日消外会誌 23(2) 1 4 0 ∼1 5 1 , 1 9 9 0 年
膵頭部領域癌の手術成績
一特に腫場の進展様式 と遠隔成績について一
二重大学医学部第 1 外 科伊佐地秀 司 大 橋 直 樹 久 留宮 隆
中村 菊 洋 山 本 敏 雄 小 倉 嘉 文
野 口 孝
川 原 田嘉文 水 本 龍 二
解頭部領域癌手術 140例 (際頭部癌92例,乳 頭部癌28例,下 部胆管癌15例,十 二指腸癌 5例 )中 ,膵 頭十二指腸切 除71例,膵 全摘22例の切除例計93011を対 象 として病理組織学的に腫瘍 の進展様式や予後 因子 を検 討 した。1)手 術成績 :切 除率は際頭部癌 (粘液産生際癌 を除 く)53.3%,乳 頭部癌92.9%, 下部胆管癌86.7%,十 二指腸癌100%で あ り, 5生 率は乳頭部癌52.0%,下 部胆管癌38.0%,十 二指腸 癌25.0%,膵 頭部癌6.8%と 膵頭部癌が最 も不良であ った。2)腫 瘍進展様式 :リ ンパ節転移は十二指 腸癌80.0%,陣 頭部癌735%,乳 頭部癌34.6%,下 部胆管癌30.8%.静 脈 浸潤や神経浸潤 は際頭部癌 や十二指腸癌 で60%以 上 と高率で,下 部胆管癌,乳 頭部癌 では50%以 下であった.3)予 後因子 :膵頭 部領域癌 ではいずれ も静脈浸潤,神 経浸潤 が重視 され, この他膵頭部癌 では膵被膜浸潤や門脈浸潤, 字L頭部癌 では際 浸潤,下 部胆管癌 では十二指腸浸潤 が重要 で,ま た 3年 以上 の長期生存例はいずれ も 高分化型管状腺癌 であ った。Key words: carcinoma of the pancreatic head, carcinoma of the periampullary region, operative results of the pancreatic duodenal carcinoma, mode of tumor spread of the pancreatic duodenal carcinoma, factors influencing survival of the pancreatic duodenal carcinoma
`まじめ に 際頭部領域癌 としては膵頭部癌,乳 頭部癌,下 部胆 管癌 お よび十二指腸癌 な どがあげ られ るが,近 年増加 傾 向の著 しい癌 として注 目されてい る。 これ ら膵頭部 領域癌 は極 めて近接 した部位 か ら発生す るのに もかか わ らず,原 発部位 によ り異 な った発育,進 展様式 を示 す ため切除率や予後 に も相違がみ られ る。 す なわ ち,膵 頭部癌 は手術術式の工夫 に もかかわ ら ず,他の消化器癌 に比べその成績 は極 めて不良であ る. 近年 その根治性 を高め る目的で広範 な リンパ節郭清を 伴 った膵全摘や膵頭十二指腸切除な どのいわゆ る拡大 手術 が施行 され るよ うにな ってお り,膵 頭部癌 の切除 率 は著 し く向上 し,少 数4/1なが ら長期生存例 も得 られ るよ うにな って い るが,術後合併症や遠隔時の quality of lifeなどの問題があ り,拡 大手術 に対 して再検討が 加 え られ るよ うにな ってい る。一方,乳 頭部癌や下部 <1989年10月11日受理>別 刷請求先 :伊佐地秀司 〒514 津市江戸橋 2-174 二 重大学医学部第 1外科 胆管癌 では症状 の発現か ら手術 までの期間 も膵頭部癌 に比べ短 く,切 除率 も高 く,際 頭十二指腸切除に よ り 十 分 に根治が期待で きる腫瘍 であ り,膵 頭部癌 に比べ 予後 も良好 であ るが,長 期予後 についてはいまだ満足 すべ き成績 とはい えない。 また十二指腸癌 は比較的 ま れ な疾患 であ るが,手 術時すでにかな り進行 している ことが少 な くな く,そ の予後 も不良である。 そ こで教 室 で経験 した膵頭部領域癌の うち切除例 を 対象 として手術死亡や術後合併症,な らびに遠隔成績 を検 討す る とともに,病 理組織学的 に腫瘍 の進展度や 進展様式 を検討 し,特 に予後 と関係が深 い と考 え られ る因子 について検討 したので報告す る。 対 象お よび方法 1976年9月 か ら1989年6月 までの12年10か月間 に教 室で経験 した膵 頭部領域癌 は膵頭部癌100例(いずれ も 膵管癌 であ って粘液産生膵癌 の 2例 お よび襲胞腺癌 の 1例 は除外),乳 頭部癌28例,下 部胆管癌15例お よび十 二 指 腸 癌 5 例 の 計1 4 8 例で あ り, う ち 手 術 例 は 1 4 0 ( 9 4 . 6 % ) で , 膵 頭部癌 の 8例 を除いて全例 に手術
Table 1 Site of origin and type of resection for pancreatoduodenal carcinoma
S i t e o f o r i g i n
Admittion Operative Resected
CASCS
'lvpe
of resection Cases with curative resectlon (curative rate in resected cases)
PD I TP Head of the pancreas Papilla of !ater Lon'er bile duct Duodenum 100 28 15 5 92(92()%) 28(100%) 15(100%) 5(100%) 49 (53 39る) 2 6 ( 9 2 9 % ) 13 (86 79る) 5 ( 1 0 0 % ) 2 7 [ 7 ] 1 2 2 [ 1 ( ) ]
缶
] │ │
2 7 ( 5 5 1 °。) 2 4 ( 9 2 3 % ) 1 1 ( 8 4 6 % ) 4 ( 8 0 0 % ) Total 140(946%) 93(664%) 7 1 [ 8 ] 1 2 2 [ 1 0 ] 66(710%)PD : pancreaticoduodenectomy, TP : total pancreatectomy, 1 ] i resection of the portal vein 1990年 2月 が施行 されてい る( T a b l e l ) 。手術例 1 4 0 例中切除例 は 9 3 例 ( 6 6 4 % ) で , 原 発 部 位 別 の切 除 率 は陣 頭 部 癌 5 3 . 3 % , 乳 頭部癌9 2 . 9 % , 下 部胆管癌8 6 . 7 % で あ り, 十二指腸癌 1 0 0 % で あ る。切 除術式 は膵頭十二指腸切除 7 1 例, 解 全摘2 2 例で あ り, 膵 全摘例 はいず れ も際 頭部 癌 で あ った。切除例 中の治癒切除率 をみ る と膵頭部癌 5 5 . 1 % , 乳 頭部癌9 2 . 3 % , 下 部胆管癌8 4 6 % , 十 二指 腸癌8 0 0 % で あ った。 こ れ ら切除例9 3 例を対象 として 以下 の検索 を行 った。 ( 1 ) 手 術死亡 お よび術後合併症 : 術 後 1 か 月以内の いわ ゆ る手術 死 亡 や術 後 早 期 の合併 症 につ き検 討 し た。 ( 2 ) 病 理組織学的検索 : 摘 出標本 につ き腫場 の肉眼 的形態 を観察 し, これ を1 0 % ホ ル マ リン液 にて固定後, 胆管, 膵 管 が 1 つ の面上 に切 り出 され るよ うに害J 面を つ くり, 光 顕標本 に供す る とともに, 各 領域の リンパ 節 を採取 して ホル マ リン固定 の後, 組 織標 本 を作成 し た, 染 色 は H . E . 染色 を行 い, 日 本膵臓学会編, 際 癌取 り扱 い規約 ( 第 3 版 , 1 9 8 6 年 ) お よび 日本胆道外科研 究会編, 胆 道癌取扱 い規約 ( 第 2 版 , 1 9 8 6 年 ) に 基づ いて組織型, リンパ管浸潤 ( l y ) , 静脈 浸潤 ( v ) , 神 経 浸潤 ( 膵癌 で は n e , 胆 道癌 で は p n ) , 際 臓 浸潤 ( p a n c ) , 十二指腸浸潤 ( 際癌 では d u , 胆 道癌 で は d ) に つ き検 索す る とともに, 膵 頭部癌 につ いて は際前方被膜へ の 浸潤 ( s ) , 膜後面 に接 す る組織へ の浸潤 ( r p ) , 門脈 系 静脈壁へ の浸潤 ( p v ) に つ いて も検索 した。 