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イラン人の本国法の決定《国際家族法研究会報告(第6回)》 (【退職記念号】 佐藤 俊一 教授 三沢 元次 教授 盛岡 一夫 教授) 利用統計を見る

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イラン人の本国法の決定《国際家族法研究会報告(

第6回)》 (【退職記念号】 佐藤 俊一 教授 三沢

元次 教授 盛岡 一夫 教授)

著者名(日)

国際家族法研究会, 佐々木 彩

雑誌名

東洋法学

53

3

ページ

351-356

発行年

2010-03-01

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00000746/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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東洋法学 第53巻第3号(2010年3月) ︽国際家族法研究会報告 ︵第6回︶︾

イラン人の本国法の決定

佐々木 彩 一 はじめに  わが国際私法は、重国籍者、無国籍者、場所的不統一法国 ︵一国の中で地域的に適用される法を異にする国︶に属する 者、人的不統一法国︵当事者の属する宗教、人種、身分など により適用される法を異にする国︶に属する者の本国法の決 定についてそれぞれ規定している。本報告は、本国法の決定 を巡る問題中、人的不統一法国の場合につき、養子縁組許可 事件におけるイラン人の本国法の決定に関する左記審判を素 材として、検討を試みたい。 二 宇都宮家裁平成[九年七月二〇日審判︵家月五九巻一二   ・万一〇六百ハ︶ ︻事実︼イラン人である申立人Bは、来日中に日本人である 申立人Aと知り合い親密な関係となった。平成一六年、両者 の間に長女Dが誕生し、平成一七年にABは婚姻した。未成 年者C︵平成一一年イランで出生︶は、平成一六年にBの妹 である実母Eと実父Fと共に来日し、Bの居住していたア パートで生活をするようになったが、その後、不仲になって いたEFは離婚に同意し、Fは同年二一月末単身でイランに 帰国した。ABは、平成一七年四月から現住所に、D、C及 びEと同居している。Cは日本の生活にも慣れABのことを 慕っており、また、ABもCを実子のように思っている。E は、一人でCを養育するのは経済的に困難であること及びC を連れてイランに戻ると、FにCを連れて行かれ虐待される 恐れがあること等から、ABとCとの養子縁組を強く希望し ており、平成一八年に養子縁組同意書をもって、ABとCと の養子縁組に同意した。また、イランの民事裁判所は住所不 明となっているFに対するEの離婚の申立に対してEFの離 婚を認めており︵平成一九年︶、Cの養育権をEに与える旨 の判決を言い渡し、同判決は確定している︵Fは所在不明の まま︶。ABの夫婦仲は円満であり、経済的にも問題はな く、共にCの養父母となることを望んでいる。 ︻判旨︼ω﹁渉外養子縁組の実質的要件については、法の適 用に関する通則法︵以下﹁通則法﹂という。︶三一条一項に より、縁組の当時の養親の本国法によるものとされ、また、 養子の本国法に、養子の保護のための同意、許可要件︵いわ ゆる保護要件︶が定められているときは、その要件をも備え なければならないものとされているから、申立人Aと未成年 者との関係においては、準拠法として日本法が適用され、併 せて保護要件についてイラン法が適用されることになり、申 立人Bと未成年者との関係においては、専らイラン法が適用 されることになる。﹂ω﹁イラン法について検討すると、イ 351

