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田口大藏 学位論文審査要旨

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Academic year: 2021

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平成20年 9月

田口大藏 学位論文審査要旨

主 査 大 野 耕 策 副主査 山 田 一 夫 同 北 野 博 也

主論文

Expression and immunolocalization of aquaporin-6 (Aqp6) in the rat inner ear

(ラット内耳におけるアクアポリン6(Aqp6)の発現と免疫組織化学的局在)

(著者:田口大藏、竹田泰三、柿木章伸、岡田暉彦、西岡利恵、北野博也)

平成20年 Acta Oto-Laryngologica 掲載予定

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学 位 論 文 要 旨

Expression and immunolocalization of aquaporin-6 (Aqp6) in the rat inner ear (ラット内耳におけるアクアポリン6(Aqp6)の発現と免疫組織化学的局在)

メニエール病の本態は内リンパ水腫であるとされている。内リンパ水腫の原因については諸説あ るが、内耳の水代謝異常が注目されている。内耳の水代謝には、腎同様、水チャネルであるアクア ポリン(Aqp)ファミリーが関与している可能性が高い。そのファミリーのうち、内耳の水代謝と密接 な関係があると考えられているアクアポリン6 (Aqp6)は、mRNA レベルでの発現が報告されているが、

タンパク質レベルでの局在はいまだ不明であり、その役割は明らかではない。

そこで今回、ラット内耳におけるAqp6のmRNAの発現を確認するとともに、そのタンパク質の局在 について検討した。

方 法 1. RT-PCR

Wistar系ラットを用いた。ペントバルビタール深麻酔後にリン酸緩衝液(PBS)で経心灌流し、直ち に内耳および腎臓を摘出してtotal RNAを抽出した。total RNAを逆転写してcDNAを作製、内耳およ び腎組織のcDNAについて、Aqp6に対する特異的なプライマーを用いてpolymerase chain reaction (PCR)を施行した。PCR産物の検出は、アガロースゲル電気泳動とエチジウムブロマイド染色で行っ た。また、それぞれのPCR産物は、サイクルシークエンス法にて塩基配列の確認をした。

2. 免疫染色

RT-PCRと同様に経心灌流し、続いて4%パラフォルムアルデヒド(PFA)+PBSで灌流した。その後、

直ちに内耳を摘出し、4%PFA+PBSで4℃、一晩固定した。0.12 M EDTAで脱灰後にTissure Tekに包 埋し、クライオスタットで薄切(7 μm)した。10%正常ヤギ血清で保温後、一次抗体で4℃、一晩放 置し、続いて二次抗体(Alexa 546 anti-rabbit IgG)で6時間保温した。50%グリセロールでマウン トし、共焦点レーザー顕微鏡(ZeissLSM410)にて鏡検した。

3. 免疫電顕

RT-PCRと同様に経心灌流し、続いて4%パラフォルムアルデヒド(PFA)+PBSで灌流した。その後、

直ちに内耳を摘出し、4%PFA+PBSで4℃、一晩固定した。0.12 M EDTAで脱灰後にLR White embedding resinに包埋し、超薄切(70 nm)を行った。一次抗体で8時間反応させ、続いて二次抗体で6時間保温 した。さらに酢酸ウランとクエン酸鉛で染色し、電子顕微鏡(Hitachi 7100)にて観察した。

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3 結 果

1. RT-PCR

ラットの内耳と腎臓において、それぞれAqp6 mRNAの発現を認めた。また、ネガティブコントロー ルとして逆転写反応を行わなかったサンプルではバンドを認めなかった。

2. 免疫染色

蝸牛においては、血管条にAqp6タンパク質が分布していた。内リンパ嚢においては、内腔上皮に 分布していた。前庭においては、平衡斑感覚上皮に分布していた。

3. 免疫電顕

蝸牛、内リンパ嚢および前庭において、細胞内小胞にAqp6タンパク質の局在を認めた。

考 察

Aqp6は、腎臓では集合管の介在細胞に、内耳では蝸牛および内リンパ嚢に分布することが報告さ れている。一般に、Aqpファミリータンパク質は細胞膜表面に局在しているが、腎臓ではAqp6は細胞 内小胞に局在しており、水代謝だけでなく陰イオン代謝にも関与していると考えられている。本研 究において、ラット内耳の蝸牛、内リンパ嚢、前庭においてAqp6 mRNAの発現を確認した。また、Aqp6 タンパク質のレベルでは細胞膜ではなく、細胞内小胞に局在することを明らかにした。Aqp6は内耳 や腎臓といった、水代謝に関与する臓器に多く分布するため、内耳でも内リンパ液の代謝を含めた 内耳水代謝機構に関与していると考える。

結 論

RT-PCRによりラット内耳におけるAqp6のmRNAの発現を確認するとともに、免疫組織化学的手法に より、そのタンパク質が細胞内小胞に局在することを明らかにした。

参照

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