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(1)

Human Papillomavirus

CLINICAL MANAGEMENT GUIDELINES FOR OBSTETRICIAN-GYNECOLOGISTS

NUMBER61,APRIL 2005

ACOG

PRACTICE BULLETIN

(2)

はじめに

• 15年以上前より、HPVと子宮頸癌との関連が明らかとなった • 以来、ウイルスについての理解が深まるにつれ – 感染様式 – 感染危険因子 – ウイルス型による発癌性の違い – 発癌機序 – 無症候性キャリアから 尖圭コンジロームや前癌病変、頸癌への進行 といった重要な研究が行なわれてきた

(3)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(4)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(5)

HPV感染の臨床疫学

• HPV感染の大部分は臨床的に無症候性である • 女性生殖器のHPV可視病変としては尖圭コンジローム が最多 • 典型的病変は、境界明瞭で多発性であり、膣入口部や、 外陰、会陰部、肛門、子宮頸部まで広がる乳頭状増殖を 示す -疫学1-

(6)

•米国での尖圭コンジローム推定症例数(CDCP) 150,000例 360,000例 70,000例 1997年 1987年 1966年 •婦人科検診受診者の尖圭コンジローム( 1984-1987 ) 21‐29歳;0.8% 29‐39歳;0.6% •STD clinicでの尖圭コンジローム( 1986 ) 男性;13% 女性;9%

尖圭コンジロームの疫学

-疫学2-

(7)

• HPV感染は細胞学的診断が可能 • 頸部細胞診での細胞異形検出率(米国) 3.8% total <0.1% squamous cancer 0.8% high-grade squamous lesion

2.9% low-grade squamous lesion

• college-aged womenにおけるHPV感染検出率 28-35% cervical HPV DNA 1-3.6% cytologic abnormalities

HPVの疫学

-疫学3-

(8)

• 頸部浸潤癌症例(米国,2004) 0.26% 頸癌で死亡する 生涯危険率 3,900例 死亡患者数 0.78% 生涯罹患危険率 10,520例 新規患者数

子宮頚癌の疫学

-疫学4-

(9)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染

• HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(10)

HPV感染率に影響を与える因子

• 母集団の統計的性質、行動学的性質 * 長期的研究では点感染率よりも高い結果となる * 年齢が若いほど感染率は高い • 診断法 (点感染率に14~35%の幅が存在) * clinically (尖圭コンジローム)

* cytologically (PAP test) * virologically (DNA detection)

(11)

HPVの感染

• HPV感染は性感染症のひとつである * 尖圭コンジロームに暴露された75%が尖圭コンジロームを発症する • HPV感染の危険因子 1. パートナー数 2. 若年であること(20~24歳が21%で最多) 3. パートナー男性の性的ふるまい high-risk HPV感染の危険因子(持続感染) * 若年であること * 生涯のパートナー数 low-risk HPV感染の危険因子(一時感染) * 子宮頸部の物理的保護(避妊具の使用)を行わない * 過去4~12か月のパートナー数 20-24歳 35歳 50歳 -HPV感染2-

(12)

児への感染

• 母体HPVの新生児への感染率は高くない(?) *ただし,研究によって異なる * 母親がHPV感染者であるときの、児のHPV感染率;<1.5* 新生児,乳幼児のHPV DNA感染率 5~29% HPV非感染母 32~72% HPV感染母 -HPV感染3-

(13)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染

• HPVの自然史

• HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(14)

HPV自然史

• HPV感染の多くは一過性のようである( PCR,核酸検出法) • HPV感染の陰転化に関与すると思われる因子 * 年齢:

24

歳以下;

2/3

30

歳以上;

1/3

* 時間: 次回検査までの間隔

12

か月;

50%

18

か月;

75%

* HPV型: low-risk型;

75

% high-risk型;

50

% • HPV DNA陽性症例50%が陰転化に要する期間 * low-risk型;

4.8

か月 high-risk型;

8.1

か月

(15)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史

• HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(16)

HPVとは?