また膵 頭部癌 では膵全摘標本 を用 いて, 棒 尾側 へ の 連続 性 あ るいは非連続性癌 浸潤 お よび膵体尾部周囲 リ ンパ節転移 の有無 について も検索 した。 ( 3 ) 遠 隔成績 と予後 因子 : 遠 隔成績 としては耐術例 を対 象 として K a p l a n ‐M e i e r 法 に よる累積生存 率 を求 め, 腫 瘍 の肉眼型や組織学的進展様式 との関係 を検討 1 5 ( 1 4 1 ) す る とともに予後決定 因子 につ いて も検討 した。 結 果 1 . 手 術死亡 お よび術後合併症 手術死亡 は切除例9 3 例中陳頭部癌, 乳 頭部癌 お よび 下部胆管癌 の各 1 例 計 3 a l l ( 3 2 % ) であ った. な お下 部胆管癌 の 1 / p l は術復2 2 日 目に肺塞栓症 で死亡 した症 例で あ った, 術 後合併症 は2 0 例 ( 2 1 , 5 % ) に み られて お り, 胆 管炎1 0 1 / 1 1 , 膵腸吻合部 の縫合不全 3 4 / 1 , 消化 管 出血 3 例 , そ の他 4 例 であ った ( T a b l e 2 ) . 2 . 病 理組織学的検討 腫場 の大 きさや 肉眼的形態並 びに腫場進展度 をみ る と, ま ず膵頭部癌 で は4 9 例中 T 1 4 2 1 1 ( 8 . 2 % ) , T 2 3 0 例 ( 6 1 2 % ) , T 3 1 1 例 ( 2 2 4 % ) , T 4 4 4 2 1 ( 8 . 2 % ) で あ り, また Stage1 3例 (6 1%), Stage I1 4イ 列(8 2%), Stage II1 24例 (49.0%), Stage IV 18例 (36.7%) であ って, 腫 瘍最大径2 c m 以 下 の T l は 4 4 2 1 にす ぎず, しか もその 1 4 7 1 は手術時す でに膵被膜 浸潤 お よび後腹 膜 浸潤 を 認 め S t a g e H I であ って, S t a g e I は 3 例 , 6 . 1 % に す ぎず, し か も S t a g e I I I , I V の高度進行癌 が あわせ て8 5 . 7 % と 大多数 を 占めた. 乳頭部癌 では2 6 4 / 1 中, 腫 瘤型 1 8 例( 6 9 2 % ) ( う ち非 露 出 腫 瘤 型 6 1 / 1 1 , 露出 腫 瘤 型 1 2 4 / 1 1 ) , 混在 型 3 4 2 1 ( 1 1 . 5 % ) ( う ち腫瘤潰瘍型 2 例 , 潰 瘍腫瘤型 1 例 ) , 潰 瘍型 5 1 7 1 ( 1 9 . 2 % ) で , ま た S t a g e 1 5 例( 1 9 . 2 % ) , Stage I1 7 471(26 9%),Stage II1 13例 (50.0%),Stage IV l例 (3.8%)で あ って,際 頭部癌 や下部胆管癌 に比 べ Stage I,IIのものが多 く,限局性の症例が多か った。
下部胆管癌 では13例中乳頭型 2例 (154%),結 節型 3
471(23.1%),結 節浸潤型 7例 (53.8%),浸 潤型 1例
(77%)で あ り,ま た Stage 1 2例 (154%),Stage
I12例 (154%),Stage II1 7 4/11(53.8%),Stage IV
1 6 ( 1 4 2 )
adc i adenocarcinoma, well diff. poor diff. i poorly differentiated, * : adenosquamous carcinoma,
際頭部領域癌の手術成績 日消外会誌 23巻 2号
: 、vell direrentiated, mOd di“ i naoderately differentiated
undir ca!undifferentiated carcinoma 十:signet ring cell carcinoma と高度進展 してい るものが多か った。
十二指腸癌 で は 5例 全4/1が漬瘍型 でいずれ も乳頭上 部 よ り発生 してお り,乳 頭部癌 の肉眼的進行度分類 に 準 じて分類す る と Stage1 1例 ,Stage II1 3例,Stage IV l例 であ った。 組織型 をみ る と,い ずれの原発部位 の もので も高分 化型管状腺癌 の頻度 が最 も高か った (Table 3)。す な わ ち乳頭部癌 お よび十二指腸癌 では高分化型管状腺癌 が80%以 上 を占め,つ いで中分化型管状腺癌 がそれぞ れ11.5%,20.0%で あ り,ま た解 頭部癌 お よび下部胆 管癌 で も高分化型管状腺癌 がそれぞれ47.0%,46.2% を 占め,つ いで中分化型管状腺癌 がそれぞれ40.8%, 23.1%で あ った。 リンパ節転移の頻度 を原発部位別 にみ る と膵頭部癌 73.5%,乳 頭部癌346%,下 部胆管癌30.8%,十 二指 腸癌80.0%と 十二指腸癌 お よび膵頭部癌で リンパ節転 移 の頻度 が高か った (Table 4). リンパ節 あ部位別 に 転 移 陽 性 率 を み る と膵 頭 部 癌 で は第 1群 中17aが 35。3%と 最 も高率で,つ いで17b26.5%,13a,13bが それぞれ23.5%で ,14は 2.9∼11.8%で あ り,第 2群 で は16が20.6%と 高 く,つ いで11,18がいずれ も6.1%で あ った。 なお11および18リンパ節 の検索 は膵全摘症421 22例につ いて施行 されてお り, うち 3例 (13.6%)が 転移 陽性で あ った。乳頭部癌 における各 リンパ節の転 移陽性率 は第 1群 では13bが 14.3%,13a,17a,17bが それ ぞれ9.5%で あ り,第 2群 で は12b2が9・5%,14d 4.8%で あ って,その他の部位 の リンパ節 には転移 を認 め なか った。下部胆管癌では第 1群 中12a2,12p2,13a が そ れ ぞ れ16.7%,第 2群 で は8a,13bが そ れ ぞ れ 8.3%,ま た14bの 第 3群 リンパ節 も8.3%が 転移陽性 であ った。十二指腸癌 における各 リンパ節 の転移陽性 率 は13aが 80.0%,つ いで8a,13bが それぞれ40.0%, 12a2,12b2,12p2,14d,17a,17bが それぞれ20.0%で あ った。 膵頭部領域癌切 除pllにつ いて腫瘍 の組織学的 な進展 状況 をみ る と(Table 5),膵頭部癌 では ly,v,ne,n, s,rpが ぃずれ も70%以 上 に陽性であ り,そ の他 du, pvが それぞれ55。1%,42.9%陽 性であ った.な お捧全
Table 2 Operative mortality and morbidity in 93 cases with resection of pancreatoduodenal carcinoma
S i t e O f
origin Rettcted Operativedeath
Cases u'ith posto perative complications
Type of complications
Cholangitis l-eakage' GI bleeding Others
Head of the pancreas Papilla of Vater Lower bile duct Duodenum 9 P D T P 6 1 3 5 1 ( 2 0 % ) 0 1 ( 4 5 % ) 1 ( 3 8 % ) 1 ( 7 7 % ) 0 8t163%) 5(185%) 31136%) 5(192%) 6(462%) 1(200%) 6 4 2 1 2 1 0 0 2 1 0 2 1 1 1 0 0 0 0 0 1 3 0 Total 3(32%) 20(215%) 3 3 4
PD : pancreaticoduodenectomy, TP I total pancreatectom)', t : Ieakage of pancreaticojejunostomy
Table 3 Histological classification of pancreatoduodenal carcinoma
S i t e o f orlgin
﹄
い
的
赴
tubular adc. undi何 otherswell di“ mod dir poor diff.
