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グリーンコンシューマ リズムと企業の環境に対する社会的責任

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(1)

グ リー ンコンシューマ リズム と企業 の環境 に 対す る社会的責任

はじめに

1.環境 を巡 る構図の変容

2

.グ リーンコンシューマの誕生 と課題

3

.環境‑の企業対応

おわ りに

は じめに

2 0

世紀 を産業の側面で眺めてみると,前半 と中盤 は産業発展の時代であ り,そ の リーデ ィングインダス トリの内容 は次々に変わ りなが らも,様 々な商品や文 化 を生み出 していった。国によってその発展段階や コア産業は異なるが,中盤 ま ではお よそ工業社会であった。それが,後半に入 り,ポス ト工業化社会 とな り, その成長産業 とそれによって変容 をうける生活様式の変化か ら情報社令 (サー ビス社会) と呼ばれている。

どち らに して もモノ とエネル ギーの使用は一貫 して増大 している。それは,当 杏,地球環境‑の負荷 を高めているゆえ,地球環境か らのエネルギー収奪 と負荷

に関 しては工業社会 と情報社会 は同 じトレン ドであると言わざるを得ない。

しか し,今世紀後半に入 り,本格的に地球環境が問題視 され始めたことも事実 である。そ してそれへの議論 と対策が様 々に試み られていることも後 でみ る通

りである。

〔 2 1 7 〕

(2)

2 18

4 7

1

ただ,先程 も述べたように,地球環境の国際的 レベルではより一層負荷が強 ま っていると言える。その負荷の軽減又は除去が真剣 に求め られているが,改善は 遅々として進 まない。その理由は,我々の政治的 ・経済的 ・文化的システムや価 値観それ 自身の中にその間題が内在 しているか らである。

しか し,それを変えること,すなわち我々の意識や行動規範 を変更す ることな しには地球環境問題の改善が不可能であることが,多 くの人々の共有す る認識 とな り始めて もいる。

ここで,論 じるグ リー ンコンシューマ リズム と企業の責任論 もまさに我々個 人のライフサイクル と企業の営利追求の 自由‑の在 り方 自体 を問 うものであ

る。

t

環境 を巡る構図の変容

現代社会 に存在する重大な課題 として,環境問題があることは万人が認め る ところである。特 に, 日本は明治期以後,富国強兵・殖産興業の国是の もと,鉱 山開発にともなう公害 (鉱害)を多発 させてきた。その後 も,いわゆる

4

大公害 訴訟 を経て,公害に対す る責任が厳 しく追求 されてきた。 (1)

その後,工業化の一段の進展 と産業の大規模化 により,大都市‑の人 口の集中 が激 しくな り,それに伴 う都市公害がクローズア ップ して きた。都市公害 とは, 大気汚染,水質汚濁,地盤沈下,騒音,振動,汚臭,土壌汚染のいわゆる典型

7

公害が中心ではあるが,その他にも人 口の集中により,交通渋滞や住宅環境の劣 化や ヒー トアイラン ド現象などの広い意味での生活環境の悪化が進んだ。

そのすべては,人々の生産活動・生活活動に伴 うものであ り,日本の経済規模 の拡大が もたらしたものである。 日本の

GNP

はすでに世界の

1 5 %

を超 える大 きさとな り,そのプ レゼ ンスは世界経済 に も大 きな影響 を与えている。 と同時 に,環境への負荷 も当然 に大 きい ものであ り,日本が環境面で も世界の リーダシ ップ を取 らなければならない理由がそこにある。 (

2)

しか し,従来の公害はその被害が甚大であるとはいえ,地域的に限定 されてい

(3)

た ものである。そ して,都市型公害の中の市民活動が原因であるものを除 くと, その大半は生産活動 に伴 う産業廃棄物質が,その原因であ り,企業が直接的加害 者であった。

その意味では,公害発生の因果関係 は比較的明解 (疫学的因果関係 は自然的因 果関係 ほど明確ではないが)であった と同時に,公害防止の責任 は企業 に問い得 たのである。

ところが

,8 0

年代以降の環境破壊の特徴 は,地域的・個別的な領域 に とどまら ず,グローバル化 して きた。すなわち,全世界的な環境破壊が顕在化 し始めたの である。た とえば,化石燃料の消費 にともなう

C 0 2

な どによって温室効果が発 生 し,地球の温暖化が進展 していった。また,世界の工場や 自動車の排煙 ・排気 ガスによって,酸性雨が発生 し,多 くの森林や湖の生物が死滅 し,電気製品や‑

イテク関連 に用い られるフロンガスによってオゾン層が破壊 きている。(3) れ らの環境破壊現象群 をまとめて地球環境問題 と呼ぶが,他 にも,森林伐採や農 耕活動 による砂漠化や多様 な生物の死滅な ども当然 に含 まれ る。

この ような全世界的な環境破壊の特徴 は以下である。まず,多 くの経済主体が 関わっているために,その原因 となる因果関係が明確でない点である。それゆ え,従来の公害事件 とは異な り,加害者・被害者 という

2

項対立的図式ではな く, 従来の被害者である市民 自身 も広い意味で加害者 となっていると言い得 るので

ある (加害者 としての企業 とのいわゆる地位 の互換性 は無 いが関与性 はな しと し得ない とみる)0

た とえば,以下の図は,‑人当た りの物質 とエネルギー等の消費に関す る推移 を示 しているものである。

我々は, より豊かな生活 を営むためにはどうして も物質 とエネルギーの消費 は避 けられないが,地球の資源及び環境‑の負荷 に関 しては一貫 してマイナス の影響 を与 えていると言わざるを得 ない。『平成

