奈良教育大学学術リポジトリNEAR
有意味語と無意味語の記憶におよぼす呈示感覚型の 効果
著者 玉瀬 耕治
雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要
巻 7
ページ 109‑116
発行年 1971‑03‑31
URL http://hdl.handle.net/10105/6220
有意味語と無意味語の記憶におよぼす 呈示感覚型の効果
玉 瀬 耕 治
(心理学教室)
本研究には,言語材料の記憶に拾よほす呈示感覚型の効果をしらべた2つの実験が含まれている。
1っば視覚的呈示と聴覚的呈示の相対的を効果を検討した予備的を実験であり,もう1つは,さらに 組織的に、視覚的。聴覚的,拾よび視聴覚的呈示の効果を検討したものである。
実 験 I
学習材料を視覚的に呈示するのと,一聴覚的に呈示するのとでは.どちらが効果的かという問題は古 くから研究されている。しかし,実験に用いられ走学習材料や被験者などのちがいによって,結果は 必ずしも一致していをい。辰野(1962)によれば,たとえば,Ko ohは大学生を被験者とし,無 意味緩の系列学習の速さをさまざまを呈示方法で比較した。その結果,聴覚群の成績は,視覚群や視 聴覚群よりも悪かった。一方,Kingsユθyが数系列の記憶について,視覚的呈示,聴覚的呈示そ の他を比較したところ,聴覚的呈示のほうが視覚的呈示よりもやや成績がよかった。このようを結果 のくいちがいぱ,被験者の年令によっても生じている。倉石(1959)によれば,SInθa■θyは数 系列を使用して,8才重では聴覚的記憶がすぐれ,それ以」=の年令では視覚的記憶がナぐれることを 示している。また,三島と横尾(1957)も言語材料を用いて両者の発達的変化を追求している。
彼らによれば,有意味材科てば小学校低学年からすでに視覚的記憶がすぐれている。しかし,無意味 材料では小学校6年生までは聴覚的記憶がすぐれ,中学生になると視覚的記憶が優位となっている。
倉石(1959)は,従来の研究を検討して,このよう在聴覚優位から視覚優位への転換の時期が,や さしい文章では6〜7才,数字では8〜9才,無意味音節では12〜13オであることを推測してい瓦 また,このことの説明原理として,記憶材料の受容の容易さ,すをわち,材料を読みとる能力の発達
ということを考えている。
本実験は,小学校6年生の年令水準で,視覚的呈示と聴覚的呈示の効果が言語材料の有意味度のち がいによってことをるかどうかを検討する定めに計画された・
方 法
被験者は奈良市立伏見小学校6年生の児童80名であっね これらの被験者は学級ごとに視覚群と 聴覚群にわけられねそれぞれの群には40名ずつが含まれている。刺激語は梅本ら(1955)によ って作製された清音2字の無意味綴の表の中から選ばれた。ここで選ばれた10個のことぱのうち,
5個ば無連想個がO〜4%の有意味語であり,残りの5個は無連想価が50〜54%の無意味語であっ た。これらは無連想価がちがうものを交互に組みあわせて次の順序で呈示されねリベ エラ メヌ サカ ル目 ダニ ネセ ナワ ヒホ ヤリ 視覚群には27.5x1313ωの白い厚紙のカードが用意 されねこのカードには,8.5X1O伽の枠一杯に1字ずつ片仮名で刺激語が書かれている。
実験は教室で集団的に行なわれ烏回答用紙を配った後で,実験者は次のような教示を与えた。
これから2文字からなる意味のないことばを何度も見せ(言い)ます。ことばは全部で1O個あ りますからできるだけたくさん憶えてください。1O個のことばを繰り返して10回みせ(言い)
ます。全部見せ(言い)終った後で,今配った用紙にどんを順番でもかまいませんから思い出せる ものを全部書いてください。
視覚群にはカードで.聴覚群には口頭で上記の刺激語を1O回,同じ順序で呈示しねカードの呈 示時間ぱ2秒,カード間の時間間隔ぱ3秒とし,その関白紙を呈示しね口頭の場合には1秒に1文 字の速さでアクセントをつけずに発音し,綴字尚の尚隔ぱ3秒としね試行間の休止は両群とも15 秒であった。I O試行終了後、先に配布した回答用紙にどんな順番でもいいから思い出せることぱを
できるだけたくさん書くように教示した。回答の時間はI分30秒とした。
結 果 と 考 察
