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LD(学習障害)児等の対応に係る地方教育施策に関する調査研究

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(1)

LD(学

習障害

)児

等の対応 に係 る地方教育施策 に関する調査研究

A Research on the Local PoLcies of Special Needs Education

for Children with Learning Disabilities/Diriculties in Japan

WATANABE,Akio

キーワー ド

:LD(学

習障害)Learning Disabilities,学 習困難Learning Difficulties,特別 なニーズ 教育Special Needs Educadon,地方教育施策Local Educational Policy

I.

LD(Learning Disabilities,学 習障害)と い う用語が定義つ きで初めて使 われたのは1962年のカー ク(Kirk,S,A.)の 論文か らだ とい う1)。 そ して

,

アメリカでは1963年に全米学習障害児協会

(ACLD,

現在 は全米学習障害協会・

ALD)が

結成 されている。約 四半世紀遅 れで

,日

本 において も1990年 2月 に全国組織 として「全国

LD(学

習障害

)親

の会

J(1996年

12月 に「全 国学習障害児 ・者親の会 連絡会

Jか

ら改称

)が

誕生 している。 また

,LD児

のための「

5年

制高校」(無認可

)と

して見晴台 学園 (愛知県

)が

1990年 4月 に開学 した り

,1992年

には 日本

LD学

会が設立 されている (日本

LD研

究会 として発足 し

,1994年

に学会 に移行)分。 この ような状 況 の下

,1990年

代 に入 つて

LD児

等 に対 す る文部省 の対応 も始 まった。。す なわ ち

,1990年

6月 に設置 した「通級学級 に関す る調査研究協力者会議」(座長・山口薫

)の

審議 に, 文部省 として初 めて

LD児

等 に関す る調査研究 を組み込 んだ。そ して

,1992年

3月 の「通級 に よる 指導 に関する充実方策 について (審議 のまとめ)」 において

,半

数近い頁 を割 いて「Ⅶ 学習障害 児等 に対する対応」 を示 した。その後

,1992年

6月 に「学習障害及 びこれに類似 する学習上の困難 を有する児童生徒 の指導方法 に関す る調査研究協力者会議」(主査 ・山口薫

)を

設置 して調査研 究 を継続 し

,ま

ず1995年 3月 に「学習障害児等 に対す る指導 について (中間報告)」 を

,続

いて1997 年12月に審議 を再 開 して1999年 7月 には「学習障害児 に対す る指導 について (報告)」 を公 に して いる。 さらに

,2000年

5月 に「21世紀 の特殊教育の在 り方 に関す る調査研究協力者会議」(座長 ・ 河合隼雄

)を

設置 し

,主

な検討課題の「

3

これか らの特別支援教育の在 り方 について」 の下 に, 「小 ・中学校 における教育上特別 な支援 を必要 とする児童生徒への対応」 に関する検討 を2001年3 月までの予定で進めている。 この10年間

,上

述の ように

,LD児

等への教育的対応 に関す る検討が中央 レベルにおいてある程 男* 日召 工立 ロ 渡 自も 学

(2)

36

渡部昭男

:LD(学

習障害)児等の対応 に係る地方教育施策に関する調査研究 度進行 して きた。 とはいえ

,LD児

等へ の教育的対応 を実際 に具体化す るのは学校設置主体である 地方公共団体である。 また

,2000年

度か ら実施 された改正地方 自治法 に基づいて

,こ

れ までにな く 地方分権の推進が謳 われている。 この ような状況 を踏 まえて

,本

稿 では

,LD児

等への対応 に係 る 地方教育施策の現状 を把握することを目的 とした。

H方

法 「

LD(学

習障害

)児

等の対応 に係 る地方教育施策 に関する調査」と題 した調査用紙 (巻末 に掲載) を作成 し

,47都

道府県及び12政令指定都市 (以下

,政

令市

),な

らびに

T県

下39市町村 の計98教育 委員会宛 に郵送 し,「

LD児

等への対応 を行 う課 ・係及び職員」 に調査 を依頼 した。調査時期 は2000 年5∼ 6月 であ り

,未

回答の教育委員会 に対 しては7∼ 8月 に督促 を行 った。 回収状況は

,47都

道府県 中の40都 道府県 (回収率

85%),12政

令市 中の

7政

令市 (同

58%),39市

町村 中の31市町村 (同

79%)で

あった。

.結

1.LD児

等の対応 に責任 を有 する部署 と主に対応する学校階梯 (問 1∼ 2) [都道府県

](表

1-1)

回答 のあった40都 道府県 において

,LD児

等の対応 に責任 を有す る部署 (または担 当者

)が

「決 まっていない(検討の予定 も立 っていない)」 (以下,「 未決定」)は

4県

(10%;徳

,愛

,長

崎, 宮崎

),「

目下

,検

討 中である」(以下,「検討中」)は

6県

(15%;福

,長

,岐

,静

,二

重, 島根

)で

あらた。 これに対 して

,正

式決定ではな く当面の担当であること等 を記載 した

4県

(神奈 川

,山

,京

,兵

庫)を含めて

,一

応何 らかの形で「決 まっている」としたのは30都道府県(75%) であった。「特殊教育」「障害児教育」「養護教育」等の名称 を含 む課・係 ・室 ・班・グループ・担 当などが多 く記載 されていた。 また

,LD児

等への対応が着手段 階 にあって実践研 究や啓発・研修 が不可欠であることか ら

,教

育委員会 と教育セ ンター とが連携 して対応 している との記述 も見 られ た。 対応部署が決定 された年度 を記載 した18都府県 について見 ると

,1992年

度∼が

2県

(11%;石

川, 愛知

),1995年

度∼が

6都

(33%;東

,山

,滋

,席

,福

,熊

),1996年

度 ∼が

4県

(220/0,茨城

,栃

木 [親の会対応

],富

,福

),1997年

度∼が

2県

(11%;埼

,佐

),1999

年度∼が

3県

(17%;新

,高

,沖

縄),2000年度∼が

1府

(6%;大

)で

あった。「通級学級 に関する調査研究協力者会議

Jの

「審議のまとめ」(1992年3月

)や

,「学習障害及びこれに類似す る学習上の困難 を有す る児童生徒 の指導方法 に関す る調査研究協力者会議」の「中間報告」(1995 年 3月

)に

呼応 して

,1992年

度 ,1995年 度 に対応部署 を明確 に した都県のあったことが分かる。 主 に対応す る学校 階梯 に関 しては

,記

載のあった27都道府県 の内で,「/1ヽ中」段階が16道県(59%) と最 も多 く,「幼小 中」が

6府

(22%;青

,岩

,秋

,山

,大

,山

口),「/1ヽ中高」が3 県 (11°/o,千葉

,滋

,高

知),「幼小 中高」が

2都

(7%;東

,沖

)で

あった。す なわち, 「義務教育」段階に加 えて「就学前」段階を扱 うとしたのが

8都

府県 (30%),「後期 中等教育」段 階を扱 うとしたのが5者焉県

(19%)で

あった。

(3)

道 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 川 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 山 取 根 山 島 日 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 島 縄 納 青 岩 官 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 稼 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 棚 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 触 沖 鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第

2巻

2号 (2001) 37

1-l LD児

等の対応に責任 を有する部署 と主に対応する学校階梯 小 中 幼小 中 幼小中 小中 幼小 中 河ヽ中 小 中高 幼小 中高 ガヽ中 小 中 州ヽ中 川ヽ中 幼小中 刀ヽ中 小 中高 小 中 幼小中 月ヽ中 幼小中 小中 幼月ヽ中高 月ヽ中 幼小 中 小 中 小中 月ヽ中 中 中 ガ イ 高 中 中 中   中 月 刀 打   川 市 市 市 市 市 屋 市 市 市 市 州 市 幌 台 案 崎 浜 古 都 阪 戸 島 九 岡 札 仙 千 川 横 名 京 大 神 広 北 福 注1)「 」 2)() 3)[ ] (都道府県及び政令市) 部 署 (何年度∼) (未回収) (未回収) 「小中学校課 障害児教育室」(1995∼) 検討中E高校教育課 特殊教育室] (未回収) (未回収) 「指導課 特殊教育班」(昔か らの流れで) 未沢定 [学校教育課 障害児教育指導室] (未回収) 未決定[障害児教育課] 「障害児教育室J(1999∼) 「義務教育課 障害児教育室」(1995∼) 「学校教育課 特殊教育係」(1997∼) 「義義毅暮禁鵜 負伝勢哀手ンターの特殊教育班、生徒指導班が対応] (未回収) 未決定 [学校教育課 特殊教育係] 「学校教育課 特殊教育係」 「県立学校教育課 特殊教育室」(1999∼) 「学校教育部 学務課 就学指導係」(1990∼) (未回収)