• 環状二本鎖DNAウイルス

• 塩基配列の相同により約100型に分類され、

約40型が子宮頸部と膣から検出される • 臨床分類はDNA配列によって決定される

cancer causing ― noncancer causing cutaneous ― mucosal • 頸癌発生に必要ではあるが、十分ではない • 頸癌症例の2/3からHPV16,HPV18が検出される • 癌化にはE6,E7(初期癌蛋白)が関与する E6,E7は細胞周期を狂わせ、ケラチノサイトを不死化する • high-risk型ではE6の配列の60%が類似している • low-risk,high-risk全体では35~40%程度 • low-risk HPVが癌に進展することはまれである

(17)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(18)

The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比

Carcinoma ClassⅤ 浸潤癌 扁平上皮癌 ClassⅣ 上皮内癌 ClassⅢb 高度異形成 CIN 3 H-SIL 中等度異形成 CIN 2 L-SIL 軽度異形成 CIN 1 ASC-H ClassⅢa ASC-US ClassⅡ ClassⅡ

Negative for intraepithelial lesions or malignancy

ClassⅠ

正常

The Bethesda system 2001

日母分類

WHO分類 CIN分類

細胞診 組織診

(19)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(20)

子宮頸癌のスクリーニング

• 通常の単回の細胞診の感度は約50~60%であるが,反復 検査することで70~80%に上がる • liquid-based cytologyの感度は85~95% • liquid-based cytologyでさえ、CIN3や癌の15~35%は検出 されない可能性がある

*HPV DNAtesting利用の可能性

– 初期スクリーニング – 細胞診でASC-USとされた患者の選別 – 治療効果判定 – 異型細胞検出されたがコルポスコピーで無病変あるい は微小病変の患者の継続管理 – 細胞診,コルポスコピー,組織診の不一致例の判定

(21)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(22)

DNAtesting施行時期

ASC-US,LSILに対する管理法についてコルポスコピー,DNAtesting, 反復細胞診の比較評価を行なった • 細胞診でLSILと診断された女性の83%はhigh-risk HPV DNA陽性であった (閉経女性はHPV陽性率が低いため除外) • 頸部細胞診でASC-USと診断された女性でのCIN2/3病変 の検出感度 90% DNA testing 85% liquid-based cytology • 上記検査でコルポスコピー施行となる割合 59% 2回目細胞診 67% 3回目細胞診 56% DNA testing • 若年(< 30歳)のほうがコルポスコピー施行例が多い • DNAtestingは年齢に関係なくCIN2/3病変の検出感度が高い ―臨床的考察と推奨― ALTS(2001,NCI)

(23)

DNAtesting施行時期

ASCCP(2001,ACOG) 目的:頸部細胞異型,前癌病変に対する管理について根拠に 基いたガイドラインの作成 • コルポスコピー,DNAtesting,反復細胞診は、ASC-USと診断 された女性の管理に適している • liquid-based cytologyでASC-USと診断された場合は、high-risk HPVのDNAtestingを施行する – 繰り返し受診する必要がなくなる – 最も感度が高い – 全年齢層においてコルポスコピー施行が減少できる • 細胞診でLSIL,ASC-H,腺系異型細胞と診断された場合は、 コルポスコピーを施行する – DNAtestingは費用と効果がつりあわないため推奨されない ―臨床的考察と推奨―

(24)

DNAtesting施行時期

ASCCP(2001,ACOG) high-risk HPV陽性のASC-US、もしくは細胞診でLSILと診断されたが、 初回コルポスコピーでCIN2/3病変がない女性の管理 • 2年間の継続管理期間中に、上記母集団でCIN2/3病変が発見さ れたのは10%のみであり、CIN2/3病変のリスクに差異はない ―臨床的考察と推奨― 10.6% negative biopsy 12.8% normal colposcopy 12.5% CIN1 • CIN3検出感度 64%colposcopy施行 88% 6/12か月後反復細胞診 55%colposcopy施行 95% 12か月後DNAtesting CIN2/3病変のリスク

(25)

DNAtesting施行時期

ASCCP(2001,ACOG) ―臨床的考察と推奨― high-risk HPV陽性のASC-US、もしくは細胞診でLSILと診断され、 コルポスコピーでCIN2/3病変がない女性の管理 • 12か月後にHPV DNAtesting ⇒high-risk HPV陽性ならばコルポスコピー施行 • 6か月後、12か月後に細胞診 ⇒どちらかでASC-US以上であればコルポスコピー施行 • CIN2/3病変の切除や焼灼を施行した女性に対して、治療後 6か月での治療効果判定にDNA testingを推奨する

(26)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(27)

