• 検索結果がありません。

仮説の主観的確率が仮説検証行動に及ぼす影響 : Wason選択課題による検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "仮説の主観的確率が仮説検証行動に及ぼす影響 : Wason選択課題による検討"

Copied!
70
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)平成16年度  学位論文. 仮説の主観的確率が仮説検証行動に及ぼす影響     一Wason選択課題による検討一.   兵庫教育大学大学院.    学校教育研究科 学校教育専攻 教育方法コース.    MO3025E     一柳 伸治.

(2) 目次 1.問題. ●   ●   o   ●. 9・・・・・・・・….    1. 考える葦. 仮説検証と推論. Wason選択課題 ヒューリスティック・アナリティック(H−A)理論. 情報獲得理論. H−A理論と情報獲得理論の関係性 主観的確率が推論に及ぼす影響. 条件文をどう解釈しているのか 本研究の目的. 一10. 確率推定とカード選択予測. 2.実験1 …. ●    o    ●    ●    ●    ●    o    ■    ●. 法果察 方結考. −∩乙3. 一﹃一. 3.実験2. ・。・….   38. 。・・….   49. 法果察 方結考. −︻∠3. 一一一. 4.総合考察. ・ 27. ●   o   ●   o. 一 1 各実験結果の要約. 一 2 H・A理論と情報獲得理論の妥当性について  引用・参考文献 ・・・・・・・・・・・…  要約 ・・・・・・・・・・・・・・・・….  附記 ・・・…  6・・・・・・・・・…  資料. 58 65 66.

(3) 問題. 1−1 考える葦.  17世紀,パスカルは“人間は一本の葦にすぎない.自然の中で一番弱. いものだ.だが,それは考える葦である”との言葉を残した.同じく17 世紀,デカルトは“我思う,ゆえに我あり”との有名な言葉を残した.. 我々人間は考えることから切り離すことができない存在であり,人間理 解の学問とする心理学において思考の研究を行なうことは,人間を知る 上で非常に重要な位置にあると言うことができる..  人問の思考はいくつかの機能の上に成り立っている.増田(1982)によ ると,思考は概念,判断,推論により構成されるとしている1.概念は様々. な個別事象から一般事象を導く帰納的な役割を担い,判断は個別の二事. 象問を関係付けることである.そして推論とは,複雑な事象の問接的な 関係を把握し,その関係から新た事象を導き出すことであるとしている.. 日常の我々の思考は,概念・判断・推論が相互に作用しているものと考. えられる.思考の研究を進める上では,それぞれを詳細に検討する中で 相互に関連付けることが重要であると考える..  また,思考の研究は論理的思考についての教育的な側面とも深い関連 があると考えられる.アリストテレスはより良い討論(ディベート)を目. 指し,形式論理学の発展に努めた.形式論理学とは意味内容とその論理 規則を分離した規則体系である.アリストテレスはその規則を知ること. で内容に依存せず論理に従った思考が可能になると考え,論理学的に妥 当で矛盾のない討論が可能になるとした.. 1  推論(lnference)と推理(Reasoning)は厳密に区別されない場合が多い.しかし,本研究. では推論は推理することをプロセスに含む課題解決のための一貫した過程と考えている..                1.

(4)  ここで論理的思考の定義が必要になる2.狭義には形式論理の規則に従 うことと定義できる.しかし,広義には形式的には非論理的に見える思 考が,現実的な目標達成につながるなら,それが人間の論理的な思考(日 常の論理)と定義可能であると考えられる.どちらの考えが本質的である. か言及するのは困難であるが,我々は形式論理学を教わらなくとも,十 分に「論理的」に考えることができるのかもしれない..  思考の研究は人間の論理性とは何であるのかを教えてくれる.同時に. 論理的思考の教育の文脈では何を教授すべきであるか,その提起にっな がると考えられる..  本研究は調査実験による思考研究であり,特に仮説検証課題における 推論のメカニズムを検討するものである3.. 1−2 仮説検証と推論.  次に仮説検証と推論の関係を述べる必要がある.仮説検証とはある仮 説の正しさについて検証をおこない,それが真であるか偽であるか判断 することである..  例えば,理科の授業でリトマス試験紙について教わることを想定する.. これは酸性とアルカリ性を判別するもので,試験紙には赤色と青色があ る4.初めて青色のリトマス試験紙が酸性液に触れると赤色に変色するこ. とを教わり,実際に試験紙を使用したことがなけれぱ,これは1っの仮. l Evans&Over(1996山訳,2000)ではこれを合理性1と合理性2に分ける.合理性と論理 性を等価なものとした時,合理性1は個人の目標に到達するのにおおむね信頼できかっ効 果的な方法による思考,合理性2は規範理論(形式論理)が許可する理由のある場合の思考 とされる.. 3.  厳密に述べると,仮説検証課題には推論と判断の両方が必然的に含まれる.なぜなら, 仮説を検証するという行為は,何がその仮説検証に必要な材料であるのか推論し,それが 適切な検証の材料であると判断しなくてはならない.また,最後には仮説が真であるか偽 であるかの判断を下さねばならないからである. 4  色が変化しなければ中性と判断が可能であるが,ここでは便宜上省略した。.                 2.

(5) 説として位置づけられる.この仮説を検証するには,酸性液により赤色 に変色するか確認する必要があり,同時にアルカリ性液によっても赤色 に変色する可能性を検証する必要がある.この2つの可能性を検証した. 上で,先の仮説の真偽について判断を下すことができる.何が仮説検証 に必要な材料となるかは推論する必要があるため,人間の仮説検証行動 は推論によって支えられていると言える..  また,仮説検証を形式的な過程と考えたとき,論理学的な規定が可能 である.つまり,先の仮説「青色のリトマス紙が酸性液に触れるなら赤 色になる」は論理学的な命題として扱うことが可能であり,この命題の. 真偽判断を行なう仮説検証過程を形式的に記述することができる.これ は,本研究で扱うWason選択課題の性質と関係することである.. 1−3 Wason選択課題.  直説法的Wason選択課題(4枚カード問題)とはWason,P.C.が1966 年に発表したものである5.現在,単一の課題としては,おそらく最も推 論研究の材料として集中的に用いられていると考えられる..  この課題の基本的な構成には4枚のカードと,そのカードに関する1 つの規則が含まれる.そして,実験協力者(以下,協力者)はこの規則が. 正しいか否かを知るにはどのカードを選択すべきかが問われる.つまり,. Wason選択課題とは示された規則を1つの仮説として,その真偽をカー ド選択によって検証する,仮説検証課題の性質を含んでいると言うこと. 5.  Wason選択課題には命題(規則)の形式によって,直説法的(lndicative)と義務論的 (Deontic)に区別することができる.直説法的命題は,「猫ならば哺乳類である」と言われ. るような常識や科学的知識を記述したもので,義務論的命題とは「酒を飲むなら20歳以 上でなくてはならない」と言われるような,道徳や義務的規則を示すものである.最も重 要な違いは,直説法的課題では事例がルールを反証すると定義されるのに対して,義務論 的課題では事例がルールに違反すると定義されることにある.本研究は直説法的課題を扱 うものであって,義務論的課題には言及しない..                 3.

