遠隔授業における学生支援システムの開発とその実
証−文化情報学部の事例−
著者
福安 真奈, 宮下 十有, 亀井 美穂子, 松山 智恵子
, 向 直人, 黒田 由彦
雑誌名
文化情報学部紀要 = Journal of the School of
Culture-Information Studies
号
20
ページ
23-32
発行年
2021-03-31
23 文化情報学部紀要,第 20 巻,2020 年,23―32 頁
1 はじめに
昨年度末に発生した新型コロナウイルスは、大 学生活に大きな影響を与えている。大学は、授業 開始時期の延期や遠隔授業の実施といった新しい 授業方法が求められ、様々な対策が採られてきた。 特に、初めて遠隔授業を受けることになる学生へ の対応が求められ、各大学で様々な手段を用いて 学生への支援が始まった。学生への支援は、多く の学生が抵抗なく利用できる環境づくりが重要で あり、簡潔でわかりやすいシステムにする必要が ある。そこで本研究では、文化情報学部の学生を 対象に行った、学生が日常で使用している LINE を活用した学生支援システムの開発とその実証を まとめ考察する。2 コロナ禍における学生支援の現状
昨年度発生した新型コロナウイルスの影響によ り、各大学は卒業式の中止など多くの行事の対応 に追われていた。今年度に入ってからも影響は収 まらず、文部科学省の調査によると、4 月の授業 開始時期を延期したのは国公私立大学および高等 専門学校の 86.9%にのぼった[1]。また、例年通り 開始した大学のほとんどが遠隔授業での開始だっ た。その後 1 ∼ 2 ヶ月ほどでほぼ全ての大学が授 業を開始し、5 月の段階で、全国の約 9 割の大学 が遠隔での授業を行っていることがわかっている [2] 。また、授業を開始した大学の一部では、遠隔 授業によるサーバダウン等のシステム障害の発生 や、学生のネット接続でのトラブル等が相次いで おり、遠隔授業における様々な課題が明らかに なってきた。特に、新入生は大学に一度も入るこ となく遠隔での授業が開始され、遠隔授業を受け られる環境が準備できていない、授業についてい けない、同級生の顔がわからない等不安な気持ち を抱えた学生が多く見られた。 これらの学生の不安を少しでも解決するため、 各大学では様々な学生支援システムの運用が行わ れている。Web ページを活用した支援が大半だが、 ソーシャルネットワーキングサービス(以下、 「SNS」)やチャットボット等を活用した情報提供 もいくつか見られる。Web 上で時間を選ばず気軽 に質問をすることができたり、普段使用している 媒体を活用するため、電話やメールで問合せをす るより学生が利用するハードルも低いと考えられ る。東京大学では、学生が中心となってチャット遠隔授業における学生支援システムの
開発とその実証
― 文化情報学部の事例 ―
福安真奈 宮下十有 亀井美穂子
松山智恵子 向直人 黒田由彦
ボ ッ ト を 開 発 し 学 生 か ら の 質 問 に 対 応 し て い る[3] 。また、北星学園大学では、twitter を活用し て遠隔授業サポートチームの活動や授業情報の発 信を行なっている。これらの情報提供のほかに雑 学やストレッチなどの動画もあげる等、親しみや すさを感じてもらう工夫もされている[4]。 本学では、例年より約 1 ヶ月遅れた 5 月11日よ り授業を開始し、遠隔授業のサポートのために、 全学での遠隔授業対策チームが編成され、Google サイトを使用して学生向けの情報発信を行い、学 生の学修サポートとして役立っている。情報発信 の内容は、履修上のお知らせから授業で使用する Google Class room、Microsoft Teams、Glexa、Web Class 等 の Learning Management System( 以 下、 「LMS」)の使用方法まで多岐にわたり、動画を用 いた説明など、わかりやすさを重視した内容となっ ている。また、学部ごとの対応として、学部レベ ルの遠隔授業対策チームも編成され、学部内の授 業に関わる学生サポートを担当した。文化情報学 部においても、遠隔授業対策チームが立ち上げら れ、LINE を利用した独自のきめ細やかな学修支援 システムが開発・運用された。本稿では、文化情 報学部の学生支援システムの開発とその実証につ いて報告し、その成果と課題について考察をする。
3 学生支援システムの開発と運用
3.1 要件
