炭素繊維シートによる鉄筋コンクリートはりの 補強に関する実験的研究
1997年3月
熊本大学大学院自然科学研究科
武 田 浩 二
1 5
第 一 章 序 論
1.1研究目的・背景 1.2既往の研究 1.3本論文の構成
参考文献(第一章)
235
● ● ● ● ●
● ● ● ● ●
● ● ● ● ●
第 二 章 補 強 ・ 補 修 材 料 の 特 性 及 び 工 法 の 概 要 2.1序
2.2CFシートの材料特性及び補強方法 2.2.1CFシートの材料特性
2.2.2CFシート補強工法
2.3樹脂注入によるひび割れ補修工法 参考文献(第二章)
1 0
11
● ● ● ● ●
● ● ● ● ●
目次
● ● ● ● ●
第三章CFシートの付着性状 3.1序
3.2シート接着長さが付着性状に及ぼす影響 3.2.1実験方法
3.2.2解析方法
3.2.3実験結果及び考察
加迦
● ● ● ● ●
● ● ● ● ●
3.3コンクリート表面の下地処理の違いが付着性状に及ぼす影響・・・・
3.3.1実験方法
3.3.2実験結果及び考察
3 . 4 ま と め 。 ・ ・ ・ ・ 参考文献(第三章)
3 2
3 5
111
2366
3 8
39
5 4
5 8
CFシートによるRCはりのせん断補強 序
有効なシートの貼付方法の検討及び他の補強方法との比較・・・・.
第五章CFシートによるRCはりのせん断’
5.1序
5.2有効なシートの貼付方法の検討及ひ 5.2.1有効なシートの貼付方法の検討 5.2.2他の補強方法との比較検討 5.2.3まとめ
5.3せん断補強効果の検討I 5.3.1はじめに
5.3.2実験方法
5.33実験結果及び考察 5.3.4まとめ
5.4せん断補強効果の検討11 5.4.1はじめに
5.4.2実験方法
第四章CFシートによるRCはりの曲げ補強 4.1序
4.2曲げ補強効果の検討I(補強層数・ひび割れ有無・載荷形式の影響).
4.2.1はじめに
4.2.2実験方法 4.2.3解析方法
4.2.4実験結果及び考察
4.3曲げ補強効果の検討II(大型はり試験体による実施工シミュレーション)
4.3.1はじめに 4.3.2実験方法
4.3.3実験結果及び考察 4.4まとめ
参考文献(第四章)
7 4
● ● ● ● ●
9 2
● ● ● ● ●
Ⅳ
5.4.3実験結果及び考察 5.4.4解析的検討
5.4.sまとめ
参考文献(第五章)
第 六 章 結 論
謝 辞
発表論文
V
● ● ● ● ● 113
● ● ● ● ● 117
● ● ● ● ● 119
第一章.,-コ目
序論
1.1研究目的・背景
近年、鉄筋コンクリート(ReinfOrcedConcrete,RC)構造物の補修・補強に関する話題
が増えている。長期供用された既存RC建築物において、コンクリートの過度の中性化・
塩害等による急激な鉄筋腐食や、アルカリ骨材反応、ケミカルアタック、凍害・火害、
クリープ変形によるたわみの増大等により本来の耐用年数に達する前に損傷・劣化が大 きく進行してしまう、という事例が多くなっており、さまざまな補修・補強の技術開発 が進められている。そのうち補強工法としては、コンクリート増し打ち、打ち換え、鋼 板接着工法、プレストレス導入工法などがあるが、新素材繊維による長繊維巻き付け工 法、繊維シート貼付工法が新しい工法として注目を集めている。その中でも炭素繊維を 用いた工法は、多くのメリットを有するということで脚光を浴びている。
炭素繊維(CarbonFiber,CF)は、軽量かつ高強度・高弾性率で耐久性・耐食性に優れた
新素材である。その炭素繊維をシート状に加工した「炭素繊維シート(CFシート)」は、エ
ポキシ樹脂を用いてコンクリート表面に積層接着することにより大きな補強効果が発揮 される。CFシート補強工法は簡便な作業により補強できるため施工の合理化・コスト削 減につながり、RC構造物の補強のニーズがさらに高まっていく状況において実用的に優 れた補強工法として大きな期待が寄せられている。現在この工法は既存RC構造物の床や はりの曲げ及びせん断補強や、柱や壁などの耐震補強に積極的に活用されている。特に 1995年1月17日の兵庫県南部地震以降その使用件数は急増している。
本研究は、CFシートを接着貼付した鉄筋コンクリート(RC)はりの補強効果について実 験的検討を行うとともに、CFシート補強工法の有用性を確認することを目的とする。検 討項目として、CFシートとコンクリートの付着性状、CFシートによるRCはりの曲げ補 強効果、CFシートによるRCはりのせん断補強効果を取り上げ、それぞれについて実験的 研究を行なった。せん断補強では、シートをはりに巻き付けずはりの側面のみに貼付し た。また曲げ及びせん断補強効果の検討においては、ひび割れ損傷を受けたはりに直接 CFシートを貼付した場合、及びひび割れを樹脂注入により補修しその後CFシートを貼付
した場合の補強効果についても併せて検討した。
2
1.2既往の研究
炭素繊維(長繊維)をシート状に加工する技術が確立し、炭素繊維シート及びその補強 工法が開発されたのは1980年代終わりから1990年代にかけてのことであり、炭素繊維材
料の鉄筋コンクリート構造物への適用に関する最初の本格的な研究として、炭素繊維ス トランド及び炭素繊維シートを用いた煙突の耐震補強の研究')が挙げられる。これを契機 にして、CFシートの土木・建築関連のRC構造物への適用性に関する研究が活発に行なわ れるようになった。
土木分野では、既設道路構造物について、橋脚の耐震補強2)~6)、橋桁の曲げ及びせん断 補強7)、床版の曲げ補強8),)に関する研究が行なわれている。また、トンネル覆工の補修・