6

年度版環境 白書』によると,

我が国の‑人当た りの年間一次エネルギー消費量 は石油換算で

3. 5 4

トンであ り,

OECD

諸国平均

( 4. 81

トン)の

7 3. 6 %

に とどまるものの,世界平均 (

1. 5 2

トン)の

2

倍以上」であ り,「欺消費量 は

2 3 4. 7 kg

で世界平均の

4 4. 5 kg

5

倍以

(4)

2 20

47

1

上」 (注4

)であるとい う。

1

人 当 た り物 質 、 エ ネル ギ ー等 消 費 の 推 移

( 昭和 50 年度 を1 0 0 とす る指 数)

280 269 240 220 200 1 80 1 60 1 40 1 2 0

1 0 0

80

.*

J

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I‑一

一 一

̲ ̲̲̲̲̲‑‑‑‑

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 二 ‑ ‑ ‑ : ‑ ̲ ‑ ̲ ‑̲ ̲ . ̲ ̲ ̲ . ̲ ̲ ̲ . ̲ ̲

昭和

5 0 5 5 6 0 61 6 2 6 3

平成

12 3

日エネル ギー消 費量 +生活用水使用量 ◇食料熟供給量 △ 紙消費量

× プ ラスチ ック消費量

(資料)「総合 エネル ギー統計」、「日本の水 資源」、「農業 白書」、

紙 ・パルプ統計」、 日本プ ラスチ ック工業連盟 資料等 よ り作成 l 平成6年度環境 白書 よ り〕

また,大気汚染やエネル ギー消費に大 きな影響のあ る自動車 につ いてみてみ ると,所得の伸 び と排気量の大 きさに よる自動車の税率の見 直 しや 自動車保険 料の軽減等の経済的措置 によって 自動車の大型化が進んだ。「(社)日本 自動車工 業会の調査 によれば

,3

ナ ンバー車 に対 して,税制改革で身近 になった とす る人

2 5 0 0 c c

車 については

4

割以上,

3 0 0 0 c c

串 については

3

割以上」となっている という。 (

5 )

。又,家庭 ごみについてみてみ ると,「昭和

61

年の

1, 0 0 7 g

か ら平

3

年 には

1, 1 1 8 g

‑ と増加」 (

6 )

してお り,廃棄物が個人の家庭 において も 増加 しているこ とが分か る。

以上 か ら考 えて も,我 々は大量生産 ・大量消費時代 はすで に過去 の ものであ り,地球資源や環境負荷 に優 しい生活スタイル をとってい るとは言 い難 いこ と

(5)

が分かる。た しかに,電気製品の省エネ化 はなされ,自動車の燃費効率は向上 し て きてはいるが,前者では,その使用商品数が増加 し,後者では,すでにみて き た通 り排気量の増大化傾向で トータル としてみれば,エネルギー消費量 は減 っ ていないのが現状である。

勿論,地球環境‑の深刻な影響 を与 えているのは,先進国だけではな く,より 一層大 きいのは,む しろこれか ら貧 困か らの脱却 を目指 して工業化 を進めてい る開発途上国である。彼 らの豊か さ‑の希求 を阻む ことは当然で きないことで あるが,国家数 と人 口では,む しろ彼 らの方が多数派 なのであ り,その彼 らが工 業化すれば,モノ とそれを作 り出すためのエネル ギー消費は当然 に高 まる。

どちらに して も

2

つの国家群 によって地球環境 が破壊 されつづ けているこ と は多 くの資料が示す とお りである。

この ような理由によって

,8 0

年代以降,環境 問題 が全世界的 に脚光 を浴び, 様 々な国際的機関で討議がなされて きた。 (

7)

そ して,「環境 と開発 に関す る世界委員会

」( WCED: Wor l dCommi s s i ono n Envi r onme ntandDe ve l opme nt , 1 9 87

4

月)の報告書の中で,今の環境問題

を考 えるうえで,重要なキー概念である「持続可能な発展

」 ( s us t i na bl ede ve l o p‑

me nt )

が出された。(

8 )

そ して,この報告書の流れ をうけて国連 は,「環境 と開 発に関す る国連会議

」( UNCED: Uni t e dNat i o nsConf e r e nc eonEnvi r onme nt andDe vel opme nt )( 1 9 8 9

1 2

月)を

3

年後 に, リオジャネイロで開催す るこ

とを決議 し

,1 9 9 2

6

月,いわゆる「地球サ ミッ ト」が開催 されたのである。そ の中で,「環境 と開発に関す るリオジャネイロ宣言」 (

9)

が出された。

そ して,それを宣言のための宣言に終 わ らせ ないために,アクシ ョンプ ランと して 「アジェンダ

21 」

が採択 されのである。 (

1 0 )

日本では,これ らとの整合性 を図 るために

,1 9 9 3

1 1

月に,環境基本法が制定 され,行動計画 としては,環境基本計画が策定 された。ここで,環境基本法の内 容 を若干みてみ よう。

まず,第一条で,本法律の 目的を明 らかに している。この条文の内容 は,第一 に,環境保全 について,国,地方 自治体,事業者及び国民の責務 を明 らかにする

(6)

2 2 2

47

1

ことであ り,第二が,その施策の基本 を定め,それ を総合的かつ計画的に推進す ることであ り,第三は,現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保 と人類 の福祉 に貢献す ることであると,高 らかに譲 っているのである。

