7 3 6 金 沢大 学 十全 医学 会 雑 誌 第9 3巻 第5号 7 3 6 −7 4 8 く1 9 朗1
メ ダ カ の卵 巣 壁 と卵管の微 構造と神 経 支 配
金沢 大学 医学 部 解 剖学 第一一講座 く主 任こ本陣 良平教授1
東 元 囁 子
山 下 利 夫
本 陣 良 平
く昭和5 9年1 0月2 7日受付I
メ ダ カ卵 巣壁と卵 管の徴 構 造と神 経 支配を, 電子 顕微 鏡と組 織 化 学 的 方法によ り検 索し た. メダ カ の卵 巣は卵 巣壁を もつ葉 状の器 官で, 種々の発 達 段 階の多くの卵 胞を含んで いる. 卵 巣 壁は, 上皮 細 胞 層,
平滑 筋 層, メ ラニ ン細 胞 層から構 成さ れ ている. 筋 層 中には, 無髄 神 経 線 推の微 細な神 経 網と卵 巣 壁 間 質 細 胞が存 在す る. 卵 胞 膜細 胞の突 起が, 卵 巣壁 間質 細胞と密 接して いる. 組 織 化 学 的検 索によ れ ば, 微細 な神経 網は アセチルコリンエステ ラー ゼ活 性 陽性の癌状腰大 線 推か ら な る. 電 顕 像によ れ ば, 癌 状 腰 大は 軸 索の腫大 部と し て観 察さ れ る. 軸 索 腰 大 部は, 多く の無 顆 粒 性小胞と大 顆 粒性 小胞を含み, 部 分 的に
Schw a n n 細 胞の鞠を欠い て いる. 軸 索腫 大 部は 以下の2 型に分類さ れ るニTy pe−Dく遠 距 離シナ プフり, こ
れ は微 細な神 経 束の走 行 中に位 置し,平滑 筋 細 胞の組織 腔に露 出して いるニTy pe−Cく密 接シナ プスl, これ は平滑 筋 細胞の陥凹部に密接して いる. Ty pe−D と Ty pe.C の比 は1 1 ニ9 であ る. 無 顆粒 性小胞と顆 粒 性小 胞の数比 は 6 こ1 であ る. 卵 管 壁は 上皮 細 胞 層と多くの卵 管 問 質細 胞を含む厚い層とで構 成さ れて いる. 無 髄神 経 線維の軸索は, 卵管 問 質 細胞と密 接シナ プスを形 成し ている. 卵 管の密 接シナ プス には, 多くの
無 顆粒 性小腹と大顆 粒 性小胞が含ま れて いる. 無 顆 粒性小胞と大 頼粒 性小胞の比 は 2 こ 1 であ る.
Key w o rds cholin ergi c n e r v efibe r, S m O Oth rn u S Cle c ell,inte r stitial c ell,
O V a ria n w all
, O Vidu ct, m edak a
メダ カの卵巣は その壁が収 縮す る た め, 卵 巣 全体が 腹腔 内において常に律 動 的に収 賭し ているり. こ の律 動収 縮運 動は, 卵 巣壁の平 滑 筋細 胞の収縮によ ること が知ら れ ている2I. メダ カ卵 巣で は,卵 管に近い部に卵 巣 腔があり, 卵 巣 腔に画す る 壁 は特に厚く約3 0メ111 で, そ の う ち筋 層は約2 0ノJm を占め る. 卵 巣 腔 内に成 熟卵子 が 2 0 個ないし 3 0 個 蓄 積す る と, 卵 巣 腔 壁の収 縮によ り, 卵子 は卵 管へと送り出さ れ, 泌尿生殖乳 頭
の後 方に位 置す る総 排泄 腱か ら体 外へ産卵さ れ る.
