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3つの調節池による洪水調節を含む洪水流解析

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Academic year: 2021

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(1)

3 調節池による洪水調節を含んだ洪水流解析と渡良瀬遊水地の洪水調節機能の評価法に関する研究 Analysis and assessment of flood control effects of Watarase retarding basin

土木工学専攻

26

号 中井 隆亮

Takaaki NAKAI

1.序論

利根川水系渡良瀬川の下流部に位置する渡良瀬遊水地 は,流域の洪水流量を3つの調節池に導き,利根川と渡良 瀬川の合流点の直下流に位置する栗橋(海から130.4km 地点)より下流へ向かう流量を減じる機能を求められて いる.昨今の地球温暖化等の気候変化による降雨規模・

頻度の変化,それによる洪水流量の増大が懸念される中,

利根川水系においては,渡良瀬遊水地の洪水調節効果が 図-1に示す流下能力の確保が課題となっている利根川下 流部と,東京の市街地を流下する江戸川への分派流量の 大きさや,その分派率の決め方等に直接影響すると考え られていることから,利根川の治水計画上,渡良瀬遊水 地の洪水調節機能は特に重要である.昭和34年の遊水地 の計画時には,調節池への流入量の算定精度に難がある 一次元洪水流解析による検討が行われたこと,さらに,

その後に一帯で地盤沈下が進行したことや,流量規模の 小さい洪水に対する調節効果の向上を狙い越流堤の天端 の一部を切り下げる改修が行われたことなどにより,現 在の遊水地が本来のあるべき洪水調節機能を有している かは把握されていない.

本研究は利根川,渡良瀬川,思川,巴波川の実績洪水 について,

3つの調節池による洪水調節を含む洪水流解析

を行い,現況の渡良瀬遊水地の洪水調節効果を再現する.

つぎに,それよりも大きな整備計画規模の洪水のハイド ログラフに対する渡良瀬遊水地の洪水調節現象について 検討し,渡良瀬遊水地の洪水調節機能の評価方法を提案 することを目的としている.

2.3 調節池による洪水調節を含む洪水流解析

図-2に示す検討領域は,複数の河川の合流や各調節池 への流入があり,樹木群や高茎草本などが河道内に多く 繁茂している.その影響を受けた洪水流の観測水面形の 時間変化を解とし,それを再現するような粗度係数や樹 木群透過係数の値を,実際の地被状態や繁茂状況等に即 して決定する非定常平面二次元洪水流解析を行う.この 方法は検討区間内の任意地点の流量ハイドログラフを 精度よく見積もることができる点に特徴がある 1).縦断 的に支川の流入や調節池への流入を繰り返す場におい ては,その影響を受けた水面形の観測が必要となり,遊 水地内の河道では

2~3km

の間隔で水位観測がなされて いる.しかし,河道の両側に越流堤が設置されているこ とや,越流堤の近傍に河川の合流点があることなどによ り,水面形のみでは各越流堤の越流量や合流量の再現性

の検証が難しい.観測水面形・流量と解析結果を比較す るだけでなく,越流量の指標となる各調節池内の観測水 位等により,越流量の時間変化を追えているかを確かめ る必要がある.また,調節池内水位ハイドログラフによ る解析結果の検証を行うためには,従来から行われてき た調節池の水位-貯水量(H-V)関係による水位の算定 方法では,水の広がり方の情報に不足がある.調節池内 全体を解析範囲とし,水の広がり方に変化を与える微地 形や構造物等の情報を十分に取り入れることが調節池 内の水位ハイドログラフを再現する上で重要である.こ の方法をとることで,複数の地点から洪水を調節池内に 取り込むことにより池内水位が一様とならない調節池

図-1 渡良瀬遊水地の位置

図-2 検討範囲

0 スケール(km)

0.51

第三調節池 第二調節池

:樹木群

:調節池

:排水門

:越流堤,流入堤

0 スケール(km)

1

第一調節池 0.5

渡良瀬貯水池(谷中湖)

:農地

:流下方向

:グラウン ド等 凡例

流入堤 第一下流越流堤 第三越流堤

第二越流堤

第一上流越流堤 藤岡

(12.9k)

古河

(3.6k)

:主な観測点

栗橋

(130.4k)

埼玉大橋 (136.5k) 利根川

乙女

(4.2k)

中里

(3.9k)

0 1 2

スケール (km) 良瀬

東京都 埼玉県

千葉県 茨城県

根川

瀬川

渡良瀬遊水地

栗橋

草木ダム 渡良瀬遊水地

(2)

への越流量の算定や,調節池内から河道への戻り流量が 生じる大きな規模の洪水の流量算定の精度を保つ効果 もある.