第一 に関 しては,さらに第六条で,国の責務 を定め,第七条で,地方 自治体の 責務 を,第八条で事業者の責任,第九条で国民に対 して,日常生活 に伴 う環境‑

の負荷 を低減す ることに努めなければな らない とす る。

第二では,これを受けて,第十五条で,国に基本計画の定立 を義務づ けている。

第三に関 しては,現在の国民のみな らず,将来の世代‑環境 の恵沢 を享受で きる ようにす ることを,明言 したのである。そ して,第三条で,環境の恵沢 と承継 を 義務づ けているのである。その,基本的認識 として,人類 は,環境 を生存基盤 と して共有 していることであ り,その環境 は自然生態系の微妙 なバ ランスの下 に 成立 してお り,かつ有限であることを確認す る。そ してそれに もかかわ らず,環 境‑負荷 を与 えて続 けてお り,損なわれ るおそれが生 じていることである。環境 が損なわれれば,憲法25条の 「健康で文化的な生活」を営む ことがで きな くなる のであ り,それを,保全 しようとしたのが本法律であるこ とを確認 したのであ る。第二条では,公害以外 に も 「環境‑の負荷」と 「地球環境保全」の概念が掲 げられている。 (

1 1 )

第四条で,環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築 と全ての者 の公平な役割分担の下 に,自主的かつ積極的に行われ ることを目指す。(

1 2 )

第五条は,国際的協調の重要性 を認識 し,それ‑の積極的推進 を義務づ ける。

第八条では,いわゆる公害 を防止す るにとどまらず,自然環境 を適正に保全す るために必要な措置 を講ず る責務があると明言す る。これによって,一般的抽象 的であるが,法的義務が事業者 に課せ られていると言 える。

第九条では,国民の責務 を定め るが,これはグ リー ンコンシューマ として 日常 行動 を取 ることを要請 しているのである。

これか らも分 かるとお り,環境基本法の新 しい点は,日常の経済社会全体の在 り方が,問題 とされた点である。すなわち,都市・生活型の環境問題や地球環境 への政策や手法が盛 り込 まれたのである。

(7)

これ らの法律お よび計画の意義 は,マクロ的には国際協調の重要性が指摘 され, ミクロ的 には全ての行動主体が環境‑の配慮 と行動 を法的お よび倫理的 に義務 づ けたことにある。 この段階によって トータルな環境政策が実現 され ることに なろう。そ して今後 は,この法律の趣 旨をいかに具体的行動 として実現す るかに かかっていると言えよう。 (

1 3 )

2

グ リーンコンシューマの誕生 と課題

最近,マーケテ イングのなかに,社会の動 きに積極的に対応 を盛 り込 もうとい う傾向が顕著 にな りつつある.それは,マーケテ イング概念の変容 を通 じて も理 解で きる。

1 9 4 8

年のアメ リカマーケテ イング協会

( Ame r i c a nMa r ke t i n gAs s o c i a t i o n)

マーケテ イングの定義 によると,「商品およびサービスを生産者か ら消費者ない

し使用者 に流通 させ る企業活動の遂行」であるとされている。 (

1 4 )

それに対 して

,1 9 8 5

年の

AMA

の改訂によると,「マーケテ イングは,個人や組 織の 目的 を満足 させ る交換 を創造するために,アイデア,商品およびサービスの 企画,価格決定,プ ロモーシ ョン,流通 を計画 し,実行す る過程」であると内容 が改良 された。 (

1 5 )

前者 と後者の主な変更点は,単に商品やサー ビスを受 け取 り手に流通 させ る のではな く,まず,個人及び組織 の 目的 を満足 させ ることが交換の内容の中に含

まれることとなった点である。となれば個人や組織 が,社会的正義や価値観の伴 った商品やサービスの質が満足 させ る内容 に取 り込 まれれば,当然 に企業 は答 えて行かなければな らないのである。しか も,それは,後段が示す とお り,商品 やサービスそれ 自体 を超 えて,その提供方法一切 を含む ことになるのである。

それゆえ,グ リーンマーケテ ィング も当然 に新 しいマーケテ イング概念 に包 拝 され ることになる。ここで,もう一つのマーケテ イング概念の見方である,ソ

ーシャルマーケテ ィングについて考 えてみよう。

ソーシャルマーケテ ィング とい う用語は,マーケテ イング理論上

,2

つの異な

(8)

2 2 4

47

1

る意味合 いをもち,それぞれの適用領域 を営利分野だけではな く,非営利分野 に も拡大 し,組織一般の適用技術 としてマーケテ イングを捕 らえ直そ うとす るこ とである。(注16)

企業の従来のマネジ リアルマーケテ ィングを補完 し,企業のマーケテ イング 活垂加こ社会的次元 を付加 し,企業活動 を遂行す る上での社会的配慮 を重視強調 す るものである。 (注17)

この中には,企業が製品やサービスの市場‑の提供 とい う本来の営業活動以 外 に,一般 にメセナ活動や,あるいはフィランソロピー活動 という社会的貢献活 動なども含むことになる。

この ような内容が盛 り込 まれ るようになった理 由は社会問題 の本来の解決主 体である政府や非営利機 関に対 して,米国国民の期待が相対的 に低下 したこ と

と反対 に経済 システムの中心である企業 それ 自体 に求め ようという動 きが起 き たためである。 (日本では逆 に今非営利法人の役割が増 している)0

そこで, ソーシャルマーケテ ィング とグ リー ンマーケテ ィングの関係 を図式 化す ると以下の ようになろう。

区1 2

(9)

この図は,縦軸 に義務 (規制)か 自由 (任意)かを取 り,横軸 に対応項 目の多様性 を取 った ものである。当然法律や条例 な どの規制が左下 にあたる。それに対 し て,グ リーンマ‑ケテ ィングは,それを超 えて存在す る。具体的には,エ コ・ラ ベルや環境監査等が これにあたる。 または法規制 を超 えた基準 を自主規制 とし て設定 した ものが これにあたろ う。 さらにそれ を超 えた ものが広義のグ リー ン マーケテ ィングであると同時に,狭義のソーシャルマーケテ ィングであろう。そ れゆえ,一般 にはグ リーンマーケテ ィングには含 まれない,教育活動や文化事業 が これにあたる.しか し,グ リー ンマーケテ ィングは環境 に特 に光 を当てて展開 されているマーケテ イングであるが, コンシューマ リズムは広 い意味ではその 両者 を含 みこんでいるとみるべ きであるか ら(判然 と分 かち難 い し分 ける必要 す ら無い),グ リーンマーケテ ィング とソーシャルマーケテ ィングは一般的には 同一の もの と考 えることもあながち間違 いではないのではないだろうか。

