研 究 鮪 文
有 機 過 酸 化 物 の 熱 分 解 (第
2
報)過酸化ベ ンゾイル誘導体の熱分解
原 奉教書,中村英嗣書,陣内事故'' 松 山一 夫 相 , 紡 水 守 …
過酸化ペ ン./イル とその塩素お よび メチル旺換体の熱安定性を判斬す るEl的 で,溶剤で希釈 しない状態 の分解温度.発火温度.分解速度を測定 し.速度 パラノ一夕や半減期を比較検討 し た。
溶剤 中での 1次反応 と爽な り.融点の低 い0‑お よび
m‑ TPO
を除 き.固 体の分解 に特有 な 分解披解で進行す る。 また,半碑期に限れば,長時間半減期を与 える温皮は液相で反応す る両 者が一番低 く,ついで溶剤中 (文献値)での反応で.固体の場 合は‑轟高 く安定 であ る。1 . 緒 官
有挽過酸化物 の安全性一般 については
No l l e r
l)の他.A
m i t a g e 2)
.北川 ら3川の報告があ り, また.利用者側 で安全な取扱が行われ るペ く危険性の分榊が行われて い る。 しか し.No m e r
が種 々の危険性 に対す る銑教 法 とそれ らの結果か ら,半走丑的に有枚過酸化物の危 険性 を分類 した以外には.過酸化物の安全性を定丑的 に取 り扱 った報告は少ない。過 酸化 ベ t/ゾイルの危険 性 は高い方 で
,No l l e r
に よれ ばDe f l a g T a t io n
Class
L)であ り.落つ い感度 も一 般の火薬類 よ りも高い2)。過酸化ベ t/./イルの分解枚 輪については,多 くの過酸化物 についてがそ うである よ うに.唖 々の溶剤中で検討5)
された ものが多い。 さ らに.安定性の尺度 として用 い られている半減期や速 度 パ ラメータな ども,べ ./ゼ ンな どの溶媒中6)で部定され た ものが使用 され ている。
本研究は過酸化ペ ./I/イルお よびその誘苛体 と して.
塩菜および メチル既換体を選び.その安全性を判断す るための諸 データを得る E]的で,酵剤な どで希釈 しな い状態での熱分析や分解速度の潤定な どを行 った もの であ る。
2 . 爽 虫 2 . 1 妖 料
BPO
は 日本油脂㈱製で. シ ')コ./オイルで5 0 % に
1 9 9 0
年1 1 月 2 6
日受理●九州工業大学工学部応用化学教室
〒 8 0 4
北九州市戸畑区仙水町1‑ I TEL 0 9 3 ‑ 8 7日 9 31
内線4 4 6
対 日本油脂株式会社武史工馴 ヒ非研究所〒
4 7 0 ‑ 2 3
愛知県知多酢武豊町字西門8 2 TEL o 5 6 9 ‑ 7 2 ‑1 4 0 3
希釈 した ものか らメタノールを用いて抽出.再結晶 し て用いた。塩素お よび ノチル誘導体のオル トお よびパ ラ位換体は 日本油脂熊の ものをそのまま用いた。 メタ 把換体は.相当す る酸塩化物 と過酸化ナ ト.)ウムとの 反応によ り合成7)した。
本研究に用いた
7
健の過酸化物の純度お よび本文中 に使用す る記号 をTa b l e
lに示 した。 純 度は ヨー ド 滴定法8)に よ り決定 した。Ta bl e 1 Pt I r i t ya L n ds y m b o l o Eb e z L 2 0y l p e r o xi de s: ( R‑C6 HI COO ) 2
Subs t i t ue n t ( R‑)
P血 t y( %) Sy m b ol
cl cl cl α cH c
H一 l ︼ 一 l I O m p 0 m p
9 8 . 3 BPO 9 8. 6 olCBP 9 8. 1 m‑Cap 9 8. 1 p‑Cap 9 9. 8 0‑TPO 9 9 . 0 m‑でPO 9 9. 0 p‑TPO
2 . 2
熱分析理学電機㈱製の ミクロ示蓋,Q天秤および示差走査鼎
立計を用い,就科容執 土アル ミニウム製 の密閉塾容器 のふたに ピンホールを開けた ものを用い,試料丑IJZtS.
