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Vortex Structure Behind Highly Heated Two Cylinders in Parallel Arrangements Vortex structures behind twin, highly heated cylinders in parallel arrang

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1600 日本 機 械 学 会 論 文 集(B編) 74巻743号(2008-7) 論 文No.07-1137

並 列 配 置 され た 二 つ の 高 温 加 熱 円 柱 後 流 に 形 成 され る渦 構 造*

栗 田

英 一 郎*1,矢

司*2

Vortex

Structure

Behind

Highly

Heated

Two Cylinders

in Parallel

Arrangements

Eiichirou KURITA

and Yuji YAHAGI

*3

*3

Department

of Mechanical

E

ngineering,

Shibaura

Institute

of

Technology,

3-7-5

Toyosu,

Koto-ku,

Tokyo,

135-8548

Japan

Vortex structures behind twin, highly heated cylinders in parallel arrangements have been investigated experimentally. The experiments were conducted under the following conditions :

cylinder diameter, D=4mm; mean flow velocity , U∞=1.0m/s; Reynolds nmber, Re=250; cylin-der ciearance, S/D=0.5∼1.4; and cylinder heat flux

, q=0∼72.6 kW/m2. For S/D>1.2, the Kanan

vortex street is formed alternately behind each cylinder divided on the slit flow . The slit flow velocity increases with a decrease in S/D and decreases with increasing heat flux . For S/D < 1.2, the wake vortexes become asymmetric having small and large scale vortexes divided by the slit flow . In the small scale vortexes, the symmetric counter-rotating twin vortexes are formed just behind the cylinders. In the large scale vortexes, the generated vortexes have similar structure as a Karman vortex even though the Strouhal number is approximately half of the ordinary single cylinder vortex . For isothermal conditions, the transition phenomena from symmetric to asymmetric wake structures are observed in the range of 0.9 < S/D < 1.2. In addition , the asymmetric vortexes are irregularly switched up and down in the case of isothermal conditions . In the highly heated condition, the switching phenomena and the transition phenomena could not be observed and the small scale vortexes are always formed behind the upper cylinder . The critical S/D increases approximately 30% in the heated condition (q =72 .6 kW/m2). As a result, the increased local kinematic viscosity and S/D play a key role for the vortex structure and formation behind arrangements of two parallel cylinders.

Key Words: Heat Transfer , Fluid Dynamics, Forced Convection, Votex, Wake, Twin Cylinders, Strouhal Number, Karman Vortex , Particle Image Velocimetry

1.  まえがき

円筒形の伝熱体 は多 くの場で利用 されて いる.た と

えば,原 子 力発電所 の熱交換器や燃焼器内な どで は,

伝熱体壁面 と流体 の温 度差が数百℃ とな る.そ のよ う

な高温熱負荷 場では,伝 熱壁 面近傍 の作動流体の物性

値変化は無視 できない程大き くな る.特 に,伝 熱促 進

で重要な乱流の微細構造 は,動 粘性係数な どの変化 に

対 して敏 感である と考 え られ るた めに,高 温熱負荷場

では,加 熱の影 響をアクティブスカラー(1)と

して取 り

扱 う必 要がある.し か しなが ら,こ れ まで高温熱負荷

場 を対象 とした研 究は,伝 熱研究 の中で比較的少な い

の が現 状 で あ る. 高温 熱 負荷 が 乱 流 構 造 に及 ぼす 影 響 に着 目 した研 究 と して は,例 え ば,Wardnaら(2)は700℃ まで 加 熱 され た 平 板 上 の速 度 お よび 温 度 を計 測 し,乱 流 境 界 層 の 構 造 に 動粘 性 係 数 と熱 膨 張 の 増 大 が 及 ぼす 影 響 を指 摘 し た.ま た,Uedaら(3)(4)は 高温 壁 面近 傍 に衝 突 す る格 子 乱 流構 造(3)およ び 加 熱 ス ク リー ン を通 過 す る格 子 乱 流 に 一様 な熱 負荷 を与 えた 場 合 の乱 流 構 造(4)に対 して 検 討 を加 え た.そ の結 果,乱 れ の 減 衰 過 程 に 加 熱 の 影 響 が 著 し く現 れ る こ と を 明 らか に し た.円 柱 後 流 に対 して は,矢 作 ら(1),(5)が,壁面 を600℃ 程 度 まで 加 熱 させ た 単 一 円柱 後 流 に 形 成 され る渦 構 造 に検 討 を加 え て い る.そ の結 果,円 柱 壁 面近 傍 にお け る局 所 的 な 動 粘 性 係 数 の 増加 に よ り,後 流 の渦 空 間 スケ ー ル が 拡 大 す る こ とや,渦 周 波 数 が 減 少 す る こと な ど を 明 らか に した. * 原 稿 受 付 2007年12月28日 . *1 学 生 員 ,芝 浦 工 業 大 学 大 学 院(〓135-8548 東 京 都 江 東 区 豊 洲3-7-5). *2 正 員 ,芝 浦 工 業 大 学 工 学 部. E-mail : yahagi@sic.shibaura-it.ac.jp