(6) ができる..  下の図1は基本的なWason選択課題の構成を示している.それぞれの カードは片面にアルファベット,もう片面に数字が必ず書かれていると の前提条件があり,4枚のカードは片面のみが見えている状態で提示さ れている.図1では,カードの見えている面にA・F・4・9というアルフ. ァベヅトまたは数字が示されている.そして,カードに関する規則とし て,条件文(Ifpthenq)の表現により「もし,カードの片面が母音なら,. もう片面は偶数である」が与えられる.最後に,規則の真偽を知るには どのカードの裏面を確認すべきかが問われるのである..  一方の面にはアルファベヅト,もう片方の面には数字が書かれている. カードが何枚かあります.このカードから4枚のカードを選んで,片面 だけが見えるように並べました.. さて,この4枚のカードについて,.  「もし,片面が母音なら,もう片面は偶数である」という規則がある とき,どのカードをめくることでこの規則の真偽を確認することができ ますか? 裏面を見る必要のあるカードのみを選択してください. 図ユ Wason選択課題の例.  先の規則は「もし,Aならば4である」と具体的に読み替えることが でき,形式的にはAを前件肯定(p),Fを前件否定(not−p),4を後件肯. 定(q),9を後件否定(not−q)と表現する.では,どのカードを選択す.                 4.

(7) べきであろうか.ここでWason選択課題の論理的な規範解答を述べる..  まず,規範解答を導くには規則に反証事例の存在を推論する,反証主 義の立場に立っ必要がある6.この立場から規則を検証するには,暫定的 に規則は真であるとし,その規則とは矛盾する反証事例を発見する可能. 性の含むカードを選択する必要がある.もし反証事例があれぱ,その規 則は偽であることを導くことが可能であるし,逆にそれが存在しないと. すれば背理法によって規則は真であると肯定することができる.先に述 べた例で言うと,規則rもし,母音ならば偶数である」に違反する事例 は,片面が母音であるのに,もう片面に奇数が示されているカードであ る.つまり,Aのカード(母音)と9(奇数)のカードに反証事例となる可能. 性が含まれている.Aのカードをめくって4を発見すれば規則通りだが,. 9を発見すると規則と矛盾することが判明する.また,9のカードも同様. に,裏面にFを発見することには問題ないが,Aを発見すると規則に矛 盾していることが判明する.そのため,この2枚のカードを選択するこ とが論理的な解答となる.他のカードに関して述べると,Fのカードは. 子音の裏が偶数であるか奇数であるかは規則で決められていないので確 認する必要はない.同じように4のカードは裏が母音であれば規則通り. だが,子音であったとしても子音の裏が偶数か奇数であるかは規則に規 定されていないため,その真偽には関係しない..  この課題から人間の論理的な思考の特徴に関して何が言えるだろうか. 先のような抽象的課題では多くの協力者がpとqのカードをめくる傾向.  たは学学と  め在科科真.  . 力集存る・を のらのべはの てくス述とも べいラをこた すを力理るき. え. ま ;例 事い な真 なす 証で が. .ラに普いる. る. 四の 反と と 仮 スく 黒的遍. れ力逆・なう   さ、 し。りきえ 表黒いまで耐 代・なつがに・ こ時は・とれる Eたでるこそい ●  し  の  うる     ・ して. ド. K  と  もり    す  り  才 5 ・うるな明あら. ,確をな永るる. eよすと証でえ ㎎め定拠にと考 Pか否証遠こと. 者を在的をすあ 学偽存定とトで 哲     き  真 学  の  決  こ  ス  べ 科のスのいテる の明ラとしにれ ス言力こ正的入. リういる,判ナ ギいなあは批受 イとくで明を︶ は﹂黒偽言明に 義い,がや言的 主黒も明論や定 証はて言理論悟 反スしのな理て 6ラとこ的的し.  .

(8) にあり7,正答率が10%に満たないとされている(Johnson−Laird&Wason, 1970).つまり,Piaget(1970滝沢訳,1972)による形式的操作期8と考え. られる大学生を協力者としても,ほとんどの学生がこの課題に対しては. 論理的解答を導くことが困難なのである3.これは,形式的な規則体系で. ある形式論理に従うことが,人間の推論過程であると重視した初期の心 理論理説(Henle,1962)や,自然論理に従うとする推論スキーマ(Rips,. 1984)への疑義となり,推論過程を論理規則により説明することが妥当で. はないとする提起になっている10.もし人間の推論が論理規則に従うの. なら,論理的解答をWason選択課題において確実に示すことが可能なは ずである.. では,論理規則に従うのではないとすると,人間の論理性とは何か,. 推論は何に従うのであろうか11.この問題に対してWason選択課題は新 たな知見を生み出す役割を担い,形式的な論理規則とは異なる推論メカ ニズムについての重要な研究材料となっている.. 次の節からは,この課題が示す現象を説明する2つの理論を述べる.1 つは関連性の考え方を重視するH−A理論(二重過程理論)であり,もう1 つは確率概念による心的計算を仮定した情報獲得理論と呼ばれるもので. 7  この結果から,Wason(1966)では仮説の真偽を知るとき,協力者は反証の原理によるの ではなく,真であることの証拠によって仮説を確証する傾向にあるとした. 8  11∼12歳頃には達成される.この時期になると命題論理のような形式的なシステムを 仮説検証や科学的思考に適応させることが可能となる(Goswami,1999岩男他訳,2003). 9  思考の発達段階説には疑義がある.例えば,Howkins,Pea,Glick,&Scribner(1984) の研究では,4歳児においても演繹的推論を要求する三段論法課題を解くことが可能であ ることを示している.. 10.  形式論理と自然論理の違いについては完全な定義がない.山(1994)によると、“形式論 理は推論手続きの無矛盾性のみに関与し,公理系は任意であるのに対し自然論理は推論の 方向性や単純性をも考慮に入れるものである”としている.例えば、「a一〉a」という同一. 律による言明は形式論理においては必須であるが,自然論理においてはこの言明が何ら新 しい結論を導くわけではないので除外されている.. 口.  Evans&Over(1996a山訳,2000)では「規則に従う」と「規則に一致する」を明確に 区別している.彼らによると,論理規則を積極的に利用して結論を導く場合に「規則に従 う」とし,論理規則を意識的に使用しているわけではないが,結果として結論が一致して いる時にr規則に一致する」としている..                  6.

(9) ある12.これらは本研究が検討の対象とする理論であり,各理論につい ての概要を述べたのち,相互の関係性について言及する.. 1−4 ヒューリスティヅク・アナリティヅク(H−A)理論. Wason選択課題における理論的枠組みの1つは,課題の解決を演繹的 推論能力に依存しないものとして記述する考え方である.この考えはこ. れまでの思考研究において区別されてきた推論と意思決定における知見 を統合するものである(Evans&Over,1996a山訳,2000).これにより. Wason選択課題は,どのカードを選択すべきかという意思決定課題とし ても考えることができる13.. これから述べる理論は,1つはH−A理論と呼ばれ,どのカードを選択 することが課題解決のためには最も関連が高いのかという考え方による (Evans,19841Evans,1989中島訳,1995).もう1つは情報獲得理論と. 呼ばれ,どのカードを選択することが規則の真偽を知る上で最も情報が 得られそうかという考えの上に成り立っ(Oaksford&Chater,1994)..  最初に述べるのは,ヒューリスティヅク・アナリティック(H−A)理論. (Evans,198411989中島訳,1995)である14.この理論の特徴は,課題 解決の方略を論理的な演繹的推論によるとするのではなく,推論過程を 無意識的な潜在的過程(ヒューリスティヅク)と,意識的な顕在的過程(ア. 12.  広く定義すると人問の精神活動は全て心的計算過程であると言えるが,ここでは情報 獲得量の算出のための心的計算と定義する. 口選択課題での仮説検証行動はカードを選択するという意思決定に支えられると考える. ことができる.そのため仮説検証行動を検討対象とする本研究において,意思決定と関連 する理論を使用することに問題はないと考えている. 14  Wason&Evans(1975)による二重過程理論に始まる.H−A理論はStanovich(1999)(Yama ,2003より)によって他の二重過程理論(Sloman,19961Stanovich,1999)と統合され,シス. テム1とシステム2と表現されている.ヒューリスティック過程はシステム1に含まれ,. アナリティヅク過程はシステム2に含まれる.また,Evans&Over(1996a山訳,2000) では二重過程の考えを推論に限らず,意思決定をも含む様々な問題解決の場面へと適用し ようとしている..                  7.

