。
・ α≦わかつ α≠らのとき α<b,ま たは α≦
bと表す。
定義 1。2集
合 五 上の順序 ≦ が条件 「∀α,b∈ ■ に対 して α≦ b,ま たは α≧ らのいず れかが成 り立つ」 をみたす とき全順序(関係 )で ある とい う.・ ≦が集合 ス上の順序であるとき
,に
,≦)を
順序集合という。単に ス を順序集合 と
いうこともある。特に ≦が集合 五上の全順序であるとき,/1を 全順序集合という
.・ に
,≦)を順庁集合
,Sを
その部分集合とする。次の2条 件が成り立つとき
,αを
Sの
最ノ
│ヽ元という
: (1)αCS
(2)α ≦ ″ (∀グ∈S) 定義 1。3全
順序集合 ス が条件 「空でない任意 の部分集合 に最小元 が存在す る」をみ たす とき整列順序 (関係)で あるとい う。 ・ 整列順序 の定義 された集合 を整列集合 とい う.1.準
備 6 1。2
環
集合 ス に加法 十,と乗法 ・が定義 されていて,次の条件 (1)∼(8)を みたす とき,ス を の任意 の元であ り,0,1は
ス の特別 な元で0≠
1で
ある。 環 とい う。ただ し,α,b,cは И また,積 α・らは αbと略記す る. (5)αb=bα
(1)α+b=b+α
(2)(α+b)十 C=α
+(b+C) (6)(α
b)C=α(bC) (7)αl=lα
=α
(3)α+0=0+α
=α (4)α 十(―α)=(―
α)十 α=0 (8)α
(b+C)=α
b+α
C,(α+b)C=α
C tt bC をみたす ―αが存在す る. 上の条件 を満 たすAは
,一 般 に可換環 と呼ばれ るが,こ の論文 では単 に環 とい うことにす る 以下,環 についての基本事項 を述べ る。=0な
らば α=0ま
たはb=0」
が成 り立つ とき,ス を整域 ●環 ス において条件 「αb とい う。 ●環 ス にお いて条件 「α≠0の
とき αα1=α
lα=1を
みたす α1∈Aが
存在す る」 が成 り立つ とき,ス
を体 とい う.αlを
αの逆元 とい つ. ●環 ス の空でない部分集合Iで
次の条件 をみたす ものを ス のイデ アル とい う. oα,bcr→
α+b∈
f oα ∈■,b∈ r=→ αb∈ ∬ ●環 ス の部分集合Sに
対 して,Sを
含む /1の イデアルすべての共通部分 は ス のイデ (S)と 表す.Sを
(S)の生成 アル とな る。これ をSで
生成 されたイデ アル といい,S≠ 0の
ときは 系,ま たは基底 とい う.(S)={α lSl+…
・
+αrSr lα
バ ス
,S′CS}
が成り立つ。また
,(0)=0で
ある。ここで
0は
{0}と記すべきであるが
,以下
,慣用
的 に0と
表 す こ とにす る。・ 有限集合
S={sl,…
"Sm)に 対
して
と表 す. (S)=(Sl,… ,Sm)1.準
備 ・ ∬=(Sl,… っSm)と
表 され るイデアル を有限生成イデアル とい う.また 「」は有限生成 である」 ともい う。 ●すべてのイデ アル が有限生成である環 ス をネー ター環 とい う。 ・ 環 ス がネー ター環 であることと,相 異な る.イ デ アルか らな る無限昇鎖列 が存在 しな い こ、ととは同値 である。ただ し,相 異なるイデアル か らな る無限昇鎖列 とは,イ デ ア ルの列 ム ⊆ち ⊆ ム ⊆ ………⊆島 ⊆ ム+1⊆ ……… の ことである.oス
が体 で ある とき,ス のイデアル は ■ と0の
み である。従 つて体はネー ター環 で ある, 1。3
多項式環
ス が環であるとき,次の形の式 ∫(χ)を ″を変数 とするA係
数多項式 とい う. ∫(″)=α
π″π+αれ1″れ1+…
・+αl■+αO(α
れ:…,α。∈ス) αれ≠0の
とき ∫(″)の
次数は ηであるといい,deg∫(π)=η
と表す."を
変数 とする ス 係 数多項式の全体を4″
]と表 し,4[π]を ■ 上の多項式環 とい う。然下,多項式環について の基本事項を述べる.04回
は通常の多項式の加法 と乗法によ り環をなす.特
に,Aが
整域ならばAレ]も肇 域である.o変
数 ″1,″2に
対 して,■
上の多項式環4"11上
の多項式環 (■[″ll)レ列が定まる.こ れを A[″1,″2]=(■
[″11)[π2] とおき,ス 上の2変
数 πl,"2の多項式環 とい う.同
様に,■
上の η変数多項式環│ 五[″1,…・,″れ]=(■
["1,¨。,″π_11)[″ π] が定義 され る.1.準
備・ 体
F上
の多項式環
F[″]は単項イデアル整域である。すなわち
,すべてのイデアルは
1元
で生
.成される
.特
に
F回
はネニター環である
. 定理1.4(Hilbertの
基底定理,12,定
理29.11)ネ
ー タ∵環上の多項式環はネーター環である
.特
に
,体
F上
のη変数多項式環
Fh,…
っ″
』はネすター環である
.o3章
,§3.2でグレブナー基底を定義し
,それより
,Ch,…
"χ」がネ
Tタ
ー環であぅこ
とを導 く(系 3.13), 素 元 分 解 整 域 以下,整域 と素元分解整域についての基本事項を述べる. ・ 整域4の
元 包に対 して,%z′=1と
なる%′ ∈/1が存在す るとき,%を
可逆元(また は正則元)と い う。 ・ 整域 ス の元 α,bに 対 して,α=zbと