Head of the pancreas Papilla of Vater Lower bile duct Duodenum 49 26 13 5 2 ( 4 1 % ) 0 1 ( 7 7 % ) 0 2 3 ( 4 7 0 % ) 22 (84 6°/。) 6 ( 4 6 2 % ) 4 ( 8 0 0 % ) 2 0 ( 4 0 8 % ) 3 ( 1 1 5 % ) 3 ( 2 3 1 % ) 1 ( 2 0 0 % ) 2 ( 4 1 % ) 0 2 ( 1 5 4 % ) 0 1 ( 2 0 % ) 0 0 0 1 ' ( 2 0 % ) 1 ・( 3 9 % ) 1 ・( 7 6 % ) 0
1990年2月 17(143)
Table 4 Metastatic involvement of peripancreatic lymph node in pancreatoduodenal carcinoma
S i t e o f orlgin
Positi percentage of patients with metastasis in each l1'rnph node group
6 12al 13b Head of the pancreas Papilla of Vater Lower bile duct Duodenum 36/49 (735%) 9/26 (346%) 4/13 (308%) 4/5 (800%) 14 7 0 0 0 1 1 8 0 8 3 4 0 0 5 9 0 0 0 0 0 0 0 ■ 0 伎 0 7 0 0 0 0 1 1 8 9 5 0 20 0 0 0 0 0 8 3 0 16 7 20 0 23 5 9 5 16 7 80 0 2 3 5 1 4 3 8 3 4 0 0 お 0 0 0 11 8 0 8 3 0 0 0 0 0 2 9 4 8 0 20 0 0 0 0 3 5 3 9 5 0 20 0 26 5 9 5 0 20 0 0 0
Table 5 Mode of tumor spread examined histologically in pancreatoduodenal carcinoma
S i t e o f origin
政
い
Positive rate of tumor spread(%)
ly n e p n panc d u 0
撤3臀 締 縛
pancreatectorny continuous skip Head of the pancreas Papilla of Vater Lower bile duct Duodenum 49 26 13 b 95 9 73 1 92 3 80 0 7 5 5 2 3 1 3 0 8 8 0 0 8 7 8 3 8 5 4 6 2 6 0 0 5 0 0 9 2 3 8 0 0 5 5 1 7 6 9 7 7 7 3 5 3 4 6 3 0 8 8 0 0 71 4 75 5 4 2 9 2 0 0 2 1 1 (4/19) (2/19)10 5 摘2 2 4 / 1 中尾側膵へ の癌進展 が検索 で きた1 9 例につ いて み る と, 上 腸間膜動脈根部 よ り尾側 の解 に連続性 の浸 潤 を認めた ものが2 1 . 1 % あ り, ま た非連続 性 の進展 を 1 0 . 5 % に 認めてお り, ま た1 1 および1 8 リンパ節転移陽 性例 が 3 例 ( 1 5 . 8 % ) で あ った。乳頭部癌 で は l y お よ び d 因 子 がそれぞれ7 3 . 1 % , 7 6 9 % と 高率 に陽性 であ り, p a n c も 5 0 . 0 % 陽 性 であ ったが, v , p n , n 因 子陽性 例 はそれぞれ2 3 . 1 % , 3 8 . 5 % , 3 4 . 6 % と いずれ も陣頭 部癌 に比 べ低 率 で あ った。下 部 胆管 癌 で は l y お よび p a n c 因 子 陽 性 例 が い ず れ も9 2 3 % と 極 め て 高 率 で あ ったが, v , p n , n 因 子 の陽性率 はそれぞれ3 0 8 % , 4 6 . 2 % , 3 0 . 8 % と 膵頭部癌 に低 べ低 率 で あ り, ま た d 因子 の陽 性 率 は7 7 % で あ って乳 頭 部癌 の7 6 , 9 % に 比 べ著 しく低率であ った。十二指腸癌 (5例 )で は各因 子 の 陽 性 率 が6 0 ∼8 0 % と 高 く, p v 陽 性 例 も 1 4 7 1 ( 2 0 . 0 % ) に 認 め られた。 膵頭部癌 で これ らの進展様式 と腫瘍 の大 きさとの関 係 をみ る と, l y , v , n e は T l 症 例 で も5 0 . 0 ∼7 5 0 % が 陽性 であ り, T 2 以 上 の もの と明 らかな差 はなか った。 一方 du,n,rp,pv因 子 については Tlで はいずれ も 0 % ∼ 2 5 % と 陽性率 は低 か ったが, T 2 以 上 ではいず れ の因子 も陽性率 は2 5 . 0 ∼1 0 0 % と 高 か った。乳頭部癌 に つ いて 肉限型 との関係をみ る とl y 因子陽性4 / 1 がいず れ も6 6 6 ∼ 8 0 . 0 % を 示 し肉眼形態 に よる差 はなか った が, v 因 子 は潰瘍型 では6 0 . 0 % が 陽性 を示 したのに対 し, 腫 瘤型 では1 6 7 % が 陽性 を示 した にす ぎず, ま た 混合型 3 例 では v 因 子陽性例 はなか ったが. p a n c お よ び d 因 子 に つ い て は 腫 瘤 型 で は そ れ ぞ れ3 3 . 3 % , 6 6 7 % が 陽性 であ った のに対 し, 混 合型 や潰瘍型 では 8 0 . 0 ∼1 0 0 % と 陽性率 が さ らに高 か った。下部胆管癌 で は結節浸潤型や浸潤型 で は p n 因 子 が7 0 % 以 上陽性で あ ったのに対 し, 乳 頭型 お よび結節型 の非浸潤型 では p n お よび d 因 子陽性 の ものはなか った。また乳頭型で は v お よび n 因 子 が陽性 の ものはなか った。 3 . 膵 頭領域癌 の遠隔成績 陣頭部領域癌切除9 3 例中手術死亡 3 例 をのぞ く耐術 例9 0 例につ いて原発部位別 に遠隔成績 を検討 してみ る と ( F i g . 1 ) , 累 積 5 年 生存 率 は乳頭部癌 ( 2 5 例) で は 5 2 . 0 % , 下 部胆管癌 ( 1 2 例) で は3 8 . 0 % , 十 二指腸癌 ( 5 例 ) で は2 5 . 0 % , 膵 頭部癌 ( 4 8 例) で は粘液産生解 癌 を除外 した成績 であ るが6 8 % で あ り, 乳頭部癌 の成 績 が最 もよ く, つ いで下部 胆管癌, 十 二指腸癌 であ っ て, 膵 頭部癌 の成績 が最 も不 良であ った。 これを手術 の根治度別 にみ ると ( T a b l e 6 ) , 際頭部1 8 ( 1 4 4 )
Fig. 1 Cumulative survival rates in pancreato-duodenal carcinoma
際頭部領域癌 の手術成績 日消外会誌 23巻 2号
Table 6 Survival rate of patients with curative or non-curative resection in pancreatoduodenal carcinoma
r : excluding one case of operative death
1r : excluding one death due to pulmonary emboli 22 days after surgery - : p<0.05 between the two groups
