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児童期における友人からの受容と自尊感情の関連

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Academic year: 2021

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(1)児童 期 にお け る友 人 から の 受容 と 自尊 感 情の 関 連 関 真伍・堀井 俊章 Relationship between acceptance from friends and self-esteem in childhood Shingo SEKI and Toshiaki HORII. 問. 題. 自尊感情 自 尊 感 情 と は self-esteem の 訳 語 で あ る 。中 間( 2016),山 崎( 2017)に よ れ ば ,ア メ リ カ の ロ ー ゼ ン バ ー グ( Rosenberg, 1965 )は 自 尊 感 情 の 在 り 方 を“ very good ”と“ good enough” の 2 つ に 区 別 し た 。 そ の う ち “ very good” は 他 者 か ら の 優 越 と い う 意 味 合 い が 含 ま れ ,“ good enough ” は 今 の 自 分 に 対 し 素 朴 に 好 意 を も ち , 受 容 す る と い う 意 味 合 い が 示 さ れ る 。ロ ー ゼ ン バ ー グ は “ good enough” の 感 覚 が 健 全 な 自 己 形 成 に と っ て 望 ま し い 自 尊 感 情 で あ る と 定 義 し た 。“ good enough ” の 感 覚 は , 自 己 受 容 の 感 覚 に 近 い も の で あ る と さ れ る( 中 間 ,2016; 桜 井 ,2000)。す な わ ち ,ロ ー ゼ ン バ ー グ の 定 義 した自尊感情は,自己を素朴に受容することに重きを置いたものであったといえる。 本研究では,ローゼンバーグの定義をもとに自尊感情を扱うこととする。 近年は,自尊感情を状況との関連で捉える研究に関心が向けられており,状況によ って変化する状態自尊感情は,他者から受容もしくは拒否されているといった感覚と の 関 連 が 見 ら れ る こ と が 報 告 さ れ て い る ( 阿 部 ・ 今 野 , 2007)。 小学校高学年の自尊感情 児童期に,自尊感情は本格的に他者との関わりの中で育まれるようになる(荻野, 2012)。 ま た , 小 学 校 高 学 年 は 特 に 友 人 の 影 響 を 大 き く 受 け る 時 期 で あ る ( 長 谷 川 , 2014; 臼 倉 ・ 濱 口 , 2015) と さ れ る よ う に , 児 童 の 学 校 生 活 に お い て , 友 人 関 係 は 重 要な要素であると考えられる。 小 学 校 高 学 年 は , 児 童 を 取 り 巻 く 友 人 関 係 が 大 き く 変 動 す る 時 期 で あ る 。 Sullivan ( 1953 中 井 ・ 山 口 訳 , 1976) に よ れ ば , 小 学 校 高 学 年 に お い て は chumship と 呼 ば れ る同性同年輩との親密な友人関係が形成される。さらに小学校高学年の児童の友人関 係には,親密かつ排他性の高い仲間集団をつくるという特徴が存在するとされる(保 坂 ,1998; 松 本 ,2016)。な お ,女 子 は 男 子 よ り も 親 密 な 友 人 関 係 を 形 成 す る 傾 向 が 強 い と さ れ る( 須 藤 ,2003)。こ の こ と に つ い て は ,女 子 は 男 子 よ り も 仲 間 集 団 か ら 拒 否 さ れ る こ と に 敏 感 で あ り ,仲 間 集 団 か ら 逸 脱 し な い よ う に 気 を 遣 っ て い る と の 知 見( 黒 川 ・ 三 島 ・ 吉 田 , 2006) が 存 在 す る 。 ま た , 男 子 の 友 人 関 係 が 小 集 団 化 す る の は 女 子 よ り も や や 遅 く , 男 子 は 女 子 よ り も 広 い 友 人 関 係 を 形 成 す る と さ れ る ( 井 上 , 1992)。 特定の友人と親密な友人関係を築くことは,その後における親密な人間関係の備え と な る と の 報 告 ( Sullivan, 1953 中 井 ・ 山 口 訳 , 1976) や , 適 応 や 精 神 的 健 康 の 支 え と な る と の 報 告( 岡 田 ,2008),学 校 で の 満 足 度 を 高 め る と の 報 告( 朝 日・青 木 ,2010),. 136.

(2) 子 ど も の 発 達 に お い て 必 要 な プ ロ セ ス で あ る と の 見 方 ( 保 坂 , 1998) が さ れ て い る 。 しかしその一方で,仲間集団以外の学級成員と関わりをもたなくなること(黒川他, 2006), 親 し い 友 人 間 で 特 徴 的 に 発 生 す る い じ め が 存 在 す る こ と ( 三 島 , 2003, 2008) などの問題点も報告されている。 被受容感とソシオメーター理論 「他人から受容される感覚」と定義される被受容感は,自尊感情に関係する概念の 1 つ と さ れ る( 杉 山 ,2002)。Leary, Tambor, Terdal, and Downs( 1995)や Leary( 2011) は,自尊感情と被受容感の関係について,ソシオメーター理論を提唱している。ソシ オメーター理論に基づくと,自尊感情は自分自身が周囲の他者からどれだけ受け入れ られているか,自分自身の社会的立場や対人関係を評価するシステムである 。すなわ ち,ソシオメーター理論とは自尊感情を形成する要因は被受容感にあるとした理論で あり,自分が周囲の他者に受け入れられていると感じている場合,自尊感情は高くな る と い え る 。 こ の こ と を 実 証 的 に 検 討 し た 研 究 と し て , 岡 田 ( 2011) は 高 校 生 お よ び 大 学 生 の 被 受 容 感 が 自 尊 感 情 に 正 の 関 係 を 示 す こ と を 報 告 し て い る 。以 上 の こ と か ら , 自尊感情には周囲の人間との関係を査定する機能があると考えられる。 児 童 期 は 他 律 的 な 判 断 基 準 を も つ も の ( 伊 藤 , 1991) と さ れ る こ と か ら , 児 童 期 の 自尊感情の形成には,特に他者からの影響が大きいと考えられる。また,小学校高学 年 は 特 に 友 人 の 影 響 を 大 き く 受 け る 時 期 で あ り ( 長 谷 川 , 2014; 臼 倉 ・ 濱 口 , 2015), 児童は仲間から受け入れられることによって自己価値の感覚を高めることができる ( 井 上 , 1992) と さ れ て い る 。 す な わ ち , 児 童 に お け る 友 人 と の 関 係 と 自 尊 感 情 の 間 には強い関係があることが推測される。 自己表現 人が集団の中で良好な関係を維持するためには,集団において適応的な特性をもっ た 人 間 で あ る と い う よ う に 振 る 舞 う こ と が 重 要 に な る( 岡 田 ,2007)と さ れ る が , 「行 き 過 ぎ た 適 応 」は「 過 剰 適 応 」と 定 義 さ れ( 石 津 ・ 安 保 , 2008),個 人 に と っ て 適 応 的 に作用する場合がある一方で,個人の心身の健康に悪影響を与える可能性 があると報 告 さ れ て い る ( 石 津 ・ 安 保 , 2008, 2013)。 過剰適応には,他者に配慮することや,人からよく思われたい欲求などの側面が確 認されている。このような他者志向的な適応方略だけでなく,自分の思考・感情など を表現することも,心身の健康を維持するためには必要であるとの知見が存在する。 例 え ば 江 口・濱 口( 2012,2015)は ,適 切 な 自 己 表 現 の 在 り 方 を「 主 張 性 」と 定 義 し , 主張性は自分の思考・感情などを表現することと相手の立場に配慮することの 2 側面 から成り立つとした。このような自他を大切にした適切な自己表現を 用いることので き る 児 童 は , 自 尊 感 情 が 高 い こ と が 示 さ れ て い る ( 江 口 ・ 濱 口 , 2012 , 2015; 山 根 ・ 深 見・石 野 ,2016)。こ れ ら の 知 見 か ら ,適 応 方 略 と し て 適 切 な 自 己 表 現 を 用 い る こ と のできる児童は,集団に適応していくことができると考えられる。 「非主張的な自己表現」を用いることの多い児童が,集団に適応するための方略と して自己表現を用いることができるようになることは,心身の健康の観点から望まし いことといえる。自己表現を促進する要因としては,自尊感情が自己表現に正の関係 を示し,自己表現も自尊感情に正の関係を示すという関係が明らかになっている(江 口 ・ 濱 口 , 2015)。. 137.