とくに,法規制 による基準値 もコンシューマ リズムの高 まりに連動 して,次第 に高 くなっているのである。そうなればいまは義務ではないグ リー ン対策 も,そ の義務化が強 まってい くことが考 えられ る。そうなれば,最 も広い領域 にある社 会貢献活動 も次第にグ リー ンマーケティングのメニ ューに当然入 ることになろ

つ。

従来は,中間的部分が,ある意味では抜け落 ちていたいって もよい。それゆえ, 法的規制 さえ順守 していれば,社会的責任 を果たせていたことになっていた。そ

の上で,メセナやフ ィランソロピーを行 っていた。それゆえ,企業の行 うこの よ うな行為 は,慈善的であ り,陰徳的であ り,偽善的です らあった と評価 されて も しかたのないことであった。(特 に,景気動向によって停止や再 開を繰 り返す行 為などが典型である)0

しか し,グ リー ンが空白部分 を埋めたことによって,グ リー ンマーケテ ィングが マーケテ イングに内在す るように,メセナや フ ィランソロピー もその延長上 に あるもの となったのである。

ここで,グ リー ンマーケティングの概念 を考 えてみ よう。

Ke nPe a t t i e

よる と,グ リー ンマーケティング とは,「顧客や社会の要求 を,利益 を得 ると同時 に

(10)

2 2 6

4 7

1

持続可能な方法で確認 し,予測 し,満足 させ ることに責任 を持つマネジメン トで ある」(

1 8)

とす る。そ して,グ リー ンマーケテ ィング と社会志向的なマーケテ ィング とを区別すべ き点 を

4

つに集約す と,第一は,長期的観点 というよりは将 来無限に続 くことであ り,第二は,より自然環境 に焦点をあて,第三 は,環境 を 社会 にとって有用 という価値 を超 えた もの として とらえること,最後が,特定の 社会 とい うよりは,地球的規模の環境 を考 えることである, とす る。

では,この ように台頭 して きた 日本のグ リー ンコンシューマが,いかなる意識 に あるのかを幾つかのアンケ‑ ト (19)をもとに考 えてみ よう。

まず,環境問題 について認識 を聞いたのが,以下の図である。

平成 8 年 4 月 鋼査 ( 商大生)

平成 2 年 3 月 鋼査

6 2 . 2

5 9 ,7

?+難

0% 20%

田 わか らない 濃 その他

固 まだ重要な間盟かど うか分か ら13: 田 あま り重要な間髭 とは思わない ロ 重要と患 うがもっと大切な問題かある ロ 寿も優先的に取 り組むぺ巷間盟である

40% 60% 80% 1Oo究

3 環境問題 についての認識

(11)

これによると,下の帯びグラフが総理府の平成

2

年の調査であるが,環境問題 が,最 も優先的に取 りメ阻むべ き問題である,と考 えるものが

,5 9. 7 0

/.もお り,過 半 を超 えている。これに重要 と思 うというのを加えると

,80 %

を超 える。これに 対 して,平成

8

年に本学でおこなった調査では,両者合わせて

,9 0%

を超 える結 果 を示す。これは,彼 らが苦い ということ,そ して地球環境問題が年々厳 しくな っていっていることの現れであろう。この ような予想 は,総理府の調査の年齢別 の結果 ともあい,かつ年々環境問題‑の意識が高 まっているとす る他の調査 と

も合致す る。どちらに して も,環境問題 を重要な社会問題であると見ていること では,一致 しているといえようO

次の図は,地球環境 についての心配のなかで,具体的 に何が懸念 され るかを聞 いた ものである。

田生宿行政情抑 こよる鋼査結果

Lt

t・̲

EEF

4

地球環境 についての′Lt

(12)

2 2 8

4 7

第 1号

これによると,オゾン層の破壊や二酸化炭素の増加 による気象現象の変化や, 酸性雨の問題が上位 を占めている。ただ,学生では,世界的な森林の破壊や砂漠 化の問題 も大 きな数値 を示 している。これは,首都 圏の学生のア ンケー トの結果 とはかな り異なっている。かれ らは,それ らを

12.4

%,

6

% としているので ある。それは,想像の城 を出ないが,本学学生が北海道 に住んでいるとい うこと が影響 をしているのではないだろうか。豊かな 自然 に住んでいる者の方が,より 自然 を保全 しようとす る皮合いが強いのはまさに自然 なことの ように思 われ る か らである。

ただ,様 々な破壊現象について国民が関心 を示 していることは事実であろう0 次の図は,地球環境 と国民の生活 との関わ りを聞いた ものである。

平成

8

4

月調査 (中経南天生)

平成 2年 3月餅査

0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 %

田わか らIJ: 田 その他

E]ほとんど産菓椿軌が原因である ロ主に唐桑であるが国民にも関わる ロ町民一人一人の生椿が直接の原因

5

地球環境問題 と国民生活

(13)

これによると,主 に産業であるが,国民に も原因の一端があるとす るのが,最 多で

,4 8. 3 %

6 2. 2 %

である。学生 にいたっては,過半 を超 えている。それにた い して,ほ とん ど産業活動であるとす るの もが両者 とも極めて少ないことが特 徴的である。学生 にいたっては

