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資金計算書の財務表示(小倉榮一郎教授退官記念論文集)

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資金計算書の財務表示

清  水  哲  雄 1  簿記原理では企業活動に関する取引は大きく分けて損益取引と交換取引であ る。企業会計の動態論の立場一これは今日の制度会計を支配している会計理論 の基礎である一からは損益取引が何よりも先きに取り上げられ,発生主義,実 現主義,費用・収益対応の原則にもとづいて財務諸表としての損益計算書と貸 借対照表が作成される。貸借対照表では交換取引の一部である資本取引も制度 会計理論の対象となってはいるが,これは損益取引の究極の姿である資本取引 を引き立てることによって損益取引をより鮮明にする効用があると考えられる。 しかし損益取引とともに投資と投資の解除,財務と財務の解除のような交換取 引に焦点を向けるのが資金会計であり,損益取引を組み入れながら,交換取引 のすべてを要約表示し,企業の財務的流動性や支払能力を測定し伝達すること        1) に資金計算書の目的がある。 H 資金計算書の必要性  伝統会計(=制度会計)では収益が測定されるのは販売時点である。これは 発生主義的観点からいえば「もの」の生産時点ということになるが,この生産 時点で収益を把握すると生産物の客観的評価が困難となるからである。販売と いう客観的事実(これを販売基準という)を踏まえてその収益を測定すること によって確実性を得ることができるσ企業が生産をおこなうためには,その企 業が販売業であろうが製造業であろうが他企業が生産したものを消費する。こ 1)倉田三郎:「資金計算書の導入」 『会計』第129巻第1号。

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 106 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) れは企業にとっては収益を獲得するための価値の消費となる費用である。企業 の生産物を販売した収益からこれを得るために消費した他企業の生産物を控除 した金額は純生産額たる総売上利益である。この総売上利益は企業の生産活動 に参加した人達に分配される。たとえぽ従業員には賃金や給料が支払われ,債 権者には利子,土地をもって生産活動に参加している人には地代,その他役務 を提供している人々にはそれぞれの対価が支払われ,さらに経営能力をもって 企業に参加している人には経営者報酬が支払われ,間接的に企業参加している 社会には税が支払われる。これら一連の事象は損益会計において処理されるも のであり,その処理の順序も定型化されていて損益計算書に計上されるべき諸 項目を加減した後,純利益があれぽ資本主に分配されることになる。  このように企業は生産活動を営むために他企業の生産物を取得し,これを消 費するから,取得と消費との間にはタイムラグがある。また生産物はすぐ販売 されて収益となるわけでもなく,この生産と販売との間にもまたタイムラグが       2) ある。これら富の貯蔵は「もの」の流れのうちにある一種のプールである。  他方,収入は貨幣の流入額であり,支出は貨幣の流出額である。そして「か ね」の流れを測定するのは資金会計の領域であるが,貨幣の残高は把握されて いるけれども,その流れは明らかにされていないのが制度会計における現状で ある。貨幣の流入には2つの原因がある。1つは「もの」の流れに関連する貨 幣の流入であり,他は「もの」の流れに関係のない貨幣の流入である。前老は たとえぽ,販売による貨幣の流入であり,いわば営業収入である。後者は借入 や株式,社債の発行による貨幣の流入であり,いわば財務収入である。他方貨 幣の流出にも2つの原因がある。1つは「もの」の流れに関連する貨幣の流出 であり,他は「もの」の流出に関係のない貨幣の流れである。前者は,たとえ ぽ他企業の生産物を取得して,その対価として貨幣を支払ったり,また生産活 動に参加した人々にその報酬として貨幣を支払う。これはいわば営業支出であ る。後者は他人に貨幣を貸付けるなどの財務支出である。もっともこの財務支 出は後に財務収入となって環流してくる関係にある。 2)染谷恭次郎:『財務諸表三本化の理論』国元書房 昭和58年 p.p.28∼30.

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      資金計算書の財務表示  107  企業における貨幣の流れとしては営業に関する収入・支出が本流であるが, 生産活動が盛んになってくると,資本支出たる固定資産が増加し,また製品在 庫も増加する傾向にあるから,財務的収入・支出も多くなる。  貨幣の流れにも「もの」の流れと同じようにプールがある。貨幣は企業内の プールに流入しこのプールから流出していく。このプールとは企業が所有する       3) 現金,預金,市場性ある有価証券,受取手形等のいわゆる当座資産である。  企業活動から生ずる種々のデータによってさまざまなフローに関する計算書 や概念が生み出されなければならない。伝統的にはインカムフP一(利益の流 れ)に関する計算書が重視されるが,ブァソドフロー(資金の流れ)やキャッ シュフロー(現金の流れ)のようなものは無視されてきた。純利益は今日の会 計上の最も重要な概念であり,投資家が意思決定をおこなう場合に最も広く利 用されている概念であるが,純利益以外の概念も吟味し測定しなければ,内部 管理のための分析用具は非常な制約を受けることになる。とはいえインカムフ ロー概念を最初に吟味することにはつぎの2つの利点がある。その第1は,イ ンカムフP一を確定するための測定原則の多くは,その他のフロー,特にファ ンドフローを測定するために必要である。ファンドフローは資産と負債の残高 の変動すなわち正味運転資本の変動を測定するために確定されるものであるが, 資金概念特に「営業活動から得られる資金」の概念は大部分にわたって利益概 念に依存する。第2は,インカムフロー概念を最初に検討することによって, これがある種の意思決定にとって限界があるということを早目に明らかにする ことができる。これによってキャッシュフローやブァンドブn一のような概念        4) の必要性を明らにすることができる。  販売の時点で貨幣の流入があり,他企業の生産物の取得の時点で貨幣の流出 があり,また従業員その他,企業の生産活動に参加する者に同時に貨幣の流出 がある場合には「もの」の流れと「かね」の流れは一致する。これは完全な現 3)染谷恭次郎:前掲書 p.p.30∼31. 4) Jaedicke, Robert K. & Sprouse, Robert T.: Accounting Flows: lncome. Funds, and Cash Prentice・Hall 1965.古川栄一監訳,加古宜士,矢沢秀雄共訳:  r利益と資金の会計』東洋経済新報社 昭和43年 p,p.7∼8.

