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Academic year: 2021

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論文内容要旨

A single nucleotide polymorphism in fibronectin 1 determines tumor shape in colorectal cancer

ONCOLOGY REPORTS 32 巻 2 号 548-552 頁 2014 年

医学研究科外科系外科学( 消化器・一般外科分野)専攻 (昭和大学横浜市北部病院) 木田裕之

大腸癌において分化度、深達度、脈管侵襲、リンパ節転移など様々な臨床 病理学的因子を規定する遺伝子については様々な報告がなされている。

しかし、大腸癌組織における肉眼型と関係する遺伝子については明らかで はない。本研究では大腸癌症例における癌細胞レベルのゲノム変異を包括 的に解析し、肉眼型(隆起型 VS 陥凹型)において有意差を認める遺伝 子を明らかにすることを目的とした。

対象は国内9施設より集積した原発性大腸癌原発巣144例。

解析手順は以下の通りにおこなった。

(1) Laser microdissection(LMD)で癌細胞のみを採取

(2) Comparative genomic hybridization(CGH)アレイ(probe 数 244K個)

(3) 進行大腸癌124例において Type1と Type2/3症例間で、コピー数 において有意差(q value<0.05)を示したprobeを同定

(4) 癌の進展時期を問わず肉眼型の違いでゲノムコピー数が

(D 群)陥凹型腫瘍:0-IIb, 0-IIc, 0-IIa+IIc, 0-IIc+IIa, Type2, Type3

(E群)隆起型腫瘍:0-Ip, 0-Isp, 0-Is, 0-IIa, 0-Type1 の 2群に分かれる遺伝子をリストアップ

(5)146例についてFN1遺伝子発言の臨床病理学的意義を解析

(6)別のサブグループ37例を用いて、FN1遺伝子の発現レベルと肉眼 型との関係を再確認

その結果、進行大腸癌124例において Type1とType2を比較したもので は 8 番染色体において短腕と長腕の変異頻度が有意差を持って異なるこ とが判明した。また、Type1と Type2/3でも同様の結果であった。また、

Type1に比べType3では13番染色体が有意に変異していることが明らか

となり、一方、Type2 とType3では13番染色体が、Type2に比べType3

(2)

のほうが有意に変異を来していることが明らかとなった。

次に進行癌に限らず肉眼型を比較した。CGHアレイの結果とゲノムprobe の結果から特定し得た遺伝子は、Fibronectin 1 遺伝子が両者間で有意に 相関していた。

Fibronectin 1は血漿中の可溶性二量体中に存在する糖蛋白質であり、細

胞表面では二量体で細胞外マトリックス中では多量体である。胚形成、創 傷治癒、血液凝固、転移を含む細胞接着および遊走プロセスに関与してい る。

Microarrayの結果、Fibronectin 1を誘導する三つの遺伝子領域は陥凹型 ではすべてが過剰発現しており、隆起型と異なっていた。この3つのprobe を用いて代表的な陥凹型腫瘍19例と隆起型腫瘍 9例、通常組織9例を用 いてマイクロアレイ解析を行い、三つのprobeは陥凹型腫瘍でのみ優位に 過 剰 発 現 し て い た 。 定 量 RT-PCR の 結 果 も こ れ を 支 持 し て お り 、

Fibronectin 1は隆起型腫瘍で陥凹型腫瘍に比べ優位に発現していた。

今回の検討では、腫瘍の形態のほかに、Fibronectin 1の過剰発現は腫瘍 サイズ、リンパ管侵襲の有無で有意差をもって認められた。

また、fibronectin1にみられる30の一塩基多形(SNP)のうちrs6707530 は腫瘍形状に関連していた。GG genotype は GT/TT genotype に比べ fibronectin 1の発現が高く、腫瘍の形状に関連していた fibronectin 1の 一つの一塩基多形を同定しえた。

また、実際のDisease free survivalを今回の146例を追跡すると、陥凹 型の方が、隆起型に比べ有意に悪かった。

以上より、我々は末梢血からの生殖細胞系 DNA における fibronectin 1 中の、1 SNP(rs6707530)を評価することで、陥凹型腫瘍の存在を予測し える。下部消化管内視鏡検査と併せ、陥凹型腫瘍の早期発見に役立てるこ とができると考えられた。

参照

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