70 (19) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
アオ シバ トモ コ子(昭和37
博士(医学) 甲信250号 平成6年3月18日 ヤ学位規則第4条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程修了者)
Increased number of H正A・DP positive T cells in patients witL autoim- mune hepatitis and its association with serum immunoglobulin level(自己免疫性肝炎患者におけるHLA・DP陽性丁細胞の増加と血清免疫グロ
プリン値との相関について)(主査)教授林 直諒
(副査)教授 内山 竹彦,小暮美津子論 文 内 容 の 要 旨
目的 自己免疫性肝炎(以下AIH)における免疫異常を解析する目的で,MHCクラスII抗原の一種である
HLA-DP抗原陽性T細胞の出現率を算定し,その臨 床的意義について検討した. 対象及び方法 対象はMackayらの自己免疫性肝炎の診断基準を みたした16例症例であり,同時にHBs抗原陽性B型 慢性肝炎患者(以下BCH)12例,及び健常人12例を対 照として検討した.方法は,末梢血単核球を分離しHLA-DP抗体は間接法でFITCで染色しPE標識し
た抗CD3, CD4, CD8を加えて2重染色とし,且ow cytometoryで解析した. 結果 全T細胞に対するDP抗原陽性T細胞は, AIHで, 47.5±18.7%,BCHで25,7±11.9%,健常者では 18.6±11.0%であり,コントロール群に比し,AIHに おいて,有意にHLA-DR抗原陽性T細胞の割合の増 加が認められた.AIH患者のT細胞をCD4, CD8抗原 陽性T細胞に区分し,それぞれにおけるDP抗原陽性 細胞を検討してみると,CD4陽性T細胞では37.3± 19.4%,CD8抗原陽性T細胞では64.0±20.5%であ り,後者において優位にHLA-DP抗原陽性細胞が認 められた.AIHにおけるこのT細胞群の役割を検討 する目的で,その頻度と血清中のγグロブリン値との 相関を検討した結果,両者の間には有意な相関が認め られ,この免疫グロブリン値との相関は,CD4細胞DP 抗原陽性T細胞の存在による事が明らかとなった. 考察 自己免疫性疾患患者において末梢血中に通常のT細胞上には表出されていないHLAクラスII抗原を
持つ活性化T細胞が出現し,自己免疫性疾患の免疫異 常と何らかの関わりをもつのではないかといわれてい るが,その臨床的意義は未だ明らかでない.今回我々 の実験ではこの活性化T細胞の機能を見るために活性化T細胞の出現率と血清immunoglobulin値との
相関を検討した.AIH群ではコントロール群に比し有 意に活性化T細胞の出現率が増加していた.また, AIH群においては, CD8細胞においてHLA-DP抗原 が優位に表出されていたにもかかわらず,CD4細胞と 血清中のγグロブリン値との間には相関が認められ た. 結語 以上より,活性化T細胞は,自己免疫性肝炎におい て血清γグロブリンの産生に何らかの役割を果たし ている可能性が示唆された. 一676一71