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JAIST Repository: Cat-CVD法を用いて作製する薄膜トランジスタの研究

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Academic year: 2021

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(1)JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/. Title. Cat-CVD法を用いて作製する薄膜トランジスタの研究. Author(s). 西崎, 昭吾. Citation Issue Date. 2009-03. Type. Thesis or Dissertation. Text version. none. URL. http://hdl.handle.net/10119/8005. Rights Description. Supervisor:松村英樹 教授, マテリアルサイエンス研 究科, 博士. Japan Advanced Institute of Science and Technology.

(2) 1. Cat-CVD 法を用いて作製する薄膜トランジスタの研究. 松村研究室. 640008. 西崎 昭吾. 研究の背景 現在のディスプレイには単に映像を映すだけではなく、薄くて軽量、高精細、低価格であるなど の要求がある。その中でも、有機 EL ディスプレイ (OLED) は、液晶ディスプレイ (LCD) に比べ て、コントラストや応答速度に優れた特長を持ち、次世代のディスプレイとして注目されている。 LCD の画素駆動素子としてアモルファス・シリコン (a-Si) を用いた薄膜トランジスタ (TFT) が広 く用いられているが、一般のプラズマ化学気相成長 (CVD) 法を用いて作製する a-Si TFT には、動 作中の特性変動が OLED の輝度を減少させる問題があるため 1-7)、現在の OLED の画素駆動素子に は多結晶シリコン TFT (poly-Si TFT) が用いられている。 poly-Si TFT は高い電流駆動性と安定性を持つが、a-Si の製膜後にレーザー照射により多結晶化す る工程が入るため、大画面化が難しく、低価格化を実現させるのが困難であるといった問題がある。 そこで、poly-Si TFT と同程度の駆動能力をもち、OLED の駆動時に TFT の特性劣化が無い a-Si TFT を作製することができれば、大型基板上に OLED を安価に生産可能になることが期待できる。 一方、我々の研究室では、PECVD 法に代わる新しい薄膜堆積法として、加熱触媒体と原料ガス 分子の接触により生成される分解種を薄膜堆積種に用いる、触媒化学気相成長 (Cat-CVD) 法を開 発してきた。この方法で作られる a-Si 膜は、従来膜と異なり、光照射や電流印加に対する特性変動 が少ないことを明らかにしてきた。そこで、Cat-CVD 法を用いて、poly-Si TFT と同程度の駆動能力 と高い安定性を持つ a-Si TFT の作製を試みた。 研究目的と調査内容 本研究は、Cat-CVD 法により作られる TFT 用の各薄膜の諸特性と堆積パラメータの関係を明ら かした上で、それらの膜を用いて、OLED の画素駆動が可能な水準の、高い電流駆動性と安定性を 持つ a-Si TFT を実現することを目的としている。その目的を達成するため、以下の各項を検討した。 ① Cat-CVD 法を用いて良好な電気特性と高い安定性を持つ a-Si TFT を作製する。具体的には、a-Si TFT に使用する下地ゲート電極、シリコン窒化膜 (SiNx 膜)、a-Si 活性層などの膜特性を評価し、 それらの膜特性が a-Si TFT の電気特性に与える影響を調査する。 ② Cat-CVD a-Si TFT の特性変動の要因を明らかにする。具体的には、バイアス印加、光照射、電 流などの様々なストレスに対する a-Si TFT の特性の変化を調査する。ストレスに対する特性変動 の要因を明らかにすることにより、安定性の高い a-Si TFT の作製が期待される。 ③ 従来の PECVD 法を用いて作製する a-Si TFT と、Cat-CVD 法を用いて作製する a-Si TFT の電気 特性と安定性を比較する。従来の PECVD a-Si TFT との特性の差異を明らかにすることにより、 その特長を活かしたデバイス作製を期待することができる。また、本研究で作製した Cat-CVD a-Si TFT を OLED の画素駆動素子に用いたときの信頼性を検討する。 実験結果および考察 ① 下地ゲート電極材料の調査においては、SiNx ゲート絶縁膜のリーク電流密度は、Al, Ti, Cu, Cr のどの電極上においてもほぼ一定値を示したが、Cr を用いた時の絶縁破壊電界が他の電極に比べて 高くなることが明らかになった。Cr 電極が相応しい電極材料である理由として、ガラス基板とゲー ト電極材料との線膨張係数差が最も小さく、SiNx 製膜時に形成されるヒロックが少ないことが原因 の一つであると考えられる。 a-Si の製膜時において、触媒体温度と触媒体基板間距離が膜質を大きく変化させるパラメータで あることが明らかになった。その他にも、製膜時の基板温度、SiH4 と H2 の原料ガスの流量比、製.