,2. 7 %

に しかす ぎないのである。この ように, 国民の意識 としては, 自分 自身の責任 と考 える傾向がかな り強 くなって きてい ることが うかがわれる。 これは,首都圏の学生 に聞いたアンケー ト(前出)の中 で も,環境問題 に関 して一番頑張 るべ き者 は誰か という質問で,自分 自身である という回答がここ数年着実に増加 していることと符合す る。これは,同 じアンケ ー トの中で,民間企業が頑張 るべ きとい う数値が年々低下 しているこ とと対 を な していると言えよう。かつてであれば,公害は主に企業活動が原因で もた らさ れ るものであ り,企業が責任 を負 うべ きであった と考 えられて きた。そ して企業 の工場単位の汚染物質除去技術の開発や努力で身 を結び出 したのであるが,世 界的人 口の増加 と豊かな生活の享受 とい う人間生活それ 自体の生活スタイルが や は り大 きな原因であるという認識が,広 まっ というべ きであろう。

次の図は,経済発展か環境か という経済成長 をめ ぐる問題 である。

小樽帝大生

生清行政博幸削こ よる甜査結果

2 9 . 7 塁 i

i

1 2 7. 3

転 妻妾喜 i: 1

0% 2(

迅 わか ら1Lい

田 経済の発展は地球頚墳間組に優先する 田 頚墳保全は経済との調整を団る必要有

□ 経済発展と環境保全は両立する ロ 地球環境保全の対策を優先させ るべき

40% 60 80% 100%

(14)

230

4 7

1

これによると,結果がかな り分かれている。総理府の調査 によると,地球環境 優先が

,2 6. 8 %

,経済 と環境保全 は両立す るとい うものが

2 7. 3 %

,環境保全 は経 済の発展 を阻害す るようではいけない とす るものが

,2 9. 3 %

である。ただ,経済 が環境 に優先す るとい うものは

,3. 7 %

しかいない。これか らいえることは,環 境第一主義で,経済 は二の次であるとい うものは多数派であるとはいえず,や は

り両者の両立 を望んでいると言 えよう。

これは,ある意味では,現在 の経済状態 を望 んでいることであるといえよう。

しか し,それが続 く限 り一層環境が破壊 され,歯止めがかか らない現状 を考 える と,結果 として国民 は一方では自分の責任 であるとい う厳 しい問いかけを自ら に してお きなが ら,豊かな生活 を維持 したい とい う矛盾 を抱 えてい るこ ととど う整合性 をつ けてい くのかが本 当に間われだす時期 に きているといえよう。

最後 に,地球環境 に厚 い意識 をもっていることを前提 に して,具体的にいかな る行動 を取 ろ うとしているのか を聞いたのが以下の図である。

小樽商大生

生活行政情幸削こ よる調査結果

0% 20 40% 60% 80% 100%

ロ参加したくない

田できれば参加したくない aわからない

□できるだけ参加したい

(15)

この図 を見 る限 り,積極的に環境問題 に参加 したい という比率は,低 いことが わかる。とくに,学生 にいたっては,

5

% を切 っている。ただ,で きれば参加 し たいが両者 とも過半 を超 えている。反対 に,参加 した くないは,極めて少数であ る。これは,国民 は心の中では参加 を肯定 しなが ら,実際の行動 は,事実上 は消 極的であるとい うことを意味 しているのであろ う。 ここに環境 問題 の大 きな問 題が内在 している。一方では,環境保全 を望みなが ら,他方,物質的 に豊かで快 適な暮 らしを維持 したい とい う トレー ドオフの関係 にたつ問題 では, ジレンマ に陥っているのである。これは,首都圏の学生‑のア ンケー トが よりはっきりこ の関係 を示 している。

地球環境の危機であると思 う人の比率が高 くなっている一方,具体 的なアク シ ョンでは後退が続いているのである。た とえば,冬の暖房 は使用 しない という 問いかけに対 して

,NO

が この

5

年間で約倍 になっているのである。同 じく,夏 の冷房 を入れない もまさに約倍 になっているのである。他 にも,エ レベータを使 用 しない と答 えた人が激減 しているのである。

この ようなことは 日常の ささいな行動であるが,それの集積が 日常生活であ るのであ り, 自己自身の責任 を問 う姿 とはや は り一貫性 を欠 いていると言わ ざ るを得ないであろう。

これは,グ 1)‑ンコンシューマの本質 について,

Ke nPe a t t i e

がい う,「彼 ら は矛盾 している」ということを裏付 けているといえよう。さらに彼 は,「彼 らは, 困惑 している」とい う。(注21)すなわち

,

何がグ リー ンで何がグ リー ンでないか は不確かでそれに迷 っているというのである。た しかに,社会経済 システムが複 雑 にな り,グローバル化が進めば進むほど,商品や システムがグ リー ンか どうか は判然 しに くくなる。た とえば

,NTT

はテ レビ会議 システムが企業の間で広 く 利用 され ると,エネルギー消費は減 るという。なぜ な ら,日本 中か ら本社の集 ま る東京に会議 その他で出張 しな くてすむので,輸送 にかか るエネル ギーが大幅 に節減で きるという。勿論,

PC

や通信 にかか る電気消費を割 り引いて もであ る。しか し,その余った時間を労働者が他の生産活動 に従事すれば トータル とし てエネル ギー消費が節減で きるか どうかを簡単には結論づ け られない。とくに,

(16)

232

4 7

1

企業 は労働生産性 を上 げるために,システムを導入す るのであるか ら,より多 く の又 はより精密な商品やサー ビスの提供 に伴 い,エネルギーが多 く消費 され る ことは当然 に予想 されるか らである。最近の電力消費の上昇傾向は,多 くの情報 機器の使用が原因であるとい うことか らも肯定で きよう。 (22)

最後 に,彼 は,グ リー ン消費行動 に関 して様 々なタイプがいることを明 らかに し,大 きく分 けて4つに分類す る。第一が,活動家であ り (人 口の16%),第二 が,現実主義者であ り(34%),第三が, 自己満足家であ り(28%),最後が,環 境問題 に疎遠 な人である (22%)という。 (23)

もし,この数字がある程度正 しいとす ると,国民 もグ リー ン消費活動 に関 して かな り多様であ り,かつ先程 もみたように意識 と行動 も一致 しないのが現状で あろう。

しか し,グ リーン‑の関心や参加 について徐 々にその比率 を高めていること も確かであ り,大 きな流れ としてはグ リー ンコンシューマは増大傾 向にあると 言って よいであろう。(注 24)

3

環境への企業対応

企業 は,環境 に対 して多面的な影響 を与 える。そこで まず大 き く2つ に分 け て,すなわち,一つは地域環境 との問題 と,今一つは地球環境 との関係がある.