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 108 小:倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) 金主義の状態であり,収入は収益,支払は費用となる。しかしながら経済環境 の複雑な今日では「もの」の流れが「かね」の流れに先行している。たとえば, 販売の事実があっても直ちに貨幣の流入とはならず売上債権となってプールさ れ,また他企業の生産物を購入した時は,これも仕入債務となり直ちに貨幣の 流出とならないのが通常である。また賃金,給料,利息,地代等も生産活動に 投入された後に貨幣の流出となる。これらは発生主義の立場からは未払費用で ある。逆に販売以前に代価が受入れられたり,また役務の提供以前に代価が支 払われることもある。これらの場合は「かね」の流れが「もの」の流れに先行 するので前受金,前払金,前払費用とな:り「かね」の流れと「もの」の流れの 時間的ずれが大きい程それらの残高は大きくなる。このような「もの1の流れ と「かね」の流れのずれから生ずるそれぞれの残高は財政収入の調達源泉を示 す持分項目と共に貸借対照表に示され,企業のある一定時点における財政状態        5) を示すことになる。  従来の決算財務諸表は損益計算書と貸借対照表の二本建てであったが,まえ に述べたように企業の財政状態の変動を把握しようとすれば第3の財務表とし ての資金計算書が必要とされる。会計の動態観から損益計算を前面に押し出せ ば財務諸表の重要性の順位は損益計算書についで貸借対照表となる。それに今 第3の財務表としての資金計算書の位置を検討してみよう。  損益計算書は一会計期間における収益と費用のフ9一を対象表示(その結果 純損益を表示するが,この純利益は資金計算書の資金の源泉を示す最初の区分 表示である営業活動からの資金流入額のところで一番最初に表示されることか ら,損益計算書で算定された純利益項目の追跡の容易性から資金計算書を損益 計算書のつぎに位置付ける。つぎに資金計算書は損益計算書と同じく一会計期 間におけるフローの計算書であり,期間表示という意味で第2順位に位置付け   6) られる。  それでは第3の財務表としての資金計算書はどのような性格をもつものであ 5)染谷恭次郎:前掲書 p,p.32∼33. 6)倉田三郎:前掲論文 『会計』 第129巻第1号.

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      資金計算:書の財務表示  109 ろうか。それは狭い意味では運転資本およびこれより狭い現金等の特定資源の 変動の原因を明らかにするものと第2は総財務資源ないし購買力という広い資 源概念にもとづき外部取引による資産,負債,資本の変化を明らかにするもの 一これを財政状態変動表statement of changes in financial position       7) という一の2つに大きく分けられる。後者の性格をもつ財務状態変動表の歴 史は概略つぎのとおりである。  1971年にAICPAの会計原則審議会意見書(APBO)No. 19「財政状態の変 動の報告」において貸借対照表,損益計算書とともに財務状態変動表を主要な 財務諸表の1つとして公表することを義務付けた。  1974年 カナダ勅許会計士協会のハンドブック1540「財政状態変動表」の公 表。  1975年 イギリスの会計基準書(SSAP)No.10「資金の源泉と使途に関する 計算書」の公表。  1977年 国際会計基準委員会は国際会計基準(IAS)Ne.7「財務状態変動 表」を公表し,発展途上国に影響を与えた。  1978年(昭和53年4月差 日本公認会計士協会(JICPA)会計制度委員会 は「財政状態変動表について」を公表。  1980年(昭和55年7月) 日本公認会計士協会は公開草案No. 8で「財務諸表 のひな型についての提案(中間報告)」を発表し,財政状態変動表を財務諸表 の体系に加えるべきことを提案した。  1953年(昭和28年8月) 大蔵省令第74号「有価証券の募集または売出の届 出等に関する省令」にもとづいて有価証券報告書および届出書に資金繰状況と 資金計画を記載することになっている。ただし資金繰表は財務諸表以外に作成 ・公表されるものである。        8)  1973年の財務諸表の目的を研究するグループによる『財務諸表の目的』では 7)武田安弘:「財政状態変動表と会計教育一財務会計のテキストの調査一」『商学研 究』 第31巻第3号. 8)Study Group on the Objectives of Financial Statements:Objectives ofノ「

