3重
大 学 生 に対 す る メ ン タ ル ヘ ル ス 支 援 体 制 に 関 す る研 究(1)
一 教 職 員対 象 の 調査 結 果 か ら一
愼 野 葉 月
大学 生 の メ ンタルヘ ルス支 援 シス テ ム構 築 に関す る研 究 会
〈要 旨 〉
大 学 生 に対 す る メ ンタ ルヘ ル ス支 援 体 制 を整 え る こ とは、各 大 学 の重 要 な課 題 で あ り、大学 の 実 情 や 風 土 に あ わせ た シス テ ム作 りが 必 要 と され る。本研 究 で は、教 職 員 を対 象 に 、学 生支 援 に対 す る意 識 や その 実態 につ い て把 握 す る こ と
を 目的 と した調 査 を実 施 した。調 査 内 容 は、学 生 の全 般 的 印 象 、心 の健 康 に配慮 を要 す る学 生へ の 対応 の 実態 、学 内 の教 育 支援 体 制 とそ の整 備 に関す る ニー ズ と した。教 員187名(回 収 率28.0%)、 職 員96名(回 収 率37.2%)か ら回答 を得 た。
そ の 結 果 、学 生 の メ ン タルヘ ル ス上 の問題 に直 面 した こ との あ る教 職 員 が 一 定 数 み られ、しば ら く様 子 をみ る、個 別相 談 に応 じる、とい った対 応 の ほか 、場 合 に よって は教職 員 間 で情 報 を共 有 し対 応 を協 議 した り、専 門家 の助 言 を仰 い だ り して い る こ とが 明 らか にな っ た。個 別 の事 例 につ い て相 談 で きる学 内相 談 機 関 で の コ ンサ ル テ ー シ ョ ンや ケー ス カ ン フ ァ レンス に対す る ニー ズが 高 く示 され た。
〈キ ー ワ ー ド 〉
学 生 支 援 、学 生 相 談 、メ ン タ ル ヘ ル ス 、シ ス テ ム 構 築
1.は じ め に
近 年 、大 学 に お い て は、学 生相 談 の 件 数 や休 学 ・留 年 件 数 が 増 加 傾 向 にあ る と
32
人 文 学 報No.394(社 会 福 祉 学24)2008.3と も に112、問 題 の 内 容 に つ い て も多 様 化 ・複 雑 化 して お り、学 生 支 援 体 制 の 整 備 ・ 充 実 が 必 要 と さ れ て い る 。大 学 生 に 対 して メ ン タ ル ヘ ル ス 上 の 支 援 を提 供 す る こ と に つ い て は 、こ れ ま で も い くつ か の 理 由 か ら重 要 性 が 指 摘 さ れ て き た 。 ま ず 学 生 の 大 半 を 占 め る10代 後 半 か ら20代 前 半 の 年 代 は 、双 極 性 障 害3、統 合 失 調 症4な ど重 要 な 精 神 疾 患 の好 発 年 代 で あ る 。さ らに 進 路 選 定 に 関 して 自我 同 一 性
の 揺 ら ぎが 生 じ心 理 発 達 的 危 機 に 陥 っ た り、抑 うつ な ど精 神 医 学 的 な 理 由 に よ る休 学 ・ひ き こ も りを 生 じた り しや す い 時 期 で もあ る25。実 際 、大 学 生 の 抑 うつ 傾 向 が 、一 般 成 人 の 抑 うつ 傾 向 と比 べ て 高 い こ と は い くつ か の 研 究 か ら指 摘 さ
れ て い る。例 え ば 、GHQ30項 目版 と い う抑 うつ ・神 経 症 傾 向 の ス ク リー ニ ン グ尺 度 が あ る。 こ れ は 、一 般 成 人 に お い て は8点 以 上 を カ ッ トオ フ値 と して 約15%
が 「抑 うつ ・神 経 症 傾 向 あ り」と推 定 さ れ る も の で あ る。 こ の 一 般 成 人 の 基 準 を 大 学 生 に 適 用 す る と、大 学 生 の 約4分 の1が 抑 うつ ・神 経 症 傾 向 と な り う る た め 、 大 学 生 の 場 合 に は12点 な い し13点 に 基 準 を緩 和 す る こ と を 検 討 し て も 良 い と
され て い る6。 こ のGHQ30に つ い て 、カ ッ トオ フ 値 を8点 と した 研 究 が い くつ か 報 告 さ れ て お り、Watanabe7は50.9%、 秋 政 ・片 山8は 追 跡 調 査 の 結 果 も含 め て1年 次 は41.2%、2年 次 は30.9%が8点 以 上 に 達 した と報 告 し て い る。 ま た 葉 柴 ・石 垣 9は 関 東 地 方 の 大 学 ・短 大8校 でGHQ30調 査 を行 い
、1つ 以 上 の 下 位 尺 度 で カ ッ トオ フ値 を超 え た の が29%に 達 し た こ と を報 告 して い る 。す な わ ち 、GHQ30を 用 い た 先 行 研 究 か ら は 大 学 生 の25〜50%が 精 神 的 に不 健 康 な 状 態 に あ る こ と が 示 さ れ て お り、対 応 の 充 実 が 求 め られ て い る 。
2.学 生 に 対 す る メ ン タ ル ヘ ル ス 支 援 策 に つ い て
多 くの大学 で は、学 生 の メ ン タルヘ ルス 問題 につ い て看 過 して い る わ け で は な く、多 様 な支 援 策 を展 開 して い る。日本 学 生 支援 機構 が2005年ll月 に 実施 し た調査 に よれ ば、ク ラス担任 制 を とって い る大 学 は8割 に上 り、オ フ ィス ア ワー を設 定 して い る大 学 も過 半 数 に達 す る1。国立 大 学 を中 心 に保 健 セ ンター に常 勤 の精 神 科 医 を配 置 し、精神 疾 患 の 初期 治 療 を行 っ て い る ところ は少 な くない 。 本 学 の よ うに学 生 相 談 室 を設 置 し、臨 床 心 理 士 等 を配 置 して い る大 学 は 多 い 。
大 学 生 に対 す る メ ン タル ヘ ル ス支 援 体 制 に 関 す る研 究(1) 33
学 生 相 談 室 や 保 健 セ ン ター で は 、精 神 医 学 や 臨 床 心 理 学 的 な 見 地 か ら、学 生 に 対 し面 接 を 中 心 と し た 個 別 支 援 を提 供 して い る。そ れ だ け で は な く、多 くの 大 学 で は こ れ らの 機i関が 中 心 とな っ て 授 業 や イベ ン トを企 画 し心 理 教 育 的 な 集 団 プ ロ グ ラ ム を 提 供 す る な ど、個 別 支 援 以 外 に も さ ま ざ ま な 支 援 策 が 展 開 さ れ て お り10、2005年 の 調 査 で は2割 の 大 学 で 学 生 対 象 の メ ン タ ル ヘ ル ス に 関 す る 研 修 会 、講 演 会 が 行 わ れ て い た1。 ピ ア ・サ ポ ー トプ ロ グ ラ ム を導 入 し、学 生 に よ る 相 互 支 援 を シ ス テ ム 化 す る 大 学 も増 加 しつ つ あ り11,12,13,14、2005年時 点 で は 国 立 大 学 の33.3%、 公 立 大 学 の3.2%、 私 立 大 学 のll.0%が ピ ア ・サ ポ ー ト制 度 を持 っ て い た 。そ の う ち74%の 大 学 で は ピ ア ・サ ポ ー タ ー に 対 し活 動 に 対 す る経 済 的 支 援 、場 所 の 整 備 、学 生 相 談 室 との 連 携 、養 成 講 座 等 の 支 援 を提 供 して い た1。
また こ う し た メ ン タ ル ヘ ル ス 上 の 問 題 を抱 え た学 生 へ の 対 応 に 苦 慮 す る 教 職 員 に 対 し、間 接 的 な援 助 も必 要 と され て い る。教 職 員 に対 し、学 生 対 応 に つ い て コ ンサ ル テ ー シ ョ ン を行 う学 生 相 談 担 当 者 は 多 い 。ま た 学 生 対 応 に 関 す る研 修 会 や 講 演 会 を 開 催 す る 大 学 も、2005年 時 点 で29.2%あ る1。 ま た 教 職 員 の た め の 学 生 サ ポ ー ト用 の ハ ン ドブ ッ ク を 作 成 す る 大 学15,16もみ ら れ る。公 的 な 学 生 支 援 団 体 で あ る 日本 学 生 支 援 機 構 は 、「新 た な 社 会 的 ニ ー ズ に 対 応 し た 学 生 支 援 プ