(3) 先行研究における課題 第一に,児童の自尊感情についての研究は数多くなされてきたが,児童の被受容感 と自尊感情の関係については,明らかになっていない。 第二に,児童の被受容感について,その構造は未だ明らかになっているとはいえな い。また,児童の被受容感には友人関係が強い影響を与えると考えられるため,特に 友人関係に焦点を当てた被受容感尺度を作成する必要がある と考えられる。 第三に,友人からの被受容感を獲得するための方略については,研究はほとんど行 わ れ て い な い 。友 人 か ら の 被 受 容 感 を 獲 得 す る た め の 方 略 に つ い て 研 究 を 行 う こ と は , 児童が用いている友人関係に適応するための方法を理解することに寄与するものであ る。すなわち,被受容感を獲得するための方略を査定する尺度を作成することは 重要 であるといえる。. 目. 的. 本研究の目的は,児童の被受容感の構造,被受容感を獲得するための方略,そして そ れ ら と 自 尊 感 情 と の 関 係 性 を 検 討 す る こ と と す る 。研 究 仮 説 は 以 下 の と お り で あ る 。 仮説 1 友人からの受容が児童の自己表現を促進する要因の一側面として認められる。 仮説 2 被受容感を獲得するために行っている方略は,友人からの被受容感および自 尊感情と正の関係を示す。 仮説 3 被受容感は,自尊感情と正の関係を示す。. 研 究 1 目的 児童における自己表現の促進および阻害に関する経験や要因について検討すること を目的とした。 方法 調 査 時 期 お よ び 調 査 協 力 者 2017 年 3 月 6 日 か ら 3 月 22 日 に か け て , 首 都 圏 公 立 A 小 学 校 の 5 年 生 19 名 ( 男 子 8 名 , 女 子 11 名 ) に 対 し , 調 査 を 実 施 し た 。 手続き 調査における倫理事項を遵守しながら半 構造化面接を行った。インタビュ ーはハンディレコーダーを使って録音し,録音については調査協力者の 同意を得た上 で 実 施 し た 。 実 施 時 間 は 1 名 に つ き 10 分 程 度 で あ っ た 。 調査内容 自分の気持ちや考えを相手に伝えることができるようになった経験に ついての回答を求めた。半構造化面接において,あらかじめ設定した質問の構成につ い て は , Table 1 に 示 し た と お り で あ る 。 Table 1. 1 2 3 4 5. インタビューガイドの概略. インタビューの内容 学校において,自分の気持ちや考えを人に伝えられるようになった経験の有無 学校において,自分の気持ちや考えを人に伝えられるようになった経験の詳細 上記の経験において,自分の気持ちや考えを伝えられずにいた理由 上記の経験において,自分の気持ちや考えを伝えられたきっかけ 自己表現ができた後の感想. 138.

(4) 結果と考察 自 己 表 現 が で き た き っ か け に お い て ,全 部 で 4 つ の 大 カ テ ゴ リ ー ,す な わ ち 「他 者 か ら の 受 容 」「克 服 」「納 得 」「モ デ リ ン グ 」が 得 ら れ た 。 カ テ ゴ リ ー 分 類 の 結 果 は Table 2 の とおりであった。 自己表現ができたきっかけのカテゴリー分類結果. Table 2 大カテゴリー. 小カテゴリー. 項目数. 切片例. 2. 自分の意見を出した方が,(友だちに)自分の出した 意見が受け入れられるかもしれないと思って(意見 を)出した. 2. 仲良くしたいから(自分の気持ちや考えを)言えた. 他者からの促し. 6. 算数の授業で,友だちと(お互いの考えを)見合って いて,「それ面白い考えだね」と言ってくれて,それ で言えた. 開き直り. 1. 間違ってもいいやって思えてきて,それで(自分の気 持ちや考えを言えた). 自信あり. 10. 自信が付くと(自分の気持ちや考えを)言えるように なる. 恥ずかしさの克服. 4. 恥ずかしさもなくなったから,今は結構意見が言えて いる. 納得. ――. 1. (無視が始まった理由を)聞いて「ああ,こういうこ となんだな」って思った。それで謝って,仲良くでき るようになった. モデリング. ――. 2. 友だちが間違えても笑っていたので,そんな感じだっ たら僕にもできるかなって. 受容の希求 他者からの受容 親密性の希求. 克服. 次に自己表現ができずにいた理由において,全部で 5 つの大カテゴリー,すなわち 「他者からの非受容」 「勇気のなさ」 「自信のなさ」 「恥ずかしさ」 「 不 安 」が 得 ら れ た 。 カ テ ゴ リ ー 分 類 の 結 果 は Table 3 の と お り で あ っ た 。 Table 3 自 己 表 現 が で き ず に い た 理 由 の カ テ ゴ リ ー 分 類 結 果 大カテゴリー. 小カテゴリー. 項目数. 切片例. 6. ボールを取られたときに駄目だと言うことで,仲間はず れにされたり,虐められるのが怖い. 1. (自分の気持ちや考えを)言ったら失礼な気がする. 親密でなくなる ことの恐れ. 1. もっと仲良くできなくなると思って(自分の気持ちや考 えが)言えなかった. 勇気のなさ. ――. 2. 2年生の頃は勇気がなかったため話せなかった. 自信のなさ. ――. 2. それ(自信のある分野)以外だとあまり発言はしない. 恥ずかしさ. ――. 6. 間違っているのかなって思うと恥ずかしくて, (自分の気持ちや考えを)言えなくなっちゃう. 不安. ――. 4. 自分(の答え)が合ってるのかって. 被害恐怖 他者からの非受容 遠慮. カテゴリー分類の結果,自己表現ができたきっかけと自己表現ができずにいた理由 の両方に友人からの受容に関係する回答が存在することが確認された。回答の内容を 踏まえると,友人から受容されることで自己表現ができるようになるという,正の関 係性が存在する可能性が示唆されたといえよう。. 139.