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 110 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) 財務諸表の目的はキャッシュフローの情報を財務報告の主要な目的の1つとし た。また1978年11月のFASBでは,財務報告は現在および潜在的な投資老な らびに債権者その他の利用者が合理的な投資,信用供与ならびに類似の意思決.        9) 定をするのに有用な情報を提供しなければならない。といいその有用な情報と        10) は将来のキャッシュフローを見きわめるのに役立つ情報である。このような財 務報告の目的を達成するために具体的につぎのような情報を要求する,1,企 業の資源enterprise resources 2.資源に対する請求権ciaims to those resourcesおよび3.これらの変化に関する情報and changes in them,た        11) とえぽ取引transactions,,事象events,環境circumstancesに関する情報, さらにその構成要素として1)経済資源economic resources負債obliga− tions出資者持分owners’equity 2)利益とその構i成要素earnings and its components 3)流動性liquidlty支払能力solvency資金フローfunds        12) flows 4)経営者の受託責任nanagement stewardshipの4つを措定しこの 4つの要素を1984年のFASBにおいては貸借対照表,損益計算書,キャッシ        13) ユフP一計算書および持分変動計算書として主要な財務諸表に体系付けた。  このように1980年代に入って資金計算書が急速に関心をもたれ始めたのは何 によるものであろうか。これは1つには1980年代初期の経済状態の悪化にとも ない流動性と支払能力に対する関心が高まったということ。第2はインフレに よって損益計算書に対する信頼性が低下したこと。これは発生主義による利益 に対する不安から生ずるものである。第3はFASBが財務諸表の概念的枠組 \Financial Statements, AICPA Oct.1973 p.20. Jil口順一訳:『財務諸表の目的』  同文館 昭和51年 21ページ. g) FASB: Objectives of Financial RePorting by Business EnterPrises, Statement  of Financial Accounting Concepts No. 1 1978 par. 34. 10) FASB: ibid. par. 37. 11) FASB: ibid. par. 40. 12) FASB: ibid. par. 40t一一53. 13) F・ASB: Recognition and Meas”rement in Financial Statements of Business  Enterprises, Statement of Financial Accounting Concepts No. 5. Dec. 1984.  par. 26−v57.

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      資金計算書の財務表示  111       14) を確立しようと努力していることにもよると考えられる。 III 資金計算書の効用  財務会計システムによって損益計算書と貸借対照表の財務諸表が作成され, 主として企業外部者に報告される。しかし財務諸表に示されている数字そのも のから企業の現在の経営状況を十分に把握することはでぎない。何故なら財務 諸表に示されている数宇は事後計算によっているから,これをもとに対策を建 ててもタイミングを失することになる。こ玉に第3の財務表としての資金計算 書による経営の改善と企業の成長・発展の対策を講ずる道がある。したがって 資金計算書は財務会計の産物であるというよりはむしろ企業の経営管理のため       15) の1つの会計技法である。このようにみてくると,資金計算書を用いることに よって1)一定期間における資金の流れが合理的であるか,2)財務構造の変 化によって支払能力はどうなっているかを示さなければならない。  元来資金計算:書は2期間の貸借対照表の比較によって資産と負債の増減を算 定し,新しい資産の増加と従来の負債の償還のために,どこからその資金が与 えられたかを総括的に分析するために作成されたもので2次的な財務報告にす ぎなかった。初期の資金計算書には運転資本の概念が欠け’ており,単にその資 料は貸借対照表の範囲に限られていたが,近年の資金計算書は貸借対照表から 損益計算書までその範囲を拡大し,運転資本の増減分析にその重点をおくよう       16) に.発展している。  資金計算書は貸借対照表から損益計算書までその範囲を拡大しつつその両者 の不充分な点を補うための第3の財務表であり,それは前2者が主として企業 外部にその利用目的があるのに対して資金計算書はむしろ利用目的が内部にあ る。すなわち, 1)貸借対照表や損益計算書だけではわからない財務上の変化に関する報告。 14) Seed, Allen H. III: “The Funds Statements, How can it be improved?”  Financial Exective, Oct. 1984. p. 52. 15)中島信行:『資金運用表の作り方』同文館 昭和46年 iiページ. 16)黒沢清:『資金会計の理論』 森山書店 昭和33年 ユ36ページ.