(2)

並列配 置 された二つの高温加熱 円柱後流 に形成 される渦構造 1601 実 機 に近 い場 で あ る複 数 の 円柱 を 配 置 した 条 件 で は, 形 成 され た 渦 が 互 いに干 渉 し合 う興 味 深 い流 れ構 造 を 持 って いる ため に 多 くの 詳細 な研 究 が行 わ れて いる(6)∼ (14).た だ し,そ れ らの 研究 の ほ とん どは等温 あ るい は加 熱 の影 響 をパ ッシ ブス カ ラー とす る条件(1),す な わ ち, 加 熱 に よ る流 体 の 物 性 値 変化 が 無視 で き る範 囲 で実 施 され て い る.複 数 の 円 柱 配 置 の 主 な 代 表 例 は,並 列 配 置(6)∼(12),直列 配 置(6),(15),くい違 い配 置(6),(14)の3つ で あ る. 等 温 条 件 の 並列 配 置 され た二 つ の 円柱 後 流 で は,円 柱 間 を 通 過 す る 流れ,い わ ゆ る ス リッ ト流 が 片 方 の 円 柱 側 に偏 っ て 流れ る非 対 称 流 とな る現 象 が 観 察 され る (6)∼(10).そ の 結 果,円 柱 間隔 によ り空 間スケール が異な る 複数 の卓越 周波数 を持つ渦が 形成 され る ことが実験 酬 ゆお よ び 数値 解 析(11),(12)から明 らか に され た.こ こで,円 柱 間 隔 は,図1に 示す よ うに 上下 の 円柱(Cuお よ びCL) の 間 隔 で あ るSと す る.ま た,円 柱 間 隔 比 は,円 柱 直 径Dを 用 いて,S/Dと 定 義 す る.例 え ば,森 谷 ら(7)は 並列 二 円柱 の相 互 干 渉 につ いて,円 柱 に作 用 す る変 動 圧 力,変 動 流体 力の特性 な どを検 討 した結果,3種 類 のス トローハ ル数 に対応 した流 れの形態 が あ る ことを指摘 し た.山 本 ら(8)はRe=1.87×104に お け る 円柱 表 面 の変 動圧 力 と 円柱 間隔 と の関係 にっ いて検 討 を加 え た結 果,円 柱 表 面 の 変 動圧 力 は,円 柱 間 隔S/D≧1で は 周 期 性 が 明 確 とな る が,S/D<1で は周 期 性 は 明確 で な くな り, 振 幅 も 小 さ くな る ことな ど を 明 らか に した.Sumner ら(12)は並 列 二 円柱 お よ び三 円柱 後 流 の渦 構 造 を粒 子 画 像 流 速 計(PlV)に よ り計測 し,S/Dの と形 成 され る渦 の 二 次元 的 な配 置 に検 討 を加 えて い る. 伝 熱 特 性 に対 して は,五 十 嵐 ら(15)が単 一 円柱 か ら直 列配 置 な ど様 々 な レイ ア ウ トの 円柱 につ いて,流 れ の 形態 とそ の熱 伝 達 特 性 の詳 細 を 明 らか に して い る.一 宮 ら(19)は,並列 配 置 に対 して 円柱 間隔 比 を変 化 させ た 場 合 の 局所 熱 伝 達 構 造 と,流 れ 構 造 にっ いて 検 討 を加 え て い る. 以 上 の よ う に,パ ッ シ ブ スカ ラー 領 域 で は,複 数 円 柱 後 流 の構 造 に詳 細 な 検 討 が 加 え られ て い る.他 方, 著 者 らが 着 目 して い る高 温 熱 負 荷 場 で は,先 に 述 べ た よ うに,局 所 的な 動 粘 性 係 数 な どが 変 化 す るた め に, 複 数 円柱 後 流 の渦 構 造 お よ び そ の 干 渉 機 構 が パ ッシ ブ ス カ ラー の場 合 と著 し く異 な る と考 え られ る.し か し な が ら,そ の 詳 細 は まだ 不 明 で あ るの が現 状 で あ る. そ こで 本 研 究 で は,並 列 配 置 さ れ た 二 つ の 円柱 後 流 の 構 造 に対 して,加 熱 によ る作 動 流体 の物 性 値 変化 を ア クテ ィ ブス カ ラー の 条 件,す な わ ち,円 柱 壁 面温 度 を600℃ 程 度 まで 加 熱 さ せ た 高温 熱 負荷 条 件 にお いて 実 験 的 に検 討 を加 え る. 記 号 表 D : 円柱 直 径 [mm] f : 渦 周 波 数 [H2] g : 重 力加 速 度 [m/s2] Gr : グ ラ ス ホ フ数 =D3gβ(Tw-T∞)/v2 q : 加 熱 熱 流 束 [kW/m2] Ra : 円柱 表 面 粗 さ[μ 呵 Re : レイ ノル ズ 数=U∞D/ν ∞ Ri : リチ ャー ドソ ン数 =Gr/Re2 S : 円柱 隙 間長 さ [mm] St : ス トロー ハ ル 数=D/U∞ T : 温 度 [℃] U : 速 度 [m/s] u : x方 向 速 度 [m/s] V : 渦 v : y方 向 速 度 [m/s] x : テ ス トセ ク シ ョ ン流 れ 方 向距 離 [mm] y : テ ス トセ ク シ ョ ン鉛 直 方 向距 離 [mm] z : 円柱 長 さ方 向 距 離 [mm] β : 体 積 膨 張 係 数 ν : 動 粘 性 係 数 [mm2/s] ω : 渦 度 [1/s] 添 字 l : 局所 の値 max : 最 大 値 w : 円柱 壁 面 ∞ : 主 流 ― :時 間平 均 2.  実 験 装 置 お よ び 方法 図1に 示 す よ う にテ ス ト部 断 面150mm×150mmの 水 平 設 置 の 吸 い込 み 風 洞 内 に,直 径D=4mmの 二 っ の 円 柱 を並 列 に設 置 した.真 円度 は ±0.005mmで あ る.円 柱 表 面粗 さ はRa=2ymで あ り,円 柱 直 径 で 除 した相 対 粗 さRa/D=5×10-4で あ る.こ の 値 は 臨 界相 対 粗 さ と 同値 で あ り,表 面 粗 さは 実 験 結 果 に影 響 しな い と考 え られ る(20),(21).S/D(円柱 間 隔 比)は0.5∼1.4に 設 定 し,0.1 毎 に変 化 させ た.座 標 系 は 図1に 示す よ うに,主 流 方 向 にx軸,高 さ方 向 にy軸,円 柱 長 さ方 向 にz軸 を と る.速 度 成 分 はx軸 方 向 速 度 を ㍑と し,y軸 方 向速 度

