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高分子一溶媒系の相互拡散係数の測定ならびに推算法

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(1)

高分子一溶媒系の相互拡散係数の測定ならびに推算法

寿,*熊 誠,*荒 彦 **

MeasurementandPredictionorMutualDiffusionCoefficientsforPolymerSolventSystems by

ShigetoshiKoBUCHI,MakotoKuMADAIandYasuhikoARAIII Abstract

Variousmethodstomeasureandpredictbinarymutualdiffusioncoefficients forpolymer‑solventsystemsarereviewed. Typicalconcentration dependent mutualdiffusioncoefficientsareillustrated and theirfeaturesaredescribed.

Severalmethodstomeasurethem arealsoshown. Inaddition,oneoftheuserul methodsbasedonadissolvedsolidcoordinatetechniqueisexplainedindetail andanexampleisglVenfortheacrylicadhesiveacetonesystem. Furthermore, threetheoreticalmodelstopredictthemutualdiffusioncoefficientsareintrodu cedandthepredictiveabilityofeachmodelisdiscussed.

KeyWords:MutualDiffusionCoefficient,PolymerSolution,OrganicSolvent

1. は じめに

高分子製造過程 において,高分子中に取 り残 された 微量なモノマーや溶媒 は,高分子成形品の品質 の低下 を もた らすだけでな く,人体 に悪影響を与え るなど安 全性の面か らも問題 とな っている。たとえば,ポリカー ボネー トやポ リア リレー トの原料であるビスフェノー Aなどは,環境 ホルモ ンと して あげ られ,動物 の 生殖機能 に異常を もた らす ことが最近指摘されている。

平成10713日受付

*山口大学工学部応用化学工学科

〒755‑8611 宇部市常盤台2557

**九州大学大学院工学研究科化学 システム工学専攻

〒812‑8581福 岡市東区箱崎6‑10‑1

IDepartmentofApplledChemlStryandChemical Engineering,FacultyofEngineering,Yamaguchi Universlty,2557Tokiwadai,Ube,755‑8611, ITDepartmentofChemicalSystemsandEngineering,

GraduateSchoolofEngineerlng,KyushuUnlVerSlty, 6‑10‑1Hakozakl,HlgaShiku,Fukuoka812‑8581

77

このような有害物質を含む高分子成形品を廃棄す るこ とは,地球の環境汚染 にもつなが る。 したが って,高 分子中に残存す る溶媒 (以下では,モノマーも含 めて 溶媒 と呼ぶ)を 0濃度 まで短時間で効率的 に除去す る 装置の開発 はひとつの重要な課題である。 このような 分離装置の設計 には,相互拡散係数 データが必要不可 欠 となる。

これまで,ポ リスチ レンやポ リエチ レンのような工 業上代表的な高分子 に対 して,比較的多 くの相互拡散 係数データが報告 されている。 しか しなが ら, これ ら 以外の高分子 に対す る相互拡散係数 データの蓄積 は十 分でな く,特 に共重合体系 については,その報告 はほ とんど見当た らない。また,代表的な高分子系でさえ, 温度や濃度範囲が限定 されている現状 にある。 この よ

うなことか ら,広 い温度 な らびに濃度範囲で通用可能 な相関あるいは推算法の開発が強 く望 まれている。

ここでは,濃度依存性を示す高分子 と溶媒か らな る 2成分系の相互拡散係数の測定法な らびに推算法 につ

(2)

78 小測茂寿 ・熊田 誠 ・荒井康彦

いて紹介す る。

2.相互拡散係数 の特徴

高分子‑溶媒系 の相互拡散係数 は,温度 に依存す る だけでな く,一般 に濃度 に も依存す る。特 に低濃度域 において は数桁 にわたる変化 を示す場合 も珍 しくはな い。典型的な濃度変化 を示す例 として,ポ リスチ レンー エチルベ ンゼ ン系 の相互拡散係数1)Fi9.1に示 す。

エチルベ ンゼ ンの濃度が低 いところで は,相互拡散係 数が2‑ 3桁 にわた り変化 して い る ことがFig.1 りわか る。 また,温度 の低下 に伴 い,その変化 が著 し くな っていることがわか る。Fig.2は, スチ レンー ブ タジェ ン共重合体 (SBR)系 の共重合組成 の変化 によ 130℃ における相互拡散係数 の濃度依存性 2〕を示 す。