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 112 小倉榮一郎教授退官記念論文(集第255・256号) 2)経営者がおこなう財務上の意思決定を助ける情報の提供。 3)経営者に対する利潤の機能およびその利用についての説明。       17) 4)企業の財務上の長所および短所を明らかにする財務資料。である。  Kaferによれば資金計算書の利用の効用としては,財務事象を企業活動の 重要な部分として浮び上がらせ,その活動の成果を判断するに当って特にそれ は予算と結合することによって有用なものとなる。またそれは種々の資本提供 者が果たした役割を説明し,それが企業の成長に及ぼした効果を示す。さらに 資金計算書は短期損益計算,信用状態の管理,企業外部者への情報提供の補        18) 助手段としての効用がある。すなわち貸借対照表は有高の表示として,また 損益計算書は損益に影響を与える取引高を選び出して表示したものとして, 第3の財務表である資金計算:書は財務投資,支払手段の準備というこれまで       19) に示されたことのなかった事象を示す役割を有する。このような効用をもつ資 金計算書から得られる情報はつぎのようなものである。1)資金費用および資 金収益から生じた資金変動額は全体として,また個々的にいくらであったかと いうこと,すなわち営業取引からの資金貢献額を示す。2)財務および投資の 解除から流入した資金額はいくらであったかということ,このことによって各 源泉あるいは個々の流入事象からの正味貢献額がその都度示される。3)投資 および財務の解除によって使用された資金額はいくらであったかということ, このことによって各使途あるいは個々の流出事象からの正味流出額がそのつど 示される。4)資金の入あるいは出の超過額が一方では資金を構成する積極・ 消極項目のなかに,他方では資金外の有高のなかにどのように効果をあらわし たかということ。5)完全な財務・投資計算書のような特殊な表示方法によっ 17)中島信行:前掲書 111ページ. 18) Kafer, Karl : KaPitalfluPrechnungen. Funds” Statement, Liquiditatsnachweis,  Bewegungsbilanz als dritte Jahresrechnung der Unternehmung. Verlag des  Schweizerischen Kaufmannischen Vereins ZUrich 1967安平昭二,戸田博之,徐  四達,倉田三郎共訳:r資金計算書の理論』上巻 千倉書房 昭和51年 6ページ. 19)Kafer, Karl:a. a.0.安平昭二,戸田博之,徐龍達,倉田三郎共訳:前掲書 8  ページ.

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       資金計算書の財務表示  113 て企業総資本の増加,長期・短期の投資ずみの資金および流動的形態で保持さ れている資金の増加を示すことができる。6)資本調達・使用貸借対照表は損 益に影響を与えない年度取引高とその効果に関する概観を与えることができる。 このように資金計算書によって得られる情報はますます広い領域において認め        20) られることになる。       IV 資金計算書のタイプ  資金計算書には種々のタイプがある。これは資金をどのようにみるかによっ て決まる。  Kaferは資金のタイプを6つに類型化する。  タイプ1…正味流動資産をもって資金と考えるもので,具体的には流動資産 から流動負債を控除した額をいう。  タイプ2…流動資産をもって資金と考える。  タイプ3…短期間内に利用可能な貨幣資金で流動資産から棚卸資産を控除し た額をいう。  タイプ4…短期間内に利用可能な正味貨幣資金で,棚卸資産を除く流動資産 から流動負債を控除した額をいう。  タイプ5…貨幣的資金で現金・預金や容易に売却可能な有価証券を内容とす るものをいう。  タイプ6…貨幣をもって資金の内容とするもので,現金・預金を資金の内容        21) とするものをいう。これら6つのタイプの特徴は,タイプ6の貨幣そのものを 資金とみる過去的資金計算を目指すものから漸次資金概念を拡大して正味運転 資本的資金概念に及んでいる。  Masonも同じような分類を試みている。  第1は文字通りの現金literal cash…これは手許現金undeposited cash 20)Kafer, Kar1:a・a・()・安平昭二,戸田博之,三二達,倉田三郎共訳:前掲書 p.p. 5”v 60 21)Kafer, Karl:a. a.0.安平昭二,戸田博之,徐龍達,倉田三郎共訳:前掲書 P・  p. 78”v81.

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114  小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) と要求払銀行預金demand deposits in banksをもって資金とする。この概 念によって作成される資金計算書はcash flow statementと呼ばれ,現金 の収入と支出にもとづいて記入された帳簿から得られるものと同じ結果を示す。 このような資金計算書は経営者が将来の現金の必要額を予測するのに用いられ る。  第2は現金と市場性のある有価証券cash and marketable securities  第3は正味貨幣資産net monetary assets…これは現金・預金,回収の過 程にある現金および国債その他市場性の高い一時的所有の有価証券のような第 二次的な現金準備資金の合計から支払の過程にある現金を控除したものをもっ て資金とする。  第4は運転資本working capital…こねま最も広く用いられる資金概念で, 正味流動資産net cUrrent aSSetsである。        22)  第5は財務上のすべての資産all financial resources  つぎにこれら資金概念の相異による資金計算書を検討してみる。         23)  (1)総資金運用表  すべての資産あるいは資本を資金とみるので,この資金の使途および源泉は つぎの組合わせによることとなる。 資金の使途 資金の源泉

資産の増加

負債の減少

資本の減少

資産の減少

負債の増加

資本の増加

これは貸借平均の形式によって 22) Mason, Perry: “Cash Flow” Analysis and The Funds Statement. Accounting  Research Study No,2. AICPA 1961 p.p.51∼56.染谷恭次郎監訳,武田安弘,高橋  久夫共訳:rキャッシュフロー分析と資金計算書』中央経済社昭和38年p.p・88∼94。 23)資金計算書Fund Statementは資金運用表のほか論者により種々の呼び方をする。  財務計算書Finanzierungsrechnung,財務運動計算書Finanzfiuβrechnung,資金運  動計算書Kapitalfluβrechnung,運動貸借対照表Bewegungsbilanz,財務経済的貸借  対照表finanzwirtschaftliche Deckungsbilanz,流動性変動貸借対照表Liquidi−  tStsveranderungsbilanzこれは資金概念の相違による表現である。