(5) 研 究 2 目的 友人からの被受容感を測定する予備尺度と,友人から受容されるために用いている 方略を査定する予備尺度を構成することを目的とした。 方法 調 査 時 期 お よ び 調 査 協 力 者 2017 年 10 月 18 日 か ら 11 月 16 日 に か け て ,首 都 圏 公 立 A 小 学 校 の 5, 6 年 生 173 名 ( 男 子 90 名 , 女 子 83 名 ) に 対 し , 調 査 を 実 施 し た 。 手 続 き 調 査 協 力 校 に 質 問 紙 を 持 参 し ,5,6 学 年 の 各 3 ク ラ ス ,全 6 ク ラ ス の 児 童 を対象に,倫理事項を遵守しながらクラスごとに調査を実施した。調査は無記名個別 自記入方式の質問紙を集団実施方式で行った。 質問紙の構成 1. フ ェ イ ス シ ー ト 学 年 と 性 別 に つ い て 記 入 を 求 め た 。 2. 友 人 か ら 受 容 さ れ て い る と 感 じ る 場 面 に つ い て の 自 由 記 述 友 人 か ら 受 容 さ れ ていると感じた場面の具体例についての回答を求めた。 「 あ な た が 友 だ ち か ら「 大 切 に されている」 「 受 け 入 れ ら れ て い る 」と 感 じ る の は ,ど ん な と き で す か 」と い う 質 問 に , 自由記述で回答を求めた。 3. 友 人 か ら 受 容 し て も ら う た め の 方 略 に つ い て の 自 由 記 述 児 童 が 友 人 か ら 受 容 されるために用いてきた方略についての回答を求めた。 「 あ な た は 友 だ ち か ら「 大 切 な 存在だと思ってもらう」 「 受 け 入 れ て も ら う 」た め ,こ れ ま で 具 体 的 に ど の よ う な こ と をしたり,心がけたりしてきましたか」という質問に,自由記述で回答を求めた。 結果と考察 友 人 か ら 受 容 さ れ て い る と 感 じ る 場 面 と し て , [時 間 の 共 有 ][相 手 の 積 極 性 ][特 別 な 友 人 関 係 ][サ ポ ー ト ][ 肯 定 的 反 応 ]の 小 カ テ ゴ リ ー か ら な る 「 被 受 容 感 」 の 大 カ テ ゴ リ ーが得られた。カテゴリー分類の結果を参考に,各小カテゴリーから 4 項目ずつ,合 計 20 項 目 か ら な る , 友 人 か ら の 被 受 容 感 予 備 尺 度 項 目 を 抽 出 し た 。 ま た , 友 人 か ら 受 容 し て も ら う た め の 方 略 に お い て 「 自 己 開 示 的 方 略 」, [ 他 者 理 解 ][道 徳 的 行 動 ][サ ポ ー ト ]の 小 カ テ ゴ リ ー か ら な る 「 愛 他 的 方 略 」,「 親 友 関 係 形 成 方 略 」,[積 極 的 接 触 ][派 手 な 振 る 舞 い ]の 小 カ テ ゴ リ ー か ら な る「 積 極 的 な 振 る 舞 い 」,[控 え め な 振 る 舞 い ][事 な か れ 主 義 ]の 小 カ テ ゴ リ ー か ら な る 「 消 極 的 な 振 る 舞 い 」 の 5 つ の大カテゴリーが得られた。分類結果を参考に,各大カテゴリーから 4 項目ずつ合計 20 項 目 か ら な る , 友 人 か ら の 被 受 容 感 獲 得 方 略 予 備 尺 度 項 目 を 抽 出 し た 。. 研 究 3 目的 友人からの被受容感,友人からの被受容感獲得方略および自尊感情のそれぞれを測 定する尺度について,構造と信頼性を検討した上で,尺度間の関連性を明らかにする ことを目的とした。 方法 調査時期および調査協力者. 2017 年 12 月 5 日 か ら 12 月 19 日 に か け て , 首 都 圏 公 立. 140.

(6) A お よ び B 小 学 校 の 5, 6 年 生 295 名 ( 男 子 154 名 , 女 子 141 名 ) を 対 象 に , 調 査 を 実施した。 手 続 き 調 査 協 力 校 に 質 問 紙 を 持 参 し , 5 学 年 5 ク ラ ス , 6 学 年 5 ク ラ ス , 全 10 ク ラスの児童を対象に,倫理事項を遵守しながら調査を実施した。調査は無記名個別自 記入方式の質問紙を集団実施方式で行った。 質問紙の構成 1. フ ェ イ ス シ ー ト 学 年 と 性 別 に つ い て 記 入 を 求 め た 。 2. 友 人 か ら の 被 受 容 感 予 備 尺 度 予 備 調 査 で 作 成 し た 友 人 か ら の 被 受 容 感 予 備 尺 度を使用し,児童が普段友人からどの程度受け入れられていると感じているのかにつ いて 4 件法で尋ねた。 3. 友 人 か ら の 被 受 容 感 獲 得 方 略 予 備 尺 度 予 備 調 査 で 作 成 し た 友 人 か ら の 被 受 容 感獲得方略予備尺度を使用し,児童がこれまでどのような方略を用いて友人から受容 されようとしてきたかについて 4 件法で尋ねた。 4.自 尊 感 情 尺 度 須 﨑 ・ 只 井( 2013)に よ っ て 検 討 さ れ た ,児 童 生 徒 の 自 尊 感 情 を 測 定 す る た め の 尺 度( 1 因 子 8 項 目 4 件 法 )を 使 用 し た( 項 目 例「 わ た し( ぼ く )は , 自 分 の こ と を 積 極 的 に 認 め て い る 」)。 信 頼 性 ( 内 的 整 合 性 ) は 高 く , 児 童 生 徒 の 自 尊 感 情 に 対 す る 教 師 評 定 と の 相 関 分 析 か ら 妥 当 性 が 確 認 さ れ て い る( 須 﨑・只 井 , 2013)。 結果と考察 友人からの被受容感予備尺度の構造および信頼性の検討 友 人 か ら の 被 受 容 感 予 備 尺 度 に つ い て , 項 目 分 析 で 採 用 さ れ た 18 項 目 に 対 し て 主 成 分 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 , 第 1 主 成 分 の 主 成 分 負 荷 量 は .56 か ら .79 を 示 す な ど , 尺 度 は 単 一 次 元 か ら な る こ と が 確 認 さ れ た 。 な お , Cronbach の α 係 数 は .94 で あ り , 十 分 な 信 頼 性 ( 内 的 整 合 性 ) を も つ こ と が 確 認 さ れ た 。 よ っ て , 被 受 容 感 予 備 尺 度 18 項目を,友人からの被受容感尺度(以下,被受容感尺度)として採用した。各項目の 主 成 分 負 荷 量 を Table 4 に 示 す 。 Table 4. 被受容感尺度の主成分分析結果. 141.

