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兵庫教育大学 教職大学院  教育実践高度化専攻

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(1)

小学校総合的な学習の時間中の個別探究過程時における        教師の指導言・評価言研究

兵庫教育大学 教職大学院  教育実践高度化専攻

授業実践リーダーコース

    P10034F

(2)

目   次

第I章  第1節

第2節 第3節 第4節

問題の所在・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 1  平成22年度の実践授業

「短歌と俳句を味わおう〜短歌・俳句 達人への道〜」からの課題 ・… 2  これまでの総合的な学習の時間中における調べ学習からの課題・・・・… 4  先行研究の整理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5  研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 6

第皿章 研究の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 7

 第1節 研究の対象・・・・・・・・・・…  H・]・・一H H H−8

 第2節 研究の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 9   1.実践授業(1)・…   . . .. .. . .9   2.実践授業(2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  10   3.実践授業(3)・・・・・・・・・・・・・・…   .. . .. 12

第I皿章 分析結果と考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  13  第1節 実践授業(1)「錦西発見の旅 パート1」・・・・・・・・・・・・・…  14   1.カテゴリーの再考 ・・・・・・・・・・・・…   ・…   14      大西(1988)の指導言・・・・・・・・…   . 14    (1) 山下(1996)の評価言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  15    (2) 新たなカテゴリーの設定… .・・・・・・・・・・・・・・・・… 16   2.「錦西発見の旅 パート1」の実際・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 17    (1) 単元目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  17    (2) 単元で育成したい力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  18    (3) 単元計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  1g    (4) 本研究の対象となる学習活動について・・・・・… .・・・・・… 22   3.若手教師とベテラン教師の発話比較・・・・・・・・・・・・・・・・・… 26    (1) カテゴリーの比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 26    (2) 若手教師とベテラン教師の評価言の比較・・・・・・・・・・・・… 27    (3) 特定の場面における発話比較・・・・・・・・・… .・・・・・… 28      ・子どもが5W1Hの「なぜ』の部分を聞いてきている場面の発話比較… 28      ・本や資料に記載されている作り方の部分を

       子どもに読み取らせている場面の発話比較・・・・… 31      ・子どもの成果物から読み取られる指導方法の違い・・・・・・・・… 33

(3)

  (4) まとめと今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  36 第2節 実践授業(2)r食べ物ってた〜いし」・・・・・・・・・・・…  1…  37  1、カテゴリーの再考・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  37  2.ベラック(1974)の授業コミュニケーションの分析について・・・・・… 38  3. 「食べ物ってた〜いし」の実際・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 40   (1) 単元目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 40   (2) 単元で育成したい力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 40   (3) 単元計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 41   (4) 本研究の対象となる学習活動について …   …   ・ ・・ 44  4.Nチーム(若手教師)の子どもへの指導について・・・…   ・ .45

 5.若手教師とベテラン教師の発話比較…  一一日・H−H H H47

  (1) カテゴリーの使用回数の比較・・・・…   ・・ 47   (2) 教師の発話サイクルについて・・・・・・・・・・・・・・・・・… 48   (3) 若手教師とベテラン教師の評価言の比較・・・・・・・・・・・・… 52   (4) 子どもの特性別における発話比較・・・・・・・・・・・・・・・…  54     ・書くカがAの子ども(S1とS11)に対する教師の発話比較・・・・… 54     ・書くカがBの子ども(S2とS12,S3とS13)に対する

       教師の発話比較・… 58     ・書く力がCの子ども(S4とS14,S5とS15)に対する

       教師の発話比較・… 65

 6.まとめと今後の課題…   . . . 72

第3節 実践授業(3)r錦西発見の旅 パート2」・・・・・・・・・・・・・…  73  1.実践授業(1)と実践授業(2)から得た示唆 ・・・・・・・・・・・・…  73  2.「錦西発見の旅 パート2」の実際・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 74

  (1)単元目標 . . . .74

  (2)単元で育成したい力 ・・・…  H・・・・・・・・・・・・・… 75

  (3)単元計画・.. . . .. . 76

  (4)本研究の対象となる学習活動について ・・・・・・・・・・・・・… 80  3.若手教師の変容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 82   (1)実践授業(2)と実践授業(3)のカテゴリーの使用回数の比較・・… 82   (2)実践授業(2)と実践授業(3)の発話サイクルの比較・・・・・・… 83   (3)若手教師の評価言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 85   (4)若手教師の実践・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 87     ・細かく発間をして、子どもの思考を整理する(S15の子ども)・・・… 88

(4)

   ・比較して考えさせる、具体的な数字をあげる(S4の子ども)・・. .91    ・順を追って発問と説明を繰り返す(S3の子ども)・・ . . . 92    ・比較して考えさせる、具体的な数字をあげる、絵を描いてまとめる

       (S14の子ども)・・94    ・表を書いて説明する(S2の子ども)・・・・・・・・・・・・・・… 95 4.まとめと今後の課題・…  . …   ・ ・ . 97

第1V章 全体のまとめと今後の課題・・・・・・・・・・・…   …   98  第1節 カテゴリーについて・・・・・・・・・・・・・…   …   99  第2節 若手教師の指導言・評価言について…  H・・・・・・…   ・100

おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 101

参考文献・…   . . . .102

資料

 ・「短歌と俳句を味わおう〜短歌・俳句 達人への道〜」の若手教師のプロトコル  ・r錦酉発見の旅 パート1」の若手教師・ベテラン教師のプロトコル

 ・r食べ物ってた〜いし」の若手教師・ベテラン教師のプロトコル  ・r錦西発見の旅 パート2」の若手教師のプロトコル

(5)

第I章 問題の所在

 平成22年度までに行った実践授業から、個別学習指導時の私の指導言と評価言の 内容の不十分さが判明した。私の言葉かけの多くは「すごいやん。」「できたやん。」が 多く、適切な指導と評価ができていないことが明らかになった。総合的な学習の時間 等に調べ学習をさせた時にも書かれてあることを理解しないまま文章の丸写しをして まとめに至っている子どもの実態があり、十分な指導と評価ができていないことが考

えられた。

 山下ら(2006)は総合的な学習の時間における個別学習において教師と生徒との関 わりを発話内容と関わった時間に基づいて分析したが、具体的な解決策が述べられて いなかった。原因として、教育的な営みに即したカテゴリーではなかったことや、分 析の対象となる教師の位置づけがベテランとしての分析が、若手教師としての分析か