ルベ ンゼ ン系 とは逆 に,溶媒濃度 の増加 に伴 い相互 拡 散係数 は減少す る傾 向を示 してい る。 また,共重 合体 組成 におけるブタジェ ンの増加 につれ,相互拡散係数 は溶媒濃度 の増加 に伴 い増加す る方向か ら減少す る方 向に変化す る様 子がわか る。高分子 と溶媒 の組み合 わ

ナ ン系 のよ うに,拡散係数が濃度 の増加 と共 に減少 す る特異的な挙動 を示す系 も存在す る。 しか しなが ら,

‑椴 に低濃度域 の相互拡散係数 は濃度の増加 に伴 い増 加 し, しか も大 き く変化す る場合が多 い。 また, 高分

1019

1010

▼■I

10llll

q

l012

1013

0 0.2 0.4 0.6 Massfmctionofethylbenzene l‑I

Flg.1 ConcentratlOndependenceofmutual diffuslOncoefficientsforpolystyrene ethylbenzenesystem

0.00 0.05 0.10 0.15 Massfractionofn‑nonaneI‑]

Fig.2 Influenceofpolymercompositiononcon‑

centrationdependenceofmutualdiffuslOn coefflClentSforStyrenebutadienerubber (SBR)n‑nOnaneSystem at130oC

(SBR(30)denotes30mass%styrenein SBR)

子系 の相互拡散係数 は液体系のそれ と比較 して2‑4 桁 はどもその値 は小 さい。 したが って,微量 の溶媒 を 効率的 に除去す るために,乾燥操作 や抽 出操作 などを 行 う分離装置 の設計 において は, この領域での正確 な デー タが特 に重要 とな る。

相互拡散係数 が濃度 に依存す る場合 の測定 は複雑で あ り,濃度域 によ り種々の測定 法 が提 案 されて い る。

そ こで,次節で は相互拡散係数 の測定法 について述 べ る。

3.相互拡散係数の測定法

溶媒 の低濃度域,すなわち高分子 の濃度が高 い領 域 での測定法 には,ガスクロマ トグラフ法,透過法, 濃 度分布測定法,吸収法 などがある。

溶媒 の無限希釈濃度での相互拡散係数を測定す る方 法 と して ガスクロマ トグラフ法3・4)が あ る。 高分子 を 薄膜状 に塗布 したカラムを用意 し,キ ャ リアガス中 に 溶媒 を注入 して得 られ る溶 出曲線 の解析か ら相互拡散 係数 を求 め ることがで きる。Fig.3にガスクロマ トグ ラフを用 いた測定装置の概略図を示す。キ ャ リアガ ス の流量が大 きい場合,短時間で の測定 が可能 で あ る。

(3)

第11 2 (1998) 高分子一溶媒系の相互拡散係数 の測定な らびに推算法

lHydrogen 70veJ1

2Air 8FJameionization 3Helium detector 4FJowcontroJIer 9Recorder 5Injector 10Computer 6Column

Fig.3 Gaschromatographyusedfordetermina‑

tionofmutualdlffusioncoefficent

その反面,カラムの作製条件,キ ャ リアガス流量 等 の 条件 に左右 されやす く,精度 のよいデータを収集す る

には工夫が必要 とされ る

高分 子 フイルムを透過す る溶媒 の透過量 の時間変化 を測 定 し, 相互 拡散 係 数 を求 め る方 法 と して透 過 5・6)があ る。 この透過法 には,大 別 して異 圧法 と等 圧法がある。異圧法 は,高分 子 フイルムの一方 を高圧 に,他方 を低圧 にす ることで, フイル ムを透過す る溶 媒 の量 を測定す る方法であ る。 この方法 には,透過 量 を圧力変化 と して測定す る圧力法5)がある。Fig.4 圧力法 による透過実験装置の一例 の概略図を示す。圧 力法で は,得 られ る透過曲線 (時間 に対す る圧力変 化 の曲線)の解析か ら相互拡散係数が求 め られ る。

これに対 し,等圧法6)揺,高分子 フイル ムの両側 の 全圧力を同 じに して,片側 には溶媒を含 む蒸気 をキ ャ リヤーガスと共 に流 し,他方 にはキ ャ リヤーガスのみ を流す ことで,分圧 の差 により生 じる溶媒 の透過量 を 熱伝導度検 出器 などを用 いて測定す る方法である。 こ の方法 は,真空漏れや圧力差 による膜 のふ くれを気 に しな くて済むな どの利点がある。 しか しなが ら, いず