(3)

1602 並列配置 された二つの高温加熱 円柱後 流に形成 され る渦構造 を νとす る.作 動 流 体 で あ る 空気 は,整 流 室,縮 流 ノ ズル を経 て 低 乱 れ の 一 様 流 とな り,テ ス トセ ク シ ョン に 送 られ る.テ ス トセ ク シ ョ ン の 断 面 平 均 流 速(U∞) は1.0m/sに 設定 した.円 柱 直 径 を 代 表 長 さ とす る レイ ノル ズ数(Re=U∞D/ν ∞)は250で あ る.こ こで,ν ∞ は 常 温 の 空気 の動 粘 性 係 数 で あ る.加 熱 円 柱 は セ ラミ ッ ク製(Degussit AL23)で あ り,線 径0.4mmの カ ンタ ル 線 を 内部 に巻 き,ジ ュー ル 加 熱 す る.加 熱 条 件 は,上 方 の 円柱Cu直 上 部 の表 面 温 度Twを 赤 外 線 温 度 計 によ り計測 し,Tw=600℃ とな る熱 流束q=72.6kW/m2に そ れ ぞ れ の 円柱 を 設定 した.重 力 は=y方 向 に働 く.円 柱 直 径Dを 代 表 長 さ と した リ チ ャー ドソ ン数 は 最 大 で Ri=13×10-3と な る.こ の値 は浮 力 の 影 響 の 現 れ る しき い 値 で あ るRi=0.5と 比 較 して 極 め て 小 さ く,本 実 験 条 件 は 強 制 対 流 が支 配 的な 領 域 で あ る(1). 円柱 後 流 の 流 れ構 造 の概 要 は,レ ー ザ ー トモ グ ラ フ ィー 法 に よ り二 次 元 面 を可 視 化 観 察 して 把 握 した.光 源 と して は ア ル ゴ ン レーザ(出 力5W)を 用 い,ト レー サ 粒 子 には 噴 霧 器 に よ り微 粒 化 した 直 径 約1μmの シ リコ ンオイル(東芝 シ リコンTSF451-50)を 使 用 した.撮 影 は NKON D2x(解 像 度4388×2848ピ クセ ル)を 用 い た.検 査 面 積 は40mm×26mm,シ ャ ッ ター ス ピー ドは1/320 秒 で あ る. 流 れ の 定 量 計 測 に は,出 力30mJの ダ ブ ル パ ル ス YAGレ ー ザ を光 源 とす る相 互 相 関PIV(粒 子 画 像 流 速 計)を 用 い た.パ ル ス 間 隔 は0.2ms,照 射 時 間 は5∼6ns で あ る.ト レーサ 粒 子 は公 称 粒 子 直 径 約1μmの アル ミ ナ 粒 子 を使 用 し,解 像 度1000×1000ピ クセ ル のCCD カ メ ラ(KODAK MEGAPLUSC amera MODEL ES 1.0) を 用 い て 粒 子 画 像 を 撮 影 し た.検 査 面 積 は 40mm×40mmで あ り,空 間分 解 能 は40μm/pixelに 対応 す る. 渦 周 波 数 お よ び 温 度 分 布 の 計測 は,線 径5ymの タ ン グ ス テ ン線 を素 線 とす る熱 線 流 速 計(HW)お よ び 抵 抗 線 温 度 計(CW)に よ り測 定 した.対 象 とす る 二 次 元 面 は 円柱 長 さ方 向 中央 部 で あ り,風 洞 の 両側 面 か ら75mm の 位 置 で あ る.な お,円 柱 の 長 さ 方 向 に 中 心 か ら z=±10mmの 範 囲 で,流 れ 構 造 を可 視 化 した 結 果,円 柱 後 流 の流 れ 構 造 は二 次 元 性 が 保 た れ て い る こ とを 確 認 した. 3.  実 験 結 果 お よ び考 察 3・1  瞬 間 的な 流 れ構 造  図2(a)∼(f)は レー ザ ー トモ グ ラフ ィ ー 法 に よ り可視 化 した 円柱 後 流 を示 す . 円柱 間 隔 比(Sの)は 後 流 の 渦 干 渉 が 明確 に現 れ る0.5お よ び,後 流 の 渦 干 渉 が ほ とん ど起 こ らな いL4を 代 表 例 と して 選 定 した. Sの=0.5の 等 温 条 件(q=0kW/m2)で は,図2(a)∼(c) に示 す よ う にス リ ッ ト流 に よ っ て 分 断 され た 非 対 称 流 構 造 のSmall wake areaとLarge wake areaが 形 成 され る.

