四国南部流域の洪水比流量に関する研究(2)
物部川(永瀬ダム)流域一一近 森 邦 英 (農学部利水工学研究室)
A Study on the specific Flood Discharge in the
southern Shikoku Basin (2)
The Monobe River (Nagase
Dam)- Kunihide Chikamori
Laboratory of Water-Utilization Engineering, Faculり0/ Agriculture
Abstract : A specific flood discharge curve is studied with the rainfall and flood discharge
data of the Monobe river (Nagase dam)by the method of Kadoya and others。
Those data are statistically analysed, and the relation of DAD of the return period of
fifty years is used in the following analysis. The specific flood discharge curve is usable
for the basin to about 100 km^. But, for the larger basin, it becomes too smaller than the
data. The reason why it becomes smaller is probably the characteristics of the rainfall in
the basin of Nagase dam。
The relation between a andβof Horton's formula shows a nearly linear line on a
log-log paper, and the slope is analogous to those of the Niyodo river(lnoλ Therefore, the
author deduces that there is some meaningful relationship between a andβ. But, the data
is too little to obtain some results, and the following many studies are needed to decide
the results. ま え が き 河川構造物の設計に際し,計画洪水量は最も重要な要素である。計画対象地点の洪水量データが 長期間あれば,統計処理によって算出可能であるが,そのような地点は稀である。一方,一定の地 域を対象とし,そこに発生する洪水を洪水比流量の形でとらえ,洪水比流量データを包絡する曲線 を求めてそれを計画洪水量とすることが考えられ,周知のCreager曲線が一般に使用されてい る。しかし, Creager曲線は一般に小流域において過大な値を与え,わが国の実情に合わない。本 研究では,四国南部流域の洪水比流量を求めるため,永瀬ダム流域を選んで解析した。 I.流域の概要 永瀬ダムは高知県東部を流れる1級河川物部川(流域面積508 k 「,幹線流路延長68.1 km) の上流に昭和32年3月に建設された多目的ダム(F, A, P,集水面積293.7 k 「,有効貯水量 4,530万m3)である。流域の概要を図一1に示す。 永瀬ダム流域叫その東北を石立山(1,790m) ,赤城尾山(1,436m)にようて那賀川流域(徳島 県)と境され,北西部は白髪山(1,770m) ,三嶺Cl,894m)などの山々で吉野川流域と接してい る。南部の舞川川流域の流域界は最も低く, 400∼700 m 程度である。流域内降雨量は上流にゆく につれて多くなり,四国山脈の多雨地帯の一部を構成している。永瀬ダムサイトから1.5 km上流 の大栃における1941∼1970の30年間の平均年降水量は3,045 mm (max. 4,142 mm, min. 2,052 mm)である。
1 0 90 高知大学学術研究報告 第28巻 自然科学 ,−n X 11 別 /
土
゛χノ゛ ;/- 0 2・ 4 6 ’8 10心 km 図1.永瀬ダム(物部川)流域. n. D D 解 析 本研究に用いられた降雨資料は流域内9ヶ所,流域外2ヶ所計11ヶ所の時間雨量である。資料の 期間は昭和36∼52年の17年間であるが,欠測資料が多い。 150 習 1 0 0 5 0 0 00001n T0521 乱友ご 0 5 .h「 図2.永瀬ダム流域DD四国南部流域の洪水比流iitに関する研究(2) (近森) 表1.