」コ

タロ β

f

く 万

̲̲

轟 忘 to,va

ーく

@Jl tova

79

Airbath poJym er丘Im

@ Fan @ pressuretransducer

vaporsour c e pressureindicator

reservoLr @ Receivingtank

@ Ballasttank @ chartrecorder

@ permeationcell

Fig.4 ApparatususedforpermeatlOneXperi mentofpolymerfllm

れの方法 も, フイルムが変形 しない,かな り低 い濃度 域 に しか適用で きない。

高分子中の溶媒 の濃度分布 を測定 し,濃度分布 の解 析 よ り相互拡散係数 を決定す る方法 と して,濃度分布 測定法7・8)がある。 この方法 には, サ ン ドイ ッチ法 や スライス法 などがあるが, いずれ も測定精度があま り 良 くないため,最近で はほとん ど用 い られない。

吸収法91.は,一定の温度,圧力 の溶媒 蒸気 中 に高 分子 フイルムを置 き, フイルムに収着 され るあ るいは フイルムか ら脱着 され る音容煤 の質量 を時間の関数 と し て測定す る方法であ る。 この方法 は,測定温度 にお い てかな り高 い蒸気圧を持 ち,対象 とす る高分子 に対 し てあ る程度 の溶解度 を有す る溶媒 に適用 され る。 この 方法 には,石英 スプ リング法9,10)や電 子天秤 法 11)が あ 。Fig.5には,電子天秤法 による測定装置の概略図 を示す。 これ らの方法 は,信頼性 の高 い相互拡散係数 データが得 られ,また溶解度 も同時 に測定がで きるメ リッ トがあ る。吸収法で は,実験 よ り得 られ る質 量変 化 デー タの解析か ら,濃度 に依存す る相互拡散係数 が 決定 され る。決定法 には,種 々の方法が提案 され て い

(4)

80 小測茂寿 ・熊田 誠 ・荒井康彦

constanttemperature chamber

@ Electrobahnce

@ pressuretransducer

㊨ polymersample

@ stripIChartrecorder

@ Read‑outcontrol electroAics

computer

@ penetrantreservoir

@ constanttemperature bath

@ Ballasttank

@ counterweights

@ pressurecontroller

Fig.5 SorptlOnapparatususingelectrobalance が,なかで もScboeverら12,13)が用 いた収縮座標系 に 基づ く方法 14,15)が有用であろう。すなわち,実験 にお けるフイルムの厚みの変化が考慮 されているため,正 確な相互拡散係数 を求めることがで きるか らである。

測 ら16,17)は,収縮座標系 に基づ き,相互拡散係数 の濃度依存 の関数形 にべ き乗を仮定 し,収着な らびに 脱着過程 より相互拡散係数を求め る方法 を提案 した。

収縮座標系 に基づ く拡散方程式 を,初期境界条件の も とに数値的に解 き,みかけの相互拡散係数を与える無 次元化 された濃度ma,。と無次元化 され た平衡濃度me の関係を求めた。そ して,濃度依存の型のべ き数 αを パ ラメータとして線図に表 した。Fig.6は収着,Fig.

7は脱着 にお ける関係 を表 す。 なお,α‑ 1の とき, 収着および脱着 ともこの関係 は,一次式で良好 に表 さ れた。

収着の場合 (1≦ m≦ me)

Tnap‑0.625me+0.375 脱着の場合 (0≦ m≦ 1)

mapp‑0.649me+0.351

3EI]ddeu 2

1 2 3 4 5

mel‑]

Fig.6 Relationshipbetweenm3,,andmefor sorptlOn

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 mel‑ ]

Fig.7 Relationshipbetweenm。pandmefor desorptlOn

この方法による相互拡散係数の算 出手順 を示 す と, 次のようになる。

1)初期溶媒含有率u。と平衡溶媒含有率 ueの異 な る フイルムの収着あるいは脱着実験か ら得 られ るフイル ムの時間に対す る質量変化 データか ら,次式で示 され る平均溶媒含有率 古を計算す る。

u (3)

ここで,Wtは時間tにおけるフイルムの質量, p

(5)

