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接着絶縁レール用継目板の探傷方法の検証

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Academic year: 2022

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接着絶縁レール用継目板の探傷方法の検証

西日本旅客鉄道(株) 正会員 ○庄野 真也 西日本旅客鉄道(株) 正会員 筒井 俊幸

(株)レールテック 永吉 正樹 1.はじめに

接着絶縁レールは、在来線、新幹線問わず、ロングレール区間の絶縁継目箇所に標準的に採用されている。

しかしながら、JR 西日本では、接着絶縁レールに使用されている継目板が経年使用により折損する課題を抱 えている。この対策として、(公財)鉄道総合研究所により開発された改良形接着絶縁レール1)を平成 19 年度 から採用しているが、全ての接着絶縁レールが改良形接着絶縁レールに更新するには相当の期間を要すること となり、継目板の折損リスクが残存している状況にある。

そこで、接着絶縁レール継目板のき裂検知を目的とした探傷方法について検証を行ったので以下に紹介する。

2.探傷方法の検討

疲労き裂起点 疲労き裂進展方向

2.1 継目板の損傷形態

接着絶縁レール継目板の損傷は、レールと継目板間の接着材が継目板側で 部分的に剥離し、雨水等の影響により継目板裏側底部に形成された腐食孔を 起点として疲労き裂が発生し、繰返し荷重によりき裂が進展、折損に至るこ とが報告されている1)2)。図 1 に示す折損継目板の破断面から、疲労き裂は、

継目板底部から上方向に進展する損傷形態をとっていることが分かる。

図 1 折損継目板の破断面 2.2 超音波の入射面の検討

2.1 項より、継目板のき裂は、継目板の裏側に存在するため、き裂の発生を外観で確認することができない。

そこで、超音波による探傷を前提とし、き裂の進展方向が継目板に対して鉛直方向に進展することから、継目 板の端部から超音波を垂直に入射する探傷方法が紹介されている1)。しかしながら、この探傷方法により検証 を行ったところ、き裂深さが 5mm程度であれば検知できるものの、それより浅いき裂については検知が困難 であった。また、図 2 に示すように、継目板がレール

に取付けられた状態で探傷することとなるため、探傷 面の研磨作業等が困難であった。それらを考慮し、図 3 に示すように、超音波の入射面を継目板底部側面と して検証を進めることとした。

3.各種超音波探傷による検証 図 2 継目板の設置状態 図 3 超音波入射面 3.1 検証用接着絶縁レール用継目板の設定

検証には、接着絶縁レール用継目板を用い、損傷形 態を模して、継目板裏面の底部から約 90°の角度で人 工的なスリット傷を設定し使用することとした。なお、

スリット傷は鋸刃を用いて図 4 に示すように加工し、

深さは 2mm、3mm、4mm、5mm の 4 種類とした。なお、

スリット傷は、超音波の送受信範囲を考慮し、1 枚の 継目板あたり、図 5 に示す 2 箇所に設定した。

図 5 スリット加工位置 図 4 スリット加工

3.2 各種超音波探傷による検証

き裂の検知検証は、次に示す 3 種類の超音波探傷方法により行った。

キーワード 接着絶縁レール,継目板,疲労き裂、超音波探傷

連絡先 〒530-8341 大阪府大阪市北区芝田 2 丁目 4 番 24 号 TEL06-6375-8960 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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(1)斜角探触子による検証

斜角探触子(45°、70°)を用いた検証結果画 像の一部を図 6、図 7 に示す。図 6 は、45°探触 子を用いて深さ 2mm の浅いスリット傷を探傷した 画面であり、微弱であるが傷エコーを検知できた。

ただし、図 7 に示すように、ボルト穴に反射した 超音波を受信し、類似エコーとして表示された。

なお、70°探触子では、受信エコーを表示せず、

スリット傷を検知できなかった。

図 6 2mm の検知エコー 図 7 類似エコー(ボルト穴)

(2)回転シュー型探触子による検証

レール頭側部の透過二探触子法に使用している 回転シュー型斜角探触子(45°)を用いた検証結 果画像の一部を図 8、図 9 に示す。図 8 は、深さ 2mm の浅いスリット傷の探傷画面であり、傷エコ ーを検知できた。しかしながら、図 9 に示すよう に、3.1 項(1)と同様にボルト穴による類似エ

コーが表示された。 図 8 2mm の検知エコー 図 9 類似エコー(ボルト穴)

(3)フェイズドアレイ法による検証

フェイズドアレイ法を用いて検証した。検証には、振動子数16、5MHz の探触子を用い、検体内屈折角度を 40°~70°、焦点深さを 40mm に設定のうえ、校正を実施した。検証結果画像の一部を図 10 に示す。図 10 か ら、2mm のスリット傷を検知し、き裂とボルト穴を判別することができた。

次に、実際のき裂検知では、微細な腐食孔の影響を受けることとなるため、使用済み接着絶縁レール継目板 の腐食面に、スリット傷を加工し、再検証を行った。その結果、図 11 に示すように、き裂の判別が困難とな った。そこで、屈折角度の角度成分を 5°毎変更し、スリット傷と腐食孔のエコーの検出領域を確認し、屈折 角度の設定を 55°~70°とした。また、校正時の感度を 6dB 下げると、図 12 に示すようにスリット傷が顕著 に検出できた。ただし、本検証では、き裂の深さについて判断はできなかった。

2mm

腐食孔 腐食孔

2mm ボ ル ト 穴

3mm 2mm

図12 設定変更後の探傷画面 図11 腐食面の探傷画面

図10 探傷画面

4.まとめ

接着絶縁レール継目板のき裂検知検証を行った結果を以下に述べる。

① 斜角探触子及び回転シュー型斜角探触子による探傷では、き裂を検知できたが、ボルト穴に反射した超音 波を受信し、類似エコーを表示させるため、過剰な不良判定に繋がることが懸念される結果となった。

② フェイズドアレイ法による探傷では、き裂の深さまで判断できないものの、2mm程度のき裂を検知でき、

き裂と腐食孔との判別も可能な結果となった。

5.おわりに

本検証により、人工的に設けたき裂を検知することができたが、疲労き裂に比べて幅等の形状が異なること から、実運用に当っては、疲労き裂が発生した継目板を用いて予め検証しておく必要がある。

参考文献

1)柳川秀明他:接着絶縁レールの検査法の確立と新構造の開発,研究開発テーマ報告,2006 年 3 月 2)若月修:接着絶縁レールの検査法と構造改良,鉄道総合技術研究所月例発表会講演要旨,2005 年 12 月

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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参照

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