略磐

訣推爆 篇衰

援な

「養護教育総合センター」 (1999∼) (未回収) (未回収) 「指導部 養護教育課 学習障害等プロジェク トチーム」 (1996∼) (未回収) (未回収) 「指導第二課」(研修・研究・指導を行 うのは養護教育センター) 検討 中 [発達教育センター 指導係] 内は

LD児

等への対応部署の名称 内は対応部署の決定年度 内は調査に回答 した課・係等の名称

(4)

(T県下市町村) 市 市 市 市 町 町 村 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 村 町 町 町 町 町 町 o u o a O w u u a a o l e l o a o l e o a k a l l o s a 1 1 1 T K Y S K I F F K W M T K S A H T M S H D A S A H Y D N N N M 未決定[学校教育課 指導係] 「教育総務課 指導係」 「学校教育課 指導係」 未決定[教育総務課] 「学校教育係J(1998∼) 未決定 [学校教育課] 未決定[?] 未決定[係制廃止] 未決定[学校教育係] 未決定 [総務教育係] 検討中[?] 「教育総務課J 「学校教育係J 未決定[総務教育課] 「総務学事係」(正式決定ではない) 未決定[教育課] 未決定[総務教育課 学事係] 「庶務学事係」 (1995∼) 「?」 「教育課」 未決定[教育課 庶務・ 学校教育係] 未決定[教育課 学事係] 「係制廃上(学校教育担当者)」 (1999∼) 「?」 「教育委員会学事」 未決定[?] 未決定E学校教育係] 未決定[?] 未決定[?] 「総務学事課J 「学校教育係J 表

1-2 LD児

等の対応 に責任 を有 す る部署 と主に対応する学校階梯

38

渡部昭男

:LD(学

習障害)児等の対応 に係る地方教育施策に関する調査研究 [政令市

](表

1-1)

回答のあった

7政

令市 において,「検討 中J の

2市

(29%;千

葉市

,福

岡市

)を

除 く

5市

(71%;札

幌市

,川

崎市

,横

浜市

,大

阪市, 北九州市

)が

何 らかの形で「決 まっている」 としていた。その内

,横

浜市 は「他の部署(普 通教育

)と

も連携 を前提」 としてお り

,ま

た 大阪市 は「学校教育全体 の課題であるためプ ロ ジェク ト(学習 障害等 プ ロジ ェク トチ ー ム ;幼 ・小 ・中・高 。養の各校種担当の指導 主事で組織

)を

結成 した」 とあ り

,通

常教育 と障害児教育 との新 たな連携 による対応姿勢 が特徴的であった。 対応部署が決定 された年度 に関 しては

,札

幌市が1990年度∼ と早期 であ つた他 に

,1996

年 度∼が1市 (大阪 市

),1999年

度 ∼が1市 (横浜市

)で

あった。 主 に対応する学校 階梯 に関 しては

,記

載の あ った

5市

の内 で,「/Jヽ中

Jが

4市 (80%;

札幌市

,横

浜市

,大

阪市

,北

九州市),「幼小 中」が1市

(20%;川

崎市)であった。 なお, 「後期 中等教育」段階を含 む とす る回答 はな かった。 [市町村

](表

1-2)

回答のあった31市町村 において,「未決定

Jが

過半数の16市町村

(52%)に

及 んだ。「検討 中

Jは

1町 (30/0)であ り

,何

らかの形で「決 まっている」 としたのは14市町村

(45%)で

あつた。対応 部署 ならびに調査 回容課 。係等 は

,都

道府県及び政令市のように「特殊教育」「障害児教育J「養護 教育」等の名称 を冠 した専 門部署 ではな く,「学校教育」「教育」「総務」「庶務」「学事

Jな

ど一般 の課 ,係 ・担当者であった。なお

,係

制 を廃止 した との記載が

2町

に見 られた。 対応部署が決定 された年度 に関 して記載 のあったのは

3町

であ り

,1995年

度∼

,1998年

度 ∼, 1999年度∼が各1町であつた。 主 に対応す る学校階梯 に関 しては

,記

載のあった10市町村 の内で,「幼

Jが

1町

(10%),「小」 が

2市

町 (20%),「幼小」が

3町

村 (30%),「/1ヽ中」が

4市

(40%)で

あ った。す なわち,「義 務教育」 において

,小

学校段階は

1町

を除 く

9市

町村

(90%)が

対応 していたが

,中

学校段階は4 市町

(40%)し

か対応で きていなかった。 2.「中間報告」「報告」の認知 。理解度 と想定する対象児 (間 3∼ 5) [都道府県

](表

2-1)

「学習障害及びこれに類似す る学習上の困難 を有す る児童生徒 の指導方法 に関す る調査研 究協力 者会議」 の「学習障害児等 に対す る指導 について (中間報告)」 (1995年 3月27日 ;以 下,「中間報

(5)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第

2巻

2号

(2001) 表

2-1「

中間報告」「報告」の認知 。理解度と想定する対象児 (都道府県及び政令市) 自治体

H7中

間 H ll報告 想定す る対象児 道 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 川 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 山 取 根 山 島 日 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 島 縄 海                         奈                               歌                               児 北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 二 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 ◎深 く理解 ○一応承知 ○一応承知 ○一応承知 ◎深 く理解 ◎深 く理解 O一応承知 ◎深 く理解 O一応承知 (未回収) ◎深 く理解 O一応承知 ◎深 く理解 ◎深 く理解 O一応承知 O一応承知 O一応承知 O一応承知 O一応承知 O一応承知 ◎深 く理解 O一応承知 O一応承知 O一応承知 ○一応承知 O一応承知 ◎深 く理解 ○一応承知 (未回収) (未回収) ◎深 く理解 ◎ 深 く理 解 (未回収) (未回収) ◎深 く理解 O一応承知 (未回収) O一応承知 ○一応承知 ◎深 く理解 ◎深 く理解 ◎深 く理解 ◎深 く理解 (未回収) O一応承知 ○一応承知 ○一応承知

怒執

一応

一応

一応

一応

Ж

一応

一応

一応

一応

〇 

O◎

知 知 解 解 解 解 承 承 理 理 理 理 応 応 く く く く 一 一 深 深 深 深 O O ◎ ◎ ◎ ◎ ◎深 く理解 O一応承知 ◎深 く理解 ○一応承知 ○一応承知 O一応承知 O一応承知

LD児

LD児

ADHD児

等 (学習上特別 な配慮が必要な子を含む)

LD児

ADHD児

何 らかの中枢神経系の機能的な障害に起因す る子(注1)

LD児

ADHD児

LD児

ADHD児

等(軽度 の知的障害・自閉的傾向を含む)

LD児

ADHD児

、高機能 自閉症児等

LD児

、特別 な支援が必要な子

LD児

LDが

疑われ る子

LD児

ADHD児

(それ以上は広げるつ もりはない〉

LD児

、類似す る学習上の困難 を有す る子

LD児

ADHD児

等 検討中

LD児

LD児

LD児

LD児

、その周辺児

LD児

ADHD児

、学習上特別な教育ニーズを有す る子

LD児

LDの

的確 な判断がまだな されていない子

LD児

ADHD/ADD児

,高機能 自閉症児等

LD児

LD児

LD児

ADHD児

、高機能 自閉症児

LD児

+α 未 定

LD児

LD児

、学習困難児

LD児

ADHD児

等 (大き く拡大は しない) 検討中

LD児

ADHDの

よ うな行動障害等のある子

LD児

LD児

ADHD児

、高機 能 自閉症児

LD児

、 同様 の状態像 を呈す る と認 め られ る子

LD児

ApHD児

等 等 児 症 閉 自 等 や 児 害 症 障 閉 的 自 知 能 の 機 度 高 軽 等 等   ヽ ヽ 児 児   児 児 D D   D D H H   H H D D   D D A A   A A α ヽ ヽ     ヽ ヽ 児 児 児 児 児 児 D D D D D D L L L L L L 市 市 市 市 市 屋 市 市 市 市 州 市 幌 台 葉 崎 浜 古 都 阪 戸 島 九 岡 札 仙 千 川 横 名 京 大 神 広 北 福 解 > 知 知 知 > > 知 > > 解 解 理 収 承 承 承 収 収 承 収 収 理 理 く 回 応 応 応 回 回 応 回 回 く く 深 未 十 一 一 未 未 一 未 未 深 深 ◎ く O O O < く O ぐ く ◎ ◎ ◎深 く理解 ○一応承知 O一応承知 ◎深 く理解 ○一応承知 ◎深 く理解 ◎深 く理解