メダ カ卵 巣腔 壁や卵 管の微構 造に関しては, 幾つか の報 告が見ら れ る2削が, 詳 細な知 見に乏し く. 不 明 な 点が多い. 特に律 動収 縮にあ ずかる 平滑筋 細 胞の神 経 支配に関し て は, ほ と ん ど触れ ら れて いない. 今回 は,
メダカ卵 巣 壁と卵 管の微 構造およ び, こ こ に分布す る 神経 終 末を電子顕微 鏡 観 察と組 織 化 学 的方 法によっ て
検 索し たの で報 告す る.
材料およ び方法 工. 実験 動 物
成 熟ヒメ ダカく0り管ズが 如如slの雌を実 験動物と し て用いた.
工工. 光顕検 索法
卵 管を含む 尾鰭 周辺組 織と卵 巣を1 0%ホ ル マリン に固 定, パ ラ フ ィ ン包埋, ヘ マ ト キシリン . エオ ジン
染 色を施し た. ま た, 電 頭検 索用に作 成し たエボン包 埋試料の約1 ノJm 切片に, トルイ ジンブル ー染 色を施 し, 組 織 部 位の同定に用いた.
m . 組織 化 学的検 索法 1 . カ テコ ー ル ア ミ ン検 出法
力 テ コ ールアミ ン螢 光検 出のた めの ホ ル ムアルデヒ
A b br e viatio n s こTy pe C,t y Pe Of c o nta ct syn aps e三Ty pe D,t y pe Of dista nt syn aps e.
卵 巣 壁と卵 管の神経 支 配
ド.グルタ ー ルアルデヒド . ショ糖 固 定 法 くfo r m aト dehyde−gluta r aldehyde−S u C r O S e fix atio n m ethodl4I を用いた. こ の方 法によ る と, 組 織 中のカ テコ ー ルア ミ ンは黄緑 色の螢 光を発す る.
2. ア セチルコリンエステ ラー ゼ 活性 染 色法 アセチルコリンエステ ラー ゼ括 性検 出のた めの ルベ
アン酸 増 強 法くr ube a nic a cid−e nha n c e m e nt m ethodl5 1 を用いた. この方 法によ る と アセチルコ リン エステ ラー ゼ活性 陽性 部位が 黒色に特 異 的に検 出さ れ る.
IV . 電 顕検 索法
卵巣 壁お よ び卵 管の電 顕 検 索には, 組 織の小片を
2.5%グルター ルアルデヒド.0.1 M 燐 酸緩 衝 液くpH 7. 41 に, 40C で6 0分か ら 2 日間 前 固定, 締 切後0.1 M
燐酸緩衝 液 中で水洗,1 %四酸 化オスミ ウム.0.1 M 燐 酸綬衝 液で9 0分 後 固 定, つ いでエ タノ ー ル系 列で脱 水, エボン飢 2 に包埋 し薄 切 片を作 成し た. 薄 切 片に は酢酸ウ ラニルと クエ ン酸 鉛の 二重 染 色を施し, H U − 12 型 あ るいは 臥 5 00型 電 頗によって観 察し た.そのほ か卵巣壁の筋 層の神経 終 末の検 索のた めに, Tr a n z e r
ら6 Iの重 クロム酸 固 定法を 用いた. こ の方法によ る と,
神経 組織 中のカ テコ ー ルア ミン含有 物が極めて電子密 度 大な物 質と して検 出さ れ る.
成 徳
工. 卵 巣 壁と卵 管の光顕 所 見
メダカ卵 巣の最 外表には一 層の中 皮細 胞が あ り, そ の直 下には卵 巣 壁が存 在し, 種々 の発達 段 階の卵 胞を 含む卵 巣 実 質を取り囲んで いる. 卵巣 壁は卵 巣の後 端
P hoto l. Ov a ryくO V A J a nd o vi du ctくO V IJ ofthe m edaka. Ov a ria n w all くO Wlis obs e r v ed fa cing the o v a ria n lu m e n くO L l. He m ato xylin−e O Sin Stain l ng ニ X 1 50.