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      資金計算書の財務表示  115 資金の使途および源泉比較表24) (比較総資金運用表) 全産業(日本銀行の資料)

\    区  分

   E’X.L 項  目     \ 資金の使途および源泉表 S.39上期 (525社) S.39下期(521社) 増減額(資金の使 途および源泉)

増加隊少

使

固定資産

棚卸資産

途(資産)降場酬金額酬(使途)1(源泉)

      百万円

      計固物 設固

定機 仮定

資械 勘資

産等地定産子

形建土建形

有   無高

商原仕貯

 百万円  827, 395  713, 014  66, 020  48, 361  15, 190  212, 650 1, 055, 235  △     △

︶料品品

品材掛蔵計

107, 172 14, 731 110,460  1r 567 230, 796  % 36. 6

3L5

2. 9 2. 1 0, 7 9. 4 46, 6 百万円 % 840,587L 42.2 724,5461 36.4 76,7021 3.8 39,3391 2.0  6, 8761 O. 4 209,6321 10. 5 1,057,0951 53. 1  百万円  13, 192 (11, 532) (10, 682) (1, 860) 13,192 4. 7   AO. 6 4. 9 ao. 11A 10. 0 100,7181 5.1  4, 7651 “O. 3 61,7061 3.1  2,413 △0.ユ 155,2461 7.8 邑(9,022)  8. 314  3, 018  11, 332 売上債権(含割手残) 696,lssl 30. sl 4s2,43sl 24.2 現  金  預  金 lol,sosl 4.71 ls4,0211 g.2 そ の 他1178・ 4761…}・12・46115・・

使途合計2,262,470100

1, ggl, 2161100 6,454 19, 496 48, 754  846 75, 550 82, 213 213, 717     66, 015    (271,209) 95, 405     366, 614 源泉(負債・資本)

降劉酬金劉劃(源泉)1(使途)

内部資金

外部資金

保却 留償

  計

部価 内減

高金旧式債他

歩債の

入 入

昔期

短長買株社そ

百万円 70, 258 474, 248 544, 506 504, 667 253, 636 390, 095 195, 402 69, 355 304, 809  % 3. 1 21. 0 24. 1 22. 3 11. 2 1Z 2 8. 6 3. 1 13. 5 百万円 % 68,8551 3.5 474,5201 23.8 543,3751 27.3 490,218L 24.6 301,7331 15.2 303,0711 15. 2 153,4631 7.7 66,9411 3.4 132,460] 6.6    1, 403 272    (1, 131) 272    1,403 24)中島信行:前掲書 32ページ。 48, 097 14, 449 87, 024 41, 939  2, 414 172, 349

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116  小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号)

i

計 i・,717・ 964i・…1・・447・・886レ2・・1・8・・97i(21991m! 源  泉  合  計 2,262,4701100 1 1,ggl,2611100 1 4s,36gl (2gi,b?g?g (注) (3)   (2)   (3) ︶︶ 4FO ︵︵ ︶︶ ρ07 ︵︵

12

Qり4﹁0ρ07只︶ ーワ臼つU4ドD ρ07 資金の使途(源泉)合計=資産合計の増減額+受取手形割引高の増減額+減価償却費 有形固定資産=有形固定資産の増減額+減価償却費 建物機械等コ(建物構築物+機械および器具+船舶・車輔・運搬具+その他)の増減額 +減価償却費 売上債権(含二手残)=(受取手形+売掛金+受取手形割引残高)の増減額 内部留保=(自己資本一資本金一新株式払込金中資本金へ振り替える分一法人税一社外 分配)の増減額+無償増資額+価格変動準備金残高増減額 買入債務=(支払手形+買掛金)の増減額 株式=(資本金+新株式払込金中資本金へ振り替える分)増減額一無償増資額 なお増減額の( )内数は有形固定資産の内訳と増減の差額を示す。

      資金の使途     25)

現 金 預 金      82,213百万円 有形固定資産      13,192  (1−2)資産の増加      95, 405

短期借入金      

14,449

買入債務        87,024

社     債      2,414

その他負債      172,349

株式  

41,939 内部留保(利益剰余金)       1,403 (3−8)負債・資本の減少    計          資 金 売 上 債 権 棚 卸 資 産 無形固定資産 投     資

その他資産

(1−5)資産の減少

長期借入金

減価償却(営業活動) (6−7)負債・資本の増加    計 319, 578 414, 983 の 源 泉 213, 717百万円 75, 550  8, 314  3, 018 66, 015 366, 614 48, 097   272 48, 369 414, 983    資金使途の合計=資金源泉の合計 となり,貸借対照表の2期分の比較をおこない,資金の使途および源泉の比較 25)中島信行=前掲書 35ページ。

(13)