なる可逆元 鶴∈Aが
存在す るとき αとbは
同 伴であるとい う。 ・ 整域 ス の元 α,bに 対 して,α ‐bcと なるccAが
存在す るとき,b′は αを割 り切 る といい,blα と表す。この とき,α を らの倍数,bを
αの約数 とい う。 ・ 整域Aの
可逆元でない元p≠
0が
条件 「P l αb(α ,b∈ ■)な
らばPlα またはPlb」 をみたす とき,pを
素元 とい う。 ・ 整域Aの
0で
も可逆元でもない元がすべて素元の積 として表 され るとき,■ を素元 分解整域(または一意分解整域)と い う. ・ 素元分解整域 ■ においては,0で
も可逆元でもない元 αはすべて素元の積に同伴 を 除いて一意的に分解 され る。すなわち, α=pl p2・ …pπ=910…
・⑫ と素元の積 として2通
りに表 された ときは,m=イ
であ り,適 当に番号 を付 け替 える とPこ と 銑 が同伴 にな るよ うにできる。 ・ 素元分解整域 とはI整数環Zで
素因数分解 が成 り立つの と類似 の性質 を持つ整域 の ことである.1.準
備・ 整数環
Zや
体
F上
の多項式環 F回 は素元分解整域である
(P,例
26.q).Fレ
]の素
元は既約多項式
(因数分解できない多項式
)である
. 定理1.5(12,定
理26。131)体
F上
の η変数多項式環 到″i,¨っ "」 は素元分解整域で ある。・ 定理■
.5より
,見変数多項式は既約多項式の積として
,定数倍を除いて一意的に表さ
れる。特に,FL,…
"″」の2つ の多項式の最大公約数
,最小公倍数などが定義される
2章
項順 序 とモ ノイデアル
2章
で は,項順 序 と,ノ
イ デ アル を定 義 し│モ ノイデ アル が有 限生成 で ある とい うデ ィク ソンの補題 を示 す 。また,ディク ィンの補題 を用いて ,項順序 が整 列順序 で あ るこ とを導 く。これ らの結果 は3章
で グ レブナ ー基 底 を考察 す る際 に必要 とな る。 2。1
項 順 序
で
複素数体上の多項式環
Ch,¨
""』の多項式∫
(χl,…っχ
れ
)は
氏
L_→
=Σ
Ql_12・
1・π
2あ…″
ル
幌
11..∈Q
と表 され る。ただ し,右辺 の和 は非負整数 の組 を1,¨っjη につ い て の和 で あ る。こ こでい くつ か の用語 と記 号 を定義 してお く。 ●α `L¨"づっ≠0で
ある項 αJ… .2"1.・ "2わ °・・″ηづ2を
∫の単項式 とい う。ただ し,同類項 は ま とめてあるもの とす る。単項式の係数 を除いた式 χlう1″2.2… .″η`,を項 と呼ぶ こと にす る。ただ し,1=″
1°∬2°・…″πOも
項 とみなす ことにす る。また,(づ 1,…Ⅲη)を
項 ■1づlπ212… .″η a2の指数 とい う .注意
:単
項式と項の定義は書物により異なる
.上
の定義は参考文献
p]と同じであるが
,例え
ば
,参考文献降
]では
,単項式と項の定義が上の定義と逆になっている。しかし
,高等
学校教科書の数学I(啓林館,平成24年
度用)などでは 「単項式の和 として表 され る式 を多項式 といい "¨」 と係数 を含 めたものを単項式 と呼んでいることもあ り,この論 文 では上の よ うに定義す ることに した.・ 非負整数全体を
Z。とおき
,その η個の直積集合をZ3と する
. Z。={QL2ず 乱…
},Z3= ={し
L…
,α紛
lαb…,αη∈
ZO} η個 102.項
順 序 とモ ノイ デ アル また,Z番 の2元
の和 を成分 ごとの和 として定める。 ・ 変数 ″1,¨ "″れの項全体 をT(″1,…""π)と お く・ "1,… "πれが明 白な ときは単にTと
表す。T=T("1,・
・
,,"1)={″争″
夕・
…″
絆
│(を1,.・・
,づπ
)∈ ZOπ } ●TD″
1を1"2j2_.″ れを'に
対 して,そ の指数 か らなる非負整数 の組 (り1,"■ れ)∈ Zoれ を対 応 させ る写像は,明 らかにTか
らZ。れへの全単射である。 ・ 以下において,X=(″
1,… ""π),づ =(づ1,…Ⅲη)と してχ。
="Tπ
′… χ
締
と略記す るこ とが あ る. 定義2,17上
の全順序 ≦ で,次 の条件 をみたす もの を項順序 (term Order)と い う. (1)ιl,ι 2,ι こT,ιl≦ ι2な
らばt ιl≦ ιι2(2)任
意 の ι∈Tに
対 して 1≦ ι 注意:上
の定義の条件(1)において,tl≪
t2な らば ιl≠ ι2で
あるから,ιιl≠ ιι2と なるの で,ιιl≪ ιι2が
成 り立つ.o次
の条件で定まるT上
の順序 ≦ は項順序である(辞書式順序)。 ただし,メ は「≦ か つ ≠」を表す. 補題 2。2
ιl,ι2,t3,t4∈rが
ιl≦ ι2,ι3≦ ι4を
みたせ ば ιl ι3≦ t2ι4が
成 り立つ.特
に,tlく
ι2,ま たはt3≪ j4のときは ιl ι3く ι2ι4が
成 り立つ 。 ■1 . り ″ ・ , < カれ
協
わ
コ
わ
い
﹁
も
勧
励
鋭
購´
一
+。.
出
書
枷
翔
.
卸
﹁
輸
丸
也
欄
紛 と る ¨ ・ ・,.
メ
・
九
あ
+・
一
.