7 3 7
の卵 巣 脛の部で は著し く厚く な り, 卵 管 壁に移行し て
いるく写 真1 う. 卵 巣腔に画す る卵 巣壁では, 卵 巣腔の
内腱から外 方に向かっ て, 単廟柱状上皮, 内 縦.外 輪 平滑 筋 層く卵 巣 壁 間質 細 胞,inte r stitial c ell of o v a ria n W aユ1 を含むJ, メラニン細 胞 層が層状に並 ん でいるく写 真2ユ. 卵管は単 層柱 状上皮と,紡 錘 形ない し 星形で細
い突 起を もった細 胞 く卵 管 問 質細月払 inte r stitial c ell
Of o vidu ctJ の厚し1層とから成っ ている. 卵 巣 壁が中 腎管や腸 管に画す る部位には, 壁の外 面に薄い縦 走す る平 滑筋 層が あ り, 卵 管 壁の外 面に移 行し ている く写 真 り. 卵巣 壁が卵巣 実 質に面す る部 位で は, し ば し ば メ ラニン細 胞 層を欠き, 平滑 筋 層が卵巣 実 質の卵胞 膜
の組 織, 無髄 神 経 線 維 丸 血管と密 接し ている.
工工. 卵 巣壁の電 子 顕微 鏡およ び組織 化 学 的所見 1 . 電子顕 微 鏡所 見
り 上皮細 胞
卵 巣腔の内面を覆う単 層柱 状上皮 細 胞は, 染色 質に
富む大き な核を有し, そ の細 胞 遊離 面に は無数の ミ ク
ロ ビリー が存 在す る. 上皮 細 胞の遊 離面は卵巣 腔 側に 深く突 出し, 突 出部に大小 種々の空腹が存在し, 内部 に無 定形 物 質を含ん でいる. し ば し ば, 空胞は細 胞 表 面に開口して いる. 隣接す る 上皮 細胞 間には, 細 胞 間 接 着装 置 くju n ctio n al c o mple xl や駿 合が よ く発 達し ている. 細 胞 質には ミ トコ ンド リ ア, 粗 面小胞 体, お よ び遊 離リ ボ リー ムが存在す る. 細胞 内の至 る ところ に多量の張原線 推 束が走り, ミ クロ ビ リー の中にまで 伸び ている く写 真3つ.
2う平滑 筋 細 胞
筋 層の平 滑 筋 細胞は長紡 錘 形を呈 し, 互い に密に噛
P hoto 2. Tr a n s v e r s e s e ctio n of the o v a ria n w all.
T he w all c o n sists of a n epithelial c e11 1aye rくEI,
in n e r lo ngitudin al tI M J a nd o ute r cir c ula rくO M j
m u s cle laye r s, a nd m ela n o cy te laye r くM L ナ. Toluid in e b lu e stain l ng ニ X 60 0.
7 3 8 東元 .山下 . 本 陣
み あっている. 細 胞の尖端 部は, 長い突 起を出して隣
の細 胞と密接し ている. 細 胞 間には幅 約0.3 〆m の組 織膿が介在し, 基底 膜と膠 原 細 線推が存 在す る. ま た 細 胞 側面の至 る所で突起を出し て, 隣の筋細 胞に密接 している. こ の部で は,両細 胞膜 間に約1 00A の細 隙を 見るにすぎ ず, 基 底膜が欠 除し ている. さ らに細 胞 側 面から 出る突起は, 隣の細胞の表 層 胞が密 集して いる 部 く表 層胞 領土射 と接し ていること が あ る. 表 層 胞 領 域で は細 胞膜 直下に径80 0 へ10 00 A の表 層 胞が多 数 存
在し, その 一 部は細 胞 間腔 側に開口してしユる. 後にも 触れ る が, し ば し ば表 層胞 領 域に神経 終 末が密 接して いる く写 真4 1. 細 胞 質には多量の筋 細 線維が含ま れ,
所々 で濃 密体を 形成している.核の近傍の筋形質には,
ゴル ジ装 鼠 粗 面小胞 体, 中心 小体, グ リコゲン顆粒 が存 在す る一紙 胞 表面の表 層 胞が欠 落して いる領域 僻 調領 吼 では, 細胞 膜 直下の筋形 質 内に電子密度 大な 無 構 造の物 質が集積し, これに筋 細線 推の集 団が接着 している. 細 胞 表面には, 表 層 胞 領域と暗 調 領域と が
fila m e nts,n u m e r O u S V e Sicle s,a ndju n ctio n alc o m ple x e sくwh ite a r r o w sl a r e obs e r v ed. xl l,20 0.