前者 に関 しては,企業活動が地域環境 に大 きく依存 しているこ とは当然であ る。まず,企業 にとって必要な資源が地域環境 によって供給 されてお り,この資 源 を当該地域以外か ら獲得す ることは困難なことが多い。例 えば,原材料や部品 や労働力や土地 は周辺地域か ら集め られ るのであ り,企業 は地域社会 に依存 し ているのである。

それゆえ,企業 は地域社会 との共生 を図 るために,社会的,文化的,経済的貢 献 を地域 に しなければな らない責務がある。 (注25)

他方,地域社会 にとっては,企業の誘致が雇用機会や税収の増大 をもた らす と いう直接的な面だけではな く,あらゆる地域社会 に影響 を及ぼす。

(17)

しか し,企業活動が地域環境 に好 ましくない影響 を もた らす側面があること も事実である。企業 には,自らの活動のために費やす費用の他 に,企業が本来負 担すべ きであるにも関わ らず負担 していない社会的費用

( s oc i alcos t )

がある。

(注26)この考 え方は,先程 みた環境基本法 によって,公平な負担が明記 されたこ とにより,企業側が負 うべ き領域 となった と考 えるべ きであろ う。

後者の地球環境 に関す る対応 は,すでにその先駆 け的報告 として

1 9 7 2

年 に,

成長の限界』 (ローマクラブ)としてで る。この報告書の核心 は,資源の枯渇, 食糧生産の限界,開発途上国の人 口増,環境汚染の

4

つを分析 し,この ままの経 済成長 を続 けてい くと近 い将来地球 は破滅す るという予測 をだ したのであ り, 経済のゼ ロ成長 という経済発展の限界 を示 した点にある。 (

2 7 )

最近,これまでの 自由主義的資本主義では,地球環境の保全はおろか,経済社 会 システム自体 も瓦解す るとの認識 より,様 々な見方が出て来ている。

た とえば,産業生態学

( I ndus t r i al Ec ol o gy)

がそれである。『産業生態学‑産 業のための環境 アジェンダ

』( Ⅰ ndu s t r i alEc ol o gy: AnEnvi r onme nt alAge nda f ori ndus t r y)

において‑‑デ インとティブスは,工業経済 と環境保護 をいかに

して調和 させ るか を包括的に展望 しエネルギー効率の向上や公害 を個 々別々に 論 じることを批判す る。そ して経済 システム全体 を環境 を破壊 しない製品に変

えることを提唱す る。 (注28)

また定常状態の経済学

( St ea dy‑ St a t eEco nomi c s )

を唱える‑‑マ ン

. E.

イリーは地球環境が維持で きる処理量,つ ま り経済 システムに入 る資源 とそこ か ら出てい く廃棄物の量 には限度があ り定常状態の経済 は主 として再生可能な 資源 に限 り生産 と消費をおこな うもの とす る。そうであれば現在の経済状態 は 成長狂

( gr o wt hmani a)

経済 であ り, これを上記の ようなホメオスタティック な経済 に変えよと主張す る。そ して具体策 として人 口の減少資源の割 り当て規 制および財産の最高限度額制 を,導入すべ きである。すなわち,明 らかに自由経 済 の変容 を唱導す るのである。 (

2 9 )

この ように経済構造の本質 を変える議論の他 に もいわゆる環境倫理的な制約 を求める動 きが公式な場で議論 され始めた。た とえば,平成 3年 4月に「環境 に

(18)

2 3 4

4 7

1

や さしい文化の創造 を目指 して」のなかで,環境倫理の実践のための

3

つの道 し るべが出された。

第一は,有限で精妙な環境の背後 にある自然の理 にかなった行動 を心がける ことであ り,第

2

は,環境 と人の杵 を強め ること,第三は,現在の世代や将来の 世代,多様 な生物たちと環境 を分かちあうことが議論 され,これは,環境基本法

3

つの概念に も取 り入れ られている。

この ような涜れにそう形で

1 9 9 0

年代 にはいると,企業団体か らも倫理的憲章 がだ されるようになった。

た とえば,

ICC

,1 9 9 1

4

月に行われた「環境管理に関す る第

2

回世界産 業会議」の中で,「持続的発展のための産業憲章

」 ( TheBus i ne s sCha r t e rf o r Sus t ai nabl eDe ve l opme ntPr i nc i pl ef o rEnvi r onme nt alMa nage me nt )

が採 択 された。 (注30)

これは企業の環境‑の対応 について広範 な行動規範 を簡潔 に記述 している。

それに呼応するように して,我が国の産業界か らも『経団連地球環境憲章』が で る。 (

注31 )

その前文で,環境問題の解決 に真剣 に取 り組むことは,企業が社会か らの信頼 と共感 を得,消費者 との対話によって共生 関係 を築 くこ とを意味 しているとの 認識の下 に,良 き企業市民 を目指す と言 う。そ して経営方針 として第一 に全地球 的な環境の保全 と地域生活環境の向上 を図 り,第二 に生態系お よび資源保護へ の配慮 をおこない,第三 に製品の環境保全性の確保 をはか り最後 に従業員お よ び市民の健康 と安全の確保 を会員企業 に要請する。

