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コーティング工具による難削材二次元切削の摩耗プロセス: University of the Ryukyus Repository

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Title

コーティング工具による難削材二次元切削の摩耗プロセ

Author(s)

銘苅, 春榮; 福本, 功; 真喜志, 隆; 平井, 敏雄

Citation

琉球大学工学部紀要(45): 13-20

Issue Date

1993-03

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/13187

Rights

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琉球大学工学部紀要第45号,1993年 13

コーティソグエ具による難削材二次元切削の摩耗プロセス

銘苅春榮*福本功*真喜志隆*平井敏雄**

ToolLifeProcessesinOrthogonalCuttingofDifficult-to-Machine

MaterialsbyCoatingTooIs

ShuneiMEKARU*IsaoFUKUMOTO*TakashiMAKISHI*ToshioHIRAI**

Thispaperpresentsquantitativeinformationoncoatingtoolwear,shape,structureand generalbehaviorofthetoollifeprocess・Thecuttingofdifficult-to-machinematerialsisessen‐ tiallyattributedtotheirparticularmaterialpropelities,wherehighhardnessandstrengthof thematerialsrequirelargercuttingforces,andsuchincreasedforceneedsgreatertoolsand causerworkdeflection,increasedworkinputandfrictionlosswithgreaterheatgenerationand highercuttingtemperature・ Thissubjectwasbroughtupaspartofseriesofresearchesonthecuttingofmaterialsdif ficulttowork,Suitablecoatingmaterialandcuttingconditionwereinvestigatedanddeter‐ minedtoimproveremarkablytheservicelifeofthetoolsforcuttingofstainlesssteelsus304 Thedisplacementofcuttingedgeandcuttingtemperaturedistributioninthetoolwerecal-culatedbyusingtheFiniteE1ementMethod. Keywords:Orthogonalcutting,cuttingforces,Cuttingtemperature,SEMP1asmasprayed coatingtool,Microdestruction,Cuttingtoollife. 1.緒言 的性質によって当然異なってくる. 本報では,SS41鋼材にプラズー 材のコーティング層を形成して’1 本報では,SS41鋼材にプラズマ溶射法により硬質 材のコーティング層を形成して,切削工具を製作し, 代表的難削材である高強度で延性材のSUS304,高硬 度のSK3とSGPの切削試験を行った. この種の材料の加工では切削による切削抵抗と工具 の温度上昇が工具寿命と密接な関係があると考えられ るため,切削抵抗と工具温度の変化を測定した.さら に,切削寿命試験を行い工具寿命への影響因子等につ いても明らかにする. 切削加工において被加工材料は切削工具より局部的 に大きな塑性変形を受け,せん断破壊によって分離さ れることが多いので,むしろ破壊加工とも言うべきも のである.切削加工現象は破壊現象が複雑であると同 様に加工条件の多様性を考えると,それ以上に複雑多 岐にわたるものと言えよう.被加工材料に起因する難 切削加工では,被加工材料が硬いために切削工具が破 損する.また粘い場合には凝着,チッピング,異常摩 耗])2m),を起こす.これらの場合には被加工材料に起 因する難切削加工と言えよう.被加工材料が切削工具 に及ぼす影響等については,被加工材料の種類と機械 受理:1992年11月9日 *琉球大学工学部機械工学科 DepLofMechanicalEng.,Fac・ofEng. **東北大学金属材料研究所 InstituteforMaterialsResearchTohokuUniversity.