(10) ナリティック)の二重の過程に区別することである.継時的な処理として. 考えると,潜在的過程では課題に含まれる要素の各側面を表象化し,顕 在的過程での表象操作によって解決へ導かれるとされる..  こうした二重過程の考え方は,人間は学問や日常では重大な科学的発 見や合理的な推論を行なうにも関わらず,Wason選択課題のような実験 的課題では単純な論理的誤りに陥るという矛盾を説明するために提唱さ. れたものである.潜在的過程は無意識的で並列的な過程であり,処理容 量が大きく注意資源をあまり必要としないが,処理が自動化されており. 柔軟性にかける.これに対して,顕在的過程は意識的で継時的な過程で. あり,その容量は小さく処理することに多くの注意資源を要求するが柔. 軟である.Norretranders(1991柴田訳,2002)による簡潔で具体的な表 現を借りると,人問が各感覚器官から受ける情報は毎秒1100万ビットに もなるに関わらず,意識的に処理できるのはせいぜい40ビットにすぎな. いのである15.そのため,意識的に注意資源の要する事態を人間は不得 意とし,可能な限り計算論的に強力な潜在的過程に情報処理を依存する 傾向にあると考えることができる..  Evans(1984)はこれをWason選択課題の理論へと適用し,カード選択 はヒューリスティック過程による関連性判断によって無意識的に導かれ ると考えた.関連性判断とはSperber&Willson(1986 内田他訳,1999). による関連性の原理を,Wason選択課題の理論として援用したものであ る.この関連性判断の考え方によって,論理解の正答率が10%に満たな. い理由を,顕在的過程における分析的な思考がカード選択には影響しな. いためと説明することが可能である.Wason選択課題では潜在的過程で. 15.  膨大な情報が無意識裏に処理されている.. 8.

(11) の直感的な処理が支配的であり,カードの選択に対して顕在的な処理が 入り込む余地があまり残されていないと言うことができる16.つまり, 関連性判断以上のことをする協力者はほとんどいないのである.. この潜在的過程を説明するためEvans(1984)では,文の話題(新情報) と評言(旧情報)の弁別という言語的手がかりが関連性判断に関わるとし. ている.例えば「ガラスを割ったのは,3年2組のA君だ」という文は,. 話者と聞き手の間で「誰かによってガラスが割られた」とする話題とし て共有され,具体的に誰が割ったのかは評言として述べられる.これを. Wason選択課題に適用すると,rもしpならばqである」という規則の後. 件「qである」はqについての文でありqが話題となるため,その関連 性が高まりqカードが選択される.また,自然言語の「イフ」(もし)に は,条件文の前件が真であることに潜在的に注意を向けさせる効果があ るとされ,結果として前件肯定のカードを多くの協力者が選択する傾向. にある.これはやや特殊であるがイフヒューリスティック(Evans,1989 中島訳,1995)と呼ばれている17.これらを要約すると,次の原理を導く ことができる(Evans&Over,1996a山訳,2000).. ・規則の前件を満たすならば,そのカードは関連的である. ・規則で明示されている項目に合致するなら,そのカードは関連的で ある. 16実証的な研究にはEvans(1996)がある.この研究から協力者は分析的な推論を行なって いる可能性が示唆されたが,その推論がカード選択に影響を与えないことが見出された. 17  他にノットヒユーリスティックが提唱されている。これは、「p→not−q」という条件 文が規則として与えられた時,多くの協力者が論理解となるpとqを選択する傾向が見ら れることを説明するものである.この現象はEvans&Lynch(1973)によってマッチングバ イアスと呼ばれている.H−A理論は主にこのマッチングバイアスを説明することに主眼が 置かれている.例えば「…qではない」と聞いたとき、否定の対象となるqが話題として 注意が向けられ,否定辞「…でない」が評言となる.そして注意は話題に向けられるので, 条件文の真偽にqカードが関連しているように認知されるのである..                 9.

(12)  これにより,「もしpならばqである」という規則を使用すると,pカ. ードとqカード(先の例ではAと4)が選択されることを説明できる. また,顕在的過程はカード選択の合理化,つまりカード選択の理由づけ に対して影響すると考えられている(Wason&Evans,1975).しかし,顕. 在的推論を完全に否定するものではない.なぜなら,少数ではあるが論. 理解となるpとnot−qのカードを選択する協力者が存在するからであ る.これに関してはStanovich&West(1998)によって個人差の観点か ら,SAT得点との関係において検証がなされている18.. 1−5 情報獲得理論.  次に述べるのは,Oaksford&Chater(1994)による情報獲得理論である.. 彼らは先に述べたEvans(1984)の考え方と同じように,Wason選択課題を. 演繹推論課題とするのではなく,意思決定課題の1つとして考えている. この理論の特徴は,数量的な概念を取り入れ,いわゆるベイズ的アプロ ーチによる確率論的な数理モデルを導入していることである..  この理論では,論理学的観点からは非論理的であると考えられる Wason選択課題での現象を,情報量的観点から見れば人間は情報獲得の ための合理的な推論をしていると考えられている.  例えば,次のような規則,「もし,腐った卵を食べる(p)なら体調を壊. す(q)」の真偽を検証するように求められたとする.検証するカードに は①腐った卵を食べた人(p),②腐った卵を食べていない人(not−p),. ③体調を壊した人(q),④体調を壊していない人(not−q)がそれぞれ示. されている.真偽の検証のためには,4枚の中でどのカードが有効な情. 18.  SAT(theScholasticAptitudeTest)は,IQテストと類似の能力を測定しているとされ ている.この研究では,論理的解答を行なう協力者にSAT得点が高い傾向が見られた..                10.