ということが不明確であったことが考えられる。

 本研究では、小学校総合的な学習の時間中の個別探究過程時におけるよりよい指導 方法の探究をめざす。まず、個別学習指導時の教師の発話を分析するためのカテゴリ ーを設定する。そして、総合的な学習の時間中の個別探究過程時における若手教師(私)

とベテラン教師の指導言・評価言の比較を行い、違いを明らかにして、授業改善に役 立つような指導言・評価言の示唆を得る。最終的には、若手教師がベテラン教師から 得た示唆を用いて再び実践授業を行い、若手教師の指導言・評価言に関して検証する。

(6)

第1節 平成22年度の実践授業

       r短歌と俳句を味わおう〜短歌・俳句達人への道〜」からの課題

 教職経験の浅い私の子どもへの言葉かけには、「すごいやん。」「できたやん。」が多く、

適切な指導と評価ができていないことを自覚していた。そこで、私の指導言と評価言の傾 向を明らかにすることにした。

 平成22年度に、堺市内の公立小学校5年生28名を対象として、俳句創作の授業を実践 した。その授業において、個別に俳句を創作する場面(20分間)の教師(私)の指導言・

評価言の調査を行った。研究方法として、ICレコーダーで教師と子どもの発話を記録・ビ デオで教師と子どもの動きを記録し、それらをプロトコルにおこし、どのような言葉で評 価しているのかということにっいて調べた。

 評価言について分析した結果、rすごい」rうまい」rできた」の言葉を多く用いているこ とが分かった(表1−1)。俳句が割れたことに対して「すごい」「うまい」「できた」ので あって、俳句の内容について評価している場面は少なかった。

表1−1俳句創作中の評価言

・いいやん。

・うまい。できたできた。

・いいやん。できたやん。

・できたやん。

・(S1)くんすごいやん。こんなに書いている人いないよ。

・いいよ。きれい。あったかい気持ちになる。

・できたやん。

・(S17)くん、こんなに作ったん?うまいうまい。

・(S18)ちゃん、すごい。楽しそう。

・できたやん。簡単でしょ。

・できたやん。

・うまいやん。

・なんで?なんで?(S5)君、5個もつくってすごい。

・とってもきれいね。

・(S20)君、うまいやん。自分で作ったんよね。これすごくいいやん。

・(S27)くん、作った?すごいやん。

・(S13)くん、てきだん?自分で作った?

・すごいやん。

・(S20)君、だんだん上手になってきたやん。

(7)

 これらの原因として、教師が個別学習時の指導方法が分からなかったことが考えられる。

そのため、適切な評価もできていなかったと推察される。

 また、説明については、教師から主体的に説明することが少なく、子どもからの質問に 対して答えたり、教師が創った俳句を提示したりする場面が見られた(表1−2)。

表1−2 俳句創作中の発話例

の 一

N58一 D (S20)君、あと何の季

N58.

1

語がいいんだろう?

S20.

すいかわり

N59.

すいかわりだから

N59。

1

う〜ん誰とする?

S20.親戚

N60.

どこで?

N60.

1

S20.

N61.

海で、すいかわり…

N61.

1

失敗したらどうなる?

S20.

あぶない

N62. すいかわり、しっぱい N62.

2

しちゃった

あぶない

S20.

できた

N63.

できたやん。

N63.

4

N64.

他にも作れそう?

N64.

1

(8)

第2節これまでの総合的な学習の時間申における調べ学習からの課題

 本校の多くの子どもは、総合的な学習の時間に調べ学習をさせた時に、書かれてあるこ とを理解しないまま文章の丸写しをして満足を得てしまっているという実態がある。実際 に、平成21年度に、5年生を対象に、総合的な学習の時間で地域のこと(線香や鉄砲、ふ とん太鼓など)をテーマとして取り緯んだ時に、本や資料に書かれてあることをそのまま 写して発表に至るという場面が多く見られた。原因として、平成22年度の授業実践であ る俳句創作の授業と同様に、調べ学習時の個別学習指導と評価の在り方に課題があること が考えられた。

 「探究的な学習」とは、平成20年の小学校学習指導要領解説の総合的な学習の時間編

(以下、新学習指導要領)において、従来の学習指導要領と比べて、ねらいの中に新たに 入れられた文言の1つである。「課題の設定」→「情報の収集」→「整理・分析」→「ま

とめ・表現」の過程(これらの探究過程の順序が前後したり、1つの活動の中に複数のプ ロセスが一体イビされたりする場合もある)が何度も繰り返されるものである。これらの過 程は一人一人の子どもの課題や実態に応じて対応が異なる。そこで、個別探究過程時にお いて十分な指導と評価ができれば、本校の子どもの課題が解決に近づくだろうと考えられ

た。

4

(9)

第3節先行研究の整理

 山下ら(2006)は総合的な学習の時間中の個別学習において教師(教師歴15年、男性)

と生徒(埼玉県の公立中学校、2年生、30名)との関わりを発話内容と関わった時間に基 づいて独自のカテゴリーを用いて分析した。独自のカテゴリーとは、6種類の指示形態で ある「確認」「同意」「否定」「提案」「進捗」「注意」と6種類の指示に関する内容である

「知識」「手段」「内容」「リハーサル」「道具」「現状」をクロスに組み合わせたものである。

さらに、これらの教師の関わりと学習の他者評価を照らし合わせた。

 この結果、教師が生徒に関わった時間は0分から16分合までと差がみられた。教師の 関わりが1分以下であった生徒には「手段の同意」「知識の提案」「リハーサルの進捗」の 指導が見られ、内容に深くふみこまない傾向が見られた。一方で、関わりの多かった生徒 には発表体制を整えるための「現状の注意」に多くの時間を費やしてしまい、内容面での 指導が不十分であったことを明らかにした。評価に関しては、「内容」「発表方法」「印象」

という項目ごとに点数で表した。全く関わりのなかった生徒は、「内容」と「印象」におい て平均点を上回っていたが、「発表方法」において平均点を下回っていた。全く関わらなか った生徒の中にも指導を必要としていた生徒がいたことが分かる。関わりの多かった生徒 は、「内容」と「印象」においては平均点前後であり、「発表方法」においては平均点ある いはそれ以上の点数だった。発表という目に見えやすい指導に多くの時間を費やしていた

こと一ェわかる。このように、個別学習指導では、同じ課題を追求する」斉授業とは違って、

理解しきれていない生徒を置き去りにしてしまう可能一性があると推測できる。特定の生徒 への指導に時間が費やされてしまうという個別学習指導の難しさが示唆された。しかし、

分析をしただけで、具体的な解決策が述べられていなかった。原因として、教育的な営み に即したカテゴリーではなかったことや分析の対象となる教師の位置付けがベテラン教師

(10)

第4節研究の目的

 本研究では、小学校総合的な学習の時間中の個別探究過程時におけるよりよい指導方法 の探究をめざす。

 まず、個別学習指導時の教師の発話を分析するためのカテゴリーを設定する。そして、

総合的な学習の時間中の個別探究過程時における若手教師(私)とベテラン教師の指導言.