癌 では治癒切 除2 7 例の 1 , 3 , 5 年 累積生存率 はそれ ぞれ7 2 . 5 % , 2 5 9 % , 1 0 . 8 % で あ り, 5 年 以上生存例 は 5 年 5 か 月 目に原発性肺癌で死亡 した 1例 と術後 5 年 の現在再発 の徴 な く健在 の 1 9 1 1 の計 2例 であ り,い ず れ も膵全摘施行例 であった。一方非治癒切除の21例 で は 5 年 生存例 はな く, 1, 3年 の累積生存率がそれ ぞれ2 7 . 9 % , 9 3 % と 治癒切 除例 に比 べ極 めて不 良で あ った。乳頭部癌 の2 5 4 / 1 では治癒切除が2 4 例を占め, 5 年 以上生存例 は1 1 例で 2 7 1 1 が5年 7か 月, 8年 6か 月で他病死 し,他 の 9例 は 5年 8か 月∼11年 7か 月の 現在再発 の徴 な く健在 であ るが,非 治癒切除の 1例 は 術後 1年 6か 月で再発死亡 してぃる,下 部胆管癌 の12 例 で も治癒切除 が11例を占めてお り,そ の 3, 5年 累 積生存率 は38.9%で あ って 5年 以上生存例 は 2例 で, 1例 は 8年 11か月後 の現在再発 の徴 な く健 在 で あ る が,他 の 1例 は 9年 目に肺転移巣 を認め,肺 切除術 を 施行 して初 回手術後 9年 11か月の現在生存 中であ り, 非 治癒切除 の 1例 は術後 6か 月で再発死亡 してぃる。 十二指腸癌 の 5例 では 4例 が治癒切除例であ り,そ の 3, 5年 累積生存率 はそれぞれ66.7%,33.3%で あ っ て, うち 1例 が術後 8年 の現在再発 の徴 な く健在であ り,非 治癒切除の 1例 は術後 6か 月で死亡 してぃる。 4,各 種予後因子の検討 1)膵 頭部癌 膵 頭 部 癌49例中 T3で Stage lvの 1例 が手 術 死 亡 してお り,こ の症例 を除 く48例について Stageお ょび 肉眼的腫瘍径 (T)と 予後 との関係を検討 した (Table 7)。Stage Iの321Jは1例 が 1年 7か 月 日に肝転移で死 亡 し,他 の 2711は現在術後 2か 月 日お よび 3か 月 日で あ り,未 だ予後 を論 じるには至 っていないため,Stage II∼IVの症frlで予後 を比較 した。累 積 3年 生 存 率 は Stage II,III,Ivではそれぞれ50.0%,15.7%,9.2%
中中キ
中
P a p i l l a o f V a t e r ( n = 2 5 ) L o w e r bile duct ( n = . | 2 ) Duodenum (n= 5) Haad of the pancreas(n=4E)S i t e o f origin
﹄
い
Curability Cumulative survival rate(%) Longest survivalI year 3 year 5 year
Head of the pancreas
curative
( n = 2 7 ) 725 25 9 dead at 5 years and5 months
non―curative
( n = 2 1 ) 27 9・ 9 3 0 dead at 3 years and
5 months Papilla of Vater v e り tl 2 cu ra 作
,培
8混
iき
lyearS and
non‐curative
( n = 1 ) 0 dead at I year and6 months
Lo■er bile
duct 12手=
curative
( n = 1 1 ) alive at 9 years andIl months
non― curative ( n ‐ 1 ) 0 0 dead at 6 months Duodenum 5 curative ( n = 4 ) alive at 8 years non―curative ( n = 1 ) 0 0 dead at 6 months
N 。
∞
Cumulative survival rate(%)Longest survival
I year 3 year 5 year
並a g e I Stage II Stage III S t a g e I V 3 4 24 17Ⅲ 100 100 51 9 58 7 0 50 0 15 7 9 2 0 50 0 0 9 2
dead at I year and 7 months
. alive at 5 year dead at 4 years and 10 months dead at 5 year and 5 months+ Tl( 0∼ 2cm) T2(21∼ 4cm) T3(41∼ 6cm) T 4 ( 6 1 c m ∼ ) 100 59 1 41 7 25 0 5 0 0 8 6 41 7 25 0 0 8 6 0 25 0
dead at 3 years and 10 months alive at 5 years dead at 4 years and 10 months dead at 5 years and 5 months* : excluding one case of operative death + : died of primary lung cancer 1990年 2月 と S t a g e の進行 につれ予後 は不 良 とな った。なお, 5 年以上生存4 / 1 はS t a g e I I , I V の各 1 例 であ り, S t a g e I I I には 5 年 以上 の生存例 はなか った。 腫瘍 の大 きさと予後 との関係 をみ る と累積 1 年 生存 率 は T l で は1 0 0 % と 良好 で あ ったが, T 2 , T 3 , T 4 で は それぞれ5 9 . 1 % , 4 1 . 7 % , 2 5 . 0 % と 腫瘍径 の増大 につ れ生存 率 は低下 した。 し か るに 3 年 お よび 5 年 生存 率 をみ る と腫易径 と生存率 との間 に明 らかな関係 はみ ら れず, T 4 で も 1 例 が術後 5 年 5 か 月生存 した。 つ いで腫瘍 の組織学的 な進展様式 と予後 との関係を み る と ( T a b l e 8 ) , l y ( 一) の 2 例 はいずれ も膵顕十 二指腸切除例であ って術後 2 か 月生存 中の 1 例 と 4 年 1 0 か月 日に再発死亡 した 1 例 であ る。l y ( 十) の 3 , 5 年累積生存 率 は1 6 . 4 % , 8 . 2 % と 不 良で あ った. v ( ― ) では 3 , 5 年 の累積生存率 はそれぞれ4 0 . 0 % , 2 6 . 7 % であ ったのに対 し, v ( 十 ) で はそれぞれ9 , 4 % , 0 % と極 めて不 良であ った。n e 因 子で は累積 3 年 生存率 は n e ( 一 ) 4 0 . 0 % , n e ( 十 ) 1 4 7 % と n e ( 十 ) の 方 が生 存率 が低 か った。その他 の因子 につ いてみ る と, r p 因 子で は浸潤 の有無 に よ り生存 率 に明 らかな差 を認 め な か ったが, n 因 子で は n ( ― ) で は 1 , 3 , 5 年 の累積 生存 率 はそれぞれ8 3 3 % , 3 3 . 3 % , 1 1 . 1 % で あ った の に対 し, n ( 十 ) で はそれぞれ4 1 . 3 % , 9 . 3 % , 4 . 6 % と リンパ節転移 陽性例 の方 が予後不 良で あ った。s 因 子 をみ る と s ( ―) で は 3 , 5 年 の累積生存率 がそれぞれ 3 3 . 3 % , 2 2 , 2 % で あ った のに対 し, s ( 十 ) で はそれぞ れ9 6 % , 0 % と 不 良であ った. p v 因 子 では 3 , 5 年 の 19(145)
Table 8 Cumulative survival rates in carcinoma of the pancretic head according to the mode of tumor spread examined histologicallY
Mode of tumor spread#
Cumulative survival rate('%)
I year 3 year 5 year
l y ( ―)(n=2) l y ( 十) l l l = 4 6 ) 100 58 4 100 16 4 v ( 一 ) l n = 1 2 ) v(十 )(n=36) 7 0 0 5 5 6 40 0' 9 4 ・ n e ( 一)(n=6) n e ( 十)(n=42) 6 0 0 5 7 9 4 0 0 1 4 7 0 7 3 n(― )(n=14) n(十 )(n=34) 83 3Ⅲ 41 34 3 3 3 9 3 1 1 1 4 6 s ( 一 ) l n = 1 5 ) s ( 十 ) ( n = 3 3 ) 66 7 51 7 3 3 3 9 6 22 2 0 rp(― )(n=12) rp(十 )(n=36) 57 1 59 4 22 9 16 0 0 8 0 pv(―)(n=27) pv(十)(n=21) 30 6 0 12 2 0 ' :excluding one case of operative death
' :pく(0 05 betヽVeen the two groups
累積生存 率 は p v ( 一) でそれぞれ3 0 . 6 % , 1 2 . 2 % で あ っ たが, p v ( 十 ) の ものでは 3 年 以上 の生存例 はな く予 後不 良で あ った。 なお 3 年 以上長期生存 した 6 例 の組 織型 はいずれ も高分化型 管状腺癌 で, か つ p v は 陰性 であ り, ま た v , n e , n , s 因 子 も6 6 . 7 % が 陰性であ っ 亨【= .