ロ グ ラ ム(学 生 支 援GP)」 に 対 す る研 究 助 成 活 動 や 、学 生 支 援 情 報 の デ ー タ ベ ー ス 化 、各 種 の 研 修 会 の 開 催 や 後 援 を 行 っ て い る。 さ らに そ の 関 東 甲信 越 支 部 で は2007年3月 に 教 職 員 向 け の 冊 子 「大 学 生 の トラ ブ ル&マ ナ ー そ の 事 例 と解 決
v
策 」を発 行 した17。同様 に 日本 学 生 相 談 学 会 は、毎 年 学 生 相 談担 当者 や 教職 員 を 対 象 に「全 国学 生 相 談研 修 会 」を開催 して い る。
これ らの取 り組 み を概 観 す る と、学 生 の メ ン タルヘ ル ス支 援 体 制 を状 況 にあ わせ て整 備 す る こ とは大 学 の 責 務 とい え るが 、そ の取 り組 み 内 容 や状 況 は各 大 学 に よ っ て大 き く異 な る1。大 学 の設 置 団 体 や 規 模 、学 部 学 科 構 成 や、所 属 す る 教 職 員 や 学 生 の か も し出す 風 土 的 土 壌 に よ って 、必 要 と され る/整 備 可 能 な支 援 体 制 が 異 なる た め と考 え られ る。した が って こ う した メ ンタ ルヘ ルス 支援 体 制 を整備 す る には、そ の場 しの ぎに対 応 を作 るの で はな く、教 職 員 や学 生 の ニ ー
ズ を踏 まえて 適切 な支援 体 制 を構 築 して い くこ とが必 要 で あ る とい え よ う。
34
人 文 学 報No.394(社 会 福 祉 学 ユ4}?008.33.研 究 目 的
筆 者 らは、首 都 大 学 東 京 に お い て は どの よ うな学 生 の メ ン タルヘ ルス支 援 体 制 の構 築 が 必 要 であ るの か 、大 学 の文 化 的 風 土 に合 わせ た 方 策 を検 討 す る こ と
を 目的 と して「大 学 生 の メ ンタル ヘ ル ス支援 シス テ ム構 築 に関 す る研 究 会」を発 足 した。初 年 度 で あ る2007年 度 に は教 職 員 を対 象 に調 査 を行 い、学 生支 援 に対 す る意識 や そ の実 態 につ い て把握 す る こ とを 目的 と した 。
本 調 査 に よ り、まず 本 学 の 教 員 お よ び職 員 が 学 生 につ い て 感 じて い る全 般 的 印 象 と、学 生対 応 上 の 困 難 が 何 で あ るの か を明 らか にす る。ま た メ ン タルヘ ル ス上 に 問題iを 感 じた場 合 の対 応 につ いて 、実 態 を把 握 す る。さ らに、教 職 員 が整 備 が 必 要 だ と思 って い る学 生 対 応 支 援 策 は何 で あ る のか 、そ の ニ ー ズ を 明 らか
にす る。
なお、教 員 に は個 別 相 談 につ い て詳細 な 問い を設 け たが 、職 員 には学 生対 応 の 概 要 のみ尋 ね る 内容 と し、分 析 は別 々 に行 った。
4.本 学 に お け る 調 査 に つ い て
本 調 査 の 実 施 に 際 し て は 、本 学 の 複 数 の キ ャ ンパ ス ・専 攻 に ま た が る研 究 班 体 制 を組 ん だ 。2007年4月 か ら6月 に か け て 、調 査 票 の 作 成 に 向 け て ワ ー キ ン グ グ ル ー プ 内 で ブ レ イ ンス トー ミ ン グ を繰 り返 した 。ま た 学 生 相 談 担 当 者 へ の ヒ ア リ ン グ や 、他 の 大 学 の 学 生 対 応 ハ ン ドブ ッ ク 等 の 分 析 か ら、項 目 を 選 定 した 。 2007年6月 に は研 究 班 員 に よ る 予 備 調 査 を行 い 、修 正 を加 え た 。
4.1.調 査票 の構 成
調査 目的 に照 ら して 、以下 の構 成 で調 査票 を構 成 した:
(1)学 生 の全 般 的 印 象(学 生 の様 子 に関す る全 般 的 印象 、学 生へ の対 応上 困 っ た こ と)
(2)心 の健 康 に配慮 を要 す る学 生 へ の 対応(問 題 を感 じた きっか け、気 が か り に思 っ た学 生 数、主 な対 応 、個 別 相 談事 例 で の 対応 内容)
大 学 生 に 対 す る メ ン タ ルヘ ル ス支援 体 制 に 関す る研 究(1) 35
(3)学 内の教 育 支援 体 制 とそ の整 備 に関 して(学 内サ ー ビスの 認 知度 、多 様 な 取 り組 み に 関す る必 要 度)
(4)基 本属 性
4.2.調 査 対 象
対 象 は、首都 大 学 東京 の全 ての キ ャ ンパ ス に所 属 す る教 員 、お よび学 生 と接 す る可 能性 の あ る事務 室 の全 て の職 員 と した。
教 員 につ い て は2007年4月1日 時 点 で首 都 大 学 東 京 に所 属 して い る教 員 を公 式 ホー ムペ ー ジか ら検 索 し、所 属専 攻 と氏 名 を同定 した669名 を対 象 と した。職 員 につ い て は、各 専 攻 の事 務 室 や 図書 館 、就 職 課 等 におい て学 生 と接 す る可 能性 の あ る職 員全 て を対 象 と した 。総 務 課 長 にそ の 条件 に該 当 す る職 員 の 人数 につ い て調査 を依 頼 した結 果 、258名 の 職員 を対 象 と した。
4.2.調 査実 施 方法
調 査 は匿名 式 の 自己記 入式 質 問紙 法 を用 い、2007年7月 に実 施 した。
教 員 につ い て は個 別 に学 内便 で 配布 した。回収 を促 す ため 、督 促 は が き も全 対 象 へ1回 配布 した。また専 攻 に よっ て は教 授 会 等 で 回答 へ の協 力 を呼 び か け て い た だ い た と こ ろ もあ っ た。職 員 につ い て は、調 査 対 象 とな っ た所 属 事 務 室 ご と に学 内 便 で 調 査 票 を配 布 し、各 事 務 室 担 当 係 長 よ り対 象 者へ 配 布 して も
らった。教 職 員 と も、調 査 票 配布 時 に無 記 名 の 切 手貼 付 済返 信 用 封 筒 を添 付 し、
郵 送法 を用 い て 回収 した。
5.調 査 結 果
以 下 に、教 員調 査 と職 員 調査 に分 けて 結果 を示 す。
5.1.教 員 調 査 結 果
669名 の 教 員 に 調 査 票 を 配 布 し 、187票 の 回 収 を 得 た(回 収 率28 .0%)。 回 答 者
の 属 性 は 性 別 で は 、男 性124名(66.3%)、 女 性24名(12 .8%)、 無 回 答39名(20.9%)
36
人 文 学 報No.394(社 会 福 祉 学24)2008.3で あ り、年 代 別 で は30歳 代 以 下31名(16.6%)、40歳 代51名(27.3%)、50歳 代61 名(32.6%)、 無 回 答44名(23.5%)で あ っ た 。
学 生 の 全 般 的 な 様 子 に 関 し て 、設 問 文 に 対 し て 「あ て は ま る 」「ど ち らか と い え ば 当 て は ま る 」と 回 答 し た も の の 割 合 を 表1に 示 す 。学 生 の 全 般 的 な 様 子 に つ い て は 、心 の 健 康 上 の 理 由 に よ る 修 学 上 の 停 滞 を気 に か け て い る教 員 が97名 (51.9%)、 「演 習 や 実 験 で の 学 生 の 反 応 が 乏 し い 」と感 じ る 教 員 が76名(40.6%)
と多 くみ られ た 。同 様 に 、学 生 対 応 上 困 っ て い る こ と と して 「よ くあ る 」「と き ど きあ る」「あ る」との 回 答 の 和 を 表2に 示 す 。最 も多 く挙 げ られ た の は 、「こ ち らの 話 が な か な か 伝 わ らな い 」で96名(51.3%)、 「同 じ こ と を 繰 り返 し確 認 し て くる」
が47名(25.1%)、 「サ ー ク ル や ゼ ミで 孤 立 して い る 」が46名(24.6%)と 多 か っ た 。