      資金計算書の財務表示  117 表を作成し得る。すなわち比較総資金運用表である。  総資金運用表は総資金の本質により財務構造の変動および資金の流れ,すな わち資金の移動状況を明らかにすることはできるが,財務流動性あるいは支払 能力を示す運転資本や手許流動性を示す現金,預金の増減理由については殆ん        26) ど説明することができない。  (2)現金資金運用表  資金の意味を現金および固定預金を除く預金に限定するので,現金・預金以 外はたとえ流動資産であっても資金ではなく資金の源泉あるいは使途とみなさ れる。

資金の使途

i

資金の源泉

現金・預金以外の資産の増加   負 債 の 減 少   資 本 の 減少 現金・預金以外の資産の減少   負 債 の 増 加  資本 の 増 加  現金資金概念を検討する場合に運転資金概念も同時に検討することは有効で ある。こXで運転資金概念は企業の流動性,支払準備の指標として果たして適 切かという問いに対して「ノー」である。その理由は,流動資産のうち商品は 費用性資産であって個別的には貨幣に転化していくとしても,継続的に営業活 動を遂行するためには一定の在庫量が必要である。すなわち固定資産と同じ性 質をもつ恒常有高となる。しかしこれは負債の返済には当てられない。そこで 支払準備として即座に役立つものだけを資金概念とするならば,それは現金・       27) 預金時の流動性の高いものだけとなる。また運転資本が不良債権や商品のデッ ドストックとして固定化し,支払手形の決済に必要な現金・預金が不足すれぽ 手形は不渡りとなり倒産にいたる可能性が生ずる。したがって現金・預金資金 は手許流動性として重要であり,その変動には大きな関心が払われる。この場 合現金資金の変動がどうして起きたか,またどのように移動したかを資金の源 泉および使途の両面から明らかにするために現金資金運用表を作成してこれを 26)中島信行:前掲書 p.p.30∼35。 27)新田忠誓:「資金計算書」 『会計人コース』別冊通巻第35号 昭和62年12月。

(14)

118 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号)        X社・現金資金運用表 (単位:千円) (報告形式一照合式)  現金預金期首在高      30,000  資金の源泉:    営業活動より得た資金:

     純売上高       

420,000

     受取配当金      1,000

      421, OOO      控除:売掛金増加    10,000        棚卸資産増加    6, OOO        支払手形減少     4,000        短期借入金減少     3, OOO    23,000   398, OOO    他の源泉から得た資金:

    株式の発行      

40,000     関係会社有価証券の売卸      3,000   43,000       当会計年度に使用可能の資金       471, OOO  資金の使途:    営業活動への資金:

    売上原価       280,000

    販売費一般管理費      66,000     法人税等支払       30,000        376, OOO     控除:受取手形減少     2, OOO        買掛金増加    5,000   7,000  369,000    他の目的に使用された資金:     建物構築物の購入      60,000     長期借入金の返済      2,000     株式配当金の支払       5,000   67,000       当会計年度に使用された資金       436,000 現金預金期末在高      35, OOO 現金預金期首在高       30,000  資 金増 力「i額       5,000  現金預金渠魁在高       35,000    28) 分析する。  現金資金運用表は現金・預金の増減理由を説明することができるから手許流 28)中島信行:前掲書 91ページ。

(15)

      資金計算書の財務表示  119 動性の現状を知り,今後の見通しを予測するのに役立つものではあるが,将来        29) の支払能力を示す運転資本の増減額や増減理由については説明できない。  (3)運転資金運用表  運転資金の源泉と運用とが営業活動,資本調達活動,投資活動,利益処分活 動に分けて表わされ,その結果として運転資金の当期増加分が計算される。何 故に運転資金が資金概念と考えるのに有効なのか。それは営業活動に投下され ている資産はやがて貨幣に還流し,商品も貨幣の等価物と考えられるからであ る。他方流動負債はこれもやがて貨幣の支出となる。したがってこの両者たる 流動資産から流動負債を控除することによって企業の貨幣および等価物の準備       30) の状況すなわち流動性を把握することがでぎる。これは別の見方をすれば一般 株主に対しては損益計算書上の利益の行方を説明し,経営者に対しては資金逼 迫の原因を追求し得る。また債権者に対しては企業の債務支払能力を見ようと するのに有効である。  運転資金運用表を考える場合資金の意味を運転資本におく。    運転資本=流動資産一流動負債 であるから資金の意味は流動資産と流動負債のなかにある。したがって資金の 源泉と使途とを区分するために流動資産と流動負債とを除く諸科目に対してつ       31) ぎの原則が適用されることになる。

資金の使途

資金の源泉

営業活動(当期損失金など)   固定資産の増加   固定負債の減少

  資本の減少

営業活動(当期利益金など)   固定資産の減少   固定負債の増加

  資本の増加

 運転資本が増加することによって運転資金の範囲は拡がる。それは(流動資 産)一(流動負債)の関係であると同時に(固定資本)一(固定資産)の関係でも 29)中島信行1前掲書 p.P・35∼38。 30)新田絶壁:前掲論文。 31)中島信行:前掲書 38ページ。

(16)

120 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) あるので,固定資本のうちどれだけを固定資産に投資したか,その残額の問題 でもある。これはまた固定資本の内容たる固定負債よりも自己資本を充実させ ること,さらには利益の増大と多くの内部留保である。内部留保とは利益準備