評価言の比較を行い、違いを明らかにして、個別学習指導の改善に役立つような指導言・

評価言の示唆を得る。最終的には、ベテラン教師から得た示唆を用いて、若手教師が実践 授業を行い、若手教師の指導言・評価言を検証する。

(11)

第■章 研究の方法

 本研究は、実践授業(1)から実践授業(3)で構成されている。実践授業(1)と 実践授業(2)では、若手教師とベテラン教師の指導言・評価言を比較して、ベテラン 教師から、若手教師が授業改善に役立つような指導言・評価言の示唆を得る。そして、

実践授業(3)で、ベテラン教師から得た示唆を参考にして、若手教師が再度実践授業

を行う。

 分析方法としては、プロトコル分析を用いる。用いるカテゴリーは、授業分析のカ テゴリーとして区分されている大西(1988)の指導言と山下(1996)の評価言を再考 したものである。そして、このカテゴリーを用いて協同でのカテゴリー分析、若手教 師とベテラン教師の評価言の比較、特定の場面における教師の発話の比較、子どもの 成果物から読み取られる指導方法の違い、教師の発話のパターン(ベラック、1972)

の調査を行う。

 なお、対象となる教師は、教師歴4年の若手教師(女性)と教師歴41年(嘱託4年 を含む)のベテラン教師(女性)、子どもは、堺市の公立小学校の3年2組の22名(男 子9名、女子13名)である。

(12)

第1節研究の対象

 本研究で対象と。なる教師は、教師歴4年の若手教師(女性)と、教師歴41年(嘱託4年 を含む)のベテラン教師(女性)である。対象となる子どもは、堺市の公立小学校の3年2 組の22名(男子9名、女子13名)である。

8

(13)

第2節研究の方法

本研究は、実践授業(1)〜実践授業(3)で構成されている。

1.実践授業(1)

 授業分析のカテゴリーとして区分されている大西(1988)の指導言と山下(1996)の評 価言を用いて、本研究で用いるカテゴリーを再考する。

 実践授業では、対象となる子どもを2チームに分けて、Aチーム(子ども11名)は若 手教師、Bチーム(子ども11名)はベテラン教師で同じ指導案に沿って指導する。 「情 報の収集」→「整理・分析」の場面に焦点をあてて、個別学習指導を行う。その時の若手 教師とベテラン教師の発話をICレコーダーで記録して、プロトコルにおこす。そして、

再考したカテゴリーを用いて、協同でカテゴリー分析を行う。また、若手教師とベテラン 教師の評価言の比較、特定の場面における教師の発話、子どもの成果物から読み取られる 指導方法の遠いについても分析する。そして、ベテラン教師から若手教師が個別学習指導 の改善に役立つような評価言・指導言の示唆を得る(図2−1)。

 なお、Aチーム(子ども11名)とBチーム(子ども11名)は、4月に行った国語科の 読み取りテストの結果より、学力の差はないことは明らかである(表2−1)。

実践授業(1) 総合く錦西発見の旅 パート1〉

●平成23年6月14日〜6月27目の5時間分

若手教師 ベテラン教師

Aチーム Bチーム

①カテゴリーの研究

②集団内での指導言・評価言の比較

手教師が個別学習指導の改善に役立つような指導言・評価言の示唆を得る。

図2−1実践授業(1)1二ついて

(14)

表2−1チームの学力差(100点満点)

Aチーム(若手教師) Bチーム(ベテラン教師)

平均

93.2

SD

11.4

平均

94.1

SD

5.3

t検定の結果 nS

2.実践授業(2)

 実践授業(1)と同様に、授業分析のカテゴリーとして区分されている大西(1988)の 指導言と山下(1996)の評価言を再考したものを用いる。

 実践授業では、あらかじめ対象となる子どもを決めておき、若手教師とベテラン教師 が同じ指導案に沿って指導する。成果物の比較が明確になるように、 「まとめ・表現」の 部分に焦点をあてて、個別学習指導を行う。実践授業(1)の課題より、若手教師が子ど

もへの指導が分からなかったことから、実践授業(2)では、若手教師はあらかじめ子ど もへの指導を考えておくことにする。個別学習指導時には、実践授業(1)と同様に、若 手教師とベテラン教師の発話をICレコーダーで記録し、プロトコルにおこす。そして、

再考したカテゴリーを用いて、協同でカテゴリー分析を行う。また、教師の発話サイクル のパターン(ベラック、1972)の調査や若手教師とベテラン教師の評価言の比較、教師と 子ども(特性別(子どもの書くカと調べているテーマ))の発話から考えられる子どもの成 果物への影響の違いについて検証し、ベテラン教師から若手教師が個別学習指導の改善に 役立つような評価言・指導言の示唆を得る(図2−2)。

 対象となる子どものA,B,Cの評定は2学期の成果物から判断したものである(表2

−2)。なお子どものチームや番号は実践授業(1)とは異なる。

10

(15)

実践授業(2) 総合〈食べ物ってた〜いし〉

●平成23年12月13目〜12月20日の4時間分

若手教師

Nチーム

ベテラン教師 Eチーム

書く がA(2名)、B(2名)、 書く力がA(2名)、B(2名)、

C(1名)の児童 C(1名)の児童

子どもへの指導

をあらかじめ考 ①カテゴリーの研究

えておく。 ②発話サイクルの調査

③評価言の比較

④児童の特性に応じた成果物の比較

手教師が個別学習指導の改善に役立つような指導言・評価言の示唆を得る。

図2−2 実践授業(2)について

表2−2 NチームとEチームの対象となる子どもの書くカ(国語)の評定と 子どもが調べているテーマ

Nチーム(若手教師) Eチーム(ベテラン教師)

子どもたちが調べているテーマ 子ども 評定 子ども 評定

S1

A

S11

A

「給食の栄養について」

S2 B S12 B 「コーンソテーとさつまスティックの作り方について」

S3 B S13 B 「好きな給食ランキング」

S4

C

S14

C

「給食の産地調べ」

S5 C S15 C 「残った給食のゆくえ」

(16)

3.実践授業(3)