高分 子のみの フイルム質量である。 また,初期溶 媒含 有率 u。と平衡溶媒含有率 ueを次式 よ り求 め る。

u0‑ ㌔ (4)

u e‑ 誓 (5)

ここで,W.とWeはそれ ぞれ初 期 フ イル ム質 量 と平 衡時の フイルム質量 であ る。

2)次 に,次式で示 され る√デ とEの値 を計算 し,普 通 グラフにプロッ トす る。収縮座標系では,このプロッ

トを収着 に対 して収着曲線,脱着 に対 して脱着曲線 と 呼ぶ。

‑豊 (6 )

E‑若 三㌢ (7) ここで,Aはフイルムの面積 で あ る。Fick型 拡散 に 対 して,収着 あるいは脱着曲線 (Evs.vrT の曲線 )

は,初期部分 において直線 とな るので, この部分 よ り 傾 きβ′(‑dE/d√デ )を得 る。

3)先 に求 め たu。と ueよ り,無 次元平 衡溶 媒含 有 meを計算 す る。 また, グ ラフの図微 分 よ り得 た β′の値か ら,収縮座標系 における見か けの拡 散 係数

(Dps2)印を求 めるo

me‑ue/u。 (8) (Dpg)‑p‑言 β′ 2 (9) 4)Eq.(1)あるいはEq.(2)よ りmeに対応す る みか けの無次元溶媒含有率ma,pの値を第1次近似 (a‑

1を仮定す ることに相当す る) として計 算 し, みか け の溶媒含有率u ap,を次式 よ り求 め る.

u ap,‑ mapu。 (10)

5)(DpsZ)a,pと uap,の値 を両対数 グラフに プ ロ ッ ト す る。 この両対数 グラフの傾 きが,べ き数αの値 を与 え るo この傾 きを求 め るには, u。あ るい は ueの異 な 2つ以上 のデータが必要であ るαの値 が仮定 した aの値 と異 な る場合 は,(Dps2)ap,vs.ua,。の プ ロ ッ ト か ら得 られ る新 しい aの値 に対 す る m叩。の値 を線 図 (Fig.6あるいはFi9.7)よ り第2近似 と して求める。

この操作 を新 しいαの値 と前 回 のαの値 が一致 す る まで繰 り返す。

6)αの値が変化 しな くな った時, ステ ップ5の操 作

81

を終了 し, この時の aの値 に対す るua,,と次式で定義 され るpsの値 を計算す る。

Ps=udsdp

dp+ds ilE ここで,dsと dpはそれぞれ溶媒 と高分子 の密度 で あ る。最後 に,(Dps2)a,,の値をps2で割 ることによ りu a,,

に対す る相互拡散係数Dを求 める。

なお,脱着 に対 して αの値が1と異 な る場合,新 し い aの値 に対す るma,pの値を0.27%以内の平均誤差で, 次式 よ り求 め ることがで きる。

mapp‑meb+b2(1‑me)ba;0<a≦ 7 (12) b1‑0.837‑0.535a+0.691a89 (13)

b 2 ‑

(孟

㌔) 1

98'a (14)

b‑1.183+0.060a‑0.252ao25 (15) 次 に, この方法 による具体的な計算例 を示す。Fig.

8は,アク リル粘着剤‑ アセ トン系の40℃ で の種 々の 初期溶媒含有率 と平衡溶媒含有率 における脱着曲線 の 一例である。 これ らの曲線 は,いずれ も初期部が直線 で,それに続 く部分 が上 に凸 の曲線 で あ る ことか ら Fick型であることがわか る。 したが って, これ ら脱 着曲線 の直線部 の勾配 よ り,各実験 に対す るβ′ の値 を求めた。Fig.9は,各実験 よ り求 め られ た(Dp)ap, u ap,のプロ ッ トを示す.Fig.9の白丸 は,l近 似 (a‑ 1を仮定 して求 めた (Dp)BP,とua,,の関係) の 結果 を示すo各 データは 1つの直線上 にまとまって い ることがわか る。ゆえに, この直線 の傾 きよ り,新 し

1.0

0.8

T O6

0.4

0.2 0.0

0 100 200 300 400

JfT【n2・slr2・kg lI

Fig.8 DesorptlOnCurvesforacrylicadhesive acetonesystem at40

(6)