補強への適用性に関する検討'0)も行なわれている。
建築分野では、RC柱について炭素繊維ストランド巻き付けによる耐震補強の研究11)12)
が早い時期に行なわれているが、CFシートを用いた補強の研究としては、CFシートとコ ンクリートの付着・定着性状について、ノッチ及びスリットを有したコンクリート部材 に引張用の全ねじボルトを挿入しシートを貼付した試験体の直接引張試験による検討'3)が 行なわれている。またCFシートにより補強したRC部材の曲げ補強効果の検討として、中 空円筒断面部材及び矩型断面部材による実験的研究'4)'5)が行なわれている。さらにシート
補強部材の長期性状の検討として、紫外線に対するシートとコンクリートの接着耐久性 を把握する促進試験及び屋外暴露試験による検討、ならびにシートにより曲げ補強した はりに1年間載荷した際の長期たわみ性状についての研究'6)'7)が行なわれている。
以上は1994年度までに行なわれた研究であるが、1995年1月に発生した兵庫県南部地震
をきっかけにして、CFシートによる耐震補強関連の研究がさらに活発に行なわれるよう になった。
建築分野に限ってみても、RC柱やはりの曲げ及びせん断補強18)~22)はもとより、鉄筋が 腐食した部材のCFシートによる補強23)~25)、CFシートの接着性能の評価26)幻)、CFシート
を用いた耐震壁の補強28)21)、CFシート巻き付けによるコンクリート柱の圧縮特性(コン
ファインド効果)3①31)などについて実験的研究が行なわれている。
最近3年間(1994~1996年度)における日本建築学会大会学術講演会で発表されたCFシー
ト補強関連の論文数の推移をみると、著者が最初にCFシートを用いた木造はりの曲げ補 強を発表した1994年度大会(東海)では、材料・施工部門で1件(著者らの論文)、RC構造部
3
門で2件であった。1995年度大会(北海道)では、材料・施工部門で3件(うち2件が著者ら の論文)、RC構造部門で5件となり、1996年度大会(近畿)では、材料・施工部門で12件(う
ち3件が著者らの論文)、RC構造部門で25件と爆発的に増えており、今後も増加する傾向 にある。
このように、CFシートによる構造部材の補強に関しては様々な研究がなされている。
本研究は鉄筋コンクリートはりの表面にCFシートを貼付した場合の補強効果を明らかIトを貼付した場合の補強効果を明らかに することを目的とした。
4
1.3本論文の構成
本論文は6つの章で構成される。第一章(本章)は序論である。第二章以降の概要を以 下に述べる。
第二章では、補強材料である炭素繊維シートの素材特性を明らかにし、コンクリー トに接着する際の接着剤等の仕様及び施工手順を紹介する。また、本論文ではひび割 れの生じたRCはり部材に樹脂注入による補修を施した後、CFシートによる補強を施し た試験体についても検討の対象としている。そこで、この樹脂注入工法の概要と使用 剤の仕様、施工手順についても併せて紹介する。
第三章では、CFシートとコンクリートの付着性状について述べる。CFシート補強は 積層接着によるものなので、剥離が生じることが問題となる。実際シート補強部材の 載荷試験を行なうと、シートの剥離により終局状態に達する例が多い。従って、シー ト補強された部材においてはシートの付着性状を把握し、付着耐力を適確に評価する ことが重要になってくる。そこで、シートを貼付したコンクリート部材による付着試 験を行ない、付着耐力の算定を試みる。併せてシート接着面のコンクリートの下地処 理の状態による付着性状への影響についても検討する。
第四章では、CFシートで補強したはりの曲げ補強効果について述べる。RCはりの曲 げ引張側である下面にCFシートを貼付補強した試験体を用いて実験を行ない、シート 補強層数の違い、コンクリート面のひび割れの有無、3点曲げ・4点曲げの載荷形式の違 いがシートの曲げ補強効果に及ぼす影響について検討する。併せてシートとコンク
リートの完全付着を仮定した断面解析を行ない実験値との対応をみると同時に、シー ト剥離開始時の付着応力を算定し、第三章での付着試験結果との対応を調べる。ま た、実施工のシミュレーションとして、ひび割れを樹脂注入により補修した実大ス
ケールのはりにシート補強した試験体の補強効果についても検討する。
第五章では、CFシートで補強したはりのせん断補強効果について述べる。曲げ載荷 を受けるRCはりのせん断スパンの側面に貼付した試験体を用いて実験を行ない、補強 効果を検討する。まず、側面への有効な貼付方法を見出すために、小型試験体を用い てシート繊維方向の違いによるせん断補強効果への影響について調ぺる。その有効性 を中型試験体を用いて確認し、他のせん断補強方法(あばら筋を配する方法・コンク
リートそのものをせん断抵抗の高い材料にする方法)と比較してみる。続いてコンク
5
リート強度の違い。ひび割れ補修の有無がせん断補強効果に及ぼす影響について6体の 中型試験体を用いて検討する。この実験では、シートのせん断補強により試験体は曲 げ破壊が先行し、せん断終局状態の挙動及び力学的特性が明らかにならなかった。そ こで、さらに6体の中型試験体を用いて、曲げモーメントに対しせん断力が卓越する逆 対称曲げ載荷試験を行ない、終局状態下でのシートのせん断補強効果について、せん 断スパン比の違い.ひび割れの有無の影響を検討する。ここでは、トラス機構モデル を用いた解析を行ない、剥離によって耐力が決まる場合の算定値と第三章の付着試験
結果との対応を調べてみる。
第六章では、これらの検討結果を要約して結論としてまとめる。
参考文献(第一章)