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銘苅・福本・真喜志・平井:コーティングエ具による難削材二次元切削の摩耗プロセス 14 2.実験方法 0.21mmである.SS41の硬度がHV150に対し,コー ティング層の硬度がHvl450と母材硬度の約10倍とな っている.(b)はSS41を冷間圧延加工で表面硬度を Hv250にしてCrB2粉末を溶射したものである.コー ティング層はHvlOOO程度である.(c)は溶射母材が 被加工材料と同一のSUS304で溶射粉末はNi-Cr系 の自溶合金の場合である.コーティング層の硬度は Hv870と前者に比べて低い.このごとくコーティング 層の硬度はCrJC2が最も高く,ついでCIB2とNi-Cr である.上記のコーティング材料を12mm×12mmの 正方形に切り出しコーティングチップとした. 切削試験は池貝ED-l8型旋盤を用い,切削抵抗は 佐藤工機製AST式切削動力計により測定した.切削 工具の温度変化は切刃部近傍に放電加工機により小穴 をあけ,クロメルーアルメルの熱電対をさし込み工具 の温度変化を測定した.さらに,有限要素法により切 削工具の温度解析を行い測定結果と比較検討した. 本研究ではコーティングエ具による難削材切削にお ける工具寿命向上の方策を明らかにすることに重きを おいているので,切削温度と工具摩耗がどのように変 化していくかを見るため,無潤滑の条件で切削試験を 行った.切削工具の摩耗量の測定は適当な切削量毎に 形状測定機を用いて測定し,切り刃部の観察は日本電 子JSM-25SⅡ型電子顕微鏡を用いた. 5.実験結果 5.1二次元切削におけるすくい角と切削抵抗の関係 ステンレス鋼等の切削における寿命因子を明らかに するため図2に示すように二次元問題としてパイプ端 面の二次元切削を行った.工具刃先の温度は同図(b) のように刃先からすくい面上で1mm,逃げ面上で075 mmの工具内部温度変化を測定した. 切削工具の刃先形状は切削抵抗に最も大きな影響を 及ぼす.Merchant4)によれば最小エネルギ法による解 析で切削抵抗にもっとも大きな影響を及ぼすのはすく い角で,すくい角が増加すれば切削抵抗が減少すると 報告されている.SUS304の二次元切削におけるすく い角の影響を明らかにするため,逃げ角を6.と一定 としてすくい角を0。~30.まで変化させて切削試験を 行った切削速度は18.4m/min,送り01mm/rev と一定とした.図3(a)は高速度鋼SKH57のすくい 角を変えて切削距離と切削抵抗の関係をプロットし 3.被加工材料 被加工材料はSUS304の冷間圧延鋼管と高炭素鋼 SK3,炭素鋼管SGPの三種を用いた.被加工材料の 機械的特性を表1に示す. 4.切削工具の製作 切削工具は一般構造用鋼SS41とステンレス鋼SUS 304の二種のクローム系粉末Cr3C2,CrB2,Ni-Cr等 の粉末をプラズマを熱源として溶射した.プラズマガ スはAr+Heを使用した.溶射断面の代表的組織と 硬度分布を図1に示す.同図(a)はSS41を母材と してCr3C2粉末を溶射したもので,溶射皮膜厚さは約 TableLMechanicalpropertiesofworkmaterialtested 739.4 265~275 740 280~310 410 7.6 180~250 U1timate strength (Mpa) Total elongation (%) Vickers hardness (Hv) outside diameter (m、) Thickness ofplpe (m、) SUS304 739.4 41 265~275 38.0 16 SK3 740 19 280~310 SGP 410 27.6 180~250 30.9 L6

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琉球大学工学部紀要第45号,1993年 15 momonofsource reユativetotube DaUユn反一HRR② 眼 Horizontaユ cuttinETor ⑲ 000 505 11 (zm・寸已。。]) 玉.馴曵も曰二いむ甘三 SIvntkesiscuttinm f、orce a)measurementofcuttingforce ユ00m、 0.20.100.10.2(m、)

CO職一一_+---…metal

a)basemetalSS41coatingpowderCr3C2 b)measurementofcuttingtooltemperature

Fi92.Schematicillustrationfororthogonal

cuttingofthin-walledtube 000 000 505 11 (奇手ロ8]) 幸一・剛與もb二nb苛三 エ 0 0.20.100.10.2(m、)

Col瀞---+----Basemeta1

0 0 0 0 0 5 1 (z)8」。」⑦こ』]ぢC b)basemetalSS41coatingpowderCrB2 050100150 CuttingLen9th(、) Effectofrakeangleoncuttingforceandlength relationofstainlessSteel,atdepthofcutofO1 mm,andfeedofOlmm/rev a)cuttingtoolSKH57 000 印叩印 11 (zの手で叉。) 王.川田もb衞句で』ン 0 -0.20.100.10.2(m、)