図1は視覚群と聴覚群による有意味語と無意味語の想起の平均正答数を示したものであり,表1は これらの値にもとずく分散分析の結果を示したものである。これらの結果から,視覚的記憶の方が聴 覚的記憶よりも有意にすぐれていることがわかる。また,有意味材料の記憶の方が無意味材料の記憶 よりも有意にやさしいといえる。分散分析てば交互作用は有意にならなかったが,さらに有意味材料 の場合と無意味材料の場合それぞれについて,視覚群と聴覚群の差を求めてみると,前者ではO.53,
後者でぱO.97であっね これらぱともに有意であるが(前者のt:2−04,P<.05,後者の t=3.13,P<、O1,dfはともに78),無意味材料に奉ける差の方がかなり大きい。この結果は、
表1 分散分析表
正
答3
数
有意味語 無意味語
図1 視覚群と聴覚群による有 意味語と無意味語の想起 の平均正答数
変動因 SS df MS ]≡、
1.感覚型 22.50 1 22.50 1I刀3**
誤差(匂 I59.48 78 2.04
2.材料 28.90 1 28.90 23.50**
1X2 2−03 1 2り3 1.65
誤差(向 96.08 78 1.23
** コPく:.O05
記憶材料の有意味度のちがいによって,呈示される感覚器官の有効さがかをりことをることを示唆し ている。しかし,三島と横尾(1957)の実験に拾ける6年生での結果とは逆の傾向にある。彼らの 結果では,無意味材料では呈示感覚による差があまりをく,有意味材料では視覚的記憶の方がはるか にすぐれてい走。この両者のくいちがいが材料のちがいによるのか、手続き上のちがいによるのかは 明らかでないが,より低い年令水準の被験者についても同様の実験を行ない,さらに検討を加える必 要があろう。
実 験 皿
実険Iに歩いて,6年生の年令水準てば,有意味材料てば呈示する感覚器官によって成績にあまり 差がないのに,無意味材料てば視覚的呈示の方が聴覚的呈示よりも有効であることが示唆され島本 実験の第1の目的は。こと庄る年令水準において視覚的呈示と聴覚的呈示の効果が言語材料の有意味 度によってどのように変化するかをしらぺることである・
ところで,従来の多くの研究は瑚廠材料が1つの感覚器官にのみ与えられるよりも、2つの感覚器 官に同時に与えられる方が成績がよいことを報告している(Lo ckara&Sidowski,1961・
参照)。最近の研究では,たとえばWong and B1θving8(1966)が小学校5年生30名を 被験考にして次のような実験を行在っている。3文字綴のリストを刺激材料として用い,I O人の被 験者には刺激語をカードによって呈示した(R群)。別の1c人の被験者にはカードを呈示して,同 時に実験者がそれを読んで聞かせた(H群)。残りのl O人の被験考にはカードを呈示して,被験者
自身にそれを読ませた(V群)。その結果,視覚的呈示のみによるR群の成繊ミ他の2郡より有意に 悪く,後者の2群間には有意差がをかっね
Lo c ka rd ana Sido wski(1961)の研究も視聴覚的呈示の効果を扱った興味深いもので ある。ただ,彼らの研究てば視聴覚的呈示が特に有効であることは示されていなへこの研究を少し くわしく検討してみたい。彼らば小学校4年生と6年生の児童それぞれ18名ずつを被験者とし,連 想価の高い無意味綴のリストを用いて実験した。研究の脚もな目的は,無意味綴の記憶のさいに視覚 的,聴覚的,拾よび視聴覚的呈示のいずれがもっとも有効か,また,書いて憶えるのと書かずに憶え るのとどちらが有利かをしらべることであった。14試行後の誤数について分析したところ,次のよ
うな結果が得られた。すをわち,全体としてみると視覚的および視聴覚的呈示が聴覚的展呈よりも有 意にすぐれている。また,試行ごとに書いて憶えさせえ場合には両学年ともに上のことがあてはまる。
一方,書かずに憶えさせた場合には,4単生では視覚的呈示がもっともすぐれ,6年生では3つの呈 示方法の間にまったく差がみられをい。
視覚的呈示拾よび視聴覚的呈示がともに聴覚的呈示よりもすぐれていたという結果について,Lo−
ckaraらは次のように説明している。視覚的呈示を含む場合は3文字綾を同時的に示されるけれど も,聴覚的呈示の場合は1文字ずつ発音されるので,これを頭の中で組み立ててから記憶しなけれぱ をらない。したがって,視覚的呈示が有利である。このことが日本語の場合にあてはまるかどうかは 興味のある問題である。この実験の場合,足とえばr E Mという3文字綴をら聴覚群ではエル イー
エムと発音されたものを、ふつうL瓦M(レム)というふうに組み立てて憶えるであろう。視聰覚群 の場合は,カード上にはL皿M(レム)と示されているものをエル イー エムと聞くことによって,