(3) 2. 膜圧力なども a-Si の膜質を変化させるパラメータであり、それらを調整することにより 1015 /cm3 台の比較的低い欠陥密度を持つ a-Si の製膜が可能になった。触媒体基板間距離の違いはサブスレシ ョルドスウィング (S 値) を変化させ、触媒体温度の違いはオフリーク電流を変化させることが明 らかになった。どちらの場合においても原子状水素の影響によるものである可能性が高く、a-Si の 製膜時に原子状水素によるダメージを低減させる必要があることが明らかになった。 SiNx の製膜時において、SiH4 と NH3 の原料ガス流量比と触媒体基板間距離は、欠陥密度を大きく 変化させるパラメータであることが明らかになった。SiH4 と NH3 の原料ガス流量比の違いは初期の 安定性に大きな違いを生じさせ、また、触媒体基板間距離は S 値に影響を与えることが明らかにな った。それぞれの結果は、SiNx 膜中の Si 欠陥が電子をトラップするためであることと、原子状水 素により形成される界面準位密度の差により生じている可能性があることが明らかになった。 ② 短時間の電流ストレスにおける閾値電圧のシフト量は、その電流値に依存せず、電流値を変化 させるドレイン電圧に依存することが明らかになった。ドレイン電圧が最も小さいときにシフト量 は大きくなり、ドレイン電圧を大きくするにつれて減少した。この結果より、短時間の電流ストレ スに対する a-Si TFT の特性の変動は a-Si 膜の劣化によるものではなく、SiNx 膜に注入される電子に より生じている可能性が高いことが明らかになった。 1 分間のゲート電極へのバイアスストレスに対して、立ち上がりの電圧が正方向に水平にシフト した。印加電圧が大きいほどそのシフト量が増加した。バイアスストレス印加前後において、S 値 と移動度は変化しなかった (図 1)。この特性の変化は SiNx 膜中への電子の注入により引き起こされ ていると考察した。 AM-1.5 の疑似太陽光の照射時間を増大するにつれて S 値が増大した。これは SiNx 膜と a-Si 膜の 界面準位密度の増加により引き起こされていると考えられる。一方、立ち上がりのゲート電圧は変 化せず、SiNx 膜中への電子の注入が無い可能性があると推測した (図 2)。 長時間の電流ストレスを a-Si TFT に負荷し続けた時、S 値は変化しないが立ち上がりのゲート電 圧が正方向にシフトした (図 3)。この結果は疑似太陽光を照射した時に得られた結果とは異なり、 バイアスストレスを印加した時と同じ結果を示した。以上の結果から、長時間の電流ストレス後に a-Si 膜の劣化による a-Si TFT の特性の変動が無いこと、すなわち、SiNx 中への電子の注入のみによ り TFT の電気特性が変化する可能性があることが明らかになった。バイアスストレスに対する安定 性は、SiNx 中の欠陥密度に大きく依存することが明らかになっている。このことより、SiNx 膜を低 欠陥化させることにより、高い安定性を持つ a-Si TFT を作製することが期待できる。 ③ Cat-CVD 法で作製する a-Si TFT は、PECVD 法で作製する a-Si TFT に比べて、オフリーク電流 が 1 桁から 2 桁程度低いことが明らかになった (図 4)。これは、Cat-CVD 法には、プラズマ中の荷 電粒子や電子による a-Si 膜中へのダメージによって引き起こされるオフリークの増大がないため であると考察した。Cat-CVD a-Si TFT は、PECVD a-Si TFT と比べて、バイアス温度ストレスに対 して高い安定性を持つことが明らかになった (図 5)。 オフリーク電流が小さいことを利用して、チャンネル幅の大きな Cat-CVD a-Si TFT を試作した結 果、オフリーク電流を 10-13 A 程度に保ったまま 10-4 A 以上の高い駆動能力を持つ a-Si TFT を作製 することができた(図 6)。この結果は、 従来の poly-Si TFT で得られる駆動能力と等しい水準であり、 大画面 OLED を実現するための架け橋となることが期待できる。 Cat-CVD 法を用いて作製した a-Si TFT は、OLED の画素を駆動させるに十分な駆動能力を持つこ とが算出された。現時点で見積もられる OLED の寿命は 916 時間程度であることが見積もられたが、 SiNx 膜中の欠陥密度を低減させることにより、更なる長寿命化を可能にすることが期待できる。 本研究で得られた結果は、将来、Cat-CVD 法を用いて良好な特性を持つ a-Si TFT を作製するため に必要不可欠であり、更に安定性の高い a-Si TFT を作製するための基礎となる。本研究で得られた 技術基盤を応用し、高い安定性をもつ OLED を a-Si TFT で作製することにより、低コスト化と大画 面化の両方が実現されたディスプレイの作製が期待される。.