1)木村耕三他/炭素繊維を用いた既存煙突の耐震補強、建築保全、No.56,1988年10月 2)小畠克朗他/炭素繊維による既存RC橋脚の耐震補強、土木学会第45回年次学術講演
会、1990年9月
3)藤原博他/炭素繊維によるRC橋脚の耐震補強効果について、土木学会第46回年次学 術講演会、1991年9月
4)長谷川明機他/炭素繊維を用いたRC橋脚の耐震補強、土木技術、47巻3号、1992年3月 5)松田哲夫他/炭素繊維により耐震補強された既存RC橋脚の靭性率、土木学会第47回
年次学術講演会、1992年9月
6)松田哲夫他/橋梁拡幅における炭素繊維による橋脚補強工法、土木学会第47回年次学 術講演会、1992年9月
7)谷木謙介他/炭素繊維シートによるPC桁の補強効果に関する試験、コンクリート構 造物の補修工法と電気防食に関するシンポジウム論文報告集、1994年10月
8)丸山員佐雄他/炭素繊維接着による床版補強の検討、土木学会第47回年次学術講演
会、1992年9月
9)森成道他/炭素繊維シートによる床版下面補強効果に関する研究、橋梁と基礎、1995
年3月
6
10)朝倉俊弘他/トンネル覆工欠陥の影響と対策工の効果、第9回岩の力学国内シンポジ ウム講演論文集、1994年
11)勝俣英雄他/炭素繊維の巻き付けによる既存鉄筋コンクリート柱の耐震補強工法、
セメント・コンクリート、No.497,1988年7月
12)小畠克朗他/炭素繊維の巻き付けによる既存鉄筋コンクリート部材の耐震補強、コ ンクリートエ学年次論文報告集、第11巻、第1号、1989年
13)木村耕三他/炭素繊維シートとコンクリートとの付着・定着性状に関する研究、構 造工学論文集、Vol、41B、1995年3月
14)谷木謙介他/炭素繊維貼り付けによる鉄筋コンクリート部材の補強に関する研究、
日本建築学会大会学術講演梗概集、C、1988年10月
15)木村耕三他/シート状炭素繊維による既存鉄筋コンクリートの曲げ補強、連続繊維 補強材のコンクリート構造物への適用に関するシンポジウム講演論文報告集、1992年
4月
16)木村耕三他/炭素繊維による補強部材の長期性状、第9回日本地震工学シンポジウ ム、1994年
17)木村耕三他/炭素繊維による補強部材の長期たわみ性状、日本建築学会大会学術講 演梗概集、C,1994年9月
18)小山洋一郎他/炭素繊維シートによる矩形断面部材の曲げ補強効果に関する実験的 研究、日本建築学会大会学術講演梗概集、AP1,1995年8月
19)辻村知明他/長繊維シートによる既存RC構造物の補強方法に関する研究、日本建築 学会大会学術講演梗概集、C-2,1995年8月
20)久部修弘他/炭素繊維シートによる矩型断面はりのせん断補強効果に関する実験的 研究、日本建築学会大会学術講演梗概集、AF1、1996年9月
21)佐藤裕一他/CFRPシートによりせん断補強されたRC梁、日本建築学会大会学術講 演梗概集、C-2,1996年9月
22)梅村昇司他/炭素繊維シートによる既存RC柱の耐震補強に関する研究、日本建築学 会大会学術講演梗概集、C-2,1996年9月
23)鹿毛忠継他/鉄筋が腐食したRC構造部材の炭素繊維シートによる補強、日本建築学 会大会学術講演梗概集、A-1,1996年9月
24)鹿毛忠継他/鉄筋腐食をモデル化したRC梁における炭素繊維シートのせん断補強効
7
果、コンクリートエ学年次論文報告集、Vol、18,N0.1,1996年
25)野口貴文他/鉄筋腐食をモデル化したRC梁における炭素繊維シートの曲げ補強効 果、コンクリートエ学年次論文報告集、Vol、18,N0.1,1996年
26)佐藤裕一他/CFRPシートとコンクリートとの付着性状と付着耐力に関する一考 察、日本建築学会大会学術講演梗概集、C-2,1995年8月
27)潰田泰以他/FRP接着コンクリート構造物の接着性評価、日本建築学会大会学術講 演梗概集、A-1,1996年9月
28)勝俣英雄他/炭素繊維を用いた耐震壁の補強に関する実験的研究、日本建築学会大 会学術講演梗概集、C-2,1996年9月
29)岩橋司他/RC耐震壁の補修・補強に関する実験的研究、日本建築学会大会学術講演 梗概集、C-2,1996年9月
30)藤巻敏之他/繊維シート補強コンクリートの実験的研究、日本建築学会大会学術講 演梗概集、C-2,1996年9月
31)竹崎真一他/炭素繊維シートで横補強されたコンクリート柱の圧縮特性、日本建築 学会大会学術講演梗概集、C-2,1996年9月
8
第二章
補強・補修材料の特性及び工法の概要
2.1序
2.2では、炭素繊維シートの素材特性をまとめ、シートを鉄筋コンクリートはりに貼付 する際の施工要領を紹介する')2)。
本論文では、既存RC構造物の補修・補強工法へ応用する観点から、ひび割れが生じた 試験体に樹脂注入による補修を施した後にCFシートを貼付補強した試験体を用いた実験 も行なっている。そこで2.3では、この樹脂注入によるひび割れ補修について、注入剤等 の仕様や注入工法の施工要領について紹介する3)。
1 0
2.2CFシートの材料特性及び補強方法
2.2.1CFシートの材料塗特性
炭素繊維シート(CFシート)は、高強度炭素繊維を一方向に引き揃え、微量の樹脂を含 浸させた作業性のよいコンクリート補修・補強材料である。近年、橋脚。床版・柱・煙 突等の土木・建築分野での補修。補強に高い評価を得ており、とりわけ耐震補強の分野 では、画期的材料.として脚光を浴びている。CFシートの特徴を以下に列記する。
1)軽量
比重が鉄の約5分の1であり、
2)高強度
貼付補強による躯体の重量増がほとんどない。
普通鋼板の約5~9倍の引張強度を有する。