「死 に た い 気 持 ち を う ち 明 け ら れ た 」も5名(2.7%)と 少 数 な が らみ られ た 。 心 の 健 康 に 関 し て 気 に か け て い る学 生 数 を表3に 示 す 。学 部 生 に つ い て は 約 7割 が1名 以 上 気 に か け て い る と 回 答 した 。大 学 院 生 で も過 半 数 の 教 員 に 気 に か け て い る 学 生 が い た 。配 慮 を 要 す る 学 生 に 関 す る 概 要 に つ い て 表4に 示 す 。 気 が か りに な る き っ か け と し て は 学 部 生 が 授 業 へ の 出 欠 状 況 、学 業 や 研 究 に つ い て の 個 別 指 導 が 多 か っ た の に 対 し、大 学 院 生 は 学 業 や 研 究 に つ い て の 個 別 指 導 や 日常 生 活 で の 個 別 指 導 場 面 が 多 くみ られ た 。気 が か りに 思 っ た 時 の 対 応 と
して は、「学 友 に様 子 を 聞 い た 」が 最 も多 くつ い で 「特 に何 もせ ず 様 子 を 見 た 」「学 生 相 談 室 の 利 用 を勧 め た 」と続 い た 。
過 去1年 間 に 個 人 的 に 学 生 対 応 に 応 じた 体 験 の あ る 教 員 は77名 み られ た 。そ の 対 応 の 実 態 に つ い て 表5に 示 す 。学 生 か ら相 談 を 受 け た の が う ち51名 、教 員 自 身 か ら声 か け し た の が30名 、学 友 か ら の 相 談 が20名 、と続 い て い た 。個 別 相 談 以 外 の 対 応 と し て は 、「学 内 の 知 人 、友 人 へ の 働 き か け 」や 「他 の 教 職 員 との 個 人 的 に 相 談 」「教 職 員 の 会 議 で 対 応 を 相 談 」と い っ た 対 応 が 多 か っ た 。 こ う し た 個 別 相 談 以 外 の 対 応 を 行 う の は 、「今 後 の 進 路 の 懸 念 」「授 業 上 の 影 響 の 懸 念 」「メ ン タ ル ヘ ル ス の 専 門 家 の 支 援 が 必 要 」との 判 断 が な され た と きで あ っ た 。表6に は、こ の77名 に 対 し学 内 の サ ポ ー ト機 関 に 対 す る 認 知 度 を 尋 ね た 結 果 を 示 す 。 医 務 室 や 学 生 相 談 室 に つ い て は8割 程 度 の 認 知 が 認 め られ た 。
学 生 支 援 に お け る 教 員 に 対 す る 支 援 体 制 に つ い て の ニ ー ズ を 訊 ね た 結 果 を
大 学 生 に対 す る メ ン タル ヘ ル ス支 援 体 制 に関 す る研 究(1) 37
表7に 示 す 。「必 要 で あ る 」と い う 回 答 が 多 か っ た の は、「学 内 機 関 で の 教 員 へ の コ ンサ ル テ ー シ ョ ン」71.2%、 「学 内 機 関 で の ケ ー ス カ ン フ ァ レ ン ス 」66.8%、 「学 生 対 応 に 役 立 つ ハ ン ドブ ッ ク 」63.6%、 「学 生 対 応 に 役 立 つ 資 料 集 」60.9%、 「学 生 対 応 に 関 す る 専 門 家 の 講 演 会 」55.4%と 続 い て い た 。精 神 医 学 に 関 す る専 門 家 の 講 演 会 や 学 生 対 応 に 関 す る 教 員 向 け ワ ー ク シ ョ ッ プ 、学 外 機 関 の コ ンサ ル テ ー
シ ョ ン に 対 す る ニ ー ズ は4割 に 満 た な か っ た 。
5.2.職 員 調 査 結 果
258名 の 教 員 に 調 査 票 を配 布 し、96票 の 回 収 を得 た(回 収 率37.2%)。 回 答 者 の 属 性 は 性 別 で は 、男 性22名(22.9%)、 女 性41名(42.7%)、 無 回 答33名(34.4%)で あ り、年 代 別 で は30歳 代 以 下26名(27.1%)、40歳 代H名(11.5%)、50歳 代13名
(13.5%)、60歳 代7名(7.3%)無 回 答39名(40.6%)で あ っ た 。
職 員 が 感 じて い る 学 生 の 全 般 的 様 子 と して 「あ て は ま る 」「ど ち らか と い え ば あ て は ま る 」と の 回 答 を表8に 示 す 。多 く挙 げ られ た の は 、「学 生 が 権 利 主 張 す る 傾 向 が 強 い 」44名(45.8%)、 「学 生 の 修 学 停 滞 の 理 由 に 心 の 健 康 上 の 問 題 が 挙 げ られ る 」35名(36.5%)で あ っ た 。同 様 に 、学 生 対 応 上 困 っ て い る こ と を表9に 示 す 。そ の 結 果 、「激 し い 怒 り に満 ち た 、攻 撃 的 な 態 度 で の 受 け 答 え をす る 」、「こ ち
らの 言 っ て い る こ とが な か な か 伝 わ ら な い 」「同 じ こ と を繰 り返 し何 度 も確 認 し て く る」「提 出 の 期 限 を い つ も守 らず 、個 人 的 な 要 求 を し て く る 」で い ず れ も4割 以 上 で 「あ る 」〜 「よ くあ る 」との 回 答 が み られ た 。「死 に た い 気 持 ち を打 ち 明 け
られ た 」は3名(3.1%)み られ た 。
心 の 健 康 に 関 し て 気 に か け て い る 学 生 数 を表10に 示 す 。気 が か りな 学 生 が1 名 以 上 い る 者 は43名 み られ た 。昨 年 度1年 間 の う ち 、学 生 に 個 人 的 に相 談 に 応
じた の は10名 で あ っ た 。そ れ ら10名 に 対 し、相 談 に応 じた き っ か け 、対 応 、個 別 相 談 以 外 の 対 応 を し た 理 由 に つ い て 訊 ね た 結 果 を 表llに 示 す 。相 談 に 応 じ た き っ か け は 、「学 生 自 身 か らの 相 談 」お よ び 「休 学 、留 年 、退 学 とい っ た 学 事 関 連 」 が 多 か っ た 。対 応 に つ い て は 、「学 内 の 学 生 相 談 室 や 医 務 室 へ 相 談 した 」「他 の 教 職 員 へ 個 人 的 に 相 談 した 」が 多 く、一 人 で抱 えず 連 携 して 対 応 し よ う とす る態 勢 が う か が え る 。個 別 相 談 以 外 の 対 応 を した の は 、学 生 の 「生 命 の 危 機 が 予 測 さ れ
38
人 文 学 報No.394(社 会 福 祉 学24)2008.3た 」「今 後 の 進 路 が 懸 念 さ れ た 」「専 門 家 の 対 応 が 必 要 で あ る と判 断 した 」等 の 状 況 で あ っ た 。
学 生 支 援 に お け る 支 援 体 制 につ い て の ニ ー ズ を 訊 ね た 結 果 を表13に 示 す 。回 答 者 の う ち7割 以 上 が 「必 要 」と した の は 、学 内 相 談 機 関 に よ る 職 員 へ の 「コ ンサ ル テ ー シ ョ ン」や 「ケ ー ス カ ン フ ァ レ ンス 」、学 生 対 応 に 関 す る専 門 家 の 「講 演 会 」 や 「職 員 向 け ワ ー ク シ ョ ップ 」で あ っ た 。
6.考 察
6.1.本 研 究 の課 題
本研 究 は本 学 に お いて初 め て学 生へ の メ ンタルヘ ルス 支援 の実態 に 関 して教 職 員 の 意 識 の把 握 を試 み た もの で あ り、学 生 支援 体 制 を構 築 す る上 で重 要 な意 義 を もつ研 究 で あ る と考 え て い る。しか し本 調 査 で は 自己 記入 式 質 問 法 方 式 を 用 い た た め、回 答 者 の 主 観 や 想 起 に伴 うバ イ アス が か か りうる。また本 調 査 の 回答 率 は非 常 に低 い た め、結 果 を全 学 の教 員へ 一 般 化 す る こ とは 難 しい。職 員 調 査 で37.2%、 教 員 調 査 で は28.0%し か 回 収 が 得 られ な か っ た。職 員 の場 合 に は、各事 務 室 に所 属 し学 生 と接 す る可 能 性 の あ る職 員全 て を対 称 と した た め 、 庶 務 等 の担 当 で 普段 は 窓 口 で の 学 生 対 応 を ほ とん ど行 って い な い もの も対 象 者 に多 く含 まれ て い た可 能性 が あ る。す な わ ち職 員 に対 して は対 象 を よ り厳 密 に絞 っ て調査 を行 な う こ とに よ り、回収率 を高 め る こ とが で きたか も しれ ない。