1)学生に馴染みのある既存システムの活用 学生に向けた支援システムを開発するにあたり 最も重要な点は、学生がシステムを容易に使用す ることができ、気軽に質問できることである。こ れらを実現するために、学生が日常で使用してい る SNS 等の既存のシステムを活用して開発する。 利用率が高い SNS を使用することで、新たなサー ビスへの登録等の負担が少ないことや、スマート フォンなど自分の使い慣れた媒体で気軽に質問を することができる。 2)自動応答の導入 学生へのサポートを実施するにあたり、全ての 質問に随時答えるのではなく、一部の質問に対す る自動応答が可能なシステムを作成する。チャッ トボットのように予測される質問を検討しまとめ ておくことで、利用する学生も迅速に回答を得る ことができるほか、運営の負担を軽減することが できる。 3)大学生を交えたサポートチームの編成 これらのシステムの構築・運用のためにサポー トチームを編成する。サポートチームは、文化情 報学部の教員数名のほかに IT 技術に精通した他 大学の大学院生と本学の在学生で構成する。質問 をする学生により近い立場で同じシステムを使用 している在学生を入れることで、教員が知らない 教務からのお知らせや履修登録システムを閲覧す ることができる。3.2 システムの構築
1)システムの全体像 本システムは、自動応答をベースに構成する。 利用者は、質問に応じて表示されるカードを選択 することで、質問に合わせた回答が自動で表示さ れる。対話をするように、利用者の状況を絞り込 みながら返答を行っていく。システムの構成は、 下部によく使用するメニューを配置し、このメ ニューから質問を受付ける。メニュー以下の分岐 は、付録のようになっており、学生が遠隔授業を 受けるうえで使用するシステムとそのステムを使 用する際に起こりうる課題を基に階層を構成す る。また、使用する端末によって表示の仕方が変 化するため、利用者が使用する端末を把握するた めに、各階の下には端末ごとの分岐を設定し選択 することで、各端末に合わせて用意した解説が表 示される。解説の表示後には、理解できたか確認25 文化情報学部紀要,第 20 巻,2020 年 する選択肢を設け、「理解できなかった」が選択 された場合は、サポートチームとの直接チャット ができる仕組みにする。その他にも、一番初めの 階層に「スタッフを呼ぶ」を作成し緊急の質問に 対応するほか、各選択肢と同列に「スタッフを呼 ぶ」や「その他」の項目を作成し、これらの選択 肢を選んだ場合も直接チャットでやり取りできる ようにする(図 2 の塗り潰し部分に該当)。各階 層にサポートチームとの連絡手段を設けること で、質問の内容がある程度絞り込め直接連絡する 際にスムーズに回答することができると考える。 また、個人でのやり取りだけでなく、必要に応 じて利用者全体にメッセージを送る機能も使用す る。障害情報などのトラブルなど全体に周知する 必要がある事象に活用することとする。 2)システム開発 システムの構築にあたり、上述の要件を満たす ことができる LINE を活用する。LINE は若者世代 での利用率が 9 割を超す等、大学生が日常で使用 している媒体であるため使用する抵抗感が低いと 考える。また、個別に LINE アカウントを取得す るのではなく、LINE for Business という店舗や企 業向けに開発された公式アカウントを取得するこ とで、複数人でのアカウント管理が可能となる。 利用料金は、全体へのメッセージ送信は発信数に 制限があるが、個々のやり取りでの使用が無料で あることも、今回のように個別対応が主となるシ ステムでは有用である。
構築するシステムは、LINE for Business に予め 用意されている「スマートチャットモード」を使 用する。このモードは、「AI 応答メッセージ」と、 利用者が入力したキーワードに対して、事前に設 定したメッセージを送ることができる「応答メッ セージ機能」を基本にしながら、手動応答にも対 応しており、運用をする際は「AI 応答モード」 と「手動モード」を利用者ごとに切り替えながら 質問に対応していく。 自動応答機能の実装には、応答メッセージと カードタイプメッセージを活用する。上述のシス テムの階層構造に合わせてキーワードを設定し、 入力されたキーワードにあった解説文や、分岐 キーワードを返答するようにする。また、キーワー ドの入力は利用者に入力させるのではなく、カー ドを選択すると自動でキーワードを入力させるよ うにする。カードの選択は、カードタイプメッセー ジ機能を活用し、カードに大きく文字を表示させ、 わかりにくい選択肢にはどのようなものが該当す るか補助メッセージも表示する。 図 1 に作成したシステムの表示例を示す。 図 1 LINE の表示例 3)解説文の作成 自動応答の解説には、予め各手順をまとめた画 像ファイルを提供する。文章ではなく、実際の画 面を表示しながら説明することで理解度が増すと 考える。また、Word や PDF といったファイル形 式で返答することもできるが、別アプリで開く必 要や、アクセスした端末に依存することが考えら