図2(a)は 上 方 の 円 柱(Cu)背 後 にSmall wake areaが 形 成 され た 場 合 で あ り,Small wake areaは 一 対 の 双子 渦 で 構 成 され る.下 方 の 円柱(CL)後 流 に は,Large wake area が形 成 され,Large wake areaは カ ル マ ン渦列 と非 常 に 近 い特 性 で あ り,放 出 され る渦 に は 周 期性 が あ る.図 2(c)はCu背 後 にLarge wake areaが 形 成 され,CL背 後 に Small wake areaが 形 成 され た 場 合 で あ る.図2(b)は 図 2(a)か ら図2(c)に 現 象 が 切 り替 わ る際 の遷 移 状 態 で あ る.こ れ らの 一連 の非 対 称 構 造 は,二 円 柱 間 を 通 過 す る ス リッ ト流 に よ って 不 規 則 に上 下 が 切 り替 わ る.森 谷 ら(7)も等 温 の 並 列 二 円柱 後 流 に 同様 の現 象 が 現 れ る こ とを 明 らか に して い る. 図2(d)に 示 した よ うに 加 熱 条 件(q=72.6kW/m2)で は, ス リ ッ ト流 は 常 にCu側 に偏 って 流 れ,Small wake area は 常 にCu側 に形 成 され る.加 熱 条 件 で は,等 温 条 件 で 観察 さ れ た 切 り替 わ り現 象 は現 れ な い.ス リ ッ ト流 の 偏 りの 原 因 と して は,本 研 究 は強 制 対 流 が 支 配 的 な 条 件Ri=1.3×10-3で あ るが,渦 干 渉 が 生 じて い る場 合 で は,-y方 向 に働 く重 力 の影 響,粘 性増 加,お よ び 体 積 膨 張 な どの 影 響 が 考 え られ る.CL背 後 のLarge wake areaの 渦 の ス ケー ル は図2(a)と 比 較 して 顕 著 に拡 大 して い る こ とが見 て 取れ る.こ の場 合 で は,円 柱 後 流 に局 所 的 な 輝 度 の 低 下 して い る領 域 が 確 認 で き る. そ の 理 由は,ト レー サ液 滴 に沸 点300℃ の シ リコ ン オ イ ル を用 いて い るた め に 生 じる 円柱 の高 温 加 熱 に よ る 液 滴 の 蒸 発 や,流 体 の 体 積 膨張 に よ る トレー サ の 数 密 度 の 減 少 で あ る.従 って,そ の領 域 は,局 所 的 に 高温 の 流 体 塊 で 構 成 され て いる と考 え られ る. 図2(e),(f)に示 したS/D=1.4で は,ス リッ ト流 を 中 心 とす る対 称 流 構 造 にな り,上 下 の 円柱 後 流 の渦 干 渉 は ほ とん ど現 れ な い.そ れぞ れ の 円 柱 背後 に は,独 立 し た カ ル マ ン渦 列 が 形 成 され る.図2(f)の 加 熱 条 件 で は,

(4)

並列配置 された二 つの高温加熱 円柱後 流に形成 され る渦構造 1603

(a) S/D=0 .5 , Isothermal

(Upper Course)

(b) S/D=0 .5 Isothermal

(Transition)

(c) S/D=0.5, Isothermal

(Lower Course)

(d) S/D=0.5, q=72.6kW/m2

(e) S/D=1.4, Isothermal

(f) S/D=1.4, q=72.6kW/m2

等温条件 と比較 して渦の空間スケールが拡大す る特徴

が ある.以 上 に述べた現象が本研 究で対象 とす る並列

二 円柱後流の定性的な特性 である.図3(a)∼(d)は,PIV

計測 によ る瞬間二次元速度ベク トルか ら得 られ た流線

および渦度 を示す

なお,渦 度は次式で定 義す る.