LD児

+α LD児、

LDの

疑いがある周辺児 LD児+α 児 D L ナ る 中 す 究 有 研 せ く 併 児 を 辺 害 周 障 D の L 他 等 の ヽ 児 等 児 D D D H H H D D D A A A 児 児 児 D D D L L L ①学習の遅れや教科間のアンバランスが著 しい子,②運動面でぎこちなさや不器用 さが見 られる子,③性格や行動面で気になることが見られ,学習指導や学級経営上で支障を来 し ている子 (離席,集中力の久如,多動傾向,集団不適応,奇声を発する等),④こだわ り や特異的な行動が見 られる子。

(6)

40

渡部昭男

:LD(学

習障害)児等の対応 に係る地方教育施策に関する調査研究 告」)及 び「学習障害児に対する指導について(報告)」 (1999年7月 2日 ;以下

,

時R告」)の認知 ・ 理解度 を

4つ

の選択肢で問うた。すなわち,「

1)出

されたことも知 らなかった」(表

2で

は「×報 告不知」),「

2)出

されたことは知っていたが

,内

容については知 らない」(「△内容不明J),「3) 内容について

,国

の啓発資料等 を通 じて

,一

応は承知 している」(「○一応承知」),「

4)内

容につ いて

,独

自に検討 を行 う等 して

,深

く理解 している」(「◎深 く理解」

)で

ある。 回答のあった40都道府県において,「 ×報告不知」ならびに「△内容不明」はなかった。そ して, 「中間報告」時隧告」ともに「○一応承知」が20府県

(50%),「

中間報告」が「○一応承知」で 時R 告」が「◎深 く理解」 というのが

4県

(10%),「 中間報告」が「◎深 く理解」で「報告」が「○一 応理解

Jと

いうのが

2県

(5%),と

もに「◎深 く理解」が14都道府県

(35%)で

あつた。記入者 の主観的判断 とはいえ

,最

終の「報告」 を半数近 くの都道府県が「深 く理解」 していた。 ところで

,用

語に関 して,「中間報告」では「学習障害児等」 と「等」が付けられていたが,「報 告」では「等

Jが

外 されている。一方

,調

査研究協力者会議の名称は「学習障害及びこれに類似す る学習上の困難 を有する児童生徒」 となってお り

,LD児

のみに限定 した名称 とはなっていない。 また

,文

部省の作成 した教師用啓発資料『学習障害

(LD)児

等の理解 に向けて みつめよう一人 一人を』では副題 として「学習上特別な配慮が必要な子 どもたち」が使用 され

,今

春か ら始まった 「21世紀の特殊教育の在 り方に関する調査研究

Jの

柱では「特別な教育ニーズを有する児童生徒J 「教育上特別な支援を必要とする児童生徒

J等

とされている。これらに関わつて

,教

育委員会が, 「

LD児

等への対応

Jと

いう場合に

,現

在 どのような対象児 を想定 しているのかを問うた。 「未定

J(京

)及

び「検討中J(ネ申奈川

,島

)の

3府

(8%),並

びに「

LD児

に限定 してい る」の

4道

(10%;北

海道

,静

,愛

,福

)を

除 く33都府県

(83%)は

,「

LD児

を含む『学 習上特別な配慮が必要な子 どもたち』を広 く想定 している」 と回答 していた。ただ し

,広

く想定す る場合 にも,「明確 な判断基準が示 されていない時点で限定することは困難」(山形),「LDと 判断 する専門家チームが組織化 されていない」(富山),「

LD児

の実態把握が されてお らず

,ま

,LD

児 と判断するに足るだけの組織等(専門家チームの編成

,親

の依頼等の条件)が ないためJ(山梨), 「それ (LD児 及び

ADHD児

)以上に広げるつ もりはない」(埼玉

),「

大 きく拡大はしない」(鳥取), 「個に応 じた指導の観点から……広い範囲で姑象を捉えている」(1中縄

)な

,微

妙なニュアンス の違いが認め られた。具体的には

,LD児

に加えて「

ADHD児

」 を挙げたのが18都県 (45%),「 高 機能自閉症児」「軽度の自閉症/自閉的傾向児Jを挙げたのが

7県

(18%;山

,福

,岐

,三

重, 佐賀

,長

,宮

崎),「軽度の知的障害児

Jを

挙げたのが

2県

(5%;山

,長

崎),「類似する学習 上の困難 を有する子/学習困難児

Jを

挙げたのが

2県

(5%;千

,兵

),他

に「

LDが

疑われる 子」「

LDの

的確 な判断がまだなされていない子」等であった。宮城県は「何 らかの中枢神経系の機 能的な障害に起因する子」 としていた (表

2-1の

注 1に 列挙)。 [政令市

](表

2-1)

「中間報告」時R告」の認知・理解度については

,回

答のあった

7政

令市 において

,都

道府県 と同 様に「×報告不知」ならびに「△内容不明」はなかった。そ して,「中間報告」「報告」 ともに「○ 一応承知」が

3政

令市 (43%),「 中間報告」が「○一応承知」で「報告」が「◎深 く理解」 という のが

1政

令市

(14%),

ともに「◎深 く理解」が

3政

令市

(43%)で

あった。 想定する対象児 については

,記

入のあった

6政

令市において「

LD児

に限定 している」 ところは な く

,全

てが「

LD児

を含む『学習上特別な配慮が必要な子 どもたち』を広 く想定 している

Jと

回 答 していた。「

LD周

辺児」の他に

,具

体的に「

ADHD児

」を挙げたのが

3政

令市(千葉市

,川

崎市,

(7)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 。人文科学 第

2巻

2号

(2001) 41

横浜市

)で

あった。 [市町村

](表

2-2)

「中間報告」「報告」の認知・理解度については

,回

答のあった31市町村において

,都

道府県及び 政令市 と異なって「×報告不知」 または「△内容不明」が多 く見 られた。すなわち

,と

もに「×報 告不知」が

7町

村 (23%),「 中間報告」が「

X報

告不知」で「報告」が「△内容不明」 というのが

5町 (16%),と

もに「△内容不明」が

8市

町村 (260/0)であった。「中間報告」欄 に未記入で「報 告」が「△内容不明」の 1町 も含めると

,い

ずれかは「○一応承知」という認知 ・理解度にさえ至っ ていない ところ力詑1市町村

(68%)に

も上 った。残 る10市町村は,「中間報告」が「△内容不明」 で「報告」が「○一応承知」 というのが

4市

町 (13%),「 中間報告」が「○一応承知」で「報告J が「△内容不明」 というのが

1町

(3%),と

もに「○一応理解」が

5市

(16%)で

あつた。「◎ 深 く理解」 とした回答は皆無であった。 想定する対象児については (上述のような認知・理解度の下で

),記

入のあった26市町村 におい て,「

LD児

に限定 している」 と回答 した ところが約2/3の 17市町村

(65%)に

上 った。一方,「

LD

児 を含む『学習上特別な配慮が必要な子 どもたち』を広 く想定 している」と回答 した

9市

町村 (35%) では

,都

道府県及び政令市のように「

ADHD児

」「高機能自閉症児」といった用語は見 られず

,「

多 動的傾向児J「知的障害児 (軽度)」 の他 にも「介助を要する子」「学力・性格・行動等に配慮の必 要な子」「病欠等により学習の遅れている子」「学力に障害のある全ての子」として表現 されていた。 表

2-2「

中間報告」「報告」の認知・理解度と想定する対象児 (T県下市町村) 市町村 H7中間 H ll報告 想定す る対象児 市 市 市 市 町 町 村 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 町 村 町 町 町 町 町 町 o u o a o w u u a a o l ? l o a o ・ l e o a k a l l o s a k i l T K Y S K I F F K W M T K S A H T M S H D A S A H Y D N N N M △内容不明 ×報告不知 △内容不明 ○一応承知 △内容不明 ×報告不知 △内容不明 ×報告不知 ○一応承知 △内容不明 ×報告不知 ×報告不知 △内容不明 △内容不明 ×報告不知 ○一応承知 明 知 明 知 知 知 知 明 知 知 知 知 明 明 不 承 不 承 承 不 不 不 不 不 不 不 不 不 容 応 容 応 応 告 告 容 告 告 告 告 容 容 内 一 内 一 一 報 報 内 報 報 報 報 内 内 △ 〇 △ 〇 〇 × × △ x × × × △ △