これはあ くまで一般的大綱的内容であるが,産業界 自らが 自主的に制定 した ことに意義があ り,環境基本法の趣 旨に沿 うもの となっている。ただそれをどう いう具体的行動で着実に実施 してい くのかが まさに問題である。

その行動 には様 々な ものがあ り,かつ実効性 レベル も様 々であるが,一応以下 の ような4つのアプ ローチが広 く容認 されつつある。

その

4

つの代表的な環境対応政策 とは,第‑が環境 ラベ リングであ り,第二 が,ライフサイクルアセスメ ン トであ り,第三が,環境管理 システムであ り,最

(19)

後がグ リーンポー トフォリオである。それをここでは簡単にみてみ よう。

環境 ラベ リング制度 (

3 2 )

のね らいは環境 に配慮 した製品である旨をラベル 表示す ることにより,差別化 し,消費者が類似の製品のなかか らより環境 にや さ

しい ものを選択す るように指導す ることにあるとされ る。

いわば,消費者の選択 という市場原理 によって環境 に対す る負荷の低減 を図 ることにある。

エコマークの対象 となる商品は,次の要件 に該 当す ることが必要である。第一 が,その商品の製造,使用,廃棄等が他の商品 よりも相対的に環境負荷が少ない ことであ り,第二が,その商品を利用す ることにより,他の原因か ら生ず る環境

‑の負荷 を低減す ることがで きるなどの環境保全 に効果が大 きいことである。

この考 え方は,旧西 ドイツの環境保護 ラベル (ブルーエ ンジェル) (

3 3 )

どを参考 に して考案 され, (財)日本環境協会が事業 を実施 している

。1 993

2

月の 「環境保全に関す る総理府世論調査」によると,エ コマークを,知 っている

という人の割合は

,5 3%

に達 してお り,現在はさらに認知は深 まっていると言 える。ちなみに,もっともよ く知っているクラスは,女性で しか も

20‑2 9

歳の層 である。 そ して,男女 とも年齢が上が るに従 って認知度が下がっている。

そ して,エコマークについて要望 を聞いた ところ,「エコマーク商品について 情報 をもっと広報 して もらいたい」が,

5 4. 7 %

に達 し,次が,「数 を増や して も らいたい

」 ( 38. 6 %)

,「もっ とこの商品を購入で きるように して もらいたい」

( 3 4. 2 %)

,そ して,制度の本質的批判 となる,「エコマークをつけるのは本当に や さしい商品だけに厳選 して もらいたい

」 ( 26. 4%)

となる。

これか ら分かるように,制度 自体の認知は進んでいるものの,制度の具体的中 身が よく理解 されていないのが現状である。そ して,エ コマーク制度 自体 は好意 的に理解 されているものの,商品選定に多 くの人が疑 問 を持 っているようであ

る。

それは,この制度が,一方では,広 くエコマークの普及 を目指す と同時に,他 方,そうすれば本 当にエ コマークにふさわ しい商品であるのかが疑 わ しくな る 点にある。とくに,先程 もみた ように,木目対的に環境 に優 しい という基準 自体が

(20)

236

4 7

1

暖味である。ただ,この趣 旨か らすれば,それはいか しかたのないことで もある が,世論調査結果か らも分 かるように,その商品が どの点で環境 にや さしいのか を消費者が分か るような広報活動 を定期的 に実施 して もらいたい。それによっ て, どの商品が本 当にエ コマークに値す る商品なのか を消費者 自身が評価 で き

るか らである。

次にライフサイクルアセスメ ン トについてみる。

ライフサイクルアセスメン トとは,製品やサービスの提供 に必要 な資源 とエ ネルギーの消費 とその結果 としての各種の環境負荷 を軽減 す ることや 製造プ ロセスにおける環境配慮 にとどまらず製品それ 自体 に環境配慮 を組 み込む こと を求め る考 え方である。

これは,現在先進各国で研究 されている手法であるが,平成6年にはエコマテ リアル研究会 により,我が国における

LCA

研究の現状 と課題 につ いての報告 書が出されている。また,(社)プ ラステ イク処理促進協会が

,1 9 9 1

年度 に「廃プ ラステ ィックの処理・再資源化 に関す る環境影響評価」を実施 し, ライフサイク ル全体のエネルギー及び負 荷‑の評価 を行 っている。

そこで,ライフサイクル と環境‑の負荷 を示 した図が以下である。

(21)

《ライ フサ イ クル》

I NPUT

エネルギ

枯渇性資源 再生可能資源 ‑ 再生資源

(資料)環境庁

8

ライフサイクル

【 OUTPUT】

水質汚濁物質

大気排出物

固形廃棄物

他の環境中への排出物 ‑ 再生物

LCA

の手法の過程 は,①課題の定義,目的,対象の範 囲 と単位等の基本要件 の設定

( GoalDe f i ni t i o n)

,② ライフサイクルの各プ ロセスでの物質,エネル ギ ーの入出力のデータ分析

( I nve nt or yAnal ys i s )

,③環境 問題 との関連か らデー タを分析,評価す る環境影響評価

( Envi r onme nt al I mpac tAs s e s s me nt )

,④環 境負荷 を改善す るための環境改善評価

( Envi r onme nt alI mpr o ve me ntAs s e s s ‑ me nt )

4

つのステ ップで構成 され る(

3 4 )

とす る。

これの本格的導入 によって,製品の環境品質が格段 に向上す るとともに,製品 と環境 を巡 る意識が一変す る可能性 がある。なぜ な ら上 図の ように,エネルギー 資源の採取か ら廃棄 までを企業の環境責任 に拡大す ることになるか らである。

次 に,環境監査 についてみ る。環境監査 は もともとは社 内の 自主的な環境への 管理取 り組みであった。それが,前出 した

ICC

「ICC

の環境監査 ポジシ ョ

(22)