司
r ≠ ′ で ・ ・η ・情
断
項釘
⇔
報
・
釘
⇔
砕
断
呻
¨ の〓り
趾
一鍔
ノ ュ る ≪ メ ま 笏 れ ら れ 定 ″ イ で ¨ 件 タ一W
嫉
ウ
″ 次 ●2.項
順 序 とモ ノイデ アル 12 【証明】 定義2.1の条件(1)よ り ιl≦ ι2,ι3≦ ι4 =→
ιl ι3≦ ι2ι3,t2ι3≦ ι2ι4 =→
ιl ι3≦ ι2ι4 が得 られ る。特 に,ιlメ ι2,または ι3メ ι4の
ときは ιl ι3≠ ι2ι4と なるので, ιl ι3く ι2ι4が
成 り立つ. │
定義 2,3 ZOれ の全順 序 ≦ で次 の条件 をみたす もの をZoπ ′上 の項順 序 とい う。 (1)α ,b,C∈ ZOれ ,α ≦bな
らば α+c≦
b tt c(2)0豊
(0,… 。,0)≦ α (∀α∈Zoれ) 順序 ≦ がT=T(″
1,¨ "ππ)上
の項順序であるとき,づ =(づ1,…,づπ),ブ =(プ1,…っプれ)∈ Zoれ に 対 してづ
≦ブ 基
aた…
.″がπ≦■■―
・
″
ル
と定 める と,ZOη 上 の項順序 とな る.逆
に,Z。れ上の項順序か らT=T(″
1,"ギ
η)上の項 順 序 が定 ま る。 ・ 項 順 序 が整 列順 序 で あ る こ とを定理 2.11,系 2.12で 示 す 。 補題2.4≦
が るπ上の項順序′α,b∈ Z。れのとき,α ≦α+bが
成 り立つ. 【証明】 定義 2.3の 条件 (2)よ り,0≦
bが
成 り立つ。これに条件 (1)を 用いると
0+α
≦
b+α
となるのでα≦α+bを 得る
.
ヽ
ロ
●α,b∈ ‰れが項順序 ≦ について α≦bを
みた していて も,b=α
+cと
な るc∈ Zoη が存在す るとは限 らない。例 えばZ02上
の辞書式順序 について α=(2,4),b=(3,1)
` とすると,α ≦bで
あるが,b=α
+cを
みたすccZ。
りは存在 しない. 補題 2.5 ZOれ の項順序 ≦ について次が成 り立つ. 【証明】 仮定 より,πlll…・″πtη が πl'1…・″πブ・ を割 り切るのでjん ≦」んが成 り立つ.rん =ノλ―をたとおけば(γl,¨っrれ)∈ Zoれ であるか ら,補題2.4よ り2.項
順序 とモ ノイデ アル 13 が得 られ る. 2。2
モノイデアル
定義
2,6Z。つの部分集合
L(≠0)で
次の条件をみたすものをモノイデアルという
. α∈Z,b∈
ZOπ=)α
+b∈
L
モ ノイ デ アル は項1贋序 とは独 立 に定 ま る概 念 で あ る. p.11で述 べ た, Tか
らZOnへ
の全 単射 に よ り,モ
ノイ デ アル ら に対 応 す るT=
a″
1,…"″れ
)の
部分集合を■ とすると
,定義
2.6の条件は次のようになる。
ιL∈ ■,t∈ T
→ ιL ι∈TL
■ ■ ● ● 補題2,7モ
ノイデ アル の和集合はモ ノイデアルである.【
証明】
五バ
jCI)を
ZOれのモノイデアルとして
,アルであることを示す。α∈
Z,b∈ Zoπとする。ある
あるか ら,α tt b∈ Lじ が成 り立つ。従 つて9+ろ
∈五 モ ノイデ アル である。L=∪
た
.Lづがモノイデ
j∈」に対してα∈ム で
も成り立つ
,ゆ
えに 五は
│命題
2・8Z。
れの部分集合
S(≠0)に
対して
MO叩 (S)={S+α lSCS,α ∈Zoη } はモノイデアルである.こ れをSの
生成す るモノイデアル とい う.【証 明】 b∈
MOno(S),C∈
Zoれ とす る。仮 定 よ りb=s+α
(s∈ S,α ∈Zol)と表 され る。これ よ り
b+C=S十
(α tt C) (α+C∈
Zoれ)とな るの で
,bttc c Mono(S)が
成 り立つ 。2.項
順 序 とモ ノイ デ アル 14●
Mono(S)=∪
scs MOno(s)である。
定理
2,9(デ
イクソンの補題
)Zoηのモノイデアィレは有限生成である。すなわち
,任意
のモノイデアルは適当な有限集合
{al,… "α′
}に より
MonO(αl,¨ "α`)と表される
. 【証明】Lを
Z。れのモノイデアルとして,η に関す る帰納法で証明す る.(1)2=1の
とき,五 は下に有界,か
つ空でないZの
部分集合 であるか ら, 通常の大小関係 での最小元sを
含む。この とき,モ
ノイデアルの定義よ りZ⊇
MonO(S)と
なる。また,"∈Zに
対 して,s≦
″より ″=S+("―
S),
・ ―SC Zo
とな り,″ ∈
Mono(s)を
得 る。従つて 五 ⊆MOn。(S)も 成 り立 ち,L=M91o(s)
が 得 られ る。ゆ え に,Eは
有 限生 成 で あ る. (2)η=た
のとき成立すると仮定し
,
五を
Z。ん
+1の
モノイデアルとする
. Zoλ+1=Z。
ん×
Z古であるから
Zoλ+1の
元は
(α,り,
α∈
Zoた,t∈
Z。 と表 す こ とがで きる。ここで '∈%に
対 して五じ
={α∈
Zoん │(α,t)∈ル
} とお く。この ときLが
モ ノイデアルであることか ら,任意の αcL,b∈
ZOた に対 して,α ∈五t力`成 り立つ ことか ら, α∈五づ→ (α,り ∈五 ⇒ (α,づ)+(b,0)∈L⇒
α+b∈
