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学位論文題名Bovine nuclear transfer using embryonic blastomeres and cumulus cells

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Academic year: 2021

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博士(獣医 学)

  

モノヽ メッドヌー レモノヽ メッドサイッド

     学位論文題名

Bovine nuclear transfer using embryonic blastomeres     and cumulus cells

(割球および卵丘細胞を用いたウシの核移植)

学位論文内容の要旨

  割球および体細胞を核質として用いたウシの核移植技術を確立するために、発生能の高 いレシピエント細胞質体を効率的に作出できる除核法を開発するとともに、核質と細胞質 体の細胞周期の適切な調整法および組み合わせを検討した。

  レシピエン卜細胞質体には、ウシ屠体卵巣から採取して体外成熟および除核操作を行っ た卵子を用いた。卵子の除核操作は活性化処理の前あるいは後に行った。核質のドナーに は、ウシ体外受精由来32細胞期胚の割球と体外成熟卵子に付着する卵丘細胞を供試した。

割球 は、予 めカルシ ウム・ イオノホアA23187とシクロヘキシミドによる活性化処理を行 った除核卵子と電気融合させた。一方、卵丘細胞は除核卵子と電気融合後にシクロヘキシ ミド 処理を 加えるか 、ある いは予め 活性化 処理を行 った除核 卵子と 電気融合 させた。

  第I章 では、卵胞から回収した未成熟卵子を形態的に2群の品質に分けて、レシピェン ト細胞質体としての卵子の品質が核移植胚の発育に及ぽす影響について検討した。形態的 に高品質と判定された卵子は低品質と判定された卵子よりも体外成熟率が高かった。さら に、高品質と判定された卵子を用いて作製した核移植胚は、低品質と判定された卵子を用 いて作製した核移植胚に比べて胚盤胞への発育率が高く、得られた胚盤胞の細胞数も多か った。これらの結果から、核移植のレシピエント細胞質体として使用する卵子の形態的な 選技の重要性が示された。

  第H章では、従来の除核法における低い除核成功率の原因を調べるとともに、活性化処 理を加えた後に除核する方法について検討した。まず、体外成熟培養終了直後の卵子と成 熟培養後に活性化処理を加えた卵子の核の位置を調ぺた。その結果、成熟培養直後では第 ー極体の直下に卵細胞核が存在する卵子の割合は41%であったが、活性化処理を加えた場 合には、すぺての卵子で第二極体の直下に卵細胞核が観察された。また、成熟培養直後の 卵子の除核成功率は60%であったが、除核前に活性化処理を加えた卵子では92%の高い除 抜成功率が得られた。両群の除核卵子と割球を用いて核移植を行ったが、核移植胚の胚盤 胞への発育率に差異は見られなかった。これらの結果から、卵子を活性化処理してから除 枝すると除核成功率は高く、この除核操作は核移植胚の発育に対して悪影響のないことが 分かった。

  第III章では、卵丘細胞を血清飢餓処理あるいはコンフルエントになるまで培養処理して サイズと細胞周期の関係を調ぺるとともに、これらの培養細胞を核質のドナーとして用い た抜移植胚の発育能を検討した。培養卵丘細胞のサイズ別の分布には培養処理法による差 異 が なく 、直 径15〜20 Umの中型 細胞が 最も高頻 度(約65めで回収 された 。フ口ー サ イトメーターを用いて培養細胞の細胞周期を調ぺた結果、いずれの培養処理法でも小型お

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よ び中型細 胞にお けるGO/G1期細胞 の割合(95〜98%) は、大型 細胞(82%)に 比ぺて 高い値を示した。血清飢餓処理後に得られた小、中および大型細胞を核質ドナーとして用 いて核移植を行ったが、融合率、卵割率および胚盤胞への発育率にドナー細胞のサイズに よ る差異は見られなかった。また、2種類の培養処理で得られた中型細胞を用いて作製し た核移植胚の発育率を比較したが培養処理法による差異はなかった。これらの結果から、

