乳児相互のかかわり合いについて : 事例研究
著者 黒住 佳代子, 井桁 容子, 小野 明美, 佐々木 聰子 , 川合 貞子
雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学
巻 37
ページ 123‑128
発行年 1997
出版者 東京家政大学
URL http://id.nii.ac.jp/1653/00008970/
乳児相互のかかわり合いについて
一事例研究一
黒住佳代子*,井桁 容子*,小野 明美*,佐々木聰子寧,川合 貞子**
(平成8年9月30日受理)
ACase Study on Interaction Between Infants
Kay。k・KuRozuMI, Y。k。 I GETA, Akemi ONo, S at。k。 S AsAKI and Teik。 KAwAI
(Received S eptember 30,1996)
1 はじめに
近年,働く母親の増加や家庭観・家族観の急激な変化 は,集団保育のあり方にも大きな影響を与えている.延 長保育による長時間保育,夜間保育,一時保育,そして 乳児保育,障害児保育など保育に対して様々なニーズが あり,また,事業内保育施設や駅型保育園など,その形 態も多様になってきている.もはや子育てにおいては,
家庭保育か集団保育かの二者択一の問題ではなく,家庭 と保育の現場とがネットワーク化され,乳幼児のより豊 かな人間形成に努力していかなければならない時代にあ るといえよう.
乳児保育を実施しているナースリールームにおいても、
子どもの健全な成長を願いながら,常に家庭との連携を 密にし,子どもの姿を見っめっっ日々保育をすすめてい
る.
本研究では,集団保育の大きな特徴であり,メリット のひとっである乳児相互のかかわり合いについて着目し てみる.毎日の保育の中で,乳児は他の乳児をよく見た り,自分より月齢の小さい乳児の頭をなでたり,頬ずり をしたりする.また,保育者の仲介がなくても乳児がお 互いにあそびを誘いかけるような行為も見られる.乳児 相互のこのようなとても細やかな視線や仕草,行動は比 較的早い時期からみられる.
そこで乳児自身からのこのような行為は,どのように して芽生え,どのような意味があるのか,また保育者は この乳児相互のかかわり合いをどうとらえ,日々の保育
の中でどのような配慮をしていけばよいかを確認するこ とを目的とした.
H 方法及び対象
東京家政大学ナースリールーム(産休明けから3歳未 満児の保育室)の0歳児クラスにおけるかかわり合いに っいて,保育記録から抽出した事例をもとに分析・考察 を行った.抽出した期間は,平成7年4月から平成8年
1月までである.
本研究を行った平成7年度のクラス構成は図1の通り
である.
ク ラ ス こどもの人数 保育者の人数
0 才 児 5 名 2 名
1 才 児 4 名 1 名
2 才 児 5 名 」 名
合 計 14 名 4 名
* 東京家政大学ナースリールーム
**東京家政大学児童学科児童心理学研究室
図1 平成7年度クラス構成
対象児は,下記の5名であるが,今回は人に対して好 奇心が強く,他児とのかかわり合いが頻繁に見られたS 児を中心に分析した.
対象児 乳児室に在室する5名の乳児(図2を参照)
S児(男) H6.10.29生 入室 H7.4(生後5ヵ月)
家族構成 父・母・姉(4歳)・祖父母 R児(女) H6.11.21生
入室 H7.4(生後4ヵ月)
家族構成 父・母・兄(3歳)・祖父母
黒住佳代子・井桁 容子・小野 明美・佐々木聰子・川合 貞子
4月 5 6 7 8 9 10 、 11 12 1 2 3
入室
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