(13) 報をもたらすかを知る必要があり,直感的には①③④のカードによって. 有効な情報が得られるということが19,②のカードを選択することは規 則の真偽についてなんら情報をもたらさないと感じるであろう.  Oaksford&Chater(1994)は,これを不確実性(あやふやな状態)を低減. するとの観点から,規則が持ちうる情報量を以下のShannon−Wienerの公 式に従い定式化した20.. ・(嘱)一. 慨)b醗. P(毒)).  Shannon−Wienerの公式に従えば,まず与えられた規則についてカード. 選択前の情報量を不確実性度として算出できる.不確実性度はルールの. 真偽がはっきりとは分からない状況を示しており,規則が真である確率 が50%のとき,算出される不確実性度は1で最も高く,真である確率が 0%または100%の場合は0となる..  彼らの分析によると,協力者は与えられた規則は真であるとする従属 モデル(属)と,カードの両側は独立であるとする独立モデル(〃1)を考慮. し21,どちらのモデルが4枚のカードが存在する世界を記述することが. 適切であるのか知ろうとする.また,pやqのカードを満たす集合の大 きさ,っまりpやqの生起確率がnot−pやnot−qの生起確率に比べて相. llこの3っが必ず同じ情報量を持っわけではない.この中でどのカードが情報を得るた めには最も効率的であるのか,さらに選択する必要がある. 20この公式は,WieneP,NやShannon,C.Eに代表される情報理論や通信理論の文脈におい て定式化されたものである.Attneave(1959小野他訳,1968)によると,情報とは不確実. 性度を減少させるものとして定義されている.カード選択で言うならば,ある任意のカー ドを選択しその裏面を確認した結果,規則に関する情報を得ることで不確実性の低減へつ ながるのである。. 21従属モデルはpの集合に含まれる要素はすべてqの集合に含まれると考え,条件文が 真とされる限りその確率は1と規定されている.これに対して,独立モデルはp集合に含 まれる要素にqの集合には含まれない要素が存在することを示す..                  11.

(14) 対的に低いという「希有仮定」に従うと想定されている.例えば,条件 文「カラス(p)ならば黒い(q)」が与えられたとき,常識的に考えたと してもカラスの集合はカラスではない集合よりも小さいし,黒、い鳥の集. 合は黒くない鳥の集合よりもやはり小さい.協力者は希有仮定のもとで 条件文の真偽は最も不確実な状況であると仮定し,そこから不確実性を 低減するためのカード選択がなされるとしている..  彼らは,カード選択後の不確実性の低減についての量的指標を情報獲 得量として規定している12.この情報獲得量を最大にするという観点に. 従うと,小さい集合であるqの反対側を調べてpを発見するほうが,大 きい集合の要素であるnot−qの反対側を調べるよりは効率的であるた め,協力者は心的計算により論理解であるnot−qを選択するよりもqを 選択する傾向にあると説明が可能である..  先の例で言うと,「カラスならば,黒い」という言明が正しいか否かを. 知るには,黒い鳥の集合を調べるのが最も有効である.なぜなら,白い 鳥の集合を調べてもこれは「黒くない鳥」の補集合に過ぎないので,白. い鳥がカラスでなくても条件文の真偽についてほとんど情報が得られな いからである.しかし,黒い鳥の中にカラスを発見する可能性は高く,. もし黒い鳥の中にカラスを発見すれば,条件文が真である可能性を向上. させることができる23.そのため,小さい集合である黒い鳥を調べるほ うが,大きい集合である黒くない鳥(白い鳥)を調べるより効率的で有効 な情報を得ることになる.Oaksford,Chater,Grainger,&Larkin(1997). では,実際に出現比率が低いカードになるほど,協力者はそのカードを. 22この指標は,規則の事前不確実性とカード選択後の事後不確実性の差異となる.しか し,実際にカードをめくるわけではないので情報獲得量は期待値の計算となる. 23黒い鳥を調ぺても,カラスならぱ黒いことの真偽を決定することはできないため論理 的には間違いとされる..                12.

(15) 多く選択する傾向が示されている..  このように,情報獲得理論ではカード選択は演繹的推論に依存すると せず,不確実性低減のための情報量についての複雑な心的計算によると 考えられている..  また,規則に含まれる確率情報がカード選択の重要な要因になるとす る理論は情報獲得理論だけではない.例えぱEvans&Over(1996b)によ. る認識効用24と診断性と呼ばれる概念をその指標として用いたもの, Nickerson(1996)によるインパクトと呼ばれる概念を指標として用いた ものなどがある25.どの理論もこれまでの研究におけるWason選択課題. のカード選択傾向を予測することが可能であるとしているため,どれが 最も妥当であるか実証的に研究することは容易ではない.. 1−6 H−A理論と情報獲得理論の関係性.  次にH−A理論と情報獲得理論との関係について述べる.この2つの理 論は,H−A理論が潜在的過程を視野に入れた関連性レベル,情報獲得理 論が確率による心的計算レベルと記述のレベルに違いがあるが,人間の 推論過程を演繹的推論に依存しないとする点では同じである.しかし, Oaksford&Chater(1994)ではH−A理論とは違い,情報量の心的計算過程. について潜在的か顕在的であるのか言及していない.また,Evans& Over(1996a山訳,2000)では顕在的推論過程を完全に否定せず,Wason 選択課題以外では顕在的な推論が機能しているとことを示唆しているが, 情報獲得理論から顕在的推論への具体的な言及は見られない.. 24認識効用とは,ある行為を行なった結果としてどの程度情報をもたらすかの主観的な 期待のことを言う.. 25これら確率論的アプローチの総称を最適データ選択理論と言う・.                13.

(16)  Evans&Over(1996a山訳,2000)ではH−A理論は関連性の原理を具体 化したものとし,Oaksford&Chater(1995)においても情報獲得理論と関 連性の考え方は両立可能であるとしている.しかし,Ya皿a(2001)はH−A. 理論と情報獲得理論は対立したものとして考え,実験によって検証を行 なっている.その結果,H−A理論が説明に主眼をおいたマヅチングバイ アス(注釈17参照)が,マッチングと最適データ選択の両方によって生じ. ていることが見出された.つまり,この実験によりH−A理論によって説 明される現象が,情報獲得理論からも予測されることが示された..  また,これまで述べなかったH−A理論と情報獲得理論の差異の1つと して,規則となる条件文の取り扱いの違いがある.例えぱH−A理論では. 条件文はイフヒューリスティヅクのように語用論的に扱われるが,情報 獲得理論では確率論的に扱われ,先に述べたように従属モデルと独立モ デルとして二者択一的に記述される.つまり,協力者の条件文解釈のレ ベルは理論によって大きく異なると言える..  この問題は,Wason選択課題における基礎的な認知処理に関わる重要 な問題の1つである.なぜなら,条件文による規則の提示を含まない限 りWason選択課題は成立せず,仮説検証のためには条件文を理解するこ とが絶対的に要求されるからである..  次の節からはこの問題に関連して,条件文の確からしさと解釈の違い が推論に与える影響を取り上げる.確からしさは主観的な認知の問題で ある.つまり,「猫ならば哺乳類である」という命題と「猫ならば爬虫類. である」という命題では,明らかに後者は信じられないと感じる.解釈 の問題は,協力者は条件文を形式的な論理に従い理解しているのか否か ということに関連する.. 14.

(17) 1−7 主観的確率が推論に及ぼす影響.  人間の推論は与えられた情報についての主観的な確からしさ(以下,主 観的確率)によって影響を受ける.例えば,次の日に雨天決行の遠足があ. ると想定する.遠足がある時はだいたい天気を気にする.この時,私達 は必然的に「雨が降るなら雨具がいる」と考えるであろう.そして当日,. まだ雨は降っていないが朝の天気予報では降水確率が80%だと言って いるのを聞く.つまり雨が降るということの主観的確率は80%である26.. 私達は降水確率が80%ともなると,雨具を持って遠足に行くと判断する であろう.しかし,逆に天気予報の降水確率が20%であれば,傘を持っ. て出るか否かの判断は当然変わってくる.用心深い人は雨具を持って出 るであろうし,そうでない人は雨具の必要性はないと判断するであろう.. これは雨が降るという情報の主観的確率の程度によって雨具がいるかど うかの推論が変化することを示している.ここで述べたのはWason選択. 課題と直接結びつくものではないが,私達の日常の推論に対する情報の 主観的確率の影響を明確に示している..  これついては条件推論課題の研究において明確な知見が得られている. 条件推論課題は,rもし,pならばqである」との条件文による命題を大. 前提に持つ三段論法課題である.最も基本的な形式は肯定式(皿odUS ponens,MP)であり,抽象的な表現では次の形式をとる.. 大前提. P → . 小前提. P. 結論. 26. q. q.  天気予報そのものを信じるか否かは別として考えている。また天気予報によって客観 的に与えられた確率とそれが主観化した時の確率が同じであるか否かには疑問があるが, 便宜上主観的確率が80%になるとした..                15.

