富士市立鷹岡小学校訪問実習授業概略 : 平成23年 度教職大学院教育方法開発領域
雑誌名 教職大学院・教育委員会・公立小中学校の互恵関係 による校内研修向上プログラム『協働校内研修静岡 大学‑富士市モデル』調査報告書B
ページ 88‑92
発行年 2012‑03
出版者 静岡大学大学院教育学研究科教育実践高度化専攻
URL http://hdl.handle.net/10297/7304
平成 23 年度教職大学院教育方法開発領域 富士市立鷹岡小学校訪問実習授業概略
1 訪問日及び概要について
連携協力校である富士市立鷹岡小学校に8回(表1参照)の訪問実習を行い、事前検討会、事後検討 会の参加を通して、鷹岡小学校職員と大学院生の交流し、研修を深めた。
表 1.訪問日及び訪問概要一覧
年月日 訪問概要
6月15日 ①第2学年国語科中心授業、事後検討会 7月 6日 ②第3学年国語科中心授業、事後検討会
8月 2日 社会科 (6年)・国語科 (4年)単元デザイン作成研修[夏季研修会]
9月14日 ③第6学年社会科中心授業、事後検討会 1 0月 5日 ④第4学年国語科中心授業、事後検討会 1 1月 2日 富士市教育委員会学校訪問同行
公開授業参観 ⑤‑1中心授業1年音楽科、⑤‑25年算数科 事後検討会
1 1月30日 ⑥静岡大学教職大学院提案授業 パフォーマンス評価を取り入れた社会科単元モ デル(静岡大学教職大学院院生 二上聡提案授業)
ノレーブリック作成研修会(静岡大学教職大学院院生 小笠原忠幸担当) 2月15日 研修全体会
2 参観授業概略
【①参観授業概略】校内提案授業
1 授業日 平成23年6月15日(水)
2 学年・教科・教材名 第2学年 国語科「ありとすみれ1 3 本時の目標
題名が空欄になった本教材を読み、 「どうして題名がないのかな」と気になっている子どもたちが、
繰り返し出てくる言葉に着目したり、写真を手がかりにしたりして、みんなで題名について話し合 う活動を通して、 書かれている内容に関心をもち、すみれや種に関わる自分なりの題名を書くこと ができる。
4 授業の流れ
本時は 10時間の単元で構想された第3時であり 、「ありとすみれjの本文を読み、自分だ、ったら どのような題名をつけるのかを考える授業である。学習課題である 「この説明文にぴったりの題名 を考えようJを導入でなげかけ、子どもたちは、 「すみれが多し1から、題名にはすみれが入るよJ"[た ねという言葉が12個あって一番多い」等、本文に頻繁に出てくる言葉をたよりに自分なりの考え を作っていた。頻繁に出てくる言葉にサイドラインをヲ│かせたり、すみれやすみれの種の写真を用 志したりするなど、題名の手がかりとなるような手だてを打っていた。授業の中盤には、べア活動 の時間を設け、意見交流を行った。ペア活動終了後に再度、自分で考える時間をもうけ、或程度自 分の考えが整理ついた所で、全体での話し合い活動を行った。友達の意見を参考にし、最終的には
「たねのお話J"[ありとすみれのたね」というような題名を考えることができた。
5 事後検討会の様子
事後検討会では、 「自分の考えをもつために根拠となる言葉にサイドラインを引し1たことは、進ん で発表したり、友達の意見を聞いて考えを深めたりすることに繋がっていたかJ"[題名を抜いて本教
材を提示し、題名を考えたことや授業の終末にまとめを書いたことは、本時の目標に迫るために有 効であったか」という 2つの視点を中心に話し合いが進められた。子どもの学びの様子を中心に話 が進められたが、「繰り返し使われている言葉が題名の言葉であるという考えは適切であるかJI題 名を考えさせるねらいは何かJ等の教材解釈やねらいの妥当性についての議論がなされた。グルー プ活動での話し合いを通して、本時で目指す子どもの具体的な姿を考えたり、どのような題名を考 えた子が学びが深まっているのかを再吟味したりする等、充実した討議がなされた。
