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乳児が示す乳児への選好 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)乳児が示す乳児への選好 キーワード:乳児,年齢の弁別,選好,幼児図式,類似性 行動システム専攻 實藤 和佳子 1.はじめに 日常生活において,乳児は年長の子どもよりも乳児を. の中で刺激が 1 つずつ提示された.刺激提示中,養育者 は乳児に一切働きかけのないように教示された.. 選好する.こうした現象の背景には,乳児における「幼. 測定 初めの刺激注視時間(First Look; FL)及び刺激. 児図式」への選好があると解釈されてきた(McCall &. 注視中の腕のバンギング量(Banging Arm; BA) .. Kennedy, 1980) .一方で,自己により似た他者としての 乳児への選好であるという解釈もなされている(Brooks. 2.3 結果と考察. & Lewis, 1976; Lewis & Brooks, 1975) .ところがこれ. 幼児刺激より乳児刺激への FL が長く,幼児刺激注視. らの解釈について未だ総合的な検討がなされておらず,. 中より乳児刺激・成人刺激注視中に多くの BA が観察さ. 乳児における乳児への選好を基礎付けるメカニズムに関. れた.日常,乳児にとって乳児や幼児に対する視覚的経. して統一された見解を得るに至っていない.. 験はほとんどないにもかかわらず,乳児−幼児刺激間に. 以上のことから,本研究では乳児が示す乳児選好のメ. 反応の差がみられたことから, 動画刺激を用いたときも,. カニズムの解明を目指した検討を行った.. 乳児は幼児よりも乳児を選好していることが確認された.. 2.研究1:動画刺激による乳児への選好に関する検討. 3.研究2・研究3:他種の幼体への選好に関する検討. 2.1 目的. 3.1 目的. 先行研究では静止画を用いた検討がなされてきたが,. 乳児は,ヒト乳児に対してだけでなく,種をこえて幼. 研究 1 では,乳児は乳児への選好を示すかどうかについ. 体(赤ちゃんらしい特徴)に対しても選好を示すかにつ. て,動画刺激を用いた検討を行った.. いて検討を行った.. 2.2 方法. 3.2 方法. 対象者 乳児!34 名(男児 19 名・女児 15 名,M = 7.7. 対象者 家庭でペットを飼っていない乳児 23 名(男児. ヶ月,SD = 1.67 ヶ月) . 対象者は全員,3 歳の兄・姉. 13 名・女児 10 名,M = 11.81 ヶ月,SD = 1.82 ヶ月).. を持たない乳児とした.. 刺激 幼体の刺激選定のため,大学生 56 名(男性 19 名・. 刺激 対象者とは見知らぬ乳児・3 歳児・成人(各 4 名). 女性 37 名,M = 21.5 歳,SD = 2.1 歳)が 5 種における. がモデルとして参加した.全モデルはそれぞれ,同環境. 幼体の「かわいらしさ」評定を行った(研究 2) .その結. の中で,同デザインの洋服を着用し 3 種類の対象物を 1. 果, 「かわいい」と最も高く評価された時期の幼体の写真. 種類ずつ自由に操作している様子が撮影された.モデル. (ヒト:6 ヶ月,チンパンジー:11 ヶ月,ウサギ:2.5. に対する対象物の割合は,対象物の大きさを変えること. ヶ月,イヌ:1 ヶ月,ネコ:4 週)と成体の写真を用い. によって統制された.これらの録画から 1 刺激あたり無. た.全て白黒写真で 750 pixels の正方形であった.. 音で 20 秒の動画が刺激として編集・作成された.. 装置 実験室内の周囲の視覚的刺激が遮断された一区画. 装置 実験室内の周囲の視覚的刺激が遮断された一区画. で実験が行われた.刺激提示用のモニター2 台(SHARP,. で実験が行われた.刺激提示用のモニター(SHARP,. BL-M15X1)が 26.5cm の間隔を置いて設置され,養育. LC-20V20)が設置され,養育者は乳児を前向きだっこ. 者は乳児を前向きだっこしてモニターの 1m 前に座った.. してモニターの 1m 前に座った.. 手続き ウォーミングアップ後、リラックスした雰囲気. 手続き ウォーミングアップ後、リラックスした雰囲気. の中で幼体−成体の写真を対提示で 10 秒,左右を入れ 替えて 2 回ずつ提示された.刺激提示中,養育者は乳児. !本研究における乳児は九州大学発達心理学研究室 「赤ち. ゃん研究員」に登録された乳児の中から依頼された.. に一切働きかけのないように教示された. 測定 各刺激の刺激注視時間(Looking Time; LT) ..