加熱速 度
5 K/ m
h で測定 した。 発熱丑 は硝酸 カ リウ A,イ ー/ジウム, スズお よび鉛の駿鮮魚 を基準 と した。発火温度 の測定 は,内径
2 5
n,高 さ1 4 0
JZE)の石美容 学を用 いて クル ップ法9)に よ り行 った。 試料は約5 0 喝
を赤外分光用錠剤成形欝で タ7'レッ ト状9)に固め.6
‑3 56‑
工業火薬I
1 50 T e 叩e 10 r at 0
ur e/ ' c S 8 t B Pl eit L S. ( S c a l dho l d e r) d T/ dt t 2 5o C
/ t h i n 1 50
F i g.1 DS C c t m e so Eb e n z o y l p e r o x i d e s 等分 し
た一片を春草中に投入 し. 8 0 ‑1 0 0 値の 試料に ついて抑定 した。
2 内径 . 3 6 分群速度の測定 血のガラス管中に筑 科3 0
喝を入れて電気炉中 で所定の時間加熱 し.冷却後 ヨー ド滴定法
により未反 応の過酸化物を定見 して分解率を計井 した。
2 分解時における飛散を防 ぐ . 4 分解生成物の分析
ために,試料 3 0 E q S を内径
6 n E D のガラス管中に封
入 し.電気炉中 3K/ m in の加 魚速度I C分解終了まで加熱 した
。冷却後,ジグ。I ,メ タンに溶解 して GCI MS 法により分析
した
。用いた装 匿は仲 島搾取作所の
LXB‑9 0 0 0 で. カ ラムは O V ‑
2 5(3 m x2
m).カラム温齢 王昇温 ま( 1
0Kl m in ) で
1 0 0
‑2 5 0 ℃の温度範囲で瓢定 した。
3 . 括果および考察
3 Fi . 1 g. 魚分解温点および発火拭敦 tに 7 唖の
過酸化物の DS C 曲線を示 した。 こ の縫柴よ り熱分解の開始
温鼠 ピーク温度および発熱 丑を Ta b l e2 に慈
理 した 。BP O および各課萄体の分 解開始温度は 6 0
‑1 3 0 ℃で.一般の火薬頬に比べて低 く.温度に対 して敏感
である 。BP O は 1 0 5 ℃か ら融解 を始め.その後急赦な尭熱分解を生 じている。敵解 よ り低温で小 さな発熱があ り, これを分解開始温度 ( 9 8
℃)とする報告州もあるが.本葉験
では認め られなか っ
Ta b l e2 De c o mp o s i d o nt e mp e r a t t l r ea ndh e a t o E た。 d e c o mp o s i
t i o no f b e n 1 0 y l p e r o x i d e sf r o m DS C
D
∝o mp o s i t i o nt e mp e r a t u r e He a to fd e c o m p o s i t i o n S a mp l e I n i t i a l( ℃)
Peal((I:)( kJ/m
o
l)BPO o‑Cap m‑Cap p‑CBP o‑TPO m‑TPO p‑でPO
078912 29
67772‑‑一I I
18 2
‑8 5 6 8 0 0
23 0 ‑ 3 0 0 5 0 ■4 ‑ O l一 0 7 ▲︼ 9 9 8
8 3 2 2 1 2 2 1 分解開始温度は or‑TPO が虎も低く . 次い {・m‑TPO であ るが , 両者は融点が他に比べて低いので液相{
・鍵 やかに分解する。これに対して固相で分解するものは
分解が開始すると急敢な分解 となる。 この点に的 して
は 分 解 速 度 の 項 {・考 寅 す る 。 BP O と各 県 性 体
の ど‑ タ温 度 は 壇 来 . メチ ル 置 換 体 と もに
p
<BPO<m‑ < p‑の塀に高 くなっている。発熱丘は BP O が一番大 き
く上記のような傾向はみ られない。
BPO は無溶媒下で加
熱すると次のように分辞 して ど
( C6 HS CO ) 2 02
‑( G HS ) 2 +2 CO 2
7 ェユルを生 じるとされているが1
1 ㌧ この理畠減少丑 は 3 6 % で. CBP と TPO についても同様に考えると.