しか し教 員 調 査 の場 合 、督 促 状 の配 布 を した に もか か わ らず3割 に しか 達 しな か った 。これ につ い て は い くつ か の 理 由が 考 え られ る。まず 同 じ大 学 に所 属 す る教 員 が 同僚 に対 し意 識 調 査 を行 っ た こ とで、心 理 的 に抵 抗 感 を感 じた教 員が い たか も しれ な い。また本 調 査 は研 究 班 体 制 を組 み 実 施 して お り、業 務 の 一 環 で は な く、回 答 義 務 も課 され て い な い ため 、多 忙 な業 務 に ま ぎれ て 回 答 しづ ら か ったか もしれ ない 。調 査実 施 時 期 が7月 で あ り、教 員 に よって は前 期 考査 の採 点 業 務 等 に追 わ れ対 応 で きな か っ た 可 能性 もあ る。いか な る理 由 にせ よ、本 調 査 結 果 は大 学 生 の メ ン タルヘ ル ス支 援 に対 し関心 が あ る、な い しは こ う した調 査 に対 し協 力 的 な一 部 の 教 職 員 に よる 回答 とい う こ とに な り、大 学 全 体 の 教 職
大 学 生 に 対 す る メ ン タ ルヘ ル ス支 援 体 制 に 関す る研 究(1) 39
員 の 意 識 を反 映 した もの とは い え な い、とい う点 に注 意 が 必 要 で あ ろ う。類 似 した調 査 を行 っ た広 島大 学 で は全 学 の学生 支援 に関す る委 員会 が 調査 主 体 とな り、ク ラ ス担 任 教 員(チ ュー ター)を 対 象 に学 生 に対 す る メ ンタル ヘ ル ス支 援 に 関す る調 査 を行 い8割 近 くもの 回収 率 をあ げ て い た18。本 学 で も、回収率 を上 げ 調 査 の精 度 を高 め る た め に は、教 職 員 の 関心 を高 め る よ うな企 画 とあ わせ て実 施 す る、対 象 者 を絞 る、業 務 と して位 置 づ け る、調 査 主体 を全学 レベ ル の運 営 委 員 会 等 にす る、な どさ らな る工 夫 が 必 要 で あ ろ う。
6.2本 学 の学 生 像 につ いて
学 生 の 全 般 的 な様子 に関 して 、トラ ブ ル に至 りや す い授 業 中 の 落 ち着 きの な さ、雑 談 の 多 さにつ いて は教 員 の2‑3割 が あ る と回 答 して いた 。また学 生 か ら詳 細 な指 示 を求 め られ る こ とが 多 い 、全体 と して 学 生 か ら元 気が な くなっ た、学 生 と教 職 員 の 間 で 関係 の悪化 を見 聞 きす る、等 の気 が か りな状況 につ い て も、懸 念 を覚 え て い る教 職 員 が2‑3割 程 度 存 在 す る こ とが 明 らか に な っ た。とはい え、多 くの項 目で は あ て は ま らな い とす る 回答 者 の割 合 の ほ うが 高 く、全 般 的 に は教 職 員 は本 学 の 学 生 につ い て 、肯 定 的 な 印 象 で捉 えて い る と考 え られ る。全 体 的 な学 生像 と して は、授業 中 は比 較 的真 面 目に、積 極 的 に授 業 に取 り組 み、教 職 員 として も指 導 し甲斐 の あ る学 生 が 多 い と考 え て よい の で あ ろ う。
一方 で、教 員 の 印 象 で は過 半 数 が学 生 の メ ン タルヘ ル ス に起 因す る修 学停 滞 に懸 念 を抱 き、また4割 で演 習 や実 験 で の反応 の乏 しさ を指摘 して いた。こ う し た場 合 、学生 の 反応 が乏 しか っ た り気 が か りで あ っ た りす る ゆ え に特 別 な配 慮
を要 し、学 生 指 導 に戸 惑 う こ とが あ る と考 え られ る。学 生 対 応 上 困 っ た こ と と して も、過 半 数 で「こち らの言 っ て い る こ とが な か な か伝 わ らな いJと 回答 して い る。学 生 の反 応 を見 なが ら指 導 を して い るが 、伝 わ りづ らか っ た り、伝 え たつ も りで いて も学 生 が 理解 して い な か っ た りして対 応 に困 っ た こ とが あ るので あ ろ う。そ の ほか 、学 生 の コ ミュ ニ ケー シ ョ ンス キ ル に 関連 した 困難 や 、個 人 的 な 要 求 や 攻撃 的 な態 度、学 生 の 自信 の な さや 不 安 に起 因す る と考 え られ る確 認 や パ ニ ック、泣 き出す とい った事 態 を経 験 した こ とが あ る教 員 も一 定数 み られ た。
少 数 なが ら、コ ミュニ ケー シ ョンス キ ルが 乏 しか っ た り、視 野 が狭 く全体 的 な見
4fl 入 文 学 報No.394/社 会 福 紙 学24)2◎08.3
地 か ら考 え られ なか った り、不 安 や 自信 の な さが 強か った りす るた め、何 らか の 指 導上 の困 難 を感 じさせ る学 生 が い る と考 え られ る。
職 員 か らは、学 生 が権 利 主 張 をす る傾 向が 多 くな っ た と指 摘 され た。学 生 対 応 上 困 った こ と と して も学生 の攻 撃 的 な態 度 、同 じこ とを繰 り返 し確 認す る、個 入的 な要求 を して くる、こち らの話 が 伝 わ らな い、とい った こ とを挙 げ る もの が 4割 以上 に達 した。職 員 に対 して は、教 員 に対 す る よ り学 生 が 怒 りや不 安 等 の否 定 的 な感 情 も含 め て権 利 主 張 を行 な って い る よ うに み え る。職 員 は、教 員 と比 べ て 年 代 も学 生 に相 対 的 に近 い。また 学生 と教 員 の 間 に は「指 導 す る もの一 さ れ る もの 」とい っ たあ る種 の上 下 関係 が 生 じ、そ れ に伴 って学 生 の側 に何 らか の 遠 慮 や 尊 敬 の 念 が 生 じや す い と考 え られ るが 、職 員 に対 して は学 生 の多 くが あ くまで 学 生生 活 を支援 す る事 務 担 当者 と しか考 え に くいか も しれ な い。また教 員 の 学 生 指 導 に は一 定 の裁 量 的判 断 が付 され るが 、職 員 の場 合 には全 ての 学 生 に公平 に接 す る ため に も、個 人 の裁量 で は な く対 応 を協 議 し方 針 を確 認 ・共 有 す る必 要 が 生 じる。そ の た め 、学 生 の要 望 に 常 に即 時 的 に対 応 で き る とは 限 らな い。こ う した立 場 の相 違 や そ れ に基 づ く制 約 か ら、職 員 に即 座 に要 望 を受 け入 れ られ な か った 学 生 の 中 には不 満 を感 じ、攻 撃 的 な態 度 を とった り しつ こ く主 張 し続 けた りす る もの が い るのか も しれ ない 。一 方 で、泣 き出 され た り、死 にた い気 持 を打 ち 明 け られ た り、プ ラ イベ ー トな立 ち 入 った話 を聞 か れ た り した体 験 を持 つ 職 員 も少 数 なが らお り灘 しい対 応 を迫 られて い る こ とが うかが え る。
6.3本 学 の 教職 員 に よ る学 生 支 援 の 実情 につ い て
本 調 査 の結 果 で は、過 半数 の 教 員 で、メ ン タルヘ ルス上 の 問題 が 気 にかか る学 生が1名 以 上 い る結 果 となっ た。学 部生 の場 合 、気 が か りに な る きっか け と して は授 業 へ の 出欠 状 況 や 学 業 の 個 別 指 導場 面等 、学 業 や研 究 に関 連 した場 面が 多 い。学部 生 の 人 数 は比 較 的多 いの で 、個 別 の 生 活状 況 を把 握 す るの は難 しいが 、 授 業へ の 欠席 や遅 刻 が多 く個 別 に事 情 を尋 ね た り、個別 に研 究 を指 導 した りす る よ うに な る段 階 で、メ ンタル ヘ ル ス上 の 問題 が 把 握 され る と考 え られ る。大 学 院生 の場 合 の気 が か りに な る きっか けで は、授 業 や 日常 生 活 につ いて の個 別 指 導 場面 が 多 くあ げ られ てお り、大 学 院で は少 人数 指 導体 制 で あ るため 、学 生 に