(18)  例えば,大前提を「もし,この生物が猫ならば哺乳類である」とする.. 小前提としてこの生物が猫であるとの情報が与えられると,その結論と して哺乳類であることを導くことができる..  Evans&Over(1996a山訳,2000)によれば,抽象的肯定条件文による. 肯定式は100%に近い正答率とされている.また,条件推論の形式は小 前提の違いによって,not−qが与えられる否定式(皿odus tollens,MT),. not−pが与えられる前件否定式(denial of the antecedent,DA),qが. 与えられる後件肯定式(affir皿ationofthecQnsequent,AC)に分けるこ とができる.それぞれの正答率の中央値は,63%・48%・42%とされている. (Evans&Over,1996a山訳,2000).否定式は肯定式に比べて明らかに難 しいことが分かる..  論理学的に結論を導くことが可能であるのは,肯定式と否定式であっ て前件否定式と後件肯定式は結論そのものを導くことが論理的にできな い27.なぜなら,前件否定式では小前提としてnot−pが与えられるが,. p→qの命題からはnot−pが結論に何を導くことが可能であるのか判 断できない.後件肯定式も同様である.p→qは“逆は真ならず”であ. りq→pではないため,小前提としてqが与えられても結論として何を 導くべきか判断できない..  これはWason選択課題の論理的な解法と同じ性質であるため,カード 選択には条件推論を行なう必要があるとされてきたB.近年においても Rips(1994)では,Wason選択課題を条件推論課題として記述しているが,. 27双条件的に解釈がされるなら,前件否定式と後件肯定式も妥当な推論として結論を導 くことができる.. 28カード選択を条件推論として記述すると,結論はそれぞれのカードの裏となる.pカ ードをめくることが肯定式,not−Pカードをめくることが前件否定式をすることになる qカ_ドをめくることが後件肯定式であり,n。t−qカードをめくることが否定式を行なづ ことになる.Pとnot−qの選択が論理解であり,同時に肯定式と否定式が論理的に妥当 な形式である..                 16.

(19) Sperber,Cara,&Girrot(1995)は“Wason選択課題を論理的な解決を要. するものと特徴づけるなら演繹推論課題と言えるが,条件推論課題と言 う必要はない”との主張をしている.また,Evans&Over(1996a山訳,. 2000)によると条件推論課題では協力者の60%以上が否定式推論を妥当. として行ない,条件文の反証事例が「pでありかっqではない」事例と 同定することが可能であるが,Wason選択課題においてはnot−qのカー ドを選択する協力者は10%前後であるとしている.つまり,協力者は一. 般的な論理規則として否定式に従うことが可能であるのに,Wason選択 課題にそれを適応することはないのである..  推論過程の差異は否めないが,条件推論についての知見が重要である のは両課題に命題・規則となる条件文を含み,’それを理解する基礎的な 認知処理は同じであると考えられるためである..  条件文の主観的確率が条件推論に与える影響を実証的に検討した研究 にはGeorge(1995),Stevenson&Over(1995),George(1997)などがある.. 例えば,Stevenson&Over(1995)の実験では,次に示すように大前提の 後にその主観的確率を操作するような前提を加えた..  大前提 ジョンが釣りに行けば,夕食に魚を食べる. 操作前提 ジョンが釣りに行く時はまれにラッキーだ  小前提 ジョンは釣りに行った 結論 .●. 夕食に魚を食べる.  その結果,操作前提の内容によって妥当な結論を導く反応がMP・MT 推論形式において抑圧される傾向にあることが示された.これはジョン が釣りに行けば夕食に魚を食べることのできる主観的確率が,結論を導.                17.

(20) くまでの推論に影響を及ぼすことを示している.この実験では,主観的 確率の操作前提に,always,al皿ost always,so皿eti皿es,「a「ely,ve「y. rarelyの条件を設け,alwaysからveryrarelyの方向で主観的確率が低 下するほど妥当な反応が抑制される傾向にあることが示された.つまり,. ジョンが釣りに行ったとしても,彼がまれにラヅキーな人問であれば夕. 食に魚を食べることのできる確率は明らかに低いと感じてしまう.その ため,結論として夕食に魚を食べると言われても,それが本当であるか 判断できなくなるのである..  条件推論課題の研究は,主観的確率が推論に影響を与えることを明確 に表しており,その知見を次の2つに要約することができる。. ①妥当な推論形式でも前提の主観的確率が低い場合は結論を受け入  れない.. ②前提の主観的確率の程度は結論の確からしさと関数関係にある..  次に,Wason選択課題における主観的確率の影響に関する実証的な研. 究には,VanDuyne(1976),Pollard&Evans(1981),Pollard& Evans(1983)などがある29.例えば,Pollard&Evans(1981)は規則に「常 に正しい」「通常正しい」「常に間違い」「通常間違い」となる4パターン を設定した.その結果,「常に間違い」「通常間違い」と信じられる規則を. 用いた課題において,not−q選択が促進されq選択が抑制される傾向が. 見出された.Pollard&Evans(1983)による研究では,協力者はWason 選択課題を行なう前に,コンピューターによる確率訓練課題によって文. 29.  主観的確率という言葉が用いられていたわけではない..                18.

(21) 字の書かれているカードの裏にどの数字があるか,その確率を学習する. ことがなされた.例えば,IfAthen1という規則を用いた場合,Aがど の程度の確率で1とペアになりうるのか,またAであるが3とペアにな る確率はどの程度であるのかその随伴性が学習された.結果的に,協力 者はいくつかの組み合わせの内,どれが「通常正しい」「通常問違い」「常. に正しい」「常に間違い」となるのか訓練によって知ることになった.そ. して,その後に提示されたWason選択課題において,「…間違い」とされ る命題を用いた課題にnot−q選択が促進される結果が見られた..  このように条件推論課題とWason選択課題の両課題において,主観的 確率が推論に影響を与える可能性のあることを示唆できる.Wason選択. 課題では規則の主観的確率が低い時に論理解となるnot−q選択の増加 が見られるが(p選択はほとんど変化しない),条件推論課題では前提の 主観的確率が低くなるほど論理的に妥当な推論が抑制される傾向にある.. つまり,Wason選択課題と条件的推論課題では主観的確率の影響の現れ 方に違いがある.しかし,両課題が条件文を前提または規則として含む ことには違いがない.Wason選択課題での主観的確率の影響は,先行研 究を見る限り条件推論課題に比べて詳細には検討されていないと言える.. そのため,Wason選択課題でのより詳細な検討が必要であり,条件推論 における研究が参考になるものと考えられる.. 1−8 条件文をどう解釈しているのか.  ここで述べるのは,人間が条件文を論理に従い解釈しているのかとい うことに関連する.日常における条件文の解釈は内容や文脈に依存して. おり,心理学的な解釈と論理学的な解釈の区別が可能である.条件文の 真偽に関する論理的規定を次の表1の真理値表に示している..                19.