 実践授業(3)では、若手教師が、実践授業(1)と実践授業(2)でベテラン教師から 得た個別学習指導の改善に役立つような指導言と評価言を参考にして、個別学習指導にあ たる。なお、若手教師は、実践授業(2)と同様の場面の指導案(「まとめ・表現」の場面)

に沿って指導する。

 方法としては、実践授業(1)(2)と同様に、若手教師の発話をICレコーダーで記録し て、プロトコルにおこす。そして、実践授業(2)と同様のカテゴリーを用いて、カテゴ

リー分析を行う。また、発話サイクル(ベラック、1972)のパターンの調査や、評価言の 調査、教師と子どもの発話から考えられる子どもの成果物への影響について検証する(図

2−3)。

 最終的には、ベテラン教師から得た個別学習指導の改善に役立つような指導言・評価言 が若手教師の個別学習指導の改善につながったかどうかを検証する。

実践授業(1)と実践授業(2)から得た示唆

実践授業(3) 総合〈錦西発見の旅パート2〉

●平成24年3月5日〜3月9日の5時間分

①発話サイクルの調査

A評価言の調査

B児童の成果物について

ベテラン教師から得た指導言・評価言が個別学習指導の改善に ツながったどうかを検証する。

図2−3 実践授業(3)について

12

(17)

第皿章 分析結果と考察

 授業分析のカテゴリーとして区分されている大西(1988)の指導言と山下(1996)

の評価言を再考し、新たなカテゴリーを設定して、カテゴリー分析を行った。実践授 業(1)では、若手教師はベテラン教師に比べて発話総数が少ないことが明らかになっ た。しかし、若手教師とベテラン教師のカテゴリーの使用回数の比率に関しではほと んどの差が見られなかった。また、特定の場面の発話を質的に検討したところ、若手 教師はベテラン教師に比べて、子どもの思考に沿って発話ができていないことが推察 された。一方で、ベテラン教師は、子どもの思考に沿った発話(絵を描いて説明する、

擬声語を使うなど)がされていることが明らかになった。また、実践授業(1)の分析 において、使用しないカテゴリーがあったり、カテゴリー間で差が出なかったりした ことから、実践授業(2)では再度、カテゴリーの再考を行った。

 実践授業(2)では、再考したカテゴリーを用いてカテゴリー分析と若手教師とベテ ラン教師の発話サイクルを調査した。若手教師もベテラン教師も使用頻度が高いのは

「A(発問)」であった。また、ベテラン教師は「B(説明)→A(発問)」というサイ クルを多く用いていること明らかになった。rC(指示)」の比率に着目すると、若手 教師はベテラン教師の約3倍用いていることが分かった。教師と子ども(特性別(子

どもの書くカと調べているテーマ))の発話から考えられる子どもの成果物への影響の 違いについて検証した結果、ベテラン教師は、具体的な数字をあげる、順を追って発 問と説明を繰り返すなどの工夫が見られた。

 実践授業(3)では、実践授業(1)(2)のベテラン教師から得た授業改善に役立つ ような指導言・評価言の示唆を参考にして、若手教師が個別学習指導を行った。する と、子どもたちは、単元の目標の1つである「調べて分かったことから、考えたこと や思ったこと、次にしたいことを書く」について、自分の言葉で文章を書き上げるこ

とができた。また、若手教師の評価言が増加し、質的な向上も見られた。若手教師が ベテラン教師から得た示唆を参考にすることによって、子どもたちの成長が見られ、

若干教師の授業力が向上し、評価する力が身についたのではないかと考えられる。よ って、ベテラン教師から得た授業改善に役立つような指導言・評価言は有効であった

と言える。

(18)

第1節実践授業(1)「錦酉発見の旅 パート1」

 大西(1988)の指導言と山下(1996)の評価言を再考して、新たなカテゴリーを設定し

た。

1.カテゴリーの再考

(1)大西(1988)の指導言

 大西(1988)の指導言には、授業の中で柱となる「提言」とその柱を支える「助言」があ る。r提言」とr助言」はそれぞれr発間」r説明」r指示」に分類される。

 「尭問」とは子どもの思考に働きかける発話である。子どもに自由な思考を促して自分 の課題や問題となる箇所を発見させる「ゆれる発問」、問題の提示や思考の方向をさし示す

「大きな発問」、子どもがすでに知っていることを整理してやることやこれから思考するた めに必要なことを問う「動かない発間」に分類される。

 「説明」とは「発問」「指示」のもととなるものを含み、子どもの思考にも行動にも働き かける発話である。学ぶべきものは何かを示すr教材の内容の提示」、順序や考え方、学 び方を示す「教材の理解方法の提示」、教える側が到達した結論や解答を示す「教材の判断 の提示」に分類される。

 「指示」とは子どもの行動に働きかける発話である(図3−1)。

指導言

発間

提言

説明  指示        教材の       教材の       教材の

欝欝繁饗鶏機の

      提示

発間

助言

説明  指示        教材の

      教材の       教材の

欝欝繁鷲の灘の饗

      提示 図3−1 大西の指導言

14

(19)

(2)山下(1996)の評価言

 山下(1996)の評価言には、「価値判断的要素(バリェエーション)」、「注釈的要素(コメ ント)」、「助言的要素(アドバイス)」がある。

 「価値判断的要素(バリェエーション)」とは、子どもの行為・行動に対して善悪の判断 をづけるものである。

 「注釈的要素(コメント)」とは、価値判断的要素(バリェエーション)の根拠や理由を 示すものである。

 「助言的要素(アドバイス)」とは、子どもに次の課題への方向や内容を示唆するもので

ある。

 これらには、肯定的な文脈を表す「肯定」と否定的な文脈を表す「否定」がある(図3−

2)。

       評価言

坤言 注釈 価値

判断

省略   否定  肯定  省略  否定  肯定  省略  否定  肯定

図3−2 山下の評価言

(20)

(3)新たなカテゴリーの設定

 大西(1988)と山下(1996)のカテゴリーを再検討した結果、新たな教師の発話カテゴ リーを構築した(図3−3)。大西(1988)の「助言」と山下(1996)の「助言」が同名のカテゴ リーなので、大西の「助言」を「補助提言」と新たに命名した。また、大西(1988)の「指 示」と山下(1996)の「助言」は、同様の意味が含まれているので「指示・肯定」「指示一否定」

として置き換えた。「指導言」と「評価言」に属さないものは「その他」として分類するこ とにした。ただし、大西(1988)と山下(1996)のカテゴリーは一斉指導時に用いるカテ ゴリーなので、本研究中の個別指導時において発話例がないものがあった(表3−1)。

嶋の確詰

権構量 π仁普 その龍

震貫 ●■●□ ●□情■ 注課 違■ その○

21

痛簡 複腕 塩示 桑間 調颪 措示 書定 否定 普定 否定

17 18 19    加

■^昌 氏o{ ■}o ●o^

●■}1

書竈醐幣

^o吃 ■●■阯・ ■日o ■凹^

■■ ■□ ■■ ,■o ■■^● {■の ■■ ■■ ■■血 □■^■

o●■ {,ω 書産 香定

■示 ■■ ■籟 州一 ●巾

t 1 一    ●     ll ,^ l l ■} 一● . 