れる。これらの要因から考えられるトラブルを回 避 す る た め に、 返 答 は 画 像 で 行 う こ と と し、 PowerPoint を使用して、媒体ごとに手順をまとめ た返答用の画像を用意した。1 つの説明に対する 手順が多いため、複数の手順を 1 枚に収め返信す るデータを可能な限り少なくする。 図 2 自動応答で使用した説明の例 (Android 端末で Meet を使用する方法)
3.3 運営体制
作成したシステムの運営は、教員と学生で構成 したサポートチームで行う。業務開始後は質問が 多数あると考えられるため、教員 1 名と、大学院 生 2 名、在学生 2 名で構成し、回答作業のほかに、 新たな質問への対応のためにシステムの更新作業 を行う。対応する教員は、IT 技術に詳しい教員や、 教務担当の教員で構成する。質問への回答は、 LINE for Business の 管 理 サ イ ト で あ る LINE Official Account Management を使用し、利用者の 質問があるまで待機する。LINE Official Account Manager へのログインは、自身が使用している LINE アカウントを使用し、教員が管理者、学生 は運用担当者の権限を付与する。このシステムの 他に質問への回答や、解説文等の資料の共有の場 として Microsoft Teams を使用する。質問の受付 時間は、Teams の会議システムを使用し常に音声 を繋げて会話しながら作業を行う。常に会話をし ておくことで、質問への回答に関する協議や、シ ステム開発等の業務指示が可能であり、効率的に 作 業 が 行 え る。 解 決 し た 質 問 は、LINE Official Account Manager 上で、「対応済み」設定とし、AI 応答モードに切り替えるほか、Google スプレッ ドシート内に質問と対応文をまとめる。こうする ことで、同様の質問があった際に以前の対応をそ のまま引用することができる。また、本学におい て最も利用されている Google Classroom の動作確 認のために、テスト用のクラスを作成し、教員、 学生の双方の立場から確認できるようにする。4 評価と考察
4.1 実運用
本システムは、5 月 7 日に行われた学部での遠 隔授業リハーサルに合わせて運用を開始した。運 営時間は授業時間に合わせ平日 9 時から 17 時ま でとした。サポートチームは、教員 6 名と大学院 生 7 名、 在 学 生 19 名 で 構 成 し、Microsoft Teams を使用しながら LINE に届いた質問への回答とシ ステム開発を行った。システムの開発は、5 月 5 日にスタートし、教員と大学院生のアルバイトに よってほぼ 1 日で基本となる動作部分を構築する ことができた。開始前日にほぼ全てのアルバイト 学生が参加したリハーサルが行われ、操作を一通 り確認した後、運用が始まった。アルバイトのシ フトは、始めの 2 週間の間は大学院生 2 名、在学 生 2 名で、続いて大学院生 1 名、在学生 1 名で対 応した。教員は担当者を 1 名設置し、その他にも 手の空いた教員が対応していた。始めの 2 週間程 度は、運用しながら質問の回答の整備や各システ27 文化情報学部紀要,第 20 巻,2020 年 ムの動作確認、S * map に配信された学部生向け の情報の確認等の作業をし、その後は質問のあっ た内容を随時システムに取り入れつつ改装を行っ た。 学生への告知は、本学でのポータルサイトであ る「S * map」のジャーナル機能と大学の遠隔授 業情報専用サイトの学部ページを活用した。当初 の予定では、システム運用を 5 月 22 日までとして いたが、学生の継続的な利用が見られたことなど から、期間を前期授業終了の 8 月 7 日までとした。 5 月 22 日からは、大学院生 1 名と教員 1 名で対応 することとし、担当者の負担軽減のために運営時 間も 10 時から 14 時の 4 時間に限定している。
4.2 利用者への評価