Table 7 Cumulative survival ratesincarcinomaofthe pancreatic head according to Stage and the size of tumor
20(146) 解頭部領域癌 の手術成績 日消外会誌 23巻 2号
Table 9 cumulative survival rates in carcinoma of the papilla of vater according to macroscpoic classification of the tumor and Stage
2)乳 頭部癌 乳頭部癌26例中漬瘍型 で Stage IIIの 1例 が手術死 亡 してお り, この症例 を除 く25例について, まず 肉眼 形態 お よび Stageと 予後 との関係 を検討 した (Table 9).肉 眼形態 が腫瘤型 の ものでは 3, 5年 の累積生存 率 はそれぞれ76.5%,582%に 対 し,混 在型 で はいず れ も50.0%で あ り, さ らに漬瘍型 ではいずれ も25.0% と潰瘍 型 の予後 は著 し く不 良で あ った。 また これ を Stage別 にみ る と Stage Iの 54/1では 2例 がそれぞれ 術後 2年 4か 月, 4年 6か 月で再発死亡 したが,他 の 3例 はそれぞれ 5年 8か 月, 6年 6か 月, 9年 8か 月 の現在再発の徴 な く健在であ る。Stage IIの7例 は全 例 が 5年 以上 生存 し,術 後 5年 7か 月お よび 8年 6か 月他病死 の 2例 を除 く5例 が 8年 6か 月∼11年 7か 月 の現在再発 の徴 な く健在であ る。しか るに Stage IIIの 12例で は 3, 5年 の累積 生存 率 はそ れ ぞ れ30.6%, 10.2%と Stage I,Hに 比べ予後 は極端 に不良であ り, Stage IVの 1例 も術後 4年 2か 月で再発死亡 してい る. つ いで組織学的 な進展様式 と予後 との関係をみ ると (Table lo), 脈管浸潤 では ly(一 )や v(一 )の もの では, これ らが陽性の ものに比べ予後 は良好であ り, 特 に累積 5年 生存 率 は v(― )で は64.7%で あ ったのに 対 し,v(十 )で は167%と 不 良であ った。pn,d,panc の各因子が陽性の症例 では陰性例 に比べ予後 は不良で
Table l0 Cumulative survival rates in carcinoma of the papilla of Vater according to the mode of tumor spread examined histologically
Mode of tumor spread#
Cumulative survival rate(/o)
I year 3 year 5 year
l y ( 一)(n=6) l y ( 十) l n = 1 9 ) 1 0 0 9 4 7 1 0 0 5 5 7 8 0 0 4 4 6 v ( 一 ) ( n = 1 9 ) v ( 十 ) ( n = 4 ) 100 83 3 76 5Ⅲ 33 3・ 6 4 7 車 1 6 7 ・ p n ( 一) ( n = 1 6 ) p n ( 十) ( n = 6 ) 8 0 0 3 8 1 60 0 38 1 d(一 )(n= 6) d(十 )(n=19) 1 0 0 9 4 7 8 3 3 4 7 3 6 6 7 4 7 3 panC(一 )(n=13) panC(十 )(n=12) 100 91 7 8 4 6 ・ 4 0 6 ネ 6 9 2 ・ 3 0 6 Ⅲ n ( 一 ) ( n = 1 6 ) n ( 十 ) ( n = 4 ) 93 8 100 73 7 50 0
l i excluding one case of operative death ・:p<p.05 between the two groups
あ った が, n 因 子 につ いて は転 移 の有 無 で 予 後 に明 ら か な差 は認 め られ な か った 。 なお 3 年 以上長 期 生存 し た 1 5 4 2 1 の組 織 型 は いず れ も高 分化 型 管 状腺 癌 で, さ ら ″こpancOが 73.3°/。, pnOが 80,0%と 多 か った。
3 ) 下 部 胆 管 癌
N o O f Cumulative sun'ival rate(|o)
Longest survival I year 3 !'ear 5 year
Protruding type intramural exposed Mixed type protrudent ulcerating ulcerated protrudent Ulcerating type 1 0 0 100 100 100 100 100 75 0 76 5 80 0 75 0 50 0 100 () 25 0 58 2 60 0 58 3 50 0 100 0 25()
alive at llyears and 7 months
alive at 9 year and 5 months
alive at 8 year and ll months Stage I Stage II Stage III Stage IV 100 1 ( ) 0 91 1 0 0 8 ( ) 0 100 3 0 6 1 0 0 60 0 100 1 0 2 0
alive at 9 years and 8 months
alive at llyears and 7 months
alive at 9years and 5 months
dead at '1 years and 2 months
No of Cumulative survival r ate ( %o) Longest survival
I year 3 year 5 year
Papillary type Papillary invasive type Nodular type Nodular invasive type Invasive type 100 50 0 83 3 100 100 0 55 6 0 0〇 一 〇 5 5 0
alive at 8 years and ll months
dead at 1 year and 7 months
alive at 9 years and 11 months dead at 2 years and 10 months Stage I Stage II Stage IH Stage Ⅳ l Ⅲ 2 7 2 100 100 80 0 50 0 100 40 0 0 100 40 0 0
alive at 8 years and 11 months alive at 2 years alive at 9 years and ll months dead at 2 years and 10 months : excluding one case of operative death
1990年 2月 下部胆管癌 1 3 4 / 1 1 中乳頭型 で S t a g e I の1 例 が術後2 2 日目に肺基栓症 で死亡 してお り, この症例 を除 く1 2 例 につ き肉眼形 態 お よび S t a g e と予後 との 関 係 を検 討 した ( T a b l e l l ) . 乳頭型 の 1 4 / 1 1 は術後 8 年 1 1 か月 日の 現在再発 の徴 な く健在 であ り, 結 節型 3 4 / 1 では他病死 の 1 4 2 1 を除 く 2 例 が術後 9 か 月, 1 年 7 か 月でそれぞ れ再発死亡 してお り, 結 節浸潤型 の 7 例 で は 1 , 3 , 5 年 の累積生存 率がそれぞれ8 3 3 % , 5 5 . 6 % , 5 5 . 6 % であ って, 最 長生存例 は術後 9 年 1 1 か月 日の現在生存 中の症例 であ り, 術 後 9 年 目に肺転移巣 の切除 を受 け てい る。浸潤型の 1 4 2 1 は術後 2 年 1 0 か月で肝転移 のた め死亡 してい る, S t a g e 別 では, S t a g e l の1 例 は術後 8 年 1 1 か月の現在 再発 の徴 な く生存 中であ り, S t a g e I I の 2 例 は術後 1 年 1 0 か月, お よび 2 年 の現在再発 の 徴 な く健在で あ る。S t a g e I I I の7 例 で は 1 , 3 , 5 年 生 存 率 は そ れ ぞ れ8 0 . 0 % , 4 0 0 % , 4 0 . 0 % で あ り, S t a g e I V の 2 例 は術後 6 か 月お よび 2 年 1 0 か月 で再 発死亡 してい る。 つ ぎに組織学的進展様式 と予後 との関係 を検討 した ところ( T a b l e 1 2 ) , l y , p a n c , d に つ いてはそれぞれ 対照例 が 1 例 にす ぎず, これ ら因子 の有無 に よ り比較 はで きなか ったが, v お よび pn因 子をみ るとこれ らが 陰 性 の もで は 累 積 5 年 生 存 率 は そ れ ぞ れ5 6 . 3 % , 6 2 . 5 % と 比較的 良好 で あ ったのに対 し, これ らが陽性 の もで はいずれ も 3 年 以上 の生存例 はな く極 めて予後 不 良で あ った。一方, n 因 子 で は転移 の有無 に よる予後 2 1 ( 1 4 7 )