Lづ より,α tt b∈ ム が成 り立つことになる。ゆえに,五をはZ。たのモノイデア ル とな り,帰納法の仮定か ら有限生成である.補
題2.7よ り∪
Lj づ∈Z0 もZOん のモ ノイデ アル とな るが,帰納 法 の仮 定 か ら有 限生 成 とな り∪
Lづ=MOn。
(αl,¨ "α`) づ∈Z02.項
順 序 とモ ノイデ アル 15 と表 され る.一
方,づ,ノ ∈Zoが
づ≦ プをみたす とき,任意 の α∈L乞 に対 し てα∈
Zづ⇒
(α,り)∈L→
(α,')+(0,ノーの∈
Z→
(α,プ)∈L→
α∈
L′ が成 り立つ ので,Lづ ⊆L′ とな り LO⊆ 五1⊆ L2⊆ ……… は昇鎖列である.αl,¨ "αιをすべて含む よ うな 五れ を一つ選ぶ と ∪たzo Zを=Mono(α
l,¨っの)
` であるか ら 五0⊆ Ll⊆L2⊆
・….… ⊆ 五m=五
れ+1 が成 り立つ。ここで,0≦ j≦m-1の
各 りに対 して,L。 も有限生成だか ら五
づ
圭
MonO(bf),¨っ
b総) と表す ことができる.た
だ し,島=0の
ときは 鶴j=0と
してお く.こ の とき 五は次の元を含む。 (br),t)…っ
(b総,の (0≦を≦m-1),(α
l,η⇒…
.,(α `,m) これ らの元 で生成 され るモ ノイデ アル を 五′とお く。Z=五
′を示せ ば証 明 が完 了す る.L⊇
ι′は明 らかだか ら,五 ⊆Z′ を示 せ ば よい。そ の た め に,任 意 の (α,ノ)∈ 五 を選 ぶ.0≦
ノ≦ 鶴-1の
ときはα∈島
=MOn。
(by),っb総) であ るか ら と表 され るので,α=bF+♂
o′
∈
Zoた,1≦
ん≦れ
) (α ,ノ)=(bF),プ)十 (α′
,0)∈五
′
2.項
順序 とモ ノイデ アル 16 が成 り立つ.J≧
鶴 の ときは 五ブ=Lm=Mono(α
l,… "αι) よ り α=αん+α′ (α ′∈Zoた,1≦
ん≦イ) と表 され るので, (α ,ノ)=(α ん,m)+(α
′ ,ブ ー鶴)∈ 五′ が成 り立つ:以
上で 五=五
ノが得 られたので,定理2.9が証明 された。│
系 2.10Z。れのモ ノイデアルがSで
生成 され るとき,有
限部 分集合 乱 ⊆Sが
存在 し て,Mono(品 )=MOn。
(5)を
みたす.【
証明】
前述の定理
2.9より
,MonO(S)は
有限生成であるから
MOnO(S)=MOnO(α
l,¨ "αι)
αl,…"αι∈Mono(S)
― をみ た す αl,¨ "α`が
存 在 す る.こ
の と き,各 α′はMono(S)=∪
b∈s MOn。(b) の元 で あ るか らα
ブ
=%+% %∈
S,%∈
Zoπ と 表 さ れ る 。 こ れ よ りM6nO(%)⊆
MOnO(り)が
成 り立 つ の で, MOnO(S)=MOnO(α l,…"αι)=∪ MOnO(Q)⊆ ∪ MOnO(bづ)⊆ MOn。(S)
づ=l C=1
が得られる。ゆえに跳
={bl,¨"bι}と
おけば
MOnO(品 )=∪ MOn。 (bり =MOnO(S)
`=1
が成 り立つ.
定理 2.1■ Zoπ 上 の項順序 は整列順 序 であ る.
【証明】 Zoη 上の項順序を ≦ とする
.≦
が整列順序であることを示すには,2.項
順 序 とモ ノイデ アル 17 たモノイデアルMono(S)に
ついて,系 2.10よ り,Sの
有限部分集合 品 が存在 してMono(品
)=MOn。
(S)を みたす.馬
の最小元をs。 とお く。任意のb∈S
に対 して,S⊆
MOnO(品
)に
注意すれば,ある.sc跳
が存在 して,b=s+c (c∈
Zoη) と表 され る.s。 ≦sで
あ るか ら,補題 2.4よ りSO≦
S≦
S+C=b
が成 り立つ.ゆ
えにsOは
Sの
最小元である.以
上で ≦ が整列順序であること が示 され た. │
`T=T("1,“
りをっ)上
の項順序はZoπ 上の項順序 と同一視 できる.こ とか ら次の系が成 り立つ.系
2.12T=Щ
χ
l,… "χお
)上
の項順序は整列順序である
.3章
グ レブナニ基底
3章
で証明す る定理 のほ とん どすべてが一般の体上の多項式環 において成 り 立つが,こ の論 文では簡単のため,複 素数係数の多項式環 CI"1,"""』 において 考察す る。以下,こ の章 を通 じて,項のなす集合T=T(■
1,¨っ "η)上
に一つの 項順序 ≦ が与 え られているもの とす る。この項順序 の も とに,先頭項,先頭単 項式,先 頭指数 ,単 項簡約,正 規形,正 規化 な どの概念 を定義 し,すべての多項式 が有限回の単項簡約で正規化できることを示す.次
にグ レブナー基底 を定義 し, モ ノイデアルが有限生成であることを基 にグレブナー基底 の存在 を示す.また, グ レブナー基底 に よる正規化 が一意 に定 まることを導 く。最後 に,グレブナー 基底 か ら極小 グ レブナー基底が得 られ ること,極小 グレブナー基底か ら簡約 グ レブナー基底が得 られ ることを示 した後,簡 約 グ レブナー基底の一意性 を証明 す る。 3。1
単項簡約
まずい くつかの用語 と記号 を導入す る。簡単のため,Q."¨,こπ "争・…″″ を αJ χイと略記 す る。(1)係
数が0で
ない2つ
