• 検索結果がありません。

博士(歯学)敦賀英知 学位論文題名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博士(歯学)敦賀英知 学位論文題名"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

     博士(歯学)敦賀英知 学位論文題名

BIN/IP 誘導骨形成における細胞支持体の幾何学的要素について

一 多 孔 性 ヒド ロキ シア パタ イト の最 適気 孔径 一

Pore size of porous hydroxyapatite as the cell‑substratum        controls BMP‑induced osteogenesis

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

【目的】

骨 形 成 夕 ン ノ ` ク 質 (Bone morphogenetic protein:BMP)に よる 異所性 骨誘 導 実験に おい て,様々な細胞支持体を用いてきた結果,軟骨あるいは骨への細胞 の 分化は ,細 胞支持体の物理的,化学的,生物学的性質に依存することを明らか に してき たが ,更に細胞支持体の幾何的要素にも大きく左右されることが示され てきた。そこで,細胞支持体として,多孔性ブロック状ヒドロキシアノ`夕イト(

Porous block of hydrox‑yapatite,PBHAP)を用い,その気孔径が骨の誘導に与 える影響を比較検討した。

【材料と方法〕

1.担体

5種 類(106〜212,212〜3・00,300〜400,400〜000,500‑‑‑600 um)の大きさ の樹脂(スチレンーヌタクリル酸ブチル系)とヒド口キシアバタイト(800℃,3時 間 仮 焼 成 ) を3:7の 割 合 で 混 合 し , 鋳 型 中 で400 kg/cm2の 圧 カ に て 圧縮 後 , 1200℃ で1時 間焼 成レ た。 各ア バタ イト ブ□ッ クの 気孔 径は,樹脂の大きさに相 当 レ , 各 気 孔 は 連 続 性 を 有 し て い る 。 気 孔 率 は , い ず れ も70% で あ る 。 5種 類 の 気 孔 径 を 有 す るPBHAPを デ イ ス ク で ス ラ イ ス し ,40mg(5x5xl mm)に 調製 し た 。 次 に , 蒸 留 水 に て 微粒 子を 除き ,そ の後 乾熱 滅菌 した もの を 実験に使用した。

2, BMPと 担体 の複 合, およ び埋 植

2笹 俯 レ たPBI‑LAP40mgに , ヒ 卜 リ コ ン ビ ナ ン 卜BMP−24ロgを 含 浸 さ せ , 雄性 ,4週 齢のWis tar−king系ラ ッ卜 (体 重; 約60 g)の背部 皮下 結合 組織内に 埋値 レた 。

(2)

3.生化学的分析

(1)アルカリ性ホスファターゼ〔ALP)活性

摘出した 埋植体を凍結乾燥後,粉砕したものを界面活性剤NonidetーP40を含む bufferで 懸濁 レ,そ の懸 濁液 をALP活 性測 定用の サン プル とし,Kind‑kin.g 法により測定した。

(2)オステオカルシン

オステオカルシン量は,同様に粉砕レたpelletを,40%ぎ醸で抽出し,抽出液 を蒸 留水 で透 析後凍 結乾 燥し たものをサンブルとし,ラジオイムノアッセイ (RIA)法により測定した。

4.形態学的議察

摘出した埋植体を,10%中性緩衝ホルマリンで固定後,脱灰標本を作製した。1 0%蟻酸で脱灰後,通法に従いパラフィン包埋し,厚さ4ロmの連続切片を作製し ヘ マ ト キ シ リ ン エ オ ジ ン 染 色 を 施 し , 光 学 顕 微 鏡 で 観 察 し た 。

【結果】

    丶・

1.生化学的分析

直接骨を誘導することが明らかになっている150ロmの気孔径を含む106一212出 mのPBHAPに つ い て,1過 から4週 にか けて 経時的 にア ルカ リ性 ホスフ ァタ ー ゼ(ALP)活 性お よび オステ オカ ルシ ン量を 測定 した とこ ろ,ALP活性は,1週 より増加し2過でビークに達し以後減少傾向を示した。オステオカルシン量は,