卵 巣壁 と卵 管の神 経 支配
交互に配列し, ま た隣 接す る筋 細胞の同 種の領 域 同士 が そ れ ぞ れ相 対して いる く写 真4う.
3ユ 無髄神経線 維の終末
平滑筋 細胞の集 団を 分 けている問 質には, 多 数の無 髄神経 線 維が束を な し て走っている. その軸 索 中には ミトコ ンド リ ア, 神経 細 管, 神 経細 線 維な ど が走り,
所によっ て は多 数の シナ プス小 胞が含ま れ ている. シ ナ プス小胞を含む軸 索の部は し ば し ば肥 大し, 軸 索腫 大部を 形成し ている. 軸 索腰大 部は その −側に お いて
Schw a n n 細 胞の被 鞘を失い,膠 原細 線 維を含む組織 腔
に露 出して いる. 露 出 部には 基底 膜は見 当ら ない二 軸 索腰大 部と平滑 筋細 胞との間には, 通 常 約0.1 旬1.0 声m の組織 腔が介 在し ている. 神経 終 末と被 支 配 細 胞 との距 離 的 相関か ら みて, こ こ に述べた多 数の シナ プ ス小胞を含む軸 索腰 大 部は, 消 化 管の平滑 筋に おいて
観 察さ れ た7刑, い わ ゆ る遠 距 離シ ナ プスくd ista nt Syn apS e,Ty pe.DJ に相 当す るく写真5, 図1 al. 神 経束は平 滑 筋 層の深部に進入 す る と個々の無 髄 神経 線 推に分かれ, 平滑筋 細胞に接近 し,Schw an n 細胞の被 鞘を失って終末を 形成し, 平 滑筋 細胞の陥凹部には ま り込 んで いる. こ の種の軸 索終 末の細 胞 膜は部分 的に
肥厚し ている. シナ プス隙は幅 約2 0 0旬4 0 0A で, 既に
述べた平滑 筋 細胞の表 層胞 領 域に シナ プスを形 成し て
いるく写真4 , 6 a − dう. こ の種の終 末は精 管の平滑
筋で見 出さ れ た9J, いわ ゆ る, 密 接シナ プス くc o nta ct Syn apS e,Ty pe−Cj に相 当す るく図1 bI. こ の終 末 部 は, 上記の遠 距 離シナ プス に比 し, その径は小さい.