• HPVtestingの感度は高いが、特異度は低い

• HPVtestingと細胞診の併用は、CIN2/3の陰性期待値99~100% • Hybrid Capture 2によるDNAtestingと細胞診との併用検査がス

クリーニング法として承認された(2003,FDA) 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか ―臨床的考察と推奨― 84% liquid-based cytology 58% cytology 100% DNA testing 特異度 感度 94.2% 77.7liquid-based cytology 89% 88.4%

DNA testing ( Hybrid Capture2

CIN2/3の検出感度

(28)

NCI,ASCCP,ACSによる暫定ガイドライン(2003)

1. 30歳以上の女性のスクリーニングには細胞診,DNAtesting 併用検査を用いる • 若年女性はHPV感染率は高いが、自然消失するため CIN2/3予測の特異度が低く、対象外とされた 2. 上記検査が、ともに陰性ならば再スクリーニングは3年後で よい • 細胞診,DNAtestingともに陰性であれば、CIN2/3や癌の可能性は 1000分の1といえる 3. DNAtestingのみ陽性(high-risk HPV)ならば6-12か月後に 再スクリーニング施行 ⇒ DNAtestingのみ再度陽性ならばコルポスコピー施行 4. ASC-H以上、腺系の細胞診異常あればコルポスコピー施行 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか ―臨床的考察と推奨―

(29)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(30)

• 感染予防 *性行為を行なわない *パートナーを限定する *コンドームを正しく使用する(接触回避) • 発症予防( ? ) *コンドーム使用によりHPV感染を洗い流し、異型細胞 が正常化しやすい傾向がある

HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか

―臨床的考察と推奨―

(31)

• HPVウイルスのL1キャプシドワクチン – HPV16に関しては、一時的,持続的感染とも予防効果を示 した • ワクチンの短所 *高価、繰り返し注射を要する。HPV16に特異的である *二価ワクチン( 16/18 ),四価ワクチン(6/11/16/18)治験中 • 性活動期以前にワクチン接種されれば最も効果的であるが、 接種が遅れれば予防効果は低いと思われる • ワクチンが普及し、頸癌の予防効果が現れるのは数十年先で ある

HPVワクチン

HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか ―臨床的考察と推奨―

(32)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(33)

• 尖圭コンジロームはしばしば無治療でも自然治癒するが、多く は不変もしくはサイズや数が増大する • 患者の希望と医師の経験に基づいて治療方法を選択する • 外用薬治療と医療機関での治療に分類される(CDCP) • 治療の継続が重要である • 治療に影響する条件 • 疣贅の大きさ、数。湿潤or乾燥 • 3度の治療に抵抗性の場合や、6度の治療後も治癒しない場合 は再評価の必要がある

尖圭コンジロームの治療

総論 ―臨床的考察と推奨―

(34)

• 外用薬にて患者主体の治療を行う条件 * 薬剤を適切に使用できる * 薬剤塗布部位が識別できる * 患部に手が届く • 外用薬の種類 * Podofilox: 10㎠以下。45-90%治癒、30-60%再発 * Imiquimod: 20㎠以下。70-85%治癒、5-20%再発 • 特に推奨される単一薬剤はない • 妊娠中はいずれも使用すべきではない 患者主体の治療が適当な場合は? ―臨床的考察と推奨―

尖圭コンジロームの治療

(35)

• 凍結療法; 液体窒素により組織を破壊し治療する 治癒率90%,再発率40% 湿潤、乾燥とも治療可能だが、広範囲に及ぶと術後ケアが必要 • 80-90%酢酸; 化学的凝固により治療する 大きく角化した疣贅は酢酸に抵抗性を示す 治癒率60‐80%,再発率不明 周辺組織を損傷しないよう注意が必要 • 外科的治療; 切除(はさみ,メス,電気メス,レーザー) 電気焼灼術 レーザー蒸散 疣贅が小さく少数の場合、広範囲に及ぶ場合ともに適している 治癒率90% 治療が一度で終了 医療者主体の治療とは? ―臨床的考察と推奨―

尖圭コンジロームの治療

(36)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(37)

患者の疑問と回答

「私はどうやって感染したのですか? 」 • 夫婦ともパートナーが生涯ただ一人でなければ、誰でもHPVに 感染する可能性がある • 性器HPVは通常、接触感染であるが、手が媒介となることもあ りうる 「どうしたら性器HPVのリスクを減らせますか?」 • パートナーの数が限られれば、感染のリスクも限られる • コンドームが感染予防になることもあるが、完全に予防するこ とはできない 「パートナーが浮気しているということでしょうか?」 • いつからHPVに感染しているか、どちらが持ち込んだかを追求 することは不可能である ―臨床的考察と推奨―