一       〇      ,    Io    I I   12    ■3   14   15   10

図3−3 発話カテゴリー(実践授業(1))

表3−1発話例(実践授業(1))

カテゴリー 務語僚 一はなし)

ゆれる発間 1

発間 大きな発間 2

■ 動かない発間 3 5mHを見つけるんやったんでしょ

教材の内容の提示 4

提言 説明 教材の理肥方法の提示 5 いつ どこでというのを順番に書くのよ 教材の判断の提示 6

肯定 7

指不 否定 8

指導言

ゆれる発間 9

発問 大きな発間 10

動かない発間 11 お店のはじまりを種ぺるのよね?/〜が分かる?

教材の内容の提示 12 そしたら、作り方いきますね。

補助提言 説明 教材の理期方法の提示 13 このあたりにあるよ。

教材の判断の促示 14 ここにあるよ。

肯定 15 こつちにおいで。

指不 否定 16 ほったらかしにしていたらあかんで。

肯定 17 めっちゃすごいやん。

価値判断 否定 18

評価言 肯定 19 無駄じゃなかったよ。

注釈 否定 20 (ちがう〕読んでない。

返事・あいづち 21 うん。ノお待たせ。ノはい。/ちょっと待っててな。

その他 その他 22 だってだってだってちゃん。

16

(21)

2.「錦西発見の旅 パート1」の実際

 実践授業(1)では、「探究的な学習」のプロセスの過程の1つである「情報の収集」「整 理・分析」の場面に焦点をあてて、授業を行った。

(1)単元目標

 本校の校区内には我が国で唯一現存する江戸時代の鉄砲鍛冶工房である鉄砲鍛冶屋敷や、

刃物の製造工程やその歴史に触れることのできる堺刃物伝統産業会館などあり刃物の町と して有名である。また、線香を製造している工場もあったり、かって茶の湯が盛んだった ことから和菓子を営む商店も多数存在したりする。しかし、子どもたちにとっては、それ らがあまりにも身近にあるために、当たり前にあるかのように感じられてしまう。だから こそ、地域の自慢となる産物に触れることにより、地域の一員として錦西の町の魅力をよ り一層感じさせたいと思い、地域を題材として扱うことにした。特に、子どもたちにとっ て分かりやすい文献が揃っていて、見学やインタビューがしやすいr刃物」r線香」r和菓 子」をテーマとして取り上げて、以下の単元目標を設定した。

【単元目標】

 町自慢となる「刃物」「線香」「和菓子」を調べる中で、学校図書館を利用したり、他 教科で学んだことを活用したり、地域の人と関わったりしながら、調べたいことを繰り 返し追求する力を身につける。そして、地域の一員として錦西の魅力を感じて、その良

さを発信していく態度を養う。

(22)

(2)単元で育成したい力

 本校の子どもたちの課題を解決するために、自分の言葉でまとめさせること、地域の人々 の関わり合うカを育成させたいと願い、以下に示す単元で育成したい能力を設定した(表

3−2)。

表3−2 単元で育成したいカ

評価の視点 本単元で育てたいカ 子どもの具体的な姿

学習方法に関するこ 情報を整理しまとめ 学校図書館にある本や資料に記載されてい

る力一 一 I 1 . . I I I 一  ■  一  一 一 一  一   一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一

る情報を自分の言葉でまとめていく。

・ 一 一 ■ ■ ■ 一 . . I 一 ■ . ■ 一 ■ 一 一 一 一            .  一 一 一 一 一 . 一 一 一 一 一 一 ■ 一 一 一 一 一 . 一 一 一 一 ■ ■ 一 I 一 一 一      . 一  一 . 一 一 一 ■ . 1 一 一 . 一 一 一 一 一 ■ 一 一 一 一 一

他教科等で学んだこ 他教科等で習得したことを活用していく。

とを活用できる力

自分自身に関するこ 学習を振り返るカ これまで学習してきたことやその時の思い

や考えを振り返りながら劇づくりに挑戦し

て発表する。

他者や社会に関する 人と地域と関わりあ グループでの調べ学習を通して協力するこ

こと う力 との大切さや、見学で地域の人と関わるこ

とによって錦西校区の魅力に気付く。

18

(23)

(3)単元計画

 単元目標が達成できるように、本単元では「学校図書館の利用」「地域の人との関わり」

を大切しながら学習を展開させていく。

 学校図書館を利用しながら、①各テーマのはじまりをr5W1H(誰が、いつ、どこで、何 を、なぜ、どのように)」に分けて調べること、②各テーマの作り方を正しい工程の順序で 調べるために箇条書きでまとめることを試みる。子どもたちは調べていく過程において、

意味の分からない言葉などの困難な壁にあたると思われる。その時に、国語科で学習した 国語辞典や百科事典を使って調べる方法を用いながら、本の丸写しではなくて自分の言葉 でまとめる力をっけさせていく。

 地域の人との関わり合いに関しては、本では調べられなかったことや、もっと知りたく なったことを見学やインタビューを通して解決していく。その時に、子どもたちが電話を 用いて見学やインタビューに向けての交渉を行う。そして、見学やインタビュー後には、

お礼のお手紙を書いて直接届けに行く。このように、地域の人々と直接関わることによっ て、コミュニケーションの大切さを感じさせていく。

 最終的に、これらの学んだことを劇にしていく。劇は、仲間と共に作り上げる喜びや、

何度も工夫や練習を積み重ねて制作する楽しみが感じることができる。学んだ時の気持ち や考えを織り交ぜながら台本を作成したり、小道具を協力しながら作ったりすることによ って、グループで協力することの大切さに気付かせたいものである。そして、出来上がっ た劇は、保護者の前で発表して、感想や意見をいただき、自分たちの学びを振り返らせて

いく。

 これらの活動を具現化するために、表3−3に示す単元の活動計画を設定した。なお、

本研究では、第3次の「テーマの『はじまり』と『作り方』について調べよう。」を対象

とする。

(24)