の単項式 αづχづ,%Xれ
こ対 して ● χづくχ′の とき,α `χづ≪%χ
′と表 し,%X′
は αtt χづよ り大きい とい う .oX」 =χ
′の とき,α:χJ些%χ
′と表 し,αじX。 と α′χ′は同等であるとい う. α ・χこと α′χ′が同等の とき,係 数 を除いた項の部分 χづと χ′は一致す るが,係数 が一致す る とは限 らない.(2)多
項式 ∫
c CI"1,… "″Jの
,係数が0で ない単項式の中で
,項順序 ≦ゅヾ
最大である項
からなる単項式を
,∫の先頭単項式
(leading monomial)といい,LM(∫
)と表す。先
183.グ
レブ ナ ー 基 底 ■9 頭単項式は項順序に依存するので,正確 には LMく(∫)な
どと評すべきであるが,こ の 章では項順序 ≦ をすつ固定 してあるので,単にLM(ノ )と表す ことにす る。(3)LM(∫
)=α
じXう の とき,χづを先頭項(leading term)と いい,LT(∫ )と表す。また,αこを 先 頭 係 数 (leading COettcie飢 )と い い,LC(∫)と表 す 。こ の と きLM(ノ)=LC(ノ
)・LT(∫) である.(4)差
∫―LM(∫)を
余項 といい,Rem(∫ )と 表す.(5)LM(ハ
=Ql"¨12″争….″静 であるとき,(ti,… "づπ)を
∫の先頭指数(leading exponent)といい
,LE(∫
)と表す
.また
,部分集合
S⊆
C[χl,¨"∬」に対して
,LE(S)={LE(∫
)│∫∈
S}とおく
,LE(S)は
Zoπの部分集合である。
補 題3.10で
ない ∫,g∈ CIπl,¨ "″』 に対 して,LM(ヵ
)=LM(∫
)LM(g)が
成 り立う.【
証明】
LM(∫
)=α
`Xを,LM(g)=ち χ′とする。このとき
∫
=αJχこ十
Rem(∫), g=場
X′十
Rem(g)
よ り,∫
g=α
を
しχ
じ
+′+Rem(∫
)(場χ
J)十 (α `χう
)Rem(ク
)+Rem(ハ
Rem(g)
と表される。
Rem(∫)(しχ′
)の
単項式は
,Rem(ノ
)の
単項式α
グ
Xノにより
α
ゲちχ
ダ
+′として表 される。χじ
>χ
づ
′
であるから
,項順序の定義
2.1の後の注意より
, X'+′ ト リ(づ ′十′が成り立つ。同様に
(αα
XC)Rem(g)の
単項式α
づ
り
X2+′′
についても
χこ+′ 卜 Xt+′′3.グ
レブナー基底 20が成り立つ。また
,Rem(∫)Rem(g)の 単項式は
Rem(∫ )の単項式α
グχダと
Rem(θ)の単項式 し′χブ
′
の積
α
づ
′
け
Xゲ+ブ′
として得られるものの中から同類項をまとめた和であるが
,補題
2,2より
Xじ+′ >」χづ′十ノ が成 り立つ。以上か ら LM(ノク
)=αぅ
ちχ
ttJ=LM(∫
)LM(g)
′
が得 られ る。 ■ ■命題
3,2 CIπl,…っ″
』のイデアル
fに
対して,LE(I)け
Zoれのモノイデアルである
.【証明】 ∬≠
0で
あるから,LE(∬)≠0で
ある。次に,J∈ LE(」),ブ ∈Zoη とす る.この とき,ある ∫∈」に対 して
,LM(∫ )=α
をχじとなる(α・≠0)・ 従 って ∫=αtt XO+Rem(∫) と表 され るが,Iは
イデアルだか ら X′ ∫=αtt χう +′+χ
J Rem(∫ )∈ 」 が成 り立つ.補
題3.1よ り LM(X′ ∫)=α
:χづ+′ となるので づ+ブ=LE(χ
θ∫)∈ LE(I) が得 られ る.ゆ
えにLE(I)は
モ ノイデアルである.3.グ
レブナー基底定義
3,3∫,ク c CIπl,¨:,″』
,ク≠
0として
,∫の単項式の中に
,クの先頭単項式
LM(g)
の倍数 χ ≠
0が
あるとする。このとき
νん
=∫
LM(ク
)クとおき
,∫からんを得る操作をgに ょる単項簡約といい
,∫→
gん
と表す 。Gを
0で
ない多項式の有限集合 とす る.多
項式 ∫に θ の元によう単項簡約を行つて多項 式 んが得 られ ることをGに
よる単項簡約 といい ノプ ん と表す.また,∫ に σ による単項簡約 を0回
以上,有限回行 つて んが得 られることを∫だ豪 ん
と表す ことにす る.定義
3,4G⊆
Ch,¨
"χ』 を 0で ない多項式の有限集合とする
.多
項式 ∫に対して θ
のどの元による単項簡約も行えないとき
,∫は
Gに
関して正規形であるとい う
.また
,単項簡約を有限回行つて正規形に変形することを正規化という
. ●正規化により得 られた多項式を「正規化」 とい うことがある。 ・ ノが θ に関 して正規形であるとは,∫ の どの単項式も,Cの
元の先頭単項式の倍数 ではない ことである. ●0は
どのよ うなGに
対 しても正規形である.注意
:正
規形は必ずしも一意的ではない。例えば,Ch,"列 上の辞書式順序で
, 21θ
={″
1,ど +″2}3.グ
レブナー基底 22により″
子を正規化する方法は
2通
りあり
と異 な る正規形 が得 られ る.χ
:プ
0″
【
薦
″
2 項順序の拡張p.18で
,項順序か ら誘導 され る単項式の間の関係、く と 璧 を定義 したが,そ れ を多項式の間の関係 に拡張 してお く。(1)任
意の多項式 ∫≠0に
対 して 0メ ∫ と定める.(2)0で
