4.1序
本章では、鉄筋コンクリートはりの曲げ引張縁にCFシートを貼付した場合の曲げ補強 効果について検討する')~7)。
4.2では、中型はり試験体を用いて、シート貼付層数の違い、コンクリート面のひび割 れの有無及び曲げ載荷形式の違いがシートの曲げ補強効果に及ぼす影響について実験的 検討を行なった。また併せてシートとコンクリートが完全に付着していると仮定した場 合のシート補強はりの断面解析を行なった。
ひび割れ発生荷重・降伏荷重・終局荷重について実験値と計算値の比較を行うととも に、シート剥離開始時のシート付着応力について計算値と第三章で示したシートの付着 試験結果との対応を調べた。
4.3では、実大スケールの試験体を用いた実施工シミュレーションとして、大型はり試
験体にあらかじめひび割れを導入し、ひび割れ部分を樹脂注入により補修した後、シー
ト貼付した場合の補強効果について検討した。
4.4では、4.2と4.3で得られた結果をまとめて示した。
3 8
4.2曲げ補強効果の検討I(補強層数・ひび割れ有無・載荷形式の影響)
4.2.1はじめに
中型はり試験体を用いて、シート貼付層数の違い・コンクリート面のひび割れの有無・
曲げ載荷形式の違いがシートの曲げ補強効果に及ぼす影響について実験的検討を行なっ た。また併せてシートとコンクリートが完全に付着していると仮定した場合の補強はり の断面解析を行ない、実験結果との対応を検討した。
4.2.2実験方法 (1)使用材料
実験に使用したコンクリートは、呼び強度21、スランプ150mmのレデイーミクストコ ンクリートで、その仕様を表4.1に示す。スランプ及び空気量の実測値はそれぞれ 187mm,43%であった。主筋にはSD345、あばら筋にはミガキ棒鋼を使用した。コンク
リートと鉄筋の材料試験の結果を表4.2に示す。
表4.1レデイーミクストコンクリートの仕様
コンクリート種類 呼び強度
ス ラ ン プ
粗骨材の最大寸法 セメント種類
表4.2材料試験結果
普通
21 150mm 20mm N
コンクリート 主筋SD345 あばら筋ミガキ棒鋼
F b E F t F b (1圧a)(GPa)(MPa)(MPa)
23.52151.993.69
ぴ y ぴ B 6 (1V⑱a)(MPa)(%)
3 7 2 5 3 8 1 5 . 4
R:圧縮強度E:1β割線弾性係数Ft:割裂引張強度Fb:曲げ強度 びy:降伏強度(あばら筋は0.2%耐力)。B:引張強度6:破断伸び
3 9
ぴ y び B
(MPa)(MPa)
6 5 3 6 8 2
(2)試験体及び試験方法
試験体は幅150mm×せい250mm×全長2400mmの中型はりを6体用いた。配筋は6体とも
同じで、圧縮鉄筋は3-,10、引張鉄筋は2-,10、あばら筋は頓@100mmとした。試験体寸
法及び配筋を図4.1に示す。試験体は同時に6体作製し、材令21日まで現場湿布養生を行な い、その後気中養生とした。CFシート補強方法を図4.2に、試験条件を表4.3にそれぞれ示 す。試験体No.1は無補強、No.3,4は1層、No.2,5は2層、No.6は3層補強である。また、
No.2はシート貼付前にあらかじめ本載荷と同一条件で降伏荷重の約2/3まで載荷してひび
割れを導入した後、ひび割れ補修は施さずにそのままシートを貼付した。シートの貼付 手順は、第二章で述べた方法に従って行なった。
載荷形式は5体を4点曲げとし、No.3のみ3点曲げとした。測定は、ロードセルにより荷
重を検出し、スパン中央断面の圧縮及び引張鉄筋ひずみをひずみゲージにより測定し、
スパン中央及び載荷点の変位をそれぞれ変位計により測定した。
□の5,100
i半津評罵
回 幽
ひずみケージ
1
主筋:SD345D10 圧縮筋3-,10、引張筋2-,10 あばら筋:の5ミガキ棒鋼
□の5,100
図4.1試験体形状寸法及び配筋
4 0
2 0 C
(単位:m、)
図4.2シート補強方法
□
-
(:xFシート
両 に
比較用
曲げひび割れ導入後、シート貼付 表4.3試験条件
4点曲げ 4点曲げ 3点曲げ 4点曲げ 4点曲げ 4点曲げ
試 験 体 N o . シ ー ト 補 強 層 数 載 荷 形 式 備考
帆堀幅堀堀掘
123456
4 1
4.2.3解析方法
CFシートにより補強したRCはりの曲げ解析は、平面保持を仮定した断面解析に基づい ている。解析の仮定は、次のとおりである。
①平面保持の仮定が成り立つ。
②コンクリートの圧縮応力-ひずみ関係には、測定値との一致の良い、次のPopovics式を 用いる。
。 ‐ 〃 ) " 。 g / (
-
ハ ー - " 1 碗 / g ( ” ) + 。
・・・(4.1)ここに、ぴ:圧縮応力 e:圧縮ひずみ 凡:圧縮強度
eと。:圧縮強度時のひずみ
〃:実験定数
ここで、実験定数'zは、圧縮応力-ひずみ曲線の測定値を上式にあてはめて、非線形回帰に より求めた。
③コンクリートの引張強度は無視する。
④鉄筋の応力-ひずみ関係は、完全弾塑性とし、降伏強度には測定値を用いた。
⑤CFシートは、破断に至るまで線形弾性とみなす。
解析方法は、次のとおりである。
(1)中立軸位置の計算
中立軸高さし、)は、軸方向の力のつりあいより、圧縮合力cと引張合力が許容誤差の 範囲内で一致するまで、反復計算により求めた。ここで、c’7は、次式で与えられる。
ここに、