大 学 生 に対 す る メ ン タルヘ ル ス支 援 体 制 に関 す る研 究(1) 41
つ い て個 人的 な状 況 の把 握 が行 いや す い と考 え られ る。
気 が か りに感 じた学 生 へ の対 応 と して は、学 友 に様子 を聞 きつ つ 、取 り立 て て 特 別 な対 応 は しない か、学生 相 談 室 の ような学 内専 門機 関の 利用 を勧 め る、とい うの が学 部 ・大 学 院 に共 通 した 一般 的 な対 応 の よ うで あ っ た。授 業 中 に ち ょっ と気 が か りを感 じた り、多少 の個 別相 談 を受 け た場 合 に、教 員が あ ま りに動揺 し た り大 仰 に特 別 扱 い を して し まう と、学 生 の 不 安 や 情 緒 的 な不 安 定 を煽 って し ま う こ とが あ るか も しれ な い。多 くの教 員 は、学 友 に様 子 を聞 くな ど生 活 状 況 全 体 の把 握 に努 め はす る もの の、お お らか に受 容 的 に接 す る こ とで、学 生 の安 定 に努 め るの か も しれ な い。一方 で、なか に は懸 念 を抱 えた ま ま、学生 の プ ラ イバ シー に立 ち入 る よ うで 揮 られ た り研 究 教 育 業 務 に紛 れ た り して、学 生 の状 況 が 把 握 で きず 、支援 提 供 の機 を逸 した よ うに感 じて い る教 員 もい るだ ろ う。実 際 、
自由記 述 で は、教 員 減 や 業務 負担 増 に よ り、個 々の 学 生へ の指導 時 間が 十分 に取 れ な くな った現状 の 改善 を希 望 す る意 見 が数 件 寄 せ られ た。
学 生 に対 し個 人的 に相談 に応 じた教 員 は、回答 者 の うち約4割 で あ った。本 人 か らの相 談 、教 員 か らの声 か け、学 友 か らの 相 談、ときっか け は多様 で あ った。対 応 につ い て も、個 別 相 談 や 友 人 、知 入 へ の は た ら きか け に加 え て、他 の教 職 員 と の相 談 や 会議 で対 応 を相 談 す るな ど、場 合 に よ って は組 織 的 な対 応 を検 討 して い る こ とが 示唆 され た。特 に こ う した個 別相 談 以外 の対応 を行 な うの は、学 生 の 今 後 の進 路 の 問題 や授 業 に対 す る影 響 を懸 念 す る場 合 、専 門家 の支 援 を必 要 と す る場 合 や 二 者 関係 で の対 応 に躊 躇 が感 じられ た場 合 で あ った。支援 を要 す る 学 生 の状 況や 問題 の性 質 に よ って は、他 の教 員 と情 報 を共有 した り、専 門家 へ 相 談 した り、専 攻 全 体 と して一致 した対 応 に取 り組 む こ とで、学 生 及 び教 職 員 の双 方 に利 益 とな る よ うに組織 的 な対 応 を して い るの で あ ろ う。な お 当然 の こ とで あ るが、教 員 が 指 導 の範 囲 で知 りえた学 生 の個 入 的 な状 況 に 関す る情 報 を共 有 す る際 に は、学 生 支 援二上誰 と どの よ う に共有 す るの か につ い て 当該 学 生 の 意 見 を聞 き承 認 を得 た り、学 生相 談 機 関の専 門家 の助 言 の下 、チー ム内守秘 の原 則 で 学 生 の福 祉 に資 す る仕 方 で 行 な わ れ るべ きで あ る。
個 人的 に相 談 に応 じた経験 の あ る職 員 は96名 中10名 と1割 の み で あ った。学 生 か ら相 談 を受 け る以 外 に は、単位 の履 修 や 休 学 ・復 学 手 続 きに関 連 して 、相 談
42
人 文 学 報No.394(社 会 福 セi学24)2008.3が行 な われ て い た。職 員 一 人 で対 応 せ ず 、学 内相 談 機 関 と連 携 した り、お そ ら く 学 生 の所 属 専攻 の教 職 員 と情 報 共 有 す るな ど して 、対 応 に努 め て い る こ とが 示
され て い た。学 生 対 応 窓 ロ の場 合 、複 数 の職 員 が 当 番 で 対応 に 当 た る こ と も多 い と考 え られ、と りわ け個 人で 対 応 す る よ り も情 報 共 有 して組 織 と して 一貫 し た対応 をす る こ とが重 要 であ る と考 え られ た。
6.4学 生 へ の メ ン タ ル ヘ ル ス 支 援 に 関 す る 教 職 員 の ニ ー ズ につ い て
教 員 の ニ ー ズ で 最 も 高 か っ た の は 、学 内 機 関 で の コ ンサ ル テ ー シ ョ ンや ケ ー ス カ ン フ ァ レ ン ス で あ っ た 。ケ ー ス バ イ ケ ー ス の 対 応 を 迫 ら れ る よ う な 難 し い 判 断 を要 され る 場 合 に 、学 内 事 情 に通 じた 相 談 機 関 に お い て 精 神 保 健 や 臨 床 心 理 学 的 な 観 点 か ら の 助 言 が ほ しい と い う こ と で あ ろ う。 と は い え、実 際 に 個 別 相 談 に応 じ た 教 員 の う ち 、学 生 相 談 室 と の 連 携 や 外 部 の 専 門 機 関 との 連 携 を 行 な っ て い た の は 、1割 程 度 に と ど ま っ た 。こ れ に つ い て は 、教 員 が 学 生 相 談 室 を学 生 へ の 個 別 相 談 機 関 と し て の み 認 知 して い て 、コ ンサ ル テ ー シ ョ ン機 能 も 担 っ て い る とい う こ と に つ い て は 十 分 に把 握 し て い な か っ た 可 能 性 が あ る。 ま た は 情 報 共 有 に 関 し て 学 生 の 承 諾 を得 る こ とが で きず 、コ ンサ ル テ ー シ ョ ン機 能 を う ま く利 用 で き な か っ た の か も しれ な い 。学 生 相 談 室 が 混 雑 して お り、時 間 的 調 整 が う ま くい か な か っ た 可 能 性 もあ る。
教 員 の ニ ー ズ と して 次 に 高 く挙 げ られ た の は 「ハ ン ドブ ッ ク」や 「資 料 集 」の 類 で あ っ た 。専 門 外 の 領 域 につ い て 、よ く知 らな い と感 じ る教 員 に と っ て は 、具 体 的 な 事 例 集 や 利 用 で き る 資 源 の 種 類 と 目的 と活 用 方 法 な ど、簡 潔 に 学 ぶ こ と の で き る も の が 求 め ら れ て い る と い え よ う。 こ う した 資 料 を 作 成 す る際 に は 、学 内 の 状 況 に合 わ せ て 実 用 的 な情 報 を 提 供 し実 際 の 個 別 支 援 に役 立 つ よ う に す る 必 要 が あ る だ け で は な く、リ ス ク に つ い て も適 切 に 警 告 し、教 職 員 が 一 人 で 安 易 に 抱 え 込 み を し な い よ う に 促 す こ と も 重 要 で あ ろ う。講 演 会 や ワ ー ク シ ョ ッ
プ、学 外 機 関 の 支 援 に つ い て の ニ ー ズ は 低 く、教 員 に と っ て は 一般 的 な知 識 や ス キ ル を 得 る た め に 多 くの 時 間 を 費 や す こ と に は 関 心 が 低 い よ う で あ る。
職 員 の 場 合 に は 、学 内 機i関で の コ ンサ ル テ ー シ ョ ン や ケ ー ス カ ン フ ァ レ ン ス の ニ ー ズ が 高 か っ た 。教 員 の 場 合 と 同 様 、専 門 的 な 見 地 か ら学 内 の 実 情 に あ わ
大学 生 に対 す る メ ン タ ルヘ ル ス支 援 体 制 に 関す る研 究(1) 43