82 測茂寿 ・熊 田 誠 ・荒井康彦

0.01 0.1

uapp【kgsol・kgpolym /11

Fig.9 RelatlOnShipbetween(Dps2)郷anduapp

foracrylicadhesiveacetonesystem at 40

αの値 を読 み取 りα‑0.68を得 た。次 に,α‑0.68 に対す るmpの値 をEqs.(12)(15)を用 いて求め, Eq.(10)よ りuappを計算 し同様 のプロッ トを行 った。

この操作 は3回で終了 し,最終的に得たαの値は

0.62であ った。Fig.9の黒丸 はa‑0.62での結果 を示 す。 このα‑0.62に対す るu a。の値 を用 いて,Eq.(ll) よ りpsの値 を求 め,(Dp書)appの値 をp2,で割 ることで 相互拡散係数 を算 出 したOなお, psの計算 に使用 し たアク リル粘着剤 とアセ トンの40℃ での密度 は, それ ぞれ972kg・m3767kg・m3であ る。

FI'9.10には,決定 され た相互拡 散係数 と溶媒 の濃 皮 (質量分率)の関係 を示 した。 この系で は,相互 拡

0.00 0.04 0.08 0.12 M assfractionofacetonel‑]

Fig.10 Mutualdiffusioncoefficientsforacrylic adhesIVeaCetOneSystem at40oC 散係数 の濃度依存性 は比較的弱 い ことがFig.10よ り 確認 で きる。 また,Tablelには,相互拡散 係数 の計 算結果 を示 した。以上 のように して,相互拡散係数 を 決定す ることがで きる。

さて, これまで述べた方法 に比べて,比較的高濃度 域 まで相互拡散係数 を容易 に測定 で きる方 法 と して, 乾燥実験 18ノがある。高分子溶液を等温 下で熱風 な どに よ り乾燥 させ ることで得 られ る乾燥速度曲線 の解析 よ り,相互拡散係数 を求 め ることがで きる。解析方 法 に つ いて は,吸収法 の ところで述べた方法12 15)が適用 で

きる。

その他 の測定法 として は,屈折率法1921つなどがある。

これ らの方法で は, よ り高 い濃度域での相互拡散係数 が得 られ る。

Table1 CalculatedresultsofmutualdiffuslOncoefficientsforacrylicadhesIVeaCetOneSystem at40

uo [kg‑solkg‑polymJ ] 0.0829 uE kg‑solkg‑polym∴ ] O

me [‑] 0

β [kg・m2 ・S12二 4.55×103

(Dpg)a,, [kg2m4 ・S 1] 1.62×105 mapp(a‑0.62) [‑] 0.314

uar, [kg‑solkg‑polym/1] 0.0261 β5 [kg・m3] 941

∽ 1 [] 0.0254

D [m2・sl] 1.83×1011

0.115 0.194 0.151 0.182 0 0 0.0461 0.0645 0 0 0.306 0.354 5.00×10 3 5.88×10 3 6.33×10 3 7.09×10 3

1.96×105 2.72×10 5 3.15×105 3.95×105

0.314 0.314 0.542 0.575 0.0360 0.0608 0.0815 0.105 930 902 881 858 0.0347 0.0574 0.0754 0.0948 2.27×1011 3.34×1011 4.05×10 1‑ 5.36×1011 dp‑972kg・m3,ds‑767kg・m3 W 1‑massfractionofsolvent

(7)

いずれにせ よ,1つの測定法で広 い濃度域 にわたり, 相互拡散係数 を得 ることは不可能である。現在 の と こ ろ, これ らの方法 を併用す ることによ り,広 い濃度域 にわたる相互拡散係数 を求 め る以外 に方法 はないよ う である。

4.相互拡散係数の推算法

種 々の高分 子 と溶媒の組み合わせ が存在 す るた め, 必要 とす る系 の相互拡散係数 データを入手で きること

はまれで,多 くの場合実験 を行 ってデータを得てい る のが現状である。 したが って,相互拡散係数 を純物 質 の入手可能 な物性値な どか ら,計算 によ り求 めること

数 を計算 によ り求 める相関あるいは推算法 と呼ばれ る ものには, 自由体積理論 による方法,分子 の形状 や複 雑 な拡散過程を考慮 した拡散 モデル (分子 モデル) に よる方法 などがあ る。