1過か ら3週に かけ ては 徐々 に増加 し,4週 にか けて は急 激に増加した。そこ で,各気孔径のPBHAPの骨誘導能を比較するに際し,.LLLP活性はピークである 2週 に お い て , ゛ オ ス テ オ カ ル シ ン 量 は4週 に お い て 比 較 検 討 し た 。 その結果,ALP活性においては,106−219 11IT1のものに比ベ,300−400ロmのも のが3.5倍,400―50011IT1のものが3倍の活性値を示レ,ともに有意な差が認め られた。オステオカルシン量において|ま,106−212ロmのものに比ベ,300一400 ロmの も の が1.9倍 ,400一500ロmの もの が1.7倍 ,500ー600umの もの が1.4 倍となり,いずれも有意な差が認められた。この様に,ALP活性とオステオカル シン量ともに300―400 umのものが最大の値を示した。

2.形態学的観察

埋植後4週日の各サイズのPBI‑LAPの組織像を観察した。

1)106−212 11ITI

骨の形成が気孔の表而に観察され,セメントラインを伴う骨の改造線が認められ た。

2) 212−300LLm

ほとんどの気孔内に骨が認められ,一醫はの気孔内にIfIL管の俊入が認められた。

3) 300―40011111

同様に骨形成が認められ,造血細胞で満たされた骨髄様翁0胞を気孔内に伴ってい た。その一部には,脂肪髄が認められた。

4)400ー500ロm

同様に気孔表面に沿って血管侵入を伴う骨が形成され,内部に骨髄様細胞が認めら れた。形成された骨と血管,骨髄様細胞が明瞭に区別できる像が認められた。

(3)

5) 500−600ロm

気孔 表面に沿っ て骨形成 が認めら れたが, 形成され た骨に連 続性がなく,気孔内部 に骨 が形成され ている像 も認めら れた。

【考察】

気孔径によ り骨誘導 能を比較 した結果 ,気孔径 が300−400 umのものが,

い 誘 導 能 を 示 し た こ と の つ い て , 以 下 の 考 察 を 行 な っ た 。 1)血管侵入 について

最も高

組織 像 か ら血 管 の 直径 は ,約50ロmと推定 されたが ,これは いずれの気 孔径より も小さく ,血管侵 入tまどの サイズに おいても 可能であると考えられる。しかし,

Harvasian systemによルオ ステオン を形成す る際,.オステオンの直径が約200− 300ロmで あ るこ と を考 え る と, 今 回最 大 の 骨誘 導 能 を示 し た300ー400ロmのサ イズ と ほ ぼ一 致 し てい る こと になる。300ー400ロmのサ イズが, 血管が侵入 しオ ステオン 形成に適 した気孔 径であっ たと考え られる。

2)細胞密 度につい て

細胞がそ こに定着 し増殖, 分化する 足場とな る気孔内 部の凹面構 造が,気 孔径が 300−400 um付近 の と き, 骨形 成を行な うのに適 した細胞 密度を提 供し得るの で ないかと 考えられ る。

3)骨のカ 学的安定 性につい て

500―600ロmの 組織 写 真で , 形成され た骨が連 続せず, 気孔表面 に沿ってい なか った こ と から , 骨 のカ 学 的な 安定性が ,300―400 um付近 で高いの ではないか と 考えられ る。

【 結諭 】

BMPによ りPBHAP内 に誘 導 さ れる 骨 形成 能 は ,気 孔 径 の大 き さに 大 き な影 響を 受 け , 今 回 の 条 件 下 で5ま300〜400Umにお い て, 最 大 の骨 形 成を 促 す こと 認 めら れ 、細 胞 支 持体 の幾何 学的構造 の重要性 を支持す ると共に 、将来の硬 組織に代 表 さ れ る 人 工 臓 器 の 設 計 に 大 き く 寄 与 す る も の と 考 え ら れ る 。