Table 12 Cumulative survival rates in carcinoma of the lower bile duct according to the mode of tumor spread examined histologically
Mode of tumor spreadf
Cumulative survival r ate ('%)
1 year 3 year 5 year
ly(― )(n= 1) ly(十 )(n=11) 100 77 8 100 33 3 100 33 3 v ( ― ) ( n = 8 ) v ( 十 ) ( n = 4 ) 8 7 5 6 6 7 56 3 0 56 3 0 p n ( ―) ( n ‐ 6 ) p n ( 十) ( n ‐ 6 ) 83 3 80 0 62 5 0 62 5 0 d(― )(n=11) d(十 )(n= 1) 77 8 1 0 0 50 0 0 50 0 0 0 p a n C ( ―) ( n = 1 ) p a n C ( 十) ( n = 1 1 ) 0 9 0 0 0 4 7 3 0 47 3 n(― )(n=8) n(十 )(n= 4) 100 90 0 42 9 33 3 I : excluding of one case of operative death
の差 はみ られ なか った。 なお 3 年 以上長期生存 した 3 7 1 1 の組織型 はいず れ も高分化型管状腺癌 で, か つ v お よび p n 因 子が陰性であ った。 4 ) 十 二指腸癌 十二指腸癌 5 例 ( T a b l e 1 3 ) のうち治癒切除の 4 7 1 1 につ いてみ る と, 術後 8 年 生存 中の症例 では l y 因子 は 陽性 ( l y l ) であ ったが, v , p a n c お よび n 因 子 はいず Table 11 Cumulative survival rates in carcinoma of the lower bile duct according to
22(148) 際頭部領域癌 の手術成績 日消外会誌 23巻 2号
PD: pancreaticoduodenectomy, well diff. i well differentiated adenocarcinoma, mod. diff. : moderateiy differentiated adenocarcinoma れ も陰性 であ った。一方, 他 の 3 例 では, v , p a n c お よび n 因 子がいずれ も陽性であ って, 門 脈 を合併切除 した 1 例 は術後 3 年 6 か 月で再発死亡 してお り,結 腸 右半切除 を併施 した 2 例 は 1 例 が 2 年 後 に再発死亡 し てお り, 他 の 1 例 はいまだ術後 5 か 月であ るが再発の 徴 な く生存 中で あ る。 また非治癒切 除の 1 例 は手術 時 す で に肝 転移 を認 め て お り陣 頭十 二 指腸切 除 を施 行 し, 同 時 に肝動脈 に挿管 して動注療法を施行 したが, 術後 6 か 月で死亡 した。 考 察 膵頭部領域癌 の予後 をみ る と累積 5 年 生存率は 自験 例 では解頭部癌 ( 粘液産生膵癌 を除 く) , 乳 頭部癌, 下 部胆管癌 お よび十二指腸癌 でそれぞれ6 . 8 % , 5 2 0 % , 3 8 . 0 % , 2 5 . 0 % と 乳頭部癌 が最 も良好 で, つ いで下部 胆管癌, 十 二指腸癌 の順 であ り, 膵 頭部癌 が最 も不 良 であ った。本邦報告例1 ン) では累積 5年 生存率は乳頭部 癌 で3 3 . 3 ∼5 6 . 4 % , 下 部胆管癌 では2 8 . 6 ∼4 7 . 7 % , 棒 頭部癌 では1 0 5 ∼ 2 7 . 5 % で あ り, 十 二指腸癌 について は報告例が少 な く十分に検討 されていない。 これを欧 米 の報 告 例 の集 計3 ) でみ る と 5 年 生 存 率 は乳 頭 部 癌 1 , 0 8 8 例で2 3 . 8 % , 十 二指腸癌1 0 9 例では2 4 . 8 % , 下 部 胆管癌3 4 6 例では1 4 . 5 % , 膵頭部癌1 , 4 4 3 例では6 . 4 % と 本邦 の報告例 よ り全体 に低率 であ る。 そ こで これ ら膵頭部領域癌 の病理組織学的特徴 を明 らか にすべ く自験例 の成績 を報告4 2 1 と対比 しなが ら検 討 した。 まず切除率 をみ る と1 0 年以前 までは膵 頭部癌 1 4 . 0 ∼2 5 . 5 % , 乳 頭 部 癌6 6 . 7 ∼8 7 . 5 % , 下 部 胆 管 癌 5 4 . 5 ∼5 8 . 6 % , 十 二 指 腸 癌6 0 ∼7 0 % と 報 告 され て お り4海),際 頭部癌の切除率は著 しく低かったが,近 年, 画像診断法 の進歩 に よ り比較 的小 さい陣癌 が増加 して お り,ま たいわゆ る拡大手術 の導入によ り切除率 は向 上 してい る。 日本膵臓学会 に よる全国際癌登録調査 に よれ ば1981年度の切除率は37.0%で あ ったが,1987年 度 では43.6%で あ り,血 管合併切除 を積極 的 に施行 し てい る施設では69.6%と 高い切除率をあげているとこ ろ もあ る。。一方,乳 頭部癌や下部胆管癌,十 二指腸癌 の切除率は この10年間ほ とん ど変化はみ られない。 自 験例 の切除率 は際 頭部癌53.3%,乳 頭部癌92.9%,下 部胆管86.7%,十 二指腸癌 100%と 積極的に切除 に努め てい る。特 に膵頭部癌では広範 な リンパ節郭清や門脈 合併切 除 な どのいわゆ る拡大手術 を導入 した1981年5 月を境 に前期 では陣頭部癌25例中切除pl1 9例,切 除率 は36.0%に す ぎなか ったが,後 期では67例中切除例40 例,59.7%と 高 い切除率 とな ってい る。 際 頭部領域癌 の摘 出標本 につ いてその進展状況を検 索 した報告 をみ る と,ま ず組織学 的 に リンパ節転移陽 性 4 / 1 の頻 度 は 膵 頭 部 癌 で は5 0 ∼8 8 % , 乳 頭 部 癌 3 3 ∼5 9 % , 下 部胆管癌5 0 ∼6 0 % と 報告 されている。つ。 自験例 では膵 頭部癌 が7 3 . 5 % , 乳 頭部癌3 4 . 6 % , 下 部 胆管癌3 0 。8 % と 乳頭部癌 お よび下部胆管癌 では これ ま で の報 告例 に比ベ リンパ節転移陽性例 はや や低 率 で あ った。 さらに これを リンパ節 の部位別 にみ る と, 中 迫ゆは際頭 部癌8 0 例の検 索 で組織学的 な リンパ節転移 陽性率 は1 3 a が3 8 . 8 % と 最 も高 く, つ いで1 7 a 2 7 . 5 % , 8 2 0 . 0 % , 1 7 b 1 5 . 0 % , 1 4 a , b , c , d は 6 3 ∼ 1 0 , 0 % で あ り, 1 6 は 7 . 5 % と 低 く, ま た1 1 , 1 8 に はそれ ぞれ Table 13 Clinical findings in carcinoma of the duodenum
operative
procedures curability histologicaltype
mode of tumor spread
prognosls
H I P
鞘 ゴly
V ipanC1. 55y o ヽ4 PD curative well diff 0 1 0 s s r l r 0 0 r 0 alive at 8 years
2. 59yo M
PD Resection of the
portal vein curative
well diff 010 s i 1 1 1 2 3 dead at 3 years