CO兼鶴一一トーーBasemetal

c)basemetalSUS304coatingpowderNi-Cr FiglPhotographofcrosssectionofplasma sprayedcoatingtools

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銘苅・福本・真喜志・平井:コーティング工具による難削材二次元切削の摩耗プロセス 16 80 5.2有限要素法による切削温度の解析 切削工具寿命への大きな影響因子の一つとして刃先 の温度がまず挙げられる.通常の切削過程では切削の 際に加えられた仕事量の大部分が熱となり,その一部 が工具に流入し工具温度を上昇させる.実際の切削加 工では発生した熱を潤滑油剤等で冷却し,工具の温度 をある一定温度の平衡状態に保つことが行われている が,本実験では無潤滑による切削とした.切り刃先端 部の温度を直接測定することは極めて困難を伴うので 有限要素解析と直接測定による外挿法を採用した. 有限要素法による温度解析では,要素数が多いほど 正確な解析ができるが,ここでは工具刃先近傍の要素 分割を細かくし,刃先から離れたところでは大きな分 割とした.工具の要素分割と計算で用いた機械的及び 熱的諸定数を図4と表2に示す. 本解析において大気との熱伝導率を3.3×lU9kcal/ mm2.S℃,工具の熱伝導率1.28×10~5kcal/mm2.S ℃とした. 0000 000 64 2 (z)。○ぬ。』…ローa 〔〕 051015202530 RakeaJmebMo) b)cuttingtoolsSKH57andCr3C2coating Fig3Effectofrakeangleoncuttingforcework-pieceofstainlesssteelatdepthofcutof OlmmandfeedofO1mm/revcutting lengthlOm た.同図のようにすくい角が小さい場合0゜と10゜では 垂直分力,水平分力ともに大きい.すくい角0゜では切 削初期から両分力とも急激に増大し切削不能となっ た.しかし,すくい角15.と30。では両分力とも小さ く130m切削後でも安定した切削状態を維持してい る.図(b)はコーティング工具と高速度鋼工具のす くい角の影響を明らかにするため,切削距離10mに おける切削抵抗の変化を比較した.同図のようにコー ティングエ具が高速度鋼よりも幾分切削抵抗が大き い.コーティングエ具のすくい面は溶射したままの 状態で表面アラサRmax50似、,高速度鋼は研削仕上で Rmx6’mとなっており,この表面アラサの差による影 響と考えられる.垂直分力Fvが水平分力FMの約2 倍となっている.すくい角が小さい場合にはFv,FH とも大きく,すくい角を大きくするにつれ減少する傾 向を示す. 二次元によるSUS304の切削ではこのごとく,すく い角による影響が大きく,すくい角を大きくすると切 thennocoup1e thennocoup1e E_二J Fig4Geometryofthemodelsforfiniteelement

analysisandpositionofthermocouples.

Table2.Standardmechanicalpropertiesandthermalpropertiesforthehighspeedtool. 215xIO 0.28 13.Ox10 l2x10 7.8×10 削抵抗も低下するが,本報では工具寿命に及ぼす影響 因子を明らかにすることに重さをおいているので過酷 な条件としてすくい角10.,逃げ角6.と一定とした. 実際の切削では工具に流入する熱はすくい面ばかり でなく逃げ面からも流入するが,ここではすくい面か ら図5のような三角要素の辺から流入する分布熱流束 Young,s modulus (kg/m、) Poisson's ratie Thermal conductivity (kcal/m、.S℃) Coefficient heattransfer (kcal/m、.S℃) Thermal expanslon (1/℃) Specific heat (kcal/k9.℃) Density (kg/mm3) 215×104 0.28 l28x1C「5 3.3×109 13.0×10「6 1.2×10「 7.8×10「6