(2) 3.3 結果と考察. を示すのであれば,対象児の月齢にかかわらず特定月齢. t 検定の結果,7 人の乳児にサイドバイアスが見られた ため,以降の分析から除外された.. すならば,対象児と同月齢児を選好すると考えられる.. **. 5. 4.2 方法. 4.5. Looking Time (seconds). (6 ヶ月頃)の乳児を選好し,より似た他者に選好を示. 4. 対象者 乳児 40 名; 6 ヶ月児 20 名(男児 12 名・女児. 3.5 3. 8 名,M = 6.1 ヶ月,SD = 0.84 ヶ月) ,9 ヶ月児 20 名(男. 2.5. 児 10 名・女児 10 名,M = 9.16 ヶ月,SD = 0.78 ヶ月) .. 2 1.5. 刺激 対象者とは見知らぬ 6・9・12 ヶ月児(各 4 名). 1. がモデルとして参加した.モデル撮影及び刺激編集は研. 0.5. 究 1 と同様であった.. 0 baby. 装置・手続き・測定 研究 1 と同様.. adult. Stimulus. Fig. 1 乳児における幼体写真・成体写真への LT. (以下,バーは標準誤差,+p < .10,*p < .05, **p < .01) . baby. +. 6. **. adult. **. 両群ともに FL の主効果はみられなかった.一方,6 ヶ月児は 6 ヶ月刺激注視中に,9 ヶ月児は 9 ヶ月刺激注 視中に最も多くの BA が観察された(Fig. 3;各 F (2, 38) = 2.57, p < .10; F (2, 38) = 3.72, p < .05) .. 5 4 3 2 1 0 human. cat. dog. rabbit. chimpanzee. Stimulus. Fig. 2 乳児における各刺激への LT.. Banging Arm (relative frequency). Looking Time (seconds). 7. 4.3 結果と考察. 1.6. *. 1.4 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0. 全体的に乳児は成体刺激よりも幼体刺激の方を長く. 6 months. 9 months. 注視した(Fig. 1;F (1, 15) = 52.42, p < .01) .種×幼体. 15) = 54.95, p < .01; F (1, 15) = 20.30, p < .01) ,イヌ刺 激には有意傾向が(F (1, 15) = 10.56, p < .10)みられた. 種をこえて,乳児は赤ちゃんらしい特徴を持った刺激 に選好を示した.養育者に追跡調査を行ったところ,ほ とんどの乳児(15 名)は外出時などにイヌ・ネコを見た 経験があり,全員がチンパンジー・ウサギを見た経験が なかった.研究 1 と同様にヒトの乳児−成人刺激間にも 有意差はなく,この交互作用の結果には乳児の視覚的経 験が影響を及ぼしている可能性があると考えられる.. Banging Arm (relative frequency). −成体の交互作用に有意差があり(Fig. 2) ,幼体−成体 間にチンパンジー刺激・ウサギ刺激には有意差が (各 F (1,. 12 months. Stimulus. 1.6. +. 1.4. *. 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 6 months. 9 months. 12 months. Stimulus. Fig. 3 乳児における各刺激への BA. (上:6 ヶ月児群,下:9 ヶ月児群). 4.研究4:自己に似た他者への選好に関する検討 4.1 目的. 乳児は 3 ヶ月齢を弁別して, 同月齢児に選好を示した.. 乳児は自己により似た他者としての乳児に選好を示す. 対象者群間で異なった反応が得られたことから,乳児は. かどうかについて検討した. 「幼児図式」に基づいた選好. より自己に似た他者に選好を示していると考えられる..