ない2つ
の多項式 ∫,gに
ついては,そ れ らを係数が0で
ない単項式 の和 として 大 きい方 か ら順 に表す.ノ
=ν
l+A42+… ・
AZr(ン
1卜■
6浄
…
'トル年
)g=Ⅳ
l+Ar2+…
・十馬
(Nl卜
Ar2卜…・■Ⅳつ
,こ こで簡単のため r≦ sと して,次 のよ うに定める.(1)A4笙
既 (j=1,… っι-1),か
つA4く
馬 となる t(≦r)が
存在す る とき ∫メ g と定 める。 (11)A4堅 場 (づ =1,… ♯-1),か
つ ハイι卜 凡 となる ι(≦r)が
存在す る とき ∫浄 g と定 める。 (iil)A4堅 既 (づ =1,¨"r),かつr=sの
とき,∫ と クは同等であるといい ∫堅ク と 表す。(iV)A4竪 義
(J=1,…"r),かつ
r<Sの
とき∫くクと定める
.補題
3.5単
項簡約∫ブ ん
において
,∫卜んが成り立つ
.【
証明】
単項簡約 ∫ブ んが
g∈Gに
よるものとする
.このとき
,∫の単項
式で クの先頭単項式 LM(g)の 倍数であるもの χ ≠0が あり
,ん
=∫
LM(g)ク
3.グ
レブナー基底 23と表される。ここで ∫を単項式の和として
∫
=Σ
E Aグ
十ν
ttΣ
E γ
″
M′ 丼■/」 A/f″ く■イ と表す とん
=Σ
χ′
―
滋「 ′澪 ■イとなる
.∫とんの単項式は ν よ
∫―Σ
M′ 卜M蒟 路
Цの
す
几 ザ
リ大 きい部分 が一致す るので A√′
=/1/f+Σ
E M″
M″《■/f と、
ん
―
.乃
/=―
詔揚
Re弧
の
十
A,IIM″
を比べれ ば よい。 ∫―ΣM′>Mχ
′の先頭単項式 はMで
あ り,ん ―ΣM′>iィ A′ の先頭 単項式 は存在 した として もAイ よ り小 さい 。ゆえに ∫卜 んが成 り立 つ,│
定理 3,6θ ⊆
CI″1,¨ "″れ
lを0で
ない多項式の有限集合とする
.こ
のとき
,任
意の多
項式 ノは,θ による単項簡約を有限回行 うことにより正規化できる
, 【証明】 θ による単項簡約を有限回行 つても正規化できない多項式が存在 し た と仮定 し,それ ら全体のなす集合をSと
する。ここでLT(S)={LT(∫
)│∫∈S}
とおく
.系 2.12よりLT(S)に 最小元 ι
。が存在する。
LT(∫)=ιoとなる ∫∈S
を選ぶ・ ι
。を項とする ∫の単項式を ■
4と
する。
Sの
定め方から
,Gに
よる
単項簡約の無限列
∫子 メ⇒プ ∫②
が存在す る.仮
にある単項簡約∫
(ん)∫
(た+1) で1る が消去 されたとすれば,t。>LT(∫
鮨+1))と な り,∫(λ+1)/sと
なるので , ∫(た+1)は θ による有限回の単項簡約で正規化 され ることになる。このとき,ノ も σ による有限回の単項簡約で正規化 され ることになるので仮定に反する。従つ て,どの単項簡約の無限列においても ユ4は
消去 されない.す
なわち,単項簡約 → … … G↓で
3.グ
レブナー基底 24はすべ て ∫―
Moに
対 して行われていることになる。しか し,ιO卜 LT(∫ ―A4o)となるので,∫
-14は
有限回の単項簡約で正規化できるはずであるから,∫ も 有限回の単項簡約で正規化できることにな り,矛盾が生 じる。│
3。2
グレブナー基底の定義と存在
定義
3,7(グ
レブナー基底)f≠
0を
Cレ1,…;″」のイデアルとする
.0で
ない多項式
からなる有限集合 θ
={ク1,―"%}⊆
」が次の条件
(*)をみたす
│き
,Iの
グレブナー
基底という。
(*)任
意の ノ∈
J―{0}に
対して
,ある
gJ∈σが存在して
,LTb)I LT(∫
)となる
.・ {1}は
CI″1,…っπ
』のグレブナー基底である。
・ 以下
,│「イデアル Iの グレブナー基底」というときは
,J≠
0が 仮定され
‐
Cいるもの
とする
.注意
:イデアル Iの グレブナー基底は一意に定まるわけではない。θ
={θl,¨っ
gπ}が
Iの
グレブナー基底であるとき
,任意の∫∈∬―
{0}を
付け加えた
C={gl,"%,∫
}も
Iの
グ レブナ ー基底 で あ る.定理
3.8(グ
・
レブナー基底の存在)Ch,¨
"″」のイデアル
JI≠0に
はグレブナー基底
が存在す る。 【証明】 ∬≠0を
イデアル とする.命
題3.2よ り,LE(I)は
ZOπ のモ ノイデ アルである。デ ィクソンの補題(定理2.9)よ り,LE(∬)は
有限生成であるか ら LE(」)=MOn。
(α l,… .,αm) と表 され る。ここで α`=LE(gj)(づ
=1,2,¨"m)
をみ たす0で
な い多項式 g。 ∈I選
びθ
={ク1,・・
・
,gm}3.グ
レブナー基底 25が」のグレブナー基底であることを示す
.任
意の ∫∈
I―{0}に
対して
, LE(∫)∈LE(f)=MOn。
(α l,… "αm)=∪
MOn。 (%) を=1 であるか ら, LE(ノ)∈ MOn。(αじ) となる αづが存在す る。この とき,あ る プ∈Z。れにより LE(∫)=α
じ十ブ と表 され るので,X=("1,¨
メ れ)なる略記 で LT(∫)=χ
LEc)=χ
%χJ=LT(gj)χ
′ が成 り立つ.LTし
)I LT(∫)を
みたす gj∈Gの