上記の留意点を考慮して行った解析結果の一例を図 -3に示す.検討対象とした平成

19

9

月洪水の利根川 と渡良瀬川の観測水面形,検討範囲の

5

地点で観測され た流量ハイドログラフ,調節池内の微地形により水位の 上昇率が途中で変化する各調節池内の水位,各越流堤上 で観測された越流水位を,解析結果はよく説明している.

3.異なる出水形態をもつ 3 つの実績洪水に対する渡良 瀬遊水地による洪水調節

検討対象とした実洪水は,平成

13

9

月,平成

14

7

月,平成

19

9

月に発生した

3

洪水とした.遊水地に 流入する

3

河川の流量の合算値と,利根川の埼玉大橋地 点の流量ハイドログラフの比較を図-4 に示す.平成

13

年洪水は洪水継続時間の非常に長い洪水である.平成

14

年洪水は,渡良瀬遊水地に直接流入する

3

河川の流量規 模が大きく,流量ピークの時刻も利根川に比べて早く生 じている.平成

19

年洪水は利根川の流量規模が大きく,

流量ピーク時刻も早く生じている.3 洪水の利根川の栗 橋地点のピーク流量は

8100~9300m

3

/s

であり,調節後の 流量規模に大きな差はない.図-5に示す渡良瀬川から利 根川への合流量は,渡良瀬遊水地の洪水調節により,そ れぞれの洪水時に遊水地へ流入した流量のピーク値に比 べて減じている.また,利根川の減水期まで時間遅れを 持たせて利根川への合流量を増加させている.平成

13

年洪水の利根川の水位が高い時間帯には利根川への合流 量をほぼ一定に保っている.平成

14

年洪水では,利根川 の水位の上昇と共に渡良瀬川から利根川への合流量を少 し減らしている.図-6の調節池の貯水量ハイドログラフ

図-4 遊水地流入流量と利根川本川流量の比較

1000  2000  3000  4000  5000  6000  7000  8000  9000  10000 

9/10 0:00 9/11 0:00 9/12 0:00 9/13 0:00 6240m3/s 12時間

3470m3/s 8170m3/s

1000  2000  3000  4000  5000  6000  7000  8000  9000  10000 

7/10 0:00 7/11 0:00 7/12 0:00 7/13 0:00 6020m3/s 3時間

4435m3/s 8573m3/s

1000  2000  3000  4000  5000  6000  7000  8000  9000  10000 

9/6 0:00 9/7 0:00 9/8 0:00 9/9 0:00

8115m3/s 3時間

3082m3/s 9271m3/s

流量(m3/s 流量(m3/s

日時 日時

日時 流量(m3/s

:栗橋 :埼玉大橋

:渡良瀬遊水地流入3河川

図-5 遊水地流入流量と利根川への合流量の比較

15.0  17.5  20.0  22.5  25.0  27.5  30.0  32.5  35.0  37.5  40.0 

1000  2000  3000  4000  5000  6000  7000  8000  9000  10000 

9/10 0:00 9/11 0:00 9/12 0:00 9/13 0:00 14時間

1090(m3/s) 8170m3/s

15.0  17.5  20.0  22.5  25.0  27.5  30.0  32.5  35.0  37.5  40.0 

1000  2000  3000  4000  5000  6000  7000  8000  9000  10000 

7/10 0:00 7/11 0:00 7/12 0:00 7/13 0:00 8時間

1730(m3/s) 8573(m3/s)

15.0  17.5  20.0  22.5  25.0  27.5  30.0  32.5  35.0  37.5  40.0 

1000  2000  3000  4000  5000  6000  7000  8000  9000  10000 

9/6 0:00 9/7 0:00 9/8 0:00 9/9 0:00 7時間

650(m3/s) 9271(m3/s)

流量(m3 /s Y.P.m)

Y.P.m) 流量(m3 /s

・平成 13 年 9 月洪水 ・平成 14 年 7 月洪水

・平成 19 年 9 月洪水

・平成 13 年 9 月洪水 ・平成 14 年 7 月洪水

・平成 19 年 9 月洪水

日時 日時

流量(m3/s Y.P.m)

日時

栗橋流量 栗橋水位

利根川への合流量 遊水地への流入量

図-3 実洪水に対する解析結果の例(平成 19 年 9 月洪水)