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上記の 二種の神経 終 末 くTy pe−D と Ty pe−Cl には,
いずれに お いても径 約5 0 0A の無 顆 粒 性シナ プス小 胞 と径 約8 0 0へ12 0 0A の大顆粒 性シナ プス小 胞, 不整形 の小胞, グ リコゲン顆粒, およ び ミ トコ ンド リ ア が含 ま れて いる. 哺 乳類の自律 神経 終 末にし ば し ば見 出さ れ た径約5 0 0A で内部に電子 密 度大 な顆 粒を もつ い わ ゆ る 小顆粒 性シナ プス小 胞や ほ, 重クロム酸固定法を もっ て しても見 出すこと ができ な かっ たく写 真5I. 写 真撮影 し た 3 7 3 例の神 経終 末に つ いて, 上記の遠距 離
シナ プスと密 接シナ プスを算 定す る と, 前者は 2 0 7個 ほ5■5%1, 後 者は 1 6 6個 く4 4.5%ンで, そ の比は 1 1ニ 9 であった. 遠 距 離シナ プスくTy pe−Dl は一般に多数
の無顆粒 性 小胞と少 数の大 顆粒 性 小胞を含むく4 9.9%ユ が, 時と し て多 数の無 顆 粒性 小胸の み を含み, 大顆 粒 性小胞を有し ないも のほ.6%ぅも認め ら れ る. 密接シ ナ プスくTy pe−Cl の大 部 分は少 数の無 顆粒 性小胞と少 数の大顆粒 性 小胞を含む く31.1%1 が, その 一 部のも のは少数の無顆 粒 性 小胞のみく9.4%1 あ るいは少 数の 大 顆粒 性 小胞のみく4.0%うを含む. 神 経 終 末にお け る シナ プス小胞の分 布の差 異は, 遠距 離シナ プス汀y pe−
Dl お よ び密 接シナ プス CTy pe−Cl の断面の種々 の相 を 示 す ものと考え ら れ る. 次に, 遠 距 離シナ プス .密 接シナ プスを問わず, これ ら両種の神経 終 末 内に含ま れ る全シナ プス小胞の数を 上記の3 7 3例で算定し た. その結果は, 無顆 粒 性 小胞が 5 7 9 3 胤 大 顆粒 性 小胞が 100 7個であ り, 両 者の比 は大 略6ニ1 で あった.
4フ平滑筋 層に存する特殊な細胞 く卵巣 壁 間 質 級 別
7 射1 東元 . 山下.本 陣
平滑 筋 層 内に, 平 滑 筋細 胞に挟ま れて明調な特 殊な 細 胞が頻 繁に見 出さ れ る. こ の細 胞の核は 明調で, 異 質 染 色質に富む. 細胞 内にはゴルジ装 置, し ば し ば細 胞 膜と連 続す る被 覆 小胞 くc o ated v e sicleI, ミトコ ン ド リ ア, 粗面小胞 体, 遊 離リ ボ ゾー ム, 張 原 楓 私 微 細線 推 束を含む 大 小様々 の不 定形小胞 く微 細 線 推の直 径は約6 5A で, 線練 間 隔は約13 0A l, 電子密度 大な物 質を含む滑面小胞体な ど が存 在す る. 細 胞 外周 は基 底 膜に覆わ れ, その外側に かな り広い組 織 腔の存在す る 部位も あ る が, 平 滑筋 細 胞 表面の表 層胞 領 域に対して は平 滑 筋細 胞と密 接し, こ のよ う な部 位で は平 滑 筋細 胞と基 底膜を共 有し ている. しかし平 滑 筋細 胞 表 面の 暗 調領 域に画 す る部で は, 基 底膜が厚く, 時と し てこ の細胞 内に存在す る被 覆小胞が細 胞 外面に開口し てい るく写 真り. ま たこ の細 胞が平 滑 筋 束か ら離れ た問 質 内に存 在す る場合には, 平 滑 筋細 胞の細い突 起がこの
細 胞を取り囲む よ うにして位 置し ている. し ば し ば,
こ の細 胞に幅 約2 00 旬40 0A の間隙を もっ て, 無 髄神 経 線 継が終 末を形 成し ている. 終 末 内部には多数の無顎 粒 性小胞と少数の大 顆粒 性小胞, グ リコ ゲン額 粒が含 ま れ ており, 前 述の密 接シナ プス に属す るく写異8 1.
著 者ら は, こ の細 胞を卵 巣壁間質 細 胞くinte r stit ialc ell
of o v a ria n w al u と名 付け る. こ の細胞は その微 構造
から,明 らか に問 質結 合 組 織 内の線 維細 胞と は 異 な る.