(3) Banging Arm (relative frequency). 5.研究5・研究6:弁別の手がかりに関する検討 5.1 目的 乳児は自己により似た他者としての乳児に選好を示す ことが示唆された.研究 4 で用いられた刺激は動画だっ たが,乳児の弁別に有効な様々な情報を含んでいると考 えられる.どの情報が,乳児が 3 ヶ月齢を弁別した手が かりとして有効だったのかについて,視覚の運動量(研 究 5)と外見的特徴(研究 6)をとりあげて検討した.. 1.6. *. 1.4 1.2. +. 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 6 months. 9 months. 12 months. Stimulus. 対象者 研究 5:乳児 35 名;6 ヶ月児 20 名(男児 11 名・ 女児 9 名,M = 6.52 ヶ月,SD = 0.80 ヶ月) ,9 ヶ月児 15 名(男児 7 名・女児 8 名,M = 9.25 ヶ月,SD = 0.81 ヶ月) . 研究 6:乳児 35 名;6 ヶ月児 19 名(男児 10 名・女児 9 名,M = 6.60 ヶ月,SD = 0.74 ヶ月) ,9 ヶ月 児 16 名(男児 8 名・女児 8 名,M = 9.20 ヶ月,SD = 0.77. Banging Arm (relative frequency). 5.2 方法. 1.6. **. 1.4. **. 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0. ヶ月) .. 6 months. 9 months. 12 months. Stimulus. 刺激 研究 5 では,研究 4 で使用された刺激をデジタル AV ミキサー(Panasonic, WJ-AVE55)を用いてモザイ. Fig. 4 乳児における各刺激への BA(研究 6) .. クのかかった動画へと変換された.外見的特徴の情報は. (上:6 ヶ月児群,下:9 ヶ月児群) *. 対象者に有効でないが,モザイクの点滅によって刺激の 運動量の情報のみが有効となる.研究 4 と同様に,無音. 6.研究7:弁別因としての顔に関する検討. で 20 秒提示された.研究 6 では,研究 4 で使用された. 6.1 目的. 刺激から複数場面をスチール写真として切り取られた.. 乳児は外見的特徴のみを提示されても,自己により似. 静止画像として提示されたため,刺激の運動量の情報は. た他者としての乳児(同月齢児)に選好を示すことが示. 対象者に有効でなく,モデルの外形の情報のみが有効と. 唆された.身体の中でも最も多くの情報を含んでいると. なる.乳児の注意を持続させるために,15 秒ずつ無音で. されるのは顔である.個性の情報が消去された顔のプロ. 提示された.. トタイプ(平均顔)が刺激として用いられる場合でも乳. 装置・手続き・測定 研究 1 と同様.. 児は弁別・選好を示すかどうかについて検討した.. 5.3 結果と考察. 6.2 方法. 刺激の運動量について,6 ヶ月児群・9 ヶ月児群とも. 対象者 乳児 36 名; 6 ヶ月児 19 名(男児 9 名・女児. に FL の主効果はみられなかった.同様に,両群ともに. 10 名,M = 6.50 ヶ月,SD = 0.64 ヶ月) ,9 ヶ月児 17 名. BA の主効果もみられなかった.これらから,乳児にお. (男児 9 名・女児 8 名, M = 9.29 ヶ月, SD = 0.86 ヶ月) .. ける年齢の弁別は刺激の運動量に基づいたものではなか. 刺激 対象者とは見知らぬ各 32 名(男児 16 名・女児. ったことが示唆された.. 16 名)の 6・9・12 ヶ月児,計 96 名がモデルとして本. 一方,外見的特徴について,6 ヶ月児群・9 ヶ月児群. 研究に参加した.モデルの顔が明るい場所で前髪が額に. ともに FL の主効果はみられなかった.一方,6 ヶ月児. かからないようにして撮影された.平均顔は 8 名の顔が. は 6 ヶ月刺激注視中に,9 ヶ月児は 9 ヶ月刺激注視中に. 平均されたため,各月齢で 4 種類(男女 2 種類ずつ)の. 最も多くの BA が観察された (Fig. 4;各 F (2, 38) = 2.57,. 平均顔が作成された.平均顔の作成には,東京大学原島・. p < .10; F (2, 38) = 3.72, p < .05).これらの結果から,. 苗村研究室で作成されている平均顔作成ツール(Face. 外見的特徴のみが提示された場合でも,乳児は同月齢児. Tool)が使用された.平均顔の背景は無地であり,1 刺. 刺激に対して有意に多い BA を示したことが明らかとな. 激あたり 15 秒ずつ提示された.. った.外見的特徴は,乳児が自己との類似性を検出する. 装置・手続き・測定 研究 1 と同様.. 際に重要な手がかりであることが示唆された..