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ランは宗教により身分法を異にする人的不統一法国であり、 その所属する宗教いかんによって当該イラン人の本国法を決 定しなければならないと解されるところ、申立人Bに対する 審問の結果によれば、申立人Bはイスラム教徒であり、一 方、未成年者の所属する宗教はいまだ決まっていないことが 認められるから、申立人Bの本国法はイスラム法であり、ま た、未成年者の本国法は、イランの規則に従い指定される法 がないため、未成年者に最も密接な関係がある日本法である と解される︵通則法四〇条一項前段、後段参照︶﹂。  審判は、AとCとの関係については日本法の適用により ︵Cの実父の同意については、同人がCの養育権を有せず、 かつ、その所在が不明であるから不要と解されている。︶養 親子関係が成立したが、BとCとの関係については養子縁組 を認めていないイスラム法の適用により養親子関係が認めら れないことになるところ、当該イスラム法を適用した結果は 日本国民法を適用した結果とは異なることが明らかである 上、ABが夫婦共同養子縁組を望んでいることやその他諸事 情を考慮すれば、本件養子縁組を認めないのは不当であると し、通則法四二条の公序則の発動によりイスラム法の適用を 排除し、日本法を適用して、申立人らが未成年者を養子とす ることを許可したものである。従って、本来、国際私法上の 公序の適用の問題についても検討すべきであるが、本報告に おいては、本国法の決定を中心に論じているため、公序の問 題については取り上げない。 三 先例及び学説  平成元年の改正前法例︵以下、改正前法例とする。︶にお いては、人的不統一法国に属する者の本国法の決定に関する 規定が置かれておらず、そのため、解釈論上対立が生じてい た。前記に掲げた状況も受け、平成元年改正法例︵以下、改 正法例とする。︶三一条において人的不統一法国に関する規 定が設けられ、その内容が通則法四〇条一項に継受されてい る。すなわち、同項は、﹁当事者が人的に法を異にする国の 国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法 ︵そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接 な関係がある法︶を当事者の本国法とする。﹂と規定してい る。同項中の﹁その国の規則﹂とは﹁人際法﹂であるが、そ れは実質法の一部に過ぎず、人的に異なる複数の法の中、当 該事案にいずれの法律を適用すべきかを定めるものである ︵山田錬一﹃国際私法︹第三版︺﹄︵二〇〇四年︶八九頁、澤木敬 郎目道垣内正人﹃国際私法入門︹第六版︺﹄︵二〇〇六年︶四三 頁、道垣内正人﹃ポイント国際私法総論︹第二版︺﹄︵二〇〇七年︶ 一九二ー九三頁、木棚照一旺松岡博旺渡辺慢之﹃国際私法概論 ︹第五版︺﹄︵二〇〇七年︶六七頁、小出邦夫編著﹃逐条解説 法 の適用に関する通則法﹄︵二〇〇九年︶三六五頁︶。しかしまた、 ﹁その国の規則﹂がない場合の第二次的に定められた密接関 係法の適用については、理論上の問題を指摘する見解が少な 352

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東洋法学 第53巻第3号(2010年3月) くない。すなわち、人的不統一法国の法が指定された時点 で、当該不統一法国においては明文であれ不文であれ、必ず 何らかの形で人的抵触の解決を図っているはずであり、人際 法がないという場合は想定しえず、ただ、法廷地の立場から すれば、人際法が﹁不明﹂な場合のみが存在するとされてい る︵山田錬一・受験新報一九九三年二月号二八頁、道垣内・前掲 書一九四頁、澤木H道垣内・前掲書四四頁、木棚照一”松岡博編 ﹃基本法コンメンタール国際私法﹄︵一九九四年︶一五七頁︵佐藤 やよひ︶、木棚”松岡睦渡辺・前掲書八九頁︶。なお、改正法例 以降の裁判例の一例として、東京地裁平成二年二月一七日判 決︵判時一四二四号八四頁︶がある。同判決は、インドネシア においては、宗教によって適用される法令が異なるところ、 イスラム教徒である親と三人の子︵いずれもインドネシア国 籍、特定の宗教には入信せず︶との宗教が同一でなく、それ らの間の本国法が同一であるということができないため、子 の常居所地法である日本法を適用した。判旨の内容からは明 確でないものの、同判決は、同一本国法の決定について場所 的不統一法国におけるそれと同様の方法で行ったように思わ れ、学説上疑問が呈されている︵櫻田嘉章旺道垣内正人編﹃国 際私法判例百選︹新法対応補正版︺﹄一九頁︵伊藤弘子︶等︶。 四 本審判の検討  まず、前掲判旨ωについて検討する。夫婦共同養子縁組の 成立については、通則法上規定が定められておらず、通説的 解釈によれば、養父となるべき者︵以下、養父とする。︶と 養子となるべき者︵以下、養子とする。︶との関係について は養父の本国法が適用され、養母となるべき者︵以下、養母 とする。︶と養子との関係については養母の本国法が適用さ れることとなる。本審判においても、この立場を踏襲し、A とCとの養親子関係については日本法を適用し、BとCとの 養親子関係についてはイラン法を適用しており、さらに、 セーフガード条項により、養子の保護のための保護要件とし てCの本国法であるイラン法を適用する旨を述べている。こ のような通説的解釈に対して、夫婦共同養子縁組の成立は、 夫婦を分断せず一体的に扱うべきであるとして、婚姻の効力 に関する通則法二五条によるべきとする見解が見られる。す なわち、通則法三一条一項前段の﹁養親となるべき者の本国 法﹂とは、養親の身分関係にとっての最密接関係地法を準拠 法とする趣旨から、夫婦共同養子縁組の場合には養親夫婦の 最密接関係地法である婚姻の一般的効力の準拠法を意味する と解釈できるとする︵森田博志﹁夫婦の一方の本国に養子制度 がない場合の夫婦共同養子縁組と公序﹂千葉大学法学論集二三巻 三号一六六頁︶。また、夫婦の共通常居所地法を補充的な連結 素として用いる考え方もあり得るのではないかと指摘する見 解も見られるが︵北澤安紀・ジュリ一〇三七号二五八頁︶、この 見解に対して、森田教授は、共通常居地法がない事案につい てはどうなるのか疑問であると指摘されている︵櫻田胴道垣 353