(7) 友人からの被受容感獲得方略予備尺度の構造および信頼性の検討 友 人 か ら の 被 受 容 感 獲 得 方 略 予 備 尺 度 20 項 目 に つ い て ,最 尤 法・プ ロ マ ッ ク ス 回 転 に よ る 因 子 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 , 最 終 的 に 3 因 子 17 項 目 が 得 ら れ た 。 第 1 因 子 は「 自 分 の 気 持 ち を 友 だ ち に 伝 え る よ う に し て き た( .77)」 「自分の意見を 友 だ ち に は っ き り と 伝 え る よ う に し て き た( .69)」な ど ,友 人 か ら 受 容 さ れ る た め に , 自 分 に つ い て の 情 報 を 開 示 す る 方 略 を 表 す 項 目 が ,高 い 負 荷 量 を 示 し た 。そ の た め「 自 己開示方略」と命名した。 第 2 因 子 は「 い つ で も 友 だ ち の 気 持 ち を 考 え て 行 動 す る よ う に 心 が け て き た( .75)」 「 何 が あ っ て も , み ん な に い や な 思 い を さ せ な い よ う に し て き た ( .71 )」 な ど , 友 人 に 気 を 遣 い ,適 応 的 な 行 動 を と る 方 略 を 表 す 項 目 が ,高 い 負 荷 量 を 示 し た 。そ の た め , 「愛他的方略」と命名した。 第 3 因 子 は「 特 別 に 仲 の 良 い 友 だ ち を つ く る よ う に し て き た( .74)」 「いつも一緒に い る メ ン バ ー と は , 特 別 に 仲 良 く す る よ う に し て き た ( .71 )」 な ど , 特 別 に 仲 の 良 い 友人関係を形成する方略を表す項目が,高い負荷量を示した。そのため「親友関係形 成 方 略 」 と 命 名 し た 。 以 上 の 結 果 を Table 5 に 示 す 。 「 自 己 開 示 方 略 」が .79, 各 下 位 尺 度 得 点 に つ い て Cronbach の α 係 数 を 算 出 し た 結 果 , 「 愛 他 的 方 略 」が .73, 「 親 友 関 係 形 成 方 略 」が .65 で あ っ た 。こ れ ら の 結 果 か ら 被 受 容 感獲得方略予備尺度は心理尺度として一定水準以上の信頼性をもつことが確認された。 よ っ て 被 受 容 感 獲 得 方 略 予 備 尺 度 の 17 項 目 を ,友 人 か ら の 被 受 容 感 獲 得 方 略 尺 度( 以 下,被受容感獲得方略尺度と略)として採用した。 Table 5. 被受容感獲得方略尺度の因子分析結果 Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ. 第1因子 自己開示方略 6 自分の気持ちを友だちに伝えるようにしてきた. .77 -.06. .02. 20 自分の意見を友だちにはっきりと伝えるようにしてきた. .69 -.06. .02. 7 自分の秘密を,仲の良い友だちに伝えるようにしてきた. .57 -.07. 1 自分の得意なことや苦手なことを友だちに伝えるようにしてきた. .53. .11. -.02. 14 私の考えを友だちに分かってもらうようにしてきた. .53. .23. -.00. 8 私の方から友だちに話しかけるようにしてきた. .52. .11. .07. 11 私が得意なことを友だちに見てもらおうとしてきた. .43 -.04. .28. .07. 第2因子 愛他的方略 19 いつでも友だちの気持ちを考えて行動するように心がけてきた. .03. .75. -.05. 2 何があっても,みんなにいやな思いをさせないようにしてきた. .03. .71. -.10. 15 みんなに同じくらい優しくすることを心がけてきた. .12. .64. -.06. 13 自分を優先しないで,いつでも友だちを優先するようにしてきた. -.07. .62. .09. 17 困っている人がいたら,絶対に助けてあげるようにしてきた. .21. .51. -.08. 4 友だちに好かれることよりも,嫌われないことを心がけてきた. -.19. .45. .33. 18 友だちとちがうことはしないように心がけてきた. -.15. .39. .33. 10 特別に仲の良い友だちをつくるようにしてきた. .02 -.06. .74. 5 いつも一緒にいるメンバーとは,特別に仲良くするようにしてきた. .07 -.08. .71. 12 自分と好きなものが同じ友だちとよく話すようにしてきた. .22. .08. .37. 因子間相関 Ⅰ. Ⅱ. Ⅲ. Ⅰ ―. .52. .30. Ⅱ ―. ―. .23. Ⅲ ―. ―. ―. 第3因子 親友関係形成方略. 142.

(8) 各尺度の性差の検討 1.被 受 容 感 尺 度 の 性 差 友 人 か ら の 被 受 容 感 に つ い て 性 差 の 検 討 を 行 う た め に ,被 受容感尺度の得点についてt検定を行った。その結果,女子の方が男子よりも,有意 に 友 人 か ら の 被 受 容 感 が 高 い こ と が 明 ら か に な っ た ( t(291)= 2.84, p< .01)。 以 上 の 結 果 を Table 6 に 示 す 。 被受容感尺度の性差. Table 6. 2. 被 受 容 感 獲 得 方 略 尺 度 の 性 差 友 人 か ら の 被 受 容 感 獲 得 方 略 に つ い て 性 差 の 検 討を行うために,友人からの被受容感獲得方略の各下位尺度得点についてt検定を行 っ た 。そ の 結 果 ,女 子 の 方 が 男 子 よ り も 有 意 に 愛 他 的 方 略 の 得 点 が 高 か っ た( t(291)= 3.74, p< .001)。ま た ,自 己 開 示 方 略( t(291)= 1.26, n.s.),親 友 関 係 形 成 方 略( t(291)= 0.29, n.s.) に つ い て は , そ れ ぞ れ 有 意 な 性 差 が 見 ら れ な か っ た 。 以 上 の 結 果 を Table 7 ~ Table 9 に 示 す 。 愛他的方略の性差. Table 7. Table 8. Table 9. 自己開示方略の性差. 親友関係形成方略の性差. 3.自 尊 感 情 尺 度 の 性 差 自 尊 感 情 に つ い て 性 差 の 検 討 を 行 う た め に ,自 尊 感 情 尺 度 の得点についてt検定を行った。その結果,自尊感情に有意な性差は見られなかった ( t(291)= 1.58, n.s.)。 以 上 の 結 果 を Table 10 に 示 す 。 Table 10. 自尊感情の性差. 143.