写真2.1炭素繊維シート
11
鉄筋の 3)高弾性
鋼の弾性係数と同程度であり、鉄筋コンクリート部材の補強に使用した場合、鉄筋の 応力負担を軽減できる。
4)高耐久性
錆びはまったく発生しないので、塩害等の腐食環境に最適であり、また紫外線による 強度劣化がなく、対薬品性にも優れている。
その他に、疲労に強い、柔軟性があり様々な形状への貼付が可能、といった特徴もあ り、今後これらの素材特性を生かした用途が大きく広がっていくと期待される。また、
CFシートはエポキシ樹脂を含浸して接着するだけの簡単な施工により補強でき、施工の 省力化・工期の短縮が実現でき、工事現場においてもそのメリットが注目されている。
本論文における実験で使用したCFシートは、すべて同一のメーカーの同一の製品とし たdその仕様を表2.1に示す。第二章以降の実験の使用材料の説明において、CFシートの 仕様は省略する。
表2.1炭素繊維シートの材料特性と仕様
炭素繊維 引張強度 引張弾性率
炭素繊維シート 引張強度 引張弾性率 単位面積あたりの 繊維重量(目付量)
単位幅あたりの 繊維の断面積
シート厚さ シート幅
*Vf:繊維体積率
3400MPa 230GPa
2000MPa(Vf=60%)
140GPa(Vf=60%)
0 . 3 k g /
㎡
167mmシm 0.28mm(Vf=60%)
250mm
1 2
2.2.2CFシート補強工法
CFシートは、エポキシ樹脂によってコンクリート表面に接着貼付する。その施工フ ローを図2.1に示す。
プライマーは、下地処理したコンクリート表面と接着用樹脂との接着性の向上及び接 着用樹脂のCFシートへの含浸性を高めるために用いる。本論文で使用したプライマーに は二液混合型のエポキシ樹脂を用いた。その仕様を表2.2に示す。
接着用樹脂は、CFシートに含浸した後に硬化してCFRP(炭素繊維強化プラスチック)
を形成するための結合材となることと、プライマー塗布後のコンクリート表面とCFシー トとの接着剤となることの2つを目的として用いられる。本論文で使用した接着用樹脂に は二液混合型のエポキシ樹脂を用いた。その仕様を表2.3に示す。
I
プライマー塗布
I
CFシート貼付
養 生
サンドペーパーを用いコンクリート表面の凹凸やレ イタンスを除去する。湿したウエスでほこりを拭き 取り、十分に乾燥させる。
プライマーをローラーを用いてコンクリート表面に 均一に塗布する。乾燥後再塗布する。
CFシートはあらかじめ所定の寸法に裁断しておく。
混合したエポキシ樹脂系の接着剤をプライマー塗布 面にローラーを用いて均一に塗布する。続いてCFシ ートの表面保護用のポリシートをはがし、所定の位 置にしわにならないように貼付する。ゴムヘラ及び 金属ローラーを繊維の配向に沿って上から当て、樹 脂をシートに十分に含浸させる。2層目、3層目は数 分程度の間をおいて同様の方法で貼付する。
完全に硬化するまで外力がかからないように注意し て5日間~14日間養生する。ほこり等が付着しないよ
う注意する。
図2.1CFシート施工フロー
1 3
表2.2プライマーの仕様
溶媒/無溶媒 種 別
形 態 混合比 比亜(25℃)
無溶媒
エポキシ樹脂系 二液型
主剤2:硬化剤1 主剤1.11硬化剤0.97
表2.3接着用樹脂の仕様
溶媒/無溶媒 種 別
形 態 混合比 比重(25℃)
写真2.2CFシート貼付作業
無溶媒
エポキシ樹脂系 二液型
主剤2:硬化剤1 主剤1.13硬化剤1.05
1 4
2.3樹脂注入によるひび割れ補修工法
CFシート補強工法は、損傷を受けた鉄筋コンクリート構造物の補修・補強に威力を 発揮する。RC躯体の長期使用によるひび割れや、地震被害による修復可能なひび割れ に対する注入剤充填による補修とCFシート補強を組み合わせて行なえば、既存建築物 の補修・補強工法として非常に有効であると考えられる。
本論文においても、ひび割れが生じたはりを樹脂注入によって補修した後、CFシー トを貼付した試験体を用いて実験を行なっている(第四章、第五章)。本論文で採用し たひび割れ補修法は、自動式低圧樹脂注入工法と呼ばれるものである。これは、ゴム 膜をプラスチックの枠で固定したプレートと呼ばれる治具をひび割れの上に貼付し、
治具の注入口より樹脂を注入し、ゴムの復元力と毛細管現象によりひび割れのすみず みまで樹脂を注入する工法である。従来、ひび割れに樹脂を注入する工法はポンプを 用い高圧で圧入していたが、樹脂は抵抗の小さい箇所を直線的に走るだけで、ひび割 れ全体に完全注入することが難しく、シールが圧力によって破れ樹脂が漏れるなどの 問題があった。今回の自動式低圧樹脂注入工法は、これら高圧工法での問題に対処す るために開発されたもので、微細なひび割れにも注入でき、シール・樹脂注入等の作 業が容易で施工性の高い工法である。
注入する樹脂は二液混合型エポキシ樹脂である。注入治具を貼付する接着剤及び シール剤は二液混合型エポキシ樹脂系パテ剤である。これらの樹脂の仕様を表2.4に示 す。また、樹脂注入の施工フローを図2.2に示す。
表2.4注入樹脂及び治具接着剤.シール剤の仕様
種 別 形 態 適用範囲 配合比 比重
接着強さ(20℃)
引張強さ 引張弾性率
注入樹脂
エポキシ樹脂系 二液型
0.1‐1.0mm 2:1
1.1±0.2
70±10kg〃cnf 600±100kgfソcm2 1.8±OS×104kg〃cm2
1 5
治具接着剤及びシール剤(兼用)
エポキシ樹脂系パテ剤 二液型
全 て 1:1 1.6±0.1
50±10kgfソcm2 100±10kg〃cm3
混合したエポキシ樹脂系の注入剤を治具の注入孔か ら注入器を用い圧力を加えて充填する。不足の場合 再注入する。