永瀬ダム降雨強度曲線式の定数 T a & C 100 50 20 10 5 111.1 125.6 146.0 162.4 180.0 −0.338 - 0.162 0.156 0.500 1.013 0.339 0.392 0.470 0.537 0.616 仁 淀 川 第 1 位 410.0 2.09 0.566 〔註〕 ① ② r十か 仁淀川第1位は7505台風 91 降雨継続時間1 , 2, 3, 6, 9,および12 hr について各観測所の各年最大降雨量を求め, 降雨強度に換算したものから各年各継続時間の最大値を求め,それに岩井法を適用して図一2に示 すような確率DD曲線を得た。このように流域最大降雨強度を求め,それにより流域を代表するD D曲線を求める方法は,研究対象が洪水比流量を包絡する曲線を求めることにあることから許され る。なお,図一2に参考のため仁淀川(伊野)洪水第1位生起時の流域内最大降雨強度曲線を記入 した。また,①式に降雨強度曲線式(田中・角屋式)を,表。1に再現期間Tに対する①式の定数 を示した。 ル ‥一一α .‥...‥‥...‥‥‥‥.‥‥‥‥‥‥..‥.‥...‥....‥‥●●‥‥‥,‥ Z°十& HI. D A D解析 ① 永瀬ダム流域の昭和36∼52年の17年間の各年最大洪水量生起時におけるDAD解析を行った。図 一3に年最大洪水量の確率分布を示す。なお,昭和37年の最大洪水量は不明であるが,下流の深渕 洪水量や降水量などから第15位とし,図一3には記入していない。 %9 9 8 7 0 0 0 0 i n i n r O C ^ 4 r -H 1 5 1 0 m/sec 20×102 o Z1タ3.7km‘ ・200 △100 ’ ▲ 50 b | i 4 | コ て ) ●a l 轟 □ j J o ・ huk□ ○ O Nagase dam Q  ̄ 4・ 0● jlロ △▲□ 「 ○ o●6&□ _●6轟 I Q ・│△●・ ゐ轟 □ △&al ○ /へ ○ ○● ・● 心 ∠i 1匈 40 − □
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│゜ 5°j ○●△ こj。 &ロ □ │ぷg
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。○ ●△ │ 轟 1 0 20 30 50 1 0 0 200 mm/hr 図3.永瀬ダム年最大洪水mおよび1時間面積雨量の確率分布92 高知大学学術研究報告 第28巻 自然科学 表2.物部川(永瀬ダム)選定面積ごと継続時間ごとの流域平均雨皿 t 順 位 流 域 面 積 (km2) t 順 位 流 域 面 積(km2) 0 50 80 100 200 293.7 0 50 80 100 200 293.7 1 hr 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 156.0 99.0 89.0 86.0 83.0 76.0 75.0 71.0 71.0 64.0 50.0 49.0 38.0 38. (〕 34.0 34.0 32.0 130.0 84.8 79.2 77.1 71.3 64.5 62.0 60.5 52.0 51.3 43.3 36.0 35.6 32.7 29.4 28.1 27.0 129.4 76.2 74.5 70.7 69.0 62.1 59.3 57.5 49.7 46.0 37.4 35.2 31.8 30.9 28.3 26.6 24.9 129.1 76.0 71.7 67.4 65.0 60.2 58.2 54.5 48.9 43.0 34.8 34.7 31.4 28.4 27.6 26. (〕 24. (〕 103.0 69.8 60.7 55.7 52.5 50.7 48.8 44.5 38.0 36.5 32.6 28.6 27.8 25.6 23.6 22.8 22.0 82.7 55.9 51.7 47.9 45.8 43.8 38.8 36. 1 33.1 30.3 26.5 25.6 23.9 23.8 21.7 20.1 18.0 6 hr 1 2 3 4 5 .6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 1 16 17 52.0 27.0 10.0 85.0 85.0 22.0 18.0 13.0 96.0 92.0 90.0 89.0 81.0 46.0 42.0 31.0 01.0 329.0 297.0 290.6 279.3 272.5 221.3 200.1 195.0 184.0 179.5 174.5 169.8 169.2 134.2 120.9 118.5 80.2 12.6 89.5 77.5 63.0 60.3 15.6 88.1 75.5 70.0 66.4 65.0 63.6 36.0 30.6 18.0 16.2 75.6 300.5 289.2 265.2 256.1 252.0 213.0 182.0 170.0 169.0 160.7 160.0 159.8 131.2 128.0 115.2 115.2 74.4 277.8 260.1 232.5 224.0 209.5 198.5 167.0 155.2 155.0 152.8 150.7 148.2 147.4 120.0 106.0 104.8 69.5 2 2 2 1 1 1 1 1 . 0 5 . 8 1 . 5 5 . 0 3 . 2 5 . 6 0 . 1 9 . 3 3 . 3 0 , 6 0 . 0 9 . 2 5 . 8 5 . 2 7 . 8 1 . 1 4 . 7 T=20 T=50 126.2 149.9 106.9 127.3 100.1 117.8 99.6 119.7 84.8 104.4