(9) 各尺度間のパス解析モデル 「友人からの被受容感獲得方略は友人からの被受容感および自尊感情に正の関連を 示し,友人からの被受容感は自尊感情に正の関連を示す」という仮説モデルを作成し た。この仮説モデルを検討するために,共分散構造分析によるパス解析を行った。そ の 結 果 , Figure 1 の よ う な モ デ ル が 得 ら れ た 。. Figure 1 被 受 容 感 獲 得 方 略 と 友 人 か ら の 被 受 容 感 と 自 尊 感 情 と の 関 連 に 関 す る モ デ ル モデルのパス係数(β)は,まず「自己開示方略」から「友人からの被受容感」へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た( β = .62, p<.001)。 「 愛 他 的 方 略 」か ら「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」 へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = .17, p<.001)。「 親 友 関 係 形 成 方 略 」 か ら 「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」 へ 有 意 傾 向 の 負 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = ­.08, p<.10)。 ま た ,「 自 己 開 示 方 略 」 か ら 「 自 尊 感 情 」 へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = .43, p<.001)。「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」 か ら 「 自 尊 感 情 」 へ 有 意 傾 向 の 正 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = .12, p<.10)。 「 愛 他 的 方 略 」か ら「 自 尊 感 情 」へ の 有 意 な パ ス は 確 認 さ れ な か っ た 。 「親友関係形 成方略」から「自尊感情」への有意なパスは確認されなかった。 モ デ ル の 適 合 度 に つ い て 検 討 を 行 っ た と こ ろ , 適 合 度 指 標 は そ れ ぞ れ χ ²(2)= 0.200, (n.s.),GFI= 1.000,AGFI= .998,CFI= 1.000,RMSEA= .000 で あ り ,モ デ ル は デ ー タ に十分に適合していることが示された。 得られたパスについて,まず「自己開示方略」から「友人からの被受容感」へ正の 関係が示された。友人から受容されるために,友人に対して自己開示 を行う方略を用 い る こ と は ,友 人 か ら の 被 受 容 感 を 獲 得 す る こ と に つ な が る も の で あ る と 考 え ら れ る 。 さらに「自己開示方略」から「自尊感情」へ正の関係が示された。友人に対して自己 開示を行う方略を用いることは,自尊感情が高まることにつながるものであると考え られる。 次に「愛他的方略」から「友人からの被受容感」へ正の関係が示された。友人から 受容されるために,周りの友人に気を遣い,優しく接する方略を用いることは,友人 からの被受容感を獲得することにつながるものであると考えられる。この結果は,過 剰 適 応 に お け る 他 者 志 向 的 な 適 応 方 略 が 学 校 適 応 と 正 の 関 係 を 示 す と い う 知 見( 石 津・ 安 保 , 2008) を 支 持 す る も の で あ る と 考 え ら れ た 。 続いて「親友関係形成方略」から「友人からの被受容感」へ有意傾向の負の関係性 が見られた。すなわち,特別に仲の良い友人をつくろうとする方略は,友人からの被. 144.

(10) 受容感に結びつかない可能性が示唆されたといえる。 最後に「友人からの被受容感」から「自尊感情」へ有意傾向の正の関係性が見られ た。この結果から,友人からの被受容感を得ることは,自尊感情を高めることにつな がると考えられる。また,本研究の結果からは,自尊感情に関係するのが友人からの 被 受 容 感 の み で は な い と い う 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 黒 川 他 ( 2006) は , 学 級 集 団 に 適 応するためには,仲間集団以外の学級成員との関わりが重要な要因になると報告して いる。自尊感情についても同様のことが考えられるのではなかろうか。本研究におい ては,友人からの被受容感について尋ねた。そのため,友人として仲間集団の成員が 想起されたことが推測される。しかし,学級集団においては親しい友人関係を築いて いる者,すなわち仲間集団の児童以外の学級成員が存在する。そして,親しい友人以 外の学級成員からの被受容感もまた,自尊感情に関係すると考えられる。すなわち, 自尊感情は仲間集団以外の学級成員を含めた児童からの被受容感を反映した感情であ ると考えられる。 各尺度間のパス解析モデルの性差 多 母 集 団 同 時 分 析 を 用 い て ,パ ス の 大 き さ の 性 差 に つ い て 検 討 を 行 っ た 。そ の 結 果 , 男 子 に お い て は Figure 2, 女 子 に お い て は Figure 3 の よ う な モ デ ル が 得 ら れ た 。. Figure 2. 男子における被受容感獲得方略と友人からの被受容感と自尊感情との関連 に関するモデル. Figure 3. 女子における被受容感獲得方略と友人からの被受容感と自尊感情との関連 に関するモデル. 145.

