平成
30
年2
月8
日 学 位 論 文 の 審 査 要 旨学位論文申請者氏名:丸山 亮太
論 文 題 目:階層化された不安定性を有する信号情報処理デバイス構築に向けた基本素子の 作製(Fabrication of element for fabrication of bio-inspired signal processing devices with hierarchical instabilities)
論文の概要及び判定理由
本博士論文では,ヒトの中枢神経系が行う高度な認知や情報処理を模倣した生体型セン サおよび信号情報処理デバイスの創製のための基礎を構築することを目指し研究を行った。
具体的には、アナログ電子回路と数値シミュレーションを用いて機能デモンストレーショ ンを行い、実際に非相溶結晶性高分子混合系を用いたキャパシタ素子の設計・作製を行っ た。さらに、その素子が持つノイズ特性を評価した。まず、生体の柔軟性の起源として重 要と考えられる遅延フィードバックとノイズ発生機能を、アナログ電子回路や数値シミュ レーションを用いて、リング状に接続した遅延微分回路と外部ノイズ印加により実現した。
次に、生体型情報処理で見られるような消費電力の省エネルギー化を図るために、外部か らノイズを印加するのではなく、自身がノイズを発生するような確率的遅延微分素子の設 計を行った。より具体的には、結晶性高分子を含む非相溶結晶性高分子混合系の利用、結 晶性高分子と非相溶である低融点高分子の利用、さらにこれらの高分子混合系のナノ薄膜 の利用により、高価なナノファブリケーションを用いることなく、キャパシタ素子の電気 特性の微視的な時空間ゆらぎを制御する方法を構築した。キャパシタ素子のノイズ特性を 調べたところ、素子作製プロセスに依存した時空間ゆらぎを発現することができた。また そのゆらぎの大きさは、ナノ薄膜の非晶部分に含まれる低融点高分子リッチドメインのサ イズに依存することが明らかとなった。以上のことから、本研究内容を,博士(理工学)
の学位に値するものと判定した。
審査年月日 平成
30
年2
月8
日 審 査 委 員主査 群馬大学学術研究院 教授 土橋 敏明 印 副査 群馬大学学術研究院 教授 白石 壮志 印 副査 群馬大学学術研究院 教授 武田 茂樹 印 副査 群馬大学学術研究院 准教授 佐藤 記一 印 副査 群馬大学学術研究院 准教授 浅川 直紀 印