卵丘細胞を血清飢餓あるいはコンフルエント処理した場合、最も高頻度に回収される中型 細 胞をGO/G1期の核 質のドナ ー細胞 として核 移植に 使用できることが明らかになった。

  第IV章では、体細胞を用いた核移植における核質ドナー細胞とレシピエント細胞質体の 細胞周期の適切な組み合せについて検討するため、まず、コンフルエント処理あるいはア フィジコリン処理した卵丘細胞の生存性、サイズおよび細胞周期を調べた。アフィジコリ ン処理した卵丘細胞はコンフルエント処理した細胞に比ぺてサイズは大きかったが、両者 の 生存性に 差異を 認めなか った。 また、コ ンフルエ ント処理した細胞の約95%はGO/G1 期 であり、 アフィ ジコリン 処理解放後2時間目の細胞の約70%はS期であることが分かっ た 。コンフ ルエン 卜処理(GO/G1期)ある いはアフ ィジコリン処理(S期)卵丘細胞を核 質 のドナー に、第 二減数分 裂中期(M期)ある いは活 性化処理(S期)除核卵子をレシピ エ ン卜細胞質体として用いて、核質十レシピエン卜細胞質体の組み合わせが異なる3種類 の 核 移 植 胚(GO/G1期 十M期、GO/G1期 十S期 お よびS期+S期 ) を作 製 し て 、体 細 胞 核 移植における核質と細胞質体の最適な細胞周期の組み合せについて検討した。その結果、

GO/G1期十M期の 組み合せ により 作製した 核移植胚 は、他 の組み合 せに比 べて胚盤胞へ の 発育率が高かった(38.3vs l.5および2.1%)。これらの結果から、卵丘細胞を核質ド ナ ーとして 用いた 核移植で はGO/G1期の核質 とM期 の細胞 質体の組 み合せ により発生能 の高い核移植胚の得られることが明らかになった。また、割球を核質ドナーとする核移植

( 第Iお よびII章 )には有 効であ ったS期十S期の組 み合せは、体細胞を核質ドナーに用 いた核移植には適していないことが示唆された。

  第V章 で は 、コ ン フ ルエン ト処理 した卵丘 細胞を 用いて作 製した 核移植胚(GO/G1期 の 核質とM期の 除核卵子 )および 割球を 核質とし て用い た核移植胚(S期の核質とS期の 除 核卵子)の胚盤胞までの発育過程を体外受精胚の発育過程と比較した。3者の卵割率、

胚 盤胞への発育率および胚盤胞の細胞数に差異は認められなかったが、2種類の核移植胚 の 初回卵割から胞胚腔形成までの時間は体外受精胚に比べて約6時間短かった。染色体構 成が正常な胚盤胞の割合は卵丘細胞を用いた核移植胚と体外受精胚の間に差異は認められ ず 、 核 移 植 胚 に お け る 核 の 再 構 築 が 正 常 に 行 わ れ て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。   以 上、本研究によりS期レシピエント細胞質体としての除核卵子を効率良く作製できる 除核法、すなわち成熟卵子を予め活性化させてから除核する方法を開発することができた。

こ のS期 除核卵 子(細胞 質体)とS期核質の組み合せは、割球を核質のドナーとする核移 植には有効であるが、体細胞を核質のドナーとして用いた核移植には適していないことが 示 唆された 。体細 胞を用い た核移 植では、GO/G1期 核質とM期除核 卵子の 組み合せによ り 正常な胚盤胞の得られることが分かった。また、GO/G1期の卵丘細胞を得るためには、

血 清 飢 餓 あ る い は コ ン フ ル ェ ン ト培 養 処 理が 有 効 であ る こ とも 明 ら かに な っ た。

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学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

高 橋 芳 幸 渡 辺 智 正 岩 永 敏 彦 片 桐 成 二

     学位論文題名

Bovine nuclear transfer using embryonic blastomeres     and cumulus cells

( 割 球 お よ び 卵 丘 細 胞 を 用 い た ウ シ の 核 移 植)