(1)

図3(a),(b)に 示 したS/D=0.5の 円柱CLか ら放 出 さ れ たLarge wake areaの 構 造 に着 目す る と,上 流 か ら第 -番 目 で あ る渦(V 1)の 中 心 位 置 が い ず れ の 場 合 もお よ そx=14mmに 存 在 し て い る が,加 熱 条 件 (q=72.6kW/m2)で は第 二番 目の 渦(V2)の 中 心位 置 が 等 温 条 件 に比 べ 下 流 側 に移 動 して い る.さ らに,加 熱 条 件 で の渦 ス ケー ル は著 し く増 大 して い る こ とが見 て 取 れ る.渦 度 の分 布 に着 目す る と加 熱 条 件 で は,円 柱 後 流 の渦 領 域 と主 流 の境 界 が な め らか に 区 分 され て い る の に対 して,等 温 条 件 で は そ の 境 界 が 入 り組 ん だ 構 造 にな って い る.図3(c),(d)に 示 すS/D=1.4で は,い ず れ の 場 合 もス リッ ト流 を中 心 と した 対称 構 造 とな る. だ だ し,加 熱 条 件 で は,等 温 条 件 に 比 較 して,ス リ ッ ト流 が 直 線 的 に流 れ て い る こ とや 円柱 後 流 の 領 域 の 下 流 方 向 で の 広 が りが 少 な い な どの 特 徴 が見 て 取 れ る. 検 査 面 内 の 渦 度 を100組 のPIVデ ー タ か ら 統 計 解 析 し た 結 果,最 大 渦 度 の 平 均 値│ω│maxはS/D=0.5の 温 条 件 で は│ω│max=1178で あ り,加 熱 条 件 で は │ω│max=1054と な り,10.5%減 少 す る.ま た,S/D=1.4 璽 等 温 条 件 で は│ω│max=1376で あ り,加 熱 条 件 で は, │ω│max=1076と な り,約21.8%減 少 す る.し た が っ て,

円柱 を高温 に加熱す ることによ り,い ずれの場合 にも

│ω│maxが 減 少 し,そ の 減 少 率 は渦 干 渉 が な い場 合 の 方 が 高 くな る こ とが 明 らか とな っ た. 下 流 方 向 に対 す る渦 度 の 減 衰 に つ いて 検 討 を加 え る と,│ω│maxが50%以 下 とな る領 域 は,S/D=0.5で は等 温 条 件 でx=30.7mm以 降 で あ る.加 熱 条 件 で は x=35.2mm以 降 と な る.S/D=1.4で は 等 温 条 件 で x=26.2mm以 降 で あ る.加 熱 条 件 で はx=30.0mm以 降 とな る.非 対 称 流,対 称 流 と もに 加 熱 条 件 で は渦 度 の 減 衰 が 緩 や か にな る.こ の こ とは,渦 ス ケー ル の拡 大 と 局所 的な 粘 性 の増 加 によ り,粘 性 散逸 に よ る渦 度 の 減 衰 効 果 が 低 下 した こ とが 主 な 原 因 で あ る と考 え られ る. 3・2  時 間 平 均 的 な 流 れ 構 造  図4(a)∼(d)は 円 柱 後 流 の 時 間平 均 速 度(u)の 二 次 元 分 布 を示 す.時 間 平 均 速 度 分 布 は100組 のPIV計 測 結 果 の統 計平 均 か ら 求 めた.い ず れ の 場 合 で も円 柱 背後 に は,速 度 の遅 い 領 域 が 形 成 され る.ま た,図4(b)を 除 き,y=0mmを 中 Fig.2 Visualized Wake Flow Structure

(5)

1604 並列配置 された二つの高温加熱 円柱後 流に形 成 され る渦構造

(a)

S/D=0.5,

Isothermal(Upper Course)

(b)

S/D=0.5,

q=72.6kW/m2

(c)

S/D=1.4,

Isothermal

(d)

S/D=1.4,

q=72.6kW/m2

心 軸 と して ほ ぼ 上 下 対 称 の 構 造 と な る.た だ し, S/D=0.5の 等 温 条 件 で は,3・1節 で述 べ た よ うにSmall wake areaとLurge wake areaが 形 成 され る非 対 称 流 構 造