(4) 3. Measurement condition V d = 4 V. Measurement condition V d = 4 V -5. W/L=250/50 µm 10 -6 10 10-7 10-8 Stress condition 10-9 (Vd=0 V) -10 10    initial -11 10 Vg=5 V 10-12 Vg=10 V Vg=20 V 10-13 Vg=30 V -14 10 Vg=40 V -15 10 -5 0 5 10 15. Drain current (A). Drain current (A). -5. W/L=200/10 µm 10 -6 10 10-7 10-8 10-9 10-10 10-11 10-12 10-13 10-14 10-15 -5 0. 図 1. バイアスストレスに対する伝達特性の変化. 10-5 W/L=250/50 µm 10-6 10-7 10-8 Stress time (s) 10-9 initial -10 20 10 60 -11 10 200 10-12 2000 5000 10-13 10000 -14 10 20000 10-15 -5 0 5 10 15. 10-5 W/L=23/4 µm 10-6 10-7 10-8 10-9 10-10 10-11 10-12 (cm2/Vs) 10-13 PECVD 0.58 10-14 Cat-CVD 0.62 10-15 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20. Drain current (A). Drain current (A). 図 2. 光照射に対する伝達特性の変化 Measurement condition V d = 10 V. Measurement condition V d = 4 V. Gate voltage (V). 図 4. PECVD 法と Cat-CVD 法を用いて 作製した a-Si TFT の伝達特性. Stress condition 60oC V d=20 V, Vg=-10 V. Drain current (A). Threshold voltage shift (V). PECVD a-Si TFT Cat-CVD. 10-1 100. 101. 102. 103. 104. ON/OFF 106-7 8-9 10. Gate voltage (V). 図 3. 電流ストレスに対する伝達特性の変化. 100. 5. Gate voltage (V). Gate voltage (V). Irradiation time (s) initial 10 20 50 100 200 500 1000 2000 5000 10000 20000 72200 110000 200000 10 500000. 105. Stress time (sec) 図 5. PECVD 法と Cat-CVD 法を用いて作製した a-Si TFT のバイアス温度ストレスに対する 閾値電圧のシフト量. 10-3 10-4 10-5 10-6 10-7 10-8 10-9 10-10 10-11 10-12 10-13 10-14 10-15 -5. W/L=4/4 m =210 cm2/Vs poly-Si TFT LDD-poly-Si TFT Cat-CVD a-Si TFT L: 5 m W: 5000 m W: 1000 m W: 25 m. 0. 5. 10. 15. 20. Gate voltage (V) 図 6.異なるチャンネル幅を持つ Cat-CVD a-Si TFT と poly-Si TFT の伝達特性.

(5) 4. 参考文献 1) M. J. Powell, C. van Berkel, and J. J. R. Hughes: Appl. Phys. Lett., 54 (1989) 1323. 2) M. J. Powell: Appl. Phys. Lett., 43 (1983) 597. 3) A. V. Gelatos and J. Kanichi: Appl. Phys. Lett., 57 (1990) 1197. 4) F. R. Libsch and J. Kanicki: Appl. Phys. Lett., 62 (1993) 1286. 5) A. R. Hepburn, C. Main, J.M. Marshall, C. Van Berkel, and M. J. Powell: J. Non-Cryst. Solids, 97&98 (1987) 903. 6) Y. Kaneko, A. Sasano, T. Tsukada, R. Oritsuki, and K. Suzuki: Conference on Solid State Devices and Materials Ext. Abst., (1986) 699. 7) C. OH, I. Chung, W. Kim, J. Hwang, S. Lee, Y. Kim, J. Park, and M. Han: Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 284 (1993) 419.. 目次 第1章. 序論 ············································································································································· 1. 第2章. PECVD 法と Cat-CVD 法の原理と特長 ·················································································· 11. 第3章. 試料作製方法と評価方法··········································································································32. 第4章. ボトムゲート電極材料の適合性 ······························································································41. 第5章. Cat-CVD 法を用いて作製する a-Si 膜の膜質評価··································································47. 第6章. Cat-CVD 法を用いて作製する SiNx 膜の膜質評価·································································72. 第7章. Cat-CVD 法を用いて作製する a-Si TFT の電気特性······························································ 96. 第8章. Cat-CVD a-Si TFT の閾値電圧シフトの要因 ·········································································125. 第9章. PECVD 法と Cat-CVD 法により作製した a-Si TFT の電気特性の比較と 有機 EL 画素駆動素子への応用 ···························································································144. 第 10 章. 総括 ········································································································································163. 付録 ·························································································································································168 参考文献··················································································································································174 主要な成果の概要 ··································································································································182 謝辞 ·························································································································································185. 主な業績 1) Shogo Nishizaki, Keisuke Ohdaira, Hideki Matsumura, “Study on Stability of Amorphous-Silicon Thin Film Transistors Prepared by Catalytic Chemical Vapor Deposition (Cat-CVD)” Japanese Journal of Applied physics, 47, (2008) 8700-8706. 2) Shogo Nishizaki, Keisuke Ohdaira, Hideki Matsumura, “Comparison of a-Si TFT’s fabricated by Cat-CVD and PECVD method” Thin Solid Films. (In press) 3) R. E. I. Schropp, S. Nishizaki, Z. S. Houweling, V. Verlaan, C. H. M. van der Werf, and H. Matsumura: Solid-State Electron. 52 (2008) 427-431..

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参照

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