一応承知

一応承知

抑的蜘脚

脚鰤鰤脚

一応承知

抑脚脚脚

一応承知

脚脚脚脚

脚脚鰤蜘

一応承知

蜘酌

一応承知

△ 〇 〇 〇 〇 × × △ △ × × △ 〇 〇 △ △ △ △ 〇 △ △ △ △ △ △ × × O △ × ○ LD児、多動的傾 向児、介助 を要す る子 LD児 LD児 LD児、学力・性格・行動等に配慮の必要な子 LD児 LD児 LD児+α LD児 LD児 LD児 LD児 LD児 LD児 LD児 LD児 LD児 LD児 LD児 LD児、病欠等により学習の遅れている子 LD児、知的障害 (軽度)で普通学級 に在籍 している予 LD児+α LD児+α LD児十 α(LDの認定が困難である為) LD児、学力に障害のある全ての子 (テス ト等 による採点) LD児 LD児

(8)

42

渡部昭男

:LD(学

習障害)児等の対応に係る地方教育施策に関する調査研究

3.国

の事業等の活用 と独 自の取 り組み (問6) [都道府県

](表

3-1)

1999年 7月 の「報告」では

,ま

ず「

1.は

じめに」 において

,こ

の間にお ける

LD児

等 に関す る 文部省 の施策 を3つ列記 していた。す なわち,「

A:『

みつめ よう一人一人 を』等 の指導資料 や理解 啓発資料の作成・配布J「

B:学

習障害児等調査斬 究協力校 の事業 による実践研 究」「

Ci学

習障害 児等指導相談事業 による巡回指導」 である。 これ らの施策 を

,教

育委員会が どの ように活用 して き たか を,「

1)資

料が出 されたこ とも知 らなかった

/こ

う した事業が あるこ とも知 らなか った」, 「

2)資

料が出されたことは知 っていたが

,活

用で きていない

/事

業の存在 は知 っていたが

,事

業 は受けていない」,「

3)資

料 を活用 した

/事

業 を受けた」 とい う3つの選択肢 で問 うた。 まず,「

A:指

導資料や理解啓発資料 の作成・配布Jに関 して記載のあった40都 道府県の内,「 1) 知 らなかった

Jは

な く,「

2)活

用 で きていない」が

7道

府県

(18%)で

,「

3)活

用 した

Jが

33都 府県

(83%)に

上 った。具体的には

,各

教育事務所

,市

町村教育委員会

,小

中学校

,盲

・聾 ・養護 学校 などに配布 したこと

,研

修会・講演会で参加者 に配布 したこと

,独

自の啓発資料 を作成す る為 の基礎資料 としたこと等が記 されていた。 次 に,「

B:学

習障害児等調査研 究協力校 の事業 による実践研 究」 に関 して記載 のあ った39都道 府県の内

,「

3)事

業 を受けた」は11都県

(28%)で

あ り,「

1)知

らなかった」はなかった ものの, 「

2)事

業 は受 けていない

Jが

28道府県

(72%)に

上 った。 また,「

Ci学

習障害児等指導相談事 業 による巡回指導」に関 しては

,記

載のあった40都 道府県の内,「

3)事

業 を受 けた」は14都県(35%) であ り,「

1)知

らなかった

Jが

2県

(5%),「

2)事

業 は受 けていない

Jが

24道 府県

(60%)で

あった。全都道府県 を対象 とした理解啓発資料 の配布等 と異 なって

,指

定件数が限 られた事業 にお いては

,都

道府県の2∼

3割

台 しか活用で きていない状況が うかがえた。 なお

,都

道府県の取 り組み と しては

,独

自の理解啓発資料 ・指導手 引 き等 の作成 配布 や

,研

修 会・講座等 の開催が多 く見 られた。他 には

,検

討委員会・調査研究会 な どの設置

,LD児

等 の実態 調査

,指

導の在 り方等 に関す る実践研究

,保

護者 も対象 に した相談活動

,LD等

専 門教員 の養成配 置などが記 されていた。 [政令市

](表

3-1)

国の事業等 の活用 に関 しては

,ま

ず「

A:指

導資料や理解啓発資料 の作成 ・配布

Jに

ついて

,記

載のあった

7政

令市の全てが「

3)活

用 した」であった。具体的には

,各

学校への配布

,教

員研4多 や講演会等の資料

,独

自の啓発資料 を作成す る為の基礎資料 などが記 されていた。 次 に,「

BI学

習障害児等調査研究協力校 の事業 による実践研究」「

Ci学

習障害児等指導相談事 業 による巡 回指導」 に関 しては

,記

載 のあった

7政

令市の内,「

3)事

業 を受 けた」 のは

1政

令市 (横浜市 ;「

BI学

習障害児等調査研究協力校 の事業 による実践研究」)の みであ り

,他

は全 て「2) 事業 は受けていない」であった。 政令市の取 り組み としては

,独

自の理解啓発資料 の作成配布や研修会の開催が多 く見 られた。他 には

,検

討委員会 ・研 究 プロジェク トの設置

,個

別指導学級での実践

,LD児

等 の実態把握

,学

習 障害児等支援事業などが記 されていた。 [市町村

](表

3-2)

市町村 においては

,都

道府県及 び政令市 と異 な り

,国

の理解啓発資料 はほ とん ど活用 されていな かつた。す なわち

,回

答のあった31市町村 において,「

A:指

導資料や理解啓発資料 の作成 ・配布J についてわずかに1市

(3%)が

3)活

用 した」(具体的には「各学校 に送付」

)と

回答 したのみ

(9)

自治 体 北海道 青 森 岩 手 宮 城 秋 田 山 形 福 島 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 東 京 神奈川 新 潟 富 山 石 ザII 福 井 山 梨 長 野 岐 阜 静 岡 愛 知 三 亀 滋 賀 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和 歌 山 鳥 取 島 根 岡 山 広 島 山 口 徳 島 香 サ│ 愛 媛 高 知 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿 児 島 沖 縄 鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・大文科学 第