存在 が示 されたので,Gは
」 のグ レブナー基底 である: │
次 に,グ レブナー基底 の諸性質にういて述べ る.補題
3,9σ
={gl,…っ
%}が
0で
ない多項式からなる有限集合
,∫が
0で
ない多項式
, ∫一か んであ っとき,単項本 凡 と 多ん∈G(1≦
た≦ イ)が
存在 してん
=∫Σ凡働
た
た=1 : と表 され る。【
証明】
仮定より
,適当な 動た∈
G(1≦
た≦イ
)が
存在 して
∫―→∫
(1)一→∫
(2)__〉 .… .:..…_→
ノ
(イ)=ん
θ '1 9'2 g,3 θi`3.グ
レブ ナ ー 基 底 26 と表 され る.また,単項簡約 の定義(定義3.3)よ り,単項式 凡(1≦
た≦ イ)が 存在 して∫
9=∫ ―凡働
1∫
(2)=∫(1)一馬
92=∫
(」Vlヵl+馬
92)∫
(ι)=∫ ―
(Ⅳ191+Ⅳ
bθ
12+…・
+恥
gt′ ) が成 り立つ.補題
3.10ク1,…っ
gmを
0で ない多項式
,I=(θ
l,…"gm),∫
∈」―
(0},∫÷
んであ
るとき
,ん∈」である。
【
証明】
補題
3.9より
,単項式 凡 とク
九∈θ
(1≦ん≦イ
)が
存在して
ん
=∫―ΣE Щた多ん
た=1と表される
.∫∈
I,gこん∈」
(1≦た≦イ)で あるから
,ん∈Iで ある。
補題
3.1l G={gl,…
"%}を
イデアル
Iの
グレブナー基底とする。このとき
,任意の
∫∈
J―{0}に
対して
,∫÷
0が
成り立つ。
【
証明】
∫∈」―
{0}として
,∫÷
んとおく・補題
3.10より
,ん∈Iで あ
る
,こ
こで
,ん≠
0と
仮定すると
,グレブナー基底の定義
(定義
3,7)より
,ある
の∈
Gが
存在して
LT(ヵ)ILTo)
とな るが,これ は,ん が正 規形 で あるこ とに反す る.ゆえに ん=0が
成 り立 つ 。│ ■ ■ 定理 3。12イ
デ アル 」の グ レブナー 基底 はIの
基底 (生成 系)で あ る.【
証明】
G={gl,っ
%}を
イデァル 」のグレブナー基底とする
.I⊇
(gl,…っ
gm)は
明らかであるから
,I⊆
、
(gl,っ%)を
示せばよい。任意に ∫∈
∬―
{0)を
選ぶと
,補題
3.11より
,∫÷
0が
成り立つ。また
,補題
3.9より
,単3.グ
レブナー基底 27 項式 Arkと gjん ∈θ (1≦ た≦イ)が
存在 して'0=∫
―Σ 肛た
ヵ
ん
た=1 が成 り立つ.こ れ よ り,∫=Σ 凡みん∈
0…
,L)
た=1 が得 られ るので,」 ⊆(ク1,… "θ‰)が示 された, 任意のイデアル f≠0は
グレブナー基底をもち,グレブナー基底は 」を生成す る.グ レブ ナー基底は有限集合であることより,次の定理が得 られる.系
3。13(ヒ
ルベル トの基底定理
)ch,…
""」の任意のイデアルは有限生成である
. 定理3014(グ
レブナー基底による正規化の一意性)Gが
イデアル 」のグレブナー基 底であるとき,任
意の0で
ない多項式 ∫のGに
よる正規化 は一意的である. 【証明】 ∫の θ による正規化 として,多 項式 ん1,ん2が
得 られた と仮定する. この とき,補題3.9よ り,単項式 凡,A4と
Gの
元 働1,ヵんが存在 してん
1=∫
―Σ凡‰
ん
2=ノ
Σ
4動
ん
が成 り立つ。これ よ りん
1 ん
2=Σ
鴫
%ん―Σ凡働た∈」
ん たが得られる。ん1-ん
2≠0な
らば
,,θがグレブナー基底であることから
LT(θ j)I LT(ん1-ん
2) をみ たす クづ∈θ が存在 す る こ とにな り,ん1,ん2が
正規 形 で あ る こ とに矛 盾す る.ゆ
えに ん1-ん
2=0,す
なわ ち,ん1=ん
2が
成 り立つ 。│
●以下
,∫のグレブナー基底 θによる正規化を
NFG(∫ )と表すことにする
. ■ ■3.グ
レブナー基底●θがイデアル 」のグレブナー基底であるとき
,乗1余環
CI"1,¨っ″
』
/1の
∫の属する
剰余類の代表として
NFG(∫)を
選ぶことができる
. 定理3.15θ
をイデ アル ∬のグ レブナー基底 とす る。この とき,次の同値が成 り立つ.∫∈
I
⇔ NFG(∫
)=0
【
証明】
ノ∈」とすると
,補題
3.10より,NFG(∫
)∈Jと なるが
,fに
含まれ
る正規形は 0の みであるから,NFG(∫
)=0が
成 り立つ。逆に
,NFc(∫)=0と
仮定すると
,補題
3.9より
,単項式 凡 と多ん∈θ が存在 して
NFGげ
)=∫
―Σ凡免ん
=0
ん∫
=Σ
凡働
た
げ
ん を得 る.3.3
簡約グ レブナー基底
補題 3。16θ
をイデ アルIの
グ レブナー基底 とす る.σ
の多項式 θ,ん (g≠ ん)が
LT(g)I LT(ん)を
みたす な らば,G―
{ん}も
」のグ レブナー基底である.【
証明】 任意のノ∈∬―
{0}に
対して
,ク1∈σ―
{ん}で
LT●1)│「
(∫) となるものが存在す ることを示せ ばよい.θ
はIの
グ レブナー基底であるか ら,あ るg2∈Gが
存在 して LT●2)│「
(ノ)をみたす
.ク2≠んならばθ
2∈G {ん
}よ
り
,ク1=g2と
すればよい。ク
2=ん
な
らば,LT(θ)ILT(ん )よ り,LT(ク )ILT(∫ )と な るの で,91=gと