ゴ│
T=20 T=50 352.0 398.2 332.3 374.6 318.6 361.9 308.8 349.9 275.2 309.7 234.9 259.5 2 hr 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 208.0 164.0 153.0 148.0 140.0 122.0 117.0 116.0 115.0 104.0 93.0 87.0 74.0 74.0 59.0 56.0 50.0 189.0 151.1 143.1 142. 1 133.9 106.2 106.1 105.6 99.7 85.2 79.0 71.0 66.4 64.3 51.2 49.5 39.0 183.8 138.2 134.9 133.0 132.7 105.5 104.2 95.0 93.8 82 7 ヅ3: 2 69.4 63.9 61.8 50.5 46.5 35.3 181.2 134.2 131.4 129.5 128.8 104.8 103.2 91.0 89.5 81.7 70.2 68.7 62.6 60.6 49.2 45.3 34.1 148.4 122.7 122.・4 111.5 106.5 97.5 97.5 76.0 75.5 75.2 66.6 60.6 57.1 55.8 45.2 42.2 30.5 121. 108. 100. 100. 92. 84. 81. 66. 64. 64. 63. 54. 52. 49. 42. 40. 28, 9 hr 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 4 4 . 0 3 5 . 0 7 3 . 0 4 2 . 0 1 9 . 0 7 3 . 0 6 8 . 0 4 8 . 0 4 7 . 0 3 6 . 0 2 2 . 0 0 4 . 0 0 4 . 0 0 0 . 0 6 0 . 0 5 6 . 0 2 9 . 0 42 38 35 33 31 25 25 23 23 22 20 19 18 18 14 14 10 . 8 . 2 . 2 , 6 . 0 . 1 . 5 . 3 . 4 . 3 . 1 . 6 . 5 . 7 . 5 . 1 . 3 409.6 382.9 336.2 314.7 299.5 256.8 244.2 227.0 221.1 215.0 205.0 85.4 79.3 74.5 43.0 135.5 95.6 398.2 380.7 321.7 304.5 293.0 256.6 239.2 225.0 215.3 212.0 203.8 182.6 176.0 170.7 141.0 131.0 92.0 362.8 357.0 273.0 273.0 254.8 230.0 224.8 208.5 201.2 195.6 193.3 166.7 161.5 161.0 127.1 116.2 82.9 327.2 310.6 246.7 223.9 217.8 208.3 207.2 192.9 191.7 184.8 180.6 156.4 156.0 153.8 110.5 105.9 77.6 T=20 T=50 191.4 219.5 180.6 211.2 169.3 195.4 165.2 190.5 144.9 167.0 122.1 139.5 T=20 T=50 443.0 512.8 419.3 482.3 404.9 465.0 394.9 455.2 357.6 408.7 316.4 358.8 3 hr 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 236.0 228.0 189.0 179.0 177.0 170.0 145.0 144.0 143.0 128.0 120.0 114.0 107.0 101.0 79.0 78.0 64.0 233.5 212.8 177.3 173.0 59.2 54.7 33.0 31.6 128.3 115.0 103.5 98.8 93.2 81.4 74.5 66.0 54.2 222.0 194.0 175.9 166.7 156.0 152.0 128.0 123.0 122.7 105.5 97.2 95.0 89.8 81.3 74.3 63.2 51.3 216.6 184.9 175.2 163.0 154.3 150.5 126.1 119.5 118.2 102.0 96.3 92.5 00. L 81.2 72.8 62.0 50.7 177.7 156.0 151.2 151.0 140.8 131.8 120.5 106.0 101.7 93.6 93.5 84.6 83.2 71.7 67.6 58.5 49.0 |147.2 140.2 136.0 120.3 117.7 115.2 104.9 96.1 90.1 88.7 84.0 1 78.1 75. 