・利根川水面形 ・渡良瀬川水面形

9/7 9:00 9/7 12:00 9/7 15:00 9/7 19:00 9/7 23:00

実線:解析水面形 マーク:観測水位

・観測流量との比較

:解析水位 :解析水位(谷中湖) :越流堤上水位 :観測値

:栗橋 :古河 :藤岡 :乙女 :中里

実線:解析値 :観測値

Y.P.m Y.P.m

縦断距離(km) 縦断距離(km)

・第一調節池内水位 ・第二調節池内水位 ・第三調節池内水位

調節池内水位Y.P.m)

日時 日時 日時

越流堤上水位Y.P.m)

越流堤上水位Y.P.m)

越流堤上水位Y.P.m) 調節池内水位Y.P.m)流量(m3/s

日時

調節池内水位Y.P.m)

15 16 17 18 19 20 21

122 124 126 128 130 132 134 136 138

利根関宿

栗橋

埼玉大橋

渡良瀬川合流

16 17 18 19 20 21 22

0 2 4 6 8 10 12 14

古河

藤岡 第一下流越流堤

第一上流越流堤

第三越流堤

巴波川合流 思川合流

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000

9/6 12:00 9/7 0:00 9/7 12:00 9/8 0:00 9/8 12:00

18.6  18.8  19.0  19.2  19.4  19.6  19.8  20.0  20.2  20.4  20.6 

11.0  11.5  12.0  12.5  13.0  13.5  14.0  14.5  15.0  15.5  16.0 

9/7 6:00 9/7 12:00 9/7 18:00 9/8 0:00 9/8 6:00 9/8 12:00

18.3  18.5  18.7  18.9  19.1  19.3  19.5  19.7  19.9  20.1  20.3 

12.5  13.0  13.5  14.0  14.5  15.0  15.5  16.0  16.5  17.0  17.5 

9/7 6:00 9/7 12:00 9/7 18:00 9/8 0:00 9/8 6:00 9/8 12:00

18.9 19.1 19.3 19.5 19.7 19.9 20.1 20.3 20.5 20.7 20.9

13.5  14.0  14.5  15.0  15.5  16.0  16.5  17.0  17.5  18.0  18.5 

9/7 6:00 9/7 12:00 9/7 18:00 9/8 0:00 9/8 6:00 9/8 12:00

(3)

より,貯水量が最大となったのは太いハイドログラフを もつ平成

13

年洪水で,

3

調節池で最大

7000

m

3程の水 を貯留した.平成

19

年洪水が一番少なく,

2500

m

3 の水を調節池の中に取り込んでいる.

利根川のピーク流量の差が小さい割に,図-7に示すよ うに利根川本川の各洪水のピーク水位の縦断形と高さが 大きく異なり,栗橋での水位条件に支配されて各洪水の 渡良瀬川のピーク水面形の勾配が変化している.その結 果,各調節池の調節状況が異なっている.遊水地に流入 する

3

河川の流量規模が最も大きい平成

14

年洪水は,遊 水地下流部に位置する第一下流越流堤以外で越流量が

3

洪水中最大値を示すのに対し,第一下流越流堤の越流量 最大値は,利根川の流量規模が最も大きい平成

19

年洪水 時に発生している(表-1).このように調節池への流入流 量は栗橋の水位と遊水地へ流入する河川の流量に規定さ れることが分かる.

同一洪水について渡良瀬川上流部にある草木ダムの洪 水調節状況と比較すると,ダムが治水容量に対して最大 で

9

割近い使用率となっているのに対し,渡良瀬遊水地 では

6

割程度の使用率となっている(表-2).渡良瀬遊水 地の治水容量は,草木ダムに比べて8.6倍あることから,

広い面積を活かして余裕をもった洪水調節を行っている ことがわかる.

4.大きな洪水に対する渡良瀬遊水地の洪水調節機能の 評価-昭和 22 年 9 月型洪水の例-

現在検討中の利根川河川整備計画では,渡良瀬遊水地 に求められる機能として各河川の洪水のハイドログラフ の組み合わせに対し,渡良瀬川合流後の利根川栗橋地点

のピーク流量を

14000m

3

/s

以下にするものとしている.

調節池と越流堤の諸元が現在の形で存在するものとして,

渡良瀬遊水地に求められる機能が発揮されたときの,洪 水のハイドログラフがどのようなものであり,そのとき 遊水地がどのように調節機能を示したのかという観点か ら検討し,遊水地の洪水調節機能を評価する.検討対象 とした洪水は,利根川流域において特徴の異なる昭和

22

9

月,昭和

57

7

月,昭和

57

9

月の洪水である.