とな るが,図4(a)に 示す よ う に時 間 平 均 速 度 分 布 は上 下 対称 構 造 とな っ て い る.こ の 結 果 は,先 に議 論 した 非 対称 流 の 切 り替 わ り現 象 が ほ ぼ 同 じ頻 度 で 生 じて い る た め で あ る と考 え られ る.ま た,こ の 場 合 で はy=0 の 下 流x=18mm付 近 でuが 最 小 とな る低 速 領 域 が 現 れ る特 徴 が見 て 取 れ る. 図4(b)に 示 したS/D=0.5の 加 熱 条 件 で は,Large wake areaに 負 の 速 度 領 域(WL)の 著 しい発 達 が 観 察 さ れ る.こ れ に対 してSmall wake areaの 負 の 速 度 領域 (Ws)に は,加 熱 によ る顕 著 な影 響 がLarge wake areaほ ど観 察 され な い. 図4(c)お よ び(d)に 示 し た 渦 干 渉 が ほ と ん どな い S/bl.4で も,等 温 条 件 よ り加 熱 条 件 の方 が 円 柱 後 流 の 速 度 の遅 い 領 域(Wi)の 発 達 が 観 察 され る .ま た, S/D=1.4で は,ス リ ッ ト流 の 減 速 は加 熱 条 件 の 方 が 緩 や か で あ り,ス リ ッ ト流 が 保 存 さ れ る傾 向 が見 て 取れ る.ス リッ ト流 に及 ぼす 円柱 加 熱 の 影 響 は,S/Dに よ り変化 す る.た とえ ば,x=5mmに お け るス リッ ト流 中 の 最 大 時 間 平 均 速 度 は,S/D=0.5で は,円 柱 加 熱 に よ りu s,max1.01m/sか らuS,max=0.96m/sと お よそ5%減 少す る の に 対 し て,S/D=1.4で はus,max=1.32m/s か らu S,max=1.38m/sとお よ そ5%増 加 す る.こ れ らの 現 象 は,加 熱 円柱 後 流 の温 度 構造 と密 接 な 関 連 が あ る と考 え られ るた め,次 節 で 述 べ る温 度 測 定 結 果 と供 に検 討 を加 え る. 3・3  加 熱 円柱 後 流 の 温 度 構 造  図5(a)お よび (b)はq=72.6kW/m2に お け るS/D=0.5お よ び1.4の 時 間 平 均 温 度 分 布 で あ る.い ず れ も場 合 に も,円 柱 直 後 に は 300℃ 以 上 の 高温 領 域 が 形 成 され,下 流 方 向 に向 か う に 従 い徐 々 に温 度 は低 下 す る.た だ し,そ の 構 造 に は, 大 きな 相 違 点 が2点 あ る.1点 目は 温 度 の 減 衰 率 で あ り,2点 目は ス リ ッ ト流 の温 度 で あ る.S/D=0.5の 場 合 で は,円 柱 後 流 の 高 温 領 域 は 上 方 の 円 柱 後 流 に 偏 って い る.ま た,x=5mmに お け るス リ ッ ト流 の 中 心 位 置 は y=2mmで あ り,検 査 面 中の 時 間 平 均 最 高 温 度 の は, x=5mm,y=2.5mmで 計 測 さ れTi=373℃ と な り,円 柱 後 流 の 最 高 温 度 領 域 は ス リ ッ ト流 の ほ ぼ 中 心 に 存 在 す る. x=5mmに お け る加 熱 円柱 直 後(y=±3mm)の 位 置 の 温 度 Fig.3 Instantaneous Wake Flow Structure by PIV

(6)

並列配置 された二つ の高温加熱 円柱後流 に形成 され る渦構造 1605

(a)

S/D=0.5,Isothermal

(b)

S/D=0.5,q=72.6kW/m2

(c)

S/D=1.4,Isothermal

(d)

S/D=1.4,q=72.6kW/m2

(a)

S/D=0.5,q=72.6kWm2

(b)

S/D=1.4,q=72.6kW/m2

は,上 方 が361℃ で あ り,下 方 が296℃ で あ る.x=40mm で は,そ れ ぞ れ223℃ と153℃ な り,Large wake areaの 温 度 は 低 くな る. これ に 対 して,S/D=1.4で は,加 熱 円 柱 直 後 に 対 応 す るx=5mm,y=±4.8mmの 温 度 は 上 下 供 に285℃ で あ る.x=40mmで は,上 方 が74℃ で あ り,下 方 が82℃ で あ る.従 っ て,温 度 の減 衰 率 は,S/D=1.4の 場 合 の方 が著 し く大 き い.上 下 の 円柱 後 流 の 温 度 分 布 は ほ ぼ等 し くな っ て い る ことか ら,温 度 構 造 も対 称 で あ る.ま た,S/D=1.4の 場 合 で は,ス リ ッ ト流 の 部 分 が 最低 温 Fig.4 Two Dimensional Mean Velocity Profiles in the x-direction

(7)