and 6 months
3. 63yo F Right hemicolectomyPD curative well diff 0,0 Si 121 1 1 3 12 dead at 2 years
4. 54yo F Right hemicolectomyPD curative mod di何 010 Si 13111 2 2 alive at 5 months
5. 70yo M
PD Tubing in the proper
hepatic artery non curative
1990年2月 7.5%,38%で あ った と報告 してい る。 自験4/11の膵頭 部癌49例の検討で もほぼ同様 の成績 で あ ったが,16の 転移 陽性率 は20.6%と 中迫 の成績 よ り高率 であ った。 なお16の転移 陽性 率 につ い て は中 山 ら2)は111%,永 川 らりは211%と 報 告 して お り,報 告 に よ りか な りの 相違 があ り, これ は16リンパ節郭清 の程度 が異 な るた め と考 えられた.一 方,乳 頭部癌 についてみ ると吉 田 らめの504/11の検討で は24例 (48%)が リンパ節転移陽性 で,部位 としては第 1群 の リンパ節転移が主であるが, 第 2群 の14にも 2∼ 8%と 第 1群 の17の 6%と の間で 転移 率 に差 はなか った ことか ら,14の 系統 的 な郭清 の 必要性 を指摘 してい る。 自 験4/126例の成績では第 1群 リンパ節 の転移 が主で あ り第 2群 の14の うち14a,b, cに は転移 はみ られ なか ったが,14dが 4.8%に 転移陽 性で あ り14の郭清が必要 と考 えてい る。下部胆管癌 に つ いては田代 ら1いの16例の検討では第 1群 の リンパ節 転移 が主であ ったが,第 3群 であ る14a,bに も12.5% に転移 を認 めた と報告 してお り,上 腸間膜動脈根部 の 郭清 の必要 性を強調 してい る.自 験例 で もこれ とほぼ 同様 の成績 で あ り,14bに も8.5%が 転 移 陽 性 で あ っ た。 したが って リンパ節転移 の部位 と頻度 か らは膵頭 部癌 では14は もちろんの こと16の リンパ節郭清 も必要 であ り,乳 頭部癌,下 部胆管癌 では14リンパ節の系統 的郭清 が必要 と考 え られた。 つ ぎに腫瘍 の組織学的進展様式をみ ると, 自験例で は脈管浸潤 の うち リンパ管浸潤 はいずれの部位 の癌で も70%以 上 が陽性であ ったが,静 脈 漫潤 お よび神経浸 潤 は膵 頭部 癌,十 二 指 腸 癌 で は60∼87.5%が 陽 性 で あ った の に対 し,字L頭部 癌 ,下 部 胆 管 癌 で は23.1∼ 46.2%と 比較的低 率であ った。 これ は リンパ節転移 の 陽性率 が際 頭部癌,十 二指 腸癌 で高 く,乳 頭部癌,下 部胆管癌 で低 率であ ったの と同様 の成績 で あ った。 こ れを これ まで の報告T/11でみ る と, リンパ管,静 脈 お よ び神経浸潤 の頻度 は膵癌 で は切除例429例中 (1987年の 膵癌全 国集計,不明例 を除 く)それぞれ680%,56.2%, 661%で あ り,乳 頭部癌 では Yamaguchiら 11)の104例 の検討ではそれぞれ75%,38%,24%で あ り,さ らに 下部胆管癌 では切除450例中(第18回胆道外科研究会 ア ンケー ト調査)そ れぞれ69.7%,37.7%,592%と 乳 頭部 癌 で静脈 浸潤 や 神経 漫潤 の陽 性 率 が最 も低 か っ 亨そこ . 膵頭部癌 を除 いて陣実質 への浸潤 の陽性率 をみ る と 乳 頭 部 癌 で は2 5 0 ∼4 3 6 % 命1 1 ) , 下部 胆 管 癌 で は 5 0 ∼7 5 % 。。と報告 されてお り, 下 部胆管癌 では膵実質 2 3 ( 1 4 9 ) 浸潤 の頻 度が高 いが, 自験例 では乳頭部癌 が5 0 . 0 % , 下部胆管癌9 2 . 3 % と いず れ もこれ までの報告 よ りも高 頻度 で あ った。一方,十 二指腸漫潤 をみ ると自験4/1で は膵 頭部癌, 乳 頭部癌, 下 部胆管癌 がそれぞれ5 5 . 1 % , 7 6 . 9 % , 7 7 % と 下部胆管癌 では まれで あ り, 字L 頭部癌 では極 めて高率であ った。 つ ぎに膵頭部癌 につ き s , r p , p v 各 因子の陽性率を み る と際癌 切除4 2 9 7 1 1 ( 1 9 8 7 年の際癌全国集計, 不 明f 7 1 1 を除 く) の 集計では s 5 1 . 1 % , r p 3 3 7 % , p v 2 8 . 0 % であ るが, 自 験例 で は s 7 1 . 4 % , r p 7 5 0 % , p v 4 2 . 9 % といず れの因子 も陽性率 が高 く, これ らは教室では進 行癌 に対 して も積極 的 に切除 してい る ことを反映 して い るもの と考 え られた。 一方,膵 頭部癌の手術術式については際頭十二指腸 切 除か膵全摘 か とい う問題 があ るが, 膵 全摘 の適応 と して重要 な因子 は尾側膵 へ の連続性 あ るいは非連続性 癌進展 と陣体尾部 周囲 リンパ節 の転移 の有無 があげ ら れ る。N a k a o ら 1 2 ) は解 頭部癌 に対す る際全摘3 4 例の検 討 か ら, H . E . 染 色 では4 1 . 1 % に 尾側膵 への連続性進展 を認 め, 非 連続 性進展 は5 , 9 % で , さ らに免疫組織学的 に検索す る と7 3 5 % が 陽性 であ り, H E 染 色で非連続 性 と診断 された もの も免疫組織学的 には連続性であ っ た と報告 してい る。一方 K 1 5 p p e l ら1 3 ) は同様 に際 全摘 3 7 例を免痩組織 的 に検索 した結果, 連 続性進展 は 8 % にす ぎず, 非 連続性進展 は 1 例 もなか った と報告 して い る, 自 験例の際全摘1 9 例では連続性進展が2 1 . 1 % , 非連続性進展 が1 0 . 5 % に 認 め られ てお り, 1 1 や 1 8 番ヘ の リンパ節転移 も1 5 . 8 % に認 め られた。以上 の ご とく 膵尾側 への進展 は際全摘症例 の進 行度や検索方法 の違 いに よ り, 施 設 によ り成績 にかな りの相違がみ られ る が, わ れわれは尾側膵 の線維化が著明のため癌 との境 界が不 明で, か つ尾側膵 の連続進展 が疑われ る症例 で は術 中迅速標本 にて際 浸潤 の有無 を検索 し, さらに リ ンパ節転移 の有無を十分に検索 して膵全稿 の適応 を判 定 してい る。 つ いで 自験例 の肉眼的形態 と組織学的腫瘍進展様式 との関係をみ る と, 膵 頭部癌 では肉眼的腫瘍径 と l y , v , n e 各 因子 の陽性率 とは相関 はみ られず, n , s , r p , p v 各 因子 は T l で は T 2 ∼4 に比べ低率で あ った。乳頭部 癌 につ いてみ る と腫瘤型 では脈管 浸潤や際浸潤 の頻度 が潰瘍型 に比 べ て低 率 で あ ったが, 桐 らりの報 告 で も 陳 浸潤 の陽性率 は腫瘤型 では1 7 % で あ った のに対 し, 潰瘍型 で は8 3 % も 高率で あ って, 自験例 と同様 の成績 であ る。 また下部胆管癌 で は症例 が少 な く十 分に検討