2巻

2号

(2001) 表

3-1

国の事業等 の活用 と独 自の取 り組 み 独 自の取 り組 み 検討 委員会 の設 置、実態調査 に向 けて検討 中 理解啓発 資料 の作成,配蒲 (1993)、 県総合 学校 教育センターでLD・ADHD関 連の講話 を予 定(2000) 県総合 教育セ〃―での「学習障 害児 の指導方法 、指導 内容 の在 り方 に関す る研 究J(1992つ4) 独 自の啓発 資料 (指導者用 の手引き)の作成 配布 を予 定 (2000) 県総合 教育セ〃いでの研修講座 、担任 か らの相 談 の受付 、特殊 学級新担任 を対 象 と した府 夕`―片 ド研修 の実施 『 一人一人に応 した教育』の発刊(1998)、 各種研修会の実施、「学習障害児等理解啓発事業」の実施 軽度障害児指導法セミ■、LD児等の教育研修講座、心身障害児′ヽンドガック『LD(学習障害)』の発行 県内 lo小 学校で「学習障害児等相談事業」(専門家を派遣 して相談活動)を実施 (2000) とD児に対する指導方法等に関する実践研究(文部省委嘱、2000‐01)、 総合教育センターでの教育研修 『学習障害児等の指導』等の作成配布(1997‐98)、 教育センターでの研修会(1997‐ 99)、 文部省委嘱事業(2000‐01) 『 障害児教育指導資料』の発行、特殊教育センタ中での実践研究・研修講座、一般県民対象の公開講座(2000) 独自の啓発資料の作成配布、研修会の開催 『援助を待つている子どもたち』の作成配布(1994)、 教育センタいでの指導法研究(1993・ 94)、 研修会の開催 LD児に対する研究協議会の設置(幅広い意見の聴取と政策への反映)、 LD児の実態調査 サークレット(4シリーガ)の作成配布、LD児等教育研修会(年3回)、 LD児等の援助・指導の在 り方の研究 啓発資料の作成配布(1999)、 教育センターでの研修会、県下6ケ所での教育講演会、相談事業 専門委員会の開催 LD児に対する指導方法等に関する実践研究(文部省委嘱、2000‐ 01)、 県特殊教育センターでの研修講座(1999‐) 小中学校中堅教員対象の理解啓発研修会(2000・ 02)、 国立特殊教育総合研究所の指導者研修への参加 総合教育セント研修講座等の開催、同センル研究紀要への研究内容の掲載、県特殊教育教育課程指導書(2001) 総合教育センターでの研修・重点講話、同センル研究員会による実践研究及び発表(1994‐99) 教員向け資料の作成配布、研修会の開催 抜粋資料の作成、誌習会や研修会の開催 啓発資料の作成配本、各研修内容にLD関連を盛 り込む、学習障害等教育相談の開始 (2000・) 府総合教育セ〃―での指導資料の作成・講座の開催 「学習障害等学習困難児の調査研究会J(1993‐94)、『 わかって !ぼ くのこと わたしのこと』の作成配布(1996) 県教育研修センターの講座、LD等専門教員の養成配置(3名X4ケ 年)・ LD等研修会 ,理解啓発資料(2000う 「LD児の教育的援助」や「通常学級に在籍する学習や行動等に困難を示す子どもへの支援の在り方Jの研究 資料『学習障害児の理解と指導に向けて』のlth配布 巡回教育相談の実施、LD児の実態把握に関して県教育センターと協議予定 県教育センターでの調査研究・専門講座・長期研修、指導者講習会、教員研修会、文部省の事業・協力校・研究 資料『配慮を必要とする児童生徒の理解と指導―学習障害(LD)児等を中心に―』の作成配布 『学習障害及びそれに類似する学習上の困難を有する児童』(県教育センタ・lの作成 回立特殊教育総合研究所への辞習会派遣、特殊学級担任教員研修会、巡回教育相談による保護者相談 県教育研修セ〃中での公開講座(1996‐) 教育セ〃―での「LD児等の指導に関する研究」と研究成果の公開・研究誌の配布、通常学級担任の研修講座 学習障害児等調査研究運営会議を設置し研究協力校を指定して実践的研究を進行中 研修 事業(研修会,教育講演会・研修 講座)の 実施(1992つ、指導資料 を発行 予定(2000) 千葉 市障 害児 教 育検討委員会 に よる検討 巡回指導 を含む情緒障害通級 につ い ての研 究ダ ロデェクトを発 足 し研 究 中 啓発 資料 の作成 、研修 会 の開催、個別指 導学級 を開設 し通級及び訪 問指導 、文部省研 究協力事業(2000‐) 養護 教育研修 会 の実施、啓発資料 の作成配布,ス中励ウたラーの研修会,実態把握 等の研究 を予定 啓発 リーフレタトの作成配布(1998)、 研修会 の開催 、養 護 教育センターでの委嘱研 究、学 習障 害児等支援事業(1999‐) 研修 事業 項 目相 のABCは ,「A:指導資料や理解 啓発 資料 の作成・ 配布 」,「B:学習障害児 等調 査研 究協力校 の事業 に よる実 践研 究」,「C:学習障害児等 指導相談事業 に よる巡回指導」 とい う国の事業 を指す。 回答襴の数字は,「1:知らなかつたJ,「2:知っていたが,活用できていない/事業は受けていないJ,「③:活用した

/

事業を受けた」という選択肢を指す。 札幌 市 仙 台市 千葉 市 川崎 市 横浜市 名 古屋 京都 市 大阪市 神戸市 広 島市 1ヒ九州 福 岡市 注1) 2) (都道府 県及び政令 市) 2 2 2 ③ 22 ③ 22 ⑥ ⑥ ③ ⑥ ③ 2 ③ ③ ③ 22 ③ ③ 2 22③ (未回収) ③ ③ ③ ③ 2③ ⑥ ③ ⑥ ③ ③ ③ 2 2 1 ③ 2③ ③ 2③ ③ 2③ ③ 22 ③ 22 ③ 22 2 2 1 ③ ③ ③ ③ 22 ③ ③ ③ 2 2 2 ③ 22 ③ ③ 2 (未回収) (未回収) ⑤ 22 ③ 22 (未回収) (未回収) ③ 22 2 2 2 (未回収) ③ 2③ 2 2 2 ③ ③ ③ ③ ③ 2 ③ 22 ③ 22 (未回収) ③ 22 ③ 22 ③ 22 ③ 22 (未回収) ③ 22 ③ 22 ⑥ ③ 2 (未回収) (未回収) ③ 22 (未 回 収) (未 回 収) ③ 22 ③ 22

(10)

渡部昭男

:LD(学

習障害)児等の対応 に係 る地方教育施策に関する調査研究 表

3-2

国の事業等 の活用 と独 自の取 り組 み 独 自の取 り組 み であった。そ して,「

1)知

らなかった」は

7町

(23%),「

2) 活用できていない」は23市町村

(74%)に

上った (ただ し

,県

が学校等へ直接送付 したことも考えられ

,市

町村教育委員会の 回答が市町村立校 における国の理解啓発資料の活用度の低 さを 示す とは言えない)。 また

,市

町村が指定対象ではない事業においては

,当

然なが ら事業の存在 さえあまり知 られていなかった。すなわち,「1) 知 らなかった」が「

B:学

習障害児等調査研究協力校の事業に よる実践研究」 については20市町村

(65%)(残

りの11市町は 「

2)事

業 は受 けていない」),「

C:学

習障害児等指導相談事 業による巡回指導」 については21市町村

(68%)(残

りの19市 町は「

2)事

業は受けていない」)イこ上った。 市町村の独 自の取 り組みとしては

,わ

ずかに

2市

町から「県 教委への加配教員の要求J「教育相談員 による学校巡回」が報 告された。

4.校

内委員会・専門家チーム及び「個 に応 じた指導」(問7 ∼8) [都道府 県

](表

4-1)

「報告」では,「

2.学

習障害の定義 について」「

3.学

習障 害の判断・実態把握基準」及びその「試案」が記述 されてお り, To市 Ku市 Yo市 Sa市 Ko町 Iw町 Fu村 Fu町 Ka町 Wa町 Mo町 Ti町 Ke町 S i町 Ao町 Ha町 To町 Mi町 Se町 Ho町 Da町 Ak町 Sa町 Ai町 Hi村 YO町 Ds町 Na町 Nk町 Ni町 Mi町 県教委への加配教員の要求 教育相談員による学校巡回 その中で実態把握 と判断の為 に「校内委員会」 と「専 門家チーム」の設置 を謳 っている。そこで, 教育委員会が どの ように文す応 (対応 を予定

)し

ているか を問 うた。 まず

,学

校 における実態把握のための「校内委員会」について

,記

載のあった39都道府県の内で, 「

4)設

けるか否か未検討である」 または選択肢 にはなか った「検討 中」 と回答 した ところ力詑7府 県

(69%)に

上 った。他 は

,「

1)障

害児のための既存の『校内就学指導委員会』を当てている (当 てる方針 である)」 が

7県

(18%;岩

,秋

,福

,福

,岐

,山

,鹿

児 島),「

2)そ

の他 の既存の F教育相談のための委員会』等 を当てている (当てる方針である)」 はな く,「

3)新

たに

LD児

のための『校内委員会』 を設 けている (設ける方針 である)」 が

4都

(10%;栃

,埼

玉, 東京

,愛

知。いずれ もモデル事業の指定 を受 けた都県

)で

あつた。 なお,「学校 の判断に委 ねる」 との回答が

1道

(3%;北

海道

)に

見 られた。 次 に

,LD児

の判断のための「専 門家チーム」について

,記

載のあった39都道府県 において,「 5) 設けるか否か未検討である」または選択肢 にはなかった「検討 中」と回答 した ところ力認5府県(640/0) に上 った。他 は,「

1)障

害児 のための既存 の F都道府県就学指導委員会』 を『専 門家チーム』 と して当てている (当てる方針 である)」 が

2県

(5%;青

,秋

田―「既存 の就学審議会 に分科会 を設置す る予定」),「

2)そ

の他 の既存の『教育相談のための委員会』等 を当てている (当てる方 針である)」 が ユ県

(3%;宮

城―「要請教育相談」),「

3)国

のモデル事業 として新 たに F専門家 チーム』 を設 けている (設ける方針 である)」 が

7都

(18%;栃

,埼

,東

,福

,愛

知, 滋賀

,福

岡。当然 なが ら

,い

ずれ もモデル事業の指定 を受 けた都県),「

4)都

道府県の独 自事業 と して新 たに『専 門家チーム』を設けている(設ける方針である)」 が

4道

(10%:北

海道

,新

潟, 2 2 ③ 2 2 2 1 2 2 2 1 2 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 2 1 1 2