6 大学院生実習内容 .中心授業参観
・事後検討会グ、ルーフ。ワークに参加
【②参観授業概略】校内中心授業
1 授業日 平成23年7月6日(水)
2 学年・教科・教材名 第3学年 国語科 「俳句に親しむJ 3 本時の目標
初めて 「はねわっててんとう虫のとびいずる」の句を詠んだ子どもたちが、何度も音読したり、
句の言葉をウエビングしたり、友達と話し合ったりする活動を通して、句の情景を思い浮かべて、 短い物語をつくる。
4 授業の流れ
本時は6時間の単元で構想、された第3時であり、教科書に掲載されている俳句 「はねわっててん とう虫のとびいずる」の情景を思い浮かべ、絵やウエピングを活用してイメージを広げ、物語に表 現した授業である。学習課題である「俳句にはどのような物語が隠されているのかなj を導入で投 げかけた。授業の始めに、 一つの言葉から連想していくウエピングの方法について、イメージを共 有し合った。しかし、個人で、俳句についての情景を思い浮かべる個人作業においては、子どもたち の多数はウエビングを使用せず、絵を描いてイメージを広げている様子がみられた。ウエビングは 2, 3人活用しただけであり、子どもたちのほとんどは、絵を活用して物語を書いている子が多か った。どのようにイメージしたのか、友達と交流する時間を経て、再度自分なりのイメージを広げ て、俳句の情景を物語として表すことができた。
5 事後検討会の様子
最初授業者が公開した授業の意図と反省点を述べ、その後 6つの小グループ。(5"‑'6人の教師) に別れ、 「ウエピングは子どもたちが情景を思い浮かべ、イメージを広げる手段として有効であった かJ I話し合い活動を通して、個々の感じ方の違いに気づき、本時の目標に迫ることができたかjと いう 2つの視点を中心として話し合いが進められた。本時において子どもたちの多数がウエピング よりも絵を使用することが多かったため、ウエビングを本時で取り上げ妥当牲についての意見交換 が目立った。さらに、子どもたちの間違った解釈を教師が受け止めた言動についての発言も見られ、
指導の在り方について述べられていた。絵を活用することに関しては、子どもたちのイメージを広 げる手段として有効であり、子どもたちがどのような物語を作成したのか、 子どもの学びの様子に ついての発言が多く語られていた。グループで語られたものを可視化させるために、模造紙に話し 合いの要点をまとめ、グループ。の代表者が発表し、全体で共有された。
6 大学院生実習内容 .中心授業参観
・事後検討会グ、ノレーフOワークに参加
・授業分析報告書の作成
【③参観授業概略】校内中心授業
1 授業日 平成23年9月 14日(水)
2 学年・教科・教材名 第6学 年 社 会 科 「近代国家へのあゆみ」
3 本時の目標
短歌や俳句をヒントに歴史について考えてきた子どもたちが、黒船に関わる狂歌を読み解く活動 を通して、黒船来航に対して江戸の人々が怖れや驚きを感じたことを理解し、瓦版にまとめること ができる。
4 授業の流れ
本時は 16時間の単元で構想された第2時であり、ペリー来航時に詠まれた 「泰平の眠りを覚ま す上喜撰たった四杯で夜も眠れずJの狂歌を解釈し、当時の江戸の混乱を理解したところで、各自 がレポーターとなって当時の江戸の状況について瓦版を作成し、発表するという展開である。この 授業の特徴として、子どもたちが事前の宿題としてペリー来航に関する調べ活動が科されており、
調べ活動をもとに、狂歌と結び、つけて自分なりの解釈に結びつけていたことである。さらに、授業 の終末に、江戸の人々の立場で、黒船来航に関する瓦版を書くというパフォーマンス評価が用いた 点も特徴と言える。子どもたちは、当時のレポーターになりきって、空砲による脅しゃ黒船の恐ろ