それら洪水の実績降雨状況を基に,各河川の上流端に与 える流量ハイドログラフを得ている.

ここでは,昭和

22

9

月型洪水の例を示す.この洪水 は利根川の埼玉大橋地点で

17000m

3

/s

という非常に大き なピーク流量を有する(図-8).遊水地に直接流入する

3

河川の流量ピークの生起時刻が,利根川本川の洪水に比 べて遅れる点で特徴的である.渡良瀬川合流前後の利根 川の流量,渡良瀬川から利根川への合流量のハイドログ ラフを図-9に示す.利根川の流量ハイドログラフがピー クを迎える際に,利根川から渡良瀬川への逆流が生じて おり,その間渡良瀬遊水地は利根川本川を含む

4

河川の 流量を調節し続けている.図-10 に示すように各調節池 の貯水量がいずれも

100%を超えた時には,利根川本川

が減水期に入り渡良瀬川から利根川への合流が生じてい る.栗橋地点の流量ハイドログラフはそれに応じて頂点 近傍で

2

山の波形となるが,2山目の流量は

14000m

3

/s

には到達せず,流量が減少していく.この洪水に対して 渡良瀬遊水地は

4

河川の流量を調節しながら,時間遅れ をもって利根川へのピーク合流量を生じさせている.そ のような洪水調節の結果,利根川の渡良瀬川合流前後で 流量ハイドログラフが非常に扁平な形状に変化している.

これは鉄道において列車の遅延により列車同士の間隔が 詰まった際に,各列車の乗車率の平均化と団子運転の解 消を狙い,後続列車の駅発車時間を意図的に遅らせ,遅 延の拡大を防止する運転整理手法に似た現象である.

しかし,図-11 に黒の実線で示す利根川,渡良瀬川の

・平成 19 年 9 月洪水

1,000  2,000  3,000  4,000  5,000  6,000  7,000  8,000 

9/6 12:00 9/7 0:00 9/7 12:00 9/8 0:00 9/8 12:00

貯水量(万m3

日時

図-6 各洪水の調節池貯水量

第一上流越流堤 第一下流越流堤 第一調節池(合計)

第二調節池 第三調節池 総貯水量

平成13年9月 平成14年7月 平成19年9月 第一下流越流堤 232.5 170.4 256.9 第一上流越流堤 487.6 605.7 284.4

第二越流堤 357.7 418.0 254.4

第三越流堤 250.8 396.8 252.4

表-1 各洪水の最大越流量一覧

・平成 13 年 9 月洪水 ・平成 14 年 7 月洪水

貯水量(万m3

1,000  2,000  3,000  4,000  5,000  6,000  7,000  8,000 

9/10 18:00 9/11 6:00 9/11 18:00 9/12 6:00 9/12 18:00

日時

貯水量(万m3

日時

1,000  2,000  3,000  4,000  5,000  6,000  7,000  8,000 

7/10 12:00 7/11 0:00 7/11 12:00 7/12 0:00 7/12 12:00

(単位:m3/s) 容量の使用率

40.6% 容量の使用率

27.2%

容量の使用率 14.3%

図-7 各洪水のピーク水位縦断形の比較

:

平成

13

9

:

平成

14

7

:

平成

19

9

縦断距離(km) 縦断距離(km)

Y.P.m Y.P.m

・利根川

表-2 草木ダムの洪水調節状況との比較

17.0  17.5  18.0  18.5  19.0  19.5  20.0  20.5  21.0  21.5  22.0 

0 2 4 6 8 10 12 14 16

第一下流 越流堤天端

第三越流堤 天端

第一上流 越流堤天端 利根川と

の合流点

17.0  17.5  18.0  18.5  19.0  19.5  20.0  20.5  21.0  21.5  22.0 

128 130 132 134 136 138

栗橋 渡良瀬川合流

・渡良瀬川

第一 調節池

第二 調節池

第三 調節池 合計

平成13年9月 3857 1563 1553 6972 40.6 4816 1766 88.3 平成14年7月 2229 1055 1387 4672 27.2 4221 1171 58.6 平成19年9月 1092 644 717 2452 14.3 4492 1442 72.1 治水容量 に占める 割合(%) 草木ダム 最大貯水量

(万m3)

うち治水容量 (万m3) 最大貯水量(万m3)

渡良瀬遊水地

治水容量 に占める 割合(%)

(4)

ピーク水面形を見ると,青の実線で示す堤防天端高や計 画高水位を超える水位となっており,これを計画高水位 以下に保たなければならない.大きな洪水に対する遊水 地の洪水調節機能を活かし,かつ河道内の植生等による 抵抗を減らす方策をとることで,図-11 の破線で示す程 度まで河道内のピーク水位を低減することができる.こ のとき流量ハイドログラフは,図-12 に示すようにほと んど変化しない.