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琉球大学工学部紀要第45号,1993年 17 とした. 5.3コーティング工具によるSUS304の切削試験 被加工材料と同等な材料SUS304とSS41にプラズ マ溶射法で表面改質を行い切削工具を製作した.母材 SS41は冷間圧延加工により表面硬度をHvl50,200, 250と硬度を変え硬度変化による影響を追究する.表 面硬度の異なる三種の材料に同一条件でCr3C2粉末を 溶射して,コーティング工具を製作し被加工材料SUS 304の切削試験を行った.切削速度11.5m/minと18.4 m/minでは130m切削後でも切削抵抗,切削温度の 急激な増加もなく安定した切削状態であったが,切削 速度28.7m/minでは硬度の異なる三種の工具とも切 削距離28~31mで切削抵抗,切削温度の急激な増大 によって切削不能となった.硬度変化HvlOO程度で は明瞭な差は認められなかった.図1に示したような コーティング工具と高速度鋼を用いてSUS304の切削 寿命試験を行った.垂直分力と水平分力の変化を図7 に示す.Ni-Cr系のコーティングと高速度鋼SKH57 heatflow source mFiG

Z硯Z■、~L」

団■囚Z■---

mNZl--UP

Lニニヨコ

Fig5Finiteelementanalysisandheatflow source. 高速度鋼SKH57によるSUS304の切削特性は前 報5)61718)'1で述べたように切削開始から切削不能に至る 経過は切削抵抗,工具温度とも2度の急激な上昇が見 られる.切削開始から最初の上昇を第1ステージ,次 の上昇を第2ステージとして分類した.熱電対による 実測値と計算値を図6に示す.同図のように第1ステー 0 0 0 1 (二・一.○一七①シ) ◎副O(57 ▲CrB8 qQbc8 vNl-Cr Vbo1a4m/min f■0.WTV、/、v 0 0 5 の。」。」ロロ一迫。。 000000 000000 654321 50 CuttingLen9th 100 (、) 150 0 Estimoted(ed9e) (。。)の」B2のQEの』 ----Meosurod(l1pm)

~EStimoted(1mm)

/Meosu「ed(cente「) a)verticalfOrce 0 0 0 0 0 5 1 (zo-BEoN』」oエ)8」。」gE8 Estlmqted(center) 0 100 200 300 Cuttin9Time(sec) Fig6Measuredandcalculatedvaluesoftool temperature. ジの刃先温度は約260℃,第2ステージの刃先温度が 470℃と推定できた.刃先部の温度解析の妥当性は前 報6171とほぼ一致した. 一般に高度鋼の高温硬さは500℃付近から急激に低 下すると言われており,工具刃先部の温度上昇が工具 寿命に大きな影響を及ぼす. 0 50100 CuttingLength(、) b)horizontalforce 150 Fig7・Toollifecurveofcoatingtoolsinmachinig ofstainlesssteelatcuttingspeedofl84m /min

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銘苅・福本・真喜志・平井:コーティングエ具による難削材二次元切削の摩耗プロセス 18 て製作した工具である.切削速度が18.4m/min以下 では135m切削後でも垂直分力,水平分力とも安定し ている.しかし,V=28.7m/minでは切削量の増加 にともない両分力とも急激に増大し,9.1m切削後に びびり振動を生じ,その後しばらく不安定な切削状態 が続き23.5mで切削不能となった.切削温度の変化は 図9に示すように,切削速度が18.4m/min以下では では40m切削後において急激な垂直分力と水平分力 の増大と工具温度の増大により切削不能となった.こ れに対しCr3C2,CrB2のコーテイングエ具では130m 切削後でも安定した切削状態であり,同時に測定した 工具温度の変化も130m切削後でも100℃以下と切削 初期とほとんど変化がなく安定しておりコーティング の効果が顕著であることが分かる.SKH57では切削 抵抗の変動が見られるのに対し,コーティング工具で は切削抵抗の変動は認められない.このごとく,コー ティング母材硬度が被加工材料の硬度よりも低くとも コーティングによる表面硬化法により,被加工材料の 硬度よりも高くすることで切削工具として十分使用可 能であることが明らかとなった. 切削抵抗及び工具温度は切削速度と密接な関係のある ことが明らかとなったので,切削速度を11.5m/min, 18.4m/min,287m/minと変化させて切削寿命試験 を行い,垂直分力と水平分力の変化をプロットした. 図8はSS41(Hvl50)にCr3C2粉末をコーティングし 500 0000 0000 4321 (○・)①旨ぢbgこのレワロ』吾。 050100150 Cuttin9Len9th(、)