しさ、さらには江戸の人々の混乱ぶりを瓦版にまとめ、発表することができた。
5 事後検討会の様子
事後検討会では、「狂歌を読み解く活動は、当時の人々の心情や世相に迫る手だてとして有効だ、っ たかJI読み取ったことを伝える方法として、瓦版を書く活動は有効であったかjという 2つの視点 についての検討がなされた。視点①について、当初、狂歌の解釈は難しいと思われていたが、子ど もたちの事前の調べ活動や、友達との関わり合う場を通して、豊かな怨像がなされていたという報 告がされた。子どもたちの学びへの意欲の高さが浮き彫りとなり、狂歌から世相を読み解く活動の 有効性が明らかとなった。また、視点②に関しては、 当時のレポーターになりきり瓦版を作成され た点が高く評価されていた。パフォーマンス評価として位置付けられ、子どもの作品を参考にしな がら事後検討会が進められるなど、評価の視点が明確化されるよさを共有することができていた。 6 大学院生実習内容
.単元デザイン事前検討会参加 .中心授業参観
・事後検討会グ、ルーフ。ワークに参加
【④参観授業概略】校内中心授業
1 授業日 平成23年 10月5日(水)
2 学年・教科・教材名 第4学年 国語科 単元名「まとまりやつながりに気をつける」
教材名 「花を見つける手がかり」 3 本時の目標
2つの実験からもんしろちょうが色や形を手がかりに花を見つけていることが分かつた子どもた ちが、 3つ目の実験の文章を読み、実験の様子や結果を絵に表す活動を通して、文章表現から実験 の様子を細かく読み取ることができる。
4 授業の流れ
本時は教材文「花を見つける手がかり jの6時間の単元で構想された第5時であり、説明文であ る 「花を見つける手がかり 」に記されている 3つ目の実験を読み取り、実験の様子や結果を絵で表 すことを目的とした授業である。学習課題である「文章を読んで、3つ目の実験の様子や結果を絵 で表そう」を導入で投げかけ、子どもたちは、もんしろちょうの集まり方、色紙の種類、もんしろ ちょうが一番多く取った色紙の結果等を読み取り、絵に表すことができた。途中で、ベアの交流が あり、友達との関わりを通して、自分の絵に加除修正を図る姿が見られた。さらに、教師の支援と して絵のみではなく、記号や言葉を用いてよいことを伝えることで、子どもたちは絵と言葉を交え ながら、 3つ目の実験の様子や結果について絵で表すことができた。できた絵を電子黒板を活用し て、紹介し全体で確認する活動も行われ、友達の絵を参考に加除修正を図る姿も見られた。
5 事後検討会の様子
事後検討会では、 「文章から読み取ったことを絵に表す活動を取り入れたことは、考えを深めたり 自分の意見をもって積極的に発表したりするのに有効だったか」という視点で話し合われた。絵を 描く活動については、国語の読みを深めるための手段としては、絵の得手不得手があり、有効に働
いた子もいるが、なかなか表現できにくい子がし1ることが明らかとなった。絵が不得怠な子への対 応を図るとともに、絵だけではなく、言葉や記号で表す子も多く見られた。授業では、言葉や記号 を使ってもよいという支援は、後半に出されたので、その支援をもっと早い段階で明示してあげれ ばよかったのではなし1かという課題も明らかとなった。子どもたちの姿として、絵の根拠である教 科書の文に戻りながら、意欲的に活動する姿が見られるなど、「読み取り」を絵で表すよさについて
も共有することができていた。
6 大学院生実習内容
.単元デザイン事前検討会参加 .中心授業参観
・事後検討会グ、ルーフ。ワークに参加
【⑤‑1参観授業概略】富士市教育委員会学校訪問中心授業 1 授業日 平成23年 11月2日(水)