(11) 男子におけるモデルのパス係数(β)は,まず「自己開示方略」から「友人からの 被 受 容 感 」へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た( β = .72, p<.001)。 「 愛 他 的 方 略 」か ら「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」 へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = .14, p<.05)。「 親 友 関 係 形 成 方 略 」 か ら 「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」 へ 有 意 傾 向 の 負 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = ­ .11, p<.10)。 ま た ,「 自 己 開 示 方 略 」 か ら 「 自 尊 感 情 」 へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = .24, p<.05)。 「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」か ら「 自 尊 感 情 」へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た( β = .39, p<.001)。 続いて女子におけるモデルのパス係数(β)は,まず「自己開示方略」から「友人 か ら の 被 受 容 感 」へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た( β = .54, p<.001)。 「 愛 他 的 方 略 」か ら 「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」 へ 有 意 傾 向 の 正 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = .13, p<.10)。「 親 友関係形成方略」から「友人からの被受容感」へのパスは有意と認められなかった。 ま た ,「 自 己 開 示 方 略 」 か ら 「 自 尊 感 情 」 へ 有 意 な 正 の パ ス が 確 認 さ れ た ( β = .51, p<.001)。「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」 か ら 「 自 尊 感 情 」 へ の パ ス は 有 意 と 認 め ら れ な か っ た。 な お , パ ス 係 数 の 大 き さ に 性 差 が 見 ら れ る か 検 討 し た 結 果 ,「 友 人 か ら の 被 受 容 感 」 か ら「 自 尊 感 情 」へ の パ ス 係 数 は 女 子 よ り 男 子 の 方 が 大 き か っ た( p<.05)。 「自己開示 方 略 」 か ら 「 自 尊 感 情 」 へ の パ ス 係 数 は 男 子 よ り 女 子 の 方 が 大 き か っ た ( p<.05)。 「友人からの被受容感」から「自尊感情」へのパスについて,男子では有意なパス が見られたが,女子では有意なパスが見られなかった。児童の友人関係の性差につい て , 親 友 関 係 を 形 成 す る 程 度 は 女 子 の 方 が 高 い と の 報 告 ( 朝 日 ・ 青 木 , 2010; 三 島 , 2008; 須 藤 , 2003, 2008) が あ る 。 ま た , 男 子 の 友 人 関 係 が 小 集 団 化 す る の は 女 子 よ り も や や 遅 く , 男 子 は 女 子 よ り も 広 い 友 人 関 係 を 形 成 し て い る ( 井 上 , 1992) と さ れ る 。こ れ ら の 知 見 か ら ,本 研 究 の 研 究 協 力 者 で あ る 小 学 校 5,6 年 生 の 男 子 は ,女 子 に 比べて友人関係が小集団化されておらず,幅広い交友関係をもっているため,友人か らの被受容感が自尊感情に正の関係を示したと考えられる。 次 に「 自 己 開 示 方 略 」か ら「 自 尊 感 情 」へ の パ ス に つ い て ,女 子 の「 自 己 開 示 方 略 」 から「自尊感情」への正の関係は,男子の「自己開示方略」から「自尊感情」への正 の関係よりも強いことが示された。 「 自 己 開 示 方 略 」を 用 い る こ と は 男 女 と も に 自 尊 感 情につながるが,その程度は女子の方が強いことが考えられる。本研究において女子 の 方 が「 愛 他 的 方 略 」を 用 い る こ と が 多 い と い う 結 果 が 見 ら れ た こ と や ,黒 川 他( 2006) の知見から,女子は友人関係について男子以上に気を遣っていると推察される。その ような状況の中で「自己開示方略」を用いることができていると知覚することは,そ れ自体が自尊感情を高めることにつながると推察される。 友人からの被受容感獲得方略の群ごとの被受容感および自尊感情の差異 1. ク ラ ス タ の 特 徴 被 受 容 感 獲 得 方 略 尺 度 の 各 下 位 尺 度(「 自 己 開 示 方 略 」 「愛他的方略」 「親友関係形成 方 略 」) の 標 準 得 点 に 基 づ き 平 方 ユ ー ク リ ッ ド 距 離 を 算 出 し , Ward 法 に よ る ク ラ ス タ 分析を行った。デンドログラムを参考に 3 クラスタと 5 クラスタを検討した。検討の 結果,クラスタ数と解釈可能性,得られた各群の重要性を考慮し,5 クラスタが最も 適切であると判断された。そのため以下では 5 クラスタを用いて分析を行う。なお, 各 ク ラ ス タ の 人 数 は , 第 1 ク ラ ス タ か ら 第 5 ク ラ ス タ ま で 順 に 81 名 , 97 名 , 65 名 , 42 名 , 8 名 の 回 答 者 が 含 ま れ て い た 。. 146.

(12) 各クラスタの特徴を明らかにするため,5 クラスタを独立変数,被受容感獲得方略 尺 度 の 各 下 位 尺 度 (「 自 己 開 示 方 略 」「 愛 他 的 方 略 」「 親 友 関 係 形 成 方 略 」) を 従 属 変 数 と し た Kruskal-Wallis の 検 定 を 行 っ た 。そ の 結 果 ,「 自 己 開 示 方 略 」( H= 190.43, df= 4, p< .001), 「愛他的方略」 ( H= 209.26, df= 4, p< .001), 「親友関係形成方略」 ( H= 40.10, df= 4, p< .001) に つ い て 有 意 差 が 見 ら れ た 。 「自己開示方略」についてペアごとの比較を行ったところ,クラスタ 4 はクラスタ 1,ク ラ ス タ 2,ク ラ ス タ 5 よ り も 有 意 に「 自 己 開 示 方 略 」の 得 点 が 高 か っ た( p< .001)。 ク ラ ス タ 3 は ク ラ ス タ 1,ク ラ ス タ 2,ク ラ ス タ 5 よ り も 有 意 に「 自 己 開 示 方 略 」の 得 点 が 高 か っ た ( p< .001)。 ク ラ ス タ 1 は ク ラ ス タ 5 よ り も 有 意 に 「 自 己 開 示 方 略 」 の 得 点 が 高 か っ た( p< .01)。ま た ,ク ラ ス タ 1 は ク ラ ス タ 2 よ り も 有 意 に「 自 己 開 示 方 略 」 の 得 点 が 高 い 傾 向 が 見 ら れ た ( p< .10)。 続いて「愛他的方略」についてペアごとの比較を行ったところ,クラスタ 4 はクラ ス タ 1, ク ラ ス タ 2, ク ラ ス タ 3, ク ラ ス タ 5 よ り も 有 意 に 「 愛 他 的 方 略 」 の 得 点 が 高 か っ た( p< .001)。ク ラ ス タ 3 は ク ラ ス タ 1,ク ラ ス タ 5 よ り も 有 意 に「 愛 他 的 方 略 」 の 得 点 が 高 か っ た( p< .001)。ク ラ ス タ 2 は ク ラ ス タ 1,ク ラ ス タ 5 よ り も 有 意 に「 愛 他 的 方 略 」 の 得 点 が 高 か っ た ( p< .001)。 続いて「親友関係形成方略」についてペアごとの比較を行ったところ,クラスタ 4 は ク ラ ス タ 1, ク ラ ス タ 5 よ り も 有 意 に 「 親 友 関 係 形 成 方 略 」 の 得 点 が 高 か っ た ( p < .001)。ま た ,ク ラ ス タ 4 は ク ラ ス タ 2 よ り も 有 意 に「 親 友 関 係 形 成 方 略 」の 得 点 が 高 い 傾 向 が 見 ら れ た( p< .10)。ク ラ ス タ 3 は ク ラ ス タ 1,ク ラ ス タ 5 よ り も 有 意 に「 親 友 関 係 形 成 方 略 」の 得 点 が 高 か っ た( p< .01)。ク ラ ス タ 2 は ク ラ ス タ 1( p< .05),ク ラ ス タ 5( p< .01) よ り も 有 意 に 「 親 友 関 係 形 成 方 略 」 の 得 点 が 高 か っ た 。 各 ク ラ ス タ の 「 自 己 開 示 方 略 」「 愛 他 的 方 略 」「 親 友 関 係 形 成 方 略 」 の 得 点 を Figure 4 に示す。. Figure 4. 各クラスタの被受容感獲得方略尺度の得点. 各 ク ラ ス タ の 特 徴 か ら ,ク ラ ス タ 1 を「 全 般 的 中 群 」,ク ラ ス タ 2 を「 愛 他 的 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」,ク ラ ス タ 3 を「 自 己 開 示・親 友 関 係 形 成 方 略 群 」,ク ラ ス タ 4 を「 全 般 的 高 群 」, ク ラ ス タ 5 を 「 全 般 的 低 群 」 と し た 。. 147.