ひび割れ周辺の油・汚れ等を丁寧に清掃する。
清 掃
↓
↓
ゴム膜と固定枠からなる注入治具を平均30cm間隔で ひび割れ上にエポキシ樹脂系パテで接着する。
注 入 治 具 貼 付
注入治具及びシール剤をタガネ・グラインダー等を 用いて削り取り、平滑に仕上げる。
↓
V
1 6
治具間のひび割れをエポキシ樹脂系のシール剤でシ ールする。
ひ び 割 れ の シ ー ル
注 入
図2.2樹脂注入施工フロー
一昼夜放置し、注入剤の硬化を待つ。
_ 三
養 生
鐘
仕 上
篭
→
参考文献(第二章)
1)三菱化学(株)技術資料
2)(財)鉄道総合技術研究所/炭素繊維シー 計・施工指針、1996年7月
3)ダイヤリフォーム(株)技術資料
1 7
トによる鉄道高架橋柱の耐震補強工法設
〆
CFシ
第三章
・卜の付着性状
ー
3.1序
CFシート補強工法の確立のためには、補強された鉄筋コンクリート部材の耐力が設計 可能であることが要求される。既往の研究によると、CFシートによって補強された鉄筋 コンクリートはりの曲げ試験においては、シートの破断に先行してシートの付着剥離が 生じることが示されている')。cFシートは、破断に至るまでほぼ線形弾性的に挙動するた めに、シートの破断により終局的破壊が生じる場合、その耐力計算は、比較的容易であ る。しかし、シートの付着耐力の計算及びシートの付着剥離が先行する状態での終局耐 力の計算には、シートの付着性状の把握が必要になってくる。現状ではCFシートの付着 性状を調べるための一般に容認された試験方法がなく、鉄筋で用いられている両引き試 験や、切欠きはりを作製してシートを貼付した試験体の曲げ試験などが便宜的な付着試 験として行なわれている2)。ここで、両引き試験の場合には偏心荷重を避けるための載荷 治具の工夫が、切欠きはりの曲げ試験の場合には測定される荷重からCFシートに作用す る引張力を換算する際の計算上の仮定などが問題になってくる。
そこで本章では、2つのコンクリート角柱を中央で突き合わせ、その面をまたぐように CFシートを貼付したはり試験体の曲げ試験をCFシートの付着試験法として適用し、その 有効性やシートの付着性状について検討した3)~7)。この試験法では切欠きはり試験体と異 なり、突き合わせ中央のコンクリート断面は力学的に絶縁されており、引張側はシート の引張力のみが作用する。そして、後述するように仮想変位を与えた時の幾何学的関係 と仮想仕事の原理により、荷重とシートの引張力の関係やシートの付着応力などが簡単 な解析で求められる。
3.2では、シート接着長さが付着性状に及ぼす影響を検討するため、接着長さを6種類設 定してそれぞれに対し付着試験を行うとともに、シート界面の付着応力について簡単な 解析を行なった。3.3ではシートを接着する部分のコンクリートの下地処理の状態が付着 性状に及ぼす影響を検討するため、コンクリート表面の研磨の有無及びプライマー塗布 の有無について3種類の条件を設定し、それぞれについて試験を行なった。
2 0
3.2シート接着長さが付着性状に及ぼす影響
3.2.1実験方法 (1)使用材料
コンクリートには、表3.1に示す仕様のレデイーミクストコンクリートを使用した。
呼び強度が21、スランプが180mmの普通コンクリートで、スランプ及び空気量の実測 値はそれぞれ130mm及び2.9%であった。コンクリート素材試験の結果を表3.2に示す。
なお、試験体は、各3体ずつ作製し、材令28日まで約20℃で水中養生後、試験時まで恒 温室内で気中養生を行なった。また、CFシートの付着試験に使用したコンクリート角 柱についても同一 の養生・材令とした。
表3.1レデイーミクストコンクリートの仕様
コンクリート種類 呼び強度
ス ラ ン プ
粗骨材の最大寸法 セメント種類
普 通
21 180mm 20mm N
表3.2コンクリート素材試験結果
圧 ( 1⑫V)a
27.5
E ( G P a
)
24.9
Ft ( 1 V 圧)a
2.00
Fb:圧縮強度E:1β割線弾性係数 Fta割裂引張強度Fb:曲げ強度
2 1
Fb ( 1 圧a)
4.76
(2)試験体及び試験方法
CFシートの付着試験には、図3.1のように100×100×400mmのコンクリート角柱試験
体を用い、その端面を研磨仕上げした後、2つの角柱試験体を突き合わせ、その面をま たぐように、対称に1幅100mmのCFシートをエポキシ樹脂により貼付した。なお、シー
ト貼付前に、プライマーによりコンクリートの下地処理を行い、また、突き合わせ断 面にエポキシ樹脂が浸透しないように、ブチルゴムによりシールを施した。貼付方法 は、1枚のCFシート(厚さ0.28mm)を、片面の付着長さ(")が50,100,150,200,250,300mm
の6種類で変えて貼付した。試験体は各1体ずつ作製し、〃=300mmについては、シート
貼付数が付着性状に及ぼす影響について検討するために、シートを3層貼付した試験体 も1体作製した。載荷形式は、スパン長さが600mmの中央3点曲げとし、荷重-載荷点変
位曲線とスパン中央のCFシートのひずみを測定した。
100×100×400mm角柱
四
j W 300mm
↓/突き合わせ面
|
/
~
/CFシート
〃 耐
300mm
/CFシート
I
、ひずみゲージ
図3.10Fシート付着試験方法
2 2
3.2.2解析方法
図3.2に示すように、2つの角柱を中央で突き合わせ、その面をまたぐようにCFシー トを貼付したはりの曲げ試験を考える。ここで、仮想変位勘を与えた時、両角柱が載荷 点を中心に剛体回転するものと仮定すれば、変形後の幾何学的関係により、次式が得