表3−3 r錦西発見の旅 パート1」単元の活動計画       (子どもの活動と意識の流れ)

●第1次(5時間)

◎錦西の自慢できるところをみつけよう

・生活科の学習で行った町探検を想起して、自慢で  きる場所を付せんに書いて校区地図に貼る。

 ・他にも自慢できるところを探し出すために町に出  て調べる。

 ・ゲストティーチャー(市職員)から、町の歴史・

 重要文化財についての話を聞く。

線7凝ご■一1

」二L

●第2次(3時間)

◎「刃物」「線香」「和菓子」のテーマから自分が興味 のあるテーマを選ぼう。

・堺がはじまりだと言われているもの(クリスマス、

金魚など)について知る。

r万1属r1礒㍍;τ務読二てみた

」二L

(教師の関わり)

・わくわくチャ  レンジタイム では錦西の町 自慢となる、

 「刃物」「線

香」「和菓子」

を調べていく という見通し を持たせる。

・堺発祥のもの を紹介して、

 「刃物」「線 香」「和菓子」

のはじまりを 調べる課題を 持たせるよう

にする。

(全35時間)

(言平価)

■自分の調

べたいテー マを選ぶこ

とができる。

20

(25)

●第3次(15時間)… 本研究対象

◎テーマの「はじまり」と「作り方」について調べよ

う。

・情報の集め方について知る。

・r刃物」r線香」r和菓子」のグループに分かれて 調べたりまとめたりする。

<『刃物」「線香」チーム>  <「和菓子」チーム>

学校図書館を利用して、 電話ではじまりにつ はじまりと作り方を調  いてインタビューす べる。        る。資料から作り方        を調べる。

1二幾∵和菓子」が作られn るところ1

■学校図書

館にある本 や資料に記 載されてい る情報を自 分の言葉で  まとめてい

 る。

■他教科等 で学んだこ  とを活用し  ている。

■協力しな がらグルー  プでの調べ 学習を展開

 している。

■見学で地域 の人と積極 的に関わっ  ている。

(26)

.第。次(。。時間)u

◎集めた情報をまとめて、劇にして発表しよう。

・劇を作る時に は、学習中の 思いや考えを 入れるように 助言する。

(4)本研究の対象となる学習活動について

 「刃物」「線香」「和菓・子」の『はじまり』を調べる活動では以下の目標を設定した。

【本時の目標(12〜15時間/35時間)】

O「刃物」「線香」「和菓子」のはじまりを本や資料、電話でのインタビューから情報を収集し  て、5W1H(誰が、いっ、どこで、何を、なぜ、どのように)の部分の情報を抜き出す。

○意味の分からない言葉があれば国語科で学習した「国語辞典の使い方」を活かしている。

 若手教師とベテラン教師は表3−4にある指導案に沿って授業を展開した。若手教師は

「線香チーム」と「和菓子チーム」、ベテラン教師は「刃物チーム」に指導にあたった。「刃 物チーム」と「線香チーム」は、堺子ども文化振興会が発行する『むかしの堺』という本 や、本研究の対象校の創立90周年記念誌を用いて調べた。「和菓子チーム」が調べている

「和菓子」のはじまりは、枝区内の特定の和菓子屋を調べたために資料がなく、直接電話 で聞くことになった。

22

(27)

表3−4 r刃物」r線香」r和菓子」の『はじまり』を5W1H lこ分けて調べる活動時の       指導案 学習活動

1.本時のめあてを決め  る。

子どもの意識の流れ ・教師の働きかけ■評    価

r刃物」「線香」r和菓子」のはじまりを 5W1Hに分けて調べよう。

2I本や資料を選ぶ。

3.はじまりに該当する

 5W1Hの部分を抜き

  出す。

<「刃物」「線香」チーム〉

本や資料から情報を集

めて5W1Hに分けて調

べる。

<「和菓子」チーム〉

電話で、はじまり についてインタビ

ューする。

二二二二二二二11二…二1

11㌣

・調べ方の1っと

して5W1Hに分

類して整理する  方法があることを

伝える。

・5W1Hを抜き出 す前に、書かれ てあることを読み 取ることが大事 である二とを伝え

る。

・本によっては必 要な情報がすべ  てあるわけでは

ないので、

5W1Hのすべて

の項目が見つか らなくても良いこ とを伝える。

・子どもが読めな い漢字は範唱す

る。

・一

ハり終われ

ば、本によって は情報が違うこと を伝えて、逢う本 でも調べるように 伝える。

■本や資料から 5W1Hの部分を

抜き出す。

(28)

学習の振り返りをす

る。

今日、自分が勉強したことや分かったこと の振り返りをする。

「刃物」「線香」「和菓子」の『作り方』を調べる活動では以下の目標を設定した。

【本時の目標1(16〜17時間/35時間)

○「刃物」「線香」「和菓子」の作り方を調べるために本や資料から情報を収集する。そして、

 工程を正しい順序でまとめるために、集めた情報を箇条書きにする。

○意味の分からない言葉があれば国語科で学習した「国語辞典の使い方」を活かしている。

 若手教師とベテラン教師は表3−5にある指導案に沿って授業を展開した。はじまりを 調べる時と同様に、若手教師は「線香チ』ム」と「和菓子チーム」、ベテラン教師は「刃物 チーム」に指導にあたった。「刃物チーム」と「線香チーム」は、本研究の対象校の創立 90周年記念誌を用いて調べた。「和菓子チーム」は和菓子屋のお店の人が書いてくださっ た用紙を参考にして調べた。

24

(29)

表3−5 「刃物」「線香」「和菓子」の『作り方』を箇条書きにして調べる活動時の指導案 学習活動

1.本時のめあてを  決める。

子どもの意識の流れ

r刃物」r線香」r和菓子」の作り方を調 べて箇条書きにしてまとめよう。

・教師の働きかけ■評

   佃

2.本や資料を選

 ぶ。

3.作り方を調べて箇  条書きにしてまと  める。

本はr郷土資料コーナー」にあるんだね。

本を探す時には、背表紙と目次を見れば 見つかるね。

<「刃物」「線香」「和菓子」チーム>

本や資料から作り方の情報を集めて、箇 条書きにしてまとめる。

4.学習の振り返りを  する。

…血……… h二…㎜……

今日、自分が勉強したことや分かったこ との振り返りをする。

・作り方を調べる時 に、工程の正しい 順序が分かるよう に、箇条書きでまと めるように伝える。

・作り方を箇条書きで 抜き出す前に、書 かれてあることを読 みとることが大事で

あることを伝える。

・本や資料に書かれ てある文を何度も音 読させて、繰り返し 出てくる言葉に着

 目させる。

・子どもが読めない 漢字は範唱する。

■作り方を箇条書き

にしてまとめる。

■他教科等で学んだ  ことを活用してい

 る。

・本時のめあてが達 成できたか振り返り

をさせる。

(30)