Fig9Too11ifecurveofCr3C2coatingtoo1sin

machinigofstainlesssteelforcuttingtem‐ perature 。V■11.5m/mIn ▲V■18.4m/inln oV画28.7m/mIn Crbq f■0.1mm/rov 0 0 0 0 0 5 1 二.-8や句ン)88」□E苔。 120℃程度と安定しているが,V=28.7m/minは工具 温度の増加率が1m当り6.5℃となっており,工具温 度は安定した状態を示すことなく切削不能となった. このごとく工具寿命は工具温度による影響の大きいこ とが明らかとなった. コーティング材料による工具寿命の差を明らかにす るため,切削速度V=28.7m/minでSUS304の切削 寿命試験を行い,工具温度変化をプロットした.図10 に示すようにいずれの工具とも温度の急激な増大によ 50100 Cuttin9Length(、) a)verticalforce 0 150 0 0 0 0 0 5 1 (二・一BEoN-」◎エ)8」。」ロロ垣。。 。V■11.5m/mln △V■18,4m/mln oV■28.7m/mIn CrbCO f-0.1ImVmv 500 V■28.7m/mln化0.1mm/rev ◎副(H57 △CrB8 DCnCO ▼N1-Cr 0000 0000 4321 (。。)①旨ぢむ8句』ロ巨瑁。。 50100 Cuttln9Len9th(、) b)horizontalforce 0 150 0102030405060 Cuttln9Len9th(、) Fig8ToollifecurveofCr3C2coatingtoo1sin machinigofstainlesssteelforcutting speedcuttingforce FiglOToollifecurveofcoatingtoolsinmachi‐ nigofstainlesssteelforcuttingtemper-ature,cuttingspeedof287m/min

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琉球大学工学部紀要第45号,1993年 19 って切削不能となった. SUS304を切削速度V=28.7m/minで切削したと ころいずれの工具とも構成刃先が発生するが,Cr3C2 粉末をコーティングした工具について詳細に観察し た.切削距離9.8m近傍でコーティング切り刃部に構 成刃先が発生し,これが成長,脱落する際にコーティ ング層の一部も剥ぎとり,切れ味の低下と工具温度の 増大により母材の軟化による急激な切削抵抗の増大に よって摩耗し,ついには母材表面が露出しすくい面か ら逃げ面にかけて大きくえぐられて切削不能となった. その摩耗プロセスを図11に示す.同図はSS41(Hv l50)の母材にCr3C2粉末をコーティングした工具で ある.同図(a)では切刃部に構成刃先が認められる. この構成刃先が成長し脱落する際にCr3C2コーティン グ材料と同時に持ち去るため,(b)のようにコーティ ング層がえぐられたようになっているのが観察できる. 1

c)coatingtoollife

FiglLTypicalwearpatternsofplasmasprayed

Cr3Cr3coatingtoolinmachiningstainless steelatcuttingspeedof287m/mindepth ofcutO1mmandfeedof0.1mm/rev. ついには(c)のようにすくい面から逃げ面にかけて 大きくえぐられたような状況を呈し工具寿命に至る.