(11)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第

2巻

2号

(2001) 45

4-1

校内委員会・専門家チーム及び「個に応 じた指導」 (都道府 県及び政令 市) 注1)項目欄のABは,A:校内委員会,B:専門家チームを指す。 2)回答相の◎Oは ,◎:既に取組中,①:今後取組予定を示す。 3)項目欄及び回答相の数字は,巻末に掲載 している「調査用紙:『都道府県及び政令指定都市』用Jを参照のこと。 4)自治体欄の☆印は,「学習障害児の判断 '実 態把握体制等に関するモデル事業」及び 「学習障害児等に対する指導充実事 業J(2000‐01)の 文部省指定を受けた15自治体を示す。 自治体 A B 123456789 備 考*学校 の判断 に委 ね る 北海道 背 森 岩 手 宮 城 秋 田 山 形 福 島 茨 城 栃 木☆ 群 馬 埼 玉☆ 千 葉 東 京☆ 神 奈サI☆ 新 潟 宮 山 石 )II 福 井 ☆ 山 梨 長 野 岐 阜 静 岡 愛 知☆ 二 重 滋 賀☆ 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和 歌山☆ 鳥 取 島 根 岡 山☆ 広 島 山 口 徳 島 香 川☆ 愛 媛 高 知 福 岡☆ 佐 賀 長 崎 熊 本 人 分 宮 崎 鹿 児 島 沖 縄 3 3 (未回‖ 3 3 検討 中 3 3 検討 中 4 4 4 5 4 4■ 1 3 4 5 4' 54 1 5■ 4 5 3 3 4 5 4 3 4■ 5■ 4 5 4 5 (未回H (未回H 4■ 5■ 検討 中 (未回1 (未回H 1 5 4 5 (未回H 4 5 4 5 4 3 4 5 4 5 4 5 (未回1 4 5 1 5 4 4奉 4 1 5 雰 r 5 5 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ 〇 〇           〇   ◎       ◎ ◎     ○   ◎ ◎ ○       ○                       ◎       ◎ 〇                                 〇   ◎ ◎     ◎ ◎       ◎     O ◎ O O   ◎       ○ ◎ ○             ◎                       ○     ○ ○       ○       ◎     ○ ◎           ○   ◎ O   O O   O   ◎ ◎             ◎   O O   O O ◎ 〇 〇 ◎ O ◎ O O ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ , ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎   ◎ 〇 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ O ◎ ◎ ◎     ◎     〇 ○ ◎       ◎       ◎ ◎   ◎ ◎     O O     O ◎     ○     ○ ○ う う ◎   , , ◎ ◎ ,   ○ ◎   ◎ ① > ◎ ◎ ○ 24要請教 育相談 14既存 の就学審議会 に分科会 を設 置す る予定 *県教 育センターでの調査研 究 を充実 させ る予 定 4本学習障害等専門委員会 ◎1・8)県特殊教育センターの学校巡回指導事業 、研修事業等 で既 に対応 *教育センター特殊教 育部 の巡回教 育相 談 にLD児の専門家 を入れ る予定 4454国の動 向をみ なが ら検討 して い く 5寺設 け る方針 で あ るが未 定。 ◎3・56・7)で 現 実に受 け入れ てい る ◎■文部省指定の学習障 害児等指 導相 談事業 に よる o手 言葉 の面のみ指 導。*教育相 談対応 (担任 へ の支援体制 の権 立) 41154設けるであろ うが どん な形態 か を検 討 してい ない *教育センターでの研修の実施 4中54将来的 に設 ける方 向。*LD等専F弓教員 に よる巡回・個別 指導 *未定 ◎2・3・8)は文部省の実践研究における研究協力校のみ ◎一部の学校で 2・ 3・ 5・6)については学校独自に対応 しているところもある ◎センター講座 4中学習障害児等調査研究運営会義 札幌市 仙 台市☆ 千葉市 川崎市 横浜市☆ 名古屋 京都 市 大阪市 神戸市☆ 広 島市 司ヒ九州 ☆ 福 岡市 1 1 (未回H 4拿 1事 2 5 1 3 (未回H (未回J 4 5 (未回H (未回H 4 4寺 4 5 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎     ◎ ○ ○ ◎           ◎ ③ ◎   O ◎   ◎ ◎ O           ◎ ○ ◎ , ◎ ◎ ◎ , , ◎ , , ◎ O *検討 中 4■1■検討 中。◎ ■訪 問指導 ◎■実態 と してLDで集 団適応 困難 の子 が75条学級 に在籍 す る例 あ り 44学習障害児等支援事業

(12)

46

渡部昭男

:LD(学

習障害)児等の対応に係る地方教育施策に関する調査研究 石川― 「学習障害等専 門委員会」,1中イ電―「学習障害児等調査研究運営会議」

)で

あった。 また

,時

R告

Jは

最後 に「

4.学

習障害児 に対する指導方法J「

5,学

習障害児 に対す る指導の形 態 と場」 を記述 している。そ こで

,LD児

等 の「個 に応 じた指導

Jの

形態 と場 に関 して

,教

育委員 会が後述のような8つの対応 の各 々について「◎ :既 に取 り組 んでいるJ「○:今後取 り組 む予定 である

Jか

を問 うた。回答 のあ った40都 道府県 において,「

1)学

級担任 (教科担任

)が

配慮 して 指導で きるように研修 の実施

Jは

◎25都 道府県 (630/0)。

09県

(23%),「

2)各

学校 にお ける学 校全体 の支援体制の構築」 は◎

7都

県 (18%)・

015道

県 (38%),「

3)テ

イームテ ィーチ ングの 活用」 は◎

8都

県 (20%)・

08道

県 (20%),「

4)個

別指導のための非常勤講 師の活用」 は◎1 県

(3%),03県

(8%),「

5)『通級指導教室』(通級 による指導)の活用」は◎

9都

府県 (13%)・

07県

(18%),「

6)75条

学級 (障害児学級

)の

活用」は◎

3県

(8%)・

○が

2県 (50/0),「

7) 盲・聾 ・養護学校 の活用」 は◎

3県 (8%)・

02道

(5%),「

8)教

育セ ンターな どか らの専 門家 による巡回指導

Jは

9都

(23%),06県

(15%)で

あつた。「

9)そ

の他」としては

,「

教 育セ ンター特殊教育部の巡回教育相談 に

LD児

の専門家 を入れる予定

J(山

梨),「教育相談対応 (担 任への支援体制の確立

)J(滋

賀),「

LD等

専門教員 による巡回・個別指導

J(鳥

)な

どが記 されて いた。 [政令市

](表

4-1)

まず,「校内委員会」について

,回

答のあった

7政

令市の内で,「

4)設

けるか否か未検討であるJ (検討 中を含む

)が

4政

令市 (570/0;千葉市

,大

阪市

,北

九州市

,福

岡市

)に

上 った。他 は

,「

1) 障害児 のための既存の『枝内就学指導委員会』を当てている(当てる方針である)」が

2政

令市

(29%;

札幌市

,横

浜市),「

2)そ

の他 の既存 の『教育相談のための委員会』等 を当てている (当てる方針 である

)Jが

1政

令市

(14%:川

崎市

)で

あった。 なお

,政

令市では「

3)新

たに

LD児

のための『校 内委員会』 を設けている (設ける方針である)」 はなかった。 次 に,「専 門家チーム」 について

,回

答のあった

7政

令市 において,「

1)障

害児 のための既存の F政令市就学指導委員会』 を『専 門家チーム』 として当てている (当てる方針 であ る)」 が

2政

令 市

(29%;札

幌市

,千

葉市

),「 2)そ

の他の既存の『教育相談のための委員会』等 を当てている(当 てる方針である

)Jは

な く,「

3)国

のモデル事業 として新たに『専 門家チーム』 を設けている (設 ける方針 である

)Jが 1政

令市

(14%;横

浜市

),「

4)政

令市の独 自事業 として新 たに『専門家チー ム』を設けている(設ける方針である

)Jが 1政

令市

(14%;北

九州市―「学習障害児等支援事業」), 「

5)設

けるか否か未検討である」が

3政

令市

(43%)で

あった。

LD児

等の「個 に応 じた指導」 の形態 と場 に関 して

,回

答のあった

7政

令市 において,「

1)学

級 担任(教科担任)が配慮 して指導で きるように研修の実施」は◎

6政

令市(86%)・

01政

令市 (14%), 「

2)各

学校 における学校全体の支援体制の構築」は◎

4政

令市(570/0)・

02政

令市

(29%),「

3) テ イームテ ィーチ ングの活用」 は◎

1政

令市 (14%)・

01政

令市 (140/0),「

4)個

別指導 の ため の非常勤講師の活用

Jは

選択が な く,「5)『通級指導教室』(通級 による指導

)の

活用」 は◎

3政

令市 (43%)・

02政

令市 (19%),「

6)75条

学級 (障害児学級

)の

活用」 は◎

4政

令市 (57%), 「

7)盲

・聾 ・養護学校の活用」 は◎

1政

令市 (14%),「

8)教

育セ ンターな どか らの専 門家 によ る巡回指導」は◎

3政

令市

(23%)で

あった。 [市町村

](表

4-2)