(38)

患者の疑問と回答

―臨床的考察と推奨― 「治療しても、またパートナーから感染しますか?」 • 付き合いが長いほど、新たなHPVの持ち込みはなく、再感染 のリスクは減少する • どちらか一方が免疫を獲得すれば問題ないが、異なるウイル ス型には効果ない • 他の疾患や加齢、投薬などで免疫低下すると、再興感染の可 能性もある 「妊娠に支障はありますか?」 • HPV感染の妊婦の多くは、妊娠、出産中になんらかのHPV合 併症を経験する(免疫抑制によるHPVの増殖など) • 出生児にはほとんどHPV関連合併症はみられないが、まれ に喉頭乳頭腫に進展することがある • 帝王切開はHPV感染の予防効果はない

(39)

本日の内容

• 疫学

• HPVの感染 • HPVの自然史 • HPVとは?

• The Bethesda System 2001と

従来の細胞診および組織診分類の対比 • 子宮頸癌のスクリーニング • 臨床的考察と推奨 – DNA testingの施行時期 – 30歳以上の女性に対する頸部細胞診を慣例にすべきか – HPVの感染や発症を阻止あるいは減少できるか – 尖圭コンジロームの治療 • 患者の疑問と回答 • 要約と結論

(40)

要約と結論

Level A:

科学的根拠に基づいた推奨

• CIN2/3病変検出に関しては,HPV DNAtestingは頸部細胞診 より感度が高く、組み合わせ検査で陰性であればCIN2/3病変 や癌の可能性は1000分の1である (陰性予測値:99~100% ) • HPV DNA testingは、LSIL,ASC-H、腺系異形と診断された女 性には推奨できない ⇒コルポスコピー施行 • liquid-based細胞診でASC-USと診断された女性に、HPV DNA testing施行すると、感度が高く、繰り返し検査に訪れる必要が なくなり、コルポスコピー施行例が減少する • high-riskHPV陽性で初回細胞診ではASC-US,LSILで、コル ポスコピーでCIN2/3がなければ、2年以内にCIN2/3病変に移 行する危険は10%である

(41)

要約と結論

Level B:

限局した科学的根拠に基づいた推奨

• コンドームの使用は尖圭コンジロームや頸癌などのHPV関 連疾患のリスクを減らす可能性がある • 頸部細胞診,DNAスクリーニングは30歳以上女性に行ない、 ともに陰性であれば3年間はスクリーニングの必要はない • 尖圭コンジロームの再発リスクは、どの治療でも同等であり、 特に推奨される治療法はない

(42)

要約と結論

Level C:

専門的意見に基づいた推奨

• 30歳以上で細胞診陰性,high-risk HPV DNA陽性ならば、 6~12か月後にどちらも再検査する。HPV持続すれば、細胞診 結果に関わらずコルポスコピー施行 • CIN2/3病変に対する切除術,焼灼術の6~12か月後にDNA testingにて治療効果判定施行し、陽性であればコルポスコ ピー施行 • 尖圭コンジロームの治療は、患者の希望と治療者の経験とに 基づいて行う

(43)

細胞診,HPVtesting併用後の取り扱い

3年後再診 6~12か月後 両者再検 12か月後 細胞診再検 コルポ診 コルポ診 細胞診 陰性 HPV 陰性 細胞診 陰性 HPV 陽性 細胞診 ASCUS HPV 陰性 細胞診 ASCUS HPV 陽性 細胞診 SIL HPV いずれでも 初回細胞診 および HPV test 細胞診 ASCUS HPV 陰性 細胞診 SIL HPV 陰性 細胞診 何でも HPV 陽性 両者 陰性 コルポ診 コルポ診 3年ごとの通常 スクリーニング 12か月後 両者再検 (30歳以上) 参照) 産科と婦人科・2006年・2号(49)201

(44)

Human Papillomavirus

M6 河野 麻優子

CLINICAL MANAGEMENT GUIDELINES FOR OBSTETRICIAN-GYNECOLOGISTS

NUMBER61,APRIL 2005

ACOG

PRACTICE BULLETIN

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