注 目すべきことには. こ の細胞は卵 胞膜に由来す る卵 胞 膜 細 胞と も密 接して いることであ る. す な わ ち卵 胞 膜 細 胞の長い突 起が, 卵巣 壁 間 質細 胞の方 向に伸び,
基 底 膜を共 有し て密 接して いる.しかし両 者の間には,
接 着湧別こよ る結 合は見ら れ ない. ち な みに卵 胞膜 細胞 は細 胞 質内に多 数の小 胞と張原 線 維を有し, 卵胞 膜細 胞 同士 は駿 合を な して密 接し, ま た その多数の長い突 起は, よ く 発 達し た細 胞 間 接 着 装 置 くju n ctio n al
X2 0,00 0.
卵 巣 壁と卵 管の神経 支 配
c o mple幻 によ り連 結さ れ,卵巣 壁 間質 細 胞を取り囲ん
でいるく写 真9 う. こ のよ う な電顕所見は, 卵巣 壁 間 質 細胞, 平滑 筋 細 胞, 無 髄 神経 線 維, 卵 胞 膜 細胞の四省 間に密 接な関 連が あ ること を 示 している.
5うメラニ ン細胞層
筋層の外 側に膠 原 細 線維を含む組 織腔を隔て て, メ ラニ ン細 胞の層が あ る. こ の細 胞の核の表 面は 凹凸に
三毒遍露茅S M 攣
T S
瓦 U . 翫 − . 闇
J こ二土呂イ
望璧聖麺 蟹感
蓋 表 室彗喜裏書 柘 襲喜羞
慧攣済露夢琴
7 41
富み, 異 質染 色 質が核膜を縁ど る よ うに存在す る. 細 胞 質には径2 旬 5ノfm の大小種々 の小胞が充 満し, 小 胞 内には径約4 0 0A の微 細 顆 粒が集積して いる. 低 倍 率像で みる と, こ の微細 顆 粒は微 細線 推の集 積から構 成さ れ ているく写真10う. 螢 光顕 微 鏡で検 索す る と, 顆 粒 状の橙 黄色の螢 光が見ら れ る が, これ はメ ラニ ン細 胞が含む dopa く3, 4−d ihydr o xy phe ny lala nin el の螢 光1 りであ り, ア ドレナ リン作 動性 神経が 示 す カ テコ ー ル ア ミ ン の黄 緑 色の螢 光と は異な る もので あ る.
2 . 組織化学 的 所見
い カ テコ ー ル ア ミ ン螢 光検 出所見
カテコ ー ルアミ ン螢 光 検 出法によ り卵巣 壁を検 索し た が, メラニン細 胞の呈 す る橙 黄色の螢光を除いて,
F ig■1a− Diagr a m m atic r epr e s e ntatio n of the a x o n al e xpa n sio n s in the fin e n e rv e bu ndle
lo c ated il− the tis s u e spa c e くT SI a m o ng the S m O Oth m u s cle bu nd le sくS Ml ofthe o v a ria n w all in a lo ngitudin al s e ctio n. T hey c o ntain m a rly agr a n ula r syn ap tic v e sicle s a nd la rge gr a n ula r Syn ap tic v e sicle s,1a ck a Schw a n n c ell she athくSI
O n the sidefa cing thetis s u espa c e,a nd r epr e s e nt d ista nt syn aps e s くTy pe−Dl. A , u n m yelin ated F ig.1b. D iagr am m atic r epr e s e ntatio n of. the a x o n al e xpa n sio n s in the s m o oth m u s cle c e11s
くS Mlin a s e ctio n. T hey c o ntain m a ny agr a n ula r Syn aP tic v e sicle s a nd la rge gr a n ula r syn ap tic V e Sicle s,a nd r epr e s e nt c o nta ct syn aps e sくTy pe−
Cl in the gr o o v e s of the s m o oth m u s cle c ells,
T he pr o c e s s e s of the inte r stitial c ell of the O V a rian W all ロWl a r e als o at ta ched to the n e r v e e xpa n sio n s− A , u n myelin ated n e r v e a x o nニS,
Schw a n n c ell she athニT S,tis s u e spa c e.