かえって記銘が妨害されるかもしれをへ一方,日本語で,たとえばレムという2文字綬は聴覚群に もレムと発音されるし,視聴覚群の場合にも混乱は生じをへこのことを考慮ナれば,rO Ckar d らの研究では視聴覚的呈示の有効さが示されなかったけれども,日本語では視覚群よりもさらによい 成績が期待されよう。本実験の第2の目的は,視聴覚的呈示が視覚的拾よび聴覚的呈示よりもより有 効であるかどうかを検討することである。
方 法
被験者は桜井市立桜井小学校3年生と6年生各3クラス.拾よび,東大阪市立縄手南小学校3年生 と6年生各3クラスの児童434名であった。 これらの被験者は学級ごとに,視覚群,聴覚群,また は視聴覚群にわりあてられた。刺激語は実験Iと同様に梅本ら(1955)によって作製された清音
2字の無意味綴の表の中から選ばれた。そのうち8個は無連想価がO〜4%の有意味語であり,他の 8個は無連想価が50〜54%の無意味語であっ旭有意味語は次の順序で呈示された。セミ ェラ ナワ ダニ ムシ サカ ヤリ フネ 無意味語は次の順序で呈示されねツニ フム ネセ メヌ
ヒホ ユウ ルロ リベ
実験は学校別に学級単位で集団的に行凌われ息回答用紙を配った後で,視覚群には次のような教 示が与えられた。
はじめに・やり方をいいます。これから2つのカタカナが書いてあるカードを見せます。このご とぱをできるだけたくさん憶えてください。全部見せ拾わったら,今くぱった紙に憶えていること ばを書いてくださへ書く順番はどんを順番でもかまいません。私が「やめ」と言ったら,まだ全 部書けていなくても紙を裏返してくださへ裏返した紙は絶対に見てはいけません。その次に,も う一度同じカードを何回も見せますから,紙に書かをいで頭の中でよく覚えて拾いてください。蜘 しまいに,私が「書き在さい」と言ったら,さっきの紙の裏の方にできるだけたくさん憶えている ことばを書いてください。やり始めたら,絶対にとをりの人のをのぞいたり,話をしたりしてはい けません。やり方でわからないところはありません挑
教示が徹底していないと思われるときには要点をくり返した。聴覚群と視聴覚群に対しでは,上の 教示を呈示方法にあわせて適当なことぱに置き換えた。すべての被験者は,有意味材チー・と無意味材料 の両方を記憶した。ただし,桜井小学校の児童は有意味語のリストを先に呈示され,縄手南小学校の 児童は無意味語のリヌトを先に呈示された。視覚群はカードで,聴覚群は口頭で,視聴覚群はカード と口頭で刺激語を呈示されね刺激語の呈示時間は2秒,呈示間隔は3秒であったコすべての被験者 は1試行目と10試行目が終った後で,自由再生のために2分を与えられた。2試行目から1O試行
目までの試行間隔は30秒であった。
結 果 と 考 察
表2ぱ先に呈示された材料についての各群の正答数の平均とSDを示したものである。す浸わち,
有意味材料については桜井小学校,無意味材料については縄手南小学校の被験者による成績である。
o、視覚的呈示と聴覚的呈示の効果
まず,実験Iの結果と比較する定め,視覚群と聴覚群の1O試行目の成績について検討した(図2)。
学年ごとに分散分析を行なった結果,6年生てば材料と感覚型の主効果はいずれも有意であったが
(それぞれ,F=59.81,F二9.14、いずれもaf=1/133で1P<・O05),それらの交互作用は
表2 各群に呑ける正答数の平均とS D
3 年 6 年
有意味 無意味 有意味 無意味
群 試行 1 1O 1 1O 1 lO 1 1O
平均 4.43 6.80 1.84 4,88 4.50 7.67 1.88 6.06 祝 SD 2.O1 1,21 1.05 1161 1,04 O,48 1.19 1.76
人数 40 37 36 34
平均 3.36 7.3] O.45 2.68 2.83 7.28 ⑪.90 4−90 聴 SコD 1169 1,07 O.63 1.68 1.54 1.55 O,65 工.81
人数 36 38 36 31
平均 1.77 6.08 1.47 4.32 4.37 7.5工 1.85 5.09 視聴 SD 1.85 I,50 O.85 エ.63 0.96 0.?0 1.42 2,47
人数 39 38 35 34
8 7
正 6
5 答 4 3 数 2 1
3年 6年
纐 挽 二一
。
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ニテ・.■・