(13) 2. 友 人 か ら の 被 受 容 感 獲 得 方 略 の タ イ プ ご と の 友 人 か ら の 被 受 容 感 友人からの被受容感獲得方略のタイプと友人からの被受容感の関係について検討す る た め ,5 ク ラ ス タ を 独 立 変 数 ,友 人 か ら の 被 受 容 感 を 従 属 変 数 と し た Kruskal-Wallis の 検 定 を 行 っ た 。そ の 結 果 ,群 間 に 有 意 な 差 が 確 認 さ れ た( H= 99.76, df= 4, p< .001)。 ペ ア ご と の 比 較 を 行 っ た と こ ろ ,「 全 般 的 高 群 」 は 「 全 般 的 中 群 」「 愛 他 的 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」「 全 般 的 低 群 」 よ り も 友 人 か ら の 被 受 容 感 の 得 点 が 有 意 に 高 か っ た ( p < .001)。 ま た ,「 自 己 開 示 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」 は 「 全 般 的 中 群 」「 愛 他 的 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」「 全 般 的 低 群 」 よ り も 友 人 か ら の 被 受 容 感 の 得 点 が 有 意 に 高 か っ た ( p < .001 )。 ま た ,「 全 般 的 中 群 」 お よ び 「 愛 他 的 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」 は 「 全 般 的 低 群 」 よ り も 有 意 に 友 人 か ら の 被 受 容 感 が 高 い 傾 向 が 示 さ れ た ( p< .10)。 各 ク ラ ス タ の 記 述 統 計 量 を Table 11 に 示 す 。 Table 11. 各クラスタの友人からの被受容感の記述統計量 n. M. SD. 全般的中群. 81. 57.90. 8.82. 愛他的・親友関係形成方略群. 97. 58.08. 6.69. クラスタ. 自己開示・親友関係形成方略群. 65. 65.89. 5.00. ペアごとの比較. 全般的中群>全般的低群† 愛他的・親友関係形成方略群>全般的低群† 自己開示・親友関係形成方略群>全般的中群*** 自己開示・親友関係形成方略群>愛他的・親友関係形成方略群*** 自己開示・親友関係形成方略群>全般的低群*** 全般的高群>全般的中群***. 全般的高群. 42. 67.10. 4.03. 全般的低群. 8. 41.13. 12.71. 全般的高群>愛他的・親友関係形成方略群*** 全般的高群>全般的低群***. †p <.10 ***p <.001. 「全般的高群」は,被受容感を獲得するための方略を用いる程度が高いクラスタで ある。 「 全 般 的 高 群 」の 友 人 か ら の 被 受 容 感 が「 全 般 的 中 群 」, 「 愛 他 的・親 友 関 係 形 成 方 略 群 」, 「 全 般 的 低 群 」よ り も 高 か っ た こ と は , 「 全 般 的 高 群 」の 被 受 容 感 獲 得 方 略 が 有効に機能していることを示唆するものである。すなわち,友人からの被受容感獲得 方 略 を 全 般 的 に 適 切 に 用 い て い る 頻 度 が 他 の ク ラ ス タ よ り 高 い た め に ,「 全 般 的 高 群 」 の友人からの被受容感が高いと考えられる。 また「自己開示・親友関係形成方略群」の友人からの被受容感が「全般的高群」と 同程度に高いことからは, 「 愛 他 的 方 略 」を 用 い る 頻 度 が 少 な い 場 合 に も ,友 人 に 対 し て自己開示を行う方略と,特別に仲の良い友人関係を形成しようとする方略を組み合 わせて用いる場合には,同程度の友人からの被受容感を得ることが出来ることが示唆 された。 「 愛 他 的 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」 の 友 人 か ら の 被 受 容 感 に つ い て は ,「 全 般 的 高 群 」 お よ び「 自 己 開 示 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」よ り も 低 く , 「 全 般 的 低 群 」よ り は 高 い 傾 向 に あ る こ と が 示 さ れ た 。 す な わ ち ,「 愛 他 的 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」 に お い て は ,「 愛 他的方略」の不適応的な側面が顕在化している可能性があるといえよう。すなわち, 親しい友人との関係に気を遣い,適応的であろうとすることが,友人からの被受容感 に結びついていない児童の存在を示唆されたといえる。 3. 友 人 か ら の 被 受 容 感 獲 得 方 略 の タ イ プ ご と の 自 尊 感 情 被受容感を獲得するために用いている方略と自尊感情の関係について検討するため,. 148.

(14) 5 ク ラ ス タ を 独 立 変 数 ,自 尊 感 情 を 従 属 変 数 と し た Kruskal-Wallis の 検 定 を 行 っ た 。そ の 結 果 , 群 間 に 有 意 な 差 が 確 認 さ れ た ( H= 50.46, df= 4, p< .001)。 ペ ア ご と の 比 較 を 行 っ た と こ ろ ,「 全 般 的 高 群 」 は 「 全 般 的 中 群 」「 愛 他 的 ・ 親 友 関 係形成方略群」 「 全 般 的 低 群 」よ り も 自 尊 感 情 の 得 点 が 有 意 に 高 か っ た( p< .001)。 「自 己 開 示 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」 は 「 全 般 的 中 群 」( p< .05),「 愛 他 的 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」( p < .001),「 全 般 的 低 群 」( p < .01 ) よ り も 自 尊 感 情 の 得 点 が 有 意 に 高 か っ た 。 各 ク ラ ス タ の 記 述 統 計 量 を Table 12 に 示 す 。 Table 12. 各クラスタの自尊感情の記述統計量. n. M. SD. 全般的中群. 81. 20.95. 3.93. 愛他的・親友関係形成方略群. 97. 19.75. 3.68. クラスタ. ペアごとの比較. 自己開示・親友関係形成方略群>全般的中群*. 自己開示・親友関係形成方略群. 65. 22.60. 3.99. 自己開示・親友関係形成方略群>愛他的・親友関係形成方略群*** 自己開示・親友関係形成方略群>全般的低群** 全般的高群>全般的中群*** 全般的高群>愛他的・親友関係形成方略群***. 全般的高群. 42. 24.38. 4.07. 全般的低群. 8. 15.75. 5.29. 全般的高群>全般的低群***. * p <.05 ** p <.01 *** p <.001. 「 全 般 的 高 群 」は , 「全般的中群」 「 愛 他 的・親 友 関 係 形 成 方 略 群 」 「 全 般 的 低 群 」よ りも自尊感情が高いことが示された。被受容感獲得方略を全般的に適切に用いること は ,友 人 か ら の 被 受 容 感 に つ な が る だ け で な く ,自 尊 感 情 に も つ な が る と 考 え ら れ る 。 また, 「 自 己 開 示 ・ 親 友 関 係 形 成 方 略 群 」は「 全 般 的 中 群 」, 「 愛 他 的・親 友 関 係 形 成 方 略 群 」, 「 全 般 的 低 群 」よ り も 自 尊 感 情 が 高 い こ と が 示 さ れ た 。 「 愛 他 的 方 略 」を 用 い る頻度が少ない場合にも,友人に対して自己開示を行う方略と,特別に仲の良い友人 関係をつくろうとする方略を組み合わせて用いる場合には,友人からの被受容感だけ でなく,自尊感情も同程度に得ることが出来ると考えられる。 主な結果と今後の課題 本研究において明らかになった点は,以下に示したとおりであった。 まず研究 1 において,友人から受容されることが,児童の自己表現を行う要因の一 側面であることが確認された。よって仮説 1 は支持された。 次に研究 2 において作成された友人からの被受容感尺度と被受容感獲得方略尺度を 用 い て ,仮 説 モ デ ル の 検 討 を 行 っ た と こ ろ , 「自己開示方略」 「愛他的方略」 「親友関係 形成方略」はそれぞれ,友人からの被受容感に正の関係性を示した。ただし「親友関 係 形 成 方 略 」は ,男 女 と も に 友 人 か ら の 被 受 容 感 と 有 意 な 正 の 関 係 が 見 ら れ な か っ た 。 よって仮説 2 は部分的に支持されたといえる。 続いて,友人からの被受容感と自尊感情について,男子においては有意な正の関係 が示されたものの,女子においては有意な関係が見られなかった。よって仮説 3 は部 分的に支持された。この結果は,女子の友人関係が排他性の高いものであることと関 係していると考えられる。 本研究で得られたモデルからは,友人からの被受容感と自尊感情の差異が推測され る。すなわち,自尊感情には仲間集団以外の学級成員を含めた他者からの被受容感を. 149.