られる°
6 W
=
。 M’686)/4J("=
ここに、w:突き合わせ面の肩口開口変位
。:はりせい e:回転角
〃:載荷点変位 また、仮想仕事の原理により、
ここに、
P・伽=7.6W...T=
P:荷重
T:シート引張力
-
{
"
( 4 . ) } P
・・・(3.1)
・・・(3.2)
、 / 突 き 合 わ せ ロ 師
I
一 ー
&〃
図3.2付着試験における変形後の幾何学的関係
2 3
た、試験体の 本実験の試験 式(3.2)より、測定される荷重から、CFシートの引張力が求められる。また、試験体の
自重による補正は、自重のなす仕事を考慮すれば容易に求められるが、本実験の試験 体寸法では無視できる程度である。
以上の解析は、荷重とシート引張力の関係を与えるが、シート界面の付着応力分布 や、実験で観察されるシートの付着切れを表現できない。そこで、図3.3に示すマクロ モデルを想定し、両解析の対応について検討する。本モデルは、文献8)の塑性解析に基 づくトラス及びアーチ機構による鉄筋コンクリート部材の終局せん断耐力算定法に準
じたものである。従って、本モデルは、付着性状の経過を解析することはできず、図 に示す付着の終局状態の解析にその適用範囲が限定されることに注意する必要があ る。図は、スパン中央から付着切れが生じ、有効付着長さ上で付着応力が均等に作用 している状態を示し、材軸に対して角度,をもつ斜め方向のコンクリート圧縮束(つか)
の圧縮応力を介して、シート界面に付着応力と面圧が生じている。シート界面の付着 応力と面圧は、図3.4に示すMohrの応力円により、次式で与えられる。
傷/2
↓
C
d bc
8
〃:有効付着長さ ノ0:付着切れ長さ
図3.3CFシート付着解析のためのマクロモデル
2 4
ここに、
D J 】 、 ロ ロ ロ ュ Ⅲ
図3.4Mohrの応力円による付着応力・面圧の算定
『,1等2=nis
。so等c=-l( 2
’)
T:付着応力 cぴ:圧縮束応力 ぴ:面圧
・・・(3.3)
鉛直方向の力のつりあいより、有効付着長さ上の面圧の合力とせん断力(P/2)は等しい
ので、
吾so等c=-l( 2
‘〃b) ・・・(3.4)
ここに、b:はり幅
〃:有効付着長さ
また、突き合わせ断面におけるコンクリートの圧縮応力の作用領域長さをcとすると、
図に示す幾何学的関係により、
・・・(3.5)
〃 = C
s i n l
・ COS‘
儒伽器響=6.c・CO・tanl・・・(3.6)
2 5
P一川
柳 -421|恥P|卿
》噸一昨
!幻='na誇諒 ・・・(3.7)
・・・(3.9)
・・・(3.10)
・・・(3.11)
・・・(3.12)
ここに、血:付着切れ長さ
剛台-州|喜軍ニア’ ・・・(3.8)
ここで、塑性解析における下界定理により、式(3.6)においてPが最大になるときのcを 求めると、c=d72となる。
また、
苧’n雪雪at’
ここで、式(3.12)において、tan仁2./jのときに、式(3.2)の荷重とシート引張力の関係に 一致することが分かる。
2 6
以上の式(3.9)~(3.12)より、付着耐力時点での付着切れ長さ、有効付着長さ、付着応
力、荷重とシート引張力の関係が求められる。なお、tan’の範囲は、幾何学的関係によ
り、次式で与えられる。
・・・(3.13)
、コンクリート剥落 3.2.3実験結果及び考察
(1)ひび割れ状況及び破壊性状
図3.5に、CFシートの付着試験におけるひび割れ及び破壊性状を示す。シートの片面 付着長さ(jd)が、50,100mmでは、片側のシート端でコンクリートに曲げひび割れが生
じて破断し、シートの付着剥離はみられなかった。一方、Zdが150mm以上では、突き合 わ せ 面 の 引 張 側 に 斜 め ひ び 割 れ が 生 じ 、 そ れ が シ ー ト の 付 着 面 に つ な が る 形 で 片 側 シートの全面剥離を起こした。
(2)荷重-変位関係
図3.6に、荷重-載荷点変位曲線を示す。〃が50,100mmでは、コンクリートがシート端
で曲げ破壊したために、他に比べて、最大荷重が小さく、破壊性状も脆性的である。
一方、ノdが150mm以上では、付着長さによらず、ほぼ一定の最大荷重を示し、変形性状 もほぼ同様の延性的な挙動を呈している。このことは、シートの付着剥離が一気に進 行するのではなく、シートの付着切れを伴いながら、次第にシート全体の付着耐力が 失われていくことを示しているものと考えられる。
↓
図3.5ひび割れ状況及び破壊性状
↓
極 四 四 【 ノー、
L 』 Z _ ユ
↓
一一一一一一一一一一一一一一
郡 皿 印 亜 加 配 画 一 一 陣 唖
、 罰
、コンクリート剥落
コ ン ク リ ー ト 剥 落
↓
シ ー ト 剥 離
↓
唖’ 心 Z_] 密
Z ニ ユ エ ー ユ
↓
、コンクリート剥落
Z = ユ Z 』
↓
L 』 』 L 〕
↓
唾 咽困 四 I L]
一一
コ ン ク リ ー ト 剥 落
、シート剥離
、
2 7
Z _ ] Z - コ
、 、
、
↓
↓
コ ン ク リ ー ト 剥 落
↓
↓
と 』 f _ ]
lid=lOOmm
ノ
ー - 曲 げ ひ び 割 れ 1.ゴ250mm
I。=50mm
(
一 一 曲 げ ひ び 割 れ
1
叉
一一
』。=150mm
聖電めひび割れ I。=300mm
一
・
・
・
・
・
I。=200mm
蕊
15 05
佃揮
1 0
5
0
2 25
載荷点変位(m、)
51
(z】)
0 1
図3.6荷重-載荷点変位関係
(3)マクロモデル解析結果との比較