9i 64.7 1 61. 5i 55.5・ 47. li 12 hr 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 1.0 7.0 7.0 5.0 9.0 8.0 9.0 4.0 3.0 9.0 5,0 3.0 2.0 3.0 3.0 1.0 6.0 5 4 3 3 3 3 3 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 0 . 0 9 . 0 8 , 0 8 . 0 1 . 0 9 , 8 1 . 3 6 . 0 9 . 3 9 , 1 1 . 3 8 . 0 2 . 0 0 . 0 4 , 1 0 . 3 3 . 7 480.0 465.8 364.5 336.2 319.7 314.5 291.6 263.7 263.0 250.2 238.5 209.0 200.8 194.2 150.0 143.5 120.0 469.0 464.3 353.0 321.5 313.6 310.5 285.5 258.7 258.0 245.7 238.0 205.5 196.5 189.0 148.1 138.8 115.2 443.5 429.5 302.0 295.3 276.0 272.8 268.5 244.5 237.3 230.0 220.4 197.5 181.5 175.7 130.0 126.0 102.0 385.7 380.5 265.1 263.7 262.0 250.0 249.5 239.6 229.3 225.1 218.6 192.6 173.1 169.2 116.6 115.7 94.0 T=20 T=50 239.0 273.8 230.1 268.8 216.7 250.5 210.1 241.7 177.9 200.1訓
T=20 T=50 517.5 604.0 、,492.6 574.6 475.7 554.6 466.0 542.6 430.9 503.6 382.4 437.350 。100 A (knf) 3 0 0 四国南部流域の洪水比流量に関する研究開 (近森) 93 図一1に示すような流域区分に従って流域を10ブロックに分けた。面積雨量は実測資料の弗る観 測所のみを用い, Thiessen法により求めた。次に各ブロックを面積雨量の大きさの順に結合し (飛地なし),その後内挿により, 0, 50, 80, 100, 200,および283.7 k 「の6種の面積雨量を 求めた。その結果を大きさの順に並べなおして表。2に示す。表。2について,各降雨継続時間当 り各面積当りの確率計算を岩井法を用いて行った。表。2の各デーたの下端に再現期間T=20年と 50年間に対応する確率雨量を示す。 DA関係を表わす式として現在まで多くの式が提案されている1)。本研究では,それ等の中で式 形が比較的簡単で実用的といわれる式の一つであるHorton式(②式)を使用する。
七二言│
● ● ● ● ● ● ・ ● ● ② ②式の/1∼jyの関係を年最大洪水mの1,2位について・描いたものが図一4であり, T=20年お よび50年に対応する折線が図。5−1と図。5−2である。②式のA=A―Ao (Ao:定数)とおい た式をHorton修正式とすると,図一5において3 hrの曲線のみλo>Oが推測されるが,他 はAo=Oとして②式のままで取扱ってよさそうである○ ” T=20年と50年のA∼jy関係を両対数紙上で直線近似し,a, aを最小二乗法で求めた。結果を 表−3に示す。次に,以上で求めたT=50年に対応する各数値を用いて,仁淀川2)の場合と同様に して,③∼⑦式から洪水比流量曲線を求めた。 0 y 0 2 ・ ■ - ● 一 - 嘩 − − − − ● ● ● ・ ● ● ・ ● 皿 ● ● ㎜ lhr 2 3 6 9 12 1.0 0 y 0.1 2 0 5 0 A 100 (kn?) 3 0 0 0.05 0 0 2 2 0 図4.物部川(永瀬ダム)流域/1∼y94 1.0 0.5 y 0.1 0.05 0.01 高知大学学術研究報告 第28巻 自然科学 二 〇 1 −,● 2 − 0 3 − × 6 − △ 9 ロ 12 1 6 t/│