以下 で は, これ らの方法 について簡単 に紹介す る。

4.1 自由体積理論 による方法

高分 子中 に存在す る自由体積 に着 目 し,分子 の詳細 構造 に立 ち入 らず 巨視的 に拡散 を取 り扱 い,相互拡散 係数 を求 め る方法 として 自由体積理論がある。

自由体積理 論 は藤 田22)によ り提案 され,Vrentas Duda1 23〕によ り改良 され,発展 させ られて来 て い 。Vrentasらの 自由体積 理論 に よ る2成 分系 ( 分子 と溶媒か らな る) の相互 拡散係 数 β は, 次式 で 表 され る。

‑かoexp

exp(

(1か )2(1‑2x¢1)

WIV;+W2EV言

VF,/γ ) (16)

ここで,D。は定数,E1つの分子がその周囲の分 子 か ら受 ける引力 に打 ち勝っために必要 とされ るエネル ギー,Rは気体定数,Tは絶対温度,xFlory相互 作用パ ラメータである。 また,V;は成分 乙の1ジ ャ

ンプに要す る臨界空孔比体積,Eは高分子 ジャンプ単 位 の臨界 モル体積 に対す る溶媒 の ジャンプ単位の臨界 モル体積 の比,vF‑は2成分系 の単位質量 あ た りの平 均空孔 自由体積,γは自由体積 の重 な りを補正す るた めのオーバ ーラップファクター, LU,は成分iの質量 分 率であ る。添字1および2はそれぞれ溶媒 と高分子 を 表す。なお,平均空孔 自由体積 は次式 で 与え られ る。

Kll

V FV/γ‑‑γ Wl(K2+T‑ Tg)

K12

+‑IW2(K22+T‑ Tg2) γ

83

(17) ここで,Kl,K12,K21,K22は自由体 積 パ ラメー タ, TgLは成分 乙のガラス転移 温度 で あ る。 また, 451は, 成分 1の体積分率であ り,次式 で与 え られ る。

¢ 1

LLllVl

wIVl+W2V2 (18) ここで,V,は成分 iの比 体積 で あ る。Dudaら1)は,

ンゼ ン系 に適用 し,広 い温度 と濃度範囲で良好 な結果 を得ている。岩井 ら22425)は,溶 媒 お よび高分 子 に関 す る自由体積パ ラメータを,Doollttleの提案 した体 積依存型 の粘度式 26)によ り求 め ることで,パ ラメータ 数 を少 な くした推算式 を提案 した。彼 らは,平均 空孔

自由体積 を次式で与 えた。

7' γ1 7'2

ここで, 7,1と γ2は,それぞれ溶媒 と高分子のオ‑バー ラップファクターである。Doolittleの提案 した粘性 方程式 か ら粘度 デー タを用 いて, 臨界空孔比 体積 V;

とオ‑バ ーラ ップファクター7,Lの値 を決 定 した。 岩

ンー炭化水素系 25), スチ レンー ブタジェ ン共重合体 ‑ n‑ノナ ン系2)に適用 し,良好 な結果 を得て い る。 しか しなが ら, これ らの式 は多 くのパ ラメー タを必要 とす るため,パ ラメータを決定す る方法が重要 とな る。

小測 らL727)は,岩井 らの推算式 におけ るパ ラメー タ を溶媒 の物性値 よ り決定す る方法を提案 した。推算式 に含 まれ る8つのパ ラメータの うち,高分子 に関す る パ ラメータV;と 7,2を除 く6つのパ ラメータ,D。,E,

i,x,V;, 7,1は高分子であ るアク リル粘着 剤 に対 して,経験的 に次式で表 され る。

β0‑1.835×1010〟 1‑ 7.753×10 9 (20)

x‑ 2.901‑ 7.160×10 5E。。h (21)

E‑0.1252E"hI2537 (22)

E1.67103vb 0.2133 (23) MIV;‑5.9510 2vb+1.1912× 10 2 (24) 7'1‑3.391×103vb+ 0.2581 (25) ここで,M lは溶媒 の分子量,Eechは溶媒 の標 準沸点 での凝集 エネルギー, Vbは溶媒 の標準 沸点 で の モル

Tabl e1 Cal c ul at e dr e s ul t sofmut ualdi f f us l Onc oe f f i c i e nt sf orac r yl i cadhe s I V e ‑ aC e t OneS ys t e m at4 0 ℃
Tabl e2 Phys i c alpr ope r t i e sorac e t oneandt hepa‑

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