(22) 表1実一質』含一意一型直表. 事例. 実質含意. 不完全.   P●q  P・not−q  not−P・q. not−P・not−q. T=真,F=偽,1=不定.  条件文,「もし,pならばqである」の文は,前件が真で後件が偽であ る事例のみが,その条件文を偽とする材料となる.また,実質含意に従 うなら,前件が偽であれば後件が偽であろうと真であろうと論理学的に. は条件文は真であると規定されている30.これは日常的に考えると直感 的に受け入れにくい.つまり,前件が偽であろうと後件が真であればい いのだから,「1+1ニ3ならば,猫は動物である」という意味をなさない 条件文も真であることになる.これに対してWason(1966)は,人間の心理 学的解釈は不完全(Defective)真理値表に従うとしている(表1参照)..  不完全真理値表によると,先の「1+1ニ3ならば,猫は動物である」. と言う条件文の真理値は決めることができないとされる.Wason選択課. 題ではどちらの真理値表に従ったとしても,pとnot−qのカードを選択 することが論理的な正答となるので問題はない31..  しかし,条件文の厳密な規定に対して,人間の素朴な理解においてはこ. れに従っていないとされる.例えぱ,日常の条件文解釈の特徴として,. 30実質含意(Material implication)では,P→qという条件命題全体の真理値は前件が 真で後件が偽である時のみ偽であると決められている. 31 とnot−qの組み合わせはどちらの真理値表においても偽とされることは同じである. が,もし協力者が不完全真理値表に従うなら,not−Pを含む事例はその真偽を規定するこ とができないため,not−qカードを用いた検証が完全には行なえない可能性がある..                 20.

(23) 条件文を双条件的に解釈する傾向のあることが示されている(Taplin& Stauden皿ayer,1973).双条件解釈とは先にも述べたが,例えば「Aなら. ば9」という条件文に「9ならばA」や「Aでないなら9でない」という 意味を含むものとして解釈することである.これは日常的な条件文の理 解になされている場合も多く,「お天気なら運動会がある」との文は「運 動会があるならお天気だ」と容易に解釈することができる..  Wason選択課題にこの解釈を適用すれば,qの裏はpである必要があ. るのでq選択が多いことを説明することができる(Johnson−Laird& Wason,1970).しかし,より厳密に考えるなら,この解釈のもとでは4 枚のカード全てが選択される必要がある32.全カードを選択する協力者. の比率はpとqカードを選択する協力者より相対的に低く,正確には双 条件解釈をも行なっていない可能性がある.しかし,条件推論課題では 双条件的に解釈すれば妥当であるDA・ACを多くの協力者が行なうため, 双条件解釈はかなり強固なものであると考えられる..  また,もう1っはJohnson−Laird&Byrne(2002)が指摘するように,. 条件文を連言文(pかつq)として解釈する傾向にあることである.これ は条件文をpであり,かつqであると解釈することになる.連言文はp・. q事例とq・p事例のみが真となり,他はすべて偽となるため,Wason 選択課題では規則の確証のためにpとqカードが選択されることを説明 することができる..  では,条件文の解釈と主観的確率の問題を重ねると,どのような問題 が浮き彫りになるであろうか.実質含意に従えば,条件文の主観的確率 はp・not−q事例の生起確率を1から引いたものと規定できる.しかし,. 32.  p→qではpとnot−qを選択する必要があるのだから,q一〉pを解釈に含めるとqと not−pのカードも選択する必要がある..                21.

(24) 先に述べたように人間は条件文の論理的解釈にナイーブであり,主観的 確率が実質含意に従い解釈されているかは疑問がある.これについては,. 条件文の確率が条件つき確率として認知される可能性のあることが指摘 されている(Stevenson&Over,1995;Liu,Lo&Wu,1996).つまり,. 条件文の確率は,pの時のqの確率として解釈される傾向にあるという ことである.実際,Evansetal.(2003),Evans&Over(2003),Oberauer &Wilhelm(2003)などが,協力者の条件文に対する確率推定値と,条件つ. き確率推定値との相関関係による分析から,協力者は条件文の確率を条 件つき確率として解釈する傾向にあることを示している.  Evans et a1.(2003)の説明によると,実質含意による条件文の確率と 条件つき確率は次のようになる.. P(qlP) =P(TT)÷[P(TT)+P(TF)]33. P(Cond.)ニP(TT)+P(FT)+P(FF).  実際に数値を当てはめると,P(qlp)とP(Cond.)の算出される確率には. 差異があることが分かる.これをWason選択課題に対して当てはめると,. 規則となる条件文の確率の影響とされていたものが,条件つき確率の影 響を受けていた可能性があると考えることができる.. 33この確率計算におけるTの表現は真であることを意味し,Fの表現は偽であることを意 味する.例えば,TFは前件Pが真で後件qが偽を表し,FTでは前件が偽で後件が真の事例 を意味している.P(qIP)はPの時のqの確率である条件つき確率を表し,P(Cond.)は条件 文の確率を意味する..                 22.

(25) 1−9 本研究の目的.  本研究はWason選択課題においてカード選択(仮説検証行動)に対する 条件文(規則・仮説)の主観的確率と確率解釈の影響を検討し,H−A理論 と情報獲得理論の妥当性を議論するものである..  規則の主観的確率がカード選択に与える影響に関する実証的な研究に は,先に述べた研究の他にFiedler&Herte1(1994),Love&Kessler(1995). などがある.しかし,これらの研究はOaksford,Chater&Grainger(1999). が指摘しているように次のような問題点がある.協力者の主観的確率を. 直接操作しているのではなく,実験条件に合わせて他の協力者が主張し た規則を使用することによる問接的な操作であること(Pollard&Evans, 1981),規則の主観的確率そのものではなく,反証事例の生起確率の高さ. やその重要性を強調した操作であること(Pollard&Evans,1983; Fiedler&Hertel,19941Love&Kessler,1995).また,どの研究も協力 者の実質的な主観的確率を測定していない..  Oaksfordeta1.(1999)による研究では最適データ選択理論の立場から,. 規則が信頼できるかどうかの主観的確率の程度によって,先に紹介した 各理論(Oaksford&Chater,1994;Evans&Over,1996b)によって予測さ. れるカード選択頻度が異なるとして実験を行なっている.彼らは規則の. 意味内容により従属モデルの主観的確率を操作した結果,その主観的確. 率の差異はqとnot−qの選択に対してほとんど影響しないとしている34. そして,情報獲得理論を支持し,規則の主観的確率によリカード選択が 影響を受けるとするEvans&Over(1996b)の主張を退けている..  しかし,主観的確率はカード選択に影響しないと主張する彼らの研究. 34情報獲得理論ではルールの真偽についての主観的確率の増減が情報獲得量となるので, その真偽の決定には特別な意味がないのである..                23.

