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地中音による地すべり予測に関する基礎研究

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Academic year: 2022

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地中音による地すべり予測に関する基礎研究

本間道路株式会社 正会員 ○土佐 啓幸 長岡技術科学大学 環境・建設系 正会員 宮木 康幸 長岡技術科学大学 環境・建設系 正会員 鳥居 邦夫

1. はじめに

日本は国土の約8割近くが山地で占められており,

昔から種々の自然災害の中でも山地に由来する災害 の比率が高い.最近は土砂災害が著しく目立つよう になり,日本全国の各地に危険箇所が数多く存在す るため,斜面監視体制の開発や強化が必要とされ,

現在,日本では様々な方法を用いた斜面監視を行っ ている.

我が研究室では,CCDカメラを用いた斜面監視シ ステムを開発している.このシステムの特徴として,

・ 比較的広い面積を監視することが可能.

・ 無人での自動監視が可能.

などが挙げられる.しかし,欠点としては,

・ 斜面の地表だけが監視の対象となっている.

・ 夜間や気象条件などの外的な影響を受けやすい.

などが挙げられる.

そこで,平成12年度から音響的手法を用いた地す べり予測システムが考えられた.音響的手法の利点 としては,地表面に変動が現れる前に,地中の構造 が変化する現象を地中音として計測し,地すべりを 予測できることが考えられる.

2. 研究概要

平成14年11月16日,新潟県刈羽郡西山町の国道 116 号線沿いで地すべりが発生した.再び地すべり が発生する可能性があるということで,同年 11 月 22日すべり面近くに地中音計測機器を設置した.

計測方法としては,低周波帯高感度センサを長さ 約1m の単管パイプに取り付けて地中音の計測を行 っていた.また,外部からのノイズの影響を少なく するために,スポンジを表面に巻いた三角コーンを 上からかぶせていた.計測状況を図-1に示す.

しかし,このノイズ対策方法では,気象の影響,

特に,降雨が地面等を叩く音の影響により,地中音 を特定することが困難であった.

そこで本研究では,センサをより着目する音源に 近づけ,地上で発せられるノイズからセンサを遠ざ けるために,単管パイプなどのセンサを取り付ける 媒体を介せずに,センサを地中に直接埋めることを 考えた.

次に,昨年度の模型実験において,地すべりの誘 因である地下水流の変化をセンサで捉えられるかを 検討した.その結果,水平方向に流速を変化させる と,100Hz以下の周波数領域で変動することがわか った.

本研究では,地表面もしくは地中に変動が現れた 場合に,植物の根が切れる音が発生することに着目 し,この根切れ音の特性を調べ,地すべりの予測に つながるかどうかを検討した.

3. 計測機器について

本研究で使用する計測機器を図-2に示す.感知 した振動をセンサは電圧の変化としてとらえる.こ の電圧はアナログ信号となり,アンプにより増幅し,

A/Dコンバータによってデジタル値に変換し処理さ れ,ハードディスクに記録している.

キーワード:地すべり予測,音響的手法,地中音,根切れ音

連絡先:〒951-8013 新潟県新潟市柳島町1丁目5番地1 TEL:025-222-5611 FAX:025-222-5060 図-1 計測状況

30cm

50cm センサ

単管パイプ

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

‑221‑

6‑111

(2)

4. 根切れ音について

地すべりの前兆現象として,頭部において亀裂が 入ったり,末端部でせり出したりといった現象があ る.そこで,草や木の根が断ち切られて音が発生す ることが考えられる.

本研究では,この植物の根切れ音に着目し,その 特性を調べ,地すべりの予測につながるかどうかを 検討した.

4.1. 根切れ音

実験状況を図-3に示す.3種類の植物(図-4 参照)を地面から抜き,それぞれの根切れ音につい てFFT解析を行った.

実験結果を図-5に示す.それぞれのグラフを見 ると,80Hz 付近と 100Hz 付近で共通して卓越する ことがわかる.

根切れ音は,ノイズ等と比較すると衝撃波に近い ことが考えられる.したがって,波形が矩形波に近 いので,傾きを求めると無限大に近い大きな値にな ることが考えられる.そこで,ノイズおよび,植物

1~植物3の各波形について傾きを求め,その最大 値を表-1に示す.

表-1 傾きの最大値

植物1 植物2 植物3 ノイズ 1.72×104 7.44×103 2.25×103 3.41×10

表より,ノイズと植物では傾きの大きさが比べも のにならないほど異なることがよくわかる.したが って,波形から根切れ音とノイズの判別を行う際に は,非常に有効な手段ではないかと考えられる.

4.2. センサの測定有効範囲

音源からセンサまでの距離を変化させ,根切れ音 と確認できる有効範囲を実験により求めた.実験状 況を図-6に示す.

各根切れ音についてFFT解析を行い,その最大電 圧値と距離の関係ついて示したグラフを図-7に示 す.グラフより,3m 以上になるとノイズと変わら ない値になっていることがわかる.

5. まとめ 以上より,

(1) 根切れ音は80Hz付近と100Hz付近で共通して 卓越する.

(2) 根切れ音の波形の傾きをとると,非常に大きな 値となる.

(3) 根切れ音と分かるセンサの有効範囲は2m 以内 である.

ということがわかった.

図-6 実験状況 0.5~4.0m

対象植物

5cm センサ 地面

センサ アンプ

パソコン A/D変換ボード

図-2 計測機器

植物1 植物2 植物3

30cm 1cm

4cm

15cm

センサ

対象植物

図-3 実験状況 図-4 対象植物

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09

0.24 11 21.7 32.5 43.2 54 64.7 75.4 86.2 96.9 108 118 129 140 151 161 172 183 194 204 215 226 237 247

周波数(Hz)

電圧(V

植物1 植物2 植物3

図-5 FFT解析結果

単位:V/sec

図-7 FFT解析値の最大値と距離の関係

0 0.002 0.004 0.006 0.008 0.01 0.012 0.014 0.016 0.018 0.02

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5

距離(m)

電圧V

FFT解析結果最大値

FFT解析結果最大値

(ノイズ)

地面

土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)

‑222‑

6‑111

参照

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