2 4 ( 1 5 0 ) で きていないが,結 節浸潤型では乳頭型や結節型 の非 浸潤型 に比べ神経浸潤 の頻度 が高か った。 つ ぎに際頭部領域癌 について各種予後因子 について 検討 した。 膵 頭部 癌 t自 験 例 で は Stageの 進 行 につ れ遠 隔 成 績 は不 良 とな り,特 に Stage III,IVでは累積 3年 生存 率 は そ れ ぞ れ15.7%,9.2%と Stage IIの そ れ ぞ れ 50.0%に 比 べ 明 らかに不良で あ った が,Stage IVで あ って も17例中 1例 ではあ るが際全摘後 5年 以上生存 した。Metsuoら 14)の成績 も Stage I,IIで は平均生存 月数 はそれぞれ348か 月,26.4か 月で あ ったが,Stage IIIでは7.1か 月 と極端 に不 良である。つ いで腫易 の大 きさ と予後 との関係 をみ る と T2∼4では腫瘍 の大 き さ と遠隔成績 との間で明 らか な関係はな く,Tlの 4例 で も 2例 がそれぞれ 1年 7か 月で肝転移,お よび 3年 10 か月で副腎お よび肝転移で死亡 している。 日本膵臓学 会 に よる全 国膵癌登録 の 7年 間 (1981∼1987)の 集計 で際癌切除frllの累積 5年 生存率 をみ る と Tl(177例 )で は396%,T2(7834711)21.7%,T3(4634/1)15.1%, T4(304例 )134%と Tlで は予後 は比較的良好であ る が,T3,T4で は低率であ った。なお この集計4/1の中に は予後 の よい陣嚢胞腺癌や島細胞癌 も含 まれている。 つ いで 自験例 で組織学的 な腫瘍 の進展様式 と予後 と の関係をみ ると,v,ne,s,pv,お よび リンパ節転移 の有無が予後 因子 として重要 であ り,lyや rpと 予後 との間 には明 らかな相 関はみ られ なか った。長期予後 因子 を検討 してみ る と, 3年 以上 の長期生存例 (6例 ) で は全例 が高分化型管状腺癌 であ って,か つ pv因 子 陰性であ り, さ らに v,ne,n,s因 子陰性allが多 か っ た。Mannelら 1'も組織学的な予後不良因子 として,膵 被膜浸潤,脈 管浸潤,リ ンパ節転移 な どをあげてい る。 乳頭部癌 :自 験71jでは肉眼形態 か らは漬瘍 型 が腫瘤 型 や混合型 に比べ予後不良であ り,Stageで は I,IIは 良好 であ ったが,Stage IIIで は極 めて不 良で あ った。 組織学的進展様式 では予後不 良因子 として ly,v,pn, panc,duが あげ られたが,n因 子 は予後 とほ とん ど関 係が なか った。 さらに 3年 以上 の長期生存例 (15例) は肉眼形態では腫瘤型や混合型 が多 く,Stage I,IIが 60%以 上 を占め, さ らに組織型 は全例が高分化型管状 腺 癌 で あ り,ま た pancお よび pn因 子 の陰 性例 が多 か った。吉 田 ら1)も膵実質,十 二指腸お よび脈管浸潤 の ない症711では長期生存 の可能性が高いが, リ ンパ節転 移 の有無 は長期 予後 と関係 がない と報告 してい る。す なわ ち この成績 は系統的 な リンパ節郭清の重要性を指 日消外会誌 23巻 2号 摘 す る もの で あ る。 下 部 胆 管 癌 i 肉 眼 形 態 や S t a g e と 予 後 の 関 係 は 自 験 例 で は症 4 / 1 数が 少 な く十 分 な検 討 は で き な か った が, 組 織 学 的 進 展 様 式 の 関 係 を み る と v お よび p n 因 子 陽 性 例 は 予 後 不 良 で あ った が n 因 子 に つ い て は 多L 頭 部 癌 と同様 に 予 後 と明 らか な 関 係 は み られ な か っ た。 また 3 年 以上 の長 期 生 存 4 / 1 1 ( 3 4 / 1 ) の組 織 型 は全 例 が 高 分 化 型 管 状 腺 癌 で あ り, ま た p n 因 子 も全 例 が 陰 性 で あ った, 十 二 指 腸癌 : 自 験 例 は 5 例 と少 な く十 分 な検 討 は で きな か った が, 組 織 学 的進 展 様 式 と予後 との関 係 を み る と, v , p a n c お よび n 因 子 陽 性 例 は予 後 不 良 で あ っ た。 また術 後 8 年 生存 中 の 1 例 は これ らの 因子 が陰 性 で あ り, か つ 組 織 型 は高 分化 型 管 状 腺 癌 で あ った。 文 献 1 ) 吉 田 正 , 中山和道, 嬉野二郎 ほか : 胆道癌長期生 存例の検討―乳頭部癌. 胆 と陣 8 1 1 2 0 5 - 1 2 1 0 , 1987 2 ) 中 山和道, 友 田信之, 溝 口博保 : 際癌 の外科的治 療. 癌 の臨 3 2 t 1 2 2 8 - 1 2 3 3 , 1 9 8 6
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Results of Resection for Pancreatoduodenal Carcinoma: Mode of Tumor Spread and Factors Influencing Survival
Shuji Isaji, Naoki Ohashi, Takashi Kurumiya, Kikuhiro Nakamura, Toshio Yamamoto, Yoshifumi Ogura, Takashi Noguchi, Yoshifumi Kawarada and Ryuji Mizumoto
First Department of Surgery, Mie University School of Medicine
The mode of tumor spread and factors influencing survival were analyzed in 93 patients with resection for pancreatoduodenal carcinoma, including 71 pancreaticoduodenectomies and 22 total pancreatectomies. 1) Resectability: 53.3% in 92 surgical patients with carcinoma of the pancreatic head, 92.9% in 28 patients with carcinoma of the papilla of Vater, 86.7% in 15 patients with carcinoma of the lower bile duct, and 100% in 5 patients with carcinoma of the duoenum. 2) Prognosis: The cumulative s-year survival rate was 52.0V0 in carcinoma of the papilla of Vater, 38.0% in carcinoma of the lower bile duct, 25.0% in carcinoma of the duodenum, and 6.8% in carcinoma of the pancreatic head. 3) Mode of tumor spread: The incidence of lymph node involvement was 80.0% in carcinoma of the duodenum, 73.5V0 in carcinoma of the pancreatic head, 34.670 in carcinoma of the papilla of Vater, and 30.8% in carcinoma of the lower bile duct. The incidence of venous and perineural invasions was more than 60% in carcinoma of the pancreatic head and the duodenum, but it was less than 50% in carcinoma of the papilla of Vater and the lower bile duct. 4) Factors influencing survival: Venous and perineural invasions were highly associated with poor prognosis in pancreatoduodenal carcinoma. Other important factors were pancreatic citpsular and portal vein invasions in carcinoma of the pancreatic head, pancreatic parenchymal invasion in carcinoma of the papilla of Vater, and duodenal invasion in carcinoma of the lower bile duct. All patients with survival of more than 3 years had well differentiated tubular adenocarcinoma.
Reprint requests: Shuji Isaji First Department of Surgery, Mie University School of Medicine 2-174 Edobashi, Tsu, 514JAPAN