5 月 7 日から 8 月 7 日までの最終的な友達登録数 は 249 名であり、期間中に質問があった回数は 383 回、手動メッセージを送った回数は 1647 回で あった。利用者全体へのメッセージ送信は計 7 回 であり、システム運営に関するお知らせや、LMS や S * map での障害情報、教室開放情報を共有し ている。図 3 に全期間での質問回数の推移と、期 間中の出来事をまとめる。グラフを見ると、利用 者は右肩下がりに減少しており、遠隔授業を重ね ていくうちに授業に対応できた学生が多く見られ ることがわかった。質問回数が減少してからも、 継続的に 1 日に 2 ∼ 3 件の質問があり、困った際 の解決手段として学生に浸透したとも考えられ る。また、スタッフが対応した質問内容を見ると、 PC 環境やシステムに関する質問も一定数あった が、「先生と連絡が取りたい」や「課題がわから ない」などの履修上のトラブルといった教務的な 内容や授業に関する質問が大半を占めていた。 利用者へのアンケート調査は、前期期間終了後 の 8/9 から 8/17 に LINE のリサーチ機能を使用し て行い、利用者全体の 1/4 程度にあたる計 54 名か ら回答を得た。 回答をした学生は、文化情報学科が 66%、メ ディア情報学科が 34%で半数以上が 1 年生という 結果であった。また、回答した学生の 70%以上 が質問機能を使用した経験があり、1、2 回質問 した学生が多いが 5 回以上質問したという学生も 図 3 質問回数の推移と期間中の出来事13%存在した(図 4)。一方で、質問をしていな い学生も一定数おり、トラブル等に関する全体へ のメッセージ配信や、困った際の保険の意味合い で登録した学生も存在している。質問内容は、 「Google Classroom や Glexa 等 の LMS で の ト ラ ブ ル」が最も多く 33.3%を占めた。次いで、「授業 や 課 題 提 出 で わ か ら な い こ と が あ っ た 」 は 18.9 %、「 授 業 に 使 う ツ ー ル で ト ラ ブ ル 」 が 14.4%であった(図 5)。スタッフが直接対応した 質問は、「授業や課題提出でわからないことがあっ た」に関する内容が多く見られたが、回答として 上位となった LMS やツールのトラブルに関して は、自動応答が充実しており自動応答のみで理解 できた学生が多くいたことが考えられる。また、 提案システムの良かった点を問う設問では、「気 軽に質問出来る」、「メールより楽」といったシス テムの扱いやすさに加え、「レスポンスが速い」 という意見も多くみられた(図 6)。最後に、今 図 5 どのようなときに LINE に質問しようと思いましたか?(複数回答可) 図 4 どれくらい質問をしましたか?(カードの使用も含む) 図 6 LINE 窓口案内の良かった点を教えてください(複数回答可)
29 文化情報学部紀要,第 20 巻,2020 年 後もこの LINE によるサポートの継続を望むかと 聞いたところ、対面授業になった場合でも継続し てほしいという学生も 61%、遠隔授業が継続す るのであれば続けてほしいと答えた学生が 39% という結果が出ており、継続運用を強く望まれて いることがわかる。また、学年別に見ると、特に 1 年生が「対面になった場合でも継続してほしい」 と答えた割合が多く、大学の授業を受ける際にな くてはならない媒体になっていることがわかる (表 1)。
4.3 アルバイト学生への評価
利用学生と同様に、サポートチームのアルバイ ト学生へアンケート調査を行い、在学生、大学院 生、計 13 名より回答を得た。「このアルバイトを して良かったことがあれば教えてください」とい う質問では、「先生と交流できた」「先生の会話を 聞けた」という普段あまり話す機会がない教員と の交流を利点として考える学生が多くみられた (図 7)。また、「情報交換ができた」と言ったコ ロナ禍での授業の受け方や就職活動などの情報交 換をしている学生も多く見受けられた。一方、「ア ルバイトをして困ったこと」という質問では、最 も多くみられた意見が「通信環境」であり、遠隔 授業において様々な大学で問題となった個人の通 信環境に依存している点が課題として挙げられた (図8)。また、運営体制としては、Microsoft Teams を使用した会話が良かったと全ての学生が答えて おり、「アルバイトをしていて良かった点」に影 響していると考える。中には、孤独感が薄れたと いう学生もおり情報交換をしながら業務ができた ことが、アルバイトをしている学生にも良い効果 表 1 学年別 継続運用への希望 1 年 2 年 3 年 4 年 総計 授業が継続する場合は継続してほしい 8 8 3 2 21 対面授業になっても継続してほしい 22 6 2 3 33 総計 30 14 5 5 54 図 7 このアルバイトをして良かったこと(複数回答可) ² ¸ ¸ ¸ ¶ ³ ´ ᅺ 図 8 このアルバイトをして困ったこと(複数回答可) ´ ² ³ ³ ² ±を与えることができた。実際に、就職活動の話や、 受講している授業等の様々な話をしている様子が 見られ、教員からアドバイスをもらったり学生同 士で情報交換したりと業務をしながらも会話が絶 えない状況であった。「後期も今回のようなアル バイトがあったらやりたいと思いますか」という 質問では、全ての学生が「はい」と答えており、 継続的な運用も期待できる結果となった。