2 38

4 7

1

ンペーパ ー」によって,確 かな概念 として表 明 されたのである。この基本的考 え 方は,英 国規格 の 「環境管理 システム

( BS 7 7 5 0 )

E

Uの 「環境管理 ・監査 スキーム

( EMAS: Ec o ‑ Ma na g e me n ta n dAu d i tSc h e me )

などの規格の基本 を ない していると言われている。 (

35)

これ は,基本的 には経営管理論でい う計 画

( Pl a n )

し,実行

( Do )

し,監査

( Ch e c k)

し,そ して改善

( Ac t i o n )

す るというサ イクル と同 じ構造 を持 っている。

その中に,環境 に関す る多 くの対応項 目と評価 を行 う点が従来の もの とは異 な ってい るのである。

では,日本では,環境監査 について如何 な る取 り組みがな されているであろ う か。

産業界の環境 に関す る経営方針の有無 は,以下の図の ような結果であった。

平成

5

年度

平成

4

年度

平成

3

年度

0% 1 0% 2 0% 3 0% 4 0%

・50%

6 0% 7 0% 8 0% 9 0% 1 0 0%

* 制定 してい る ヨ 今年駐中に利之予定 JI 制定 していfLt JL その他 ⊂】不明

(資料 )環境 庁

9

環境 に関す る経営方針の有無

これ をみると,環境 に関す る経営方針 を定めた企業が平成

3

年度では

,32. 6%

であった ものが,平成

5

年度では

,4 7. 8 %

にまで上昇 している。しか も

,5

年度 中に制定す ると答 えた企業 をいれ ると,

5 0 %

を超 えている。 (

36 )

しか し問題 は経営方針の内容及びそれ をどこまで現実の経営 に生 か してい くかにある。

(23)

次に, 内部監査 の状況 を示 している図が以下である。

平成

5

年度

平成

4

年度

平成

3

年度

0% 1 0% 2 0% 3 0 % 4 0%

50%

6 0% 7 0% 8 0 % 9 0% 1 00 %

Jr 実施 している 田 今年碇叫こ実施子宝

4 実施 していない { その他 ⊂】不明

(資料)環境 庁

10 内部監査の実施状況

平成

5

年度ですでに実施 している企業 は

2 7. 8 %

である。しか も,その実施の割 合が近時 あま り大 き く変わっていか ‑こ ともさるこ となが ら,内部監査 の内容 が どこまで及んでいるか とい う点である。そ して,内部監査 につで,外部監査 を

どこまで実施 していこうとしているのかが不 明である。

また,役員等 にたい して定期的な報告 をしているかについての質問では,年 に

1

回が

,3 4. 2 %

であ り,随時報告 を しているが

,31 %

である。これか らみると, 環境 に対す る経営 レベルでの対応 は十分ではない と言 えよう。 (

3 7 )

環境 問題への取 り組 みの レポー ト(環境報告書)については,作成 し公表 して いるとす るものが

,6. 3 %

,レポー トは作成 しているが公表 は していないが

2 1. 7

%である。まず,作成す らしていないが 7割 をこえているこ とが問題 であるが, 作成 していると答 えていて も公表 していないの も問題 である。なぜ な ら,レポー

トは本来的に外部 に公表す ることに意義が あ り,内部資料 として機 能す るな ら ば,む しろ公表で きない内容 と第三者か らみ られて もしかたがない。 (

3 8 )

次 に,環境問題‑の取 り組みの資本金別 をみ ると

,1 0

億 円未満が

,3 8. 5 %

が環

(24)

240

4 7

1号

境 に対 して積極派 なのに対 して

,1 0 0 0

億 円以上の企業 は

8 3. 8 %

と大 きい。や は り,大企業の方が経営 に も余裕があ り,対応が進んでいるといえよう。 (

3 9 )

より具体的にみ ると,環境担 当組織 の有無 をみると

,

1兆円以上では

,8 2 %

すでに設置 しているが

,5 0 0

億 円以下の企業では

,5 0 %

を少 し越 えた程度にとど

まっている。 (

注4 0)

中小企業 は,小売業の年間販売額の

7 8. 5 %

を占め,製造業の出荷額の

5 1. 8 %

かかわってお り,彼 らが経済規模的には,日本の経済の過半 を握 っているのであ る。それゆえ,中小企業の環境対策 も本格的に推進で きるような施策が とくに求 め られている。 (注41)

最後 に,次図の とお り,消費者 と企業の評価 は大 きく分かれている。

横島的 に取 り組 ん でい る ・‑‑‑・‑・.. まあ横島 的 に取り岨んでい る ・‑ .

あ まりtk竜的 に取 り組 ん でいない ‑‑‑‑・‑‑

取 り組 tp意欲 はあ るか.や り方が わか ら/Jい ・

り岨 んでいない ‑・‑・‑・‑・‑・‑・・‑ ・・・・

( 資料) 佳日社会経済生産性 本部

0

2 0 4 0

6

0 8 0

100%

0

2 0 4 0 0 0 8

%

6 ̲00

匡=l 地球規模の環境問題への企業の取組の自己評価、企業の取り組みに対する生活者の評価

企業の 自己評価では,積極的に取 り組んでいる及び,まあ積極的に取 り組んで いるを合わせ ると,過半 を越 えているが生活者か らみた企業の取 り組みについ ては消極的な意見が過半 を越 えているのである。 これか らみ ると生活者 は企業 の行動 について否定的にみていることが分かる。

企業の環境‑の取 り組みを高めて行 くことは当然 として も,その前提 として まず企業は各企業毎 に自社の環境負荷 を明確 に し,それをレポー トにまとめ,消 費者が容易 にアクセス し,企業 を評価で きるようにすべ きであろう。

参照

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