蝋・MII(liiiiiiiiiii鑿iiii

5.4切屑の形態 二次元切削の切屑生成は切れ刃と切削主運動の方向 が互いに直角で,かつ主運動を含む切れ刃に直交する 平面に平行に切屑が排出される. a)built-upedge 聯一好“ ]、Tl  ̄ヨ

艤蕊鑿|蕊!i獺

a)cuttingspeed18.4m/min

…噸鰔-灘

b)cuttingspeed287m/min

Figl2、Chipsproducedbydry-machinigthe

stainlesssteelwithaCr3C2coatingtool b)fallingofbuilt-upedge

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銘苅・福本・真喜志・平井:コーティングエ具による難削材二次元切削の摩耗プロセス 20 い、しかし,切削速度を287m/minとすると切削 抵抗,工具温度の急激な増大によって工具寿命は SKH57とほぼ同程度となった. 4)SUS304の切削で,切削速度を28.7m/minにする と,コーティング層の表面(すくい面上)に構成刃 先が凝着し,これが脱落する際にコーティング層の 一部も剥ぎとる.この現象が繰り返され,ついには 母材表面が露出し,切れ味の低下と工具温度の増大 によって軟化し,びびり振動を伴いすくい面から逃 げ面にかけて大きくえぐられて切削不能となった. 5)SS41を母材として,クロム系粉末をプラズマ溶 射法で切削工具を製作した.コーティングした表面 硬度は被加工材料よりも3.2~5.4倍であった.無 潤滑と過酷な切削条件であったが十分切削工具とし て使用可能であることを確認した. おわりに,本研究を遂行した卒論学生,石原達也 君(現,沖縄電力)および松留清人君(現,NTT九 州)に感謝いたします.また,本研究は東北大学金 属材料研究所との共同研究による成果の一部であ る. 被加工材料の幅と切削後の切屑の幅がほぼ同等なた め,切屑生成は二次元的に行われる.Cr3C2のコーテイ ングエ具による切屑の状態を図12に示す. 同図(a)は典型的な流れ型の切屑形態で切屑は連 続的なせん断すべり変形によって形成されている.こ の場合には図7と図8に示したように切削抵抗及び切 削温度の変動がきわめて少なく工具寿命も長い.これ に対し(b)は刃物の進行に伴って被加工材料が圧縮 されて変形し,刃物の進行間隔が1.2mm~2.15mm で大きなせん断すべり変形を起こし,切屑が形成さ れている.この切屑形成では切削抵抗や切削温度とも 図7と図9で示したように増加傾向にあることが認め られた. 6.結言 表面硬度の異なる三種の低炭素鋼SS41と被加工材 料と同質のSUS304にプラズマ溶射法により硬質材の 表面コーティング層を形成して切削工具を製作した. この方法で製作したコーティング工具の実用性・切削 特性及び摩耗プロセス等について明らかにするため, SUS304の難削材を無潤滑による過酷な条件で切削性 能評価を行った.以下に得られた主な結果を示す. 1)二次元切削によるSUS304の切削抵抗はコーティ ングエ具,高速度鋼工具ともすくい角による影響が 大きい.垂直分力が水平分力より大きいがすくい角 を大きくすると両分力とも減少する傾向を示す. コーティング層の剥離に重大な影響を及ぼすと考 えられる水平分力と垂直分力を減少させるための工 夫として工具剛性を考慮して可能なかぎりすくい角 を大きくとることが望ましい. 2)コーティング母材SS41を冷間加工で表面硬度を Hvl50,200,250と変化させ,その表面にCr3C2の コーティング層を形成して,切削速度を変化させて SUS304の切削寿命試験を行った.HvlOO程度の変 化では明瞭な差は認められなかった. 3)SS41にCr3C2,CrB2をコーティングして製作した 工具は切削速度18.4m/min以下ではNi-Crをコー ティングした工具やSKH57に比べて工具寿命も長 参考文献 1)鍵和田,全内,機論C86-1021(昭62-8) pl884 2)IHanandN.,Narataki.,Tran,ASME,JEng・lnd (1973)p951 3)M・S,LamandD.,A・Dorfeld,Tran,ASME,J、 Englnd(1984)plll 4)Merchant,M、E、,J,APPPhys.,16-5pl945 5)銘苅,中山,池部,機講論No.848-3(昭58-11) p204 6)銘苅,福本,中山,機論C53-496(昭62-8) pl884 7)福本,銘苅,宮城,精機論(平1-11)p7 8)銘苅,福本,真喜志,座波,精機シンポ(平2- 11)p7 9)銘苅,福本,真喜志,平井,佐々木,機講論(平 4-11)p247

参照

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