  申 請 者 は 、 割 球 お よ び 体 細 胞 を 核 質 と し て 用 い た ウ シ の 核 移 植 技 術 を 確 立 す る た め に 、 発 生 能 の 高 い 細 胞 質 体 と 核 質 の 作 製 ・ 調 整 法 に つ い て 検 討 し た 。   割 球 を 用 い た 核 移 植 の 実 験 で は 、 細 胞 質 体 と な る 卵 子 を 形 態 的 に 分 類 ・ 選 抜 し て 核 移 植 に 供 用 す る こ と に よ り 核 移 植 胚 の 発 生 率 が 高 く な る こ と を 明 ら か に し た 。 つ い で 、 第 一 極 体 の 位 置 を 指 標 に し た 従 来 の 卵 子 除 核 法 に お け る 低 い 除 核 率 ( 約60% ) は 、 卵 細 胞 核 が 第 一 極 体 か ら 離 れ た 位 置 に 存 在 す る 卵 子 に 対 し て 除 核 操 作 を 行 う こ と に 起 因 す る こ と を 突 き 止 め た 。 さ ら に 、 卵 子 に 活 性 化 処 理 を 加 え て 減 数 分 裂 を 再 開 さ せ て か ら 第 二 極 体 の 位 置 を 指 標 に し て 除 核 操 作 を 行 い 、 高 い 除 核 率 ( 約90% ) を 得 る こ と に 成 功 し た 。

  卵 丘 細 胞 ( 体 細 胞 ) を 用 い た 核 移 植 の 実 験 で は 、 卵 丘 細 胞 に 血 清 飢 餓 、 コ ン フ ル エ ン ト 培 養 あ る い は ア フ ィ ジ コ リ ン 処 理 を 施 し て 細 胞 の サ イ ズ と 細 胞 周 期 の 関 係 を 調 べ た 。 そ の 結 果 、 い ず れ の 培 養 ・ 処 理 に お い て も 高 頻 度 に 採 取 で き る 中 型 の 細 胞 は 、 血 清 飢 餓 お よ び コ ン フ ル ェ ン ト 培 養 で は 約95% がGO/G1期 、 ア フ ィ ジ コ リ ン 処 理 で は 約70% がS期 に 同 調 さ れ て い る こ と を 明 ら か に し た 。 つ い で 、 こ れ ら の 処 理 を 施 し た 卵 丘 細 胞 を 核 質 と し 、 第 二 減 数 分 裂 中 期(M期 ) あ る い は 活 性 化 処 理 後 (S期 ) に 除 核 し た 卵 子 を 細 胞 質 体 と し て 用 い た 核 移 植 を 行 い 、 核 質 と 細 胞 質 体 の 細 胞 周 期 の 組 合 せ に つ い て 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 GO/G1期 の 核 質 とM期 の 細 胞 質 体 の 組 み 合 せ で 作 製 し た 核 移 植 胚 は 発 生 率 が 最 も 高 く 、 そ の 胚 盤 胞 ま で の 発 生 過 程 と 染 色 体 の 数 的 異 常 の 程 度 は 体 外 受 精 胚 と ほ と ん ど 差 異 の な い こ と を 明 ら か に し た 。

  以 上 の よ う に 、 申 請 者 は 割 球 を 用 い た 核 移 植 に 適 し た 細 胞 質 体 の 効 率 的 な 作 製 法 を 開 発 す る と と も に 、 卵 丘 細 胞 を 用 い た 核 移 植 に 適 し た 核 質 と 細 胞 質 体 の 細 胞 周 期 の 組 合 せ と 調 整 法 を 明 ら か に し た 。 よ っ て 、 審 査 員 一 同 は 、 申 請 者 が 博 士 ( 獣 医 学 ) の 学 位 を 受 け る 資 格 を 有 す る と 認 め た 。

参照

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