それぞれ 2
上りも小さい。 このことは分解反応が上丘 己のような両 坤なものでな く.相当枚雑な反応{・ あることが予想 さ れ る。 これは DS C 曲線の形が単純 でな く.同 じ形を
していないことからも理解できる。
危険性とい う斌点からみると.分解阻鹿が・ 低 く先払
E t が大 きなものほど危険性が大きいと言えるが.J P位 時間当 りの発熱丘 も盈賓な要田である 。0‑TP O と 桝
I:+
E F
8U8PTt T tJO
T3 3 v Jd C:
51
0‑TPO は前者に属 し.他は後者に故当する。
火災.爆発などの危険性に関する焚料 として.熱分 解温度 とともに就料の発火温度が抑定され る。発火温 度は唖 々の田子の影野を受けるのでその物質に特有な 物理定故とは言えないが.一定の条件下I C脚定するこ とに より‑適の化合物の発火性の敷島を比較すること が出来 る 。Ta b l e3 に叔低尭火温乱 4 秒待ち発火 Ta b l e3 I gn i t i o nt e s toEb e n z o y lp e r o x i de s
I gn j do nt e mp. ( ℃) Ac t i v a t i o n
Sa mpl e L hWC S t 4 s e c e ne r gy ( U/ mo
l)BPO 1 0 6
(I 1 8s c c) 0‑CBP 8
7( 1 2 2 ) m‑CBP 1 1 4( 1 21 )
I‑CJ I P I 2 7( 1 4 7 0‑TPO 1 0 4(2 0 m‑TPO 1 1 0(1 3 p‑TPO 1 31 ( 1 4 6
g Z o5 誠 飴 31 36 5 1 ■■l▲ l一 l 1 1 1 一' 7 5 9 7 2 LL' 87 糾 86 8t 57 伽 9
( ): I pi t i o nd e hyt i mea tt hel o we s tt e mp.
10 2 0
30
TI E B e/ bvr 40 50 50
0 1 0 2 0
3 0 4 0 TI D e / h o t J r F i E I .2 I s o t he m a l d e c o mps i t iO nc t me S
a ndl i n e a r p l o t sf o r eq t nt i o n(I) (m‑n‑1 ) f orB
PO 温度および活性化エネルギーをまとめた。ただ し
. こ こで用いた過酸化物は大きな分解昔をともなって を生 じ.発火にはいたらない。 これは妖科の分解 自虐
温度 が低いため と,武科丑が少ないためであ り
.Et が多 く
なると発火する
l ● O o ● S o I : +u dt zl O
UO P T t W
T33 8 と 1・。 =
(
X ‑ I ) ヽ T ]J t
0
12 3
4TI T B e / h o l J r
4 5
0 1 2 T i m e / h o 3 u r 0 1 2 T i t 7 肥/ h o u 3 r
90 o C 4 5 F i g・4 I s o 血erma l d e c o mpo s i t i o nc ur v e sa ndun e a r F i g.5 I s o t h e r ma lde c o mp o s i t i o nc ur y e sa ndl i n e a r p l o t sf o raf i r
st lr d e rr 飽C t i o nf o 川 ‑ でPO pl o t sf o ra3 / 2 1 0r de rr e a c t i o nf
o r 7 n ‑ TPO T8 bl e4 Ki ne t i cda t af o rt he t h
r n a lde C O mPS i t i o nf o rb e z uo y lp e r o xi de s Sa mp l e Ra t ee q ua t i o n Ac t iy a t i o n Fr e q ue nc y血c t o r
d x/ d t = e z l e r g y ( k J / mo
l)hA( A
; ho u r ‑ 1)
BPO
kx( 1‑I) 0‑CBP b
こ2
( 1‑Ⅹ)
m‑CBP k
x 2 ( 1‑x) p‑CBP
b
【2 ( 1lX) O‑でP
O k( 1‑x) m‑でPO
k( 1‑ Ⅹ ) 3/ 2
p‑TPO k x 2 ( 1‑x) 0 8
8 4 5 9 6 6 A T 2 3 2 3 6 2 2 2 2 1 1 2 0 9 ‑ 8 3 3 8 2 7 6 5 .
d「 9 2 ‑L' 8 8 7 7 3 4 8
鹿 が大きいことが予想される 。 3 . 2 分群速度 Fig. 2‑Fig.5 に BPO .0 ‑Cap.(卜TP Oおよ び m‑TP Oの分解率一時間曲線と速度式への適合性を示 すプpプ7.を示した 。m・ {BP . Pl:BP および
pITP O については速度は爽なるが . 速度式が0 ‑‑CBP および 桝‑TPO 以外の分解率一時間曲線は, まとめた 。 O‑TPO と 同じなので , 国を省略して . データを Table4 に
反応初 期に誘苛湖がみられ (l) 式で示さ Oについては 桝=n=1 , 他は 桝=2.71=1 のとき . S字型曲線であることか ら自触媒型の分解蟻鞭が考えられ速度式は一般に
(l)BP れる 。 血肋 ‑ 抄(1‑∫)J' に痕も良い直線性を示した 。 BPO よりも m の 値の大きな過酸 化物の方が . 分解生成物が分解速度に 与える影響が大き い。 一 万 .