表3.3に本試験結果を示す。式(32)による荷重とシート引張力の関係は、本実験では 産1.5Pとなるが、最大荷重より式(3.2)から算定されたシート引張力と、シートひずみ
の測定値から線形弾性を仮定して求められたシート引張力の間によい対応が得られ た。また、マクロモデル解析との対応を調べるために、図3.7にシート接着長さに対す るT/Pの測定値と計算値の比較を示す。なお、計算値は、ノ。=/0+〃として、式(3.9)~
(3.12)により求められた値であり、測定値は、表3.3中の7W、αxの値を示す。図より、〃
が200mm以下では、刀Pの測定値が計算値を上回り、マクロモデルによる幾何学的関係 が満足されないが、〃が250mm以上では、満足されることが分かる。また、表3.4に、マ クロモデル解析によるシート付着応力算定値を、図3.8に接着長さ〃に対する付着応力の 変化を示す。マクロモデルの幾何学的関係が満足されているのは、〃が250,300mmの2
つだけなので、確かなことは言えないが、付着切れ長さは、約110mm程度で、シート 断面積が同じ場合、接着長さによらず、付着応力はほぼ一定となっている。一方、
シート引張力を片面接着面積で除して求めた平均付着応力は、付着切れ長さが考慮さ れていないので、接着長さが大きくなるほど低下している。また、シート断面積が付 着応力に及ぼす影響については、シート断面積が大きいほど付着応力は大きくなり、
シート断面積が3倍になると、付着応力は約2倍となっている。これは、面圧の増加によ る摩擦作用が、付着応力を高めているものと予想される。
28
■
一
》、1111tlO-10
一 コ
二 一
星
■■一■■一■■●●■・●●o●●▲甲●●▲?●●●●◆●●●●●●●●●e-B■一■■■■一■■。■一■■■一■■■■■■0■DB9.●.●.●●●●■P一
一箕 ー 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 .
●
;巳
!。=50mm I。=100mm
mmmm mmmm
剖剖剖峠1.JI
0.365>0.333 0K 0 . 2 8 5 0 1 . 3 7
〃(cmz)〃(m、)Pb"‘xx(kN)か(kN)心(〃庇0《N)7℃/TPZ1e/Pb"‘、態破壊性状
0.327<0.333 不 可
曲げ破壊 曲げ破壊 シート剥離 シート剥離 シート剥離 シート剥離
塑調羽羽配塑●●●●●●
000000 釦、釦皿麺皿
7.60 9.41 10.54
8.83 10.79 10.98
11.41 1412
15.82 13.24 16.18 16.48
2640 3640 4550 2930 3460 3720
⑬判側犯囲刀048L34111111 蛇眼叫師妬四●●●●●●011000
1.3711111●●●●● 調刀訓幻群
0 . 2 8 2 0 0 1 . 3 1
シート剥離 0 . 8 4 3 0 0 2 1 . 2 3 3 1 . 8 5 2 4 6 0 2 9 . 1 8 0 . 9 2 1 . 3 7
1 0 7 1 4 7 0 . 9 3 0 . 3 7
*〃:シート断面積〃:シート接着長さP肺zzx:最大荷重刀:式(32)より荷重から算定
されたシート引張力”:最大荷重時のシートひずみ庇:シートひずみから線形弾性を仮定 して求められたシート引張力
表3.4マクロモデル解析によるシート付着応力算定値
254=250 0K
”(cm2)〃(1m、)7b/Ph,axtan‘下限値ノ0+』ずI。(m、)〃(Imn)’ず(m、)T(MPa)o(MPa)
0.394>0.333 0K
274>50 0K
表3.3CFシートの付着試験結果
1 1 5 1 5 3 0 . % 0 . 3 6 0 . 2 8 2 5 0 1 . 2 7
0 . 2 8 1 0 0 1 . 5 3
0 . 2 8 1 5 0 1 . 7 1 0.292<0.333 不 可
262>200 0K
0.373>0.333 0K 0.382>0.333
0K
0 . 2 8 3 0 0 1 . 3 4
0.365>0.333 0K 0 . 8 4 3 0 0 1 . 3 7
*t、。は7℃/P腕αxの測定値から式(3.12)より算定、I0,ノグは式(3.10)より算定、zはP”の測定値
から式(3.11)より算定、oは式(3.3)より算定
2 9
268<300 0K
1 1 9 1 5 5 1 . 8 7 0 . 6 8 274<300
0K
1
合2
15
1
05
0
2 0 0 2 5 0 3 0 0
シート接着長さ〃(m、)
100 150 5
0 0
図3.7シート接着長さに対する71/Pの変化
53525
321
(閏冨)R慢獅迄罰掛
5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0
シート接着長さ〃(m、)
図3.8シート接着長さに対する付着応力の変化
05
0
可‐‐『‐‐訂‐‐40‐‐可0Ⅱ400Ⅱ「ⅡⅡ可Ⅱ14011イー14‐11『I
0
一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 - 一 一 一 一 一 一 一 ニ ー ー ニ ー ー ー = - - 口 凸 凸 企 凸 凸 卓 凸 ■ 一 ● 戸 一 一 一 一 ■ 。 ■ ■ ・ 由 ● ● ● ● ● = = ● ● ● ● ● ● ● ● ■ ● ● ■ - 。 ■ 一 色 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ■ ● 。 ● ●
3 0
■写中
ヨ
丘 画
1 1
)
. .
