57 ら異端視きれて,まともなものとしては取上げられ ず,一部の限られた品々により,むしろ営利の対象と きれている憾がある。これを正しく育み,専問の分野 に独立させる事は大いに意義ある事と愚う。 治療に於て,これら造形外科の対象となる患者の中 には往々にして精神的な病気を持っている。これに対 する治療も忘れてはならない。 質 問 (皮膚科) 中 村 敏 郎 名称のとですが「造形外科」も結構ですが,私は出 来れば美容という言葉を使用しての外科という様に表 現していただきたいのです。
応答 (外科)太田八重子
造形外科という名前は榊原教授の乗入の考えであり ます。P工astic Surgeryの科をつくるには勿論眼科, 耳鼻科,整形外科,外科と合同してのことが当然と思 います。 追 加 (整形外科)森 崎 直 木 演者の意呼のPlast’ic Surgeryなる一分科の出来る ことに賛意を表する。これによって整形外科に誤って おとつれる患者をすくい得るし,整形外科に対する誤 解もとかれる。P]astic Sur塞eryに対する邦語としては 用語統綱委員会でPlasticは形成と決った筈であるか ら,それに従えば形成外科となる。Plastic Surgery は眼科,皮膚科,耳鼻科とも関連を有するからそれと のGrenzgebietの調整を考慮きれたい。 13。鼻咽腔に原発した悪性腫瘍の叢例(耳鼻科)窪 敦 子,鈴木貴美子
(演)金 非 美 津 悪性腫瘍の治療に際して放射線及びある種の化学療 法剤使用時に於いて治療中止の原因となるのは主とし て白血球の著減である。 鼻咽腔に原発した細網肉腫症と癌腫の2例に遭遇し 白血球数減少の回復を企図して,種々の白一血球数増多 剤の他,テレビン油注射により白血球増多を来し治療 継続中の症例を経験したので報告する。 第1例 柴○の○,46才女。主訴は右側頸部腫瘤, 開放性鼻声。昭勧30年12月末から開放性鼻声,右扁桃 腫大,1月末右側頸部腫瘤に気づき,血性鼻漏あり。 現症:全身的には著変なく,局所的には右側の上咽喉 腫瘍と口蓋扁桃腫大,同順頸部淋巴節腫腸を認めた。 両側扁頭並に頸淋巴節摘出術施行。いつれも組織学的 に細網肉腫の未熟型であった。術後上咽頭にラジウム 1840mg時照射の他,三回に亘り頸淋巴節摘繊術を施 行し,且ナ・fトPミン480mg,ザルコマイシン25g注 射せるも白血球著減のため治療を中止し,大量輸出の 他種々の白血球増多剤も効なきため,無菌テレビン油 0.5ccを.2回に亘り大腿部皮下に注躬し白血球増多を 来した。これにより更にラジウム,アクチノマイシン 注射の併用を企図している。検査成績は軽度の貧血, 赤沈中等度促進,赤血球抵抗減弱,軽度肝障碍の他著 変はなかった。 第2例 多○き○,51才女。主訴は鼻出血。昭和30 年10月末より撰鼻に際し鼻出血あり,本年3月始より 右鼻閉塞感,悪臭性鼻漏を認めた。現症:全身的に著 変なく,局所的には易出血性の腫瘍が右上咽頭部に認 められた。右側頸部淋巴節が指頭大に腫脹。両側口蓋 扁桃摘出,上咽頭腫瘤及び右側頸部淋巴節摘出を行っ た。組織学的にいつれせ単純癌であった。:右上咽頭部 にラジウム照射1750皿g時使用後,白血球著減のため 輸血,パニ・一一ルチンその他を使用せるも効なく,テV ビン油注射により治療継続を企図している。検査成績 は,貧血,白血球減少,血沈高度促進の雪目変はみら れなかった。 白a笠球面多法としての無菌テレビン油注射に際して は,全身的に発熱,局所的に激痛,発赤腫脹,熱感を 伴い,局所が平常に復するに約2∼3週間を要し,此 の点今後の検討を要する。 14。心弁膜症(所謂リウマチ性心内膜炎による) に於け郡県尖弁の態度 (病理)(演) 野 口 昌 子丹沢康子,近藤智里
リウマチ性心内膜炎による弁膜症の際に,病理学的 にも臨床的にも左心系に属する弁,即ち大動脈弁,僧 帽弁の変形が専ら問題になる。一般に」b内膜炎が左心 系におこりやすく,叉生じた変化が弁の変形を残しや すいのは,左心が右心に比して内膜の機械的刺戟が強 いためであろうが,右心系特に三尖弁,肺動脈弁にも 同種の変化のおこる可能性は充分考えられる。 我々は約60例の心弁膜症の剖検例を用い,三尖弁の 変化を肉眼的,組織学的に精査して次の三点について 報告する。 1)弁の変形を起して機能性脳を生ずるものの頻 度。 2) は変形にいたらないものでも組織学的に新旧の 内膜炎の像が多数にみられること。 3)機能的閉鎖不完全症の想定される例の頻度。 15.血管心臓邉影法(第3報) 診断能力向上に闘する1試みについて倣射線科)島津フミヨ
(演)石原純一,後藤千代
重田帝子,長瀬明美
三 浦 茂,高 岡 真
研究目標:当教室では過去5年間に亘り約80内含の A.C.G、法(血管心臓造影法)を経験したが,現行の ..fi 57 一一58 方法では撮影速度が低い事,及び多方向同時撮影を行 い得ない並等の為に症例によっては診断的中率の低い ものがあり,従って更に現行方法に含まれる診断の Information量を増加して診断能力の向上を計る事が 望ましい。 この目的で我々はA.C,G.法施行の際,同時に心電 圧曲線及び撮影時期を記録し撮影結果の解析を容易な らしめた。 方法及び結果:心電圧曲線の記録には特殊な増幅器 を用い,撮影時期の明示には高圧変圧器一次端子電圧 』を利用した。この他手動的に造影剤の注入開始及び終 L 了のマ・’一クを記録し得るようにしてある。 心電圧は正常人でR棘波々高値がほぼ1 mVp以下 であり,造影剤の注入によってその振幅が急激に減衰 する場合が多い。叉被検老を接地力泌完全に絶縁する 事は造影剤注入操作及び体位設定操作上不可能であ り,更に被検者の体下部には大きな雑音源がある為心 電圧増幅器入力のS/Nは極めて小さく,従って普通 心電計に用いられているような抵抗容量結合型の増幅 器を用いる事は無理である。 我々は直結合型増幅器を用いることによって過度特 性の改善を計り,極めて安定に心電圧を増幅する事に 成功した。 この方法によれば,心臓搏動位相と撮影時期の関係 を知る事が出来る,造影剤の注入開始及び終了時期を 記録する事が出来る,撮影聞隔及びX線平射時間の監 視を行う事が出来る,撮影中の心電図を記録する事が 出来る,等により撮影結果の解析を行う事が極めて容 易となる。