まず,「校 内委員会

Jに

ついて見 ると

,都

道府県及び政令市 と異 なって,「

1)障

害児 のための既 存の『枝 内就学指導委員会』を当てている(当てる方針である)」 が記載のあった29市 町村 の内の23

(13)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 人文科学 第

2巻

2号

(2001) 表

4-2

校内委員会・専門家チーム及び「個に応 じた指導」 (T県下市町村) 注1)項目欄及び回答襴の数字は,巻末に掲載 している「調査用紙:『市町村』 用の第 3案 」を参照のこと。 市町村

(79%)に

上 った (残りの

6市

町村 は「

4)設

けるか否か未検討である」)。 次 に,「専門家チームJについて も,「

1)障

害児のための既存 の『市町村就学指導委員会』を『専 門家チーム』として当てている(当てる方針である

)Jが

記載のあった28市町村の内の16市町(570/o) に上 った。残 りは,「

2)そ

の他 の既存 の『教育相談 のための委員会』等 を当てている (当てる方 針である)」 の

1村

を除いて

,11市

町村が「

6)設

けるか否か未検討である」であった。

LD児

等の「個 に応 じた指導

Jの

形態 と場 に関 しては

,回

答のあった31市町村 において,「

1)学

級担任(教科担任)が配慮 して指導で きるように研修の実施Jlま◎

5市

町(16%)・

08市

町(260/O), 「

2)各

学校 における学校全体 の支援体制の構築」 は◎

4町

(130/0)・

012市

町村

(39%),「

3) テ ィームテ ィーチ ングの活用

Jは

8市

町 (26%)・

010市

町村 (32%),「

4)個

別指導 のための 非常勤講師の活用」 は◎1町

(3%)・

06市

町村 (19%),「

5)F通

級指導教室』(通級 に よる指 導

)の

活用」 は

01市

(3%),「 6)75条

学級 (障害児学級

)の

活用」 は◎

2町 (6%)・ 011市

町 (35%),「

7)盲

・聾・養護学校の活用」は◎

2町

(6%),「

8)教

育セ ンターなどか らの専 門 家 による巡回指導」 は

03市

町村

(10%)で

あった。都道府県及び政令市 と異なって

,既

実施の対 応 としては「

3)テ

イームティーチ ングの活用」が最 も選択率が高い こと

,未

開設の通級指導教室 での対応 よりも既設の75条学級での対応への期待が高いこと等が うかが えた。 市FrlINl A B 123456789 To市 Ku市 Yo市 Sa市 Ko町 Iw町 Fu村 Fu町 Ka町 Wa町 Mo町 Ti町 Ke町 Si町 Ao町 Ha町 To町 Mi町 Se町 Ho町 Da町 Ak町 Sa町 Al町 Hi村 Yo町 Ds町 Na町 Nk町 Ni町 Mi町 O O O ◎ O O                 O       O O ◎ ◎ ◎       ○ ◎ O   ◎ O   O     ◎ O   O O ◎ ◎           ◎ O O ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○       ○ ◎ O   O O O   O         ◎   ○ O O O O O ◎ O ◎ ◎ O O ◎ O     O     ◎ ○ ○ ◎     ○ ○ ○ ◎ O   O O O         ◎ ◎ 学校 にて行 つてい る ◎担任 に よる補 習授業

(14)

48

渡部昭男

:LD(学

習障害)児等の対応 に係 る地方教育施策に関する調査研究 表

5-1

通級指導教室・加配教職員の状況及びLD児等の人数把握 (都道府 県及 び政令 市) 注1)公立学校教 は,分校 を含 む数字 である (北海 道は1999年度,他は 20∞ 年度)。 2)通級指導教室 の相 は,分子 に開設教室数 を1分母 に開設 学校 数 を示す。(開設校 率)=開設校数ノ/学校数X100を示す。 3)加配 の相 は,常勤職 数及 び (非常勤職数)を示す。 自治体 公 立 小 学 校 公 立 中 学 校 LD児等 の人数把握 (調査年度) [LD児等致/調査母数]

通級 指導教 室 [教室/校 ](%) 囃 州

通級指 導教 室 [教室/校](%)

北海道 背 森 岩 手 宮 城 秋 田 山 形 福 島 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 東 京 神奈川 新 潟 富 山 石 りII 福 井 山 梨 長 野 岐 阜 静 岡 愛 知 二 重 滋 賀 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和 歌山 鳥 取 島 根 岡 山 広 島 山 口 徳 島 香 サI 愛 媛 高 知 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿 児 島 沖 縄 1,545 114 481 450 320 362 572 592 437 (未回収) 835 860 901 636 226 270 221 216 404 408 538 986 453 231 267 1,040 842 (未回収) (未回収) 178 295 (未回収) (未回収) 364 243 (未回収) 38と 302 778 177 421 S12 (未回収) 293 606 280 184/76(5) 13/13(11) 91/66(14) 76/54(12) 21/14(4) //25(7) 25/12(2) 32/22(4) 30/30(7) 87/47(6) 76/76(9) '1/57(6) 43/28(4) 36/36(16) 12/12(4) 14/14(6) 8ノ/8 (4) 41/31(8) 51/39(10) /31(6) 34/30(3) 19/12(3) 15/15(6) 70/40(15) 68/63(6) 29/19(2) 25/19(5) 16/H(5) 25/ 6ノ/3 (1) 42/21(3) 22/12(7) 26/17(4) 23/‖ (2) 23/14(5) 45/25(4) 14/14(5) 4//4 30/19 (19) 2 54 7 5 2 ︲ 3 2 2 ︲ 2 2 ︲ ︲ 1 3 5 ︲ 3 4 2 4 6 2 3 5 ︲ 7 6   2 3 8 5   4 8 0 2 4 9 8 5 ︲ 0 9 8 0 ︲ 0 ︲ W l 9 6 2 7 ︲ 4 ︲ 4 ︲ 8 0 ” ︲ 0 0 4 6 6 地 86 92   5︲ 3︲ “ 94 00 01   46 77 “ 2ッ/1 2ノ/2 1/1 1/1 1/1 1/1 4/3 -/― 5/2 -/― 2//2 4//4 -/― ―/― ―/― /4 6/6 4/4 1/1 -/― 5/5 2//2 -/― 1/1 1/1 -/― ―/― 6/5 -/― ―/一 3/2 -/― 1/1 0) ― ) 1) 0) ―) ―) 0) 0) 1) 1) ― ) 0) ―) ―) 2) 5) ― ) 一 ) ― ) 1) 1) 2) 1) ―) 1) 1) ―) 1) 1) ― ) ,) ― ) 1) ―) ―) 1) ― ) 0) ―) (1) 1 8 調査予定 (1996)実 施 (1993)小・59/2,948人、中・26/1,848人 (1993)小 162/5■03人、中86/2,934人 文部省調 査研 究協力校 での実態把握 のみ 過去 に実施 (20011)Jヽ 169/135,700人、中,60/77,548人 未 実施 未実施 (1997)実 施 未 実施 通級 指導 の とD数:(1999)小 51人、 中18人 未 実施 (1999)実 施 (1999)小 95/62,535人、中,34/35,914人 (2000) 未 実施 未 実施 未 実施 (1995‐96)実 施 (1999)小 91/229,501人、中・35/126,328人 未 実施 未 実施 未 実施 未 実施 未 実施 未 実施 (1995)実 施 f特別 な配慮 を必要 とす る子Jにつ いて実施 (1998)小 ■25/87,045人、中・39/50,570人 未 実施 未 実施 未 実施 文部省調 査研 究 協力校 での実態把握 のみ 未 実施 (り921小・292/127,239人 、(1998)刀ヽ263/19,269人 未 実施 未 実施 (1996)小・277/9,062人 未 実施 札幌市 仙 台市 千葉 市 川崎 市 横 浜市 名 古屋 京都 市 大阪市 神戸市 広 島市 】ヒ九州 福 岡市 211 (未回収) 118 114 348 (未回収) (未回収) 303 (未回収) (未回収) 137 146 14/10(5) 5//3 (3) ノ/6 (5) 57/10(3) H/ 働   働 働 n/7 15/7 一     一   一   一       一       一   一 ∞ 56 5︲ 45   30   a 9 2/1(1) ―/― () /― (―) 3/1(1) 1/1(1) 2//2(3) 3/2(3) 一     一   一   一       一       一   一