3.若手教師とベテラン教師の発話比較

 実践授業(1)の場面(平成23年6月14目〜6月27日)における若手教師とベテラン 教師と子どもの発話をプロトコルにおこして比較した。

(1)カテゴリーの比較

若手教師とベテラン教師の1回あたりの発話の回数の違いが明らかになった。若手教師 はベテラン教師に比べて、発話の回数が少ないと言える(表3−5)。

表3−5 1回あたりの発話総数(計5回分)

平均 SD

若手教師 131,8  58.3

ベテラン教師 175,0 55.3

 また、若手教師とベテラン教師が共に11(補助提言一発問一動かない発問)、14(補助提 言一説明一教材判断の提示)、15(補助提言一指示一肯定)、21(その他一返事)を順に多く用 いていて、カテゴリー別の比率の比較については差が見られなかった(表3−6)。

表3−6 カテゴリー別の比率

若手教師 ベテラン教師

平均(%)

SD

平均(%)

SD

11(補助提言一発問一動かない発問) 33.2 5.9 36.0 4.7

14(補助提言一説明一教材判断の提示) 23.6 8.2 1715 10.4 15(補助提言一指示一肯定) 16,4 12.1 16.7 3,6

21(その他一返事) 14,8 7.5 13.7 3.9

26

(31)

(2)若手教師とベテラン教師の評価言の比較

 表3−7は若手教師実践授業(1)の評価言、表3−8はベテラン教師の実践授業(1)の 評価言である。若手教師は、ベテラン教師よりも少ないことが分かる。若手教師は俳句創 作中の評価言と同様に具体的な評価ができていない。一方で、ベテラン教師は「ええとこ ろ」「それ」などと何が良かったのかを具体的に評価していることが分かる。

表3−7 若手教師の評価言(実践授業1)

・そうやねん。

・線香そのものを調べるとは思っ亡なかった。めっちゃすごいやん。

・そういうことあるよ、無駄じゃなかったよ。

・お〜、よく見つけてきたね。

・よく思い出したやん。それそれ、それがいるよ。

・立派なもんやん。

・すごいやん。

・そうやん。(S9)ちゃん、ナイスアイデア。

お〜。発見したね。

・(S11)さん、やさしいなあ。

・  したやん 進んだね、一歩

表3−8 ベテラン教師の評価言(実践授業1)

・お〜なるほど。うん、この文章の中に、いつってかきこんだ。

・なあるほど。すごい疑問が出てきたよね。

・そしたら今4人ともすごい上手にしてるから、

・(S29)さん、すごい。

・グッド。

・かしこ。今度は囲んだらいいって。さっき塗りつぶしたから。

・かしこいな。

・かしこいな。

・種類もでてきたん!ええやん。なんぼでも書きこんでいけるやん。

・うわつ、できてきた。すごいつながってきた。

・そうそう、そうそうそうそう。(S27)さん、ポプラディアや辞書で見たんよかった

 よ。

・うん。よっしゃ。4人が書きました。

・よつしやあ。

・今、ええところ気づいたね。でも、はじめの。いいところ気がづいてきているよ。

・それ、とってもいいこと見つけた。

・そうやん。

・今手でしてるのん、ものすごいうまいことやってるやん。

・(S27)さん、かしこい、えらい。そういうこと。

(32)

(3)特定の場面における発話比較

 子どもが5W1Hの「なぜ」の部分を聞いてきている場面の発話の比較と、本や資料に記 載されている作り方の部分を子どもに読み取らせている場面の発話比較を行った。

・子どもが5W1Hの「なぜ」の部分を聞いてきている場面の発話比較

 若手教師は、子どもからの質問に妥当な回答が分からず、子ども任せの活動になってい ることが分かる。カテゴリー11(補助提言一発間一動かない発問)を見ると、「とことこ?

(N122)」「先生にさっき何を聞こうとした?(N125)」と、主体が子どもになっていて、

教師の明確な指導がないことが分かる(表3−9)。

 (図中のNはNovice Teache正(若手教師)、EはExpertTeacher(ベテラン教師)を表

す。)

表3−9 若手教師の発話例I(6月16日)

ど の 

N121、

お待たせ、(S4)くん。

N121.

21

S 4 . あの〜あと、なぜ作ったか だけ。線香のとろこを探し てんやんか。どのようにっ くっていたかが書いてあっ てん。材料が。

N122.

とことこ?

N122.

11

N123.

お〜。

N123、

21

S 4 さ これ。香りの良い草や木の 葉のこなを線のようにく ねって固めたものって。

N124、

お〜。発見したね。 S

N124.

17

2 . ここにも同じようなこと

が。

S 4. そうそう。

S 2 . かおりのよい草や本の葉の 粉を、線のように細くねり

固めたもの。

S 4 一緒や。

N125.

(S4)くん、先生にさっき

N125.

11

何を聞こうとした?

S 4 あの〜、いつ、なぜ線香を 作ったかという本を探して いるねんけど、どこにもな

いねん。

N126、

なぜかあ。う〜ん。 S

N126.

21

4 . まず、なぜの意味をさが そ。まず、意味からや。

N127.

それも大事やな。 S

N127、

14

2. じゃあ、これうつすわ。

28

(33)

 ベテラン教師は、E139の「たばこの葉」の絵を描いて子どもにイメージを持たせたり、

E140のrシュッシュッシュッシュッ」と擬声語を用いたりした説明をしている。ベテラ ン教師へのインフォーマルインタビューで、絵を描いた理由と擬声語を用いた理由を尋ね ると、本に書かれてあることが子どもにとっては分かりづらいと考えたために説明で補っ たと言っていた。また、堺の刃物は切れ味が良いということを分かってほしいという思い もあったと言っていた。最終的には、資料を子どもに読み取らせてから、「線を引っ張って おこ。(E142)」と明確な指示を与えている。

 さらに、カテゴリー11(補助提言一発問一動かない発間)のN133,N141より、ベテラ ン教師は主体を教師側において、なぜ刃物が堺から始まったのかという間いを子どもに分 からせるための発間をしていることが分かる(表3−10)。

(34)

表3−10

ベテラン教師の発話例I(6月17日)

ど の

E 132. はい、(S31)さんたち、何 E 132. 11 てしょう。

S31

なぜってかみそりかたばこ 包丁かどっちなん?かみそ

り?