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一㌧
一.二
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・ ヨこ 一一
有意味語 無意味語 有意味語 無意味語
図2 3年生と6年生に拾ける視覚辞と聴覚群による有意味語と無意味語の想起の平均正磐数
変 動 因 SS d−f MS F 1.感覚型 163.01 2 81.51 15.95**
2.学 年 133.99 1 133.99 26,22**
3.材 料 1142.12 1 1142.12 223.51**
1X2 27.83 2 13.92 2.72
1×3 54.36 2 27.18 5.32**
2×3 O.60 1 0.60 <1
1X2×3 84.05 2 42.03 8.23**
誤差(わ) 2154.60 422 5.11
4、試 行 2513.59 1 2513.59 594.23**
lX4 7.95 2 3.98 <1
2×4 1?.65 1 17.65 4,17*
3×4 5.I5 1 5.15 1.22 1X2×4 25,22 2 12.62 2,98 1X3×4 37.O? 2 18.54 4.38*
2×3×4 15.07 1 15,O? 3.56
1X2×3×4 3.66 2 1.83 <I 誤差(向 1785.46 422 4,23
有意にぱならなかっ走(F=2.I3,af=1/133),ただ,標本値の上てば無意味材料に拾ける視 覚群と聴覚群の差(1.16)の方が,有意味材料に拾けるそれ(O.39)よりも大きい傾向はみられる。
これらのことは実験Iの結果とよく一致している。一方,3年生については材料と感覚型の主効果,
釦よぴそれらの交互作用がすべて有意になった(材料のF=I96.23,感覚型のF=13.04,交互作 用のF二33.68,いずれもaf=I/147でP<.O05)。有意な交互作用を吟味するため,さらに単 純効果の検定を行なった。その結果,有意味材料てば視覚群と聴覚群の闇に差がなく(t=1.48,
af=147),無意味材料では両群の間に有意差がみられた(t=6.64,df=147,P<.O O l)。
すをわち,3年生てば無意味材料の場合の視覚優位がいっそう顕著にあらわれているといえる。有意 味材料てば,やや聴覚群の方が成績がよい傾向さえみられる。
これらの結果は,三島と横尾(195?)の報告とは矛盾するものである。彼らの実験で,3年生に ついては無意味材料てば聴覚,有意味材料てば視覚が優位であった⊃我々と三島らの結果のちがいに ついてぱ,2つの実験で用いられた刺激語の長さのちがいと関係があるかもしれをい。我々の用いた 刺激語はすべて2音節であったけれども、三島らは無意味材料てば3〜9音節,有意味材料てば13
〜15語の文章を使用している。刺激語の長さを変数にした実験を計画することによって,これらの 点はさらに検討され在けれぱならをい。
121視聴覚的呈示を含む分析
表3は表2に示された平均値について,重みづけをしない平均法による分散分析(岩原,1965 1P.285)を行なった結果をまとめたものである。まず,呈示感覚の主効果が有意であったので,他 の要因をこみにした平均値を求めると,視覚群,聴覚群,拾よび視聴覚群の順にそれぞれ4,78,
3.?2,4,04であった。単純効果の検定によって,視覚群は他の2郡よりもI%水準で有意に成績が よく,聴覚群と視聴覚群の問には
表3 分散分析表
有意差がないことがわかった。こ
*Pく.05,**戸く.O1
ごて予想に反して,視聴覚群の成 績が悪いことが注目される。また,
学年と材料の主効果がそれぞれ有 意であったので,6年生よりも3 年生の方が成績がよく,有意味材 料は無意味材料よりもやさしいと いえる。
呈示感覚と材料の有意な交互作 用を検討するため,学年と試行の 要因をこみにし走平均値が計算さ れた。これらの値は有意味材料で は視覚群,聴覚群,視聴覚群の順 にそれぞれ5.84,520,4.88 であり,無意味材料では同じ順に
3.66,2.17,3.17であった。ここで,有意味材料てば視聴覚群の成績が悪く,無意味材料てば聴 覚群の成績が悪い傾向が示唆されている。図3ぱ呈示感覚×学年×材料の有意な交互作用を説明する ために試行をこみにした平均値を図示したものである。この図で3年生と6年生をくらべてみると,
正
答
数 7 6 5 4
3−
2−
1一
3年 6年
視 聴 /
視 二1}
・「. 聴 .