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内編・前掲書一一一二頁︶。この解釈に対して、養子は、養子縁 組によって嫡出子たる身分を取得することであり、また、養 子の利益を保護すべきとする﹁縁組保護﹂が養子縁組の準拠 法の選定における指導理念であることを前提とすれば、夫婦 共同養子縁組という法律行為の性質は、夫婦の一般的効力に 関する法律関係というよりは、むしろ嫡出親子関係の成立に 関する規則が類推適用されるべき法律関係であると考える方 が適当であると指摘する見解が見られる︵笠原俊宏﹁夫婦共 同養子縁組の準拠法について﹂大東ロージャーナル五号四二ー 四三頁︶。嫡出親子関係に関する通則法二八条一項が子の利 益保護の観点から嫡出親子関係の成立をなるべく容易にする ために夫婦の一方の本国法によるとする択一的連結を採用し ていることに注目すれば、前記見解は、養子縁組の保護理念 に適っていると思われる︵笠原・前掲四三頁参照︶。そうする と、本審判における夫婦共同養子縁組については、通則法 二八条一項により、Aの本国法である日本法が適用され、そ の結果、夫婦共同養子縁組は成立することになる。また、通 則法二五条によるとする見解によっても、夫婦の同一常居所 地法として日本法が適用され、やはり、夫婦共同養子縁組は 成立することになり、いずれにしても判旨ωの判断とは異な る結論が導かれる。  次に、判旨吻について検討する。養子縁組の成立について 通説的見解で判断した場合に問題となるのが、BとCが国籍 を有するイランが宗教によって適用される法が異なる人的不 統一法国であるということである。イランは、イスラム教 シーア派が人口の約九〇%、イスラム教スンニ派が六%を占 めるイスラム教国であるが、イラン憲法一二条及び二二条に より、公的宗教としてイスラム教シーア派一ニイマーム派を 指定しつつも、イスラム教のその他の宗派も無制限に承認 し、また、ゾロアスター教、ユダヤ教及びキリスト教に属す る者を宗教的少数者として認め、さらに、法律の許容する範 囲内において、これらの宗教的少数者が独自の宗教上の儀式 を行うこと、身分問題及び宗教教育に関する事項がそれら独 自の属人法によることも認めている︵植松真生・ジュリ ニニ七六号三三四頁︶。そして、一九三三年七月二二日の ﹁シーア派でないイラン人の属人法を裁判所において顧慮す ることの許容に関する法律﹂︵以下、一九三三年法とする。︶ は、今日も通用していることが法律のレベルで確認されてい る︵一九三三年法によれば、シーア派一ニイマーム派のそれとは 異なる属人法が適用される為には、事案がイスラム教シーア派教 徒に関係しないこと、その属人法を規律する宗教が公的に承認さ れていること、非シーア派の属人法の規律が公序に反しないこと を充たさなければならない︵植松・前掲三三四頁︶︶。このよう に、前述のごとく、イランは宗教および宗派によって適用さ れる法が異なる人的不統一法国であることがわかる。従っ て、通則法四〇条一項によりBとCの本国法が決定されるこ 354