……………【..
↑由 ●1
( 命
)
《)
(
■QgD■dGG0●◆●。●●●●。●●0■/
人
ト応力の計算上の仮定に起因しているものと考えられる。
(4)既往の研究結果との比較
図3.8には、既往の研究結果2)を併せて示す。実験は図3.9に示すような両側に切欠き
を設けたコンクリート角柱の両引き試験である。両者の間で試験条件が異なるので、
単純な比較はできないが、付着長さに対する平均付着強度の変化の傾向は、おおむね 一致しており、付着長さの増加につれて、平均付着強度は減少している。なお、既往 の研究ではスパン中央に切欠きを設けたはりの曲げ試験による、cFシートの付着強度 試験も同時に行われている。その結果によれば、曲げ試験による平均付着強度は、両 引き試験によるそれの約2倍となっており、その原因として、曲げ試験では、はりのた わみによりシートに面圧が作用し、それによるシートの摩擦力の増加が付着強度の増 加をもたらしたとしている。しかし、本実験結果でも分かるように、最大荷重時のは りのたわみ角は小さく、約2倍の付着強度の増加をもたらすほどの面圧がシートに作用 しているとは考えられない。切欠きはりの曲げ試験の方が付着強度が高く算定された のは、荷重からシート引張力を換算する際の切欠き部の残余断面におけるコンクリー
ー Y/ノツチ 臼山 ヨ
園I ⅢIⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢⅢIIl
|ⅡⅡIⅡⅢⅡⅡⅢⅡ1111Ⅲ11Ⅱ
、
3 1
|lⅢⅡ11ⅡⅡⅢIⅡⅡⅡⅢⅡII I lⅢⅢⅡⅡⅡⅢlⅡIⅡIⅡⅡⅡ11
600 IdlZd
(単位:m、)
図3.9両引き試験によるCFシート付着試験方法
3.3コンクリート表面の下地処理の違いが付着性状に及ぼす影響
3.3.1実験方法
コンクリートには、表3.5に示す仕様のレデイーミクストコンクリートを使用した。
呼び強度が40、スランプが180mmの高強度コンクリートで、実測のスランプ及び空気 量は、それぞれ213mm及び2.7%であった。コンクリート素材試験結果を表3.6に示す。
付着試験方法は3.2.1に準じて行なったが、CFシートのひずみ分布を調べるために、図
3.10に示すようにスパン中央と中央から50mm間隔の位置にひずみゲージを貼り付け た。下地処理の方法として、①無処理(試験体にそのままシートを貼付)、②プライ マー塗布のみ、③表面をグラインダーでていねいに研磨してからプライマー塗布、の3 種類を設定し、それぞれについて2体ずつ作製した。シートは1層補強とし、〃=300mm
で貼付した。
表3.5レディーミクストコンクリートの仕様
コンクリート種類 呼び強度
ス ラ ン プ
粗骨材の最大寸法 セメント種類
普通
40 180mm 20mm H
表3.6コンクリート素材試験結果
Fb (1圧a)
46.0
E ( G P a
)
26.7
Ft ( 1圧V)a
2.78
R:圧縮強度E:1β割線弾性係数 Ft:割裂引張強度
3 2
100×100×400角柱
△ ’ 1 .1!
300
↓/突き合わせ面
|
/ /CFシート
I
。
函
300
ひ ず み ゲ ー ジ へ 一 C F シ ー ト
ー ロ ロ # 手 ロ ロ 、 一
(箪位
図3.100Fシート付着試験方法
:m、)
3.3.2実験結果及び考察
表3.7に、3.2.2に示したマクロモデル解析によるシート付着応力算定値を示す。ま た、図3.11に、シート付着耐力時のひずみ分布の測定値と計算値の比較を示す。計算で は、有効付着長さ上で一定の付着応力を仮定しているので、シートのひずみ分布は台 形状となるが、測定値とほぼ妥当な対応を示している。下地処理の影響については、
プライマー塗布と研磨後プライマー塗布の間で付着応力にほとんど差はないものの、
無処理の場合には、付着応力が約2割程度低下し、下地処理の重要性が分かる。また、
プライマー塗布、シート断面積028cm2,接着長さ300mmの場合について、32の表3.4
と、表3.7に示した値を比べると、後者の方が前者よりも付着応力は約5割程度大きく なっている。これは、使用したコンクリートの圧縮強度が、前者で27.5MPa,後者で 46.0MPaと異なり、付着応力がコンクリート強度に影響を受けることを示しており、既 往の研究結果2)と同様に、コンクリートの圧縮強度・せん断強度が大きくなるほど、付 着応力も大きくなっている。
表37コンクリート表面の下地処理の違いがシート付着応力に及ぼす影響 qf(cm2)〃(m、)下地処理 P"I“(kN)Te(kN)Te/P,"“ノ0(m、)ノヅ(m、)′r(MPa)
0 . 2 8 3 0 0
0.28300 0 . 2 8 3 0 0
①無処理
②プライマー塗布
③研磨後
プ ラ イ マ ー 塗 布
1 3 . 5 4 2 0 . 1 8 1 . 4 9 1 3 2 1 6 6 1 . 2 2 1 7 . 0 0 2 6 . 9 7 1 . 5 9 1 4 3 1 7 5 1 . 5 5 1 7 . 3 9 2 6 . 0 8 1 . 5 0 1 3 3 1 6 7 1 . 5 7
*試験結果は2体ごとの平均値
下地処理が②プライマー塗布のものについては10+jg/がjdを若干越えているが、測定値のばらつき を考慮し許容差内とみなした
33