(26) からは,「Believability」の操作として定義された確率が,先に述べた. 確率解釈の問題から考えると,条件っき確率や連言事象の確率(Evanset al.,2003)として協力者が認知している可能性を排除することができな. い.つまり,規則の主観的確率を操作しているとしても,この実験では その確率の性質を判断できないと言える.そのため,カード選択にその. 影響は見られないという結果が得られても,実質含意に従う主観的確率 の影響とすることが可能であるのか疑問が生まれる.さらに言うと,こ の問題は彼らの研究に限ることではなく,先に述べた各研究においても,. 協力者は主観的確率を論理に従い認知しているのか不明確であると考え られる..  そこで実験1では,先にあげたOberauer&Wilhel皿(2003)を参考に, 協力者はWason選択課題において,規則の確率を実質含意に従い解釈し うるか否か検討する.また,その結果として主観的確率がカード選択に 影響を及ぼすか検討を行なう.. 1−10 確率推定とカード選択の予測.  条件文の確率と条件つき確率にっいて,Over&Evans(2003)によると 次のように考えることができる.例えば,「もし,雨が降る(p)ならば傘. を持って行く(q)」という条件文には次の4つの可能性が含まれる.. ①②③④. 雨が降るので,傘を持って行く(p・q) 雨が降るが,傘を持って行かない(p・not−q). 雨は降らないが,傘を持って行く(not−p・q). 雨は降らないので,傘は持って行かない(not−p・not−q). 24.

(27)  彼らはラムジーテスト(R皿esy,1931)の考え方を援用し,協力者は①と. ②の表象となる心的モデルを最初に構成した後に,①と②の確率の相対 的な比較が行なわれるとしている31.そして,not−pの可能性は除外さ. れpの確率をもとにqの確率の判断がなされると考え,協力者の確率推 定を次のように予測している.  P(p・q)36が顕在的又は潜在的にP(p・not−q)と比べて相対的に高くなる. と,P(qip)が高くなり条件文の確率が高く判断される.その逆に,P(p・ q)が相対的にP(p・not−q)より低くなるとP(qlp)が低くなり,条件文の確. 率は低く判断される.つまり,条件文の確率推定にはP(not−p・q)と P(not−p・not−q)が影響せず37,P(p・q)とP(p・not−q)との相対的な判断に. よるものとなる..  しかし,先に述べた実質含意に従うなら,P(not−p・q)とP(not−p・. not−q)も考慮に入れる必要がある.例えば,我々が傘を持って出ると判. 断する時は,雨が降ることが大前提となり,雨が降らないことは考慮の. 対象にあまりならない.そして雨に濡れてしまう確率が,たとえ傘を持 って出なくても濡れない確率(例えば車での移動)より高くなる時に,傘 を持って出ると高く判断するのである.  実験1では,P(p・q)とP(p・not−q)の各事例の生起確率を高・低とそれ. ぞれ操作し,これに伴うP(qlp)とP(Cond.)が先の予測のように導かれる. のか検討する.また,この操作を受けた条件文(規則)を含むWason選択. 31.  ラムジーテストはいわゆるテストではなく,条件文についての確率判断過程を説明す るものである.従来は哲学者によって議論されてきた考え方であり,心理学においては取 り扱われてはいなかった。Ramseyが心理学者ではないため,これを心的過程を説明する ものとしては発展させなかった.この基本的な考え方は条件文を解釈する時,我々は前件 を仮説的に知識にストックし,それを基に後件についての言及がなされるとされている (Over&Evans,2003). 36.   )内の事例の生起確率を表す. 37不完全真理値表に従うと考えることができる..                 25.

(28) 課題を設定する.カード選択に対する影響については,Oaksford& Chater(1994)による情報獲得理論とEvans(1984)によるH−A理論との関 係を中心に検討する..  まず,VanDuyne(1976)などの先行研究から考えると,主観的確率の高. 低によりnot−q選択は影響を受けると予測される.これはEvans& Over(1996a山訳,2000)が注意のシフトとして説明するように,主観的確. 率が低下するとpとqに向いていた注意が,pとnot−qの事例にシフト し,その結果not−q選択が増加すると予測できる..  情報獲得理論で考えると,従属モデルについての主観的確率はカード. 選択に対してその効果をほとんど与えないと考えられる.希有仮定の想 定が妥当であるなら,qカードの生起確率がnot−qカードの生起確率よ り相対的に低い時は情報獲得量の心的計算によってqカード選択が多い. と予測できる.逆に希有仮定に反してqカードの生起確率がnot−qカー ドの生起確率より高くなると,not−qカードがqカードより多く選択さ れると予測できる..  次に,H−A理論からは,潜在的過程での関連性判断によって選択され るカードが決定されているとした場合,一連の確率情報が要因として存. 在しても,カード選択の状況は各条件によってほとんど変化しないと予 測できる.. 26.

(29) 実験1 2−1 方法. 実験協力者.  実験協力者は85名の大学生,平均年齢は20.4歳であった.. 実験課題.  実験課題には項目A・3の2種類の問題が設定された.項目Aでは確率 を解答する確率課題とWason選択課題が設定された(資料参照).選択課. 題は知識依存による解答を避けるため,抽象的課題に近い内容となる問 題を設定した38.この課題は物語の形式をなしており,登場人物である 太郎が夜店でくじ引きをするという内容である39.基本的な想定として. 協力者は箱の中には2000枚のクジが入っていることが教示される.それ ぞれのクジには赤(p)か青(not−p)・当たり(q)かはずれ(not−q)が書. かれていることを示し,色は条件によって変化させた..  2000枚のクジに含まれる各事例の数は,次の表2に示す頻度で条件ご とに設定した.例えば,HH条件ではp・q(赤いくじで当たり)は900枚. 含まれ,p・not−q(赤いくじではずれ)は100枚含まれている.そして not−p・q(青いくじであたり)は500枚含まれ,not−p・not−q(青いく. じではずれ)は500枚含まれている.この情報は物語中に夜店の店員であ. る太郎の知人によって伝えられるという文脈で提示した。各事例の出現. 38主題化促進効果はWason選択課題において重要なトピックの1っである.これは,条 件文で示された規則の内容が協力者の経験と合致すれば論理解の産出を促進させる可能 性のあることを示している.例えばWason&Shapipo(1971)では「マンチェスターに行く なら車で行く」という内容に規則を主題化させ,現実経験と対応させた結果,論理解が促 進されることを見出した.本研究では顕在的に与えられた生起確率の認知の効果に主眼を 置くため抽象的課題の設定を行なった. 39  物語的内容を設定したのは,協力者の問題理解を容易にするためである..                 27.

(30) 頻度はカードの生起確率に関する情報でもあり,例えばHH条件ではpカ. ードがp・q事例とp・not−q事例に計1000枚含まれ,pカードは50%の 確率で出現することになる.. 表2. の 舗 廣 詔. 条件. HH. HL.   P●q. 900. 900    150    .  P・not−q. 100. 900    .  not−P・q. 500. 100    900    900. not−P・not−q. 500. 100    900    900. 事例. LH. LL 50. 50     150.      注)HH条件二p・q事例高/p(Cond.)高 n=21        肌条件=p・q事例高/P(Cond.)低 nニ20        LH条件=p・q事例低/P(Cond.)高 n=23        LL条件=pq事例低/P(Cond.)低 nニ21.  確率課題には3つの質問が含まれ,数値による解答を求めた.質問1 では,基本的な確率計算の問題としてpq事例の全体に対する比率の解 答(連言事象の確率)を求めた.質問2では,太郎が1回くじを引いたと ころ赤色のくじが出た,このくじが当たりの確率とはずれの確率は何% になるかとの内容で,P(qIp)とP(not−qip)の解答を求めた.質問3では,. 友達の花子は太郎がくじ引きをしているのを見て,「赤いくじなら当た り」と考える文脈を設定し,4枚のくじについてどの程度の確率で花子. の言うことが成り立つのか条件文の確率の解答を求めた.次に,Wason 選択課題として花子が「赤いくじなら当たり」の真偽を知るには,どの くじの裏面を確認すべきかを問うた..  項目Bでは過去にWason選択課題について説明を聞いたことや,実際 に解答した経験が無いか先行知識に有無についての質問を設定した..                28.