せ た 適 切 な 対 応 に つ い て 助 言 を 受 け る こ と を期 待 して い る の で あ ろ う。 ま た 教 員 の 場 合 と異 な り、専 門 家 に よ る 講演 会 や ワ ー ク シ ョ ッ プ へ の ニ ー ズ も 高 か っ た 。職 員 は専 門 家 か ら学 ぶ こ と に よ り、一 般 的 な 知 識 や ス キ ル を 向 上 す る 機 会 を 期 待 して い る の で あ ろ う。
7.今 後 の 取 り組 み に つ い て
学 生 の メ ンタ ルヘ ル ス支 援 体 制 を充 実 させ る た め に、教 職 員へ 必 要 な支 援 策 につ い て は以 下 の 点 が示 唆 され た。
まず メ ンタルヘ ルス上 の 問題 を抱 えて い る可 能性 の あ る学生 を早 期 に同定 す る契 機 とな るの は、授業 の 出 欠状 況 に問題 が あ る、学 業 ・研 究 や 日常 生 活 につ い て の個 別 相談 ・指 導 で見 出す 、学 生 か らの 個 人 的 な相 談が あ る、の 主 に3点 で あ っ た 。必 修 の授 業 の 出欠 状 況 に問題 が あ る学 部 生 につ い て は早 期 に把 握 しや す い か も しれ な い が、必 修 の 単位 は履 修 済 み だ が専 攻 へ の帰 属 意識 の乏 しい学 部 生 や 、指 導教 員 とあ ま り連 絡 の取 れ ない 大学 院生 の場 合 に は、継続 的か つ積 極 的 に 声 をか けて い くよ うな対 応 が 求 め られ るか も しれ ない。
教 職 員 に よる主 な対 応 と して は、個 別相 談 に加 え て、状 況 に応 じて他 の教 職 員 や専 門家 と情 報 共 有 を行 な い、対 応 を協議 して い た。今 後 の課 題 と して は、教 職 員 と もにニ ー ズ の 高か っ た学 内専 門機i関に よる コ ンサ ル テー シ ョ ン機 能、ケー ス カ ンフ ァ レ ンス 機 能 を有 効 活 用 で きる支 援 体 制 の構 築 が 求 め られ る で あ ろ う。そ の た め に は、まず こ う したチ ー ム 内守 秘 の原 則 に従 い、情 報 を共 有 して 学 生 支 援 に携 わ る際 の倫 理 的 な 配慮 につ い て方 法 論 と体 制 を確 立 す る こ とが 求 め られ る。学 生 の意 見 を聴 取 し教 員 の 困難 を把 握 し、コ ンサ ル テ ー シ ョンの 目的 や ケ ー ス カ ンフ ァ レ ンスの 位 置 づ け を整理 して 調整 す る よ うな、コー デ ィネー ター の存 在 も必 要 で あ ろ う"。 また、本 学 で は常 勤 の医 師や 精 神 科 医 はお らず 、 学 生 相 談機潤 の 臨床 心 理 士 もキ ャ ンパ ス に よ って は非常 勤 対 応 に委 ね られ て お
り、十分 に充 実 して い る とは い え ない19。個 別 相 談 に加 えて コ ンサ ル テー シ ョン 機 能 に も対応 して い くた め には、組 織 的 な位 置 づ け と大 学 規 模 に応 じた 十 分 な 人員 の充 足 は必 要 で あ ろ う19。
44
人 文 学 報No.394(社 会 福 祉 学24)2008.3「大 学 生 の メ ン タル ヘ ル ス 支 援 シ ス テ ム構築 に 関 す る研 究 会 」にお い て は、
2008年 度 には学 生 を対 象 に悉 皆 調 査 を行 い、学 生 の メ ン タルヘ ル ス上 の 問題 や そ の支 援 体 制 の実 態 、また学 生 相 互 支援 の状 況 や 、学生 支援 の取 り組 み に対 す る ニー ズ につ いて 明 らか に したい と企 画 して い る。教 職員 と学 生 の メ ン タルヘ ル ス上 の 問題 に対 す る取 り組 み の実 態 とニー ズ を把 握 して 、初 め て本 学 に必 要 な 支援 体 制 の整 備方 針 につ い て、一 定 の示 唆 が得 られ るで あ ろ う。次年 度 は、学 生 調 査 の結 果 を報 告 す る と と もに、結 果 全 体 を踏 ま え て、必 要 な体 制 整 備 につ い て、検 討 す る予 定 で あ る。
付 記
本調 査 の実 施 に ご協 力 い ただ き ま した、基礎 教育 セ ン ター長 上 野 淳 先生 、総 務 課 長 笠原 岳 志氏 を初 め とす る教 職 員 の皆 様 に心 よ り感 謝 申 し上 げ ます 。
「大 学 生 の メ ンタルヘ ル ス支援 シス テ ム構 築 に 関す る研 究 会」
研 究代 表 者 副 田あ けみ(都 市 教 養 学 部 人文 社 会 系社 会 学 コー ス) 分 担研 究 者 岡 昌 之(学 生 サ ポー トセ ン ター学生 相 談 室)
永 井 撤(都 市 教 養 学 部 人文 社 会 系心 理 学 ・教 育 学 コー ス〉
山村 礎(健 康 福 祉 学 部看 護 学 科)
岡 田英 己子(都 市 教養 学 部 人文 社 会 系社 会学 コー ス) 岡部 卓(同 上)
矢 嶋 里 絵(同 上) 稲 葉 昭 英(同 上) 和 気 純 子(同 上) 堀 江 孝 司(同 上) 棋野 葉 月(同 上)
大 学 生 に 対 す る メ ン タル ヘ ルス 支援 体 制 に関 す る研 究(1) 45
(注)
i本 調 査 で は,メ ン タ ル ヘ ル ス 上 の 問 題 に つ い て,「「心 の 健 康 に 関 す る 問 題 」を 、気 分 や 感 情,意 欲,思 考,認 知 と い っ た 多 様 な 精 神 機 能 の 健 康 に 関 す る 問 題 全 般 を 指 す も の と し ま す 。精 神 科 的 診 断 の 有 無 や 、理 由 は 問 い ま せ ん 。従 っ て,精 神 疾 患 だ け で な く,青 年 期 特 有 の 不 安 や う つ 、進 路 に 関 連 し た 悩 み 、家 庭 の 経 済 事 情 に 起 因 す る 不 安 、睡 眠 不 足 や 過 重 労 働 に 伴 う 意 欲 低 下 な ど 全 て を 含 む 」と 定 義 し,調 査 を 実 施 し た 。
iiそ の た め に 、大 学 内 に ス ク ー ル ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー や 、学 生 支 援 コ ー デ ィ ネ ー タ ー を 設 置 す る 動 き も み ら れ る 。
引 用 文 献
1日 本 学 生 支 援 機 構;大 学 等 に お け る 学 生 塗 活 支 援1の 実 窟 調 査.蝦 告 書 凸。2006.
http://www.g‑shiendb.jasso.go.jp/gsdb/main/tmp/contents/abOO141.htm1
2内 田 千 代 子:国 立 大 学 の 休 ・退 学 、留 年 学 生 お よ び 死 亡 に 関 す る 調 査 一 精 神 科 医 か ら 見 た サ ポ ー ト の 必 要1生 一.国 立 大 学 マ ネ ジ メ ン み2006;2(2):27‑32.
3長 沼 洋 一,三 宅 由 子,立 森 久 照,竹 島 正.双 極 性 障 害 疫 学 研 究 の 最 近 の 動 向,臨 床 藩 神 薬 理,2005;8:267‑275.
4SadockBJ,SadockVA,KaplanHI.κ αρ1αη&Snclock'sSynopsisof1)3yc痂 α蹉y'
BehavioralSciences/ClinicalPsychiatry。LippincottWilliams&Wilkins;2002.(=井 上 令 一, 四 宮 滋 子 訳,カ プ ラ ン 臨 床 精 御 医 学 テ ヰ ズ みD3ルf‑1V・ η 〜診 断 塞 肇 の 臨 床 へ の 麗 燗.メ デ ィ カ ル サ イ エ ン ス イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル;2004)
5MeilmanPW,ManleyC,GaylorMS,TurcoJH.Medicalwithdrawalsfromcollegeformental healthreasonsandtheirrelationtoacademicperformance.JAmCollHealth.1992;40:
217‑223.