0‑および m‑TP Oには済苛朋がみられず , 一般のn次式で宅理される
。ddd L= h( 1‑∫)Iにお い て O‑TPO は 〝= tで ,m‑ TP Oは n‑3/2 の ときに 分解率がおよそ 10‑90
% で良い直線 となる。
N血 iと Ba r t ] e t t1 2) は BPO の分解速度式が ( 2 ) 式で 表 され る
ことを示 した。
射l項は BPO の l 分子開裂, 辛2 項
は誘発分解の速度を表す。
‑
uJ d t = k i p +k PJ 2
P:BPO の浪度. hI
,A. ・
:速度定数 ( 2 ) この反応機鰍 土有枚溶剤中での もので
あ り.本実験
での結果は固体の分解蛾僻を鋭明する放散 こ近い。反
応が原系 と生攻系との境界
Ta b l e 5 Te mp er a t u r et og i y ev a r i o us h a l fl i f e( HL) ( ): t i t e r a
ttJre2
01 ・2 I ) ( i ndi l ut es o l u t i o n)
Te mp e r a t u r e(
℃)L nr
‑A/ T‑a S a mpl e l m in.HL 1h r.HL I Oh r.HL
AB
BPO I
ll(1 3 0) 9 4( 9 2)
0‑Cap I OI 8 2
m‑CBP 1 2 5 1 0 3 p‑CBP 1 4 0
(1 3 2 ) 1 1 9( 9 4) 0‑TPO l 1 4( I 1 3) 6 9( 7 6)
∩‑TPO 1 1 5
(131)7 9( 91 ) p‑TPO 1 3 5 1 1 5
90 50 40 20 30 90
仰336 287 ㍑ m t2I ̲57 3 85 m m 45 46 79 別 1 tl LL' 9 5 ▲q 3 9 8 7 7 3 一勺 8
Fi g.3 の分解曲線 と同 じになる。‑軌 二は( 3 ) 式で示 され1 3 ) . q= 0とすると( I ) 式 と同 じとなる 。S 字型の 分解曲線を示す過酸化物が,いずれ も聞相で分解 して いることもこの考えを支持するものである。
血/ dL =k xn ( 1‑ Ⅹ ) D t q ( 3) 一方. n 次反応で分解す る
〇一および 桝‑TPO は触 点が低 く.分解は液相で起 こる。溶媒巾での反応挽舵 に煩似 しておれば ,( 2 ) 式 とな り O‑TPOl l ]分子開裂 反応が. 桝‑TPO は誇発分解が紳速段階であることが 予想 される。両者の分解温度が特外的に低いの も分解 を促進する生成遊離基の自由度が高いので.低温で徐 々に分解するので温度依存性が小さく.その結果活性 化エネルギーが小さくなるものと考えられる。
。 ̲T PO 次に.半沌期 と温度 との関係を求め.唖々
の半液期 を与える温度を計昇 して Ta bl e 5 にまとめた
。 これ により各異性体間の分解速度が, 比較できる。
高温領域 は さておき . 1および 1 0 時間半減期を与
える取舵から.
分解
速度は次のような頓になる。 また.喝子供与基で あるノチル政
換体の方がいずれの旺換位正においても 分解速度が大きい。
塩東征換体 O‑CBP>BPO>桝‑CBP>p‑CB P メチル匠換体
oI TPO> m‑TPO>BPO
>
p‑TPO BPO は花子供与基で旺換 されると分
解が促進 され, 馬子吸引益は分解速度を逝 くするとされている川。
そ の理由は,電子供与基によって過酸酸瀬間の花子密
度 1 5 や カル. i i. =ル酸葉上の電子密度 ) 6 ) が増加
することに より.静聴的反発が増加 して分解が
促進 され るとする もの{・ ある。 Jチル匿換体の方が也来旺
典侍よりも分 解速 度 が 大 きい こ とは上 記 の脱 明 で もよ
〇