(31) 実験手続き.  調査は質問紙を用いて集団形式で行なった.質問紙は冊子になってお り,協力者それぞれに1冊づっランダムに配布した.実験者が注意事項. を説明しその後解答が開始された.協力者はまず確率課題を行い,次に. Wason選択課題に解答した.最後に選択課題についての先行知識の有無 に関する質問に解答した.課題は協力者ペースで遂行され,時問制限は 設けなかったが課題配布時間を含めて約15分で終了した.. 2−2 結果.  すべての協力者がWason選択課題についての先行知識を有していなか. った.また,選択課題未解答者のデータを除き,分析は基本的に69名 のデータを対象とした.. 2−2−1 確率課題の結果.  次の表3は各確率解答値の条件ごとの平均と標準偏差を示している. この結果について,P(pq)とP(qlp)が先の予測に従い解答されたもので. あるか確認するために,2要因(4条件×2確率)分散分析を行なった.そ の結果,P(pq)解答値に有意な主効果が見られた(旦(3,64)ニ46.03,p. <.01).また,P(qlp)解答値においても有意な主効果が見られた(旦(3,64). =11.64,夏<.01).次に,LSD法による多重比較を行なった結果,P(pq)解. 答値についてHH条件と肌条件,LH条件とLL条件間には有意な差は見 られず,他の条件間では有意差が見られた(戦=142.70,且<.05).また,. P(qlp)解答値ではHH条件が肌条件より高く,LH条件がLL条件より高 く解答された(塵=505.76,駆.05).. 29.

(32) 3. 出旧. 表. 条件. HH 確率. M   SD.      (45) P(pq)   45.2   7.9. HL. LH. LL. M  SD. M  SD. M  SD. (45). (8). (3). 43.7  5.4. 12.7  16.8.      (90). (50). (75). (25). P(qlp)   70.9  25.8. 47.4  6.6. 55.2  32.4. 26.1  15.1.      (95). (55). (98). (93). P(Cond.)  42.0  36.4. 38.1  16.2. 44.3  24.9. 25.4  18.5. 8.0  12.8.  注)P(pq)=p・qの含まれる確率 P(qlp)=pの時にqが出る確率    P(∼“lp)=pの時にnot−qが出る確率 P(Cond.)=条件文の確率.    ( )内の値は各確率の理論値.  これらの結果は先の予測と一致し,P(p・q)がP(p・not−q)より高いと P(qlp)が高く,P(p・not−q)より低くいとP(qIp)は相対的に低い値が示さ れた..  P(Cond.)は先の予測と一致するように推定されたが,どの条件におい. ても実際の推定値と理論値に大きな差が見られた40.論理に従い確率を 解答した協力者の数を検討するために,P(Cond.)の解答者を理論値解答. 者と非理論値解答者に分け,それぞれの条件で直接確率計算を行なった (両側).その結果,HH条件では理論値解答者が有意に少なく(且二〇.0117),. HL条件においても理論値解答者は有意に少なかった(p一=0.0001).また,. LH条件とLL条件についても,それぞれ理論値解答者は非理論値解答者 より有意に少ない結果であった(E=0.0019;且=0.0019).この結果から,. 40.  P(Cond.)未解答者が複数人おり,各条件での解答者数はHH条件11名,HL条件14名, LH条件10名,LL条件が10名となっている.P(Cond.)と他の解答値の関係を検討する時 に使用されたデータはこの協力者のものによる..                 30.

(33) ほとんどの協力者は条件文の確率を論理に従い認知してない可能性を示 唆することができる.そこで,P(Cond.)がP(pq)やP(qlp)として認知さ. れる傾向にあるのか検討するために,条件ごとにピアソン相関係数を算. 出した.その結果を以下の表4に示している.. 表4 P. ・P. 匁. P n. 笈. 条件. HH. HL. P(pq)一P(Cond.). 一.12. 一.12. 1  2 . P(qlP)一P(Cond.). 一.19. 一.39. 34. 相関関係. LH. LL 一.01. .42.  この結果,LH条件にP(pq)とP(Cond.)の解答値に正の相関が見られた (H1,8)=0.21ユ旦).また,P(qlp)とP(Cond.)の解答値にLH条件とLL条. 件に正の相関が見られたが,有意ではなかった(旦(1,8)ニ0.34,雌1 亙(1,8)ニ0.41,堕).予想外の結果として,HH条件とHL条件に負の相関が 見られた(脳1,8)ニ0.29,雌1旦(1,12)=2.25,瞳)..  これらの結果からは,強い結果であると判断できないが協力者は条件 文の主観的確率を,連言的確率ではなく条件つき確率の近似値とて認知 する傾向にあると考えることができる..  では,規則となる条件文の主観的確率は,Wason選択課題におけるカ ード選択に影響を与えただろうか.次にその結果を示す.. 2−2−2 Waosn選択課題の結果.  表5は各条件での各カードの選択数と選択率を示している.この結果 についてカードを選択することに1点を与える得点化をし,2要因(4条.                31.

(34) 表5  鼠. _ “’巽. 》                   、 ノ. 条件. HH. HL. LH. LL.  P. 14(.82). 16(.89). 13(.68). 16(.84).  q. 12(.70). 12(.67). 11(.58). 13(.68). not−P. 3(.18). 5(.28). 5(.26). 4(.21). not−q. 10(,59). 9(,50). 8(.42). 8(.42). カード. 件×4カード)分散分析を行なった41.その結果,カード選択数に対する 主観的確率の有意な主効果は見られなかった(旦(3,66)=0.13,賂).また,. カードの要因に関しては有意な主効果が見られたが(旦(3,66)=20.77, 亙<.05),交互作用は有意ではなかった(旦(9,66)=0.27,旦旦).次に,主効果. の見られたカードの要因にっいてLSD法による多重比較を行なった.そ. の結果,pカード選択数とq選択数間以外にカード選択数の有意な差が 見られた(幽=0.22,且〈.05)..  この分析からは,主観的確率のカード選択に対する影響は見られなか. った.カードの選択数はどの条件においてもp≧q>not−q>not−pの 順で多い傾向にあり,この傾向は抽象課題を用いたWason選択課題によ って得られている従来の結果と同じ傾向を示している.次にカード選択 の傾向をより検討するために,選択パターンに分けた分析を行なった..  次の表6は各条件の各カード選択パターンの度数と条件内での比率を 表している.この結果について主観的確率の要因とカード選択パターン. 畦1.  対応がない3条件以上の度数の検定には通常π.検定が適用される.しかし,表5に示 すデータは各カテゴリー(カード)の度数が独立ではない(同一協力者による複数選択を含 む).そのため,π.検定は不適切であると考えた..                 32.

参照

関連したドキュメント

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A

FSIS が実施する HACCP の検証には、基本的検証と HACCP 運用に関する検証から構 成されている。基本的検証では、危害分析などの

[r]

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

選定した理由

KK7補足-024-3 下位クラス施設の波及的影響の検討について 5号機主排気筒の波及的影響について 個別評価 (確認中).

救急現場の環境や動作は日常とは大きく異なる

[r]