(4) 6.3 結果と考察. 絡んでいるのか, その解明に向けた実証的研究を行った.. 6 ヶ月児群において FL・BA の主効果はみられなかっ. 今回の実験を通して,乳児は種をこえて赤ちゃんらし. た.一方 9 ヶ月児群は,同月齢児刺激に対してより長く. い特徴である幼児図式を好むことが明らかとなった.し. 注視した(Fig. 6;F (2, 32) = 6.84, p < .01) .同様に,9. かしながら,この結果からだけでは乳児への選好が幼児. ヶ月児は同月齢児刺激に対して有意に多く BA を行った. 図式への選好のみによるものと結論付けることはできな. (Fig. 7; F (2, 32) = 4.34, p < .05) .. い.なぜなら,ヒト以外の種においても成体より幼体の 方が自己(乳児)に似た特徴を持っていると考えられる からである.更に,同世代乳児の中で乳児は同月齢児を. 15. First Look (seconds). **. **. 弁別し選好することが分かった.また,月齢の弁別には. 12. 外見的特徴が大きな役割を果たし,9 ヶ月時には顔情報. 9. のみでも弁別の手がかりとして有効であるようだ.以上 の結果から,乳児は従来考えられていたよりも高い精度. 6. で自己により似た他者を弁別し選好すると考えられる. Meltzoff ら(1995, 2001, 2003)はヒトと機械を比較. 3. した研究などから,乳児がヒトを自己に似た他者として. 0 6 months. 9 months. 12 months. Stimulus. 究においては,知覚レベルにおいて,他種の幼体や同月. Fig. 6 9 ヶ月児群における各刺激への FL. Banging Arm (relative frequency). 検出するメカニズムをもっていることを仮定した.本研 齢児など自己により似ているものを検出・選好すること を実証した.乳児が他者の行動を模倣して学習していく. 1.6. **. 1.4. *. 過程には,知覚した他者の行動を自己の身体に表象して. 1.2. 変換することが必要不可欠である.このような自己に似. 1. た他者への選好という乳児期における知覚システムは,. 0.8. 模倣を行う際の身体的類似性の検出に有効であると考え. 0.6. られ,他者意図理解を中心とした社会的認知の発達にお. 0.4. いて重要な役割を果たすと考えられる.. 0.2. 今後は,本研究で実証された自己と似た他者への選好. 0 6 months. 9 months. 12 months. Stimulus. が後続する社会的認知発達にどのようにつながっていく のかについて,更に詳細に検討していく必要がある.. Fig. 7 9 ヶ月児における各刺激への BA. 8.引用文献 9 ヶ月児は 6 ヶ月児と異なって,顔情報のみでも年齢弁 別に役立てることができたことが示唆された.顔認識に 関する感受性は年齢及び顔処理の経験に伴って高まって. Brooks, J., & Lewis, M. (1976). Child Dev. 47, 323-332. Lewis, M., & Brooks, J. (1975). In L. B. Cohen & P.. いくと考えられ,認知神経科学分野からもこの知見は支. Salapatek (Eds.), Infant perception (pp.. 持されている(Nelson, 2001) .9 ヶ月児が 6 ヶ月児より. 102-148). Academic Press.. も同月齢の顔に多く接触する機会があったわけではない が,ヒトの顔を処理する経験は 6 ヶ月児よりも確かに多. McCall, R. B., & Kennedy, C. B. (1980). J. Exp. Child. Psychol. 29, 189-201.. く持っている.この結果は,乳児期の同年齢弁別能力と. Meltzoff, A. N. (1995). Dev. Psychol. 31, 838-850.. 知覚的能力が高まっていく過程が合わされた結果である. Meltzoff, A. N., & Brooks, R. (2001). In B. F. Malle, L.. と考えられる.. J. Moses, & D. A. Baldwin (Eds.), Intentions. and intentionality (pp. 171-195). The MIT 7.総合考察 本研究では,乳児が乳児に対して選好を示す背景にあ るメカニズムとして,幼児図式への選好があるのか,自 己により似た他者への選好があるのか,あるいは両者が. Press. Meltzoff, A. N., Decety, J. (2003). Phil. Trans. R. Soc.. Lond. B, 491-500. Nelson, C. A. (2001). Infant Child Dev. 10, 3-18..

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Fig. 1  乳児における幼体写真・成体写真への LT.  (以下,バーは標準誤差, + p &lt; .10,*p &lt; .05, **p &lt; .01).  01234567
Fig. 4  乳児における各刺激への BA(研究 6).  (上:6 ヶ月児群,下:9 ヶ月児群)  6.研究7:弁別因としての顔に関する検討  6.1  目的      乳児は外見的特徴のみを提示されても,自己により似 た他者としての乳児(同月齢児)に選好を示すことが示 唆された.身体の中でも最も多くの情報を含んでいると されるのは顔である.個性の情報が消去された顔のプロ トタイプ(平均顔)が刺激として用いられる場合でも乳 児は弁別・選好を示すかどうかについて検討した.  6.2  方法  対象者  乳
Fig. 6 9 ヶ月児群における各刺激への FL. 00.20.40.60.811.21.41.6

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