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脊髄髄内腫瘍術後の脊髄障害性疼痛の病態

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51:937

<シンポジウム 08―2>痛みの最新の病態と治療

脊髄髄内腫瘍術後の脊髄障害性疼痛の病態

中村 雅也

収彦

細金 直文

渡邊 航太

石井

戸山 芳昭

千葉 一裕

松本 守雄

(臨床神経 2011;51:937-938) Key words:神経障害性疼痛,脊髄,髄内腫瘍,手術治療 脊髄髄内腫瘍の手術治療後は神経脱落症状のみならず,異 常知覚やしびれをともなった疼痛により患者の日常生活動作 はいちじるしく障害されることをしばしば経験する.これら 脊髄障害性疼痛に関するまとまった報告はこれまでほとんど なかったため,その実態や病態は不明な点が山積し治療に難 渋することが多い.そこで本研究の目的は,脊髄髄内腫瘍患者 に対するアンケート調査により術後脊髄障害性疼痛の実態を 明らかにすることである. 対象は 2000∼2008 年に当院で手術治療をおこなった脊髄 髄内腫瘍のうち死亡例を除く 105 例にアンケート調査を施行 した.アンケートの回収率は 81% で,これらの腫瘍の内訳は 上衣腫 43 例,星細胞腫 17 例,血管系腫瘍 21 例,その他 4 例であった.術式は,全摘 73 例,亜全摘 6 例,部分摘出,生 検,脊髄離断が各 2 例であった.術後経過観察期間は平均 5.4 年であった.アンケートは神経障害性疼痛重症度評価ツール 日本語版を送付し,疼痛スコアは 50 点満点で評価した.また, 神経症状の評価は日本整形外科学会頚髄症治療成績判定基準 (JOA スコア)をもちいた. 術後脊髄障害性疼痛の発生頻度, 腫瘍の種類別の疼痛スコアの比較,疼痛スコアと術後 JOA スコアとの相関を検討した. 脊髄髄内腫瘍患者の術後疼痛スコアは平均 13.5 点で,その 内訳は自発痛(皮膚表面)2.5 点,自発痛(深部組織)2.9 点, 発作 2.0 点,誘発痛 2.1 点,異常感覚 4.0 点で,異常感覚がもっ とも高かった.術後疼痛スコアと JOA スコアには負の相関が みられたが,この相関から外れる症例も散見された.腫瘍別の 検討では,上衣腫 14.1 点,星細胞腫 14.2 点,血管系腫瘍 14.0 点,その他 3.0 点で,その他が有意に低く,他の 3 群間に有意 差はみられなかった. 今回の検討より,脊髄髄内腫瘍の術後患者の多くが脊髄障 害性疼痛に苦しんでいる実態が明らかになった.なかでも異 常知覚がもっとも高頻度にみられ,これらの脊髄障害性疼痛 は術後の神経障害の重症度と相関がみられたことからも,術 後に重篤な神経障害がみられる患者に対しては,脊髄障害性 疼痛の出現を考慮して治療を考える必要がある.術後脊髄障 害性疼痛は上衣腫,星細胞腫,血管系腫瘍間で違いはみられな かったが,全摘出が比較的容易な神経鞘腫と部分摘出にとど めた脂肪腫や線維腫では軽度であったことから,手術手技に ともなう脊髄への侵襲が関与する可能性が高い. 慶應義塾大学医学部整形外科〔〒160―8582 東京都新宿区信濃町 35〕 (受付日:2011 年 5 月 19 日)

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臨床神経学 51巻11号(2011:11) 51:938

Abstract

Central neuropathic pain after surgical resection in patients with spinal intramedullary tumor

Masaya Nakamura, M.D., Osahiko Tsuji, M.D., Naobumi Hosogane, M.D., Kota Watanebe, M.D., Takashi Tsuji, M.D., Ken Ishii, M.D., Yoshiaki Toyama, M.D., Kazuhiro Chiba, M.D. and Morio Matsumoto, M.D.

Department of Orthopaedic Surgery, Keio University

(Clin Neurol 2011;51:937-938)

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