す れ ば よ い 。│ となることか ら,3.グ
レブ ナ ー 基 底 29定義 3,17(極 小グレブナニ基底
)G=
する。任意の
1≦ J≠ブ≦鶴 に対して
,レブナー基底という。
{ク1,¨っg"}を イデアル ゴのグレブナー基底と
ET(a)ILT(ヵ
)が
成 り立つ とき,Gを
極小 グ ・ 補題 3.16に 従つて,グ レブナー基底か ら,順 次,余 分 な多項式 を取 り除 くこ とによ り 極小 グ レブナー基底 が得 られ る。補題
3・18θ
={gl,… "`‰}を
イデアル Iの 極小グレブナー基底とする。このとき
,G
の各元 の先 頭 項 はす べ て相異 な る. 【証 明 】1≦
J≠ ブ ≦m,か
つLT幌
)=LT(ヵ
)で
あ る とす れ ば,ET(gj)│LT(%)と
な り,θ が極 小 グ レブナー基底 で あ る こ とに反 す る.ゆ
えに,Gの
各 元 の先頭 項 はす べ て異 な る。│
定理3.19イ
デアル ∬の極小 グ レブナー基底 の先頭項 か らなる集合 は極小 グ レブナー 基底の選び方 によらず一定である.【
証明】
G={gl,… "%},F={A,¨
っ九
}を
イデアル
Iの
極小グレブナー基
底とする
.Fが
グレブナー基底
,ク1∈∬であるから
,あるん∈
Fが
存在して
, LT(ん)I LT(gl)と な る。一 方,Gが
グ レブ ナ ー 基 底,ん ∈ ∬で あ るか ら,ある gん ∈Fが
存 在 して,LT(θん)I LT(ん)とな る。この とき,LT(ク た)ILT(gl)が
成 り 立 ち,Gは
極 小 グ レブ ナ ー 基 底 で あ るか らgた =ク1と な る.従っ て LT(ん )I LT●1), LT●
1)I LT(ん) となるので 「ol)=LT(ん
) を得 る.Fの
番号を付け替えてLT●
1)=LT(■
)とする
.m≧
2の
ときは
,Fが
グレブナー基底
,θ2∈fで
あるから
,あるん∈
F
が存在して
,LT(ん
)I LT(g2)となる。上と同様にして
LT(g2)=LT(ヵ
)3.グ
レブナー基底 30が得られる。ここで
,ET(■)=LT(gl),Gが
極小グレブナー基底であるから
ブ≧2で ある
.Fの
番号を付け替えて
LT(θ2)=LT(ん
) として よい。以下,同 様 にすれ ば,m=ι
であ り LT(θl)=LT(■
),LT(ク
2)豊 LT(ん),…… … …,LT(%)=LT(九
) が得 られ る. ・ 定理 3.19よ り,極小 グ レブナー基底の元 の個数 は一定である. 定義3.20(簡
約グ レブナー基底)イ
デアルIの
グレブナー基底 σ が次の2条
件をみ たす とき,Iの
簡約 グレブナー基底であるとい う.(1)任
意のgcCが
,σ
―{g}に
関して正規形である.(2)任
意の θ∈θ に対 してLC(g)=1で
ある。す なわち,θ の どの元の先頭係数 も1で
ある. 命題3.21簡
約 グ レブナー 基底 は極 小 グ レブナー基底 で あ る.【
証明】
θ
={gl,… "θm)を
イデアル Iの 簡約グレブナー基底とする。今
,づ≠ブ
,かつ
LT(g`)I LT(ヵ)で
あると仮定すると
,方はσ―
{%}に
関する正規
形でないことになり
,矛盾が生じる
.よって
,づ≠ブならば
LT(gづ)I LT(島 )とな
るの で,θ は極 小 グ レブナー基底 であ る. │
グ レブナー基底 か ら次 の手順 で簡約 グ レブナー基底 が得 られ る。特 に,簡 約 グ レブナー基底 の存在 がわか る。(1)グ
レブナー基底 か ら,補題 3.16の よ うに,余 分 な元 を取 り除 いて,極 小 グ レブナー基 底 θ を求 め る.(2)極
小 グ レブナ ー基 底 θ={ク1,¨っbm}の
元 を次 の よ うに正 規化 す る. (i)ク1を
G―
{gl)に
よ り正 規 化 して ク1とす る。 この ときLM(gl)=LM(ク
1)で
あ る.3.グ
レブナー基底 (ii)以下
,j=2,3,¨
,mの
順に 動を
{gi,¨"gれ1,3+1,…"gm}に
より正規化して ク
Jとする
.このとき
LM(a)=LM(gr)で
ある。
(ili)θ*={gI,¨
"晩
}と
おくと
,ごは σ
*― {鋪}に 関して正規形である。なぜなら
ば
,上の手順からわかるように
,gJの
単項式はLM(鋪
)で
割りきれないからであ
る
(プ≠り
,0{詰
齢…論 →齢仲クブ
ナ
ー
基
底
で
あ
. 定理3.22(簡
約 グ レブナー基底の一意性)σ
,Fが
イデアルIの
簡約 グレブナー基底 であるな らば,集合 として θ tt Fが 成 り立つ.【
証明】
G,Fを
イデアル 」の簡約グレブナニ基底とする
.定
理
3.19より
,θ
={gl,¨・
,gm}, F={A,…
,∫鳥
},「
(仇)〒 LT(九)(j=1,2;…
,m)
とお くことがで きる。この とき,θj一 九 ∈」であ り,多
一九 は θ ―{gじ}に
関して正規形 である。また
,LC(g`)=LCu)〒
1よ
り,a―
ん の各 単項式 Aイ がM≪
LM(gじ)を
みたす ことに注意すれ ば,gj― ん は σ に関 して正規形 である.ゆえに,補題 3.11よ り,θづ一九
=0と
なるので,動=ん
を得 る.づ は任意 であったか ら,θ