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東洋法学 第53巻第3号(2010年3月) とになる。その点について、裁判所は、Bがイスラム教徒で あるためBの本国法はイスラム法であり、また、Cの本国法 はイランの規則に従い指定される法がないため、Cに最も密 接な関係がある日本法である旨を判示したが︵判旨ω︶、本 審判におけるBとCの本国法の決定については疑問が残る。 以下、BとCの場合に分けて考える。 ︻Bの本国法︼まず、Bの本国法の決定については、学説上、 肯定的な見解が多い。例えば、イラン人の人際規則によりそ の者の属する宗教いかんによって本国法を決定する必要があ るが、本件の場合、申立人Bがイスラム教徒に属するという 点に疑いはないとされている︵中野俊一郎・リマークスニOO八 ︵下︶一五四頁。同様の見解として、金波淑﹁イスラム法︵養子 縁組禁止︶の適用と国際私法上の公序﹂民商法雑誌二二九巻一号 二一二頁、森由・前掲一六二頁︶。このような見解に対して、 前出イラン憲法一二条、一三条及び一九三三年法が通則法 四〇条一項の規定する﹁その国の規則﹂に当たると考えられ るが、本審判が、イランの﹁その国の規則﹂を無視している とする見解がある︵植松・前掲三三四頁︶。すなわち、本審判 はBをイスラム教徒と認定することに留まっているが、通則 法四〇条一項の規定を厳密に適用するためには、イスラム教 徒の宗派まで特定する必要があったとされている︵植松・前 掲三一二四頁︶。確かに、前述のように、イランにおけるイス ラム教徒の九〇%がシーア派の一ニイマーム派に属するとし ても、その他のイスラム教の宗派の教徒も存在しているとい うことを考慮すれば、Bがイスラム法のどの宗派であるかを 本人に確認して決定すべきであった。イスラム教徒であるか らイスラム法を適用するというのは、イランの人際法を考慮 せずわが国の立場から判断しているように思われる。 ︻Cの本国法︼次に、Cの本国法の決定であるが、これにつ いては、学説上、総じて批判的な見解が採られている。その 中で大きく二つに分類すれば、通則法四〇条一項における最 密接関係法の決定方法の誤りを指摘する見解と、最密接関係 法を適用したこと自体が誤りである点を指摘する見解とに分 けることができるであろう。まず、前者の見解として、﹁通 則法四〇条一項の﹃当事者に最も密接な関係がある法﹄とし て日本法を選定しているが、明白な誤りである。同項では、 人的に法を異なる国にある複数の法の中から密接関係法を選 定すべきことを定めており、本件の事案では、父がイスラム 教徒であることから、イスラム法を選定するのが相当のよう に思われる。﹂と主張する立場が見られる︵南敏文・平成一九 年度主民判解二七三頁︶。また、﹁ここで、問題となるのは、 Cの本国法であるイラン法の中で、Cに適用されるのはどの 宗派の法なのかであり、この判示は明らかな条文の誤読に基 づく。親族の属する宗教などから判断する必要があろうが、 Bがイスラム教徒であるという点からすれば、一応はCにつ いてもイスラム法の適用があると考えるべきであろう。﹂と 355

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指摘する立場も見られる︵中野・前掲一五四頁、森田・前掲 一六三頁︶。一方、後者の見解として、﹁イランには、通則法 四〇条一項に規定する﹃その国の規則﹄に該当する規定が存 在するため、そもそもCに﹃最も密接な関係がある法﹄を探 求することは許されない。仮にCの属する宗教が決まってい ないとすれば、イスラム教シーア派の教徒に適用される法が Cのイランにおける属人法とされるとみられる⋮。しかし、 イスラムでは一般に父親が属するイスラム教の宗派がその子 の属する宗教とされている。それゆえ、実父Fの属する宗教 を特定し、Cの属する宗教を探求する必要があっ光と思われ る。﹂と主張されている︵植松・前掲三三四頁︶。前出のイラ ン憲法及び一九三三年法がイランにおける﹁その国の規則﹂ であると考えれば、前述において指摘されているように、最 密接関係法の適用を選択すること自体が間違っていたのでは ないか。﹁父親が属するイスラム教の宗派がその子の属する 宗教﹂であれば、Cの行方不明中の実父Fに確認できなけれ ば、実母Eに問い合わせて調査し、Cの宗派を特定した後、 イランの﹁その国の規則﹂によって、子の本国法を決定する 必要があった。また、理論上、人的不統一法国の法が指定さ れた時点で、当該不統一法国においては必ず何らかの形で人 的抵触の解決を考慮しているはずであり、人際法がないとい う場合は想定しえないという考えに立てば、審判において、 イランの﹁その国の規則﹂によるCの本国法の決定方法がわ からなければ、外国法である人際法の内容についての調査不 足であるとして扱うしかないと思われる。 五 おわりに  本審判において、前述のように通則法二八条一項によって 夫婦共同養子縁組の準拠法を決定すれば、日本法が適用され て夫婦共同養子縁組は成立し、その結果、公序の問題が生じ る場面はなかった。また、夫婦共同養子縁組について判旨ω の通り配分的連結で決定するとしても、本国法の決定︵特に Cの本国法︶については明らかに誤りであったことは前記の 通りである。理論上は﹁その国の規則﹂がない場合はあり得 ないと考えても、わが国には、ハーグ国際私法条約を条文化 した﹁扶養義務の準拠法に関する法律﹂及び﹁遺言の方式に 関する準拠法に関する法律﹂が置かれており、同条約に、人 的不統一法国に属する者の本国法の決定について、第一次的 に人際法、第二次的に密接関係法によることが規定されてい る以上、前記両法律に、密接関係法の規定を欠くことは難し く、それらとの統合性から、通則法においても密接関係法の 適用を削除することは難しいであろう。そこで、差し当た り、実際には密接関係法を適用する場面が生じないように解 決を図るしかないと考える。       ︵東洋大学法学部非常勤講師︶ 356

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