4.4 考察
利用者アンケートの結果、システムの提案時に 要点としてあげた学生が普段から使用している LINE を活用しシステム開発を行ったことで、学 生にとって使いやすいシステムとして高い評価を 受けることができた。また、自動応答でも LMS の使い方や、よくある PC のトラブルといった課 題を解決することができた。このことから、今回 質問を受けた内容をまとめ予め整備しておくこと で、自動応答で解決できる率が高くなることが考 えられる。一方で、手動で対応した質問の多くは 教務的な内容や授業に関する質問で、その日の担 当教員が教務課や授業の担当教員に確認すると いった作業をその都度行っており、担当教員にか かる負担がとても大きいことが課題として挙げら れる。これらの解決策としては、教務課の担当者 等の職員もサポートチームに編成し、いつでも回 答できるようにすることが考えられる。一方で、 教務課も電話での問合せ受付等も行っており両立 することは難しいと考えるため、特に教務に関す る設問は教務課の窓口に誘導する方法を検討しな ければいけない。PC に関する回答や、システム 開発のできる学生の参加が期待できることから も、回答方法に関するプロセスを明確にしていく ことが、継続的な運用を目指す一歩ではないかと 考える。 また、サポートチームの一員として動いてくれ たアルバイト学生からの評価では、情報交換の場 としての評価が高かった。実際に、サポートチー ムのメンバーとなった教員からも同様の意見が挙 げられており、コロナ禍で各自の作業が続く中、 授業方法やその他の現状の意見交換が気軽にでき たことが、不安や孤独感の軽減に繋がったと考え る。一方で、教員の拘束時間が長く、業務が行い にくい等の状況にあった点は、上述のようにサ ポートメンバーの増員や、回答プロセスをしっか りと構築する必要がある。5 まとめ
本研究では、コロナ禍の遠隔授業における学生 の学修を支援するため、LINE を使用した学生支 援システムの開発とその実証を行った。利用した 学生は 249 名おり、システムの使いやすさ等で高 い評価を得ることができた。また、学生を支援す る一方、教員や学生同士の情報交換の場として日 常生活に大きな効果をもたらすことができた。今 後は、継続的な学生サポートを実現するために、 質問内容の取りまとめや業務負担の軽減を行って いきたい。また、本論では学生支援についてまと めたが、合わせて行った教員の支援についても今 後考察していきたい。 参考文献 [1] 文部科学省(2020):新型コロナウイルス感染症の状 況を踏まえた大学等の授業の実施状況 5 月 12 日時点 https://www.mext.go.jp/content/202000513-mxt_ kouhou01-000004520_3.pdf [2] 文部科学省(2020):新型コロナウイルス感染症の状 況を踏まえた大学等の授業の実施状況 6 月 1 日時点 https://www.mext.go.jp/content/20200605-mxt_ kouhou01-000004520_6.pdf [3] オンライン授業・Web 会議ポータルサイト@東京大学 (2020) https://utelecon.github.io/ [4] 北星学園大学遠隔授業サポートチーム(2020) https://twitter.com/els_hokusei31 文化情報学部紀要,第 20 巻,2020 年 ふくやす・まな / 文化情報学部助教 E-mail:[email protected] みやした・とあり / 文化情報学部准教授 E-mail:[email protected] かめい・みほこ / 文化情報学部准教授 E-mail:[email protected] まつやま・ちえこ / 文化情報学部准教授 E-mail:[email protected] むかい・なおと / 文化情報学部准教授 E-mail:[email protected] くろだ・よしひこ / 文化情報学部教授 E-mail:[email protected] <mailto:[email protected]>