5.結論

調節池を含む河道の洪水流解析モデルを構築し,これ を用いた解析の留意点を示し,

3つの実洪水と整備計画規

模の洪水の解析を行い,遊水地の洪水調節効果を検討し た.次に,外力としての各河川の流入流量ハイドログラ フとそれに対する遊水地の洪水調節効果によって,遊水 地の洪水調節機能を評価する方法を提案し,渡良瀬遊水 地の機能評価を行った.主な結論は以下のとおりである.

(1)

構築した解析モデルを用いて3つの実洪水に対し3調 節池による洪水調節を含む洪水流解析を行った結果,

河道内の観測水面形,流量,調節池内の水位ハイド ログラフを十分な精度で説明している.

(2)

渡良瀬川から利根川への合流量は,利根川本川の水 位ハイドログラフと渡良瀬川流域の洪水流量によっ て規定される.渡良瀬遊水地での洪水調節により,

遊水地に流入した洪水流量に比べてピーク値が減少 している.また,減水期まで時間を十分に遅らせな がら徐々にその量を増やしている.その結果,渡良

瀬川合流後の利根川栗橋地点における流量ハイドロ グラフは合流前と比べて扁平な形状となる.

(3)

整備計画規模の洪水に対しても,現況の渡良瀬遊水 地はその広い面積・大きな容量全体を使い,利根川 本川を含む4河川の流量を調節し,利根川の下流へ向 かう流量を減じる機能をもつことを示した.

(4)

遊水地のもつ大きな流量に対する洪水調節機能を活 かし,河道の流速を抑えていた植生等による抵抗を 減らすといった粗度管理を行うことで,より効果的 に河道内の水位を低減することができる.

参考文献

1)福岡捷二,渡邊明英,關浩太郎,栗栖大輔,時岡利和:河道

における洪水流の貯留機能とその評価,土木学会論文集,

No.740/Ⅱ -64,pp31-44,2003.

17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

122 124 126 128 130 132 134 136 138

17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

0 2 4 6 8 10 12 14

水位(Y.P.m)

縦断距離(km)

利根川 渡良瀬川

水位(Y.P.m)

縦断距離(km)

図-11 粗度変更前後の水面形の変化(昭和 22 年 9 月型)

0 7 8 8 8 8

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 2.5

2.0 1.5 1.0 0.5

:総貯水量

:第一調節池 :第二調節池

:第三調節池

時間(hr) 調(×108 m3 )

図-10 調節池の貯水量の時間変化 (昭和 22 年 9 月型)

図-12 粗度変更前後の利根川の流量と渡良瀬川の 合流量の変化(昭和 22 年 9 月型)

‐3000 

‐1000  1000  3000  5000  7000  9000  11000  13000 

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

流量(m3 /s

時間(hr)

検証抵抗 計画粗度 検証抵抗 計画粗度

栗橋流量 渡良瀬川合流量

粗度管理前 粗度管理後 粗度管理前 粗度管理後

実線:粗度管理前,破線:粗度管理後,

青線:堤防天端高, ×:計画洪水位

ピーク貯留量 容量に対する [万m3] 使用率[%]

第一調節池 11722 100.2 第二調節池 3552 103.5 第三調節池 1981 101.1

実線:各調節池の貯水量,破線:各調節池の調節容量

‐4000 

‐2000  0  2000  4000  6000  8000  10000  12000  14000  16000  18000 

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 

2000  4000  6000  8000  10000  12000  14000  16000  18000 

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

図-8 与えた流量ハイドログラフ(昭和 22 年 9 月型) 流量(m3 /s

時間(hr)

時間(hr) 流量(m3 /s

図-9 利根川本川の流量と遊水地から利根川への合流量 (昭和 22 年 9 月型)

: 利根川 : 渡良瀬川 : 思川 : 巴波川

: 渡良瀬川+思川+巴波川

: 利根川の上流からの流量

: 渡良瀬川からの合流量

: 渡良瀬川合流後の利根川の流量 利根川ピーク流量:17000m3/s

栗橋ピーク流量:13950m3/s

参照

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