..」r .一. /
r
三. ノ
チ・一・J
.■
一
一一D 三1主 1(こ 一。
! ・! チ、 ろ脅
ノ ノ、 . /
有意味語 無意味語 有意味語 無意味語 図3 呈示感覚x学年X材料の交互作用
有意味材料では6年生で視聴覚群の成績がかをりよくをっており,一方,無意味材料では6年生で聴 覚群の成績がよくをっているといえよう。
以上の結果から,結論的に,視聴覚的呈示がもっとも効果的であるという我々の予想は支持されを かったといえる。我々はLockard ana Siaow日ki(1961)の実験で,日本語の呈示方法
とのちがいに注目したが,このことの影響はあまりをいかもしれをい。
(31試行による変化と先行学習経験の効果
表3の試行に関する分析からは次のことが示唆され烏まず,試行の主効果が有意であう走ので,
当然のことながら,10試行目の成績が1試行目のそれよりもすぐれているといえ島試行と学年の 交互作用は,6年生の方が試行による成績の上昇が著しいことを示唆している。他の要因をこみにす ると,3年生ではI試行目の平均が2.23,10試行目が5.35であり,6年生では1試行目が2.78,
10試行目が6.4?であった。有意在呈示感覚×材料X試行の交互作用は次のことを示唆している。
表4 10試行目の平均正答数に関する先呈示と後呈示の比α
3 年 6 年
有意味 無意味 有意味 無意味
群 先 後 先 後 先 後 先 後
視覚
ョ覚
拠ョ覚
6,806,49 V,316,97 U,086.45
4,885,55 Q,683,92 S,324.38
7,677,68 V,287,68 V,517.76
6,066,28 S,904,28 T,096.34
すなわち,視覚群,聴覚群,拾よび1視聴覚群の成績のちがいが,有意床材料てば試行とともに減少し,
逆に,無意味材料てば試行とともに増加する傾向がある。
最後に,有意味材料の記憶の前に無意味材料の記憶を行なった場合と行をわなかった場合・および,
無意味材料の記憶の前に有意味材科の記億を行在った場合と行をわ左かった場合の成績が比較され危 表4は10試行目の成績についてこの結果を示したものである。ここで後呈示とは・有意味材料の場 合は無意味材料を先に学習して春ク,無意味材料の場合は有意味材料を先に学習していることを意味 する。これらの成績を全体としてみると・有意味材料では先呈示の平均が7,09,後呈示の平均が
7.I4であり,その差は有意ではをかった。一方,無意味材料では先呈示の平均が4.61,後呈示の 平均が5.12であり,その差ば5%水準で有意であった(t二2.44,af=432)。 このことば,
無意味材料の前に有意味材料を学習する方がその逆の場合よりも後の学習に対する促進的効果が大き いことを示唆している。
本 研 究 の 要 約
言語材料の記憶に釦よぼす呈示感覚型の効果をしらぺた2つの実験が行なわれ走。実験Iでは小学 校6年生について,連想価のこと凌る言語材料を用いた場合の視覚的呈示と聴覚的呈示の相対的効果 がしらべられ走。その結果,視覚的呈示の方が聴覚的呈示よりも有効であり,特に無意味材料でその 傾向が著しいことが示唆された。実験皿では,小学校3年生と6年生の2つの年令水準で,視聴覚的 呈示を加えて実験Iと類似の計画が〈り返され鳥その結果,視覚と聴覚の比較てば実験Iとほぼ同
じ結果が得られ,3年生てば無意味材料に拾ける視覚優位がいっそう顕著にあらわれた。視聴覚的呈 示に関しでは,予想に反して,他の2つの呈示方法よりすぐれた成績は得られをかった。
く付記〉 本研究をすすめるにあたり,適切なご助言をいただいた本学 杉村 健先生、被験者を ご提供くださった伏見小学校,桜井小学校,縄手南小学校の諸先生方,そして,資料の蒐集と整理に ご協力くださった内海登喜子、大原順子,山口信子の皆さんに厚く感謝します。
引 用 文 献
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