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&J・ │・’ Q | T=20 30 50 100 A(kn?) 図5-1. 3 0 0 0 1 . 0 ・ 0 . 5 y 0.1 0 5 0.01 図5.永瀬ダム流域jrヽ・y 表3. Horton式のα,β 30・.50 100 A (laif) 図5-2. 3 0 0 h「 1 2 3 6 9 12 平 均 α T=20 50 0.00965 0.01073 0.00088 0. 00033 0.00022 0.00003 0.00090 0. 00085 0.00110 0.00136 0,00109 0.00102 0.0023 0.0024 β 20 50 0.7160 0. 6876 1.0988 1.2834 1.3582 1.7254 1.0713-1.0863 1.0027 0.9753 0.9831 1.0010 1.038 1.127 i)DA関係:Horton式 こ=exp(−0.0024Å1 7)o ii ) DD面係:田中・角屋式 7= 125.6 Z0.392−0.162 iii) Dz。’関係:角屋・福島式 ら,=290A0.22rs 13) ③ ④ ⑤ ③∼⑤式より⑥∼⑦式を得る。四国南部流域の洪水比流量に関する研究(2) (近森) 91° ^0.3!)2士J.162exp(−0.0024Å1.13) 92=25.OA 0.829/-2.857 ⑥ ⑦ 95 ⑥式と⑦式とを連立さし,zをパラメータとして両式の一致点を図上で求め,それらの点を最小 二乗法により滑らかにつなげば洪水比流量曲線を得ることができる。図一5はその手順を示したも のである。 最終的に得られた洪水比流量曲線式は⑧式である。 9=44.6A ̄0.112exp(−0.0028A1.13) ⑧ 図一7に⑧式を破線で示した。図一7に見るように,9は流域面積100 k 「付近から急激に減 少してしまって南四国洪水比流量データの包絡線となり得ない。実線は表。3においてβの最も 小さい1 hr 雨量のα,βの値を用いた場合である。破線よりは改善されるが,とても包絡線とは なり得ない。念のため,面積雨量の2,3位の平均値(1位は異常に大きく,流量と対比して精度 が疑わしいので除く)を用いて同様な計画を行ったが,α= 0.0035,β=0.847 (各平均値)を得, 洪水比流量曲線の形に大きな差はなかった。このような曲線形が得られた理由は,流域面積か比較 的小さい割に降雨量の地域差の大きいことがあげられる。このことは図一6からも推測できる。 結局,永瀬ダム流域に関する洪水比流量曲線は,南四国流域の洪水比流量データの包絡線になら なかった。 W. Horton式のαとβとの関係について 表。3および仁淀川(伊野)流域洪水比流量解析におけるαとβとの関係3)から推察されるよ うに, Horton式のαとβとの間には何らかの有意な関係がありそうである。両流域のαとβと の関係を両対数紙上にプロットすると図一8のようになり,両流域についてほぼ一直線上に並び, こう配も似ている。 5 0 10 5 (m/33S/jUl) b 1 1 5 1 0 5 0 1 0 0 500 1000 図6.永瀬ダム流域洪水比流量曲線の作成 A (Ion)
高知大学学術研究報告 第28巻 自然科学 % 呂 里 宕 in 緊日一喇刹唄そ誌埼紹丿気啜嶋略哩日匝 べ図 m︶く ︵︶︷︸I OS 口 f s ・ 嗜 U う r 丿 (UD1/03S/J.IU )b
四国南部流域の洪水比流量に関する研究(2) (近森) 永瀬ダム流域α∼β 97 10 ̄2‘ 仁淀川(伊野)流域α∼β 図8 . Horton式のα∼β Horton式の形および図一8から,αとβは互にある程度補完する関係にあるようであり,Aの 基準値のようなものあるいはλ=A − A o とおき換えたHorton修正式のAoと関係があるかも 知れないが,さらに多くの資料について検討することが必要である。また,最大点雨量程度の降水 量のある小区域をもつか近隣地域との雨量差が大きい場合はαの絶対値が小さくてβが大きくな り,逆に最大点雨量程度の降雨のある面積は極く狭くて地域差が比較的小さい場合は,αの絶対値 が比較的大きくてβが小さい。このことは,図一8に見られるように,それぞれ両流域に当ては まりそうであるが,流域各ブロックの大きさにも関係しているようで,今後多くの資料について比 較・検討しなければならない。 ▽ ま と め 四国南部流域の洪水比流量曲線を求めるために,代表流域として前報の仁淀川(伊野)に続いて 物部川(永瀬ダム)を選び,角屋らの方法によって計算した。再現期間50年のDAD関係を用いて 計算した。 得られた洪水比流量曲線は100 k 「程度までは使えそうだがそれ以上は小さ過ぎて実 情に合わない。これは永瀬ダム流域の降雨特性のためであろう。 Horton式のαとβとの関係は,両対数紙上でほぽ一直線上に乗り,こう配も仁淀川流域の場 合と似ているので,両者に有意な関係かあることをうかがわせたか,資料か少いため今後の研究に 待たなければならない。 最後に,貴重な研究資料の提供を受けた建設省高知工事事務所,高知地方気象台,高知県河川 課,および永瀬ダム管理事務所に感謝の意を表します。また,本研究は文部省科学研究費の補助を 受けたことを記し感謝いたします。 参 考.文 献 1)角屋 睦・永井明博:DA曲線式の議論,昭和53年度科学研究(試験研究),ダム,頭首工の安全設計資 料としての洪水比流量に関する研究. pp. 54∼55. 2)近森邦英:四国南部流域の洪水比流mに関する研究(1)一仁淀川(伊野)流域-,高知大学学術研究報 告,第28巻, 1979 (投稿中) 3)2)に同じ. (昭和54年9月26日受理) (昭和55年1月28日発行)