2 学年・教科・教材名 第1学 年 音 楽 科 単元名「ょうすをおもいうかべよう」
教 材 名 「 は る な つ あ き ふ ゆ 」 3 本時の目標
歌詞をもとに情景や様子を想像してお話作りをしたり、歌し1方を考えたりしてきた子どもたちが、
グループOの友達との話し合いや練習を通して、楽曲の気分を生かしながら声の強弱や速度などを工 夫して歌ったり、身体表現したりすることができる。
4 授業の流れ
本時は「はる なつ あき ふゆjの3時間の単元で構想された第2時であり、 4つの季節で、好 きな季節の歌詞を取り上げ、グループ。活動を通して、 声の強弱や速度などをどのように表現するか 考え、発表する授業であった。各グループ。活動においては、ホワイトボートを活用し、ホワイトボ ードに書かれた歌詞の横に、声の強弱や速度が書いてあるカードを置き、 実際に歌し、ながら、どの ように表現していったらいいのかを身体表現を加えながら、夢中になって考えていた。カードを活 用することで、話し合いがスムーズに進んでいた。授業の終末において、各グ、ルーフ。で、考えたこと、
工夫した点を話してから、 実際に歌ったり、身体表現したりしながら発表することができていた。
5 事後検討会の様子
事後検討会では、「歌い方の工夫を考えるために、グループ活動を取り入れたことは有効で、あった かj という視点で話し合われた。話し合われた内容として、子どもが思考しやすいようにホワイト ボードやカードなどの工夫があった、グループ。で、の話し合いが深まっていた等の意見が出された。
特に、グ、ループ活動の有効性が話題にあがり、グループ。内で、意見を伝え合い、仮の表現が決定する と、それを実際に歌ったり、身体表現したりし、試行錯誤しながら、よりよい工夫となるように考 える姿が見られたことが大きな成果としてあげられた。
6 大学院生実習内容 .中心授業参観
・事後検討会グ、ルーフ。ワーク参加
【⑤‑2参観授業概略】富士市教育委員会学校訪問中心授業 1 授 業 日 平 成23年 11月2日(水)
2 学年・教科・教材名 第5学 年 算 数 科 単元名「めざせ!図形の面積マスター1 3 本時の目標
平行四辺形の面積の求め方について学習してきた子どもたちが、 三角形の面積の求め方について、
既習事項をもとに図や式を使って考えたり話し合ったりする活動を通して、三角形の面積は、長方 形、平行四辺形に変形して求めればよいことがわかる。
4 授業の流れ
本時は「めざせ!図形の面積マスター」の 15時間の単元で構想された第6時であり、 三角形の 面積の求め方を、今まで学習した平行四辺形、長方形に変形しながら考える授業であった。実際に
切り取ったり、色を塗ったりしながら、変形の様子を可視化させていた。自分の考えを具体化させ るために、どのように三角形の面積を求めたのかについての説明を書かせた。その後、べアとの交 流を経て、全体での話し合い活動が展開された。平行四辺形や長方形に変形させ、自分のやり方と 友達のやり方を比較しながら、三角形の面積を求めることができた。
5 事後検討会の様子
事後検討会では、「実際の三角形を具体的な操作活動を通して、自分の考えを見つけたり、ペアで 伝え合ったりする活動が、 言語活動の充実につながっていたかJIまず単元全体で学習の見通しを立 ててから、課題を設定することが、自分たちの考えを作り出す活動に有効であったかj という視点 で話し合われた。特に、べア活動の様子が話題にあがり、ペア活動においては自分の意見を聞いて もらえる喜び、友達の意見を参考にできるよさ等、具体的な子どもの姿を通して報告されていた。
また、単元構想、から学年部で足並みを揃えて実践を積み重ね、お互いに研修を深め合う大切さも浮 き彫りとなった。
6 大学院生実習内容 .中心授業参観
・事後検討会グ、ルーフ。ワーク参加