1606 並列 配置 された二つ の高温加 熱円柱後流 に形成 される渦構 造

(a) Isothemal

(b) q=72.6kW/m2

度 とな っ て い る.す な わ ち,S/D=0.5で は,ス リ ッ ト 流 は 上 下 の 円柱 か らの熱 伝 達 に よ り高 温 とな った 流 れ が 通 過 して い る の に対 して,S/D=1.4で は,ス リ ッ ト 流 の 中 心 付 近 を 円柱 加 熱 の影 響 を受 けな い主 流 温 度 に 等 しい 流 れ が通 過 して い る ことが 見 て 取 れ る. 表1は 加 熱 円柱 か らは く離 した 渦 の 重 要 な 特 性 値 と してx=5mmの 時 間平 均 最 大 温 度Tl,Tlに 基 づ く局所 動粘 性 係 数 νlおよ びvlに 基 づ く局所 レイ ノル ズ 数Reν,l を 示す.加 熱 条 件 のvlは,S/D=1.4で は 常 温 時 の3 .4 倍S/D=0.5で は3.7倍 まで 増 加 す る.そ の よ うな 局 所 的 な 動粘 性 係 数 の増 加 は,主 流 との 間 にせ ん 断 力 の著 しい差 を発 生 させ る原 因 にな り,周 囲 流 体 との 粘 性 散 逸 が減 少 し,下 流 側 まで 明 確 な 渦 列 が 観 察 され た 原 因 の1つ とな った と考 え られ る. 図6は 各 円柱 間 隔比(S/D)に 対 す る流 れ 構 造 の 分 類 結 果 で あ る.等 温 条 件 で は,S/Dの 条 件 に よ り非 対称 流(Asymmetry with Switchng Motion),遷 移 領 域 (Transition),対称 流(Symmetry)の3つ の 状 態 が 観察 さ れ る.こ こで,0.9<S/Dく1.2の 遷 移 領 域 で は,非 対称 流 と対 称 流 が 不 規 則 に入 れ 替 わ る現 象 が 観察 さ れ る. 加 熱 条 件 で は,非 対 称 流 の 範 囲 がS/D<1.2と な り,等 温 条 件 よ りも約30%拡 大 し,遷 移 領 域 は 確 認 で き な い. 加 熱 条 件 の非 対 称 流 は 先 に述 べ た よ うに ス リ ッ ト流 が 常 に上 方 に偏 る構 造 とな る.な お,対 称 流 が 形 成 され るS/Dの 範 囲 は 等 温 条 件 と ほ ぼ同 じで あ る. 3・4  ス トロ ーハ ル 数  図7(a)お よ び(b)に等 温 条 件 お よ び加 熱 条 件 のSの を変 化 させ た 場 合 の 円柱 直 径 を 代 表 長 さ と す る ス トロ ー ハ ル 数(St=fD/U∞)の 分 布 をそ れ ぞ れ 示 す.渦 周 波 蜘 はx=15mmに お け る 円柱 後 流 の 時 系列 速 度 変 動 お よ び 温 度 変 動 を周 波 数 解 析 し て 求 めた.上 下 の 円柱 後 流 が 干 渉 す るS/D<1.2で は, Stl,St2,St3の3つ の卓 越周 波数が測定 され る.図 中の最 小 ス トロー ハ ル 数(Stl)はLarge wake areaの 渦 周 波 数 に 対 応 し,最 大 ス トロー ハ ル 数(St2)はSmall wake areaの 渦 周 波 数 に対 応 す る. St3は 従 来 の 等 温 条 件 の研 究 (7), (10) で 指 摘 され て い るよ う にス リ ッ ト流 の 振 動 周 波 数 に 対 応 して い る.図7(a)に 記 載 したSpivack(22)の結果 に代 表さ れ るよ うに従 来 の等 温 条 件 の実 験(6)∼(10)およ び 数 値 解 析 (11),(12)でも複 数 の卓 越 周 波 数 が 報 告 され て い る.た だ し, Spivackの 結果 は 本 研究よ り全体的 にStの 値が 大き くな って いる.等 温条 件と加 熱 条 件 で は,St1,St2お よ びSt3 の特 性 は異 な る. 等 温 条 件 のSt1はS/Dの 増 加 に伴 い連 続 的 に 増 加 す る.St2はSの の 増 加 に 伴 い やや 増 加 した 後,減 少 し, 最 終 的 に は 単 一 周 波 数 に収 束 して い る.ま た,St3は S/D<0.9で は ほ ぼ 一定 で あ るが,その 後 の0.9<S/D<1.2 の 遷 移 領 域 で はS/Dの 増 加 に伴 い急 速 に 増 加 す る .Stl, St2,St3はS/D>1.2で1つ のStの 値 に収 束 し,最 終 的 に は対 称 流 構 造 とな る. これ に対 して,加 熱 条 件 で は,S/Dが0.9程 度 ま で ほ と ん ど変 化 せ ず,そ の 後,S/D=1.2ま で 緩や か に 増加

Tablel

Local Property (q=72.6kW/m2)

Fig.6 Vortex Interaction Criterion

(8)