6大 坊 郁 夫,中 野星.日 本 語版GHQ短 縮 版の有効 性.θ 本心 理・学会第51珂 大 会発 表講文1窮
1987:737.74.
7WatanabeN.AsurveyonmentalhealthofuniversitystudentsinJapan.
1ンπ6rηα"oηo'MedicalJounzctl.1999;6:175‑179.
8秋 政 邦 江,片 山 章 郎.大 学 生 活 と 精 神 健 康 調 査.〃 崎 医 療 繍 大 学 紹 要.2000;20:11‑15.
9葉 柴 陽 子,石 垣 琢 麿.GHQを 用 い た 青 年 期 の 精 神 健 康 調 査 全 般 的 傾 向 お よ び ス ト レ ス と の 関 連 の 検 討.覆 浜 屠 立 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 再 教 淳 摺 談 ・支 援 総 合 セ ン タ ー 祀 更2004;4:9‑25.
10岩 橋 知 子:.個 別 相 談 以 外 の 学 生 相 談 活 動 の 最 近 の 動 向.蕩 捌 教 献 学 紀 要 第4分 紐,教 職 稗 稀7,2006;55:119‑132
11早 坂 浩 志,大 久 保 ち ひ ろ.岩 手 大 学 に お け る ピ ア ・サ ポ ー ト の 取 組 大 学 と 学 生2007;
46
人 文 学 報No.394(社 会 福 祉 学24)2008.3{41),58‑63.
12伊 東 孝 郎:白 鴎 大 学 に お け る ピ ア ・サ ポ ー ト 活 動 一 開 始2年 間 の 考 察 后 鴎 大 学 発 逆 科 学 部 講 秀き,2007;3(2):41‑66。
13杉 村 和 美,小 倉 正 義,加 藤 大 樹,松 岡 弥 玲,山 田 奈 保 子:ペ ア 相 談 と 学 生 の 主 体 性 を 取 り 入 れ た 大 学 で の ピ ア ・サ ポ ー ト活 動:名 古 屋 大 学 に お け る 実 践 を 通 し て.青 年 ・ご・理 学 研 究,2007;18:51‑62,
14内 野 悌 司:広 島 大 学 ピ ア ・サ ポ ー ト ・ル ー ム の 初 年 度 の 活 動 に 関 す る 考 察.学 塗 御 談 研 多2,2003二23(3):2330̲242.
15東 洋 大 学 学 生 相 談 室:困 っ た と き の 学 生 対1応(&A.2006
16東 京 工 業 大 学 ・保 健 管 理 セ ン タ ー:教 縦 買 の た め の 学 生 サ ・ボ ー み ・ガ イ み"ブ ッ ク ー 改 訂 hY‑.2002.
17日 本 学 生 支 援 機 構 関 東 地 区 学 生 生 活 連 絡 協 議 会:大 学 生 の み ラ ブ ル&マ ナ ー そ の 薯 例1と 解 決 策,2007.http://www.g‑shiendb.jasso.go.jp/gsdb/main/tmp/contents!abOO47Lhtm1
18岡 本 百 合,黒 崎 充 勇,内 野 悌 司,他:大 学 チ ュ ー タ ー は 学 生 メ ン タ ル ヘ ル ス 問 題 に 対 し て ど の よ う に 考 え て い る か?CAMPUSHEALTH,2007;44(3):90.
19日 本 学 生 支 援 機 構:大 学 に お け る 学 盈 籾 談 体 制 の 充 幽実 方 策 に つ い τ 一 乃絵 合 磁 な 学 埜 支Jと 傅 戸%ク な 学 生 支 援 ノの π連.拷 ・勝 紛 ゴー.2007
大 学 生 に対 す る メ ン タル ヘ ル ス支援 体 制 に 関 す る研 究(1) 47
表1教 員 調 査 結 果:学 生 の 全 般 的 な 様 子(n=187)
n %
講義 中の雰 囲気 に落 ち着 きが ない 講義 中の雑談 が多 い
演習や 実験 での学生 の反応 が乏 しい 演 習や 実験 で学生 の参加意 欲が少 な い
演習や 実験 での場 にそ ぐわ ない感 情表 出が ある
学生 か ら事細 か な行 動の指 示 を求 め られ る ことが多 い 学生が権 利主 張す る傾 向が強い
学生 の修 学停 滞の理 由 に心 の健康 上の 問題が挙 げ られ る 学生 に学 生相 談室 を利用す るよ う促す こ とが あ る
相 談室 や精神科 ・心 療 内科 を利用 してい る学生が 多い
学生 間や,教 職 員 一学生 間で の関係 の悪化 を見聞 きす る こ とがあ る 全体 と して学 生か ら元気 が な くなっ た よ うに感 じる
7 7 6 7 0 5 7 7 2 1 2 1 4 5 7 5 3 6 4 9 4 4 6 6
25.1 30.5 40.6 30.5 i6.a
.・
25.1 51.9 22.5 21.9 33.2 32.6
注 「あ ては まる」「どち らか とい えば あて は まる」と回答 した ものの 度数及 び%
表2教 員 調 査 結 果:学 生 対 応 上 困 っ た こ と(n=187)
n %
対応 中 に突 然泣 き出 して しまった パ ニ ック状 態 にな った
意味 不明 な発言や 一貫性 の ない話 をす る
激 しい怒 りに満 ちた,攻 撃 的 な態 度で の受 け答え をす る こち らの言 って い るこ とが なか なか伝 わ らない
同 じこ とを繰 り返 し何 度 も確認 して くる ゼ ミやサ ー クルで孤 立 して いる
「死 にたい」気持 ち を打 ち明 け られ た 話す 必要 の ない個 人的 な話 を始 め る
提 出の期 限 をいつ も守 らず,個 人的 な要 求 を して くる プラ イベ ー トな話 や立 ち入 った話 を聞 いて くる 授業 や教 員の対応 に対す る不満 を しつ こ く言 って くる
0 2 9 3 6 7 6 5 1 9 2 6 3 1 2 3 9 4 4 3 3 2 2
16.0 6.4 15.5 17.6 51.3 2s.i 24.6 2.7 16.6 20.9 11.8 13.9
注 「あ る 」「と き ど き あ る 」「よ く あ る 」と 回 答 し た も の の 度 数 及 び%
表3教 員調 査結果:心 の健康 を気 にか けて いる学 生数(n=187)
学部生 大学院生
い な い 1、2名 3〜5名 6名 以 上
4,︻﹂310どJOO3
Q / 7 7 ' 1 7 8
48
人 文 学 報No.394(社 会 福 祉 学24)2008.3表4教 員 調査結 果:心 の健康 に関す る問題 に配慮 を要 す る学 生へ の全般 的 な対応 の実態
n=187 学部生 大学院生
n % n %
【気が か りにな る きっか け(複 数 回答)】
学業 や研 究 につ いて の指 導 ・個 別相談 の場 面 か ら 日常 生活 につ いての個 別相談 の場面 か ら
授業へ の出欠状況 か ら 期 末考査 の場 面 か ら
演習 中 の コ ミュニケー シ ョンの様子 か ら 実験 や体験実 習 の作 業活 動の様 子か ら サ ー クル活動 の様子 か ら
【主 な対応(複 数 回答)】
特 に何 もせず 様子 を見 た
成績評価 におい て教 育上 配慮 した 学 友 に様子 を聞 いた
家族 に連絡 を とった
学 生相 談室 を利用す るよ う勧 めた 医療機 関 を受 診す る よ う話 した 学 生 の心 の健康 に関す る本 を読 ん だ
精神保健や心理学の専 門家にコンサルテーシ ョンを求めた
fO7(∠8∩∠14)7りjQり(∠〆05
9 2 8 9 2 3 2 3 4 2 6 1 3 2 2 1
42.9 21.0 46.9 16.0
.・
29.1 3,4
29.7 13.3 41.2
11.5 19.4 14.1 13.3 7.9
865α6 5029.4 5230.4 21五2.4 6236.5 3822.8 21.2
3623.2 1811.6 7447.4 1811.6 2818.2 2113.5 2013.O I49.2
表5教 員調査結 果:個 人的 に学生 の相 談 に応 じた場 合 の概 要(n=77>
n
%【相 談 を始 め る きっか け(複 数 回答)】
あ なた 自身 の声 か け また は呼 び出 し 学 生 自身か らの相談