       X社・運転資金運用表

 (単位 千円)       (報告形式一残高式) 資金の源泉:   営業活動よりの資金

   当期純利益

    (付加)減価償却費        有価証券の売却損

 株式の発行

  関係会社有価証券の売却 資金の使途:  建物構築物の購入  長期借入金の返済  株式配当金の支払 運転資本の増加  “ 12, OOO  1, OOO 32, OOO 13,000 45, OOO 40,000 3,000 60, OOO 2, oeo 5, OOO 88, OOO 67,000 21, OOO 運転資 本 明 細 表

 金形金品

産預手 商

   掛

資金取 卸

動現受売三

流 30, OOO 10, OOO 50, OOO 40, OOO 35, OOO 8, OOO 60, OOO 46, OOO

 運転資 本

増  加 s, eoo 10, OOO 6, oeo 130, OOO 149, OOO

 形金金

債手入

  掛借

負払

   期

生支買短

流 12, OOO 30, OOO 18, OOO 8, OOO 35, OOO 15, OOO 4, OOO 3, OOO 減  少 2, OOO 5, OOO 60, OOO 58, OOO

運転資本

運転資本の増加 70, OOO 91, OOO 21, OOO 28, OOO 28, OOO

(17)

      資金計算書の財務表示  121 金,資本準備金,減価償却累計高等である。資本主義経済の指導原理は資本の 運転・循環過程における利潤の極大化と,それにもとつく資本の自己増殖であ る。利益を増大し,固定資本さらに運転資本を増加させることは企業経営の重     32) 要事である。  前回の運転資金運用表の説明をしよう。  2時点による比較貸借対照表によって,    資産の変化=負債・資本の変化 として得られるから,  (流動資産+流動資産以外の資産)の変化・=(流動負債+流動負債以外の負債  ・資本)の変化 としても考えられる。そこで流動資産以外の資産と流動負債とを移行すれば,  (流動資産一流動負債)の変化=(流動負債以外の負債・資本一流動資産以外  の資産)の変化 となる。左辺の(流動資産一流動負債)は運転資本であるから,  運転資本の変化=(流動負債以外の負債・資本一流動資産以外の資産)の変  化 となり,これが正に運転資金運用表の内容となる。したがって,  運転資本の増加=流動負債以外の負債・資本の増加+流動資産以外の資産の  減少  運転資本の減少=流動負債以外の負債・資本の減少+流動資産以外の資産の  増加 となる。  総資金運用表や現金資金運用表はアメリカにおいて信用分析に利用された。 また運転資金運用表はイギリス会計学の伝統たる複会計制から運転資本の概念        33) が導入され,今日では経営の分析や計画などに利用されている。  運転資金運用表は前に述べた総資金運用表と同じように2時点の貸借対照表 32)中島信行:前掲書 6ページ。 33)中島信行:前掲書 p.p.38∼41。

(18)

122  小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号)        貸借対照表の財務構造

ーーーi

 流動資産  

固定資産 現    金 預    金 受 取 手 形 売  掛  金 棚卸 資 産

そ ? 他

機建土投

械物融資

形金金他

手  掛入の− 払

支心当そ

金債金金益

   立利

借⋮本⋮

期 積期

長点虚言当

 流動資本    =  流動負債    固定資本

−一

固定負債 資  本

一−一

を比較し,各項目の増減を計算することによって得られる。このために精算表 が利用される。  このようにして得られる運転資金運用表および運転資本明細表から企業活動 に関してどのような情報を獲得できるであろうか,それは,それぞれの表のチ ェックによってなされる。そのポイントはつぎのとおりである。  (1)運転資金運用表のチェック  1) 資金の源泉と使途とはバランスしているか,アンバランスならぽ運転資   金は増加しているか,それとも減少しているか。  2) 運転資金の増加あるいは減少の原因は何か。  3) 当期利益や減価償却などの営業活動から得た資金は源泉総額の何%か。  4) 固定資産への投資資金は減価償却額や固定資本で調達されているか。ま   た運転資金が減少の時は短期借入金が使われていないか。  5) 株主配当や役員賞与に対する利益処分は適当か。  6) 諸引当金の計上は十分差。  7) 長期借入金や社債発行により長期資金の調達をおこなっているか。  8) 増資は必要に応じて適切になされているか。  ω 運転資本明細表のチェック  1)運転資本は増加しているか,あるいは減少しているか。その増減に最も

(19)

資金計算書の財務表示  123 H社・資金精算表(運転資金運用表)34, (単位千円) 科 目 流動資産 固 定 資 産 金形金面用 預手 資費   掛  捨 金取 卸拙 意受売棚前 物置具飛地定資

