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博士学位論文審査報告書

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Academic year: 2022

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(1)2018年1月5日. 博士学位論文審査報告書 大学名. 早稲田大学. 研究科名. スポーツ科学研究科. 申請者氏名. 東海林 沙貴. 学位の種類. 博士(スポーツ科学). 論文題目. 小学校の体育授業におけるジグソー法に関する研究:学習者同士の関わり 合いを促すための授業実践を通したその適用条件の解明 A Study about the Jigsaw Method in Physical Education of Primary School : Reveling the Conditions to Facilitate Interactions between Students through Implementation of Units. 論文審査員. 主査 早稲田大学教授. 友添 秀則 博士(人間科学)(早稲田大学). 副査 早稲田大学教授. 寒川 恒夫 学術博士(筑波大学). 副査 早稲田大学准教授 中澤 篤史 博士(教育学)(東京大学) 副査 早稲田大学准教授 吉永 武史 本学位請求論文は、学習者同士の協力関係と主体的な活動を重視した授業を展開するために、 アメリカで開発された協同学習の1類型であるジグソー法(Jigsaw Method)の体育授業への適 用可能性を検証授業によって明らかにしたものである。アロンソン(Aronson,E.)によって 開発されたジグソー法は、授業における各学習者をジグソーパズルのピースに見立て、学習課題 の一定の部分を担当させながら、それを各グループに持ち寄ることで課題全体を達成させるとい う手法のことを指す。 従来、体育科・保健体育科以外の教科においては、一定の成果報告がなされてきたが、ジグソ ー法の体育授業への適用の効果や成果については、現在、英語文献、日本語文献による先行研究 の分析の結果、体育授業への適用条件については不明な点(プロセス―プロダクトの一貫性の欠 如等)が多い。本論文では、このような問題意識から、小学校の体育授業を対象にジグソー法の 適用条件を明らかにすることが目的として設定された。 本論文の目的を達成するために、ジグソー法の体育授業の有効性を確認するための検証授業に 先立ち、最初に、ジグソー法についての予備的考察が行われ(第1章)、この予備的考察の結果 を踏まえ、小学校の体育授業を対象とした検証授業が行われる。具体的には、小学校高学年の個 人種目を対象とした検証授業(第2章)、及び小学校高学年の集団種目を対象とした検証授業が 行われる(第3章)。さらに、これらに加え、小学校中学年を対象とした検証授業が行われる(第 4章)。そしてこれらの検証授業を通して、最終的に体育授業におけるジグソー法適用における 有効な条件が明らかにされた。 以下、各章にそって、その概要を述べる。 第1章では、我が国におけるこれまでの体育における、いわゆる協同学習の範疇に属する先行 研究及び先行実践を批判的に検討し、平等な学習機会の保障の側面からの問題性を明らかにしつ つ、体育における協同学習モデルの1つであるジグソー法の有効性を明確にした。しかし、体育.

(2) 授業のプロセス―プロダクトの側面からは、ジグソー法にも課題があることを明らかにした上で、 体育授業におけるジグソー法は身体活動を伴う体育授業で学習者相互の関係性や学習機会等の 平等性を担保する上で有効であることを明確にした。 第2章では、ジグソー法を我が国の体育授業での実践用にアレンジした「ジグソーJPE」を用 い、これを小学校高学年の複数の個人種目の検証授業に適用することで、その効果を学習者の主 観的評価によって明らかにしようとした。その結果、ジグソーJPEを適用した単元では学習者は 肯定的に授業に参画し、学習者相互の関係性も単元の進行に応じて高まり、さらに、技術的難易 度の低い課題が学習者同士の関わり合いをより促進することが明らかとなった。 第3章では、ジグソーJPEの学習経験の影響及び集団種目への適用が、学習者同士の関係性に 及ぼす影響を小学校高学年を対象とした検証授業を通して明らかにしようとした。本章での検証 授業の結果、学習経験の差に関しては、学習経験が多い学習者は少ない者よりも、より円滑に学 習活動に取り組めること、さらに、集団種目を学習対象とすることで、学習者同士の関係性は種 目特性によって一層促進されることが明らかとなった。 第4章では、小学校中学年の集団種目を対象とした体育授業に、ジグソーJPEが適用可能であ るかを検証すること及びジグソーJPEの適用時での適切なエキスパート(各グループから選出さ れた学習者)課題の設定方法を明らかにしようとした。なお、エキスパート課題の設定について は、1つの技能を1人のエキスパートが担当するケースと、1つの技を複数に分割し、その一部分 を1人のエキスパートが担当するケースの2つの方法で設定された。検証授業の結果、技能の習得 の点から、1人が1つの技能を担当する方が成果が高いことが明らかとなった。加えて中学年段階 の児童でも学習環境へ配慮すれば、ジグソーJPEでの学習は十分に可能であることが明らかとな った。 以上の各章の検討を通して、ジグソー法の適用条件として易しい技術課題の設定の必要性、ジ グソー法による学習経験の積み重ねの重要性、集団種目への適用の有効性、適切な単元や学習環 境の設定等がジグソー法の適用において重要であることが明らかにされたと思料される。 なお、本博士学位請求論文の関連論文には以下のものがある。 東海林沙貴・友添秀則・吉永武史(2017)小学校の体育授業における協同学習モデルの成果に 関する研究:ジグソーJPEを適用した児童同士の関わり合いを促す授業実践を通した検討.体 育科教育学研究、33(1):1-18. 本関連論文は、本学位請求論文の第2章「学習者同士の関わり合いを促すための授業における ジグソーJPE適用の効果の検証:高学年の個人種目を対象とした2つの実践から」の部分に対応 するものであり、本博士学位請求論文の根幹をなすものであると言える。 本博士学位請求論文は、本論文で行われた体育授業の実証研究の成果の妥当性の検証方法の精 緻さの点で、若干問題を残しているようにも思える。しかし、これまで述べてきたように課題の 設定、課題解決のための方法も適切であり、その分析も十分になされ、目的・方法・結論に至る 道筋も明快である。これらの点を考慮すれば、本申請者は博士(スポーツ科学)の学位を授与す るに十分値するものと認める。 以. 上.

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参照

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