友 人 か らの相 談
休 学、留年 、退学 といった学事 関連 他 の教 職員 の会議で の話題
他 の教 職員か らの個 人的 な相 談 医務室 か らの連 絡
学 生相 談室か らの連 絡 学 生課 や教務課 か らの連絡 事 件や事 故
そ の 他
【対応 した行動(複 数 回答)】
相 談 を行 った
学 内の知 人、友人へ働 きかけ を行 った 直接 あ なた 自身が 家族 に連絡 を とった 他 の教職員 を通 じ家族 と連絡 を とった
O 1 0 9 8 2 1 4 2 4 3 つ ﹂ く ﹂ ( ∠ 1 1 ( ﹂ 3 Q / 5 7 f 3
39.0 66.2 26.0 24.7 10.4 正5.6
1.3 5.2 2.6 5.2 3.9
94.8 42.9 11.7
6.5
大 学 生 に対 す る メ ン タル ヘ ル ス 支援 体 制 に関 す る研 究(1)
49他 の教 職員 に個 人的 に相談 した 教職 員の公 的会議 で対応 を審議 した 学 内の学生相 談室 や医務室 へ相 談 した
精神科 医療機 関や カウ ンセ リング機 関へ相談 した その他
【個 別相談 以外 の対 応(複 数回答)】
個別相 談以外 の対応 は しなか った 学生 の生命 の危機 が予測 され た と き 学生 の今後 の進路 が懸念 され た と き
専 門家の対応 が必 要 であ る と判 断 した とき 授業 、演 習、実 習 な どに影響 が懸 念 され た とき 二者 関係で対 応 を進め るこ とに躊 躇 を覚 えた とき そ の他
ζ ﹂ 2 Q / 4 ( ∠ 2 1
4・‑184.8つ﹂(∠31(∠32.5 15.6 i1.7 5.2 2.6
312 1.3 40.3 23.4 31.2 10.4 3.9
表6教 員 調 査 結 果:学 内 の サ ポ ー トシ ス テ ム に 関 す る 認 知(n=77)
n %
医 務 室 学 生 相 談 室
学 修 カ ウ ン セ ラ ー キ ャ リ ア カ ウ ン セ ラ ー
セ ク シ ャ ル ・ア ン ド ・ア カ デ ミ ッ ク ・ ハ ラ ス メ ン ト相 談 学 部 独 自 の 学 生 相 談 担 当
FDセ ミナ ー
医 務 室 や 学 生 相 談 室 主 催 の 講 演 会
2 3 3 8 0 8 1 4 6 6 3 1 5 2 5 2
82.7 84.O II' 24.0 66.7 37.3 .:1 32.0
注 「よ く知 っ て い る 」「知 っ て い る 」と の 回 答 の 和
表7教 員 調 査 結 果 二 教 職 員 に 対 す る 大 学 に よ る 支 援 体 制 に つ い て の ニ ー ズ(nニ187) n 131
123 48 59 70 102 70 112 117
%
学 内相談 機 関に よる教 員へ の コ ンサ ルテ ー シ ョン学 内相談 機 関での ケー ス カ ンフ ァ レンス
学外 相談 機 関に出 向 く教員へ の コンサ ルテー シ ョン 学外 相談 機 関 との メー ルや 電話 コンサ ルテー シ ョン 精 神医学 に関す る専 門家 の講演 会
学 生 対 応 に 関す る専 門 家 の 講 演 会
学 生対応 に関す る専 門家 に よる教 員 向け ワー クシ ョ ップ 学 生対応 に役立 つ 資料集
学 生対応 に役 立つハ ン ドブ ック
72.0
.・26.4 32.4 38.3 55.4 38.7 60.9 63.6
注 「とて も必要」「や や必要」との 回答 の和
50
人 文 学 報¥0.394(社 会 福 右ヒ学24)2008.3表8職 員調 査結果:学 生 の全般的 な様子(n=96)
n %
学生 か ら事細 か な行 動 の指 示 を求 め られ る ことが 多 い 学生 が権 利 主張 す る傾 向が強 い
学生 の修 学停滞 の理 由 に心 の健康 上の問題が 挙げ られ る 学生 に学 生相談 室 を利用す るよ う促 す こ とが あ る
相 談室 や精神科 ・心療 内科 を利用 してい る学 生が 多い
学 生 間や,教 職 員 一学生 間での 関係 の悪 化 を見聞 きす る ことが あ る 全体 として学生 か ら元 気が な くなった ように感 じる
0 ! 4 ‑ 5 7 4 0 1 ◎ 2 4 3 1 1 2 2
XO.2 45.8 36.5 17.7 14.6 1:
27.1
「あ て は ま る 」「ど ち ら か と い え ば あ て は ま る 」と 回 答 し た も の の 度 数 及 び%
表9職 員 調 査 結 果:学 生 対 応 上 困 っ た こ と(n=g6)
n %
対応 中 に突然泣 き出 して しまった パ ニ ック状態 に なった
意味不 明 な発言 や一 貫性 の ない話 をす る
激 しい怒 りに満 ちた,攻 撃 的 な態 度 での受 け答 え をす る こち らの言 ってい る こ とが なか なか伝 わ らない
同 じこ とを繰 り返 し何 度 も確 認 して くる ゼ ミやサ ー クルで孤立 してい る
「死 にたい」気持 ち を打 ち明け られ た 話 す必要 の ない個 人的 な話 を始め る
提 出の期 限 をいつ も守 らず,個 人的 な要求 を して くる プ ライベ ー トな話や立 ち入 った話 を聞 いて くる 授業 や教 員の対 応 に対 す る不満 を しつ こ く言 って くる
7 2 1 2 4 2 2 3 9 3 4 9 1 1 2 4 4 4 1 1 4 1
17.7 12.5 21.9 43.8 45。8
1
12.5 3.1 19.8 44.8 4.2
.・
「あ る 」「と き ど き あ る 」「よ くあ る 」と 回 答 し た も の の 度 数 及 び%
表10職 員 調 査 結 果:心 の 健 康 を 気 に か け て い る 学 生 数(n=96)
n
%い な い 1、2名 3〜5名 6名 以 上
O 1 7 5 5 ∩ ∠ 1
53.8
22.6
18.3
5.2
大 学 生 に対 す る メ ン タルヘ ル ス支 援 体 制 に 関 す る研 究(1) 51
表II職 員 調査結 果:個 人的に学生 の相談 に応 じた場合 の概要(n=10)
n
%【相 談 を始 め る きっか け(複 数 回答)】
あなた 自身の声 か け また は呼 び 出 し 学生 自身か らの相 談
友 人か らの相 談
休学 、留 年、退学 とい った学 事 関連 他 の教職員 の会議 で の話題
医務 室か らの連絡 学生相 談室 か らの連絡 学生 課や教務 課 か らの連 絡 そ の他
【対 応 した行動(複 数 回答)】
相談 を行 った
直接 あ なた 自身が家族 に連絡 を とった 他 の教職 員 を通 じ家族 と連絡 を とった 他 の教職 員 に個 人 的に相 談 した
学 内の学生 相談 室や 医務室へ 相談 した そ の他
【個 別相 談以外 の対応(複 数 回答)】
個 別相 談以外 の対 応 は しなか った 学生 の生命 の危 機が予 測 された とき 学 生の今後 の進路 が懸 念 された とき
専 門家 の対 応が必 要 であ る と判 断 した とき 授業 、演 習、実習 な どに影響 が 懸念 され た と き 二者 関係 で対応 を進 め るこ とに躊躇 を覚 えた とき
3 7 1 5 1 1 1 1 1
︽ゾーーバ﹁門1(∠1 4 一う 4 4 0
30.0 70.0 10.0 50.0 10.0 10.0 10.O lO.0 10.0
50.0 10.0 1αO X11 70.0 20.0
10.O X11 50.0 40.0 40.0 0.0
表12職 員 調 査 結 果:学 内 の サ ポ ー トシ ス テ ム に 関 す る 認 知(n=10)
塾89557143
% 医 務 室
学 生 相 談 室
学 修 カ ウ ン セ ラ ー キ ャ リ ア カ ウ ン セ ラ ー
セ ク シ ャ ル ・ア ン ド ・ア カ デ ミ ッ ク ・ハ ラ ス メ ン ト相 談 学 部 独 自 の 学 生 相 談 担 当
FDセ ミ ナ ー
医 務 室 や 学 生 相 談 室 主 催 の 講 演 会
:i1 90.0 50.0 50.0 70.0 10.0 40.0 30.0