轡繕

建増車工土建投 比較貸借対照表 第・期隣・期 63, OOO 19,000 165, OOO 118, OOO  3, OOO 368, OOO 91, OOO 89, OOO  5, OOO  6, ooe 13, OOO 16, OOO 36, OOO 256,000 94, OOO  7,000 176, OOO 126, OOO  4, OOO 407, OOO 103, OOO 90, OOO  6, OOO  8, OOO 16, OOO

  o

41, OOO 264, OOO

資産合計

1 624, OOOi 671, OOO 流動負債 固定負債 資 本 形金金用金 手入費鞘  掛口 動計

払口窄

支買短未価

長期借入金

退職給与引当金

  計

金金金金益

野立欝

血準出射純計    ロ 益意無期 資利下面当 g3, eoo 257, OOO 56, OOO  8, OOO  s, eoo 422, OOO 39, OOO 6, OOO 4s, ooe 100, OOO 20, OOO 19, OOO  7, OOO 11,000 157, OOO 95, OOO 265, OOO 86, OOO 10, OOO  6,000 462, OOO 44, OOO 7, OOO 51, OOO 100, OOO 21,000 19, OOO  6, OOO 12, OOO 158, OOO 負債・資本合計  624,000671,000

増減額

借方1貸方 31, OOO 11,000 8, OOO 1, OOO 12, OOO 1, OOO 1, OOO 2, OOO 3, OOO 5, OOO 2, OOO 1, OOO 78, OOO 12, OOO 16, OOO 2, OOO 8,000 30, OOO 2,000 s, oeo 1,000 1, OOO 1,000 78, OOO 運転資本の減少・…・………・………・………・・……… 運転資本

劇減少

31, OOO 11, OOO 8, OOO 1, OOO 2, oeo 1, OOO 54, OOO 12, OOO 2, OOO 8, OOO 30, OOO 2, OOO 54, OOO 資 金

使途陣泉

12,000 1, OOO 1, OOO 2, OOO 3, OOO 5, OOO 1, OOO 25, OOO 16, OOO 5, OOO 1, OOO 1, OOO 1, OOO 1, OOO 25, OOO 34)中島信行:前掲書 63ページ。

(20)

124 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号)        H社・運転資金運用表35)  (単位千円)

資金の使途

資金の源泉

目i金額1項

目降額

 物置具品地資 金

出門轍∵齢

三三機車工土投の漏

話   本

固      資

12, OOO 1,000 1, OOO 2, eeo 3, OOO 5,000 1,000 25, OOO 固定資産の減少

  建設仮勘定

固定負債の増加

  長期借入金

  退職給与引当金

資本の増加

  利益準備金

  当期純利益

運転資本の減少 16, OOO 5, OOO 1, eoo 1, OOO 1, OOO 1, OOO 25, OOO 運転資 本 明 糸田表 増 加 減 少 流動資産の増加

  現金預金

  売  掛  金

  棚卸資産

  前払費用

流動負債の減少   価格変動準備金 運転資本の減少 31, OOO 11,000 8, OOO 1,000 2, OOO 1, OOO 54, OOO 流動資産の減少

  受 取手 形

流動負債の増加

  支払手形

  買  掛  金

  短期借入金

  未払費 用

        /

      /

    /

12, OOO 2,000 8, OOO 30, OOO 2, OOO 54, OOO  大きい影響を与えている科目は何か。 2)運転資本の増減と現金・預金の増減とは大体等しいか。あまり亡しくな  けれぽその差の原因はどの科目か。 3) 売掛債権や棚卸資産の増減は売上高の増減に対して妥当な額か。 4) 売掛債権と買掛債務との均衡関係は配慮されているか。 35)中島信行:前掲書 65ページ。

(21)

       資金計算書の財務表示  125 5)短期借入金は運転資金として効率的に使用されているか。 6) 現金・預金の有高や増減について異常はないか。 7) その他の流動資産や流動負債に大きな増減はないか。もしあれぽその原     36)  因は何か。 V 結 び  損益計算書と貸借対照表の両老を財務諸表とする現行制度会計のもとでは, 前者からは期間の経営成績を,後者からは一定時点における財政状態を知り得 るが期間における資金の動きは把握されない。こxに第3の財務表とでもいう べき資金計算書が必要となる。  この資金計算書から得られる情報は,  1) 投資活動についての情報,特にこれにより企業が当該期間に将来を考え てどのような投資をおこなったかが明らかになる。  2)資本調達活動についての情報,特にこれにより企業がどのような源泉か ら資金を得てきたかが明らかになる。  3) 利益処分の合理性についての情報,損益計算書上の利益は企業全体の利 益獲得活動による利益である。これに対して利益処分特に利益の社外流出を考 える場合に流出可能な型の利益を検討することが重要である。これは貨幣およ び等価物の循環を対象としている営業活動のみを反映する計算をすることによ って得られる。  4) 投資活動,資本調達活動,営業活動およびこれにともなう利益処分活動 のすべてを総括した流動性の情報,これはうえのすべての活動をまとめること        37) によって得られる。  資金計算書は1つの情報提供手段である。それは行為を指示する基礎として の知識の伝達である。この情報を受取るのは企業の内外の人達であり種々の目 的に利用される。したがって資金計算書の詳細さの程度や資金概念は,その目 36)中島信行:前掲書 p,p.117∼118。 37)新田忠誓:前掲論文。

(22)

126 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) 的によって多様であるから異なる経営管理の目的には異なった資金概念にもと       38) つく資金計算書が用意されなけれぽならない。 38)Kafer, Karl:a. a。0。安平昭二,戸田博之,征龍達,倉田三郎共訳:前掲書P. P.  1∼2.Kaferは資金計算書のことを資金運動計算書という。

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