E 133. なんでかみそりから包丁 E 133. 11

に、えっと、なんでたば こ包丁を作ったらどラで すか、って言われたんか な?かみそりやさんやっ たのに、たばこ包丁を 作ったらどうって言われ たわけはなにですか?

S 31 分かった。あれ。

E 134. 書いてありますよ、ここ E 134. 14

に。

S 31 たばこも入ってきたし、あ れ、あの刃物」個だけやっ

たら。

E 135. ううん、そうは書いてない

E135,

14

よ。

E 136. 読んでごらん、読んでごら E 136. 15

ん。

S 31 たばこが入ってきたから。

S 30 たばこが入ってきたから。

E 137. 読んでごらん、よく文章 E 137. 15

を。

S 29 あんまり切れすぎたから。

S 31 切れすぎたから。

E 138、 切れすぎたからじゃなくっ E 138. 14 て、むっちゃ切れるから。

S 31 たばこ包丁は硬いもんを切 れるから。

1≡】139. そうそうそう、葉っぱも E 139. 14

切るんよ、木の葉っぱみ だいなん。たばこの葉っ ばって言うのがあるね ん、こんな葉っぱ。

S 30 へ一mらんかった。

E 140. それを切るのは硬いから、

E140.

14

よく切れる刃物の方が、

シュッシュッシュッ シュッってさっさと切れる んよね。今までのんやった らそれ切れにくいけど、堺 のかみそりを作っていた入 かみそりよく切れるから、

あれやったらたばこもよく 切れるん違うって、なん

E 141. どこに書いてある?(S29) E 141. 11 さん。どこに書いてあ

る?

1≡】142. 線引っ張っておこ。 E 142. 15

30

(35)

 これらより、若手教師とベテラン教師の発話を比較すると、子どもが理解しているかど うかを考えながら指導しているか、子ども任せの活動になっているかの違いがあるという ことが分かる。

・本や資料に記載されている作り方の部分を子どもに読み取らせている場面の発話比較  若手教師は、「分かった?(N19)」という発問の後に、「次に?(N19)」と次の活動へ

と促す発問を続けている。若手教師が指導している「和菓子チーム」は、他のチームより 進捗状況が遅れていたために、若手教師は活動を早く終えさせたいという意識になってい た。N18の若手教師が本や資料に記載されている作り方を説明で補っていることからも、

活動を早く終えさせたいという若手教師の意識が感じられる(表3−11)。

表3−11若手教師の発話例I(6月27日)

教師の発話 子どもの発話 分類

N

14 たき。 N 14 . 14

S 9 たき、砂糖と混せます。さ 1O らに、寒天を溶かして入 11 れ、残りの砂糖を入れ、一

時間以上煮て、最後に水あ めを入れてできあがりで す。できあがったあんはあ んバッド(あん皿)に入れ

てノ」・分けして保存します。

できたあんをかわにいれま す。かわは石川県の加賀市 から届いています。

N

15 うん。 N 15 1 21

N

16 そしたら、つぶあんな。ま N 16 14

ず、最初に小豆をはかり、

たるにいれて水で洗う。

N

17 見でな。 N 17 15

N

18 これ小豆やと思ってな。 N 18 14

小豆をはかって、たる な、これたるとして、た るに入れて洗います。 のたるに小豆を入れて 洗って、ざるに入れて水 を切ります。これ、いっ こめやな。小豆を洗って 水をきる。洗って水を切

る。

N

19 分かった?次に? N 19 11

S 11 たく?

N

20 やるやん、(S11)さん。はつ N 20 17

ちりやん。そうなのよ、た

くのよ。

(36)

 ベテラン教師は、E82より「分かった?」の発間の後に、「ちょっと説明を自分の言葉 で言ったらどう?」と、子どもが理解したかどうかの確認を行っていた。何度も確認して いることから、子どもが確実に理解するまで粘り強く指導している様子が感じられる(表

3−12)。

表3−12 ベテラン教師の発話例I(6月27日)

教師の発話 子どもの発話 分類

E

78 . だいたいでいいから、もう E 78. 11

一回、これ見ながらな、一 番最初どんなことをするか んじ?

S27.

かま、800度の中で焼いた地

金に。

E

79 . 万金。 E 79. 14

S27.

万金をつける。

E

80 . うん。 E 80. 21

E

81 」番最初はそんなことが書 E 81. 14

いてあったね。

E

82 どんなことが書いてある E 82. 11

か、だいたい分かった?

だいたい分かった?

ちょっと説明を自分の言 葉で言ったらどう?

S27.

えっと、地金に万金をつけ

る。

E

83 よつしや。

E 831

14

 これらより、若手教師は子どもに活動を進めさせたいという意識があり、ベテラン教師 は子どもに内容を理解させたいという意識があることが分かる。

32

(37)

・子どもの成果物から読み取られる指導方法の逢い

 Aチーム(若手教師)とBチーム(ベテラン教師)が作り方について紙面でまとめたも のを比較すると、若手教師とベテラン教師の指導方法の違いが見られた。

 表3−13より、Aチーム(若手教師)は資料に記載されている文の中から大事な言葉を 抜き出すことができた。表3−14の「調合って一言でいうと、どういうこと?(N196)」

というカテゴリー11(補助提言一発間一動かない発問)の発間が決定的になったと推察さ

れる。

表3−13

Aチーム(若手教師)の成果物

〈線香の作り方〉

調合一まぜること

ふるい一ふじゅん物をとりのぞくこと 練り一湯を入れて幸せること

玉あげ一五の形に分けること

押し出し一五を押し出しきに入れること

盆切り一生地を板にならべてよぶんなところを切ること 生一かわきいたにならべて両はしをきりそろえること 乾燥一線香をかわかすこと

結束一きまった量すっ線香をたばねること

包装一線香を紙につつみはこにつめること

参照

関連したドキュメント

さらに、前述の答申において「教員の養成・採

( 2008 )によると、 「自然に親しみ、見通しをもって

まず Popham ( 2009 )によれば、アセスメント

を取り上げながら、具体的なリメークの方法につい て「中心人物を変える、時代や場所を変える、新しい 登場人物を出す、などを例として挙げた」

7歳のときにリテラシーに問題のあった生徒たちが

のは、1)まったく新しい事案でまさにパイオニア

授業の中で児童達に考える力ややる気を持たせるこ

(1)(2)の先行研究は、先述した要点、要約、要