(15) 反 映 し た 感 情 で あ る と い う 側 面 が あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 こ の こ と は , Leary, et al.(1995)お よ び Leary( 2011)の ソ シ オ メ ー タ ー 理 論 や ,児 童 期 の 自 尊 感 情 に つ い て の 研究に重要な知見を提供するものであると考えられる。 また,クラスタ分析の結果を踏まえると,複数の被受容感を獲得するための方略を 適 切 に 用 い る こ と の で き る 児 童 は ,友 人 か ら の 被 受 容 感 を 得 ら れ て い る と 考 え ら れ る 。 この結果は,適切な自己表現である「主張性」が,自己の思考・感情を表現すること と 他 者 の 立 場 に 配 慮 し 調 和 を 保 と う と す る こ と の 2 側 面 か ら な る( 江 口・濱 口 ,2012) と の 知 見 を 支 持 す る も の で あ る 。す な わ ち , 「 愛 他 的 方 略 」を 用 い て 他 者 の 立 場 に 配 慮 することに加え, 「 自 己 開 示 方 略 」を 用 い て 自 己 の 思 考 や 感 情 を 表 現 す る こ と が ,友 人 か ら の 被 受 容 感 を 獲 得 す る た め に 有 効 で あ る と 考 え ら れ る 。ま た , 「親友関係形成方略」 について,親友関係を形成するために愛他的に振る舞うことは,友人からの被受容感 を得ることに寄与しない可能性がある。 最後に今後の課題は,以下の三点である。 第一に,友人からの被受容感尺度は全体的に得点が高く,標準偏差も小さい傾向に あった。今後は個人差をより反映できるツールの開発について検討する必要がある。 第二に,本研究において回答者が想起した「友人」の範囲が回答者によって異なっ ていた可能性がある。 「 特 に 親 し い 友 人 」や「 ク ラ ス メ イ ト 」な ど の 語 を 用 い る こ と で , 想起する範囲を限定したうえで調査を実施すると,自尊感情 と友人との被受容感の関 係がより正確に検討できると考えられる。 第三に,友人からの被受容感獲得方略として親友関係形成方略のみを用いる場合, その方略が有効に機能しないことが考えられる。このことから,親友関係形成方略の みを用いて友人からの被受容感を獲得しようとすることよりも,複数の方略を用いて 被受容感を獲得することが有効であると推察される。すなわち,児童が用いることの で き る 方 略 を 増 や す よ う な 支 援 を 考 案 ,実 施 し て い く こ と が 重 要 で あ る と 考 え ら れ る 。 引用文献 阿 部 美 帆 ・ 今 野 裕 之 ( 2007). 状 態 自 尊 感 情 尺 度 の 開 発 パ ー ソ ナ リ テ ィ 研 究 , 16, 36­46. 朝 日 香 栄・ 青 木 紀 久 代( 2010).思 春 期 に お け る 友 人 関 係 の 発 達 的 変 化 の 様 相 ― 親 友 関 係 Chumship の 形 成 度 な ら び に メ ン タ ル ヘ ル ス と の 関 連 か ら ― カ ウ ン セ リ ン グ 研 究 , 43, 182­191. 江 口 め ぐ み・濱 口 佳 和( 2012).他 者 配 慮 の 観 点 を 含 め た 児 童 の 主 張 性 と 内 的・外 的 適 応 と の 関 連 心 理 学 研 究 , 83, 141­147. 江 口 め ぐ み ・ 濱 口 佳 和( 2015).主 張 性 と 児 童 の 内 的 ・ 外 的 適 応 と の 因 果 関 係 ― 短 期 縦 断 的 検 討 ― 心 理 学 研 究 , 86, 191­199. 長 谷 川 真 里 ( 2014). 他 者 の 多 様 性 へ の 寛 容 ― 児 童 と 青 年 に お け る 集 団 か ら の 排 除 に つ い て の 判 断 ― 教 育 心 理 学 研 究 , 62, 13­23. 保 坂 亨( 1998).児 童 期 ・ 思 春 期 の 発 達 下 山 晴 彦( 編 )教 育 心 理 学 Ⅱ 発 達 と 臨 床 援 助 の 心 理 学 ( pp.103−123) 東 京 大 学 出 版 会 井 上 健 治( 1992).人 と の 関 係 の 拡 が り 木 下 芳 子( 編 )対 人 関 係 と 社 会 性 の 発 達( 新・ 児 童 心 理 学 講 座 8)( pp.3−28) 金 子 書 房 石 津 憲 一 郎・安 保 英 勇( 2008).中 学 生 の 過 剰 適 応 傾 向 が 学 校 適 応 感 と ス ト レ ス 反 応 に 与 え る 影 響 教 育 心 理 学 研 究 , 56, 23−31. 石 津 憲 一 郎 ・安 保 英 勇( 2013).中 学 生 の 学 校 ス ト レ ス へ の 脆 弱 性 ― 過 剰 適 応 と 感 情 へ の 評 価 の 視 点 か ら ― 心 理 学 研 究 , 84, 130−137.. 150.

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