未   未 未 未     未     未 未

(15)

鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 。人文科学 第

2巻

2号

(2001) 49

5.通

級指導教室 。加配教職員の状況及びLD児等の人数把握 (問9∼10) [都道府県

](表

5-1)

前節 で見たように

,1993年

度 よ り制度化 された「通級指導教室」(通級 による指導

)は

LD児

等の 「個 に応 じた指導」 の形態 ・場の一つ と想定 され

,活

用が期待 されて もいた。通級指導教室の開設 状況 をみると

,記

載 のあった39道府県 において

,公

立小学校 では全 て

(100%)の

都道府県 に設置 されていたが

,開

設校率 (開設校数 ■公立学校数 ×

100)は

1(高

)∼

16%(富

山)と多様であっ た。中学校では

,18府

(46%)が

未設置であ り

,設

置 してい る21道府県 で も開設校率 は福 井県

(5%)を

除いて0∼

2%と

い う低 い状況 にあった。 次 に

,公

立小 ・中学校 において

LD児

等への対応 のため に特 に教職員数 を加配 (2000年度

)し

た ところは

,記

載のあった32府 県の内の

3県

(9%)で

あった。すわわち

,青

森県は「緊急雇用対策」 として非常勤 を小学校 に19人

,中

学校 に1人を加配 していた。鳥取県は,2000∼2003年度の

4か

年 計画で毎年

3人

ずつ専 門的な研修 を受けた教員 (常勤

)を

加配す る独 自施策 (学習障害等指導充実 事業

)に

着手 してお り

,初

年度 にまず小学校

2人

,中

学校

1人

の加配 を行 つていた。徳島県は

,県

独 自の裁量で障害児教育 に関連 して小学校Й人

,中

学校

8人

の常勤加配 を行 つていた。 ところで

,LD児

等への対応 を進める上で

,LD児

等の実態把握が重要 となって くる。そ こで

,教

育委員会が

,LD児

等の人数 を把握 しているかを問 うた。回答 のあった40都 道府県 において,「 1) 表

5-2

通級指導教室・加配教職員の状況及びLD児等の人数把握 (T県下市町村) 市町村 人 口 [千 人] 公 立 小 学 校 公 立 中 学 校 LD児等 の人数把握 (調査年 度) [とD児等教/調査母数]

通級指導教室 [教室/校](%) 加 配 (人)

追級指 導教室 [教室/校](%)

ω

To市 Ku市 Yo市 Sa市 Ko町 Iw町 Fu村 Fu町 Ka町 Wa町 Mo町 Ti町 Ke町 Si町 Ao町 Ha町 To町 Mi町 Se町 Ho町 Da町 Ak町 Sa町 Ai町 Hi村 Yo町 Ds町 Na町 Nk町 NI町 Mi町 9 , 38 凱 & h a 守 解 剪 43 94 m お 腑 狙 67 m “ 79 朗 解 W 卿 ﹃ 朗 68 獅 第 側 部 30 H 23 7 4 6 1 3 3 4 1 6 4 3 5 2 3 3 2 1 1 4 2 2 1 1 4 3 1 ■ 5 1/ユ (3) 1/1(7) 1/1(4) 1/1(14) ―/― (―) ―/― (― ) ―/― (―) ―/― (―) 一/― (―) 一/― (―) ―/― (―) ―/― (―) 一/― (―) ―/― (―) ―/― (―) 一/― (―) ―/― (―) ―/― (―) 一/― (―) ―/― (―) ―/― ―/一 (―) (―) 2 一   一   一   i n 1   一 一   1 ―/― (―) ―/― (―) ―/― (―) ―/― (―) ―/― (―) ― /― (― ) ―/― (―) ―/― (―) ―/― (―) ―/― (―) ノ/ ( ) ノ/ ( ) 一/― (―) ―/― (―) 一/― (―) ―/― (―) ―/― (―) ―/― (―) ―/― (―) ―/― (― ) (― ) 1 1 未実施 未実施 未実施 未 実施 (1998)小・2/554人 未実施 未実施 未実施 未実施 未実施 未 実施 未実施 未実施 未実施 未実施 未実施 未実施 (1995)小・5/464人、 中・1/283人 未 実施 未実施 未実施 未実施 未実施 (?)小・3/178人 未実施 (?)小,3/376人、中。4/256人 過去に実施 未実施 未実施 (1994∼ )小・2/319人、 中。1/185人 注1)人日は、2000年5月 1日 現 在の推 計人 口であ り、小数点第2位を四捨互入 した。

(16)

渡部昭男

:LD(学

習障害)児等の対応 に係 る地方教育施策に関する調査研究 実態把握 は行 つたことがない」(未実施

)が

実施予定の ところを含 めて21道府県

(53%)に

上 った。 部分的にで も何 らかの形で「

2)過

去 に実態把握 を行 つたことがある」と見 られたのは16都県(40%) であ り,「

3)毎

年度

,実

態把握 を行 っている」 と回答 したのが

3県

(8%;福

島 [1998∼

],富

山 [1996∼

],山

口 [1998∼ ])イこ留 まった。 [政令市

](表

5-1)

通級 指 導教 室 の 開設状 況 をみ る と

,記

載 の あ っ た

7政

令 市 にお い て

,公

立小 学校 で は全 て

(100%,開

設校率 は3∼

5%),公

立 中学校では

5政

令市

(71%,開

設校率 は 1∼

3%)が

開設 し ていた。なお

,教

職員数の加配 に関 しては該 当が なか った。 また

,LD児

等 の人数把握 に関 して は

, 7政

令市いずれ も未実施であった。 [市町村

](表

5-2)

通級指導教室の開設状況 をみると

,記

載のあった22市町村 において

,公

立小学校 では

4市

(180/0, 開設校率 は3∼

14%)が

開設 していたが

,公

立 中学校 では開設 していなかった。 教職員数の加配 に関 しては,ガヽ学校 で

6市

町村が実施 してお り

,常

勤職

2人

加配が1町

,常

勤職 1人加配が

2市

,常

勤職1人・非常勤職

1人

加配が

1町

,非

常勤職

1人

加配が

2町

村であつた。 中学校では

2町

,常

勤職

1人

加配 を行 っていた。県の加配 に留 まらず

,市

町村独 自の加配が行わ れている様子が うかがわれた。

LD児

等の人数把握 に関 しては

,記

載のあった30市町村 において

,未

実施 が24市町村 (800/0)に 上 った。他 は

,実

施 したことのある ところが

5町

(17%),毎

年実施 してい るのが1町

(3%,

1994∼

)で

あった。

.考

1.LD児

等への対応 に係 る地方教育施策の特徴 日本 における

LD児

等への教育的対応 は

,文

部省 にあっては1990年代 の調査研究段 階か ら2000年 以降は何 らかの施策化 ・制度化 に踏み込 むべ き段階に至 っている。それに向けての指針 は

,本

調査 で も取 り上げた「中間報告」降R告」 に集約 されていよう。 しか し,「中間報告

Jか

5年

あま り, ない し「報告」か ら1年近 く経た2000年 5∼ 6月 の調査時点 において

,都

道府県及び政令市の教育 委員会においては「報告

J等

を「深 く理解」 ない し「一応承知」 していた ものの

,T県

下市町村 の 教育委員会においてはあ まり知 られていなかった。 この ことに象徴 されるように

,本

調査結果の端 的な特徴 は

,都

道府県 ・政令市 と

T県

下市町村 との顕者 な相違であった。 ①責任 を有する部署:都道府県 。政令市は従来の「特殊教育

J関

連の部署が対応することが多いの に対 して

,市

町村では専門部署が設置されていないこともあって一般部署が対応する傾向にある。 ②主に文↓応する学校階梯:都道府県・政令市は義務教育段階は当然 とした上で就学前及び高校段階 を加える方向であるのに対 して

,市

町村は義務教育段階においても主に小学校 を扱っていた。 ③想定する対象児:都道府県・政令市は

,障

R告」等 をある程度理解 しているが故に

,対

象 を

LD児

等に限定 しきれないことを承知 して,「学習上特別な配慮が必要な子 どもたち」に

ADHD児

や高機 能自閉症児などを含めていた。市町村は

,LD児

に限定するとい う回答が約

3分

の 2に 上った一方 で

,要

介助児・学力困難児・病欠児などに広げる見解 も見 られた。 ④国の事業等の活用 :都道府県を経由 した間接的な国との関わ りの中では

,国

の事業等を知る機会 が少なく

,市

町村の教育委員会 としては国の理解啓発資料 も活用 しにくいと推測 された。

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