(4)

学 位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

BIVIP 誘導骨形成における細胞支持体の幾何学的要素について

― 多 孔 性 ヒ ド ロ キ シ ア パ タ イ ト の 最 適 気 孔 径 一

Pore size of porous hydroxyapatite as the cell‑substratum        controls BMP‑induced osteogenesis

  審 査 は , ま ず , 申 請 者 に 提 出 論 文 の 概 要 の 説 明 を 求 め た 後 , 本 論 文 の 内 容 と そ の 関 連 事 項 に つ い て 口 頭 に よ り 試 問 し た 。

  骨 形 成 夕 ン バ ク 質 (Bone morphogenetic proteinBMP) に よ る 異 所 性 骨 誘 導 実 験 に お い て ,BMPの 機 能 を 効 果 的 に 発 現 さ せ る た め に 細 胞 支 持 体 が 必 要 と さ れ て お り , こ れ ま で 様 々 な 支 持 体 が 用 い ら れ て き た 。 そ の 中 で も ヒ ド ロ キ シ ア バ タ イ ト は , 生 体 と の 親 和 性 が 高 く ,BMPと の 複 合 体 は 同 所 性 お よ び 異 所 性 に お い て 骨 を 誘 導 す る こ と が わ か っ て い る 。 本 論 文 で は 支 持 体 と し て , 多 孔 性 ブ 口 ッ ク 状 ヒ ド 口 キ シ ア バ タ イ ト (Porous block of hydrox3rapatitePBHAP)を 用 い , そ の 気 孔 径 が 骨 組 織 の 誘 導 能 に 与 え る 影 響 に つ い て , 生 化 学 的 に 比 較 検 討 し た も の で あ る 。

  実 験 は ,5種 類 の 気 孔 径 を 有 す るPBHAP 40 mgに , ヒ ト ・ リ コ ン ピ ナ ン BMP24gを 含 浸 さ せ , 雄 性 ,4週 齢 の Wistarking系 ラ ッ 卜 ( 体 重 : 約60 g)の 背 部 皮 下 結 合 組 織 内 に 埋 植 し , 埋 植 後1週 か ら4週 に か け て 経 時 的 に 摘 出 し て い る 。 生 化 学 的 分 析 は , 骨 形 成 の マ ー カ ー と さ れ る ア ル カ リ 性 ホ ス フ ァ タ ー ゼ(ALP)活 性 と オ ス テ オ カ ル シ ン 量 を 測 定 し て い る 。 形 態 学 的 観 察 は , 摘 出 し たpelletを ,10% 中 性 緩 衝 ホ ル マ リ ン で 固 定 後 , 脱 灰 標 本 を 作 製 し た 。10% ギ 酸 で 脱 灰 後 , 通 法 に 従 い バ ラ フ ィ ン 包 埋 し , 厚 さ4 mの 連 続 切 片 を 作 製 し ヘ マ 卜 キ シ リ ン ・ エ オ ジ ン 染 色 を 施 し , 光 学 顕 微 鏡 で 観 察 し て い る 。

徳 稔

木 田

久 脇

授 授

教 教

査 査

主 副

(5)

  まず ,106ー212 umのPBHAPに つ いて ,1週 か ら4週 にか け て経 時 的 にア ルカリ性ホスファターゼ(ALP)活性およびオステオカルシン量を測定し,それ ぞれの値の最大を示す週において各気孔径での比較を試みた。その結果,ALP 活性は,2週において最大値をしめし,オステオカルシン量は4週まで増加傾向 を示した。そこで,各気孔径のPBHAPの骨誘導能を比較するに際し,|°岬活 性は2週において,オステオカルシン量は4週において比較検討した。以上の方 法により得られた結果は次の通りである。