並列配置 された二 つの高温加 熱円柱後流 に形成 される渦構 造 1607

(a) Asymmetry Structure

(b) Symmetry Structure

す る.ま た,St2お よ びSt3はS/Dが 変 化 して もそ の値 は変 わ らな い.さ らに,加 熱 条 件 で は,St1,St2,St3は 最 終 的 に単 一 の 周 波 数 に収 束 せ ずSt1,St2がS/D=1.2で 消 滅 す る形 態 とな る.こ の こ とは,図6で 述 べ た加 熱 条 件 の場 合 で は非 対 称 渦 構 造 か ら対 称 流 構 造 に 変化 す る 際 に遷 移 状 態 が ほ とん ど観 察 され て い な い こ とに起 因 す る と考 え られ る.な お,S/D=1.2のStは,等 温 条 件 で は,Stl=0.20,St2=0.22 で あ り,加 熱 条 件 (q=72.6kW/m2)で は,S/D=1.2でStl=0.11,St2=0.19と な り,加 熱 条 件 で は,St1は 約50%,St2は 約20%そ れ ぞ れ 減 少 す る. S/D>1.2で 測 定 され る単 一 の周 波 数St3は,高 温 加熱 によ る局所 動粘 性係 数の 増加 を考 慮 する ことによ り,単一 円柱 後流 のStを 表 す 際 に用 いた 局所 的 な動 粘性 係 数 の増 加 を考慮 した次 式(1)と良 く一致 す る.

(2)

したがって,S/D>1.2の 渦構造は,局 所動糟 性係数の増

加 を考慮 することによ り単一円柱の場合と同様に取 り扱

うことが可能である.

以上の結果か ら並列2円 柱後流 の流れ構造は図8(a)

および(b)に示すよ うに円柱 間隔比(S/D)によ り2つ の

異なるモデル に分類 できる.図8(a)に 示すよ うな渦の

干渉がある場合 に形成 され る非対称流構造では,等 温

条件ではス リッ ト流 によ り非対称流構造が上下不規則

に切 り替わ る現象が観察 され る.し か しなが ら,加 熱

条件では切 り替わ り現象 は現れず,ス リッ ト流は常に

上方側へ偏 る.図8(b)に示 した渦干渉のな い場合では,

円柱後流 の構造 はス リッ ト流 を挟み対称流構造 とな る.

この場合で は円柱が高温 に加熱 された場合で も,加 熱

による局所動粘性係数の影響 を考慮す ることによ り,

先 の単 一円柱 を高温加 熱 した研 究(1)で

説明 した現象 と

ほぼ同様 に取 り扱 うことができ る.

4.  結 論 円柱 間隔 お よ び 円 柱 加 熱 が,並 列 に 設 置 され た 二 つ の 円柱 後 流 の 構 造 に お よ ぼ す影 響 に つ いて 実 験 的 に検 討 を加 え た.実 験 鞭 は,円 柱 直 径D=4mm,レ イ ノ ル ズ 数Re=250,円 柱 間 隔比S/D=0.5∼1.4,円 柱 加 熱 熱 流 束q=0∼72.6kW/m2(壁 面 温 度TW=600℃ 程度)で あ る. (1) 円柱 後 流 の 流 れ 構 造 は,円 柱 間 隔 比(S/D)と加 熱 熱 流 束(q)に よ って 二 つ の 異 な った 特 性が 現 れ る.一 つ は 干 渉 の 起 きな い場 合 に 形 成 さ れ る 対称 流構 造 で あ り, も う一 つ は渦 の 干 渉 が 積 極 的 に 起 こる 場合 に形 成 され る非 対 称 流 構 造 で あ る. (2) 対 称 流構 造 はS/D>1.2の 範 囲 で 観察 され 形 成 され る渦 は,本 研 究 の 実 験 範 囲 で は,単 一 円柱 後 流 に 形 成 され るカ ル マ ン渦 列 とほ ぼ 同 様 な 特性 を持 つ.ま た,加 熱 条 件 で も局 所動 粘 性係数 の増 加 を考慮 す る こと によ り単一 円柱 の 場合 と同様 に取 り扱 うこ とが 可 能で あ る. (3) 非 対称 流構 造 は,S/D<1.2で 観 察 さ れ 円柱 間 を 通 過 す る ス リッ ト流 によ り,Small wake areaとLarge wake areaに 分 け られ る.Small wake areaに は,定 在 す る 双子 渦 が 形 成 され,Large wake areaに は カ ル マ ン渦 列 と非 常 に近 い特 性 の 周 期 性 が あ る渦 が 形 成 され る. な お,0.9<S/D<1.2の 等温 条 件 で は 非 対 称 流 と対 称 流 に 流れ 構 造 が 不 規 則 に切 り替 わ る遷 移 現 象 が観 察 さ れ る.円 柱 が 常 温 の 場 合 で は,Small wake areaとLarge wake areaは 上下 不 規 則 に切 り替 わ る.た だ し,そ の確 率 は 同程 度 で あ る.加 熱 条 件 で は,切 り替 わ り現 象 は 現 れ ず,ス リッ ト流 は常 に 上方 側 へ偏 り,Small wake areaは 常 に上 方 の 円柱 背 後 に形 成 され る.ま た,高 温 加 熱 の影 響 に よ りLarge wake area空 間 ス ケ ー ル は拡 大

し,ス トロー ハ ル 数 は減 少 す る.

文 献

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(9)

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参照

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