  ALP活性におい ては,106−212ロmのものに比ベ,300ー400ロmのものが3. 5倍,400―500ロmのものが3倍の活性値を示し,.ともに有意な差が認められ た。オステオカルシン量においては,106―212ロmのものに比ベ,300ー400ロm のものが1.9倍,400−500ロmのものが1.7倍,500−600ルmのものが1.4倍と なり,いずれも有意な差が認められた。

  この ように,生 化学的分析 の結果,ALP活性とオステオカルシン量ともに 300−400閏mのものが最大の値を示した。

  形態 学的には,5種類すべてのPBHAPにおいて,骨の形成が気孔の表面に観 察され,一部の気孔内に血管の侵入が認められた。また,造血細胞で満たされた 骨髄様細胞を気孔内に伴っており,その一部には,脂肪髄が認められた。さら に ,500―600HmのPBHAPに つ いて は ,気 孔表面に形 成された骨 の厚さが薄 く な り , 気 孔 内 部 に 骨 が 占 め ら れ て い る 組 織 像 が 観 察 さ れ て い る 。   これらの結果から本論文提出者は,気孔径が300―400ロmのものが,最も高 い誘導能を示したことのついて,次のように考察した。

  Havarsiansy§temによルオステオンを形成する際に,オステオンの直径が約 200−300ばmであり ,今回最大の骨誘導能を示した300ー400ロmのサイズとほ ぼ一致しており気孔内での骨の形成に適していたのではないかと考えた。また,

直径が300―400ロmの時に与える気孔内部の凹面構造が,骨形成に適した細胞密 度を提供したのではないかと考えた。さらに,組織像から,気孔径が大きくなる にっれて,形成された骨の厚さが薄くなっていることから,骨のカ学的安定性あi 関与しているのではないかと考えた。

  以上 をまとめ ると,BMPによりPBHAP内に誘導さ れる骨形成 能は,今回 の 条件下では300〜400ロmにおいて,最大の骨形成を促すことが認められ,細胞 支持体の幾何学的構造の重要性を支持する結果となり,人工臓器の設計に大きく 寄 与 す る も の と 考 え ら れ , 本 研 究 の 意 義 が 高 く 評 価 さ れ た 。   次いで,本論文の内容に関連のある質問が行なわれた。脇田教授から,形態 学的 観点からの 貴重な指摘 がなされ, 特に,HavarsiansyStemとの関連につ いての質問がなされたが,申請者は,ほぽ脇田教授の指摘を理解した上で,適     ―336ー

(6)

切な弁明をした。また,松本教授は,本研究の多孔性ブ口ック状ヒド口キシア パタイトによる骨誘導能の気孔径による差を評価し,最適気孔径を決定した最 初の報告であることを評価した。本研究は,歯科医学の発展に十分貢献するも のであり,本人も歯学全般にわたる十分な見識を示しているので,博士(歯 学)の学位授与に値することが認められた。

参照

関連したドキュメント

  

   再生療法にはスキャホールドが必要とされ、イヌの下顎骨に骨窩洞を形成し て骨 髄穿孔し、 線維化アテ 口コラーゲン・熱変性アテ口コラーゲン複合体

広い学識を有していると認められた。また今後は更に詳細な解析の準備を進めており、将来の展

   実験動物として生後4 週齢のWistar 系雄ラット16

   観察し た歯種の全ての部位において、歯髄線維と象牙前質基質線維との両方に連絡 す る IOF が 認 めら れ るこ と か ら、 IOF の 大部分 は歯髄の 線維芽細

重度炎症と強い外傷カを加えた詳では歯間水平線維の破壊が著し〈進行し歯

【結果と考察】咬合機能喪失群では,歯冠削除により歯周組織に急激に 著しい変化が発現した。歯冠削除後,歯根膜は線維の断裂,配列の乱れ

伴うアリル化反応を新たに開発した.更に,これらの